JP4136235B2 - 電気二重層コンデンサ装置の充電方法及び充電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気二重層コンデンサ装置の充電方法及び充電装置に係わり、特に電気二重層コンデンサ装置を構成する各電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正する電気二重層コンデンサ装置の充電方法及び充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電極材料として比表面が大きくかつ電気化学的に不活性の活性炭と電解質との組み合わせで、電子の電気二重層構造を利用して飛躍的に容量を増大させた電気二重層コンデンサを利用することが種々提案されている。
【0003】
この電気二重層コンデンサは、単一のセルでは定格電圧がせいぜい3V程度までと小さいため、電源装置として利用する場合には、図6に示すように複数個の電気二重層コンデンサセル1を直列に接続して、電気二重層コンデンサ装置10として使用される。
【0004】
電気二重層コンデンサセル1の耐電圧は電解質の電気分解に依存し、充電電圧がこの電圧を超えると、電気二重層コンデンサセル1の劣化が進み、寿命が急速に低下する性質がある。このため、各電気二重層コンデンサセル1の定格電圧は上記の耐電圧以下に設定して使用する必要がある。ここで、定格電圧は、電気二重層コンデンサセル1の使用最大電圧をいう。
【0005】
しかし、各電気二重層コンデンサセル1は、それぞれ静電容量や内部抵抗にばらつきをもっており、各電気二重層コンデンサセル1を直列に接続した状態で単に充電を行うと、この静電容量や内部抵抗のばらつきにより各電気二重層コンデンサセル1に加わるバイアス電圧に差が生じて、充電電圧に不均衡を生じる。従って、この充電電圧の不均衡のため、電気二重層コンデンサ装置10の充電時に電気二重層コンデンサセル1の充電電圧が耐電圧を超えてしまうことがある。
【0006】
かかる問題を解決する方策として、従来、図7に示すように等しい抵抗値をもつ抵抗3(ブリーダ抵抗)を電気二重層コンデンサセル1に並列に接続することにより、各電気二重層コンデンサセル1に加わるバイアス電圧を等しくして充電電圧のアンバランスを補正させる手段や、この抵抗3を電気二重層コンデンサセル1の充電電圧が所定値以上になった場合に働くようにする技術が開示されている(実開平5−23527号公報等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の技術では充電電圧のアンバランスを補正するために、電気二重層コンデンサセル1に並列に回路を設ける必要があり、製造コストの増加の問題や、回路から発生する発熱の問題および部品点数の増加に伴う信頼性が低下する等の問題が生じていた。
【0008】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、電気二重層コンデンサ装置を構成する各電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正する電気二重層コンデンサ装置の充電方法及び充電装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため本発明(請求項1)は、複数の電気二重層コンデンサセルを直列若しくは直並列に接続して構成し、該電気二重層コンデンサセルに対し並列回路を設けることなく該電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正する電気二重層コンデンサ装置の充電方法であって、該電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧若しくは電流を増加させる通常充電中に、前記電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧が目標充電電圧である設定充電電圧値未満であり、かつ前記複数の電気二重層コンデンサセルのセル端子電圧の内の少なくとも一つが、該電気二重層コンデンサセルの定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値以上になったとき、前記電気二重層コンデンサ装置に対し異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて緩和充電を行い、該緩和充電の開始後所定時間を経過したとき又は該緩和充電により前記緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき前記通常充電を再開させることを特徴とする。
【0010】
電気二重層コンデンサ装置は、複数の電気二重層コンデンサセルを直列若しくは直並列に接続して構成する。電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧が目標充電電圧である設定充電電圧値未満としたのは、この設定充電電圧値若しくはこの電圧値付近で緩和充電を行うと、電気二重層コンデンサセル間の品質のばらつき如何によっては、電気二重層コンデンサセルのいずれかが電気二重層コンデンサセルの耐電圧を超えるおそれを生ずるためである。緩和充電は、自動又は手動により異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて行う。
【0011】
このことにより、電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正することができる。また、充電電圧のアンバランスを補正するために電気二重層コンデンサセルに並列に設けた回路等が不要なため、製造コストの増加の問題や、回路から発生する発熱の問題および部品点数の増加に伴う信頼性が低下する等の問題を解消することができる。
【0013】
緩和充電は、電気二重層コンデンサセルの端子電圧の内の少なくとも一つが、この電気二重層コンデンサセルの定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値を超えたとき行う。この緩和充電開始設定電圧値は、定格電圧に等しいか若しくは定格電圧以下であることが望ましい。電気二重層コンデンサセルが耐電圧を超えるのを防止するためである。
【0014】
そして、緩和充電は、緩和充電の開始後、所定時間を経過したとき又はこの緩和充電により緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき前記通常充電を再開させる。緩和充電を行うにつれて、徐々に電気二重層コンデンサセルの電圧値は下がっていく。
【0015】
緩和充電停止設定電圧値は、緩和充電が十分に行われ、その効果を期待出来る電圧値である。緩和充電開始設定電圧値を超えていた電気二重層コンデンサセルの電圧値が、緩和充電によりこの緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき、電気二重層コンデンサ装置に対し通常充電を再開する。
【0016】
このことにより、いずれの電気二重層コンデンサセルをも耐電圧を超えさせずに、電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正することができる。
【0017】
更に、本発明(請求項2)は、複数の電気二重層コンデンサセルを直列若しくは直並列に接続して構成した電気二重層コンデンサ装置と、該電気二重層コンデンサ装置を充電する充電装置と、前記電気二重層コンデンサセルの各セル端子電圧を前記充電装置に帰還させるセル端子電圧帰還手段と、前記電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧若しくは電流を増加させる通常充電中に、該端子間電圧が目標充電電圧である設定充電電圧値未満であり、かつ前記セル端子電圧帰還手段により帰還されたセル端子電圧の内の少なくとも一つが、前記電気二重層コンデンサセルの定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値以上になったとき、前記電気二重層コンデンサ装置に対し異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて緩和充電を行い、該それぞれの緩和充電の開始後所定時間を経過したとき又は該緩和充電により前記緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき前記通常充電を再開させる緩和充電制御手段とを備え、前記電気二重層コンデンサセルに対し並列回路を設けることなく該電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正することを特徴とする。
【0018】
セル端子電圧帰還手段により、電気二重層コンデンサセルの各セル端子電圧を充電装置に帰還させる。そして、このセル端子電圧の内の少なくとも一つが、電気二重層コンデンサセルの定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値を超えたとき、電気二重層コンデンサ装置に対し異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて緩和充電を行う。
【0019】
異なる充電電圧について段階的に複数回と記載した中には、複数回は必ず行うという意味の他に、緩和充電開始設定電圧値を超えたときでも緩和充電を行わない場合も考慮している。緩和充電制御手段は、緩和充電の開始後所定時間を経過したとき又は緩和充電により緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき通常充電を再開させる。
【0020】
従って、緩和充電を十分行った後には、再び通常充電を再開する。
このことにより、電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の構成図を図1及び図2に示す。図1は電気二重層コンデンサセル1A、1Bを直列接続して電気二重層コンデンサ装置20を構成した場合である。
【0022】
電気二重層コンデンサセル1A、1Bは、図1の左側に示されるような抵抗を介して連なる無数のコンデンサ要素であると考えられている。従って、電気二重層コンデンサ装置20を等価回路で表示すると図1右側のように表現できる。
【0023】
ここで、電気二重層コンデンサセル1Aのr11からr1nの合成抵抗がr01であり、C11からC1nの合成容量がC01である。電気二重層コンデンサセル1Bについても同様で、r21からr2nの合成抵抗がr02であり、C21からC2nの合成容量がC02である。
【0024】
図2には、この電気二重層コンデンサ装置20を充電装置5により充電しているときの様子を示す。ここで、端子間電圧である充電電圧Eは電気二重層コンデンサ装置20の充電電圧、Ioは充電電流、V1,V2は電気二重層コンデンサセル1A、1Bの各セル端子電圧を示す。
【0025】
また、I11からI1nおよびI21からI2nは充電電流Ioの分電流を現し、Q11からQ1nはC11からC1nに蓄えられた電荷量、Q21からQ2nはC21からC2nに蓄えられた電荷量である。
【0026】
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
充電中のV1およびV2とEの関係は、E=V1+V2で現すことができる。ここで、V1およびV2は、数1および数2のように示せる。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
充電の途中で充電電圧Eを一定にする緩和充電を行うと、充電電流Ioは減少し最終的に0に近くなる。緩和充電は、このように充電電圧Eを一定にしつつ、微小の充電電流Ioにより充電を行うものである。従って、Ioの分電流であるI11からI1nおよびI21からI2nもほぼ0となる。
このとき、V1およびV2は、
【0030】
【数3】
【0031】
【数4】
【0032】
となる。ここでQ01およびQ02は、電気二重層コンデンサ1Aおよび1Bに蓄えられた電荷量であり、直列接続された電気二重層コンデンサセル1A、1Bにおいては、Q01=Q02となる。
【0033】
従って、充電中に緩和充電を行うことで電気二重層コンデンサセル1A、1Bの内部抵抗のばらつきによる充電電圧のアンバランスは解消される。また、このような原理の他に、電気二重層コンデンサセル1A、1Bの漏れ抵抗が、図7の電気二重層コンデンサ装置20に並列に設けられたブリーダ抵抗の役割をして、充電電圧のアンバランスを補正する効果がある。
【0034】
漏れ抵抗RLを考慮した電気二重層コンデンサセル1の等価回路を図3に示す。図3において、内部抵抗r、コンデンサCが端子7A、7Bに対し直列に、漏れ抵抗RLが端子7A、7Bに対し並列に接続されている。
【0035】
ここに、漏れ抵抗RLは充電電圧が高いほど小さくなる傾向があり、充電電圧の高い電気二重層コンデンサセル1ほど電圧が下がり、充電電圧の低い電気二重層コンデンサセル1はその電圧を維持する傾向となる。これにより充電電圧のアンバランスが補正される。
【0036】
目的とする最終の充電電圧を設定充電電圧と定義する。従って、通常は設定充電電圧は電気二重層コンデンサ装置20の定格電圧となる。この設定充電電圧以下の電圧で上記のように緩和充電を行えば、直列接続された各電気二重層コンデンサセル1の電圧は充電途中に均等化が進む。
【0037】
そして、緩和充電後に再度充電が再開されても、充電電圧のアンバランスが補正されているため、設定充電電圧値での各電気二重層コンデンサセル1の充電電圧のばらつきを抑えることができる。
【0038】
また、緩和充電を設定充電電圧値未満としたのは、いきなり設定充電電圧で充電し、この電圧で緩和充電を行うと、電気二重層コンデンサセル1に加わるバイアス電圧V1,V2のいずれかが電気二重層コンデンサセル1の耐電圧を超える可能性があるためである。
【0039】
緩和充電を行う電圧は、電気二重層コンデンサセル1間の品質のばらつきを考慮し、緩和充電電圧において電気二重層コンデンサセル1の耐電圧を超えない範囲で行う必要がある。
【0040】
また、電気二重層コンデンサセル1間の品質のばらつきが大きい場合には、緩和充電を行う回数を増やし段階的に充電電圧を上げることで、電気二重層コンデンサセル1に加わるバイアス電圧が耐電圧を超えることなく、設定充電電電圧値における電気二重層コンデンサセル1間の充電電圧のアンバランスを効果的に補正することができる。
【0041】
次に、かかる緩和充電を自動的に行う方法について説明する。
図2中に記載は省略するが、各電気二重層コンデンサセル1のセル端子電圧をそれぞれ充電装置5に帰還させる。そして、このセル端子電圧の内の少なくとも一つが、電気二重層コンデンサセル1の定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値を超えたとき、電気二重層コンデンサ装置に対し緩和充電を行う。
【0042】
但し、このときでも電気二重層コンデンサ装置20の端子間電圧は設定充電電圧値未満とする。従って、設定充電電圧値を超えた場合には充電装置5からの充電を停止する。これは、電気二重層コンデンサセル1間の品質のばらつき如何によっては、電気二重層コンデンサセル1のいずれかが電気二重層コンデンサセル1の耐電圧を超えるおそれを生ずるためである。
【0043】
緩和充電開始設定電圧値は、例えば電気二重層コンデンサセル1の定格電圧若しくはこの値以下の定格電圧に近い電圧値である。この緩和充電は、緩和充電開始設定電圧値を超えたとき必ず緩和充電を行ってもよいが、回数を制限したり、間欠的に行う等してもよい。
【0044】
その後、緩和充電の開始後所定時間を経過したとき通常充電を再開させる。但し、時間経過ではなく、緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき通常充電を再開させるようにしてもよい。
【0045】
この緩和充電停止設定電圧値は、緩和充電による電気二重層コンデンサセル1間の充電電圧のアンバランス効果を期待出来ると判断される電圧値である。
このことにより、電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを自動的に補正することができる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図4のように5個の電気二重層コンデンサセル1A、1B、1C、1D、1Eを直列に接続して構成した電気二重層コンデンサ装置30を、本発明による充電方法により充電したときの例を以下に示す。
【0047】
図5に、充電中の各電気二重層コンデンサセル1の充電電圧および電気二重層コンデンサ装置30に印加された充電電圧の変化の例を示す。図5の上段のグラフが電気二重層コンデンサ装置30に印加した充電電圧(縦軸)を、下段のグラフが図4の電気二重層コンデンサセル1A、1B、1C、1D、1Eの充電電圧(縦軸)を示している。
【0048】
上下段のグラフとも横軸は充電開始からの時間経過となる。経過時間軸に時間目盛りが記載されていないのは、グラフを見やすくするため尺度を拡大および縮尺しているためである。概算として、この例では、電気二重層コンデンサ装置30の印加電圧が昇圧されている時間は、一回あたり3分間程度あり、緩和充電時間は一回あたり1.5時間程度である。
【0049】
この、緩和時間は、電気二重層コンデンサセル1の品質のばらつきに合わせて、緩和充電による充電電圧のアンバランスの補正の効果とを勘案して決定する。また、上段のグラフにおいては、0Vから充電を開始しているが、緩和充電部を拡大して表記している。電気二重層コンデンサセル1A、1B、1C、1D、1Eの充電電圧の総和が電気二重層コンデンサ装置30に印加した充電電圧となる。
【0050】
この実施例での、目的とする電気二重層コンデンサ装置30の充電電圧は12.6Vであり、これが設定充電電圧である。従って、電気二重層コンデンサ装置30が12.6Vに充電された時には、各電気二重層コンデンサセル1A、1B、1C、1D、1Eの充電電圧がアンバランスでなくそろっていることが望ましい。
【0051】
これは、先に示したように、ある電気二重層コンデンサセル1のみ充電電圧が高く、定格電圧を超えてしまい劣化が進まないようにするためである。また、電気エネルギーの貯蔵面からも各電気二重層コンデンサセル1に均等に充電されているのが望ましい。
【0052】
図5の例では、電気二重層コンデンサ装置30の充電電圧9.4Vの時点で一回目の緩和充電をおこなった。この緩和充電開始直前の電気二重層コンデンサセル1の充電電圧のアンバランスδV(最大値―最小値)は、0.57Vあった。
【0053】
従って、緩和充電を行わない充電ではこの程度の充電電圧のアンバランスが生じる。9.4Vでの緩和充電後に、10.3Vと11.5Vで設定充電電圧に達する前にさらに2回の緩和充電を行った。
【0054】
その結果、設定充電電圧12.6Vに達したときには、電気二重層コンデンサセル1間の充電電圧のアンバランスδV(最大値―最小値)は、0.06Vとなり、アンバランスはほぼ解消され、使用上の問題はなくなる。これにより、設定充電電圧に達する前に緩和充電を行うことで、各電気二重層コンデンサセル1の充電電圧のアンバランスが効果的に補正されていることがわかる。
【0055】
次に、請求項1に相当する実施例について説明する。図5において、電気二重層コンデンサ装置30の充電電圧が11.5Vに達した時から、請求項1の充電方法により電気二重層コンデンサ装置30を充電した。このとき、緩和充電開始設定電圧値を電気二重層コンデンサセル1の定格電圧と等しい2.50Vに設定し、緩和充電停止設定電圧値を2.49Vに設定している。
【0056】
電気二重層コンデンサ装置30の充電電圧が11.5Vに達した時に、電気二重層コンデンサセル1Aが2.50Vに達して、緩和充電を開始した。緩和充電により電気二重層コンデンサセル1Aの電圧が2.49Vに低下して、電気二重層コンデンサ装置30の電圧を上げる通常充電を再開した。その後、電気二重層コンデンサセル1Aが再び2.50Vに達したときに、電気二重層コンデンサ装置30の設定充電電圧である12.6Vに達して充電が完了したものである。
【0057】
なお、従来の技術では充電電圧のアンバランスを補正するために、電気二重層コンデンサセルに並列に回路を設ける必要があったり、これに伴う製造コストの増加の問題や、回路から発生する発熱の問題および部品点数の増加に伴う信頼性が低下する等の問題が生じていたが、本発明によりこれらの問題は解決される。
【0058】
また、本発明は、例えば、昼間は太陽電池などで常時充電をこない、夜間に電気二重層コンデンサ装置に蓄えたエネルギーを利用する場合や非常時のみ電気二重層コンデンサ装置からエネルギーを取り出すような充電時間に制約が少ない場合には、電気二重層コンデンサセルの充電電圧を補正するための緩和充電を十分に行えるため、有効に寄与する。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、通常充電中に、電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧が目標充電電圧である設定充電電圧値未満であるとき、電気二重層コンデンサ装置に対し緩和充電を異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて行うこととしたので、電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気二重層コンデンサセルを直列接続して電気二重層コンデンサ装置を構成した図
【図2】 電気二重層コンデンサ装置を充電装置により充電しているときの様子を示す図
【図3】 漏れ抵抗を考慮した電気二重層コンデンサセルの等価回路
【図4】 5個の電気二重層コンデンサセルを直列に接続して構成した電気二重層コンデンサ装置の実施例
【図5】 充電中の各電気二重層コンデンサセルの充電電圧および電気二重層コンデンサ装置に印加された充電電圧の変化を示す図
【図6】 従来の電気二重層コンデンサ装置の構成例
【図7】 ブリーダ抵抗が電気二重層コンデンサセルに並列に接続された例
【符号の説明】
1(1A、1B、1C、1D、1E) 各電気二重層コンデンサセル
5 充電装置
10、20、30 電気二重層コンデンサ装置
Claims (2)
- 複数の電気二重層コンデンサセルを直列若しくは直並列に接続して構成し、該電気二重層コンデンサセルに対し並列回路を設けることなく該電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正する電気二重層コンデンサ装置の充電方法であって、
該電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧若しくは電流を増加させる通常充電中に、前記電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧が目標充電電圧である設定充電電圧値未満であり、かつ前記複数の電気二重層コンデンサセルのセル端子電圧の内の少なくとも一つが、該電気二重層コンデンサセルの定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値以上になったとき、
前記電気二重層コンデンサ装置に対し異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて緩和充電を行い、
該緩和充電の開始後所定時間を経過したとき又は該緩和充電により前記緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき前記通常充電を再開させることを特徴とする電気二重層コンデンサ装置の充電方法。 - 複数の電気二重層コンデンサセルを直列若しくは直並列に接続して構成した電気二重層コンデンサ装置と、
該電気二重層コンデンサ装置を充電する充電装置と、
前記電気二重層コンデンサセルの各セル端子電圧を前記充電装置に帰還させるセル端子電圧帰還手段と、
前記電気二重層コンデンサ装置の端子間電圧若しくは電流を増加させる通常充電中に、該端子間電圧が目標充電電圧である設定充電電圧値未満であり、かつ前記セル端子電圧帰還手段により帰還されたセル端子電圧の内の少なくとも一つが、前記電気二重層コンデンサセルの定格電圧を基準に予め設定した緩和充電開始設定電圧値以上になったとき、前記電気二重層コンデンサ装置に対し異なる充電電圧について段階的に複数回に分けて緩和充電を行い、該それぞれの緩和充電の開始後所定時間を経過したとき又は該緩和充電により前記緩和充電開始設定電圧値より小さく予め設定した緩和充電停止設定電圧値を下回ったとき前記通常充電を再開させる緩和充電制御手段とを備え、
前記電気二重層コンデンサセルに対し並列回路を設けることなく該電気二重層コンデンサセルの充電電圧のアンバランスを補正することを特徴とする電気二重層コンデンサ装置の充電装置。
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