JP4127421B2 - Emulsion composition for paper impregnation - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具、建材、内装材等に使用される化粧板の作製用材料に関する。化粧板は一般に表装部材である化粧シートと、基材である合板、MDF、パーチクルボード等を貼り合わせて作製されている。
本発明は、この化粧シートのベースとなる紙に含浸して用いられる含浸用エマルション組成物に関し、具体的には、耐ブロッキング性、紙面強度、基材との接着に使用される接着剤との接着性、貼り合わせ後の加工性に優れ、かつ製造時のホルムアルデヒドの発生がほとんどないエマルション組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
合板、MDF、パーチクルボード等を基板とした化粧板には、従来メラミン樹脂、尿素樹脂等を含浸した化粧紙、塩化ビニルシートを基材とした塩化ビニル化粧シートが表面に加熱加圧、または接着剤等を用いて貼りつけられている。
しかしながら、近年特に塩化ビニル化粧板の廃棄の問題、また使用している可塑剤の問題からこの素材の代替が進んでいる。例えば特開昭57−173163号公報には紙基材に合成ゴムラテックスおよび熱可塑性樹脂エマルジョンと熱硬化性樹脂との組み合わせを含浸し乾燥硬化したシートが開示され、また特開昭61−75900号公報では紙基材にアクリル樹脂とメラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂との組み合わせを含浸し乾燥硬化した強化紙が開示され、特開平9−78489号公報には熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂からなる化粧板用含浸紙が開示されている。
【0003】
これら含浸紙基材は、塩化ビニルシートに変わる基材として実用化されているものの、化粧シート製造直後のブロッキング発生の問題が挙げられている。耐ブロッキング性を向上させると、紙面強度も向上し有利ではあるものの、化粧シートの柔軟性が損なわれるとともに、基材との接着に使用される接着剤との接着性に劣り、バランスを取るのが困難である。さらに化粧シートを張り合わせた後90度に曲げるV加工性が近年必要とされてきていて、上記で開示されている技術では解決できない。これに対して、特開平9−67787号公報には、このV加工性を改良するために特殊な原紙を用い、その後樹脂を含浸させている技術が開示され、また特開平9−279085号公報では特殊なモノマーとの組み合わせから乳化重合で作られる樹脂が耐折強度向上の技術が開示されているが、高い耐ブロッキング性は得られていない。
【0004】
あわせて、従来技術ではメラミン樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を使用していることから、製造時、および保管時、使用時に化粧シートからのホルムアルデヒドの発生が避けられず、問題とされている。
また、従来の含浸樹脂は製造時に2種類を混合する2液タイプであるため、作業の煩雑さに加え、2液混合比のずれが発生すると化粧シートの性能が低下するという問題を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、化粧板に使用する化粧シートの作成において、耐ブロッキング性、紙面強度、基材との接着性、V加工性に優れた化粧シートが得られ、かつその製造時にホルムアルデヒドの発生がほとんどない、紙含浸用エマルション組成物を提供することを課題とする。
【0006】
さらには、2液タイプではなく、1液タイプの紙含浸用エマルション組成物を提供することも課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定組成のエマルションと多価金属イオン特定量とを組み合わせたエマルション組成物を化粧シートの紙含浸用エマルション組成物として用いると、エマルションのカルボン酸基間に適度な金属架橋が施されて上記課題を解決できることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】
また、前記のエマルションとして、ガラス転移温度の異なる少なくとも二重の複層構造を有するコアシェル型エマルションであって、そのガラス転移温度(Tg1 )一つが−50〜20℃の範囲内にあり、他のガラス転移温度(Tg2 )が−20〜40℃の範囲内にあり、かつTg1 <Tg2 である複層構造を有する特定のエマルションを使用することで、より良好な結果が得られることを見いだしたものである。さらには、Tg1 をコア部のガラス転移温度とし、Tg2 をシェル層のガラス転移温度とすることにより、さらに良好な結果が得られることを見いだしたものである。
【0009】
すなわち本発明は、(A)α、β−不飽和モノカルボン酸エステル40〜90重量%、ニトリル基含有ラジカル重合性モノマーを5〜20重量%、不飽和カルボン酸0.5〜10重量%、その他のラジカル重合性モノマー0.1〜60重量%を含むラジカル重合性モノマー混合物を乳化重合して得られるエマルション100重量部(固形分換算)に対し、(B)多価金属イオン0.5〜10ミリモルを配合したものであり、
または、当該エマルションが、−50〜20℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg1 )を有し、また−20〜40℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg2 )を有し、かつTg1 <Tg2 であるニ層構造エマルションである前記の紙含浸用エマルション組成物である。
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のエマルション組成物に使用するエマルションの製造においては、α、β−不飽和モノカルボン酸エステルを使用する。α、β−不飽和モノカルボン酸エステルとは、例えばアクリル酸またはメタクリル酸のエステルが挙げられる。アクリル酸またはメタクリル酸のエステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エポキシ基含有の例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレートなどが挙げられる。これらのα、β−不飽和モノカルボン酸エステルは一種または二種以上で使用してもよい。好ましいα、β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
【0011】
α、β−不飽和モノカルボン酸エステルの全ラジカル重合性モノマー混合物に対する使用量は40〜90重量%である。好ましくは50〜85重量%である。40重量%以上で接着性に優れ、90重量%以下で耐ブロッキング性に問題ない。
本発明のエマルション組成物に使用するエマルションの製造においては、ニトリル基を有するラジカル重合性モノマーを使用する。ニトリル基を有するラジカル重合性モノマーとは、ニトリル基を1個以上有しかつラジカル重合性の二重結合を1個以上有するものである。例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化アルキルエステル等が挙げられる。これらのニトリル基を有する重合性モノマーは一種または二種以上を使用してもよい。好ましくは、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルである。
【0012】
ニトリル基を有するラジカル重合性モノマーの全ラジカル重合性モノマー混合物に対する使用量は5〜20重量%であり、好ましくは4〜10重量%である。5重量%以上で耐ブロッキング性に優れ、20重量%以下で化粧シートの着色が生じにくい。
本発明のエマルション組成物に使用するエマルションの製造においては、不飽和カルボン酸を使用する。不飽和カルボン酸とは、カルボキシル基を1個以上有しかつラジカル重合性の二重結合を1個以上有するものである。不飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等の一価のカルボン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の多価カルボン酸、または多価カルボン酸の部分エステル化物などが挙げられる。これらの不飽和カルボン酸は一種または二種以上で使用することができる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸である。
【0013】
不飽和カルボン酸の使用量は、全ラジカル重合性モノマー混合物に対して、0.5〜10重量%であり、好ましくは0.5〜7重量%である。0.5重量%以上で乳化重合の安定性が良く、かつ金属イオンとの架橋も充分であり、10重量%以下で耐ブロッキングに問題ない。
上記以外にエマルションの製造に使用できるその他のラジカル重合性モノマーとしては、芳香族不飽和化合物、アミド基含有モノマー、メチロール基含有モノマー、アルコキシメチル基含有モノマー、多官能性モノマー、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステルモノマー、ビニルエステルモノマー、オレフィン類、塩素含有ビニルモノマー等が挙げられる。
【0014】
芳香族不飽和化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどである。アミド基含有モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどである。メチロール基含有モノマーとしては、例えばN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロールメタクリルアミドなどである。アルコキシメチル基含有モノマーとしては、例えばN−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどである。多官能性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ポリオキシプロピレンジアクリレート、ポリオキシプロピレンジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどである。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステルモノマーとしては、例えばマレイン酸モノまたはジブチル、フマル酸モノまたはジオクチルなどである。ビニルエステルモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどである。オレフィン類としては、例えばブタジエン、イソプレンなどである。塩素含有ビニルモノマーとしては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンなどを挙げることができる。
【0015】
本発明のエマルション組成物で使用するエマルションは、上記のラジカル重合性モノマーの混合物を、従来公知の乳化重合技術、即ちラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、水、界面活性剤の存在下によって乳化重合することにより得られる。例えば複数のラジカル重合性モノマーを均一に溶解させ、これに界面活性剤、分散剤、保護コロイド、水溶性高分子等と水及びラジカル重合開始剤を加えて乳化分散液としたのち重合する方法が挙げられる。また重合開始剤の添加方法も乳化分散液と一緒に添加させたり、別個に添加させたりすることもでき、さらにはラジカル重合性モノマー混合液と界面活性剤、開始剤等をそれぞれ別個に添加させたりすることもできる。
【0016】
乳化重合に使用できる界面活性剤としては、イオン性、非イオン性の界面活性剤があり、イオン性界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、特に制限されない。
アニオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタリンスルホン酸塩等が挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、例えば第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、第四アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、例えばカルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩等が挙げられる。
【0017】
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。また上記で挙げた非反応性の界面活性剤以外にも反応性の界面活性剤も使用することができる。反応性界面活性剤としては一分子中にラジカル重合性の官能基を有しかつスルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩基、スルホン酸エステル塩基から選ばれる一個以上の官能基を有するもの、または一分子中にラジカル重合性の官能基を有しかつポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン複合タイプのアルキルエーテルまたはアルコールを有するものである。これらの界面活性剤は一種でも、また2種以上と組み合わせて使用してもよい。
【0018】
エマルションには各種の分散剤、保護コロイド、水溶性高分子を添加することができる。例えばポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、スチレン−マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−メタクリル酸共重合体塩、水溶性アクリル酸エステル共重合体塩、水溶性メタクリル酸エステル共重合体塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリルアミド共重合体、ポリメタクリルアミド共重合体等が挙げられる。
【0019】
エマルションの乳化重合の重合開始剤としては、水溶性、油溶性の重合開始剤が特に制限なく使用できる。水溶性の重合開始剤としては、例えば過硫酸塩、過酸化物、水溶性のアゾビス化合物、過酸化物−還元剤のレドックス系等が挙げられ、過硫酸塩としては例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリム等が挙げられ、過酸化物としては例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキシドが挙げられ、水溶性アゾビス化合物としては、例えば2,2’−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩化水素、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等が挙げられ、過酸化物−還元剤のレドックス系としては、例えば先の過酸化物にナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、およびその塩、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤の添加が挙げられる。
【0020】
油溶性の重合開始剤としては、例えば油溶性の過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物としては、例えば過酸化ジブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンハイドロ過酸化物等が挙げられ、アゾビス化合物としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
【0021】
本発明で使用するエマルションの乳化重合では、必要に応じてリン酸水素ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンや低分子ハロゲン化合物等の分子量調整剤、キレート化剤、可塑剤、有機溶剤等を乳化重合の前期・中期・後期に添加することができる。重合温度は例えば0〜150℃で特に30〜90℃の範囲が好ましく、不活性雰囲気中、常圧下または必要に応じて加圧下で行われる。
【0022】
また、本発明で使用するエマルションのガラス転移温度は、−50℃〜40℃が好ましい。−50℃以上で耐ブロッキング性が良好で、40℃以下で化粧板のV加工性が良好である。さらに好ましくは−40℃〜20℃である。
さらに、本発明のエマルション組成物により適したエマルションは、コアシェル構造を有するものであり、−50〜20℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg1 )を有し、また−20〜40℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg2 )を有し、かつTg1 <Tg2 である少なくとも二層の複層構造を有するエマルションである。
【0023】
特に、Tg1 がコア層のガラス転移温度であり、Tg2 がシェル層のガラス転移温度であることが好ましい。このようにシェル層のガラス転移温度をコア層より高めに設定することにより、より好ましいエマルション組成物を得ることが可能となる。なお、Tg2 とTg1 の差は、10℃以上あることが好ましい。
また、コア層とシェル層の重量比は1/9〜9/1であることが好ましく、特に、5/5〜9/1であることが好ましい。
【0024】
このようなコア−シェル構造を有するエマルションは、例えば次のようにして得られる。まず、コア層のモノマー混合物を乳化重合し、引き続きシェル層のモノマー混合物を乳化重合する。その際コア層のTgが−50〜20℃になるように組成を設定し、同様にシェル層のTgが−20℃〜40℃で、かつTg1 <Tg2 になるように設定する。コア層のTg1 が−50〜20℃で柔軟性ある化粧シートが得られ、シェル層のTg2 が−20〜40℃で耐ブロッキング性が優れる。
【0025】
また、重合方法として初期にシェル層を重合し、次いでコア層の重合を行う相転換法を用いても良い。
エマルションの粒子径は特に制限はないが、50〜500nmが好ましい。さらに好ましくは80〜300nmである。
本発明の紙含浸用エマルション組成物では、(B)成分として多価金属イオンを使用する。多価金属イオンとしては、2〜5価の金属イオンであればよく特に限定されないが、例えば亜鉛、鉄、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、カドミウム、ニッケル、鉛等が挙げられる。好ましくは、亜鉛、ジルコニウム、カルシウムである。これらは、一種でも二種以上の混合物で使用してもよい。
【0026】
多価金属イオンの添加は、重合の前、重合中、重合後のいずれでもよい。好ましくは、重合後である。
多価金属イオンは、酸化物、水和物、塩、錯体等いずれの形態で用いてもよい。多価金属イオンが塩の形態である場合、多価金属イオンと対となるイオンは有機系のイオンでも、無機系のイオンでも、また両者を含んでいる形態であってもよい。多価金属イオンと対となるイオンが有機系イオンの場合、多価金属イオンは、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の形態で利用される。多価金属イオンと対となるイオンが無機系のイオンである場合、多価金属イオンは、例えば、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩等の形態で利用される。
【0027】
多価金属イオンが錯体の形態である場合、例えば先に挙げた塩との組み合わせが挙げられ、具体的にはアンモニウム錯体、アンミン錯体、多価カルボン酸錯体等が挙げられる。例えば特開昭62−250078号公報に記載されているような炭酸亜鉛アンモニア水溶液、炭酸ジルコニウムアンモニア水溶液、酢酸亜鉛アンモニア水溶液、アクリル酸亜鉛アンモニア水溶液、グリシン亜鉛アンモニア水溶液、リンゴ酸亜鉛アンモニア水溶液等が挙げられる。特に炭酸亜鉛アンモニア水溶液と炭酸ジルコニウムアンモニア水溶液が実用上好ましい。
【0028】
多価金属イオンを添加する際には、水溶液、有機溶剤の溶液、乳化液、ペースト、粉体のスラリー等の形態で添加することができる。
本発明において、(A)成分のエマルションと(B)成分の多価金属イオンとの配合比は、固形分で換算したエマルション100重量部に対して、多価金属イオンが0.1〜10ミリモルであり、好ましくは0.5〜8ミリモルである。(B)成分の多価金属イオンが0.1ミリモル以上で耐ブロッキング性が発現し、10ミリモル以下で貼り合わせ直後の接着性が十分となる。
【0029】
本発明のエマルション組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で他のエマルションを添加しても良く、例えばスチレン−ブタジエンエマルション、ウレタンエマルション、クロロプレンエマルション、アクリロニトリル−ブタジエンエマルション等が挙げられる。
また、殺菌剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、染料、着色顔料、各種カップリング剤、ワックスエマルジョン等を添加しても良い。
【0030】
本発明のエマルション組成物には更に必要に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、またはイソシアネート樹脂を添加しても良い。
本発明のエマルション組成物を含浸するシート用原紙は特に限定されないが、一般にはチタン紙、無サイズ紙等が用いられ、坪量としては30〜100g/m2 のものが使用される。また、原紙はあらかじめ印刷されていてもよい。
【0031】
エマルション組成物の紙への含浸方法は特に限定されず、化粧シート用原紙を本発明の組成物中に含浸し、その後絞っても良く、また化粧シート用原紙に組成物を塗布しても良い。化粧シート用原紙の100重量部当たりエマルション組成物を固形分換算で5〜100重量部含浸させるのがよい。
含浸後、化粧シートは加熱乾燥され、必要に応じてカレンダー加工される。あらかじめ印刷されていない化粧シートは、次に必要により公知の方法で印刷する。その後、必要に応じてトップコート等を施す。
【0032】
これを接着剤等を用いて、合板、MDF、パーチクルボードに貼り付け、化粧板となる。
本発明のエマルション組成物は、化粧シート含浸用に最も適しているが、フィルター、建築の内装/外装の装飾材、自動車の内装材、農業用、医療用等に使用することもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施例を用いて説明する。特に指定のない限り、物質の量を規定する数字は重量基準とする。
なお、本発明における各種物性の評価方法は以下の通りである。
(1)紙面強度
セロテープ(JIS Z1522のもの)を化粧シートに完全に付着させ、直ちにテープの一端を直角に保ち、勢い良く引き離す。紙の繊維がセロテープ面に付着している様子を観測し、以下の評価基準で評価する。〇以上を合格と判定する。
【0034】

Figure 0004127421
(2)耐ブロッキング性
化粧シートを2枚合わせ、50g/cm2 で加圧し、60℃/60%RHの雰囲気下に48時間放置する。その後、2枚の化粧シートをゆっくりと引き離す。
【0035】
引き離す時の抵抗を観測して、以下の評価基準で評価する。〇以上を合格と判定する。
Figure 0004127421
(3)接着性
市販MDF基材(厚さ9mmのもの)に、酢ビ系接着剤を60g/m2 塗布し、その後速やかに化粧シートを貼り付ける。5kgのローラーを3往復させた後、20℃で1日養生する。養生後、カッターナイフでクロスカットを入れ、クロスカット部の一端を剥離し基材への密着性を観測し、以下の評価基準で評価する。〇以上を合格とする。
【0036】
Figure 0004127421
(4)V加工性
接着性の評価で作製した貼り合わせ品のMDF面を、カッターナイフでV字状に90度削り取る。次に、化粧シートを外側に向けゆっくりと90度に曲げる。曲げ部分を以下の評価基準で評価する。◎を合格とする。
【0037】
Figure 0004127421
【0038】
【製造例1〜9】
エマルション1〜9の製造例を示す。
表1に示すラジカル重合性モノマー1000部に、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エレミノールJS−2、三洋化成(株)製、)の25%に調整した水溶液30部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:エマールNC、花王(株)製)の25%に調整した水溶液30部、過硫酸アンモニウム2部、蒸留水400部を添加し、ホモミキサーで撹拌を行いプレ乳化物を作製した。
【0039】
別に撹拌機付きフラスコに蒸留水500部、エマールNCの25%に調整した水溶液4部を仕込み、80℃に昇温し、過硫酸アンモニウム1部を水50部に溶解したものを添加する。これに、前記プレ乳化物を4時間かけて連続滴下する。その後3時間同温度にて攪拌を続けた。その後30℃以下まで冷却し、その後80メッシュの金網を用いて濾過を行った。濾過後、25%濃度のアンモニア水でpHを7に調整し、かつ固型分を48%となるよう水を添加し調整、エマルション1〜9を得た。
【0040】
全ラジカル重合性モノマーから計算した各エマルションのTgを表1に併せて示す。
【0041】
【製造例10〜15】
表2の製造例12に示すラジカル重合性モノマーのコア層(Cと記載)に、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エレミノールJS−2、三洋化成(株)製、)の25%に調整した水溶液を15部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:エマールNC、花王(株)製)の25%に調整した水溶液15部、過硫酸アンモニウム1部、蒸留水200部を添加し、ホモミキサーで撹拌を行いプレ乳化物1を作製した。
【0042】
別に撹拌機付きフラスコに蒸留水500部、エマールNCの25%に調整した水溶液4部を仕込み、80℃に昇温し、過硫酸アンモニウム1部を水50部に溶解したものを添加する。これに、前記プレ乳化物1を2時間かけて連続滴下する。滴下後30分養生を行う。
次に表2の製造例12に示すシェル層(Sと記載)のラジカル重合性モノマー組成の混合物に、エレミノールJS−2の25%に調整した水溶液15部、エマールNCの25%に調整した水溶液15部、過硫酸アンモニウム1部、蒸留水200部を添加し、ホモミキサーで撹拌を行いプレ乳化物2を作製した。
【0043】
このプレ乳化物2を2時間かけて再度連続滴下する。その後2時間同温度にて攪拌を続けた。次に30℃以下まで冷却し、その後80メッシュの金網を用いて濾過を行った。濾過後、25%濃度のアンモニア水でpHを7に調整し、かつ固型分を48%となるよう水を添加し調整し、コア・シェル比が5/5のエマルション12を得た。
【0044】
製造例10、11、13〜15では、使用モノマー組成を表2によって変化させた以外は、製造例12と同様にして、コア・シェル比が異なる各エマルション10、11、13〜15を得た。なお、製造例10、11、13〜15では、製造例12とコア・シェル比が変わることにより重合の一段目と二段目で添加モノマー量の比が変化する。そのため、エレミノールJS−2、エマールNC、過硫酸アンモニウム、蒸留水の各使用量は、製造例12における使用量を添加モノマー量のコアシェル比に対応して増減して配合した。
【0045】
コア層、シェル層のモノマー組成から計算した各エマルションのTgを表2に併せて示す。
【0046】
【実施例1〜13】
製造例1〜5、10〜13で得たエマルション各々100部(水を含んだ数値である。)にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、花王(株)製)25%水溶液2部(水を含んだ数値である。)を添加する。その後炭酸亜鉛アンモニア水溶液(亜鉛換算で1.64%)を表3に示す2〜10重量部(水を含んだ数値である。)の割合で攪拌混合させエマルション組成物を得た。
【0047】
尚、これらエマルション組成物は40℃で一週間放置しても、ゲル化することなく安定であった。
次に坪量60g/m2 の原紙に、原紙100gに対して本発明のエマルション組成物が乾燥重量で30gとなるよう含浸させる。含浸後の乾燥は120℃で3分行い、化粧シートを作製し、評価した。その結果を表3に示す。
【0048】
【比較例1〜8】
製造例3、6〜9、14、15で得たエマルションを用い、表4に示す配合で、実施例と同様にしてエマルション組成物を調整した。なお、表4のエマルション、エマルゲン950、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量の数値はいずれも水を含んだ数値である。次いで実施例と同様に性能評価を行った。その結果を表4に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004127421
【0050】
【表2】
Figure 0004127421
【0051】
【表3】
Figure 0004127421
【0052】
【表4】
Figure 0004127421
【0053】
【発明の効果】
本発明のエマルション組成物を使用することにより、耐ブロッキング性、紙面強度、基材との接着性、V加工性に優れた化粧シート、化粧板が得られ、かつその製造時、使用時などにホルムアルデヒドの発生がほとんどない。
また、1液タイプで使用できるから、簡便に使用でき、また2液混合タイプにおけるごとき混合比のずれに起因する性能のバラツキが生じにくい。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a material for producing a decorative board used for furniture, building materials, interior materials and the like. A decorative board is generally produced by bonding a decorative sheet as a cover member and a plywood, MDF, particle board or the like as a base material.
The present invention relates to an emulsion composition for impregnation that is used by impregnating paper as a base of this decorative sheet, and specifically, with blocking resistance, paper surface strength, and an adhesive used for adhesion to a substrate. The present invention relates to an emulsion composition that is excellent in adhesiveness and workability after bonding, and hardly generates formaldehyde during production.
[0002]
[Prior art]
For decorative boards made of plywood, MDF, particle board, etc., conventional decorative paper impregnated with melamine resin, urea resin, etc., vinyl chloride decorative sheet based on vinyl chloride sheet is heated and pressurized on the surface, or adhesive It is pasted using etc.
However, in recent years, replacement of this material has been progressing due to the problem of disposal of the vinyl chloride decorative board and the problem of the plasticizer used. For example, JP-A-57-173163 discloses a sheet obtained by impregnating a paper base material with a combination of synthetic rubber latex, a thermoplastic resin emulsion and a thermosetting resin, and drying and curing the sheet. JP-A-61-75900 The publication discloses a reinforced paper obtained by impregnating a paper base material with a combination of an acrylic resin, a melamine resin, and a vinyl acetate resin and drying and curing. JP-A-9-78489 discloses a decorative paper made of a thermoplastic resin and a thermosetting resin. An impregnated paper for board is disclosed.
[0003]
Although these impregnated paper base materials have been put into practical use as base materials replacing vinyl chloride sheets, there is a problem of occurrence of blocking immediately after production of a decorative sheet. Improving blocking resistance is advantageous because it also improves the strength of the paper surface, but the flexibility of the decorative sheet is impaired, and it is inferior in adhesion to the adhesive used for bonding to the base material, so it takes a balance. Is difficult. Furthermore, V workability that bends to 90 degrees after pasting the decorative sheets has been recently required, and cannot be solved by the technique disclosed above. On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-67787 discloses a technique in which a special base paper is used to improve the V processability and then impregnated with resin, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-279085 is disclosed. Discloses a technique for improving the bending strength of a resin produced by emulsion polymerization from a combination with a special monomer, but high blocking resistance is not obtained.
[0004]
In addition, since formaldehyde resin such as melamine resin is used in the prior art, generation of formaldehyde from the decorative sheet is unavoidable at the time of production, storage and use.
In addition, since the conventional impregnating resin is a two-component type in which two types are mixed at the time of production, in addition to the complexity of the work, there is a problem that the performance of the decorative sheet deteriorates when a deviation of the two-component mixing ratio occurs. .
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a decorative sheet excellent in blocking resistance, paper strength, adhesion to a substrate, and V processability in the production of a decorative sheet for use in a decorative board, and almost no formaldehyde is produced during its production. It is an object of the present invention to provide a paper impregnation emulsion composition.
[0006]
Furthermore, it is also an object to provide an emulsion composition for paper impregnation that is not a two-component type but a one-component type.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have used an emulsion composition in which an emulsion having a specific composition and a specific amount of polyvalent metal ions are combined as an emulsion composition for paper impregnation of a decorative sheet. It has been found that an appropriate metal cross-linking can be applied between the carboxylic acid groups to solve the above problems, and the present invention has been achieved.
[0008]
The emulsion is a core-shell type emulsion having at least a double-layer structure having different glass transition temperatures, the glass transition temperature (Tg) 1 ) One is in the range of −50 to 20 ° C., and the other glass transition temperature (Tg) 2 ) Is in the range of -20 to 40 ° C and Tg 1 <Tg 2 It has been found that better results can be obtained by using a specific emulsion having a multilayer structure. Furthermore, Tg 1 Is the glass transition temperature of the core, and Tg 2 It has been found that even better results can be obtained by setting the glass transition temperature of the shell layer.
[0009]
That is, the present invention comprises (A) α, β-unsaturated monocarboxylic acid ester 40 to 90% by weight, nitrile group-containing radical polymerizable monomer 5 to 20% by weight, unsaturated carboxylic acid 0.5 to 10% by weight, With respect to 100 parts by weight (in terms of solid content) of an emulsion obtained by emulsion polymerization of a radical polymerizable monomer mixture containing 0.1 to 60% by weight of other radical polymerizable monomers, (B) 10 mmol blended,
Alternatively, the emulsion has at least one glass transition temperature (Tg) of −50 to 20 ° C. 1 ) And at least one glass transition temperature (Tg) of -20 to 40 ° C. 2 ) And Tg 1 <Tg 2 The above-mentioned emulsion composition for paper impregnation, which is a two-layer structure emulsion.
[0010]
The present invention is described in detail below.
In the production of the emulsion used in the emulsion composition of the present invention, an α, β-unsaturated monocarboxylic acid ester is used. Examples of the α, β-unsaturated monocarboxylic acid ester include acrylic acid or methacrylic acid ester. As esters of acrylic acid or methacrylic acid, for example, methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, isopropyl acrylate, butyl acrylate, isobutyl acrylate, hexyl acrylate, cyclohexyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, lauryl acrylate, benzyl acrylate, phenyl acrylate, methyl Methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, isopropyl acrylate, butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, lauryl methacrylate, benzyl methacrylate, phenyl methacrylate, epoxy group containing glycidyl, for example Acrylate, glycidyl methacrylate, allyl glycidyl ether, methyl glycidyl acrylate, and methyl glycidyl methacrylate. These α, β-unsaturated monocarboxylic acid esters may be used alone or in combination of two or more. Preferred α, β-unsaturated monocarboxylic acid esters include methyl methacrylate, butyl acrylate, and 2-ethylhexyl acrylate.
[0011]
The amount of the α, β-unsaturated monocarboxylic acid ester used relative to the total radical polymerizable monomer mixture is 40 to 90% by weight. Preferably it is 50 to 85% by weight. When it is 40% by weight or more, the adhesion is excellent, and when it is 90% by weight or less, there is no problem with blocking resistance.
In the production of the emulsion used in the emulsion composition of the present invention, a radical polymerizable monomer having a nitrile group is used. A radical polymerizable monomer having a nitrile group is one having at least one nitrile group and at least one radical polymerizable double bond. For example, acrylonitrile, methacrylonitrile, alkyl cyanide and the like can be mentioned. One or two or more of these polymerizable monomers having a nitrile group may be used. Preferred is acrylonitrile or methacrylonitrile.
[0012]
The usage-amount of the radically polymerizable monomer which has a nitrile group with respect to the total radically polymerizable monomer mixture is 5 to 20 weight%, Preferably it is 4 to 10 weight%. When it is 5% by weight or more, the blocking resistance is excellent, and when it is 20% by weight or less, the decorative sheet is hardly colored.
In the production of the emulsion used for the emulsion composition of the present invention, an unsaturated carboxylic acid is used. An unsaturated carboxylic acid is one having at least one carboxyl group and at least one radical polymerizable double bond. Examples of the unsaturated carboxylic acid include monovalent carboxylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid, polyvalent carboxylic acids such as itaconic acid, fumaric acid and maleic acid, and partially esterified products of polyvalent carboxylic acids. It is done. These unsaturated carboxylic acids can be used alone or in combination of two or more. Acrylic acid, methacrylic acid and itaconic acid are preferred.
[0013]
The usage-amount of unsaturated carboxylic acid is 0.5 to 10 weight% with respect to the total radically polymerizable monomer mixture, Preferably it is 0.5 to 7 weight%. At 0.5% by weight or more, the stability of emulsion polymerization is good, and crosslinking with metal ions is sufficient, and at 10% by weight or less, there is no problem with blocking resistance.
Other radical polymerizable monomers that can be used in the production of emulsions other than the above include aromatic unsaturated compounds, amide group-containing monomers, methylol group-containing monomers, alkoxymethyl group-containing monomers, polyfunctional monomers, α, β-ethylene And monounsaturated dicarboxylic acid mono- or diester monomers, vinyl ester monomers, olefins, and chlorine-containing vinyl monomers.
[0014]
Examples of the aromatic unsaturated compound include styrene, α-methylstyrene, vinyltoluene, and the like. Examples of the amide group-containing monomer include acrylamide, methacrylamide, N, N-methylenebisacrylamide, diacetone acrylamide, maleic acid amide, and maleimide. Examples of the methylol group-containing monomer include N-methylol acrylamide, N-methylol methacrylamide, dimethylol acrylamide, and dimethylol methacrylamide. Examples of the alkoxymethyl group-containing monomer include N-methoxymethylacrylamide, N-methoxymethylmethacrylamide, N-butoxymethylacrylamide, and N-butoxymethylmethacrylamide. Examples of the multifunctional monomer include divinylbenzene, polyoxyethylene diacrylate, polyoxyethylene dimethacrylate, polyoxypropylene diacrylate, polyoxypropylene dimethacrylate, butanediol diacrylate, butanediol dimethacrylate, trimethylolpropane triacrylate. , Trimethylolpropane trimethacrylate, pentaerythritol tetraacrylate, pentaerythritol tetramethacrylate and the like. Examples of the mono or diester monomer of α, β-ethylenically unsaturated dicarboxylic acid include mono or dibutyl maleate, mono or dioctyl fumarate, and the like. Examples of the vinyl ester monomer include vinyl acetate and vinyl propionate. Examples of olefins include butadiene and isoprene. Examples of the chlorine-containing vinyl monomer include vinyl chloride, vinylidene chloride, and chloroprene.
[0015]
The emulsion used in the emulsion composition of the present invention emulsifies a mixture of the above-mentioned radical polymerizable monomers by a conventionally known emulsion polymerization technique, that is, in the presence of a radical polymerizable monomer, a radical polymerization initiator, water, and a surfactant. Obtained by polymerization. For example, a method in which a plurality of radically polymerizable monomers are uniformly dissolved, a surfactant, a dispersant, a protective colloid, a water-soluble polymer, etc., water, and a radical polymerization initiator are added to form an emulsified dispersion, followed by polymerization. Can be mentioned. In addition, the polymerization initiator can be added together with the emulsified dispersion or separately, and the radical polymerizable monomer mixture, surfactant, initiator, etc. can be added separately. You can also.
[0016]
Surfactants that can be used for emulsion polymerization include ionic and nonionic surfactants, and examples of ionic surfactants include anionic surfactants, cationic surfactants, and amphoteric surfactants. There is no particular restriction.
Examples of the anionic surfactant include fatty acids, higher alcohol sulfates, liquid fatty oil sulfates, aliphatic amines and amide sulfates, fatty alcohol phosphates, dibasic fatty acid esters. Sulfonic acid salts, aliphatic amide sulfonic acid salts, alkylallyl sulfonic acid salts, formalin condensed naphthalene sulfonic acid salts and the like. Examples of cationic surfactants include primary amine salts, secondary amine salts, Triamine salts, quaternary ammonium salts, pyridinium salts and the like can be mentioned, and examples of the amphoteric surfactant include carboxylate salt type, sulfate salt type, sulfonate salt type, phosphate ester salt and the like.
[0017]
Examples of the nonionic surfactant include polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ether, polyoxyethylene alkyl ester, sorbitan alkyl ester, polyoxyethylene sorbitan alkyl ester, and the like. In addition to the non-reactive surfactants listed above, reactive surfactants can also be used. As the reactive surfactant, one having a radical polymerizable functional group in one molecule and having one or more functional groups selected from a sulfonic acid group, a sulfonic acid ester group, a sulfonic acid group, and a sulfonic acid ester base, Or it has a radically polymerizable functional group in one molecule and has polyoxyethylene, polyoxypropylene, polyoxyethylene polyoxypropylene composite type alkyl ether or alcohol. These surfactants may be used alone or in combination with two or more.
[0018]
Various dispersants, protective colloids, and water-soluble polymers can be added to the emulsion. For example, polyphosphate, polyacrylate, styrene-maleic acid copolymer salt, styrene-acrylic acid copolymer salt, styrene-methacrylic acid copolymer salt, water-soluble acrylic acid ester copolymer salt, water-soluble methacrylic acid salt Examples include acid ester copolymer salts, polyvinyl alcohol, polyacrylamide, polymethacrylamide, polyacrylamide copolymers, polymethacrylamide copolymers.
[0019]
As a polymerization initiator for emulsion polymerization of an emulsion, a water-soluble or oil-soluble polymerization initiator can be used without particular limitation. Examples of water-soluble polymerization initiators include persulfates, peroxides, water-soluble azobis compounds, peroxide-reducing agent redox systems, and the like. Examples of persulfates include ammonium persulfate and potassium persulfate. And sodium persulfate. Examples of the peroxide include hydrogen peroxide, t-butyl hydroperoxide, t-butyl peroxymaleic acid, and succinic acid peroxide. Examples of the water-soluble azobis compound include 2 , 2'-azobis (N-hydroxyethylisobutyramide), 2,2'-azobis (2-amidinopropane) dichloride, 4,4'-azobis (4-cyanopentanoic acid) and the like. Examples of the redox system of the product-reducing agent include sodium sulfooxylate formaldehyde, sodium hydrogensulfite, sodium peroxide, and the like. , Sodium thiosulfate, sodium hydroxymethanesulfinic acid, L- ascorbic acid, and its salts, cuprous salts, addition of a reducing agent such as ferrous salts.
[0020]
Examples of oil-soluble polymerization initiators include oil-soluble peroxides and azobis compounds. Examples of peroxides include dibutyl peroxide, benzoyl peroxide, lauroyl peroxide, and cumene hydroperoxide. Examples of the azobis compound include 2,2′-azobisisobutyronitrile, 2,2′-azobis-2-methylbutyronitrile, 2,2′-azobis-2,4-dimethylvaleronitrile, and the like. Is mentioned.
[0021]
In the emulsion polymerization of the emulsion used in the present invention, a pH adjuster such as sodium hydrogen phosphate or sodium hydrogen carbonate, a molecular weight adjustor such as t-dodecyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan or a low molecular halogen compound, or chelate as necessary. An agent, a plasticizer, an organic solvent and the like can be added in the first, middle and later stages of emulsion polymerization. The polymerization temperature is, for example, 0 to 150 ° C., particularly preferably 30 to 90 ° C., and the polymerization is performed in an inert atmosphere, under normal pressure, or under pressure as necessary.
[0022]
The glass transition temperature of the emulsion used in the present invention is preferably -50 ° C to 40 ° C. The blocking resistance is good at −50 ° C. or higher, and the V workability of the decorative board is good at 40 ° C. or lower. More preferably, it is -40 degreeC-20 degreeC.
Furthermore, an emulsion more suitable for the emulsion composition of the present invention has a core-shell structure and has at least one glass transition temperature (Tg) at −50 to 20 ° C. 1 ) And at least one glass transition temperature (Tg) of -20 to 40 ° C. 2 ) And Tg 1 <Tg 2 It is an emulsion having a multilayer structure of at least two layers.
[0023]
In particular, Tg 1 Is the glass transition temperature of the core layer and Tg 2 Is preferably the glass transition temperature of the shell layer. Thus, a more preferable emulsion composition can be obtained by setting the glass transition temperature of the shell layer higher than that of the core layer. Tg 2 And Tg 1 The difference is preferably 10 ° C. or more.
The weight ratio of the core layer to the shell layer is preferably 1/9 to 9/1, and particularly preferably 5/5 to 9/1.
[0024]
An emulsion having such a core-shell structure is obtained, for example, as follows. First, the monomer mixture of the core layer is emulsion-polymerized, and then the monomer mixture of the shell layer is emulsion-polymerized. At that time, the composition was set so that the Tg of the core layer was −50 to 20 ° C., similarly, the Tg of the shell layer was −20 ° C. to 40 ° C., and Tg 1 <Tg 2 Set to be. Tg of core layer 1 Gives a flexible decorative sheet at −50 to 20 ° C., and the Tg of the shell layer 2 However, blocking resistance is excellent at -20-40 degreeC.
[0025]
As a polymerization method, a phase change method in which the shell layer is initially polymerized and then the core layer is polymerized may be used.
The particle size of the emulsion is not particularly limited, but is preferably 50 to 500 nm. More preferably, it is 80-300 nm.
In the emulsion composition for paper impregnation of the present invention, a polyvalent metal ion is used as the component (B). The polyvalent metal ion is not particularly limited as long as it is a divalent to pentavalent metal ion. For example, zinc, iron, nickel, copper, titanium, magnesium, calcium, barium, aluminum, zirconium, cadmium, nickel, lead, etc. Is mentioned. Zinc, zirconium and calcium are preferred. These may be used alone or in a mixture of two or more.
[0026]
The polyvalent metal ion may be added before, during or after the polymerization. Preferably after polymerization.
The polyvalent metal ion may be used in any form such as oxide, hydrate, salt, complex and the like. When the polyvalent metal ion is in the form of a salt, the ion paired with the polyvalent metal ion may be an organic ion, an inorganic ion, or a form containing both. When the ion paired with the polyvalent metal ion is an organic ion, the polyvalent metal ion is used in the form of formate, acetate, oxalate, or the like. When the ion paired with the polyvalent metal ion is an inorganic ion, the polyvalent metal ion is used in the form of, for example, chloride, sulfate, nitrate, nitrite, carbonate or the like.
[0027]
When the polyvalent metal ion is in the form of a complex, for example, combinations with the salts listed above are exemplified, and specific examples include ammonium complexes, ammine complexes, polyvalent carboxylic acid complexes, and the like. Examples thereof include zinc carbonate ammonia aqueous solution, zirconium carbonate ammonia aqueous solution, zinc acetate ammonia aqueous solution, zinc acrylate ammonia aqueous solution, glycine zinc ammonia aqueous solution and zinc malate ammonia aqueous solution as described in JP-A-62-20078. It is done. In particular, a zinc carbonate ammonia aqueous solution and a zirconium carbonate ammonia aqueous solution are practically preferable.
[0028]
When the polyvalent metal ion is added, it can be added in the form of an aqueous solution, an organic solvent solution, an emulsion, a paste, a powder slurry, or the like.
In the present invention, the blending ratio of the emulsion of component (A) and the polyvalent metal ion of component (B) is 0.1 to 10 mmol of polyvalent metal ion with respect to 100 parts by weight of the emulsion converted to solid content. And preferably 0.5 to 8 mmol. When the polyvalent metal ion of the component (B) is 0.1 mmol or more, blocking resistance is exhibited, and when it is 10 mmol or less, the adhesion immediately after bonding is sufficient.
[0029]
If necessary, other emulsions may be added to the emulsion composition of the present invention as long as the effects of the present invention are not impaired. For example, styrene-butadiene emulsion, urethane emulsion, chloroprene emulsion, acrylonitrile-butadiene emulsion, etc. Is mentioned.
In addition, bactericides, preservatives, antifoaming agents, plasticizers, flow regulators, thickeners, pH regulators, surfactants, dyes, coloring pigments, various coupling agents, wax emulsions, etc. may be added. .
[0030]
If necessary, an amino resin such as a melamine resin, a urea resin, a benzoguanamine resin, or an isocyanate resin may be added to the emulsion composition of the present invention as required.
The base paper for sheet impregnated with the emulsion composition of the present invention is not particularly limited, but generally titanium paper, non-size paper, etc. are used, and the basis weight is 30 to 100 g / m. 2 Is used. The base paper may be printed in advance.
[0031]
The method for impregnating the paper with the emulsion composition is not particularly limited, and the base paper for a decorative sheet may be impregnated into the composition of the present invention and then squeezed, or the composition may be applied to the base paper for a decorative sheet. . The emulsion composition may be impregnated in an amount of 5 to 100 parts by weight in terms of solid content per 100 parts by weight of the base paper for decorative sheet.
After impregnation, the decorative sheet is heat-dried and calendered as necessary. The decorative sheet not printed in advance is then printed by a known method if necessary. Then, topcoat etc. are given as needed.
[0032]
This is bonded to a plywood, MDF, or particle board using an adhesive or the like to form a decorative board.
The emulsion composition of the present invention is most suitable for impregnating a decorative sheet, but can also be used for filters, interior / exterior decoration materials for buildings, automotive interior materials, agriculture, medical use, and the like.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described below with reference to examples. Unless otherwise specified, numbers that specify the amount of a substance are based on weight.
In addition, the evaluation method of the various physical properties in this invention is as follows.
(1) Paper strength
A cellophane tape (from JIS Z1522) is completely attached to the decorative sheet, immediately holding one end of the tape at a right angle and pulling it away with force. Observe that the paper fibers are attached to the cello tape surface, and evaluate according to the following evaluation criteria. ◯ Determine that it is acceptable.
[0034]
Figure 0004127421
(2) Blocking resistance
Combine two decorative sheets, 50g / cm 2 And left in an atmosphere of 60 ° C./60% RH for 48 hours. Then slowly pull away the two decorative sheets.
[0035]
Observe the resistance when pulling apart, and evaluate according to the following evaluation criteria. ◯ Determine that it is acceptable.
Figure 0004127421
(3) Adhesiveness
A commercially available MDF base material (thickness of 9 mm) with a vinyl acetate adhesive of 60 g / m 2 Apply and then apply the decorative sheet immediately. After 3 reciprocations of 5 kg roller, it is cured at 20 ° C. for 1 day. After curing, make a crosscut with a cutter knife, peel off one end of the crosscut part, observe the adhesion to the substrate, and evaluate according to the following evaluation criteria. ○ Pass or higher.
[0036]
Figure 0004127421
(4) V workability
The MDF surface of the bonded product produced by the evaluation of adhesiveness is scraped 90 degrees into a V shape with a cutter knife. Next, the decorative sheet is slowly bent to 90 degrees with the outward facing. The bent part is evaluated according to the following evaluation criteria. ◎ is accepted.
[0037]
Figure 0004127421
[0038]
[Production Examples 1-9]
Production examples of emulsions 1 to 9 are shown.
To 1000 parts of the radical polymerizable monomer shown in Table 1, 30 parts of an aqueous solution adjusted to 25% of sodium alkylallylsulfosuccinate (trade name: Eleminol JS-2, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.), polyoxyethylene nonylphenyl ether 30 parts of an aqueous solution adjusted to 25% of sodium sulfate (trade name: Emar NC, manufactured by Kao Corporation), 2 parts of ammonium persulfate, and 400 parts of distilled water were added and stirred with a homomixer to prepare a pre-emulsion. .
[0039]
Separately, 500 parts of distilled water and 4 parts of an aqueous solution adjusted to 25% of Emar NC are charged into a flask equipped with a stirrer, heated to 80 ° C., and 1 part of ammonium persulfate dissolved in 50 parts of water is added. The pre-emulsion is continuously added dropwise to this over 4 hours. Thereafter, stirring was continued at the same temperature for 3 hours. Thereafter, the mixture was cooled to 30 ° C. or lower, and then filtered using an 80 mesh wire net. After filtration, the pH was adjusted to 7 with 25% strength aqueous ammonia, and water was added to adjust the solid content to 48% to obtain emulsions 1 to 9.
[0040]
Table 1 shows the Tg of each emulsion calculated from all radical polymerizable monomers.
[0041]
[Production Examples 10-15]
The core layer (described as C) of the radical polymerizable monomer shown in Production Example 12 of Table 2 was adjusted to 25% of sodium alkylallylsulfosuccinate (trade name: Eleminol JS-2, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.). 15 parts of an aqueous solution, 15 parts of an aqueous solution adjusted to 25% of sodium polyoxyethylene nonylphenyl ether sulfate (trade name: Emar NC, manufactured by Kao Corporation), 1 part of ammonium persulfate and 200 parts of distilled water were added. Pre-emulsion 1 was prepared by stirring with a mixer.
[0042]
Separately, 500 parts of distilled water and 4 parts of an aqueous solution adjusted to 25% of Emar NC are charged into a flask equipped with a stirrer, heated to 80 ° C., and 1 part of ammonium persulfate dissolved in 50 parts of water is added. The pre-emulsion 1 is continuously dropped into this over 2 hours. Curing is performed for 30 minutes after dropping.
Next, 15 parts of an aqueous solution adjusted to 25% of Eleminol JS-2 and an aqueous solution adjusted to 25% of Emar NC in a mixture of radical polymerizable monomer compositions of the shell layer (described as S) shown in Production Example 12 of Table 2 15 parts, 1 part of ammonium persulfate and 200 parts of distilled water were added and stirred with a homomixer to prepare Pre-Emulsion 2.
[0043]
This pre-emulsion 2 is continuously dropped again over 2 hours. Thereafter, stirring was continued at the same temperature for 2 hours. Next, the mixture was cooled to 30 ° C. or lower, and then filtered using an 80 mesh wire net. After filtration, the pH was adjusted to 7 with 25% strength aqueous ammonia, and water was added to adjust the solid content to 48% to obtain an emulsion 12 having a core-shell ratio of 5/5.
[0044]
In Production Examples 10, 11, 13 to 15, emulsions 10, 11, 13 to 15 having different core-shell ratios were obtained in the same manner as Production Example 12 except that the monomer composition used was changed according to Table 2. . In Production Examples 10, 11, and 13 to 15, the ratio of the added monomer amount is changed between the first and second stages of polymerization by changing the core-shell ratio from that of Production Example 12. Therefore, each usage amount of Eleminol JS-2, Emar NC, ammonium persulfate, and distilled water was blended by increasing or decreasing the usage amount in Production Example 12 corresponding to the core-shell ratio of the added monomer amount.
[0045]
Table 2 shows the Tg of each emulsion calculated from the monomer composition of the core layer and shell layer.
[0046]
Examples 1 to 13
Polyoxyethylene nonylphenyl ether (trade name: Emulgen 950, manufactured by Kao Corporation) 25% aqueous solution 2 in 100 parts of emulsions obtained in Production Examples 1 to 5 and 10 to 13 (values including water) Part (value including water) is added. After that, zinc carbonate ammonia aqueous solution (in terms of zinc 1.64 %) Was stirred and mixed at a ratio of 2 to 10 parts by weight (a value including water) shown in Table 3 to obtain an emulsion composition.
[0047]
These emulsion compositions were stable without gelation even when left at 40 ° C. for one week.
Next, basis weight 60g / m 2 The base paper is impregnated with 100 g of the base paper so that the emulsion composition of the present invention has a dry weight of 30 g. Drying after impregnation was performed at 120 ° C. for 3 minutes, and a decorative sheet was prepared and evaluated. The results are shown in Table 3.
[0048]
[Comparative Examples 1-8]
Using the emulsions obtained in Production Examples 3, 6-9, 14, and 15, the emulsion compositions were prepared in the same manner as in Examples with the formulation shown in Table 4. In addition, the numerical value of the addition amount of the emulsion of Table 4, emulgen 950, and zinc carbonate aqueous solution is a numerical value including water. Subsequently, performance evaluation was performed similarly to the Example. The results are shown in Table 4.
[0049]
[Table 1]
Figure 0004127421
[0050]
[Table 2]
Figure 0004127421
[0051]
[Table 3]
Figure 0004127421
[0052]
[Table 4]
Figure 0004127421
[0053]
【The invention's effect】
By using the emulsion composition of the present invention, a decorative sheet and a decorative board excellent in blocking resistance, paper strength, adhesion to a substrate, and V processability are obtained, and at the time of production and use, etc. There is almost no generation of formaldehyde.
Further, since it can be used in a one-component type, it can be used easily, and performance variations due to a deviation in the mixing ratio as in a two-component mixed type are unlikely to occur.

Claims (1)

(A)α、β−不飽和モノカルボン酸エステル40〜90重量%、ニトリル基含有ラジカル重合性モノマー5〜20重量%、不飽和カルボン酸0.5〜10重量%、その他のラジカル重合性モノマー0.1〜60重量%を含むラジカル重合性モノマー混合物を乳化重合して得られる、−50〜20℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg 1 )を有し、また−20〜40℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg 2 )を有し、かつTg 1 <Tg 2 である二層構造エマルション100重量部(固形分換算)に対し、(B)多価金属イオン0.1〜10ミリモルを配合した紙含浸用エマルション組成物。(A) α, β-unsaturated monocarboxylic acid ester 40 to 90% by weight, nitrile group-containing radical polymerizable monomer 5 to 20% by weight, unsaturated carboxylic acid 0.5 to 10% by weight, other radical polymerizable monomers 0.1 to 60 Ru obtained by emulsion polymerization of radical polymerizable monomer mixture containing by weight%, at least one glass transition temperature (Tg 1) to -50~20 ° C., also in -20 to 40 ° C. (B) 0.1 to 10 mmol of polyvalent metal ion with respect to 100 parts by weight (in terms of solid content) of a two-layer emulsion having at least one glass transition temperature (Tg 2 ) and Tg 1 <Tg 2 An emulsion composition for impregnation with paper.
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