JP4133144B2 - タイヤの状態検出装置、そのセンサユニット及びタイヤ、並びに車両の制動制御装置 - Google Patents

タイヤの状態検出装置、そのセンサユニット及びタイヤ、並びに車両の制動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両走行時のタイヤの状態を検出するタイヤの状態検出装置及びタイヤ並びに車両の制動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両において安全走行を行うために注意しなければならない事項として、車両のタイヤ内空気圧を適度な状態に設定することや、タイヤの摩耗状態に注意を払うことなどがあげられる。例えば、タイヤ内空気圧が低下すると、パンクの発生率が増大すると共に、高速走行においてはバーストを生じ、重大事故を引き起こす原因となる。このため、運転者は常日頃、タイヤの点検を行う必要がある。
【0003】
しかしながら、タイヤの点検を行い、タイヤの状態を良好な状態に保っていても、雨天候時に路面が濡れている場合など、路面とタイヤとの間の摩擦力が低下すると、ブレーキをかけたときにスリップして、思わぬ方向に車両が移動してしまい、事故を引き起こすことがあった。
【0004】
このようなスリップや急発進などによって発生する事故を防止するために、アンチロック・ブレーキ・システム(Anti-Lock Brake System、以下、ABSと称する)、トラクション・コントロール・システム、さらには、これらに加えてYAWセンサを設けたスタビリティー制御システムなどが開発された。
【0005】
例えば、ABSは、各タイヤの回転状態を検出し、この検出結果に基づいて各タイヤがロック状態に入るのを防止するように制動力を制御するシステムである。
【0006】
タイヤの回転状態として、各タイヤの回転数や、空気圧、歪み等の状態を検出して、この検出結果を制御に用いることが可能である。
【0007】
このような制御システムの一例としては、例えば、特開平05-338528号公報に開示される自動車のブレーキ装置(以下、特許文献1と称する)、特開2001-018775号公報に開示されるブレーキ制御装置(以下、特許文献2と称する)、特開2001-182578号公報に開示される車両の制御方法および装置(以下、特許文献3と称する)、特開2002-137721号公報に開示される車両運動制御装置(以下、特許文献4と称する)、特開2002-160616号公報に開示されるブレーキ装置(以下、特許文献5と称する)などが知られている。
【0008】
特許文献1には、ブレーキペダルと連結されるバキュームブースタにバキュームタンクから負圧が供給され、このバキュームタンクにバキュームポンプから負圧が供給され、このバキュームポンプがポンプモータにより駆動されることにより、加速度センサ14により自動車の減速加速度が所定値に達した状態が検出されたときにバキュームポンプが作動する用のポンプモータを制御して、急激なブレーキ操作時及びその直後のブレーキ操作時における操作フィーリングの変化を防止するブレーキ装置が開示されている。
【0009】
特許文献2には、ABS制御を実行する制御手段を備えたブレーキ制御装置において、制御手段に、車両に発生している横方向加速度を推定する横加速度推定手段と、この横加速度推定手段による推定横加速度と、車両挙動検出手段による推定横加速度と、車両挙動検出手段に含まれる横加速度センサが検出する検出横加速度とを比較し、両者の差が所定値未満であれば舵角に見合った正常旋回中と判定し、前記差が所定値以上であれば非正常旋回中と判定する比較判定手段とを設け、前記制御手段をABS制御中に、正常旋回判定時と非正常旋回判定時とで制御を切り替えるようにしたブレーキ制御装置が開示されている。
【0010】
特許文献3には、車両の減速度および/または加速度を調節するための制御信号が対応の設定値により形成される車両の制御方法および装置において、走行路面傾斜により発生する車両加速度または車両減速度を表わす補正係数が形成され、この補正係数が設定値に重ね合わされて、車両の減速度および/または加速度の設定を改善する車両の制御方法および装置が開示されている。
【0011】
特許文献4には、複数の車輪を有する車両の実ヨーイング運動状態量として重心点の横すべり角変化速度β’を取得し、その変化速度β’の絶対値が設定値β0’以上で有れば、ブレーキ液圧ΔPを左右後輪の何れかのブレーキに作用させることにより、変化速度β’の絶対値が大きいほど値が大きいほど値が大きく且つ変化速度β’の絶対値を減少させる向きのヨーイングモーメントを発生させ、このヨーイングモーメント制御中にも、ブレーキ液圧ΔPが作用させられた車輪においてスリップ制御が必要か否かの判定を継続し、スリップ制御が必要になれば、ブレーキ液圧ΔPを抑制することによりスリップ率を適正範囲に保つスリップ制御を行う車両運動制御装置が開示されている。
【0012】
特許文献5には、車両前後方向の加速度を検出する加速度センサと、各車輪の車輪速度の検出を行う車輪速度センサと、ブレーキ圧を検出するブレーキ圧センサとのうち、少なくとも2つを備え、少なくとも2つのセンサからのフィードバックによって目標ブレーキ圧を演算し、この演算結果に基づいて、指示電流演算部で指示電流を演算し、その指示電流をブレーキ駆動用アクチュエータに流し、指示電流の大きさに応じた制動力を発生させることにより、外乱が生じたり、1つのセンサが故障したりしても出力異常を抑制することができるブレーキ装置が開示されている。
【0013】
【特許文献1】
特開平05-338528号公報
【特許文献2】
特開2001-018775号公報
【特許文献3】
特開2001-182578号公報
【特許文献4】
特開2002-137721号公報
【特許文献5】
特開2002-160616号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術では、制動制御の操作フィーリングの改良がなされているが、タイヤと路面との間の摩擦力が変化した場合、例えばブレーキトルクがタイヤと路面との間の摩擦力を超えてスリップが発生した場合などを想定した閾値の設定が難しい。
【0015】
また、上記特許文献2乃至5に開示される技術では、走行時における車両自体の加速度を検出し、これに基づいて車両の制動制御(ブレーキ制御)を行うという、上記特許文献1に開示される技術よりもさらに高度な制御が行われている。しかし、同じ車両であっても、タイヤと路面との間の摩擦力は車両に装着されているタイヤの種類やその空気圧によっても異なり、さらに4WD車などタイヤ毎に個別に駆動制御する車両もあるため、走行時における車両自体の加速度を考慮した制御でも高精度な制御を行えないこともある。
【0016】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、タイヤと路面との間の摩擦力を把握できるようにタイヤ回転方向の加速度を容易に検出できると共に、車両の制動制御などに用いることができるタイヤの状態検出装置、そのセンサユニット、及びタイヤ、並びに車両の制動制御装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、リムと、ホイールと、前記リムに装着されたタイヤ本体とからなるタイヤに設けられたセンサユニットと、車両に設けられたモニタ装置とを備えたタイヤの状態検出装置であって、前記センサユニットは、少なくとも前記タイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を検知し、該加速度に対応する電気信号を出力する加速度センサと、第1周波数の電磁波を受波する手段と、前記受波した第1周波数の電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、前記電気エネルギーによって動作し、前記検知した加速度に対応する電気信号に基づいて、前記検知した加速度の検知結果を第2周波数の電磁波を用いて送信する手段とを備え、前記モニタ装置は、前記第1周波数の電磁波を輻射する手段と、前記第2周波数の電磁波を受波する手段と、前記受波した第2周波数の電磁波から前記加速度の検知結果を抽出する手段と、前記加速度とタイヤの歪み量との関係を表す歪み特性情報を記憶している手段と、前記加速度の検知結果と前記歪み特性情報とに基づいて、タイヤの歪み量を推定する手段とを備えているタイヤの状態検出装置を提案する。
【0018】
本発明によれば、タイヤに設けられたセンサユニットへ向けてモニタ装置から第1周波数の電磁波が輻射されると、この第1周波数の電磁波を受波したセンサユニットは、受波した第1周波数の電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する。さらに、センサユニットは前記電気エネルギーによって加速度センサを動作させて、少なくともタイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を検知し、該検知した加速度に対応する電気信号に基づいて、検知した加速度の検知結果を第2周波数の電磁波を用いて送信する。
【0019】
センサユニットから送信された第2周波数の電磁波は、モニタ装置によって受波され、この受波した第2周波数の電磁波からタイヤの回転における加速度の検知結果が抽出される。さらに、前記加速度の検知結果と歪み特性情報とに基づいて、タイヤの歪み量が推定される。従って、このタイヤ毎のタイヤ歪み量の推定値を用いて、車両の制動制御などの駆動制御を行うことが可能になる。例えば運転者がブレーキをかけて車両に制動力が働いたときに生ずるブレーキトルクの制御が可能になる。
【0020】
また、本発明は、上記タイヤの状態検出装置において、センサユニットがタイヤのリムに固定されているタイヤの状態検出装置を提案する。
【0021】
本発明によれば、センサユニットを安定してタイヤに固定できるため、タイヤの回転に伴うタイヤ周方向の加速度を高い精度で検出可能になる。
【0022】
また、本発明は、上記タイヤの状態検出装置において、加速度センサは、タイヤの一方の回転方向にかかる加速度と他方の回転方向にかかる加速度の双方を検出する手段を有するタイヤの状態検出装置を提案する。
【0023】
本発明によれば、タイヤの周方向に生じる加速度を異なる回転方向の双方において検出することができるので、車両の発進時や加速時に生じるタイヤ回転に伴う前記加速度と、車両の減速時に生じるタイヤ回転に伴う前記加速度を検出可能となり、検出した前記加速度を車両の加速時及び減速時における駆動制御に用いることができる。
【0024】
また、本発明は、上記タイヤの状態検出装置において、前記センサユニットは、自己に固有の識別情報が格納されている記憶手段と、前記検知結果と共に前記識別情報を送信する手段とを有し、前記モニタ装置は、前記識別情報によって複数のタイヤの何れであるかを識別する手段を有しているタイヤの状態検出装置を提案する。
【0025】
本発明によれば、各センサユニットの記憶手段に格納されているセンサユニットに固有の識別情報が前記検知結果と共にセンサユニットから送信されるので、モニタ装置はセンサユニットから受信した識別情報によって何れのタイヤのセンサユニットから送信された検知結果であるかを判定することができる。これにより、1つのモニタ装置によって複数のセンサユニットのそれぞれから送信された検知結果を判別可能になる。
【0026】
また、本発明は、上記タイヤの状態検出装置において、前記センサユニットは、前記加速度センサの他に少なくともタイヤ内の空気圧を検知する圧力センサと、前記空気圧の検知結果を前記加速度の検知結果と共に前記第2周波数の電磁波を用いて送信する手段とを備え、前記モニタ装置は、前記受波した第2周波数の電磁波から前記空気圧の検知結果を抽出する手段を備えているタイヤの状態検出装置を提案する。
【0027】
本発明によれば、前記圧力センサによって検知されたタイヤ内の空気圧の検知結果と前記加速度の検知結果とがセンサユニットから送信され、これらの検知結果がモニタ装置によって受信される。
【0028】
また、本発明は、上記タイヤの状態検出装置において、モニタ装置は、前記加速度と前記空気圧とタイヤの歪み量との関係を表す歪み特性情報を記憶している手段と、前記加速度の検知結果と前記空気圧の検知結果と前記歪み特性情報に基づいて、タイヤの歪み量を推定する手段とを備えているタイヤの状態検出装置を提案する。
【0029】
本発明によれば、タイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度の検知結果とタイヤの空気圧の検知結果及び前記歪み特性情報に基づいて、タイヤの歪み量が推定される。この歪み量の推定値を用いることによって、例えば運転者がブレーキをかけて車両に制動力が働いたときに生ずるブレーキトルクの制御が可能になる。
【0030】
さらに、本発明は、上記センサユニット単体並びに上記センサユニットを備えたタイヤ及び前記センサユニットがタイヤのリムに固定されているタイヤを提案する。
【0031】
また、本発明は、車両のブレーキペダルの踏み込み状態の検出結果に応じてブレーキ駆動用アクチュエータを駆動して、目標とする制動力を発生させるように構成された車両の制動制御装置において、上記のタイヤの状態検出装置と、前記ブレーキペダルの踏み込み状態の検出結果及びモニタ装置において推定されたタイヤの歪み量に基づいて前記ブレーキ駆動用アクチュエータを駆動する手段とを備えている車両の制動制御装置を提案する。
【0032】
本発明によれば、ブレーキペダルの踏み込み状態の検出結果及び上記モニタ装置において推定されたタイヤの歪み量に基づいてブレーキ駆動用アクチュエータが駆動される。これにより、例えば運転者がブレーキをかけて車両に制動力が働いたときに生ずるブレーキトルクの制御が可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0034】
図1は本発明の第1実施形態における車両の制動制御装置を示す概略構成図である。図において、100はセンサユニット、200はモニタ装置、300はタイヤ、510,520はタイヤの回転数を検知するセンサ、600は制動制御ユニット、610はブレーキペダル、620はブレーキ用のマスターシリンダ、630はブレーキ用の油圧を制御する圧力制御弁、640はブレーキ駆動用のアクチュエータである。
【0035】
本実施形態において、本発明のタイヤの状態検出装置は、上記複数のセンサユニット100とモニタ装置200によって構成されている。
【0036】
図2に示すように、車両の各タイヤ300内にはセンサユニット100が固定され、さらに、各タイヤ300のタイヤハウス400にはモニタ装置200が固定されている。
【0037】
また、制動制御ユニット600は、周知のCPUを備えた制御回路からなり、車両に装着されている各タイヤ300の回転数を検知するセンサ510,520から出力される検知結果とモニタ装置200から出力される検知結果とを取り込んで制動制御を行っている。
【0038】
即ち、ブレーキペダル610を踏み込むことによってマスターシリンダ620内の油圧が上昇し、この油圧が圧力制御弁を介して各タイヤ300のブレーキ駆動用アクチュエータ640に伝達され、これによって各タイヤ300の回転に制動力が加えられる。
【0039】
上記制動制御ユニット600は、各圧力制御弁630の動作状態を電気的に制御することによって、タイヤ300がロックしてスリップが生じたりしないように自動的に制御する。制動制御ユニット600は、各タイヤ300の回転数を検知するセンサ510,520から出力される検知結果とモニタ装置200から出力される検知結果とに基づいて、各圧力制御弁630の動作状態を電気的に制御している。
【0040】
センサユニット100は、図1,2に示すように車両の各タイヤ300内に設けられており、例えば、図3に示すようにタイヤ300のリム306に固定されており、このセンサユニット100内に設けられている後述する加速度センサによってタイヤ300の回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を検知し、該加速度に対応する電気信号を出力する
【0041】
タイヤ300は、例えば、周知のチューブレスラジアルタイヤであり、本実施形態においてはホイール及びリムを含むものである。図3において、300はタイヤでありタイヤ本体305とリム306及びホイール(図示せず)から構成され、タイヤ本体305は周知のキャップトレッド301、アンダートレッド302、ベルト303A,303B、カーカス304等から構成されている。
【0042】
尚、本実施形態ではセンサユニット100をリム306に固定したが、これに限定されることはない。また、タイヤ300内に埋設するセンサユニット100の数は1つに限定されることはなく、補助用などとして2個以上設けても良い。
【0043】
センサユニット100の電気系回路の一具体例としては、図4に示す回路が挙げられる。すなわち、図4に示す一具体例では、センサユニット100は、アンテナ110と、アンテナ切替器120、整流回路130、中央処理部140、検波部150、発信部160、センサ部170から構成されている。
【0044】
アンテナ110は、モニター装置200との間で電磁波を用いて通信するためのもので、例えば2.4GHz帯の所定の周波数(第1周波数)に整合されている。
【0045】
アンテナ切替器120は、例えば電子スイッチ等から構成され、中央処理部140の制御によってアンテナ110と整流回路130及び検波部150との接続と、アンテナ110と発信部160との接続とを切り替える。
【0046】
整流回路130は、ダイオード131,132と、コンデンサ133、抵抗器134から構成され、周知の全波整流回路を形成している。この整流回路130の入力側にはアンテナ切替器120を介してアンテナ110が接続されている。整流回路130は、アンテナ110に誘起した高周波電流を整流して直流電流に変換し、これを中央処理部140、検波部150、発信部160、センサ部170の駆動電源として出力するものである。
【0047】
中央処理部140は、周知のCPU141と、ディジタル/アナログ(以下、D/Aと称する)変換回路142、記憶部143から構成されている。
【0048】
CPU141は、記憶部143の半導体メモリに格納されているプログラムに基づいて動作し、電気エネルギーが供給されて駆動すると、センサ部170による検知データをモニター装置200に対して送信する処理を行う。また、記憶部143にはセンサユニット100に固有の識別情報が予め記憶されており、CPU141は検知データと共にこの識別情報をモニター装置200に送信する。
【0049】
記憶部143は、CPU141を動作させるプログラムが記録されたROMと、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)等の電気的に書き換え可能な不揮発性の半導体メモリとからなり、個々のセンサユニット100に固有の識別情報が、製造時に記憶部143内の書き換え不可に指定された領域に予め記憶されている。
【0050】
検波部150は、ダイオード151とA/D変換器152からなり、ダイオード151のアノードはアンテナ110に接続され、カソードはA/D変換器152を介して中央処理部140のCPU141に接続されている。これにより、アンテナ110によって受波された電磁波は検波部150によって検波されると共に、検波されて得られた信号はディジタル信号に変換されてCPU141に入力される。
【0051】
発信部160は、発振回路161、変調回路162及び高周波増幅回路163から構成され、周知のPLL回路などを用いて構成され発振回路161によって発振された2.45GHz帯の周波数の搬送波を、中央処理部140から入力した情報信号に基づいて変調回路162で変調し、これを高周波増幅回路163及びアンテナ切替器120を介して2.45GHz帯の周波数(第2周波数)の高周波電流としてアンテナ110に供給する。尚、本実施形態では前記第1周波数と第2周波数と同じ周波数に設定しているが、第1周波数と第2周波数が異なる周波数であっても良い。
【0052】
センサ部170は、加速度センサ171とA/D変換回路172から構成されている。
【0053】
加速度センサ171は、図5に示すように、タイヤ300が回転方向310に回転して前進方向Fに車両が走行している際に運転者がブレーキをかけたときにタイヤ300の回転方向に生ずる加速度を検出し、検出結果をアナログ電気信号として出力する。加速度センサ171としては、一般的にGセンサと称されているデバイスを使用することができる。
【0054】
A/D変換回路172は、加速度センサ171から出力されたアナログ電気信号をディジタル信号に変換してCPU141に出力する。このディジタル信号はタイヤ300の回転方向に生ずる加速度の値に対応する。
【0055】
尚、タイヤ300の回転方向に生ずる加速度としては、車両の速度が増加している状態にあるときの加速度310と減少している状態にあるときの加速度320とが存在するが、本実施形態では少なくとも車両の速度が減少している状態にあるときの加速度320を検出できる加速度センサ171を用いている。
【0056】
即ち、図6に示すように、運転者がブレーキを踏み込んだとき(時刻t1)に加速度320が発生し、徐々に増加し、加速度が最大値G1に達したとき(時刻t2)にタイヤ300の回転が停止して加速度320は瞬時に低下する。本実施形態ではこのような加速度を検出できるようにしている。このようにブレーキペダル610を踏み込んだときに発生する加速度320を検出することにより、この加速度320によって生ずるタイヤ300の歪み量を推定することができ、この歪み量に基づいて車両制動時の圧力制御弁を制御することができる。
【0057】
また、本実施形態では、前述したように2.45GHz帯の周波数を上記第1及び第2周波数として用いることによって、タイヤ300の補強用の金属ワイヤが織り込まれたベルト303A,303Bの影響を受け難くしているため、リム306にセンサユニット100を固定しても安定した通信を行うことができる。このように、補強用の金属ワイヤなどのタイヤ内の金属の影響を受け難くするためには、1GHz以上の周波数を上記第1及び第2周波数として用いることが好ましい。
【0058】
また、センサユニット100を、タイヤ300の製造時においてタイヤ300内に埋設する場合には、加硫時の熱に十分耐え得るようにICチップやその他の構成部分が設計されていることは言うまでもない。
【0059】
モニタ装置200は図5に示すようにタイヤハウス400のそれぞれに固定されており、各モニタ装置200は、図1に示したようにケーブルによって制動制御ユニット600に接続され、制動制御ユニット600から送られる電気エネルギーによって動作する。
【0060】
モニタ装置200の電気系回路は、図7に示すように、輻射ユニット210と、受波ユニット220、制御部230、演算部240によって構成されている。ここで、制御部230及び演算部240は、周知のCPUと、このCPUを動作させるプログラムが記憶されているROM及び演算処理を行うために必要なRAMなどからなるメモリ回路から構成されている。
【0061】
輻射ユニット210は、2.45GHz帯の所定周波数(上記第1周波数)の電磁波を輻射するためのアンテナ211と発信部212とから構成され、制御部230からの指示に基づいて、アンテナ211から上記第1周波数の電磁波を輻射する。
【0062】
発信部212の一例としては、センサユニット100の発信部160と同様に、発振回路161と変調回路162、高周波増幅回路163からなる構成を挙げることができる。これにより、アンテナ211から2.45GHzの電磁波が輻射される。尚、発信部212から出力される高周波電力は、モニタ装置200の電磁波輻射用のアンテナ211からセンサユニット100に対して電気エネルギーを供給できる程度の値に設定されている。これにより、モニタ装置200毎に各タイヤ300の加速度320を検出できるようにしている。
【0063】
受波ユニット220は、2.45GHz帯の所定周波数(上記第2周波数)の電磁波を受波するためのアンテナ221と検波部222とから構成され、制御部230からの指示に基づいて、アンテナ221によって受波した上記第2周波数の電磁波を検波し、検波して得られた信号をディジタル信号に変換して演算部250に出力する。検波部222の一例としては、センサユニット100の検波部150と同様の回路が挙げられる。
【0064】
制御部230は、制動制御ユニット600から電気エネルギーが供給されて動作を開始すると、発信部212を駆動して所定時間t3の間だけ電磁波を輻射させ、その後、所定時間t4の間、検波部222を駆動し、検波部222から演算部240にディジタル信号を出力させる。演算部240は、このディジタル信号に基づいて上記加速度320を算出して制動制御ユニット600に出力する。この後、制御部230は、上記と同様の処理を繰り返す。
【0065】
尚、本実施形態では、モニタ装置200における上記輻射時間t3を0.15ms、上記受波時間t4を0.30msにそれぞれ設定している。本実施形態では、時間t3だけ輻射ユニット210から電磁波を輻射することにより、センサユニット100を駆動するのに十分な電気エネルギーとして3V以上の電圧を蓄電することができる。
【0066】
制動制御ユニット600は、周知のCPUを主体として構成され、各タイヤ300の回転数を検知するセンサ510,520から出力される検知結果を取り込むと共に各モニタ装置200から出力される検出結果を取り込んで、これらに基づいて圧力制御弁630の制御を行っている。
【0067】
即ち、制動制御ユニット600には、モニタ装置200から得られる加速度320とタイヤ300の歪み量との関係を表す歪み特性情報が予め実験などの実測によって求められて記憶されている。さらに、制動制御ユニット600は、加速度320の検知結果と歪み特性情報とに基づいて、各タイヤ300の歪み量を推定し、この推定したタイヤの歪み量と各タイヤ300の回転数の検知結果に基づいて圧力制御弁630を制御し、ブレーキ駆動用アクチュエータ640を駆動する。
【0068】
従って、前述したタイヤの状態検出装置を備えた制動制御装置によれば、例えば従来の一般的な制動制御装置は、車両に装着されているタイヤ300の回転数を検知するセンサ510,520から出力される検知結果を取り込んで圧力制御弁630の制御を行っていたが、これに加えて、上記のセンサユニット100を有するタイヤ300とモニタ装置200を設け、モニタ装置200から出力されるタイヤ300毎の加速度320の検出結果を制動制御ユニット600に取り込んで制動制御を行うので、さらに高精度の制御を行うことができる。
【0069】
例えば、車両に装着されているタイヤの種類が異ると、タイヤと路面との間の摩擦力が変わっても高精度な制御が可能になる。さらに、4WD車などタイヤ毎に個別に駆動制御する車両であっても高精度な制御を行うことができる。
【0070】
尚、前述したように、本実施形態では、センサユニット100はモニタ装置200から輻射された電磁波を受波して電気エネルギーを得たときに検知結果を送信するようにしたので、検波部150を設けなくとも上記効果を得ることができる。また、センサユニット100に検波部150を備えた構成で、モニタ装置200から自己の識別情報を受信したときにセンサユニット100から検知結果を送信するようにプログラム等を設定することによって、外部からの不要なノイズによって検知結果を送信することがなく、これにより不要な電磁波の輻射を防止することができる。
【0071】
また、上記実施形態では、モニタ装置200から得られる加速度320とタイヤ300の歪み量との関係を表す歪み特性情報を制動制御ユニット600に記憶し、制動制御ユニット600が加速度320の検知結果と前記歪み特性情報とに基づいて、タイヤ300の歪み量を推定したが、モニタ装置200に上記歪み特性情報を記憶しておき、モニタ装置200においてタイヤ300の歪み量を推定して、この推定結果を制動制御ユニット600に出力するようにし、これに基づいて制動制御ユニット600が圧力制御弁630を制御してブレーキ駆動用アクチュエータ640を駆動するようにしても良い。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0073】
図8は本発明の第2実施形態における車両の制動制御装置を示す概略構成図、図9は第2実施形態におけるモニタ装置の電気系回路を示す構成図である。図において、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態では1つのモニタ装置200Aと各タイヤ300内に設けられたセンサユニット100Aとからなるタイヤの状態検出装置を用いたことである。
【0074】
センサユニット100Aは、第1実施形態のセンサユニット100と同様の構成を有し、第1実施形態のセンサユニット100と異なる点は、モニタ装置200Aから自己の識別情報を含む情報要求指示を受信したときにタイヤ300の回転方向の加速度320を検知し、この検知結果を自己の識別情報と共に送信するようにCPU141のプログラムが設定されていることである。
【0075】
モニタ装置200Aは、第1実施形態のモニタ装置200と同様の構成を有し、第1実施形態のモニタ装置200と異なる点は、各タイヤ300に設けられているセンサユニット100Aの識別情報を制御部230に予め記憶させるための操作部250が設けられていること、駆動中には車両に設けられている全てのタイヤ300のセンサユニット100Aに対して所定の順序で、或いはランダムに、センサユニット100Aの識別情報を含む情報要求指示を送信するように制御部230のプログラムが設定されていること、及び、制動制御ユニット600Aに対して検出結果を出力するときに、検出結果と共に車両のどの位置に装着されているタイヤ300に対応する検出結果であるかを表すタイヤ位置情報を出力することである。
【0076】
上記構成によれば1つのモニタ装置200Aによって全てのセンサユニット100Aから検知結果を取得することができる。
【0077】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0078】
図10は本発明の第3実施形態におけるセンサユニットの電気系回路を示す構成図、図11は第3実施形態におけるモニタ装置の電気系回路を示す構成図である。図において、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第3実施形態と第1実施形態との相違点は、タイヤ300内の空気圧を検知する圧力センサを備えたセンサユニット100Bを設けたこと、及び、タイヤの歪み量を推定する際に上記検出した空気圧をも考慮するようにしたことである。即ち、タイヤ300の空気圧の違いによってタイヤ300と路面との接触面積が異なるので、タイヤ300に生じる歪み量にも違いが生じるからである。
【0079】
センサユニット100Bは、第1実施形態におけるセンサ部170に代えてセンサ部170Bを備えている。このセンサ部170Bは、加速度センサ171と、A/D変換回路172、圧力センサ173、A/D変換回路174とから構成されている。
【0080】
圧力センサ173は、タイヤ300内の空気圧を検出し、検出結果をアナログ電気信号として出力する。
【0081】
A/D変換回路174は、圧力センサ173から出力されたアナログ電気信号をディジタル信号に変換してCPU141に出力する。このディジタル信号はタイヤ300内の空気圧の値に対応する。
【0082】
また、CPU141は、記憶部143の半導体メモリに格納されているプログラムに基づいて動作し、センサ部170Bによって検知された加速度と空気圧の情報を検知データとしてモニター装置200に対して送信する処理を行う。また、記憶部143にはセンサユニット100Bに固有の識別情報が予め記憶されており、検知データと共にこの識別情報をモニター装置200Bに送信する。
【0083】
モニタ装置200Bの制御部230は、制動制御ユニット600Bから電気エネルギーが供給されて動作を開始すると、発信部212を駆動して所定時間t3の間だけ電磁波を輻射させ、その後、所定時間t4の間、検波部222を駆動し、検波部222から演算部240にディジタル信号を出力させる。演算部240は、このディジタル信号に基づいて上記加速度320と空気圧を算出して制動制御ユニット600に出力すると共に空気圧の算出値を空気圧モニターユニット700に出力する。この後、制御部230は、上記と同様の処理を繰り返す。
【0084】
制動制御ユニット600Bは、周知のCPUを主体として構成され、各タイヤ300の回転数を検知するセンサ510,520から出力される検知結果を取り込むと共に各モニタ装置200から出力される検出結果を取り込んで、これらに基づいて圧力制御弁630の制御を行う。
【0085】
即ち、制動制御ユニット600Bには、モニタ装置200Bから得られる加速度320及び空気圧とタイヤ300の歪み量との関係を表す歪み特性情報が予め実験によって求められて記憶されている。本実施形態では、タイヤの空気圧の値毎に加速度320とタイヤ300の歪み量との関係を表すテーブルが情報として記憶されている。
【0086】
さらに、制動制御ユニット600Bは、加速度320及び空気圧の検知結果と歪み特性情報とに基づいて、各タイヤ300の歪み量を推定し、この推定したタイヤの歪み量と各タイヤ300の回転数の検知結果に基づいて圧力制御弁630を制御し、ブレーキ駆動用アクチュエータを駆動する。
【0087】
空気圧モニターユニット700は、周知のCPUを主体として構成され、各モニタ装置200Bから出力されるタイヤ空気圧の検出結果を取り込んで、これらを運転者に報知すると共に空気圧に異常が生じたときに異常の発生を報知する。
【0088】
従って、前述した第3実施形態におけるタイヤの状態検出装置を備えた制動制御装置によれば、第1実施形態に加えて、モニタ装置200から出力されるタイヤ300の加速度とタイヤ300内の空気圧の検出結果を制動制御ユニット600に取り込んで制動制御を行うので、第1実施形態に比べてさらに高精度な制御を行うことができる。即ち、車両に装着されているタイヤの種類やその空気圧が異るとタイヤと路面との間の摩擦力が変わってくるが、このような場合にも高精度な制御が可能になる。
【0089】
尚、第3実施形態では、センサユニット100Bはモニタ装置200Bから輻射された電磁波を受波して電気エネルギーを得たときに検知結果を送信するようにしたが、モニタ装置200Bから自己の識別情報を含む情報要求指示を受信したときにセンサユニット100Bから検知結果を送信するようにプログラム等を設定することによって、外部からの不要なノイズによって検知結果を送信することがなく、これにより不要な電磁波の輻射を防止することができる。
【0090】
また、第3実施形態では、モニタ装置200Bから得られる加速度320及び空気圧とタイヤ300の歪み量との関係を表す歪み特性情報を制動制御ユニット600Bに記憶し、制動制御ユニット600Bが加速度320及び空気圧の検知結果と前記歪み特性情報とに基づいて、タイヤ300の歪み量を推定したが、モニタ装置200Bに上記歪み特性情報を記憶しておき、モニタ装置200Bにおいてタイヤ300の歪み量を推定して、この推定結果を制動制御ユニット600Bに出力するようにし、これに基づいて制動制御ユニット600Bが圧力制御弁630を制御してブレーキ駆動用アクチュエータ640を駆動するようにしても良い。
【0091】
また、第2実施形態と同様にモニタ装置200Bを1つだけ備えて全てのタイヤ300のセンサユニット100Bから検知情報を得られるようにしても良い。
【0092】
尚、上記各実施形態の構成を組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしたタイヤの状態検出装置或いは制動制御装置を構成してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、タイヤ300の回転における少なくとも減速時に生じる加速度を検出するようにしたが、減速時及び加速時の双方におけるタイヤ300の回転における加速度を検出しても良い。
【0094】
また、上記実施形態では、前記第1及び第2周波数の双方を2.45GHzとしたが、これに限定されることはなく、前述したように1GHz以上の周波数であればタイヤ内の金属による電磁波の反射や遮断などの影響を極めて低減して、高精度にセンサユニット100による検知データを得ることができ、これらの第1及び第2周波数が異なる周波数であっても良い。これら第1及び第2周波数は設計時に適宜設定することが好ましい。
【0095】
また、上記各実施形態では本発明のタイヤの状態検出装置を用いた制動制御装置を例として説明したが、車両の走行速度を加速するときの制御に、本発明のタイヤの状態検出装置による検出結果を用いても良いことは言うまでもない。
【0096】
また、上記実施形態では、センサユニット100,100A,100Bをリム306に固定したが、タイヤ300の回転軸上以外であれば何れの箇所に設けても良い。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のタイヤの状態検出装置によれば、タイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を検知することができるので、該加速度を車両の駆動制御に用いることにより、特に制動制御において適切な制御を行うことが可能になる。また、上記加速度からタイヤの歪み量を推定できるので、該タイヤの歪み量を車両の駆動制御に用いることにより、さらに高精度な制御を行うことができる。さらに、前記加速度と共にタイヤの空気圧を検出することができるので、タイヤ空気圧のチェックやより高精度なタイヤ歪み量の推定を行うことが可能になる。
【0098】
本発明のセンサユニットによれば、リム及びホイール並びにタイヤ本体からなるタイヤの所定位置にセンサユニットを設けるだけで、上記タイヤの状態検出装置におけるタイヤを容易に構成することができる。
【0099】
本発明のタイヤによれば、上記タイヤの状態検出装置におけるタイヤを容易に構成することができる。
【0100】
本発明の車両の制動制御装置によれば、タイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を車両の駆動制御に用いているため、特に制動制御において適切な制御を行うことができる。また、上記加速度からタイヤの歪み量を推定できるので、該タイヤの歪み量を車両の駆動制御に用いることにより、さらに高精度な制御を行うことができる。さらに、前記加速度と共にタイヤの空気圧を検出することができるので、タイヤ空気圧のチェックやより高精度なタイヤ歪み量の推定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態における車両の制動制御装置を示す概略構成図
【図2】 本発明の第1実施形態におけるセンサユニットとモニタ装置の装着状態を説明する図
【図3】 本発明の第1実施形態におけるセンサユニットのタイヤへの装着状態を説明する図
【図4】 本発明の第1実施形態におけるセンサユニットの電気系回路を示す構成図
【図5】 本発明の第1実施形態における加速度センサが検出する加速度に関して説明する図
【図6】 本発明の第1実施形態における加速度センサが検出する加速度に関して説明する図
【図7】 本発明の第1実施形態におけるモニタ装置の電気系回路を示す構成図
【図8】 本発明の第2実施形態における車両の制動制御装置を示す概略構成図
【図9】 本発明の第2実施形態におけるモニタ装置の電気系回路を示す構成図
【図10】 本発明の第3実施形態におけるセンサユニットの電気系回路を示す構成図
【図11】 本発明の第3実施形態におけるモニタ装置の電気系回路を示す構成図
【符号の説明】
100,100A,100B…センサユニット、110…アンテナ、120…アンテナ切替器、130…整流回路、131,132…ダイオード、133…コンデンサ、134…抵抗器、140…中央処理部、141…CPU、142…D/A変換回路、143…記憶部、150…検波部、151…ダイオード、152…A/D変換回路、160…発信部、161…発振回路、162…変調回路、163…高周波増幅回路、170,170B…センサ部、171…加速度センサ、172…A/D変換回路、173…圧力センサ、174…A/D変換回路、200,200A,200B…モニタ装置、210…輻射ユニット、211…アンテナ、212…発信部、220…受波ユニット、221…アンテナ、222…検波部、230…制御部、240…演算部、250…操作部、300…タイヤ、301…キャップトレッド、302…アンダートレッド、303A,303B…ベルト、304…カーカス、305…タイヤ本体、306…リム、400…タイヤハウス、510,520…回転数センサ、600,600A…制動制御ユニット、610…ブレーキペダル、620…マスターシリンダ、630…圧力制御弁、640…ブレーキ駆動用アクチュエータ。

Claims (13)

  1. リムと、ホイールと、前記リムに装着されたタイヤ本体とからなるタイヤに設けられたセンサユニットと、
    車両に設けられたモニタ装置とを備えたタイヤの状態検出装置であって、
    前記センサユニットは、
    第1周波数の電磁波を受波する手段と、
    前記受波した第1周波数の電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、
    前記電気エネルギーによって動作し、少なくとも前記タイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を検知し、該加速度に対応する電気信号を出力する加速度センサと、
    前記電気エネルギーによって動作し、前記検知した加速度に対応する電気信号に基づいて、前記検知した加速度の検知結果を第2周波数の電磁波を用いて送信する手段とを備え、
    前記モニタ装置は、
    前記第1周波数の電磁波を輻射する手段と、
    前記第2周波数の電磁波を受波する手段と、
    前記受波した第2周波数の電磁波から前記加速度の検知結果を抽出する手段と
    前記加速度とタイヤの歪み量との関係を表す歪み特性情報を記憶している手段と、
    前記加速度の検知結果と前記歪み特性情報とに基づいて、タイヤの歪み量を推定する手段とを備えている
    ことを特徴とするタイヤの状態検出装置。
  2. 前記センサユニットが前記タイヤのリムに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの状態検出装置。
  3. 前記加速度センサは、前記タイヤの一方の回転方向にかかる加速度と他方の回転方向にかかる加速度の双方を検出する手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの状態検出装置。
  4. 前記センサユニットは、自己に固有の識別情報が格納されている記憶手段と、前記検知結果と共に前記識別情報を送信する手段とを有し、
    前記モニタ装置は、前記識別情報によって複数のタイヤの何れであるかを識別する手段を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの状態検出装置。
  5. 前記センサユニットは、前記加速度センサの他に少なくともタイヤ内の空気圧を検知する圧力センサと、前記空気圧の検知結果を前記加速度の検知結果と共に前記第2周波数の電磁波を用いて送信する手段とを備え、
    前記モニタ装置は、前記受波した第2周波数の電磁波から前記空気圧の検知結果を抽出する手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの状態検出装置。
  6. 前記モニタ装置は、前記加速度と前記空気圧とタイヤの歪み量との関係を表す歪み特性情報を記憶している手段と、前記加速度の検知結果と前記歪み特性情報に基づいて、タイヤの歪み量を推定する手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項5に記載のタイヤの状態検出装置。
  7. タイヤの状態を検出するためにタイヤに装着されるセンサユニットであって、
    第1周波数の電磁波を受波する手段と、
    前記受波した第1周波数の電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、
    前記電気エネルギーによって動作し、少なくともタイヤの回転によってタイヤ周方向に生ずる加速度を検知し、該加速度に対応する電気信号を出力する加速度センサと、
    前記電気エネルギーによって動作し、前記検知した加速度に対応する電気信号に基づいて、前記検知した加速度の検知結果を第2周波数の電磁波を用いて送信する手段とを有する
    ことを特徴とするタイヤ装着用センサユニット。
  8. 前記加速度センサは、前記タイヤの一方の回転方向にかかる加速度と他方の回転方向にかかる加速度の双方を検出する手段を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ装着用センサユニット。
  9. 自己に固有の識別情報が格納されている記憶手段と、前記検知結果と共に前記識別情報を送信する手段とを有している
    ことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ装着用センサユニット。
  10. 前記センサユニットは、前記加速度センサの他に少なくともタイヤ内の空気圧を検知する圧力センサと、前記空気圧の検知結果を前記加速度の検知結果と共に前記第2周波数の電磁波を用いて送信する手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ装着用センサユニット。
  11. 前記請求項7乃至請求項10の何れかに記載のセンサユニットが装着されていることを特徴とするタイヤ。
  12. 前記センサユニットがタイヤのリムに固定されていることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ。
  13. 車両のブレーキペダルの踏み込み状態の検出結果に応じてブレーキ駆動用アクチュエータを駆動して、目標とする制動力を発生させるように構成された車両の制動制御装置において、
    前記請求項1乃至請求項6の何れかに記載のタイヤの状態検出装置と、
    前記ブレーキペダルの踏み込み状態の検出結果及びモニタ装置において推定されたタイヤの歪み量に基づいて前記ブレーキ駆動用アクチュエータを駆動する手段とを備えている
    ことを特徴とする車両の制動制御装置。
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