JP4131182B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、1個の光源で、所定のすれ違い用の配光パターンと所定の走行用の配光パターンとが得られる2灯式のプロジェクタタイプのヘッドランプなど、すなわち、車両用前照灯にかかるものである。特に、この発明は、1台で、配光パターンをすれ違い用と走行用とに切り替える機能と、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターン以外の所定の配光パターンが得られる機能とを有する車両用前照灯に関するものである。
【0002】
なお、この明細書において、「路面など」とは、路面およびその路面上の人(歩行者など)や物(先行車や対向車や道路標識や建物など)などを言う。また、この明細書において、「上」「下」「左」「右」「前」「後」とは、この発明の車両用前照灯を自動車に装備した際の「上」「下」「左」「右」「前」「後」を言う。
【0003】
【従来の技術】
1個の光源で、所定のすれ違い用の配光パターンと所定の走行用の配光パターンとが得られる2灯式のプロジェクタタイプのヘッドランプなどの車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。以下、この車両用前照灯について説明する。この車両用前照灯は、光源(2)と、前記光源(2)からの光を反射させるリフレクタ(1)と、前記リフレクタ(1)からの反射光を路面などに照射する集光レンズ(3)、前記リフレクタ(1)と前記集光レンズ(3)の間に第1位置と第2位置との間を移動可能に配置された可動シェード(4)と、前記可動シェード(4)を第1位置と第2位置とに切り替える切替手段と、を備えるものである。
【0004】
つぎに、前記の車両用前照灯の作用について説明する。光源(2)を点灯する。すると、光源(2)からの光がリフレクタ(1)で反射される。その反射光が集光レンズ(3)を経て前方に照射される。このとき、シェード(4)が第1位置に位置すると、所定のすれ違い用の配光パターンが得られ、また、シェード(4)が第2位置に位置すると、所定の走行用の配光パターンが得られる。このシェード(4)の第1位置と第2位置との切替は、切替手段により行われる。
【0005】
【特許文献1】
実開昭63−47502号公報(第3図、第4図、第10図、第11図)
【特許文献2】
実開昭63−47503号公報(第4図、第5図、第10図、第11図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の車両用前照灯は、すれ違い用配光パターンと走行用配光パターンとを切り替える機能のみを有するものである。このために、前記の車両用前照灯は、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターン以外の所定の配光パターンが得られる機能を有するには別個の灯具を必要とする。これにより、前記の車両用前照灯は、製造コストが高価となり、別個の灯具のスペースが必要となる。
【0007】
この発明は、1台で、配光パターンをすれ違い用と走行用とに切り替える機能と、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターン以外の所定の配光パターンが得られる機能とを有し、これにより、製造コストが安価であり、かつ、コンパクトにまとめることができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、リフレクタと集光レンズとの間に第1位置と第2位置との間を移動可能に配置され、第1位置に位置するとすれ違い用配光パターンが得られ、第2位置に位置すると走行用配光パターンが得られる第1可動シェードと、リフレクタと集光レンズとの間に第3位置と第4位置との間を移動可能に配置され、第3位置に位置すると、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターンがそれぞれそのまま得られ、第4位置に位置すると、手前の部分の光がカットされている少なくともすれ違い用配光パターン(以下、単に配光パターンと称する)が得られる第2可動シェードと、第1可動シェードを第1位置と第2位置とに切り替える第1切替手段と、第2可動シェードを第3位置と第4位置とに切り替える第2切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この結果、請求項1にかかる発明は、第1切替手段により、第1可動シェードを第1位置に切り替えて位置させると、すれ違い用配光パターンが得られ、かつ、第1可動シェードを第2位置に切り替えて位置させると、走行用配光パターンが得られる。また、第2切替手段により、第2可動シェードを第3位置またはおよび第4位置に切り替えて位置させると、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターン以外の所定の配光パターンが得られる。このように、請求項1にかかる発明は、1台の車両用前照灯で、配光パターンをすれ違い用と走行用とに切り替える機能と、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターン以外の所定の配光パターンが得られる機能とを有する。このために、請求項1にかかる発明は、各機能ごとの灯具が不要となり、その分、製造コストが安価となり、かつ、灯具の設置スペースを小さくすることができ、その分、車両用前照灯をコンパクトにまとめることができる。
【0010】
特に、請求項にかかる発明は、雨天の走行時において、第2切替手段で第2可動シェードを第4位置に切り替えて位置させることにより、配光パターンの手前の部分の光がカットされるので、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与えることを防止できる。すなわち、配光パターンの手前の部分の光が濡れた路面に鏡面反射すると、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与える虞があるが、この請求項にかかる発明は、配光パターンの手前の部分の光をカットするので、対向車のドライバーや前方の歩行者などへのグレアを確実に防止することができる。
【0011】
また、請求項にかかる発明は、第1切替手段と第2切替手段とが1台の切替手段から構成されており、この1台の切替手段が、第1可動シェードが第1位置に位置しかつ第2可動シェードが第3位置に位置してすれ違い用配光パターンが得られる第1ポジションと、第1可動シェードが第2位置に位置しかつ第2可動シェードが第3位置に位置して走行用配光パターンが得られる第2ポジションと、第1可動シェードが第1位置に位置しかつ第2可動シェードが第4位置に位置してすれ違い用配光パターンの手前の部分の光をカットした配光パターン(以下、単に雨用配光パターンと称する)が得られる第3ポジションと、に切り替え可能である、ことを特徴とする。
【0012】
この結果、請求項にかかる発明は、1台の切替手段により、第1可動シェードの第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェードの第3位置と第4位置の切替とを行うことができる。このために、請求項3にかかる発明は、第1可動シェードの切替と第2可動シェードの切替とを2台の切替手段でそれぞれ別個に行う灯具と比較して、部品点数が軽減され、その分、製造コストが安価となる。
【0013】
また、請求項にかかる発明は、1台の切替手段が、第1ポジションおよび第2ポジションおよび第3ポジションに亘って直線往復移動可能なロッドと、ロッドの一端に第1可動シェードを着脱可能に連結し、ロッドを第1ポジションから第2ポジションに移動させる際にロッドの一端と第1可動シェードが連結状態となり、ロッドを第1ポジションから第3ポジションに移動させる際にロッドの一端と第1可動シェードが解除状態となる第1連結手段と、ロッドの他端に第2可動シェードを着脱可能に連結し、ロッドを第1ポジションから第3ポジションに移動させる際にロッドの他端と第2可動シェードが連結状態となり、ロッドを第1ポジションから第2ポジションに移動させる際にロッドの他端と第2可動シェードが解除状態となる第2連結手段と、励磁されると第1連結手段を介して第1可動シェードが連結されたロッドを第1ポジションから第2ポジションに移動させてかつ保持し消磁されるとロッドの第2ポジションの保持状態を解除する第1ソレノイドと、励磁されると第2連結手段を介して第2可動シェードが連結されたロッドを第1ポジションから第3ポジションに移動させてかつ保持し消磁されるとロッドの第3ポジションの保持状態を解除する第2ソレノイドと、第1ソレノイドの励磁によりロッドを第1ポジションから第2ポジションに移動させる際にバネ力を蓄え第1ソレノイドの消磁によりロッドの第2ポジションの保持状態を解除すると蓄えたバネ力を放出してロッドを第2ポジションから第1ポジションに移動させて保持する第1バネ部材と、第2ソレノイドの励磁によりロッドを第1ポジションから第3ポジションに移動させる際にバネ力を蓄え第2ソレノイドの消磁によりロッドの第3ポジションの保持状態を解除すると蓄えたバネ力を放出してロッドを第3ポジションから第1ポジションに移動させて保持する第2バネ部材と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この結果、請求項にかかる発明は、上記の構成により、1台の切替手段で第1可動シェードの第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェードの第3位置と第4位置の切替とを確実に行うことができる。
【0015】
また、請求項にかかる発明は、すれ違い用配光パターンのみを得る場合には、第1ソレノイドおよび第2ソレノイドを消磁状態として、第1バネ部材および第2バネ部材により、ロッドを第1ポジションに保持して、第1可動シェードを第1位置に位置させ、かつ、第2可動シェードを第3位置に位置させるものである。このために、請求項にかかる発明は、すれ違い用配光パターンの使用頻度が走行用配光パターンの使用頻度よりも高く、かつ、晴天時の走行時間が雨天時の走行時間より長い場合には、第1ソレノイドおよび第2ソレノイドを消磁状態とするので、省電力に最適である。
【0016】
さらに、請求項にかかる発明は、走行用配光パターンを得る場合には、第1ソレノイドを励磁して第1バネ部材のバネ力に抗してロッドを第1ポジションから第2ポジションに移動させて保持し、第1可動シェードを第2位置に位置させるものである。このために、請求項にかかる発明は、走行用配光パターンの照射時において、特に第1ソレノイドの電気系統が故障した場合、第1ソレノイドが消磁するので、第1バネ部材のバネ力によりロッドが第2ポジションから第1ポジションに移動して第1可動シェードが第2位置から第1位置に位置して配光パターンが走行用からすれ違い用に切り替わる。これにより、請求項にかかる発明は、電気系統の故障の場合において、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与えることを防止でき、フェイルセイフ機能を有することとなる。
【0017】
さらにまた、請求項にかかる発明は、雨用配光パターンを得る場合には、第2ソレノイドを励磁して第2バネ部材のバネ力に抗してロッドを第1ポジションから第3ポジションに移動させて保持し、第2可動シェードを第4位置に位置させるものである。このために、請求項にかかる発明は、雨用配光パターンの照射時において、特に第2ソレノイドの電気系統が故障した場合、第2ソレノイドが消磁するので、第2バネ部材のバネ力によりロッドが第3ポジションから第1ポジションに移動して第2可動シェードが第4位置から第3位置に位置して配光パターンが雨用からすれ違い用に切り替わる。これにより、請求項にかかる発明は、電気系統の故障の場合において、すれ違い用配光パターンが得られて夜間走行の安全性を確保することができ、フェイルセイフ機能を有することとなる。
【0018】
さらにまた、請求項にかかる発明は、配光パターンを走行用からすれ違い用に切り替える場合には、第1ソレノイドを消磁させることにより、第1バネ部材のバネ力でロッドを第2ポジションから第1ポジションに移動させて第1可動シェードを第2位置から第1位置に位置させるものである。このために、請求項にかかる発明は、走行用配光パターンからすれ違い用配光パターンへの切替が瞬時に行われるので、対向車のドライバーや前方の歩行者などへのグレアを瞬時に防止でき、しかも、前記のフェイルセイフ機能が瞬時に行われる。
【0019】
さらにまた、請求項にかかる発明は、配光パターンを雨用からすれ違い用に切り替える場合には、第2ソレノイドを消磁させることにより、第2バネ部材のバネ力でロッドを第3ポジションから第1ポジションに移動させて第2可動シェードを第4位置から第3位置に位置させるものである。このために、請求項にかかる発明は、雨用配光パターンからすれ違い用配光パターンへの切替が瞬時に行われるので、すれ違い用配光パターンを瞬時に確保することができ、しかも、前記のフェイルセイフ機能が瞬時に行われる。
【0020】
また、請求項にかかる発明は、第1可動シェードを第1位置に位置させる第1ストッパと、第1可動シェードを第2位置に位置させる第2ストッパと、第2可動シェードを第3位置に位置させる第3ストッパと、第2可動シェードを第4位置に位置させる第4ストッパと、を備えたことを特徴とする。
【0021】
この結果、請求項にかかる発明は、第1〜4ストッパにより、第1可動シェードを第1位置と第2位置に、第2可動シェードを第3位置と第4位置に、それぞれ確実に位置させることができるので、第1シェードおよびまたは第2シェードの位置ずれによる配光パターンのずれ変形を確実に防止することができる。
【0022】
また、請求項にかかる発明は、第1可動シェードの第1位置と第2位置との間の移動をガイドする第1ガイドと、第2可動シェードの第3位置と第4位置との間の移動をガイドする第2ガイドと、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この結果、請求項にかかる発明は、第1、2ガイドにより、第1、2可動シェードをスムーズに移動させることができるので、配光パターンをスムーズに切り替えることができる。これにより、請求項にかかる発明は、第1、2可動シェードを移動させる第1、2ソレノイドの励磁力および第1、2バネ部材のバネ力が小さいもので済むので、第1、2ソレノイドおよび第1、2バネ部材を小型のもので良く、その分、製造コストが安価となる。
【0024】
また、請求項にかかる発明は、第1可動シェードの第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェードの第3位置と第4位置の切替とが、制御装置により、ディマスイッチ、濡路手動切替スイッチ、車速センサー、GPSレシーバー、ジャイロセンサー、撮像装置、ワイパースイッチ、雨滴センサーなどの信号のうちの任意の信号に基づいて手動的およびまたは自動的に行う、ことを特徴とする。
【0025】
この結果、請求項にかかる発明は、道路環境、車両走行環境、地図情報などに基づいて、配光パターンを手動的およびまたは自動的に切り替えることができるので、道路環境や車両走行環境に適した配光パターンが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施の形態の1例を添付図面を参照して説明する。この例は、2灯式のプロジェクタタイプのヘッドランプについて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0027】
(実施の形態の構成の説明)
図1、図2において、1は2灯式のプロジェクタタイプのヘッドランプである。このヘッドランプ1には、光源としての放電灯2と、リフレクタ3と、集光レンズ4と、第1可動シェード5および第2可動シェード6と、切替手段7とを備える。
【0028】
前記放電灯2は、いわゆる、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)などである。前記放電灯2は、前記リフレクタ3にソケット機構8を介して着脱可能に取り付けられている。前記放電灯2の発光部分9は、前記リフレクタ3の第1焦点F1近傍に位置する。なお、光源としては、この例の放電灯2以外のもの、たとえば、ハロゲンランプや白熱ランプなどでも良い。
【0029】
前記リフレクタ3の内凹面は、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施された反射面である。この反射面は、たとえば、図1の垂直断面が楕円面をなし、かつ、水平断面(図2の紙面に対して垂直な断面)が放物面ないし変形放物面をなす反射面である。このために、前記リフレクタ3の反射面は、第1焦点F1と、第2焦点(水平断面上の焦線)F2とを有する。前記リフレクタ3は、ホルダ(フレーム)10に固定保持されている。
【0030】
前記集光レンズ4は、図示されていないが、第2焦点F2よりも前方側(放電灯2に対して集光レンズ4側)に、物空間側の焦点面(メリジオナル像面)を有する。前記集光レンズ4は、ホルダ10に固定保持されている。
【0031】
前記第1可動シェード5は、前記リフレクタ3と前記集光レンズ4との間で前記第2焦点F2近傍に第1位置と第2位置との間を上下方向に移動可能に配置されている。前記第1位置とは、図1、図8、図10に示す第1可動シェード5の位置であり、また、前記第2位置とは、図9に示す第1可動シェード5の位置である。この第1可動シェード5は、第1位置に位置すると、図11(A)に示す所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られ、第2位置に位置すると、図11(B)に示す所定の走行用の配光パターンHPが得られるシェードである。
【0032】
前記第1可動シェード5は、図1、図8〜図10に示すように、上下に設けられたシェード本体部11と、スライド部12と、ストッパ部13とから構成されている。このシェード本体部11の上縁(上端の縁)には、前記すれ違い用の配光パターンLPのカットラインCLを形成するほぼ水平な直線のエッジ部14が形成されている。前記エッジ部14のほぼ中央部には、約45°の斜めの段差が設けられている。この段差により、図11(A)に示すように、すれ違い用の配光パターンLPにおいて、走行車線側と対向車線側との間に約45°の斜めのカットラインが形成される。
【0033】
図8〜図10に示すように、前記リフレクタ3およびまたは前記ホルダ10の下側中央部には、第1ガイド15が固定されている。この第1ガイド15には、ガイド孔16が上下方向に設けられている。このガイド孔16の中に前記第1可動シェード5のスライド部12が上下方向にスライド可能にガイドされている。この結果、前記第1可動シェード5は、前記第1ガイド15により、第1位置と第2位置との間を移動可能にガイドされかつ配置されることとなる。
【0034】
前記第2可動シェード6は、前記リフレクタ3と前記集光レンズ4との間に第3位置と第4位置との間を上下方向に移動可能に配置されている。前記第3位置とは、図1、図8、図9に示す第2可動シェード6の位置であり、また、前記第4位置とは、図10に示す第2可動シェード6の位置である。この第2可動シェード6は、第3位置に位置すると、前記すれ違い用配光パターンLPおよび前記走行用配光パターンHPがそれぞれそのまま得られ、第4位置に位置すると、図11(C)に示す雨用配光パターンCPが得られるシェードである。なお、この雨用配光パターンは、前記すれ違い用配光パターンLPの手前の部分17(図11(C)中の格子線が施された部分)の光がカットされた配光パターンである。
【0035】
なお、図11(A)、(B)、(C)は、この実施の形態のヘッドランプ1からスクリーンに投影された配光パターンの説明図である。図における符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示し、符号「VU−VD」は、同じく、スクリーンの上下の垂直線を示す。
【0036】
前記第2可動シェード6は、図1、図8〜図10に示すように、シェード本体部18と、このシェード本体部18の左右に一体に設けられた第1スライド部19および第2スライド部20とから構成されている。前記第1スライド部19は、短い凸形状をなす。前記第2スライド部20は、長いクランク形状をなす。前記シェード本体部18は、上縁が水平直線で下縁がほぼ半楕円曲線をなす。このシェード本体部18により、図11(C)に示すように、すれ違い用配光パターンLPの手前の部分17の光をカットすることができる。
【0037】
図8〜図10に示すように、前記リフレクタ3およびまたは前記ホルダ10の上側左右両端部には、2個の第2ガイド21が固定されている。この2個の第2ガイド21には、ガイド孔22がそれぞれ上下方向に設けられている。この2個の第2ガイド21のガイド孔22の中に前記第2可動シェード6の第1スライド部19と第2スライド部20がそれぞれ上下方向にスライド可能にガイドされている。この結果、前記第2可動シェード6は、前記第2ガイド21により、第3位置と第4位置との間を移動可能にガイドされかつ配置されることとなる。
【0038】
前記切替手段7は、前記第1可動シェード5を第1位置と第2位置とに切り替える第1切替手段と、前記第2可動シェード6を第3位置と第4位置とに切り替える第2切替手段とを一体にした1台の切替手段から構成されている。
【0039】
前記1台の切替手段7は、
図8に示すように、前記第1可動シェード5が第1位置に位置し、かつ、前記第2可動シェード6が第3位置に位置して、前記すれ違い用配光パターンLPが得られる第1ポジション(図8に示す切替手段7のポジション)と、
図9に示すように、前記第1可動シェード5が第2位置に位置し、かつ、前記第2可動シェード6が第3位置に位置して、前記走行用配光パターンHPが得られる第2ポジション(図9に示す切替手段7のポジション)と、
図10に示すように、前記第1可動シェード5が第1位置に位置し、かつ、前記第2可動シェード6が第4位置に位置して、前記雨用配光パターンCPが得られる第3ポジション(図10に示す切替手段7のポジション)と、
に切り替え可能である。
【0040】
前記1台の切替手段7は、図2〜図6特に図6に示すように、ケーシング23と、1本のロッド24と、第1連結手段25および第2連結手段26と、第1ソレノイド27および第2ソレノイド28と、第1バネ部材29および第2バネ部材30とから構成されている。
【0041】
前記ケーシング23は、2個の取付ブラケット31および複数個のスクリュー32により、前記リフレクタ3および前記ホルダ10の側部に取り付けられている。このケーシング23は、中空形状をなす。このケーシング23の上下両板部には、円筒形状の第1ガイド筒33および第2ガイド筒34がそれぞれ固定されている。この第1ガイド筒33および第2ガイド筒34には、第1スリット62および第2スリット63がそれぞれ上下方向に設けられている。
【0042】
前記ケーシング23の上下両板部の中央には、前記ロッド24のほぼ中間部が上下方向に移動可能に挿通されている。この結果、前記ロッド24は、前記ケーシング23により、前記第1ポジションおよび前記第2ポジションおよび前記第3ポジションに亘って直線往復移動可能に装備されることとなる。
【0043】
前記ロッド24の一端(下端)には、前記第1連結手段25が装備されている。この第1連結手段25は、前記ロッド24の下端に前記第1可動シェード5を着脱可能に連結する手段である。この第1連結手段25は、円板形状の第1固定板35と、円環板形状の第1スライド板36とから構成されている。前記第1固定板35は、前記ロッド24の下端に固定されている。前記第1スライド板36は、前記ロッド24の下端部のうち前記第1固定板35と前記ケーシング23の下板部との間に前記ロッド24の軸方向(上下方向)にスライド可能に配置されている。また、この第1スライド板36は、前記第1ガイド筒33中に上下方向にスライド可能に収納されている。この結果、この第1スライド板36は、前記第1ガイド筒33により上下方向にスライド可能にガイドされることとなる。
【0044】
図8〜図10に示すように、前記第1連結手段25の第1スライド板36と、前記第1可動シェード5のシェード本体部11との間には、連結リンク機構37が装備されている。この連結リンク機構37は、棒形状の第1リンク38と、L字形状の第2リンク39とから構成されている。前記第1リンク38の両端には、長孔40、41がそれぞれ設けられている。この第1リンク38のほぼ一端部が前記リフレクタ3およびまたは前記ホルダ10にピン42により回転可能に取り付けられている。この第1リンク38の両端の長孔40、41には、前記第1可動シェード5のシェード本体部11に設けられたピン43と、前記第2リンク39の一端に設けられたピン44とがそれぞれ係合されている。前記第2リンク39の他端が前記第1ガイド筒33の第1スリット62を通して前記第1スライド板36に固定されている。この結果、前記第1可動シェード5は、前記第1連結手段25を介して前記ロッド24の一端に着脱可能に連結されることとなる。
【0045】
一方、前記ロッド24の他端(上端)には、前記第2連結手段26が装備されている。この第2連結手段26は、前記ロッド24の上端に前記第2可動シェード6を着脱可能に連結する手段である。この第2連結手段26は、円板形状の第2固定板45と、円環板形状の第2スライド板46とから構成されている。前記第2固定板45は、前記ロッド24の上端に固定されている。前記第2スライド板46は、前記ロッド24の上端部のうち前記第2固定板45と前記ケーシング23の上板部との間に前記ロッド24の軸方向(上下方向)にスライド可能に配置されている。また、この第2スライド板46は、前記第2ガイド筒34中に上下方向にスライド可能に収納されている。この結果、この第2スライド板46は、前記第2ガイド筒34により上下方向にスライド可能にガイドされることとなる。
【0046】
図8〜図10に示すように、前記第2連結手段26の第2スライド板46には、前記第2可動シェード6の第2スライド部20の先端が前記第2ガイド筒34の第2スリット63を通して固定されている。この結果、前記第2可動シェード6は、前記第2連結手段26を介して前記ロッド24の他端に着脱可能に連結されることとなる。
【0047】
前記第1ソレノイド27は、前記ケーシング23内の上部に設けられた第1コア(第1ヨーク)47と、この第1コア47に巻装された第1コイル48とから構成されている。一方、前記第2ソレノイド28は、前記ケーシング23内の下部に設けられた第2コア(第2ヨーク)49と、この第2コア49に巻装された第2コイル50とから構成されている。また、前記ロッド24の中間部のうち、前記第1ソレノイド27と前記第2ソレノイド28との間には、アーマチュア51が固定されている。
【0048】
前記第1ソレノイド27は、前記第1コイル48に通電すると、励磁され、前記ロッド24を前記第1ポジションから前記第2ポジションに移動させてかつその第2ポジションにおいて保持する。このとき、前記ロッド24の下端と前記第1可動シェード5とは、前記第1連結手段25を介して連結されている。また、前記第1ソレノイド27は、前記第1コイル48への通電を遮断すると、消磁され、前記ロッド24の第2ポジションの保持状態を解除する。
【0049】
一方、前記第2ソレノイド28は、前記第2コイル50に通電すると、励磁され、前記ロッド24を前記第1ポジションから前記第3ポジションに移動させてかつその第3ポジションにおいて保持する。このとき、前記ロッド24の上端と前記第2可動シェード6とは、前記第2連結手段26を介して連結されている。また、前記第2ソレノイド28は、前記第2コイル50への通電を遮断すると、消磁され、前記ロッド24の第3ポジションの保持状態を解除する。
【0050】
前記ケーシング23の下板部と前記第1スライド板36との間であって、前記第1ガイド筒33内には、前記第1バネ部材29が配置されている。この第1バネ部材29は、前記ロッド24が前記第1ポジションから前記第2ポジションに移動する際に圧縮してバネ力を蓄え、前記ロッド24の前記第2ポジションの保持状態が解除されると伸長して蓄えたバネ力を放出して前記ロッド24を前記第2ポジションから前記第1ポジションに移動させて保持する。
【0051】
前記ケーシング23の上板部と前記第2スライド板46との間であって、前記第2ガイド筒34内には、前記第2バネ部材30が配置されている。この第2バネ部材30は、前記ロッド24が前記第1ポジションから前記第3ポジションに移動する際に圧縮してバネ力を蓄え、前記ロッド24の前記第3ポジションの保持状態が解除されると伸長して蓄えたバネ力を放出して前記ロッド24を前記第3ポジションから前記第1ポジションに移動させて保持する。
【0052】
この例における前記第1バネ部材29および前記第2バネ部材30は、コイルスプリングである。なお、この発明における第1バネ部材および第2バネ部材は、この例のコイルスプリング以外のバネ部材でも良い。また、前記ケーシング23の下板部の下面と上板部の上面と、前記第1スライド板36の上面と前記第2スライド板46の下面とには、凸部64がそれぞれ設けられている。この凸部64に前記第1バネ部材29の上下両端および前記第2バネ部材30の上下両端がそれぞれ係合している。これにより、前記第1バネ部材29および前記第2バネ部材30のバネ力の蓄えと放出とを確実に行うことができる。なお、前記凸部64は、前記各面の円周上に数個設けたものであっても良いし、または、前記各面に環状に設けたものであっても良い。
【0053】
前記2個の取付ブラケット31の間には、ストッパ機構52が固定されている。このストッパ機構52は、図8〜図10に示すように、前記第1可動シェード5を第1位置に位置させる第1ストッパ53と、前記第1可動シェード5を第2位置に位置させる第2ストッパ54と、前記第2可動シェード6を第3位置に位置させる第3ストッパ55と、前記第2可動シェード6を第4位置に位置させる第4ストッパ56と、を備えるものである。
【0054】
前記ストッパ機構52は、図4に示すように、前記2個の取付ブラケット31にスクリュー32により固定された2枚の固定板57と、この2枚の固定板57の間の下部と上部とに固定された第1ストッパ部材58および第2ストッパ部材59とから構成されている。前記第1ストッパ部材58および前記第2ストッパ部材59には、第1スライド孔60および第2スライド孔61がそれぞれ上下方向に設けられている。前記第1スライド孔60および前記第2スライド孔61には、前記第2リンク39および前記第2スライド部20が上下方向にスライド可能に挿通されている。前記第1ストッパ部材58の前記第1スライド孔60の下縁および上縁が前記第1ストッパ53および前記第2ストッパ54を構成する。前記第2ストッパ部材59の前記第2スライド孔61の上縁および下縁が前記第3ストッパ55および前記第4ストッパ56を構成する。
【0055】
前記第1ストッパ部材58の第1スライド孔60と前記第2リンク39とは、前記第1可動シェード5が第1位置と第2位置との間を移動する際のガイドとしての機能をも有する。また、前記第2ストッパ部材59の第2スライド孔61と前記第2スライド部20とは、前記第2可動シェード6が第3位置と第4位置との間を移動する際のガイドとしての機能をも有する。さらに、前記第1可動シェード5のストッパ部13と前記第1ガイド15とは、前記第1可動シェード5を第1位置に位置させるストッパとしての機能をも有する。さらにまた、前記第2可動シェード6の第1スライド部19および第2スライド部20と前記2個の第2ガイド21とは、前記第2可動シェード6を第3位置に位置させるストッパと前記第2可動シェード6を第4位置に位置させるストッパとしての機能をも有する。
【0056】
前記ヘッドランプ1の構成部品の放電灯2、リフレクタ3、集光レンズ4、第1可動シェード5、第2可動シェード6、切替手段7、ソケット機構8およびホルダ10などがアウターレンズもしくはアウターカバー(図示せず)とランプハウジング(図示せず)とに区画された灯室(図示せず)内に配置されることにより、前記ヘッドランプ1が構成される。
【0057】
図7は、道路環境、車両走行環境、地図情報などに基づいて、前記切替手段7を駆動させて、配光パターンを手動的およびまたは自動的に切り替える駆動制御手段を示すブロック図である。この駆動制御手段は、各種スイッチおよびセンサー65、66、67、68、69、70、71、72と、制御装置・コンピュータ73とからなる。
【0058】
前記各種スイッチおよびセンサーは、路面などに照射する配光パターンをすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとに切り替えるディマスイッチ65と、路面などに照射する配光パターンをすれ違い用配光パターンLPと雨用配光パターンCPとに切り替える濡路手動切替スイッチ66と、車速を検知して車速信号を出力する車速センサー67と、GPSや地上局(電子基準点など)から出力される位置情報信号を受信するGPSレシーバー68と、自車位置や自車姿勢を検知するジャイロセンサー69と、車両の周囲の情報を撮像して画像に基づく信号(画像信号)を出力する撮像装置70と、ワイパーを駆動させるワイパースイッチ71と、雨を検知して雨信号を出力する雨滴センサー72となどである。
【0059】
前記制御装置・コンピュータ73は、外部信号入力装置としてのインターフェイス回路74と、中央演算処理装置・CPU75と、制御信号出力装置としてのソレノイドドライバー回路76とからなる。この制御装置73は、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、中央演算処理装置・CPU75で道路環境や車両走行環境に適した配光パターンを決定し、この決定された配光パターンに応じた制御信号をソレノイドドライバー回路(ドライブ回路)76を介して第1ソレノイド27および第2ソレノイド28に出力するものである。この例の配光パターンとしては、図11(A)に示すすれ違い用配光パターンLPと、図11(B)に示す走行用配光パターンHPと、図11(C)に示す雨用配光パターンCPである。前記制御装置73は、車両に搭載されているコンピュータを使用する。
【0060】
なお、この実施の形態にかかる車両用灯具において、道路環境、車両走行環境、地図情報などに基づいて、配光パターンを切り替える制御は、上記の作用以外にも種々ある。たとえば、上記の制御としては、AFS(Adaptive Front lighting System)に対応したものでも良い。その上、車両の状況や道路状況やドライバーの好みなどにより、制御は、色々と変更することができるものでも良い。
【0061】
(実施の形態の作用の説明)
この実施の形態における車両用前照灯1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0062】
まず、放電灯2を点灯する。すると、放電灯2からの光は、リフレクタ3で反射される。その反射光は、リフレクタ3の第2焦点F2に集光され、かつ、その第2焦点F2を通って拡散され、さらに、集光レンズ4を経て前方に照射される。その照射光は、図11(A)に示すすれ違い用配光パターンLP、または、図11(B)に示す走行用配光パターンHP、または、図11(C)に示す雨用配光パターンとして、それぞれ路面などに照射される。
【0063】
ここで、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、すれ違い用配光パターンLPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第1ソレノイド27および第2ソレノイド28に無通電信号をそれぞれ出力する。
【0064】
前記の無通電信号により、第1ソレノイド27の第1コイル48および第2ソレノイド28の第2コイル50は、それぞれ無通電状態であるから、第1ソレノイド27および第2ソレノイド28は、それぞれ消磁状態にある。このために、切替手段7のロッド24は、第1バネ部材29のバネ力および第2バネ部材30のバネ力により、第1ポジションに位置しかつ保持されている。
【0065】
このとき、図8に示すように、切替手段7のロッド24のアーマチュア51は、第1ソレノイド27と第2ソレノイド28との間であって、ほぼ第1ソレノイド27側に位置する。また、第1連結手段25の第1スライド板36は、第1バネ部材29のバネ力により第1連結手段25の第1固定板35に当接されている。このために、第1スライド板36に固定されている連結機構37の第2リンク39は、第1ストッパ53に当接している。この結果、第1可動シェード5は、第1位置に位置することとなる。さらに、第2連結手段26の第2スライド板46は、第2バネ部材30のバネ力により第2連結手段26の第2固定板45に当接されている。このために、第2スライド板46に固定されている第2可動シェード6の第2スライド部20は、第3ストッパ55に当接している。この結果、第2可動シェード6は、第3位置に位置することとなる。これにより、図11(A)に示すすれ違い用配光パターンLPが得られる。
【0066】
前記のすれ違い用配光パターンLPが照射されているときに、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、走行用配光パターンHPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第1ソレノイド27に通電信号を出力する。
【0067】
前記の通電信号により、第1ソレノイド27の第1コイル48は、通電状態となるので、第1ソレノイド27は、励磁状態となる。このために、切替手段7のロッド24のアーマチュア51は、第1ソレノイド27側に図8中の矢印A方向に吸引される。これに伴って、切替手段7のロッド24は、同方向(矢印A方向)に図8に示す第1ポジションから図9に示す第2ポジションに移動してかつその第2ポジションにおいて保持される。
【0068】
このとき、ロッド24の下端に固定されている第1連結手段25の第1固定板35は、ロッド24と共に矢印A方向に移動するので、この第1固定板35と当接状態にある第1連結手段25の第1スライド板36は、第1バネ部材29のバネ力に抗して、第1固定板35と共に矢印A方向に移動する。すなわち、第1連結手段25の第1固定板35と第1スライド板36とは、連結状態にある。このために、第1連結手段25の第1スライド板36に固定されている連結機構37の第2リンク39は、第1スライド板36と共に矢印A方向に第1ストッパ53側から第2ストッパ54側に移動してその第2ストッパ54に当接する。
【0069】
連結手段37の第2リンク39の移動により、連結手段37の第1リンク38がピン42を中心に時計方向に回転する。この結果、第1連結手段25および連結リンク機構37を介してロッド24の下端と連結状態にある第1可動シェード5は、図9に示すように、第1位置から第2位置に移動してこの第2位置に位置することとなる。このとき、第1バネ部材29は、前記ロッド24の矢印A方向の移動により、圧縮してバネ力を蓄えている状態にある。
【0070】
一方、ロッド24の上端に固定されている第2連結手段26の第2固定板45は、第2連結手段26の第2スライド板46から離れてロッド24と共に矢印A方向に移動する。すなわち、第2連結手段26の第2固定板45と第2スライド板46との連結状態は、解除状態にある。このために、第2スライド板46に固定されている第2可動シェード6の第2スライド部20は、第3ストッパ55に当接している状態のままである。この結果、第2可動シェード6は、図9に示すように、第3位置に位置している状態のままであるから、図11(B)に示す走行用配光パターンHPが得られる。
【0071】
前記の走行用配光パターンHPが照射されているときに、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、すれ違い用配光パターンLPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第1ソレノイド27および第2ソレノイド28に無通電信号を出力する。
【0072】
前記の無通電信号により、第1ソレノイド27の第1コイル48の通電状態は、遮断されるので、第1ソレノイド27は、消磁状態となる。このために、切替手段7のロッド24の第2ポジションの保持状態は、解除され、かつ、第1バネ部材29は、蓄えたバネ力を放出する。これにより、連結状態にある第1連結手段25の第1スライド板36および第1固定板35と、この第1固定板35が固定されているロッド24と、このロッド24に固定されているアーマチュア51とは、それぞれ図9中の矢印C方向に移動復帰する。この結果、切替手段7のロッド24は、図9に示す第2ポジションから図8に示す第1ポジションに移動してかつその第1ポジションにおいて保持される。
【0073】
一方、第1連結手段25の第1スライド板36に固定されている連結機構37の第2リンク39は、第1スライド板36と共に矢印C方向に第2ストッパ54側から第1ストッパ53側に移動してその第1ストッパ53に当接する。この連結手段37の第2リンク39の移動により、連結手段37の第1リンク38がピン42を中心に反時計方向に回転する。この結果、第1連結手段25および連結リンク機構37介してロッド24の下端と連結状態にある第1可動シェード5は、図8に示すように、第2位置から第1位置に移動してこの第1位置に位置することとなる。一方、第2可動シェード6は、図8に示すように、第3位置に位置している状態のままである。これにより、図11(A)に示すすれ違い用配光パターンLPが得られる。
【0074】
前記のすれ違い用配光パターンLPが照射されているときに、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、雨用配光パターンCPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第2ソレノイド28に通電信号を出力する。
【0075】
前記の通電信号により、第2ソレノイド28の第2コイル50は、通電状態となるので、第2ソレノイド28は、励磁状態となる。このために、切替手段7のロッド24のアーマチュア51は、第2ソレノイド28側に図8中の矢印B方向に吸引される。これに伴って、切替手段7のロッド24は、同方向(矢印B方向)に図8に示す第1ポジションから図10に示す第3ポジションに移動してかつその第3ポジションにおいて保持される。
【0076】
このとき、ロッド24の上端に固定されている第2連結手段26の第2固定板45は、ロッド24と共に矢印B方向に移動するので、この第2固定板45と当接状態にある第2連結手段26の第2スライド板46は、第2バネ部材30のバネ力に抗して、第2固定板45と共に矢印B方向に移動する。すなわち、第2連結手段26の第2固定板45と第2スライド板46とは、連結状態にある。このために、第2連結手段26の第2スライド板46に固定されている第2可動シェード6の第2スライド部20は、第2スライド板46と共に矢印B方向に第3ストッパ55側から第4ストッパ56側に移動してその第4ストッパ56に当接する。
【0077】
第2可動シェード6の第2スライド部20の移動により、第2連結手段26を介してロッド24の上端と連結状態にある第2可動シェード6は、図10に示すように、第3位置から第4位置に移動してこの第4位置に位置することとなる。このとき、第2バネ部材30は、前記ロッド24の矢印B方向の移動により、圧縮してバネ力を蓄えている状態にある。
【0078】
一方、ロッド24の下端に固定されている第1連結手段25の第1固定板35は、第1連結手段25の第1スライド板36から離れてロッド24と共に矢印B方向に移動する。すなわち、第1連結手段25の第1固定板35と第1スライド板36との連結状態は、解除状態にある。このために、第1スライド板36に固定されている連結機構37の第2リンク39は、第1ストッパ53に当接している状態のままである。この結果、第1可動シェード5は、図10に示すように、第1位置に位置している状態のままであるから、図11(C)に示す雨用配光パターンCPが得られる。
【0079】
前記の雨用配光パターンCPが照射されているときに、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、すれ違い用配光パターンLPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第1ソレノイド27および第2ソレノイド28に無通電信号を出力する。
【0080】
前記の無通電信号により、第2ソレノイド28の第2コイル50の通電状態は、遮断されるので、第2ソレノイド28は、消磁状態となる。このために、切替手段7のロッド24の第3ポジションの保持状態は、解除され、かつ、第2バネ部材30は、蓄えたバネ力を放出する。これにより、連結状態にある第2連結手段26の第2スライド板46および第2固定板45と、この第2固定板45が固定されているロッド24と、このロッド24に固定されているアーマチュア51とは、それぞれ図10中の矢印D方向に移動復帰する。この結果、切替手段7のロッド24は、図10に示す第3ポジションから図8に示す第1ポジションに移動してかつその第1ポジションにおいて保持される。
【0081】
一方、第2連結手段26の第2スライド板46に固定されている第2可動シェード6の第2スライド部20は、第2スライド板46と共に矢印D方向に第4ストッパ56側から第3ストッパ55側に移動してその第3ストッパ55に当接する。この第2可動シェード6の第2スライド部20の移動により、第2連結手段26を介してロッド24の上端と連結状態にある第2可動シェード6は、図8に示すように、第4位置から第3位置に移動してこの第3位置に位置することとなる。一方、第1可動シェード6は、図8に示すように、第1位置に位置している状態のままである。これにより、図11(A)に示すすれ違い用配光パターンLPが得られる。
【0082】
前記の走行用配光パターンHPが照射されているときに、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、雨用配光パターンCPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第1ソレノイド27に無通電信号を出力し、一方、第2ソレノイド28に通電信号を出力する。
【0083】
前記の無通電信号により、第1ソレノイド27の第1コイル48の通電状態は、遮断されるので、第1ソレノイド27は、消磁状態となる。一方、前記の通電信号により、第2ソレノイド28の第2コイル50は、通電状態となるので、第2ソレノイド28は、励磁状態となる。このために、切替手段7のロッド24の第2ポジションの保持状態は、解除され、かつ、第1バネ部材29は、蓄えたバネ力を放出する。一方、切替手段7のロッド24のアーマチュア51は、第2ソレノイド28側に吸引される。これに伴って、切替手段7のロッド24は、図9に示す第2ポジションから図8に示す第1ポジションを経て図10に示す第3ポジションに移動してかつその第3ポジションにおいて保持される。
【0084】
この結果、第1可動シェード5は、図9に示す第2位置から図10に示す第1位置に移動し、一方、第2可動シェード6は、図9に示す第3位置から図10に示す第4位置に移動する。これにより、走行用配光パターンHPから雨用配光パターンCPに切り替わる。
【0085】
前記の雨用配光パターンCPが照射されているときに、制御装置73が、インターフェイス回路74に入力された各種スイッチおよびセンサー65〜72の切替信号や操作信号や検知信号に基づいて、たとえば、走行用配光パターンHPを決定する。すると、制御装置73は、ソレノイドドライバー回路76を介して第1ソレノイド27に通電信号を出力し、一方、第2ソレノイド28に無通電信号を出力する。
【0086】
前記の通電信号により、第1ソレノイド27の第1コイル48は、通電状態となるので、第1ソレノイド27は、励磁状態となる。一方、前記の無通電信号により、第2ソレノイド28の第2コイル50の通電状態は、解除されるので、第2ソレノイド28は、消磁状態となる。このために、切替手段7のロッド24の第3ポジションの保持状態は、解除され、かつ、第2バネ部材30は、蓄えたバネ力を放出する。一方、切替手段7のロッド24のアーマチュア51は、第1ソレノイド27側に吸引される。これに伴って、切替手段7のロッド24は、図10に示す第3ポジションから図8に示す第1ポジションを経て図9に示す第2ポジションに移動してかつその第2ポジションにおいて保持される。
【0087】
この結果、第1可動シェード5は、図10に示す第1位置から図9に示す第2位置に移動し、一方、第2可動シェード6は、図10に示す第4位置から図9に示す第3位置に移動する。これにより、雨用配光パターンCPから走行用配光パターンHPに切り替わる。
【0088】
なお、前記の第1可動シェード5の移動は、第1ガイド15によりガイドされる。また、前記の第2可動シェード5の移動は、第2ガイド21によりガイドされる。さらに、前記の第1スライド板36の移動は、第1ガイド筒33によりガイドされる。さらにまた、前記の第2スライド板46の移動は、第2ガイド筒34によりガイドされる。
【0089】
(実施の形態の効果の説明)
この実施の形態におけるヘッドランプ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その効果について説明する。
【0090】
この実施の形態におけるヘッドランプ1は、1台の車両用前照灯で、配光パターンをすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとに切り替える機能と、すれ違い用配光パターンLPおよび走行用配光パターンHP以外の雨用配光パターンCPが得られる機能とを有する。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、各機能ごとの灯具が不要となり、その分、製造コストが安価となり、かつ、灯具の設置スペースを小さくすることができ、その分、車両用前照灯をコンパクトにまとめることができる。
【0091】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、雨天の走行時において、切替手段7で第2可動シェード6を第4位置に切り替えて位置させることにより、図11(C)に示す雨用配光パターンCPが得られる。この雨用配光パターンCは、すれ違い用配光パターンLPの手前の部分17の光がカットされた配光パターンであるから、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与えることを防止できる。すなわち、すれ違い用配光パターンLPの手前の部分17の光が濡れた路面に鏡面反射すると、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与える虞があるが、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、すれ違い用配光パターンLPの手前の部分17の光をカットするので、対向車のドライバーや前方の歩行者などへのグレアを確実に防止することができる。
【0092】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、1台の切替手段7により、第1可動シェード5の第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェード6の第3位置と第4位置の切替とを行うことができる。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、第1可動シェード5の切替と第2可動シェード6の切替とを2台の切替手段でそれぞれ別個に行う灯具と比較して、部品点数が軽減され、その分、製造コストが安価となる。
【0093】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1の切替手段7が、ロッド24と、第1連結手段25および第2連結手段26と、第1ソレノイド27および第2ソレノイド28と、第1バネ部材29および第2バネ部材30とから構成されている。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、1台の切替手段7により、第1可動シェード5の第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェード6の第3位置と第4位置の切替とを確実に行うことができる。
【0094】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、すれ違い用配光パターンLPのみを得る場合には、第1ソレノイド27および第2ソレノイド28を消磁状態として、第1バネ部材29および第2バネ部材30により、ロッド24を第1ポジションに保持して、第1可動シェード5を第1位置に位置させ、かつ、第2可動シェード6を第3位置に位置させるものである。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、すれ違い用配光パターンLPの使用頻度が走行用配光パターンHPの使用頻度よりも高く、かつ、晴天時の走行時間が雨天時の走行時間より長い場合には、第1ソレノイド27および第2ソレノイド28を消磁状態とするので、省電力に最適である。
【0095】
さらに、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、走行用配光パターンHPを得る場合には、第1ソレノイド27を励磁して第1バネ部材29のバネ力に抗してロッド24を第1ポジションから第2ポジションに移動させて保持し、第1可動シェード5を第2位置に位置させるものである。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、走行用配光パターンHPの照射時において、特に第1ソレノイド27の電気系統が故障した場合、第1ソレノイド27が消磁するので、第1バネ部材29のバネ力によりロッド24が第2ポジションから第1ポジションに移動して第1可動シェード5が第2位置から第1位置に位置して配光パターンが走行用配光パターンHPからすれ違い用配光パターンLPに切り替わる。これにより、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、電気系統の故障の場合において、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与えることを防止でき、フェイルセイフ機能を有することとなる。
【0096】
さらにまた、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、雨用配光パターンCPを得る場合には、第2ソレノイド28を励磁して第2バネ部材30のバネ力に抗してロッド24を第1ポジションから第3ポジションに移動させて保持し、第2可動シェード6を第4位置に位置させるものである。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、雨用配光パターンCPの照射時において、特に第2ソレノイド30の電気系統が故障した場合、第2ソレノイド30が消磁するので、第2バネ部材30のバネ力によりロッド24が第3ポジションから第1ポジションに移動して第2可動シェード6が第4位置から第3位置に位置して配光パターンが雨用配光パターンCPからすれ違い用配光パターンLPに切り替わる。これにより、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、電気系統の故障の場合において、すれ違い用配光パターンLPが得られて夜間走行の安全性を確保することができ、フェイルセイフ機能を有することとなる。
【0097】
さらにまた、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、配光パターンを走行用配光パターンHPからすれ違い用配光尾パターンLPに切り替える場合には、第1ソレノイド27を消磁させることにより、第1バネ部材29のバネ力でロッド24を第2ポジションから第1ポジションに移動させて第1可動シェード5を第2位置から第1位置に位置させるものである。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、走行用配光パターンHPからすれ違い用配光パターンLPへの切替が瞬時に行われるので、対向車のドライバーや前方の歩行者などへのグレアを瞬時に防止でき、しかも、前記のフェイルセイフ機能が瞬時に行われる。
【0098】
さらにまた、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、配光パターンを雨用配光パターンCPからすれ違い用配光パターンLPに切り替える場合には、第2ソレノイド28を消磁させることにより、第2バネ部材30のバネ力でロッド24を第3ポジションから第1ポジションに移動させて第2可動シェード6を第4位置から第3位置に位置させるものである。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、雨用配光パターンCPからすれ違い用配光パターンLPへの切替が瞬時に行われるので、すれ違い用配光パターンLPを瞬時に確保することができ、しかも、前記のフェイルセイフ機能が瞬時に行われる。
【0099】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、第1〜4ストッパ53〜56により、第1可動シェード5を第1位置と第2位置に、第2可動シェード6を第3位置と第4位置に、それぞれ確実に位置させることができる。このために、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、第1シェード5およびまたは第2シェード6の位置ずれによる配光パターンのずれ変形を確実に防止することができる。
【0100】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、第1ガイド15および第2ガイド21により、第1可動シェード5および第2可動シェード6をスムーズに移動させることができるので、配光パターンをスムーズに切り替えることができる。これにより、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、第1可動シェード5および第2可動シェード6を移動させる第1ソレノイド27および第2ソレノイド28の励磁力および第1バネ部材29および第2バネ部材30のバネ力が小さいもので済むので、第1ソレノイド27および第2ソレノイド28と第1バネ部材29および第2バネ部材30を小型のもので良く、その分、製造コストが安価となる。
【0101】
また、この実施の形態におけるヘッドランプ1は、制御装置73により、道路環境、車両走行環境、地図情報などに基づいて、配光パターンを手動的およびまたは自動的に切り替えることができるので、道路環境や車両走行環境に適した配光パターンが得られる。
【0102】
(実施の形態以外の例の説明)
なお、前記の実施の形態においては、1台の切替手段7により、第1可動シェード5を第1位置と第2位置に、第2可動シェード6を第3位置と第4位置に、それぞれ切り替えるものである。ところが、この発明においては、第1可動シェード5を第1位置と第2位置に切り替える切替手段と、第2可動シェード6を第3位置と第4位置に切り替える切替手段とを、それぞれ別個の切替手段としても良い。この場合の別個の切替手段としては、たとえば、ソレノイド、シリンダ、モータなどがある。
【0103】
また、前記の実施の形態においては、1台の切替手段7により、3個のポジションに切り替えて、すれ違い用配光パターンLPと、走行用配光パターンHPと、雨用配光パターンCPとがそれぞれ得られるものである。ところが、この発明においては、2台の切替手段により、4個のポジションに切り替えて、すれ違い用配光パターンLPと、走行用配光パターンHPと、他の第1配光パターンと、他の第2配光パターンとがそれぞれ得られるように構成しても良い。
【0104】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる車両用前照灯(請求項1)によれば、1台の車両用前照灯で、配光パターンをすれ違い用と走行用とに切り替える機能と、すれ違い用配光パターンおよび走行用配光パターン以外の所定の配光パターンが得られる機能とを有する。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項1)は、各機能ごとの灯具が不要となり、その分、製造コストが安価となり、かつ、灯具の設置スペースを小さくすることができ、その分、車両用前照灯をコンパクトにまとめることができる。
【0105】
特に、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、雨天の走行時において、第2切替手段で第2可動シェードを第4位置に切り替えて位置させることにより、配光パターンの手前の部分の光がカットされるので、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与えることを防止できる。
【0106】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、1台の切替手段により、第1可動シェードの第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェードの第3位置と第4位置の切替とを行うことができる。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、第1可動シェードの切替と第2可動シェードの切替とを2台の切替手段でそれぞれ別個に行う灯具と比較して、部品点数が軽減され、その分、製造コストが安価となる。
【0107】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、1台の切替手段で第1可動シェードの第1位置と第2位置の切替と、第2可動シェードの第3位置と第4位置の切替とを確実に行うことができる。
【0108】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、すれ違い用配光パターンのみを得る場合には、第1、2ソレノイドを消磁状態として、第1、2バネ部材により、ロッドを第1ポジションに保持して、第1可動シェードを第1位置に位置させ、かつ、第2可動シェードを第3位置に位置させるものである。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、すれ違い用配光パターンの使用頻度が走行用配光パターンの使用頻度よりも高く、かつ、晴天時の走行時間が雨天時の走行時間より長い場合には、第1ソレノイドおよび第2ソレノイドを消磁状態とするので、省電力に最適である。
【0109】
さらに、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、走行用配光パターンを得る場合には、第1ソレノイドを励磁して第1バネ部材のバネ力に抗してロッドを第1ポジションから第2ポジションに移動させて保持し、第1可動シェードを第2位置に位置させるものである。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、走行用配光パターンの照射時において、特に第1ソレノイドの電気系統が故障した場合、第1ソレノイドが消磁するので、第1バネ部材のバネ力によりロッドが第2ポジションから第1ポジションに移動して第1可動シェードが第2位置から第1位置に位置して配光パターンが走行用からすれ違い用に切り替わる。これにより、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、電気系統の故障の場合において、対向車のドライバーや前方の歩行者などにグレアを与えることを防止でき、フェイルセイフ機能を有することとなる。
【0110】
さらにまた、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、雨用配光パターンを得る場合には、第2ソレノイドに励磁して第2バネ部材のバネ力に抗してロッドを第1ポジションから第3ポジションに移動させて保持し、第2可動シェードを第4位置に位置させるものである。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、雨用配光パターンの照射時において、特に第2ソレノイドの電気系統が故障した場合、第2ソレノイドが消磁するので、第2バネ部材のバネ力によりロッドが第3ポジションから第1ポジションに移動して第2可動シェードが第4位置から第3位置に位置して配光パターンが雨用からすれ違い用に切り替わる。これにより、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、電気系統の故障の場合において、すれ違い用配光パターンが得られて夜間走行の安全性を確保することができ、フェイルセイフ機能を有することとなる。
【0111】
さらにまた、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、配光パターンを走行用からすれ違い用に切り替える場合には、第1ソレノイドを消磁させることにより、第1バネ部材のバネ力でロッドを第2ポジションから第1ポジションに移動させて第1可動シェードを第2位置から第1位置に位置させるものである。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、走行用配光パターンからすれ違い用配光パターンへの切替が瞬時に行われるので、対向車のドライバーや前方の歩行者などへのグレアを瞬時に防止でき、しかも、前記のフェイルセイフ機能が瞬時に行われる。
【0112】
さらにまた、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、配光パターンを雨用からすれ違い用に切り替える場合には、第2ソレノイドを消磁させることにより、第2バネ部材のバネ力でロッドを第3ポジションから第1ポジションに移動させて第2可動シェードを第4位置から第3位置に位置させるものである。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、雨用配光パターンからすれ違い用配光パターンへの切替が瞬時に行われるので、すれ違い用配光パターンを瞬時に確保することができ、しかも、前記のフェイルセイフ機能が瞬時に行われる。
【0113】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、第1〜4ストッパにより、第1可動シェードを第1位置と第2位置に、第2可動シェードを第3位置と第4位置に、それぞれ確実に位置させることができるので、第1シェードおよびまたは第2シェードの位置ずれによる配光パターンのずれ変形を確実に防止することができる。
【0114】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、第1、2ガイドにより、第1、2可動シェードをスムーズに移動させることができるので、配光パターンをスムーズに切り替えることができる。これにより、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)は、第1、2可動シェードを移動させる第1、2ソレノイドの励磁力および第1、2バネ部材のバネ力が小さいもので済むので、第1、2ソレノイドおよび第1、2バネ部材を小型のもので良く、その分、製造コストが安価となる。
【0115】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項)によれば、道路環境、車両走行環境、地図情報などに基づいて、配光パターンを手動的およびまたは自動的に切り替えることができるので、道路環境や車両走行環境に適した配光パターンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の車両用前照灯の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】 同じく、この発明の車両用前照灯の実施の形態を示す側面図である。
【図3】 図2におけるIII−III線矢視図である。
【図4】 図3におけるIV−IV線断面図である。
【図5】 図3におけるV−V線断面図である。
【図6】 図3におけるVI−VI線断面図である。
【図7】 駆動制御手段を示すブロック図である。
【図8】 すれ違い用配光パターンが得られる第1ポジションの状態を示す図2におけるVIII−VIII線矢視図である。
【図9】 走行用配光パターンが得られる第2ポジションの状態を示す図2におけるVIII−VIII線矢視図である。
【図10】 雨用配光パターンが得られる第3ポジションの状態を示す図2におけるVIII−VIII線矢視図である。
【図11】 (A)はすれ違い用の配光パターンを示す説明図、(B)は走行用の配光パターンを示す説明図、(C)は雨用配光パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
1 2灯式のプロジェクタタイプのヘッドランプ(車両用前照灯)
2 放電灯
3 リフレクタ
4 集光レンズ
5 第1可動シェード
6 第2可動シェード
7 切替手段
8 ソケット機構
9 発光部分
10 ホルダ(フレーム)
11 シェード本体部
12 スライド部
13 ストッパ部
14 エッジ部
15 第1ガイド
16 ガイド孔
17 すれ違い用配光パターンの手前の部分
18 シェード本体部
19 第1スライド部
20 第2スライド部
21 第2ガイド
22 ガイド孔
23 ケーシング
24 ロッド
25 第1連結手段
26 第2連結手段
27 第1ソレノイド
28 第2ソレノイド
29 第1バネ部材
30 第2バネ部材
31 取付ブラケット
32 スクリュー
33 第1ガイド筒
34 第2ガイド筒
35 第1固定板
36 第1スライド板
37 連結リンク機構
38 第1リンク
39 第2リンク
40、41 長孔
42、43、44 ピン
45 第2固定板
46 第2スライド板
47 第1ヨーク
48 第1コイル
49 第2ヨーク
50 第2コイル
51 アーマチュア
52 ストッパ機構
53 第1ストッパ
54 第2ストッパ
55 第3ストッパ
56 第4ストッパ
57 固定板
58 第1ストッパ部材
59 第2ストッパ部材
60 第1スライド孔
61 第2スライド孔
62 第1スリット
63 第2スリット
64 凸部
65 ディマスイッチ
66 濡路手動切替スイッチ
67 車速センサー
68 GPSレシーバー
69 ジャイロセンサー
70 撮像装置
71 ワイパースイッチ
72 雨滴センサー
73 制御装置・コンピュータ
74 インターフェイス回路
75 中央演算処理装置・CPU
76 ソレノイドドライバー回路
F1 第1焦点
F2 第2焦点
LP すれ違い用の配光パターン
CL カットライン
HP 走行用の配光パターン
CP 雨用配光パターン

Claims (6)

  1. 1個の光源で、所定のすれ違い用の配光パターンと所定の走行用の配光パターンとが得られる2灯式のプロジェクタタイプの車両用前照灯において、
    光源と、
    前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
    前記リフレクタからの反射光を路面などに照射する集光レンズと、
    前記リフレクタと前記集光レンズとの間に第1位置と第2位置との間を移動可能に配置され、第1位置に位置すると所定のすれ違い用の配光パターンが得られ、第2位置に位置すると所定の走行用の配光パターンが得られる第1可動シェードと、
    前記リフレクタと前記集光レンズとの間に第3位置と第4位置との間を移動可能に配置され、第3位置に位置すると、前記すれ違い用配光パターンおよび前記走行用配光パターンがそれぞれそのまま得られ、第4位置に位置すると、手前の部分の光がカットされている少なくとも前記すれ違い用配光パターンが得られる第2可動シェードと、
    前記第1可動シェードを第1位置と第2位置とに切り替える第1切替手段と、
    前記第2可動シェードを第3位置と第4位置とに切り替える第2切替手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記第1切替手段と前記第2切替手段とは、1台の切替手段から構成されており、
    前記1台の切替手段は、
    前記第1可動シェードが第1位置に位置し、かつ、前記第2可動シェードが第3位置に位置して、前記すれ違い用配光パターンが得られる第1ポジションと、
    前記第1可動シェードが第2位置に位置し、かつ、前記第2可動シェードが第3位置に位置して、前記走行用配光パターンが得られる第2ポジションと、
    前記第1可動シェードが第1位置に位置し、かつ、前記第2可動シェードが第4位置に位置して、前記すれ違い用配光パターンの手前の部分の光をカットした配光パターンが得られる第3ポジションと、
    に切り替え可能の切替手段である、ことを特徴とする請求項に記載された車両用前照灯。
  3. 前記1台の切替手段は、
    前記第1ポジションおよび前記第2ポジションおよび前記第3ポジションに亘って直線往復移動可能なロッドと、
    前記ロッドの一端に前記第1可動シェードを着脱可能に連結し、前記ロッドを前記第1ポジションから前記第2ポジションに移動させる際に前記ロッドの一端と前記第1可動シェードが連結状態となり、前記ロッドを前記第1ポジションから前記第3ポジションに移動させる際に前記ロッドの一端と前記第1可動シェードが解除状態となる第1連結手段と、
    前記ロッドの他端に前記第2可動シェードを着脱可能に連結し、前記ロッドを前記第1ポジションから前記第3ポジションに移動させる際に前記ロッドの他端と前記第2可動シェードが連結状態となり、前記ロッドを前記第1ポジションから前記第2ポジションに移動させる際に前記ロッドの他端と前記第2可動シェードが解除状態となる第2連結手段と、
    励磁されると前記第1連結手段を介して前記第1可動シェードが連結された前記ロッドを前記第1ポジションから前記第2ポジションに移動させてかつ保持し、消磁されると前記ロッドの第2ポジションの保持状態を解除する第1ソレノイドと、
    励磁されると前記第2連結手段を介して前記第2可動シェードが連結された前記ロッドを前記第1ポジションから前記第3ポジションに移動させてかつ保持し、消磁されると前記ロッドの第3ポジションの保持状態を解除する第2ソレノイドと、
    前記第1ソレノイドの励磁により前記ロッドを前記第1ポジションから前記第2ポジションに移動させる際にバネ力を蓄え、前記第1ソレノイドの消磁により前記ロッドの前記第2ポジションの保持状態を解除すると蓄えたバネ力を放出して前記ロッドを前記第2ポジションから前記第1ポジションに移動させて保持する第1バネ部材と、
    前記第2ソレノイドの励磁により前記ロッドを前記第1ポジションから前記第3ポジションに移動させる際にバネ力を蓄え、前記第2ソレノイドの消磁により前記ロッドの前記第3ポジションの保持状態を解除すると蓄えたバネ力を放出して前記ロッドを前記第3ポジションから前記第1ポジションに移動させて保持する第2バネ部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載された車両用前照灯。
  4. 前記第1可動シェードを第1位置に位置させる第1ストッパと、前記第1可動シェードを第2位置に位置させる第2ストッパと、前記第2可動シェードを第3位置に位置させる第3ストッパと、前記第2可動シェードを第4位置に位置させる第4ストッパと、を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載された車両用前照灯。
  5. 前記第1可動シェードの第1位置と第2位置との間の移動をガイドする第1ガイドと、前記第2可動シェードの第3位置と第4位置との間の移動をガイドする第2ガイドと、を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載された車両用前照灯。
  6. 前記第1可動シェードの第1位置と第2位置の切替と、前記第2可動シェードの第3位置と第4位置の切替とは、制御装置により、ディマスイッチ、濡路手動切替スイッチ、車速センサー、GPSレシーバー、ジャイロセンサー、撮像装置、ワイパースイッチ、雨滴センサーなどの信号のうちの任意の信号に基づいて手動的およびまたは自動的に行う、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載された車両用前照灯。
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