JP4136157B2 - 分子測長方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分子の長さを測定する方法に関し、特に、生体分子を測長する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNA、RNAおよびタンパク質等の生体分子の長さを測定することは、生化学、医学を始めとする多くの分野において非常に有益に行われている。例えば、DNAの長さを測定することは、エキソヌクレアーゼやエンドヌクレアーゼ等の酵素活性を定量的に評価する方法として有用であり、また、DNA−タンパク質複合体の結合部位を特定する方法としても有用である。
【0003】
従来使用されている生体分子の測長方法の1つには、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いる方法がある。この方法は、生体分子を走査型プローブ顕微鏡により可視化し、得られた画像を該顕微鏡に接続されたディスプレイ上に映し出し、ディスプレイ上のその画像を基に、分子を1つずつ手動で測長する方法である。ディスプレイ上の測長は、該ディスプレイ上のカーソル(コンピュータに接続されたマウスの動きに連動して移動させることが可能である)を、マウスを操作することにより移動し、先ず最初に、該カーソルを問題の生体分子の一端に合わせ、次に該生体分子に沿って該カーソルを移動し、最終的に、該カーソルの移動量に基づいて該生体分子の長さを求めるというものである。
【0004】
上記のような方法を用いる場合には、ディスプレイ上に存在する生体分子の数に応じて、上記操作を何度も繰り返して行う必要があった。従って、例えば、1000bpの大きさのDNAがディスプレイ上に20本表示されている場合には、その測定に30分以上を要する等、測定時間が非常に長くなることが欠点であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、分子の長さを簡便に測定する方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達するため、分子を走査型プローブ顕微鏡により撮像した画像から、分子の長さを測定する分子測長方法において、
1)前記画像の背景画像を一定の割合で補正することによって、前記分子画像のみを抽出する工程と、
2)前記抽出された分子画像をしきい値に基づいて二値化する工程と、
3)前記二値化された分子画像から分子の中心線を抽出する工程と、
4)前記中心線を抽出された分子画像から測定対象の分子以外の画像を除去するために、 i )点ノイズである独立点の除去、 ii )設定値よりも短い分枝の除去、 iii )直前の工程で除去できなかった分枝の除去、 iv )短い分子やノイズ画素の除去、および v )分枝の連接の順序で、前記中心線を抽出された分子画像の修正を行う工程と、
5)前記測定対象の分子の長さを、表示画面の画素数に基づいて測定する工程とを有することを特徴とする分子測長方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施例について図1〜図11を用いて説明する。
1.測定装置
図1は、走査型プローブ顕微鏡の1つである原子間力顕微鏡(以下、AFMとも称す)による測定装置の構成の略図である。以下、その構成を説明する。
【0008】
本発明の装置は、カンチレバー1の変位(カンチレバー1の撓み)をパラメータとして検出することを利用して、空間分布を測定するものである。片側を固定したカンチレバー1の自由端に取りつけられた探針2を試料表面に走査すると、探針2と試料表面との間に原子間力(引力または斥力)が働く。詳しくは、この原子間力によるカンチレバー1の変位をパラメータとして検出することを利用し、分子長を測定する装置である。
【0009】
測定に用いる試料3は、基板4に設置される。基板4は、試料3の位置を調節するための2つのアクチュエータの上に設置されている。
第1のアクチュエータはZ方向アクチュエータ5である。Z方向アクチュエータ5は、基板4の下に配置される。Z方向アクチュエータ5は、駆動回路7を介したコントローラ8からの信号に応じ、基板4を上下方向に駆動する。これにより、試料3の位置が上下方向に調節される。
【0010】
Z方向アクチュエータ5は、第2のアクチュエータであるX,Yアクチュエータ6の上に配置される。X,Yアクチュエータ6は、2方向に駆動する。それらの方向は、Z方向アクチュエータ5の駆動方向に直交し、且つ互いに直交する2つの方向、すなわち、XおよびY方向に駆動する。X,Yアクチュエータ6は、Z方向アクチュエータ5と同様に、駆動回路7を介したコントローラ8からの信号に応じ、Z方向アクチュエータ5、基板4および試料3を、Xおよび/またはYの方向に駆動する。
【0011】
2.原子間力の検出および撮像原理
カンチレバー1の変位は、レーザービームを用いて光学的に検出される。カンチレバー1に向けて照射される該レーザーは、レーザダイオード10から射出される。このレーザービームは、カンチレバー1の自由端の上面に照射され、コントローラ8に接続された二分割フォトダイオード11の方向に反射される。その結果、カンチレバー1の上面からの反射光は、二分割フォトダイオード11に入射する。この時の反射光の入射位置は、カンチレバー1の変位に対応して変化する。この位置の変化に応じた光学情報を二分割フォトダイオード11がコントローラに出力する。
【0012】
コントローラは、得られた光学情報を差信号に変換する。このように得られた差信号が、カンチレバー1の変位を表すものである。
一方、コントローラ8は、二分割フォトダイオード11の出力に基づいて探針2の変位が0に保たれるように、すなわち、探針2と試料3との距離が一定となるように、駆動回路7を介して、Z方向アクチュエータ5に信号を出力する。
【0013】
他方、コントローラ8は、試料表面を走査するために、X方向、およびY方向に試料を移動するよう、駆動回路7を介してX,Y方向アクチュエータに信号を出力する。
【0014】
最終的に得られたX信号、Y信号およびZ信号は、コントローラ8において同期させて処理される。その結果、測定した試料の凹凸に対応した画像が最終的に表示装置9上に表示される。
【0015】
3.試料の調製方法
導電性のない生体分子を可視化する場合には、試料として用いる生体分子を固定するための基板4として、表面処理した劈開したマイカを用いる。
【0016】
例えば、DNAを試料として用いた場合、劈開したマイカ表面上はマイナス電荷を有しているので、DNAのリン酸基からのマイナス電荷を静電結合するためには、マイカ表面上のマイナス電荷を打ち消し、プラス電荷にする基板表面処理が必要である。そのために、2価カチオン(Mg(II))等の溶液中に展開したDNAを劈開したマイカ表面に滴下してDNA分子を基板表面に固定する。
【0017】
上記の方法を用いる場合には、原子レベルで平均な表面を有する基板に、その平坦性を損ねることなく、上記表面処理を施して生体分子を固定することが重要となる。仮に、表面処理した生体分子固定基板が、凹凸が大きいと、その凹凸上に生体分子が固定されるため、凹凸に沿って生体分子が垂直方向に蛇行するので、生体分子の正確な測長に誤差が生じることとなる。
【0018】
本発明に使用することが可能な表面処理方法は、上述した2価カチオン(Mg(II))処理、スペルミン(Spermine)処理およびスペルミジン(Spermidine)処理等が有効である。しかし、これらに限定されるものではない。
【0019】
4.測長処理
以上のようにして作製された生体分子試料をAFMを用いて可視化した後に行う、本発明の測長処理方法を以下に説明する。
【0020】
上記のようにして作製された試料を画像化した場合、劈開マイカの表面が必ずしも原子的平坦性を達成していないため、図2のように画像の背景に濃淡の変化が現れる。
【0021】
このような濃淡は、固定しきい値を用いたのでは除去することが困難であるため、先ず最初にこの背景の濃淡を除くことが必要である。この作業は、DNAが線状形状であることを利用した、モルフォロジーフィルタを用いた処理により行う。すなわち、フィルターをDNAの幅より大きい、例えば直径20画素のモルフォロジー構成要素を用いてのクローシング(closing)操作を行うように設定すれば、直径20画素より狭いDNAは画像から除去される。このようにして得られたDNAの像を含まない背景画像をBg(i,j)とし、背景画像の濃度の平均値をM、原画像をGray(i,j)とすれば、補正後の画像CGray(i,j)は、(1)式に従う。ここで、iおよびjは、それぞれXおよびYの座標を示し、単位は画素数である。
【0022】
【数1】
Figure 0004136157
【0023】
上記の方法により抽出した背景画像Bg(i,j)と、補正後の画像CGray(i,j)とを、図3、図4にそれぞれ示した。
得られた補正後の画像CGray(i,j)はDNAの像と背景画像との両方に濃淡の差があるため、引き続いて、以下のような、ヒストグラムを利用してしきい値を算出することにより、DNAと背景の両者について二値化(0あるいは1にする操作)を行うことという処理が必要である。
更に、この処理方法を具体的に説明する。あるしきい値thを設定したと仮定した場合、以下の(2)式が成り立つ。
【0024】
【数2】
Figure 0004136157
ここで、thはしきい値、E(th)は、しきい値の評価関数である。また、W0(th)、D0(th)、W1(th)、D1(th)は、それぞれ、濃淡値0〜thまでの画素数和と画面全画素数との比率、濃淡値0〜thを有する画素の濃淡値の分散、濃淡値th〜255までの画素数和と画面全画素数との比率、濃淡値th〜255を有する画素の濃淡値の分散とする。
【0025】
この式から、E(th)が最小値となるようなthを求め、このth値を二値化しきい値として選択する。なお、ここで得られる濃淡画像は、8ビットのデータとして表される。
【0026】
以上のようにして得られたしきい値を用いて、二値化した画像を図5(a)に示す。次にこの画像に対してヒルディッシュ(Hildish)の細線化アルゴリズムを用いることにより、DNAの中心線を抽出する。その結果を図5(b)に示す。
【0027】
図5(b)に示す得られた画像は、点ノイズ、DNAの分岐、短いDNA、および交叉状DNA等が存在する状態である。それ故に、DNAの長さを正しく計測することは困難である。従って、続いてこれらを除く処理を施すことにより、DNAの長さの計測の簡便化を図る。この処理には、二値化した画像の近傍解析による修正処理を用いる。
【0028】
5.修正処理
修正処理は、濃淡のあるDNA画像について上述した方法による二値化(0あるいは1にする操作)を行ない、更に、以下の近傍解析を行った後に行う。
【0029】
5−1.近傍解析の概要
前記近傍解析の概要を、図6に示している。上述方法により測定対象のDNAから抽出されたDNAの中心線を含む画像の、ある画素をPとする。図6に示す通りに、一画素である画素Pの近傍には、(0)〜(7)よりなる8つの画素が存在する。本解析は、前記の8つの近傍画素を解析することにより、画素Pの性質を判断するものである。より具体的には、下記の式(3)を利用して各画素を判断する。
【0030】
【数3】
Figure 0004136157
ここで、式(3)を構成する各要素は、
NB:近傍画素の値、0または1(Neighborhoodの略)
g(i,j):ある画素Pの値、0または1(i:0〜511、j:0〜511、1画面に512×512の画素がある)
SF:画素性質の判断値(Select Flagの略)である。
【0031】
SFの値が、0の場合、図6の(0)〜(7)の値はゼロとなり、ある画素Pは孤立点であることが分かる。以下同様に、SFの値が1の場合は、開始点あるいは終了点、SFの値が2の場合は、連結点、更にSFの値が3のときは、分岐点、SFの値が4のときは、交差点であることが分かる。
【0032】
5−2.DNAの修正
DNAの修正は、1)独立点の除去、2)設定値よりも短い分枝の除去、3)分枝の除去、4)短いDNAやノイズ画素の除去、および5)分枝の連接の順序で行う。下記に具体的な、DNAの修正における処理基準および処理方法を示す。
【0033】
[独立点の除去]
g(i,j)=1の画素であり、且つSFを計算した結果が、SF=0である場合、当該画素Pは独立点であるので除去する
[設定値よりも短い分枝の除去]
g(i,j)=1の画素であり、且つSFを計算した結果が、SF=3である場合、当該画素Pは分枝点である。従って、更に次のような処理を行う。
1)SF=3であるから、近傍の8点(図6)のうち3点の値は中心点の値と同じであるから、分岐点を中心点とし、8点の値を順々に調べ、中心点と同じ値の画素のX,Y座標を記憶する。次に記憶したスタート点から分岐のトレーシングを行う。先ず、スタート点を中心点とし、スタート点の値g(i,j)=1をある濃淡値mで置き換え、近傍の8点のSF値を計算する。このときに、SF=1であれば、g(i,j)=1の画素を新中心点とし、この中心点の値を濃淡値mで置き換え、次に近傍の8点のSF値を計算する。この種の操作を繰り返し行い、長さを計算する。SF=0ならば終点であるので、次の分岐をトレーシングする。
2)複数存在する分枝においては、長さが最短である分枝をのみを除去対象とする。当該分枝の長さと、予め設定した条件とを比較し、当該分枝長が設定条件よりも短い場合には該分枝を除去する。
3)以上の工程により判定した条件に満たない分枝は除去しない。また、以上の本工程においては、1つの分枝に対して、1本の分枝しか除去できない。
【0034】
[分枝の除去]
この処理は、上述の処理では除去できなかった分枝が残るDNAを対象に行なう。
1)g(i,j)=1の画素であり、且つSFを計算した結果が、SFが3以上である場合、当該画素Pは分岐点(SF=3)、あるいは交差点(SF>3)である。
2)工程1)の分岐点を中心点とし、そこから生じるそれぞれ分枝のスタート点を記憶し、各分枝のトレーシングを行なった後、当該する各分枝を除去する。本工程では、予め設定した条件と比較を行わない。従って分岐点であれば、分岐点と連接しているDNAがすべて除去される。この点が上述した、短い分枝の除去する工程とは異なる。従って、本工程により画像周囲部と接触しているDNAはすべて除去される。
【0035】
[短いDNAやノイズ画素の除去]
以上の処理(除去)を行った後では、太さ1ピクセルのDNAのみが画像に残った状態となるはずであるが、それでもなお、短いDNAやノイズ画素は、処理(除去)されずに残留していることは多い。従って、それらを除去するための処理を以下に示す。
1)g(i,j)=1の画素であり、且つSFを計算した結果が、SF=1である場合、当該PはDNAの開始点である。従って、開始点からトレーシングを行ない、長さを計算する。
2)工程1)で得られた長さを、予め設定しておいた条件と比較し、その条件よりも短いDNAであった場合、当該DNAを除去する。
【0036】
[分枝の連接]
g(i,j)=1の画素であり、且つSFを計算した結果が、SF=1である場合、当該画素PはDNAの端点である。従って、この端点を中心とし、予め設定された条件に従う長さを半径とした範囲において、他の端点を探す。条件に見合う他の端点がある場合には、それらを連接する。
【0037】
5−3.修正後DNAの測長
以上のような修正処理が完了した後に、長さの計測に対するノイズ(DNA断片等)が除去された、DNA画像を得ることができる。この得られた画像のDNAについて長さの測定を行う。上記の方法により修正したDNA画像を図7に示す。
【0038】
図7のDNA画像は、線幅1画素の1本の線に処理されている。従って、画素の大きさを利用することにより、DNAの長さを得ることが可能である。即ち、水平、垂直方向に連接した画素間の距離を1として、斜め方向、すなわち45°または135°方向に連接した画素間の距離を1.414とする。それらを合計し、更にAFMの倍率を考慮すればDNAの長さを求めることができる。
【0039】
以上の処理をフローチャートとしてまとめたものを図8に示した。生体分子を背景から分離抽出し(S1)、二値化処理を行った(S2)後、細線化処理により中心線の抽出を行い(S3)、測長にとって余分な画像を除去することにより生体分子画像の修正を行い(S4)、最終的に、生体分子の測長を行う(S5)。
【0040】
なお、二値化のしきい値を求める方法として、上記ではヒストグラムを用いる方法を用いたが、背景画像の濃淡の変化が少ない場合には、画像の濃淡平均値と分散値を利用してしきい値を求めることも可能である。すなわち、しきい値をth、濃淡の平均値をGaver、分散をD、比率係数をkとすると、(4)式にしたがってしきい値を求めることができる。
【0041】
【数4】
Figure 0004136157
【0042】
また、背景画像の濃淡変化が大きい場合には、全画面を複数の領域に分割し、それぞれの領域で最適しきい値を求める方法を用いても良い。
次に、第2の実施形態としてDNAタンパク質複合体の測長について説明する。
【0043】
6.DNAタンパク質複合体の測長
DNAタンパク質複合体の画像処理も、同様に、幅1ピクセルの中心線が残るまで、細線化処理を繰り返し行なうことが必要である。しかしながら、同じ画像の中にDNAとタンパク質が存在するので、夫々に応じた処理を行わなくてはならない。DNAタンパク質複合体について、得られた画像の該DNA部分が太い場合には、処理回数を増やす必要が生じる。しかし、複合体のタンパク質部分は、DNAよりも更に太いので、該DNAが1ピクセルとなった後でも、まだタンパク質は大きな塊のままである。このような場合のタンパク質は、処理回数に応じてサイズが小さくなるので、後述するような膨張処理を行なうことにより細線化処理する前の大きさに膨張することが必要となる。
【0044】
DNAタンパク質複合体を処理する方法の概要を図9に示す。図9は、DNAタンパク質複合体において、DNA部分を2回細線化した場合のフローチャートである。DNA部分は幅1ピクセルの中心線となっていることが、図中の図により確認できる。図9からわかるように、タンパク質の塊をDNAと同時に測長するためには、上記の処理を3回以上行う必要である。以下にその具体的な操作を示す。
【0045】
まず、予め設定した回数で細線化処理を行い、ラベリングされた画像(図10における、DNAのグレー部分、タンパク質の外周部分)を除去する。その後で、予め設定したタンパク質の抽出条件に従って、1)細線化処理、2)膨張処理、3)タンパク質の抽出、のような手順でタンパク質を抽出する。
【0046】
[細線化処理]
1)g(i,j)=1の画素であり、且つSFを計算した結果が、SF<3である場合、当該画素Pは点または線である。従って除去しない。
2)g(i,j)=0の画素である場合、その画素は除去する。
【0047】
[膨張処理]
上記の細線化処理で縮小されたタンパク質を正確なサイズに再現するために、次の式に従った条件で、膨張処理を行なう。
膨張回数=設定回数(=タンパク質の抽出条件)−1。
【0048】
[タンパク質の抽出]
タンパク質の塊の境界をトレースし、境界内の画素をカウントし、その和から、タンパク質の面積を計算する。タンパク質の面積が、予め設定した最小設定値よりも小さい場合には、当該タンパク質を除去する。
【0049】
上記のタンパク質抽出操作の後に、タンパク質とDNAとの連接状況を判断する。図9に示すように、DNAとタンパク質の接合点を、交点1と交点2を直径とする円の中心点であるとし、次に、この点を計測基準点として、DNAタンパク質複合体の測長を行なう。測長は、上述したDNA単体の場合と同様な方法により行なうことが可能である。
図11にDNAおよびDNAタンパク質複合体を測長するための計測条件の設定例を示す。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、分子の画像から画像処理によって分子を抽出することにより、簡便に分子の長さを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原子間力顕微鏡を用いた測定装置の略図。
【図2】 原子間力顕微鏡によるDNAの顕微鏡写真。
【図3】 原子間力顕微鏡によるDNAの顕微鏡写真。
【図4】 原子間力顕微鏡によるDNAの顕微鏡写真。
【図5】 原子間力顕微鏡によるDNAの顕微鏡写真
【図6】 近傍解析の概要を示す説明図。
【図7】 原子間力顕微鏡によるDNAの顕微鏡写真。
【図8】 測長処理の工程を示すフローチャート。
【図9】 DNAタンパク質複合体における線化工程の説明図。
【図10】 原子間力顕微鏡によるDNAタンパク質複合体の顕微鏡写真。
【図11】 DNAおよびDNAタンパク質複合体を測長するための計測条件の設定例を示す図。
【符号の説明】
1.カンチレバー
2.探針
3.試料
4.基板
5.Z方向アクチュエータ
6.X、Y方向アクチュエータ
7.駆動回路
8.コントローラ
9.表示装置
10.レーザダイオード
11.二分割フォトダイオード

Claims (3)

  1. 分子を走査型プローブ顕微鏡により撮像した画像から、分子の長さを測定する分子測長方法において、
    1)前記画像の背景画像を一定の割合で補正することによって、前記分子画像のみを抽出する工程と、
    2)前記抽出された分子画像をしきい値に基づいて二値化する工程と、
    3)前記二値化された分子画像から分子の中心線を抽出する工程と、
    4)前記中心線を抽出された分子画像から測定対象の分子以外の画像を除去するために、 i )点ノイズである独立点の除去、 ii )設定値よりも短い分枝の除去、 iii )直前の工程で除去できなかった分枝の除去、 iv )短い分子やノイズ画素の除去、および v )分枝の連接の順序で、前記中心線を抽出された分子画像の修正を行う工程と、
    5)前記測定対象の分子の長さを、表示画面の画素数に基づいて測定する工程とを有することを特徴とする分子測長方法。
  2. 前記二値化工程において、画像のヒストグラムに基づいて二値化を行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の分子測長方法。
  3. 前記二値化工程において、画像の濃淡の平均値と分散に基づいて二値化することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の分子測長方法。
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