JP4127546B2 - 画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プログラム - Google Patents
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Description
図1に示す画像照合方法は、パターンマッチング法の一例を示すものであり、指紋画像を照合する場合を示す。
そして、上記(1)式において、評価値V(x,y)が最大となるときの(x,y)が、画像Tが画像Iに最も一致する場所となる。又、そのときの評価値V(x,y)が画像Tと画像Iとの一致具合を表す。
このように、パターンマッチング法において画像照合の相関演算に用いられる演算式は、上記(1)式や上記(2)式に示すように、さまざまな演算式が考えられ、その演算のアルゴリズムは、非常に単純であるため、コンピュータなどに実装することが容易である。
1)画像を平行に1以上画素ずらし、
2)重なり合う部分の全画素について積和の計算を行う。
という工程を繰り返すために、評価値V(x,y)を求める演算量がとても膨大になる。又、図2に示すように、更に、画像を1画素ずつ平行にずらす以外に、回転量も考えた場合、一方の画像を少しずつ回転させながら1)及び2)の工程を繰り返す必要があり、更に、演算量が膨大になる。このように、既存の画像照合方法は、演算量が膨大であるために、2つの画像が一致するか否かの結果がでるまでに時間がとてもかかるという問題がある。
置及び相対角度を調整することを特徴とする。
本発明の第7の態様である画像照合装置は、上記第1の態様において、前記探索手段は、前記部分画像を前記第2の画像の中心付近から移動させ、前記部分画像と、該部分画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記部分画像の位置を探索することを特徴とする。
本発明の第10の態様である画像照合装置は、上記第1の態様において、前記判定手段は、前記第1及び第2の画像をそれぞれ分割し、それぞれの分割領域で前記第1及び第2の画像を一致するか否かを判定することを特徴とする。
本発明の第12の態様である画像照合装置は、上記第1の態様において、前記第1及び第2の画像は、指紋画像であり、前記抽出手段は、前記第1及び第2の画像を隆線方向分布図又は谷線方向分布図に変換し、該隆線方向分布図又は谷線方向分布図から前記第1及び第2の特徴情報を抽出することを特徴とする。
図3は、本発明の実施形態の画像照合装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、画像データ作成部11は、所定の画像(例えば、指紋画像、虹彩画像、顔画像、手相画像、又は静脈画像など)を入力するセンサ20と、センサ20から入力される画像を記録する画像記録部21と、画像記録部21に記録される画像から特徴的な構造をもつ部分(例えば、指紋隆線、虹彩の筋肉、目や耳、襞、又は血管の輪郭線の曲率値が大きいところなど)の画像の位置を検出する特徴的構造位置検出部22と、画像記録部21に記録される画像が指紋画像の場合、その画像から隆線方向を検出する隆線方向検出部23と、画像記録部21に記録される画像に基づいてn値画像(n≧2、n=整数)を作成するn値画像作成部24と、画像記録部21に記録される画像が指紋画像の場合、その画像から特徴点の位置を検出する特徴点位置検出部25と、特徴的構造位置検出部22、隆線方向検出部23、n値画像作成部24、又は特徴点位置検出部25で得られる画像データを連結して、所定の画像データを作成するデータ連結部26と、データ連結部26で作成される画像データを記録する画像データ記録部27とを備えて構成される。なお、隆線方向検出部23、n値画像作成部24、及び特徴点位置検出部25は、同時に存在する必要はなく、色々な組み合わせで構成することができる。
図5に示すように、画像データ照合部12は、登録用の画像データ(画像T)を記録する登録画像データ記録部30と、照合対象の画像データ(画像I)を記録する入力画像データ記録部31と、登録画像データ記録部30に記録される所定の画像データから部分画像を切り出す部分画像切り出し部32と、登録画像データ記録部30又は入力画像データ記録部31で記録される所定の画像データを所定の大きさの画像に分割する画像データ分割部33と、登録画像データ記録部30又は入力画像データ記録部31で記録される画像データが指紋画像データである場合、それらの画像データから隆線方向の分布を示す画像データを抜き出す隆線方向分布データ分離部34と、登録画像データ記録部30又は入力画像データ記録部31で記録される画像データが指紋画像データである場合、それらの画像データに記録されている特徴点位置を使い、その特徴点を中心とする所定の領域の画像データに基づいて照合する特徴点局所領域照合部35と、登録画像データ記録部30又は入力画像データ記録部31で記録される画像データや隆線方向分布データ分離部34で得られる画像データに基づいて、登録画像データと入力画像データとの相対位置を調整する粗調整部36と、部分画像切り出し部32及び入力画像データ記録部31で得られる画像データや粗調整部36で得られる相対位置に基づいて、登録画像データと入力画像データとの相対位置を調整する粗調整部37と、登録画像データ記録部30又は入力画像データ記録部31で記録される画像データ、画像データ分割部33で得られる画像データ、又は粗調整部37で得られる相対位置に基づいて、登録画像データと入力画像データとの相対位置を調整する微調整部38と、粗調整部37又は微調整部38で調整された2つの画像データが一致するか否かを判定する判定部39とを備えて構成される。
第1の実施形態は、本発明の画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プラグラムにおいて、基本の構成要素となる部分である。
まず、図6(b)に示すように、画像Tから、画像Tと画像Iの相対位置関係又は相対回転角度関係を調整するために、画像Tから部分画像Sを切り出す。なお、この部分画像Sの位置の決定方法は後述する。
そして、それぞれの画像全体を用いて画像Tと画像Iの相関値を求める。この相関値の算出方法は、部分画像Sと画像Tとの相関値を算出した方法と同じでよい。この評価値が所定の条件を満たしたとき、画像Tと画像Iは同じ画像と判定する。
この部分画像Sは、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求めるために用いるものであって、これら相対位置及び相対角度が精度良く求められるような部分画像Sである必要がある。
風景画などの一般的な画像照合の場合は、部分画像Sと画像Tの相関値を求め、その相関値の変化の激しいものを採用すればよい。例えば、切り出し箇所の異なる2つの部分画像S−3及びS−4のそれぞれの相関値の変化の様子を図8に示す。なお、図8(a)及び(b)に示すグラフの縦軸は、相関値Yを示し、横軸は、部分画像のずらし量Xを示している。また、Aは、相関値Yの平均値を示している。
図9は、画像データ作成部11の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、ステップA2において、特徴的構造位置検出部22は、画像Tと部分画像Sとを重ね合わせ、画像Tと部分画像Sとの重なり具合を示す相関値を求める。
画像TをT(x,y)、画像SをS(x,y)、相関値をV(x,y)とする場合、以下のような(3)式が成り立つ。
又、画像TをT(x,y)、画像SをS(x,y)、相関値をV(x,y)とし、T(x,y)及びS(x,y)の値域を、0又は1とする場合、以下のような(4)式が成り立つ。
まだ所定数の部分画像Sに対してピーク値と平均値との比が求められていないとき(ステップA6がNo)、ステップA2に戻り、まだ処理されていない部分画像Sに対して評価を行う。
図10は、部分画像Sの位置データを使用する場合の画像データ照合部12の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、ステップB2において、粗調整部37は、入力画像データ記録部31から画像Iを取り出し、画像Iと部分画像Sとを重ね合わせ、相関値を求める。(図6(c)参照)
次に、ステップB4において、粗調整部37は、画像Iと部分画像Sとの間で所定の全ての相対位置及び相対角度について相関値を求めたか否かを判断する。
第2の実施形態では、指紋画像の照合における部分画像Sの具体的な抽出方法を説明する。指紋画像の照合の場合、画像Tから切り出す部分画像Sの位置を次の箇所にすれば、精度良く、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求めることができる。
[1]中心(指紋画像全体において隆線の曲率の大きいところ)や三角州
[2]特徴点(端点、分岐点)
まず、「[1]中心や三角州」を部分画像Sに含ませる場合を考える。
まず、ステップC1において、隆線方向検出部23は、画像記録部21から所定の画像Tを取り出し、その画像Tから隆線方向分布図T−1を求める(図12(a)参照)。なお、谷線方向分布図を作成してもよい。
まず、図13(a)に示すように、画像Tを任意の個数のブロック、例えば、n×nブロックに分割する。
次に、図11のステップC2において、隆線方向検出部23は、予め画像記録部21などに記録されていた中心又は三角州が含まれる隆線方向部分分布図W−1又はW−2とステップC1で求めた隆線方向分布図とで相関演算を行う(図12(b)及び(c)参照)。なお、この隆線方向部分分布図W−1及びW−2は、例えば、m×mのブロック(n>m)で構成される。又、このときに求められる相関値は、例えば、重なり合うブロックの隆線の角度差の総和として算出してもよいし、重なり合うブロックの隆線の方向を示す数字の差の総和として算出してもよい。
なお、「[1]中心や三角州」は、隆線方向分布図T−1において、ある大きさの領域内(例えば、3×3ブロック以上の領域)で隆線方向の分散を求め、この分散値の最も大きくなる場合に、その領域を部分画像Sとするようにしてもよい。
図14は、「[2]特徴点」を部分画像Sに含ませる場合の画像データ作成部11の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、ステップD2において、n値画像作成部24は、求められた二値化画像T−2から隆線の線幅を1画素とする細線化画像T−3を求める。(図15(a)参照)
次に、ステップD3において、n値画像作成部24は、ある画素のまわりの画素を確認し、特徴点であるものを検出し、その特徴点を中心として所定の大きさの領域を部分画像Sとする。(図15(b)参照)
そして、その部分画像Sの位置データを画像データ記録部27に記録する。
第1の実施形態では、部分画像Sを用いて、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求め、その求められた相対位置及び相対角度を用いて画像Tと画像Iとを重ね合わせ、画像Tと画像Iとが一致するか否かの判定を行った。
まず、ステップE1において、部分画像切り出し部32及び粗調整部37は、画像Iと部分画像Sとが最も一致するときの部分画像Sの位置合わせを行う。
次に、ステップE3において、微調整部38は、画像T又は画像Iのどちらか一方を平行移動方向及び回転方向に摂動させ、所定の平行移動量毎又は回転量毎に画像Tと画像Iとの相関値を求め、その内最大となる相関値を求める。なお、この相関値は、上記(3)式又は(4)式などを用いて求めることができる。
<第4の実施形態>
第3の実施形態では、画像全体を利用して、画像Tと画像とIの相対位置及び相対角度の微調整を行った。しかし、画像の一部に歪みが生じている場合、画像全体で相関演算を行っても、2つの画像が良く一致していることを示す高い相関値が得られないことがある。すなわち、画像のある部分が一致していても、他の部分が歪みにより一致していない場合がある。
まず、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を部分画像を用いて求める。次に、それらの相対位置及び相対角度を用いて2つの画像を重ね合わせる。そして、2つの画像の重なり合う領域を4分割し、それぞれの領域で独立して、所定の平行移動方向及び回転方向に、所定の平行移動量及び回転量を変化させ、それぞれの領域における相関値を求める。画像Tと画像Iの最終的な相関値は、個々の領域で最大の評価値を求め、それらの合計値としてもよいし、合計値を領域の個数で割った平均値としてもよい。
図19は、第4の実施形態における画像データ照合部12の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、ステップF2において、部分画像切り出し部32及び粗調整部37は、ステップF1の粗調整の結果に基づいて画像Tと画像Iとを重ね合わせる。
<第5の実施形態>
第1の実施形態では、部分画像Sと画像Iとの相関値を求める際、部分画像Sのずらし方について特に示していなかった。通常、画像照合は、画像Iの端(例えば、左上)と部分画像Sの端(例えば、右下)とを重ね合わせ、所定画素数毎に所定の方向に順番に部分画像Sを移動させる。
例えば、指紋画像の照合では、照合対象の画像は指紋画像となるが、この時、画像Tと画像Iに写っている指紋画像は、大きく位置がずれていることは少ない。すなわち、センサ20により入力される画像は、図20(a)に示すように、画像の一部しか入力されないという状況はあまり発生しない。従って、部分画像Sと画像Iとの相関値を求める際、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度が0の状態(画像Tと画像Iとがぴったり重なる状態)から順次、平行移動量及び回転量が大きくなるように、部分画像Sをずらして相関値を求めていけば、全画像を走査させていく中で相関値が所定の値以上となるときの部分画像Sの位置を早く見つけることができる。
第6の実施形態は、複数の部分画像S1、S2、・・・を用いて画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求める。第6の実施形態では、2つ以上の部分画像S1、S2、・・・を用いて画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求めることによって、画像照合の精度をあげる。
まず、図21(a)及び(b)に示すように、画像Tから、2つの部分画像S1及びS2を切り出す。このとき、2つの部分画像S1及びS2の相対位置関係は保持する。
このように、部分画像Sを複数個利用することで、広範囲に部分画像照合を行っていることと同様な効果が得られるので、部分画像Sを1つだけ利用するときに比べ画像照合の精度をあげることが可能となる。
図22は、第6の実施形態における画像データ作成部11の動作について説明するためのフローチャートである。
次に、ステップG2において、特徴的構造位置検出部22は、画像Tと部分画像Sとを重ね合わせ、相関値を求める。なお、この相関値は、上記(3)式又は(4)式などを用いて求めることができる。
一方、全ての相関値が求められたとき(ステップG3がYes)、ステップG5において、特徴的構造位置検出部22は、求められた相関値の内のピーク値と求められた相関値の平均値との比を求める。
図23は、第6の実施形態における画像データ照合部12の動作について説明するためのフローチャートである。
一方、所定の全ての相対位置及び相対角度について相関値が求められたとき(ステップH4がYes)、ステップH5において、判定部39は、ステップH2からステップH4までの工程で求められた相関値の内、最大の相関値が所定の条件を満たしたとき、画像Iと部分画像Sとが一致したと判定する。なお、この相関値は、上記(3)式又は(4)式などを用いて求めることができる。
第1の実施形態から第6の実施形態までは、部分画像Sを用いて画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求めたが、第7の実施形態では、その相対位置及び相対角度を求める前段階において、画像T及び画像Iからそれぞれ抽出される特徴的な情報を用いて画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求めることをする。例えば、第7の実施形態は、一番初めに、画像Tから得られる隆線方向分布図と画像Iから得られる隆線方向分布図とを用いて、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求める。
又、隆線方向分布図T−4及びI−1の相関値の求め方は、上述した画像Tと部分画像Sとの相関値の求め方と同様に、隆線方向分布図T−4を、所定の平行移動方向に、所定の平行移動量移動させながら、隆線方向分布図T−4及びI−1を重ねあわせ、所定の平行移動量毎に相関値を求めていけばよい(図24(c)参照)。このときの相関値は、例えば、重なり合うブロック内における隆線の角度差の二乗和や、隆線の角度差が所定の角度差以下となるブロックの割合等にすればよい。
図25は、第7の実施形態における画像データ照合部12の動作について説明するためのフローチャートである。
次に、ステップJ3において、粗調整部36は、隆線方向分布図T−4又はI−1のどちらか一方の隆線方向分布図の位置をずらす。
一方、所定の全ての相関値が求められたとき(ステップJ4がYes)、ステップJ5において、粗調整部36は、ステップJ2からステップJ4までの工程で求められた相関値の内、最大の相関値が所定の条件を満たした場合、そのときの隆線方向分布図T−4及びI−1の相対位置及び相対角度の算出結果を粗調整部37に送る。
第7の実施形態は、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度の検出に、隆線方向分布図を用いたが、第8の実施形態では、画像T及び画像Iからそれぞれ特徴点を抽出し、その特徴点に基づいて、画像Tと画像Iとの相対位置及び相対回転角度を求める。
そして、図26(b)に示すように、これら特徴点分布図T−5及びI−2を重ね合わせ、所定の特徴点P1及びP2が最も良く重なり合うときの特徴点分布図T−5及びI−2の相対位置を求める。この所定の特徴点P1及びP2の重なり具合は、例えば、2つの分布図を重ねたときに互いに最も近くなる特徴点P1及びP2の対の各距離の和が所定値よりも大きいか否かで判断すればよい。これを更に、特徴点分布図T−5又はI−2を少しずつ回転させながら、各特徴点P1及びP2の重なり具合を評価すると、相対角度も求めることができる。
図27は、第8の実施形態における画像データ照合部12の動作を説明するためのフローチャートである。又、図28は、図27のフローチャートの各ステップで用いられるデータの一例を示す図である。
次に、ステップK2において、粗調整部36は、特徴点分布図T−5の各特徴点の相対位置関係を保ったまま、特徴点分布図T−5を所定の角度回転させる。(図28(b)参照)
次に、ステップK3において、粗調整部36は、特徴点分布図T−5とI−2との間で各特徴点の組を作る。
まだステップK4からステップK6までの処理が行われていない特徴点の組み合わせがある場合(ステップK7がNo)、ステップK3に戻る。
一方、所定の範囲の回転角度で特徴点分布図Iを回転させた場合(ステップK8がYes)、ステップK9において、粗調整部36は、所定の条件を満たす特徴点の個数又は割合が最も多いときの特徴点分布図T−5と特徴点分布図I−2との相対位置及び相対角度の算出結果を粗調整部37に送る。
第1の実施形態〜第8の実施形態では、画像全体を用いて最終的に求められた相関値が、所定の条件を満たしたときに、画像Tと画像Iとが一致すると判定した。しかしながら、指紋画像の照合では、更に、高い精度が求められるときがある。このような場合、画像全体を用いて相関値を求めるとき、例えば、特徴点付近の領域についてのみ「重み」を高くすると、指紋画像の照合の精度があがる。
又、B(i,j)=α2(g(i,j)が特徴点付近である場合)、B(i,j)=β2(g(i,j)が特徴点付近でない場合)を示す。但し、α2>β2。
又、例えば、相関値(評価値)をv(x,y)、画像Tをf(i,j)、画像Iをg(i−x,j−y)とする場合、以下の(6)式のように示すこともできる。
又、Zは、f(i,j)とg(i−x,j−y)とが重なる領域の面積を示す。そして、特徴点付近は、例えば、図28に示すように特徴点位置を中心に所定の大きさと定義すればよい。
又、B(i,j)=α2(g(i,j)が特徴点付近である場合)、B(i,j)=β2(g(i,j)が特徴点付近でない場合)を示す。但し、α2>β2。
又、Zは、f(i,j)とg(i−x,j−y)とが重なる領域の面積を示す。
又、例えば、相関値(評価値)をv(x,y)、画像Tをf(i,j)、画像Iをg(i−x,j−y)とし、f(i,g)及びg(i.j)の値域を、0又は1とする場合、以下の(8)式のように示すこともできる。
又、xorは、排他的論理和を、notは、否定を示す。
<第10の実施形態>
第10の実施形態では、第1の実施形態〜第8の実施形態で粗調整又は微調整を行った後、画像全体を用いて画像照合を行うに加え、更に、特徴点を用いて画像照合を行うことをする。
次に、その相対位置及び相対角度を用いて、画像Tと画像Iとを重ねあわせ、画像全体同士で相関値を求めると共に、特徴点付近の所定領域同士で相関値を求める。この相関値を求めるときの特徴点付近の所定領域は、例えば、図29に示すように、特徴点を中心とした所定の大きさの領域とする。なお、図29の例では、特徴点P付近の所定領域Qは、四角で示しているが所定領域の形はこれに限定されない。
図30は、第10の実施形態における画像データ照合部12の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、ステップL2において、特徴点局所領域照合部35は、登録画像データ記録部30から所定の画像Tを取り出し、その画像Tの特徴点を抽出すると共に、入力画像データ記録部31から所定の画像Iを取り出し、その画像Iの特徴点を抽出する。若しくは、画像データ生成時に特徴点抽出を行い、画像データに連結しておいてもよい。
第10の実施形態では、第1の実施形態〜第8の実施形態の画像照合の結果と、特徴点を用いた画像照合の結果とを合わせて、画像Tと画像Iとが一致するか否かを求めているが、第11の実施形態は、まず、第1の実施形態〜第8の実施形態で画像Tと画像Iとの相対位置及び相対角度を求め、その相対位置及び相対角度を用いて画像Tの特徴点P付近の所定領域Qと画像Iの特徴点P付近の所定領域Qとを重ね合わせ、それら特徴点P付近の所定領域Q同士の相関値に基づいて画像Tと画像Iとが一致するか否かを判定する。
まず、既存の画像照合方法における演算量を具体的に示す。
次に、第1の実施形態の画像照合方法における演算量を具体的に示す。
次に、第3の実施形態の画像照合方法における演算量を具体的に示す。
例えば、画像Tを128画素×128画素の大きさの画像、部分画像Sを32画素×32画素の大きさの画像、画像Iを128画素×128画素の大きさの画像、隆線方向分布図T及びIを16ブロック×16ブロックの大きさの画像とし、部分画像S及び隆線方向分布図Tを1画素ずつ及び1ブロックずつずらす画像Tと画像Iとの相対位置を求める場合を考える。なお、1ブロック=8画素×8画素とする。
上述した実施形態の処理は、コンピュータ290で動作するプログラムで実現が可能である。この場合、コンピュータ290は、CPU291にバス292を介して接続された各装置の相互データ交換によって実現される。ROM293には、BIOSなどが組み込まれ、電源投入と同時に、入出力装置294等とのデータ交換を可能にする。コンピュータ290を画像照合装置として使用する場合には、ROM293にプログラムを格納することにより、CPU291に実行させるようにしても良い。入出力装置294は、通常、キーボード、マウス、ディスプレイなどからなるが、画像を入力するためのセンサ20(スキャナ等)も含む。
以上、本発明によれば、2つの画像を照合する際に一方の画像から所定の大きさの部分画像を切り出し、その部分画像を用いて2つの画像の相対位置を調整し、その後2つの画像が一致するか否かを判定しているので、既存の画像照合のように、全画像同士で相対位置を調整しながら画像照合を行うよりも画像照合のための演算量を少なくすることができる。これより、既存の画像照合方法よりも2つの画像が一致するか否かの結果ができるまでにかかる時間を短縮することが可能となる。
Claims (12)
- 第1及び第2の画像が互いに一致するか否かを照合する画像照合装置であって、前記第1及び第2の画像から第1及び第2の特徴情報を抽出する抽出手段と、前記第1及び第2の特徴情報に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像との相対位置を調整する第1の調整手段と、前記第1の画像から所定の大きさの部分画像を切り出す部分画像切出手段と、前記第1の調整手段が調整した相対位置を基準に、前記第2の画像上において前記部分画像を移動させ、前記部分画像と該部分画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記部分画像の位置を探索する第1の探索手段と、前記第1の探索手段が探索した位置に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置を調整する第2の調整手段と、前記第2の調整手段が調整した相対位置を基準に、前記第2の画像上において前記第1の画像を移動させ、前記第1の画像と、該第1の画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記第1の画像の位置を探索する第2の探索手段と、前記第2の探索手段が探索した位置に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置を調整する第3の調整手段と、前記第3の調整手段の調整結果に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像とが一致するか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記第1の調整手段は、前記第1及び第2の特徴情報に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像との相対位置及び相対角度を調整し、前記第1の探索手段は、前記第1の調整手段が調整した相対位置及び相対角度を基準に、前記第2の画像上において前記部分画像を移動及び回転させ、前記部分画像と該部分画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記部分画像の位置及び回転角度を探索し、前記第2の調整手段は、前記第1の探索手段が探索した位置及び回転角度に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置及び相対角度を調整し、前記第2の探索手段は、前記第2の調整手段が調整した相対位置及び相対角度を基準に、前記第2の画像上において前記第1の画像を移動及び回転させ、前記第1の画像と、該第1の画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記第1の画像の位置及び回転角度を探索し、前記第3の調整手段は、前記第2の探索手段が探索した位置及び回転角度に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置及び相対角度を調整することを特徴とする画像照合装置。
- コンピュータによって第1及び第2の画像が互いに一致するか否かを照合する画像照合方法であって、前記第1及び第2の画像から第1及び第2の特徴情報を抽出する抽出工程と、前記第1及び第2の特徴情報に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像との相対位置を調整する第1の調整工程と、前記第1の画像から所定の大きさの部分画像を切り出す部分画像切出工程と、前記第1の調整工程で調整した相対位置を基準に、前記第2の画像上において前記部分画像を移動させ、前記部分画像と該部分画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記部分画像の位置を探索する第1の探索工程と、前記第1の探索工程で探索した位置に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置を調整する第2の調整工程と、前記第2の調整工程で調整した相対位置を基準に、前記第2の画像上において前記第1の画像を移動させ、前記第1の画像と、該第1の画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記第1の画像の位置を探索する第2の探索工程と、前記第2の探索工程で探索した位置に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置を調整する第3の調整工程と、前記第3の調整工程の調整結果に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像とが一致するか否かを判定する判定工程とからなることを特徴とする画像照合方法。
- 第1及び第2の画像が互いに一致するか否かを照合するためにコンピュータを、前記第1及び第2の画像から第1及び第2の特徴情報を抽出する抽出手段、前記第1及び第2の特徴情報に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像との相対位置を調整する第1の調整手段、前記第1の画像から所定の大きさの部分画像を切り出す部分画像切出手段、前記第1の調整手段が調整した相対位置を基準に、前記第2の画像上において前記部分画像を移動させ、前記部分画像と該部分画像と重なる部分の前記第2の画像とが最 も一致するときの前記部分画像の位置を探索する第1の探索手段、前記第1の探索手段が探索した位置に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置を調整する第2の調整手段、前記第2の調整手段が調整した相対位置を基準に、前記第2の画像上において前記第1の画像を移動させ、前記第1の画像と、該第1の画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記第1の画像の位置を探索する第2の探索手段、前記第2の探索手段が探索した位置に基づいて、前記第2の画像と前記第1の画像との相対位置を調整する第3の調整手段、前記第3の調整手段の調整結果に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像とが一致するか否かを判定する判定手段として機能させるための画像照合プログラム。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記部分画像切出手段は、前記第1の画像の中心付近から前記部分画像を切り出すことを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記部分画像切出手段は、前記第1の画像から任意に切り出された部分画像と前記第1の画像と重なる部分の画像との相関値を2以上算出し、該2以上の相関値の内、最も大きい相関値となる場合の部分画像を前記探索手段で使用することを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記探索手段は、前記部分画像を前記第2の画像の中心付近から移動させ、前記部分画像と、該部分画像と重なる部分の前記第2の画像とが最も一致するときの前記部分画像の位置を探索することを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記部分画像切出手段は、前記第1の画像から所定の大きさの部分画像を2以上切り出すことを特徴とする画像照合装置。
- 請求項8に記載の画像照合装置であって、前記部分画像切出手段は、前記第1の画像から任意に切り出された2以上の部分画像と前記第1の画像と重なる部分の画像との相関値をそれぞれ算出し、該相関値が大きくなるときの部分画像を前記探索手段で使用することを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記判定手段は、前記第1及び第2の画像をそれぞれ分割し、それぞれの分割領域で前記第1及び第2の画像を一致するか否かを判定することを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記第1及び第2の画像は、指紋画像、虹彩画像、顔画像、手相画像、又は静脈画像であることを特徴とする画像照合装置。
- 請求項1に記載の画像照合装置であって、前記第1及び第2の画像は、指紋画像であり、前記抽出手段は、前記第1及び第2の画像を隆線方向分布図又は谷線方向分布図に変換し、該隆線方向分布図又は谷線方向分布図から前記第1及び第2の特徴情報を抽出することを特徴とする画像照合装置。
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