JP4127022B2 - データ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

データ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法、並びにコンピュータ・プログラムに関し、さらに詳細には、接点を介したデータ入出力を実行する接点型のデータ通信、あるいは接点を介することなくデータ入出力を実行する非接触型のデータ通信を実行するデバイス構成において、データ送信側デバイスとデータ受信側デバイスとの相対的な位置関係に基づいて送受信データの制御、コマンド認識、あるいはモード設定等を行なうことを可能としたデータ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラッシュ・メモリーなどに代表される大容量不揮発半導体メモリーを小さなカード型のパッケージの中に入れたメモリー・カードが実用化されている。例えば、「コンパクト・フラッシュ・カード」、「スマート・メディア・カード」、「マルチ・メディア・カード」、「メモリー・スティック」など、いわゆるフラッシュメモリを搭載するとともに、データ入出力制御手段としての制御回路を備え、様々な処理を実行可能なメモリー・カードが実用化されている。これらの情報記憶装置の詳細については、すでに様々な文献(例えば非特許文献1参照)に記載されている。
【0003】
現在、利用されている多くのメモリー・カードは、カードとリーダーライター間のデータ通信を接点を介して行う外部端子付きのカードである。このカードとリーダーライター間のデータ通信を接点を介して行う外部端子付きのカード構成について、図1を参照して説明する。
【0004】
図1(a)に示したのは、例えばメモリー・スティックに代表される接点型メモリー・カードの一般的な構成である。カード内部にはメモリー・チップ(RAM)101と、制御機能を有するインターフェース回路(I/F)102を有する。接点付きの外部端子(CONN)103から内部回路を動作させる電力(例えばVCC,GND)が入力されるとともに、外部端子(CONN)103を介して外部機器とのデータ送受信を行う。例えば、シリアル・インターフェースおよびデータ入出力制御手段としての制御回路を持つインターフェース回路(I/F)102の実行するメモリー・チップ(RAM)101へのデータ書き込み、およびメモリー・チップ(RAM)101からのデータ読み出し処理の手順について、以下に簡単に説明する。
【0005】
(a)メモリー・チップ(RAM)101へのデータ書き込み(WRITE)処理は、以下の手順で実行される。
(a1)RAMへの書き込みを可能とするイネーブル信号をON(1)とする。
(a2)データ書き込み(WRITE)を意味する信号(0)をシリアル・データ・バスから受け取る。
(a3)シリアル・データ・バスに送られるアドレスを、アドレス・バッファーに蓄える。
(a4)シリアル・データ・バスに送られるデータを、データ・バッファーに蓄える。
(a5)イネーブルがOFF(0)になるとともに、アドレス・バッファーに蓄えらているアドレスと一致するメモリーのアドレスに、データ・バッファーに蓄えられていたデータを書き込んで、終了。
【0006】
(b)メモリー・チップ(RAM)101からのデータ読みだし(READ)処理は、以下の手順で実行される。
(b1)RAMからのデータ読み出し可能とするイネーブル信号をON(1)とする。
(b2)データ読み出し(READ)を意味する信号(1)をシリアル・データ・バスから受け取る。
(b3)シリアル・データ・バスに送られるアドレスを、アドレス・バッファーに蓄える。
(b4)アドレス・バッファーに蓄えらていたアドレスと一致するメモリーのアドレスに記憶されていたデータをデータ・バッファーに蓄える。
(b5)データ・バッファーに蓄えられていたデータを、シリアル・データ・バスに出力した後、イネーブルがOFF(0)になって終了。
【0007】
なお、メモリー・スティックの場合の具体的な動作説明については、非特許文献1:p223〜p230に詳しい説明がある。
【0008】
図1(b)は、コンパクト・フラッシュ・カードの内部ブロック図を示す。コンパクト・フラッシュ・カードは、図1(b)に示すように、接点付きの外部端子(50ピン)(CONN)106、制御機能を持つインタフェース回路(I/F)105、データ記憶部(RAM)としてのフラッシュメモリ104を有する。
【0009】
図1(b)に示すコンパクト・フラッシュ・カードの場合は、PCカード・アダプタを介してPC−ATAカードとして使えるようにPC−ATAのインターフェースを持っている構成であり、インターフェース回路105は、データ入出力制御手段としての制御回路を有している。
【0010】
さて、容易に想像できるように、図1に示した接点を持つカードの場合、接点が腐食したり摩耗したりする可能性があるので、信頼性に不安が残る。このような接点を介するデータ送受信の欠点を排除する構成として、近年、接点を持たない非接触メモリー・カードが開発され、実用化されている。例えば、電磁誘導等により接点を介さずにデータ通信を行うものである。このような接点を持たないメモリー・カードは、大きく分類すると、2つの型に分類される。一方は、カードとリーダーライタの間隔が数mm程度の密着型であり、他方は、カードとリーダーライタの間隔が数mm以上に対応した近接型である。
【0011】
データ通信が非接触で行われるシステムは、おもに認証などの用途で用いられており、世界的にはRFID(Radio Frequency Identification)システムと呼ばれる。日本では、非接触型ID識別システム、または非接触型ICカードと呼ばれることが多い。これらの技術について整理された出版物としては、例えば非特許文献2がある。
【0012】
すべての非接触型システムは、図2に示すように、ICカードなどのトランスポンダ111と呼ばれる非接触データ・キャリアと、リーダー112と呼ばれるデータ読み書き処理を実行する装置から構成される。リーダー112は一般的な意味では読みだし装置だが、書き込み能力がある場合にもリーダーライターと言わずにリーダーという呼び方をすることが多い。
【0013】
図2に示されているように、リーダー112とトランスポンダ111の間でデータ通信が行われるが、場合によってはデータだけでなく電力(エネルギー)もリーダー112からトランスポンダ111に伝達される。リーダー112とトランスポンダ111の通信を成立させるためのデバイスをカップラー(結合要素)113と呼ぶ。カップラー113は、例えば、コイルやコンデンザおよびマイクロ波アンテナなどによって構成される。
【0014】
トランスポンダの例として、大容量不揮発半導体メモリーを密閉した小さなパッケージの中に入れ、非接触で電力供給とデータ通信を行う密着型のメモリー・カードがあり、電磁結合方式を使ったものがすでに製品化されている。(非特許文献3、非特許文献4参照)
【0015】
密着型メモリー・カードの内部構成例を図3に示す。メモリー・カードに対して電力を供給するカップラー(トランスの2次側コイルに相当)としての電力供給カップラー121が整流回路124に接続され、インタフェース回路(IF)125、メモリー・チップ(RAM)126に電力を供給する。信号を受信するカップラー(同じく、トランスの2次側コイル)としての信号受信カップラー122、信号を送信するカップラー(トランスの1次側コイルに相当)としての信号送信カップラー123は、インタフェース回路(IF)125に接続され、メモリー・チップ(RAM)126と外部機器とのデータ入出力制御を行なう。
【0016】
このように、外部からの電力供給構成を持つ密着型メモリー・カードは、電力供給カップラー121、信号受信カップラー122、信号送信カップラー123の3つのトランスを、カードとのデータ送受信を実行する例えばリーダーライターとの間で構成し、リーダーライター電力供給を受け、かつ相互にデータ送受信を行なう構成を持つ。
【0017】
非特許文献2(「RFIDハンドブック」p171〜175)によれば、ISO/IEC10536規格で「非接触−密着型のICカードの構造と動作範囲(パラメータ)」が規定されている。密着型ICカードの結合領域の構成例を図4に示す。規格では、H1〜H4がコイルによって構成されるカップラー、すなわち誘電結合領域であり、5mm×11mmの大きさの誘電結合型カップラー211〜214である。また、E1〜E4がコンデンサによって構成されるカップラー、すなわち静電結合領域であり、9mm×2mmの大きさの静電結合型カップラー221〜224である。
【0018】
密着型ICカード・システムの構成例を図5に示す。トランスポンダとしてのICカード251が、信号カップラーの位置を合わせてリーダーライター261に重ねられることで、データ通信が実現する。
【0019】
電力供給は、ICカード251の誘導結合領域H1〜H4,252と、リーダーライター261の誘導結合領域H1〜H4,262が対向し、近接配置され、いずれかの誘導結合領域H1〜H4を介してリーダーライター261側の電力がICカード251側に供給される。また、データ通信は、ICカード251の誘導結合領域252または静電結合領域253と、リーダーライター261の誘導結合領域262または静電結合領域263が対向し、近接配置されることで、誘電結合または静電結合のいずれかに基づいてデータ入出力が実行される。なお、#ISO/IEC 10536に関しては、非特許文献5に説明がある。
【0020】
【非特許文献1】
トランジスタ技術2002年1月号、p147〜p230「特集*メモリIC&メモリー・カードの解明」
【非特許文献2】
「RFIDハンドブック」(Klaus Finkenzeller 日刊工業新聞社 2001年発行)
【非特許文献3】
http://www.maxell.co.jp/products/industrial/memory/fx_eeprom.html
【非特許文献4】
http://www.citizen.co.jp/nccard/
【非特許文献5】
http://www.nmda.or.jp/nmda/ic−card/iso10536/iccard.html
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ICカード・システムは、通信部構成に基づいて接点型、および非接触型の密着型、近接型の3通りに大きく分類される。リーダーライターとICカードとの間で、データの入出力を実行する際には、接点型では、接点の接続を行ない、また、密着型、近接型のような非接触型においては、カップラーを対向させることで、データ通信を行なう。非接触型においてカップラーの位置は、データ通信が可能な位置に対向させることが要求される。
【0022】
本発明は、接点型、あるいは密着型、近接型のような非接触型のデータ通信構成においても適用可能であり、例えばリーダーライターとICカードとの相対的な位置関係に応じて送受信データの制御、コマンド認識、あるいはモード設定等を実行する。
【0023】
リーダーライターとICカードとの相対位置判定に基づく制御としては、例えば、ICカード、リーダーライターいずかのデバイスに構成されたメモリーへの書き込み処理を制限したり解除したりする制御が可能である。本構成により、外部スイッチなどで切り替える処理を不要とすることができる。また、ICカードとリーダーライターの位置関係を変えることによって、メモリから読み出し可能なデータのアドレス範囲を変更する制御も可能である。本構成により、ICカード等のメモリ格納データの検索処理を高速化が可能となる。さらに、ICカードとリーダーライターとの位置関係に基づいて識別される情報をコマンドとして対応付けることで、ICカードの位置情報に基づいてリーダーライターへコマンドを入力するなど、マウス等の入力機器の代用とすることも可能となる。
【0024】
これらの機能を実現するためには、データ通信が確立されたチャンネル、すなわちデータ通信が確立された接点、あるいはカップラの組合せを把握する仕組みが必要になるが、これまでのICカードのシステムは、このような仕組みを持つものはなく、従って、例えばリーダーライターとICカードとの相対的な位置関係に応じて異なるデータ、あるいはデータ通信の機能を変える構成は実現されていなかった。
【0025】
本発明は、接点型、あるいは密着型、近接型のような非接触型のデータ通信構成において、データ送受信機器の相対位置、例えばリーダーライターとICカードとの相対的な位置関係情報を、データ通信が確立されたチャンネルの組合せを把握することで取得し、取得した相対的な位置関係情報に応じて異なる通信データを設定したり、送受信データの制御、コマンド認識、あるいはモード設定等を行なうことを可能としたデータ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、
データ処理制御を実行するデータ処理制御装置であり、
各々が異なる位置に配置された複数のデータ通信部と、
前記複数のデータ通信部を介して入力する情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する制御部と、
を有し、
前記複数のデータ通信部の各々は、前記通信相手デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行し、
前記判定部は、
前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定し、
前記制御部は、
前記位置態様に応じて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する構成であることを特徴とするデータ処理制御装置にある。
【0027】
さらに、本発明のデータ処理制御装置の一実施態様において、前記判定部は、通信相手デバイス側の複数のデータ通信部と、データ処理制御装置側の複数のデータ通信部との間で設定された通信チャンネルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する構成であることを特徴とする。
【0029】
さらに、本発明のデータ処理制御装置の一実施態様において、前記判定部は、通信相手デバイスのデータ処理制御装置に対する相対的な位置態様と、通信相手デバイス側データ通信部から受信可能なデータ通信部識別子シーケンスとを対応付けたテーブルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する構成であることを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明のデータ処理制御装置の一実施態様において、前記複数のデータ通信部は、非接触型のデータ通信を実行するデータ通信部であり、前記通信相手デバイスに配置された複数の非接触型データ通信部中、通信可能な位置に設定されたいずれかの通信部と選択的に通信を実行する構成であることを特徴とする。
【0031】
さらに、本発明のデータ処理制御装置の一実施態様において、前記複数のデータ通信部は、接点型のデータ通信を実行するデータ通信部であり、前記通信相手デバイスに配置された複数の接点型データ通信部中、接続されたいずれかの通信部と選択的に通信を実行する構成であることを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明のデータ処理装置の一実施態様において、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスに対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様として、データの読み取りを許容するROMモードと、データの読み書き双方を許容するRAMモードのいずれに設定するかを決定し、該決定態様に基づくモード設定制御処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0033】
さらに、本発明のデータ処理制御装置の一実施態様において、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信相手デバイス間で入出力する情報を決定し、該決定に基づくデータ入出力制御を実行する構成であることを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明のデータ処理装置の一実施態様において、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスからの実行要求コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行する構成であることを特徴とする。
【0035】
さらに、本発明のデータ処理装置の一実施態様において、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからアクセスを許容するデータを決定し、決定したデータに対するアクセスを許容するアクセス制御を実行する構成であることを特徴とする。
【0036】
さらに、本発明のデータ処理装置の一実施態様において、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからディスプレイに表示するデータを決定し、決定したデータをディスプレイに表示する表示制御を実行する構成であることを特徴とする。
【0037】
さらに、本発明のデータ処理制御装置の一実施態様において、前記データ処理制御装置は、さらに、認証処理部を有し、前記認証処理部は、前記判定部の判定結果に基づいて認証処理を実行し、前記制御部は、認証処理部の認証結果に基づいてデータ処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0038】
さらに、本発明のデータ処理装置の一実施態様において、前記認証処理部は、前記通信相手デバイスの時系列に従った複数の連続的なデバイス配置態様を認証情報に相当する配置シーケンス情報として保持し、前記判定部が判定する通信相手デバイスの時系列上の連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定する構成であることを特徴とする。
【0041】
さらに、本発明の第の側面は、
データ通信を実行する通信デバイスと、前記通信デバイスとの通信処理に基づいてデータ処理制御を実行するデータ処理デバイスとによって構成されるデータ処理システムであり、
前記通信デバイスは、
各々に固有の識別子が設定され異なる位置に配置された複数の通信デバイス側通信部と、
データ処理デバイスに対して、前記複数の通信デバイス側通信部を介して、各々に設定された識別子情報を個別に出力する制御を実行する通信デバイス側制御部とを有し、
前記データ処理デバイスは、
各々が異なる位置に配置された複数のデータ処理デバイス側通信部であり、各々が前記通信デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行する複数のデータ処理デバイス側通信部と、
前記複数のデータ処理デバイス側通信部を介して、前記通信デバイスから入力する情報に基づいて、データ処理デバイスに対する通信デバイスの相対的な位置態様を判定する判定部であり、前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、データ処理デバイスにおいて許容する処理を決定するデータ処理デバイス側制御部とを有し、
前記データ処理デバイスに対する前記通信デバイスの相対的な位置態様に基づくデータ処理を実行する構成としたことを特徴とするデータ処理システムにある。
【0042】
さらに、本発明のデータ処理システムの一実施態様において、前記判定部は、データ処理デバイス側通信部が通信可能な位置にある通信デバイス側データ通信部から受信した通信デバイス側通信部識別子のシーケンスに基づいて通信デバイスの相対的な位置態様を判定する構成であることを特徴とする。
【0043】
さらに、本発明のデータ処理システムの一実施態様において、前記データ処理デバイスは、さらに、認証処理部を有し、前記認証処理部は、前記判定部の判定結果に基づいて認証処理を実行し、前記データ処理デバイス側制御部は、認証処理部の認証結果に基づいてデータ処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0044】
さらに、本発明のデータ処理システムの一実施態様において、前記認証処理部は、前記通信相手デバイスの時系列に従った複数の連続的なデバイス配置態様を認証情報に相当する配置シーケンス情報として保持し、前記判定部が判定する通信相手デバイスの時系列上の連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定する構成であることを特徴とする。
【0045】
さらに、本発明の第の側面は、
データ処理制御を実行するデータ処理制御方法であり、
各々が異なる位置に配置された複数のデータ通信部を介して、通信相手デバイス側通信部に設定された識別情報を入力するステップであり、前記複数のデータ通信部の各々が、前記通信相手デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行するステップと、
前記入力識別情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップであり、前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果である通信相手デバイスの相対的な位置態様に基づいて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する制御ステップと、
を有することを特徴とするデータ処理制御方法にある。
【0046】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記判定ステップは、通信相手デバイス側の複数のデータ通信部と、データ処理制御装置側の複数のデータ通信部との間で設定された通信チャンネルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定することを特徴とする。
【0048】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記判定ステップは、通信相手デバイスのデータ処理制御装置に対する相対的な位置態様と、通信相手デバイス側データ通信部から受信可能なデータ通信部識別子シーケンスとを対応付けたテーブルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定することを特徴とする。
【0049】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記制御ステップは、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスに対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様として、データの読み取りを許容するROMモードと、データの読み書き双方を許容するRAMモードのいずれに設定するかを決定し、該決定態様に基づくモード設定制御処理を実行することを特徴とする。
【0050】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記制御ステップは、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信相手デバイス間で入出力する情報を決定し、該決定に基づくデータ入出力制御を実行することを特徴とする。
【0051】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記制御ステップは、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスからの実行要求コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行することを特徴とする。
【0052】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記制御ステップは、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからアクセスを許容するデータを決定し、決定したデータに対するアクセスを許容するアクセス制御を実行することを特徴とする。
【0053】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記制御ステップは、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからディスプレイに表示するデータを決定し、決定したデータをディスプレイに表示する表示制御を実行することを特徴とする。
【0054】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記データ処理制御方法は、さらに、認証処理ステップを有し、前記認証処理ステップは、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて認証処理を実行し、前記制御ステップは、認証処理ステップの認証結果に基づいてデータ処理を実行することを特徴とする。
【0055】
さらに、本発明のデータ処理制御方法の一実施態様において、前記認証処理ステップは、前記判定ステップにおいて判定する通信相手デバイスの時系列に従った連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報として予め保持している時系列に従った配置シーケンス情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定することを特徴とする。
【0056】
さらに、本発明の第の側面は、
データ処理制御を実行するコンピュータプログラムであり、
各々が異なる位置に配置された複数のデータ通信部を介して、通信相手デバイス側通信部に設定された識別情報を入力するステップであり、前記複数のデータ通信部の各々が、前記通信相手デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行するステップと、
前記入力識別情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップであり、前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果である通信相手デバイスの相対的な位置態様に基づいて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する制御ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータプログラムにある。
【0057】
【作用】
本発明の構成によれば、リーダーライター等によって構成されるデータ処理制御装置において、複数のデータ通信部を介して入力する情報に基づく通信相手デバイスの相対位置態様の判定が可能であり、判定結果に基づいて、通信相手デバイス(ICカード)に対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様を決定したり、通信相手デバイス間で入出力する情報を決定したり、通信相手デバイスからの入力コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行することが可能となる。さらに、アクセス可能なデータの決定処理を実行し、該決定結果に基づくアクセス制御を実行したり、ディスプレイに表示するデータの決定処理を実行し、該決定結果に基づく表示制御を実行することが可能となる。
【0058】
また、本発明の構成によれば、複数のデータ通信部を介して入力する情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定し、判定結果を適用して、認証処理を実行することが可能となる。具体的には、通信相手デバイスの複数の連続的なデバイス配置態様を認証情報に相当する配置シーケンス情報として保持し、判定部が判定する通信相手デバイスの連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定することが可能となる。
【0059】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0060】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明のデータ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0062】
本発明のデータ処理制御装置、通信処理装置、データ処理システム、およびデータ処理制御方法は、接点型、あるいは密着型、近接型のような非接触型のデータ通信構成において、データ入出力を実行する機器の位置関係を判定し、判定結果に基づいて、送受信データの制御、コマンド認識、あるいはモード設定等を行なうことを可能としたものであり、通信処理部は、接点型、あるいは密着型、近接型のような非接触型のいずれにおいても適用可能である。以下の実施例では、1つの代表的構成例として密着型ICカード・システムの構成例を中心として説明する。
【0063】
図6は、ICカード310とリーダーライター320におけるデータ通信カップラーの配置例を示すものである。ICカード310は、本発明の通信処理装置の一例であり、データ通信、記憶機能を有するICカードである。リーダーライター320は、本発明のデータ処理制御装置の一例であり、ICカードに対する情報入出力処理を実行し、各種のデータ処理制御を実行する。
【0064】
ICカード310は、データ通信を行なうカップラー(Cm1〜Cm8)311〜318を有し、一方、リーダーライター320も、データ通信を行なうカップラー(Cr〜Cr8)321〜328を有する。
【0065】
これらのカップラーは、コンデンサによって構成されるカップラー、すなわち静電結合領域、あるいは、コイルによって構成される誘電結合領域、その他アンテナ、光送受信構成等、様々なタイプのデータ通信カップラーとして構成可能である。ただし、ICカード310と、リーダーライター320のいずれのカップラーの組合わせにおいてもデータ通信が可能であることが要件である。
【0066】
ここで説明するカップラーの並べ方はあくまでもひとつの例にすぎないが、カード型情報記憶装置としてのメモリカード310は、以下のような構成要件を持つ。
(要件1)
メモリカード310に備えられるカップラーは、必ずしも全部が同じ種類のカップラーである必要は無いが、メモリカード310とリーダーライター320との相対位置を変化させたときに、通信可能となるカップラーの組合せが複数あるように、カップラーを配置すること。
【0067】
(要件2)
メモリカード310とリーダーライター320とを近接させて、相互に対向し重なるカップラー面積が100%に満たなくてもデータ通信が可能であり、その一方で、重なりの無い、あるいは極端に少ないカップラーとのクロストークが小さい構成であること。例えば、入力信号の検出を行なうデバイス側において、所定の閾値以下の入力信号をカットするフィルター等を構成し、所定の閾値以上の信号の読み取りのみを実行する構成とする。
【0068】
(要件3)
メモリカード310側のカップラーは、それぞれがひとつのトランスポンダとしての役割を持っており、メモリカード310側のカップラーがリーダーライター320からデータ(ID取得要求)を受信したときに自己のカップラーに設定されたID(何番目のチャンネルであるかの識別子)を返す処理を実行すること。これは、メモリカード310側の制御部において、リーダーライター320からデータ(ID取得要求)を受信したカップラーを識別し、受信カップラーに設定されたIDを、そのカップラーを介してリーダーライター320に応答信号として出力する。図6に示すように、ICカード310のカップラーCm1〜Cm8にはそれぞれ固有の識別子(ID=1〜8)が設定される。
【0069】
上述した構成を持つICカードと、リーダーライターとの相対位置の変化態様と、リーダーライター側での状態判別処理について説明する。
【0070】
図7は、ICカードと、リーダーライターとの相対位置の4つの変化態様を示している。図7(a)はICカードと、リーダーライターとに構成されたカップラーが完全一致する正規の位置関係であり、メモリカード側の通信カップラー:Cm1〜Cm8の各々が、リーダーライター側の通信カップラーCr1〜Cr8に重なり合い、全てのカップラーの組(Cm1−Cr1,Cm2−Cr2・・Cm8−Cr8)において通信可能な状態である。
【0071】
ICカードと、リーダーライターの複数のデータ通信部(カップラー)は、通信可能な位置に設定されたいずれかの通信部(カップラー)と選択的に通信を実行する。
【0072】
図7(b)は、ICカードが、リーダーライターに対して左に45度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターののカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは減少する。通信可能なカップラーの組合わせは、
Cr2−Cm8
Cr3−Cm5
Cr5−Cm1
Cr8−Cm4
の4組である。
【0073】
なお、図7(b)に示す態様においては、上記した4つ組以外にも重なりのあるカップラーの組があるが、これらは重なりの面積が小さく、データ入力を検出する機器側において、閾値とのレベル比較を行なって、閾値以上の入力信号の検出がされず、その結果、入力信号として識別しない。すなわち、閾値以上のレベルの入力があるカップラーのみが上記4つのカップラーの組である。
【0074】
図7(c)は、ICカードが、リーダーライターに対して左に90度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターののカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm2
Cr2−Cm4
Cr3−Cm1
Cr4−Cm3
【0075】
図7(d)は、ICカードが、リーダーライターに対して左に135度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターののカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm8
Cr4−Cm6
Cr5−Cm2
Cr8−Cm3
【0076】
図8を参照して、ICカードとリーダーライターとの相対位置を判定する処理について説明する。なお、図8では、リーダーライター520側が、相対位置状態を検出する処理を実行する例を説明するが、必ずしもリーダーライターが相対位置状態を検出する構成に限らず、ICカード側で相対位置状態を検出する処理を実行する構成としてもよい。この場合は、以下に説明するリーダーライター側の処理をICカード側において実行することになる。
【0077】
リーダーライター520は、データ通信を実行するカップラー群Cr1〜Cr8,524と、データ通信制御を実行する制御部521、データを記憶する記憶部522と、レジスタ525と、メモリカードとの相対位置状態を判定する判定部523とを有する。一方、ICカード510は、データ通信を実行するカップラー群Cm1〜Cm8,513と、データ通信制御を実行する制御部511、データを記憶する記憶部512を有する。
【0078】
図8において、リーダーライター520は、例えば図7に示すような様々な位置関係にあるICカードの位置状態を検出する処理を実行する。ここでは、図7(b)の配置状態、すなわち、リーダーライターに対して、ICカードが左に45度回転した状態にあるときの処理について説明する。
【0079】
リーダーライター520は、ICカードが左に45度回転した状態で近接すると、リーダーライター520の制御部521は、カップラー群Cr1〜Cr8,524からID取得要求信号(Get ID)を出力する(S1,S3,S5・・S15)。
【0080】
ICカード側では、通信可能な状態で対向するカップラーのみがID取得要求信号(Get ID)を入力する。ここでは、先の図7(b)の説明で記述したように、通信可能なカップラーの組合わせは、
Cr2−Cm8
Cr3−Cm5
Cr5−Cm1
Cr8−Cm4
の4組である。
【0081】
ICカード510側の制御部511は、例えば負荷変調などの手段で信号を変調して、信号を受けたカップラーがどのカップラーであるかを判別し、個々のカップラーに対応して予め設定された識別子(ID)を、通信可能なカップラーを介して応答する(S2,S4,S6・・S16)。
【0082】
図8の構成例では、ステップS4において、ICカード510側のカップラーCm8が、リーダーライター520の対向するカップラーCr2に対してID=8を応答し、ステップS6において、ICカード510側のカップラーCm5が、リーダーライター520のカップラーCr3に対してID=5を応答し、ステップS10において、ICカード510側のカップラーCm1が、リーダーライター520の対向するカップラーCr5に対してID=1を応答し、ステップS16において、ICカード510側のカップラーCm4が、リーダーライター520の対向するカップラーCr8に対してID=4を応答する。
【0083】
リーダーライター520のその他のカップラーCr1、Cr4、Cr6、Cr7は、ICカード510側のカップラーと通信可能な状態にないので、IDの応答を受信できない。
【0084】
リーダーライター520は、カップラーを介して受信したIDをレジスタ525に格納する。レジスタ525は、各カップラーCr1〜Cr8の受信IDをそれぞれ区別して格納可能な構成である。この場合、CR1〜Cr8の受信IDシーケンスとして、[0,8,5,0,1,0,0,4]を格納する。0は、受信IDがないことを示す。
【0085】
この受信IDデータは、判定部523に入力され、受信IDシーケンスとして、[0,8,5,0,1,0,0,4]に基づいて、リーダーライターとICカードとの相対位置状態を判別する。すなわち、判定部523は、データ通信が確立したカップラーの組合せに基づいて、リーダーライターとICカードとの相対位置状態を判別する。
【0086】
リーダーライターとICカードとが45度回転した相対位置で置かれた図7(b)の位置関係を想定した場合の位置判定処理を順を追って記述すると、次のようになる。
(S1)リーダーライターのカップラー:Cr1からID取得要求[GET_ID]信号を出力。
(S2)リーダーライターのカップラー:Cr1と結合するICカードのカップラーは無いのでID情報は得られず、取得情報はなし[none]として設定され、レジスタには0が設定される。
(S3)リーダーライターのカップラー:Cr2からID取得要求[GET_ID]信号を出力。
(S4)リーダーライターのカップラー:Cr2と通信可能なICカードのカップラー:Cm8からID情報8を入力し、2番目のIDレジスターに8を格納。
【0087】
以下、S5〜S16まで、リーダーライターのカップラー:Cr1〜Cr8の取得IDをレジスタに格納し、取得IDシーケンス[0,8,5,0,1,0,0,4]を判定部523に入力し、取得IDシーケンス[0,8,5,0,1,0,0,4]に基づいて、リーダーライターとICカードとの相対位置状態を判別する。
【0088】
このように、本発明の構成は、通信相手デバイス(ICカード)側の複数のデータ通信部(カップラー)と、データ処理制御装置(リーダーライター)側の複数のデータ通信部との間で設定された通信チャンネルに基づいて、データ処理制御装置(リーダーライター)が、通信相手デバイス(ICカード)の相対的な位置態様を判定する。
【0089】
すなわち、データ処理制御装置(リーダーライター)側のデータ通信部が通信可能な位置にある通信相手デバイス(ICカード)側データ通信部から受信した通信相手デバイス側のデータ通信部識別子(ID)シーケンスに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する。
【0090】
相対位置情報の判別結果に基づいて、リーダーライター520の制御部521は、ICカード510との入出力するデータの決定処理、あるいは入出力データの処理、モードの設定等を行なう。これらの処理の具体例については後述する。
【0091】
なお、前述したように、位置検出処理は、ICカード側で行なってもよく、この場合は、ICカード側に判定部を構成し、ICカード側からID取得要求を出力し、取得したIDに基づいて、ICカード側において、相対位置を判定する。さらに、ICカード間でのデータ通信を可能とした構成においては、ICカードを重ね合わせて、ICカード間のカップラーを介したデータ通信を実行し、上述と同様のID取得処理によって、ICカード相互の相対位置情報を取得することができる。
【0092】
図7においては、(a)〜(d)のリーダーライターとICカードとの4種類の異なる相対位置状態を説明したが、この他にも識別可能な相対位置は多数ある。これらについて図9〜図13を参照して説明する。さらに、図14に、各配置状態におけるリーダーライター側のID取得処理によってレジスタに格納されるIDシーケンスの対応を示す。図14に示すように、図7および図9〜図13に示す20種類の相対位置において取得されるIDシーケンスは異なり、リーダーライターはこの固有のIDシーケンスに基づいて図7および図9〜図13に示す20種類の相対位置のいずれの状態であるかを判別することができる。
【0093】
図9(e)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm4,Cr2−Cm4,Cr3−Cm2,Cr4−Cm1,Cr5−Cm8,Cr6−Cm7,Cr7−Cm6,Cr4−Cm5。
【0094】
図9(f)は、ICカードが、リーダーライターに対して左に225度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr2−Cm5,Cr3−Cm8,Cr5−Cm4,Cr8−Cm1。
【0095】
図9(g)は、ICカードが、リーダーライターに対して左に270度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm2,Cr2−Cm4,Cr3−Cm1,Cr4−Cm3。
【0096】
図9(h)は、ICカードが、リーダーライターに対して左に315度回転した配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm5,Cr4−Cm8,Cr5−Cm3,Cr8−Cm2。
【0097】
図10(i)は、ICカードが、リーダーライターに対して左にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm2,Cr3−Cm4,Cr5−Cm7,Cr6−Cm8。
【0098】
図10(j)は、ICカードが、リーダーライターに対して左上にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm6,Cr2−Cm8,Cr5−Cm3,Cr7−Cm4。
【0099】
図10(k)は、ICカードが、リーダーライターに対して左下にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr3−Cm6,Cr4−Cm8,Cr5−Cm1,Cr7−Cm2。
【0100】
図11(l)は、ICカードが、リーダーライターに対して右にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr2−Cm1,Cr4−Cm3,Cr7−Cm5,Cr8−Cm6。
【0101】
図11(m)は、ICカードが、リーダーライターに対して右下にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr3−Cm5,Cr4−Cm7,Cr6−Cm1,Cr8−Cm2。
【0102】
図11(n)は、ICカードが、リーダーライターに対して右上にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm5,Cr2−Cm7,Cr6−Cm3,Cr8−Cm4。
【0103】
図12(o)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転し、左にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm3,Cr3−Cm1,Cr5−Cm6,Cr6−Cm5。
【0104】
図12(p)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転し、左上にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm7,Cr2−Cm5,Cr5−Cm2,Cr7−Cm1。
【0105】
図12(q)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転し、左下にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr3−Cm7,Cr4−Cm5,Cr5−Cm8,Cr7−Cm3。
【0106】
図13(r)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転し、右にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr2−Cm4,Cr4−Cm2,Cr7−Cm8,Cr8−Cm7。
【0107】
図13(s)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転し、右下にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr3−Cm8,Cr4−Cm6,Cr5−Cm4,Cr8−Cm3。
【0108】
図13(t)は、ICカードが、リーダーライターに対して180度回転し、右にスライドした配置例を示している。この配置の場合、ICカードのカップラーと、リーダーライターのカップラーが重なり通信可能となるカップラーの組合わせは、以下の通りである。
Cr1−Cm8,Cr2−Cm6,Cr6−Cm2,Cr8−Cm1。
【0109】
なお、上述した例では、8つのカップラーすべてにおいて通信可能な8チャンネル通信組合せが2通り、4つのカップラーにおいてのみ通信可能な4チャンネル通信組合せが18通りの組合せを説明したが、仮にカップラーの配置が同じであったとしても、データ通信が確立できる位置関係の組合せの数は、双方向通信可能なカップラーの組合せの数とカップラーの結合とクロストークの関係によって異なることとなる。
【0110】
図14に、各配置状態におけるリーダーライター側のID取得処理によってレジスタ(図8のレジスタ525)に格納されるIDシーケンスの対応を示す。図14に示すように、図7および図9〜図13に示す20種類の相対位置において取得されるIDシーケンスは、それぞれ異なるシーケンスとなる。
【0111】
リーダーライターの判定部は、例えば、図14に示すような、配置態様(a)〜(t)と、IDシーケンスデータを対応付けたテーブルデータを有し、ID取得処理によって取得したIDシーケンスとテーブルデータとの対比を行なうことにより、図7および図9〜図13に示す20種類の位置(a)〜(t)のいずれの状態であるかを判別する。
【0112】
このように、データ処理制御装置(リーダーライター)の判定部は、通信相手デバイス(ICカード)のデータ処理制御装置(リーダーライター)に対する相対的な位置態様と、通信相手デバイス側データ通信部から受信可能なデータ通信部識別子シーケンスとを対応付けたテーブル(図14参照)に基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する。
【0113】
なお、図7、図9〜図13、および図14には、20種類の異なる配置例、および取得IDシーケンスを示してあるが、この他にも異なる配置に基づく異なるIDシーケンスが存在し、判定部において、それらのIDシーケンスと配置状態データを対応付けて格納する構成とすることにより、上述した20種類の配置構成以外の配置構成の識別も可能となる。
【0114】
また、データ送信を行なうトランスポンダがカード状の物であれば、その両面(表と裏)に同等にデータ通信用のカップラーを形成することができる。この場合には、トランスポンダとリーダーライターがデータ通信を行う面を変えることで、データ通信が確立するチャンネルの組合せを変えることができる。したがって、使用するトランスポンダの面を識別することにより、さらに、識別可能な状態数を増加させることが可能となる。
【0115】
次に、上述した位置状態判別データに基づく処理の具体例について説明する。図15は、非接点式密着型データ通信システムの一例を示すものであり、ICカードと、リーダーライター間でのデータ読み取りあるいは書き込み処理を実行する構成において、ICカードと、リーダーライターの相対位置に応じて、データの読み出しのみが実行できるモード(ROMモード)と、データの読書き双方が実行できるモード(RAMモード)とを切替え制御する例を示している。
【0116】
図15(a)は、ICカード611と、リーダーライター612の向きが同一であり、それぞれのデバイテスに形成されたカップラーが完全に一致して対向する構成である。この場合、リーダーライター612は、対向配置されたICカード611に対して前述のID取得処理を実行し、ID取得結果として、ICカードのリーダーライターに対する相対位置情報を得る。この結果、ICカード611がリーダーライター612に対して正対した位置におかれていると判断し、リーダーライター612の制御部は、データの読み書き双方が実行できるモード(RAMモード)に設定し、ICカード611からリーダーライターに対するデータ書き込み、およびデータ読み出しを許容する。
【0117】
図15(b)は、ICカード613と、リーダーライター614の向きが反対である。リーダーライター614は、対向配置されたICカード613に対して前述のID取得処理を実行し、ID取得結果として、ICカードのリーダーライターに対する相対位置情報を得る。この結果、ICカード613がリーダーライター614に対して180度回転して対向した位置におかれていると判断し、リーダーライター614の制御部は、データの書き込みを禁止し、データ読み出しのみを実行できるモード(ROMモード)に設定する。
【0118】
図15(a)または(b)のいずれかの置き方であれば、8チャンネル分すべてのカップラーが重なることになる。カップラーのデータ転送能力が同じであれば、8チャンネルそれぞれに異なるデータを乗せてデータ通信をすることで高速データ通信が可能となる。この時、上述したように、角度0度の(a)であれば書き換え可能なデータ通信モード(RAMモード)であるとし、角度180°(b)であれば読みだしのみで書き換えできないデータ通信モード(ROMモード)に設定する構成とすることで、ICカードを置く方向だけで内部データを保護するかどうかを区別することが可能になる。
【0119】
図16は、ICカードの相対位置情報に基づいて、コンピュータ・ディスプレーのウインドウに表示されるファイルまたはフォルダーのアイコンを変更する例を示したものである。
【0120】
例えば、内部データの上位アドレスがA00,A10,A20,A30,A40,A50の複数ファイルがPC等の記憶部に格納されているものとする。このとき、ICカードをリーダーライターに対して正対する位置(図7(a)に対応する位置)においたときは、図16(1)に示すように、全てのファイル情報がディスプレイに表示される。しかし、この表示ではファイル全体が見えるがアイコンが小さくてわかりにくい。
【0121】
このとき、ICカードをリーダーライターに対して左45度回転した位置(図7(b)に対応する位置)においたときは、図16(2)に示すように、A00のアドレスに属するファイルのアイコンのみが拡大されて表示される。ICカードをリーダーライターに対して左90度回転した位置(図7(c)に対応する位置)においたときは、図16(3)に示すように、A10のアドレスに属するファイルのアイコンのみが拡大されて表示される。
【0122】
さらに、ICカードをリーダーライターに対して左135度回転した位置(図7(d)に対応する位置)においたときは、図16(4)に示すように、A20のアドレスに属するファイルのアイコンのみが拡大されて表示される。また、ICカードをリーダーライターに対して180度回転した位置(図9(e)に対応する位置)においたときは、図16(4)に示すように、A30のアドレスに属するファイルのアイコンのみが拡大されて表示される。
【0123】
このように、ICカードの設定位置を変えるのみで、ディスプレイの表示態様を変更設定することが可能であり、例えばキーボード操作に不慣れなユーザにとって、操作のし易い環境が設定される。
【0124】
次に、ICカードの位置情報に基づく認証処理を行なうセキュリティシステムの構成例について説明する。
【0125】
データ保護または機密保持のために、入力されたパスワードと照合できた場合に限って使用可能になるようなシステムはすでに一般的であるが、パスワード自身は漏洩する可能性があり、一旦漏洩すると機密保持が保証されないという問題がある。
【0126】
ここでは、特定のICカードに設定された設定位置のシーケンスを、認証情報として利用する。例えば前述した(a)〜(t)の20種類の位置識別が可能なリーダーライターを利用し、ICカードを、(d)→(h)→(b)→(e)という順番等、特定の配置の設定順に置き直す処理が正しく行われたか否かを判定する。リーダーライター側では、ICカードの置き換え処理が、正しく行われたか否かを、個別のICカード毎に登録された情報に従って判定し、正しい置き換えが実行されたことを条件として認証成立とする。
【0127】
図17および図18を参照して、認証処理の詳細について説明する。図17は、認証処理を実行するリーダーライター710と、認証対象としてのICカード720の処理シーケンスを示している。
【0128】
リーダーライター710のデータ送受信部715には、前述の実施例で説明したと、同様の複数のカップラーが設定され、ID取得処理により、判定部714において、(a)〜(t)の20種類の位置識別が可能である。認証処理部711は、各ICカードの識別子(CID)に対応して予め設定された認証情報としての位置シーケンス情報(例えば(d)→(h)→(b)→(e))を認証情報として有し、判定部714において、判定されたICカード位置情報が、登録情報に従って遷移したか否かを判定し、認証の成立、不成立を判定する。
【0129】
制御部712は、認証成立に基づいて、記憶部713に対するデータの読み出し、書き込み、あるいはその他の処理制御を実行する。なお、認証に基づく処理制御としては、認証成立に基づいて、リーダーライターに接続されたPCの内部情報のアクセスを許可する等の構成としてもよい。
【0130】
一方、ICカード720のデータ送受信部723には、前述の実施例で説明したと、同様の複数のカップラーが設定され、制御部721は、ID取得要求に応じて、通信可能なカップラーからIDを出力する処理制御を行なう。ICカード720は、さらに、ICカード固有の識別子(CID)その他のデータを記憶する記憶部722を有する。
【0131】
認証処理シーケンスについて説明する。まず、リーダーライターは、ステップS21において、ICカードがデータ通信可能な状態に設定されると、ICカード識別子(CID)の取得要求をICカードに出力する。なお、この時点でのICカードの配置は任意である。ステップS22において、ICカードは、自己に設定されているICカード識別子(CID)をリーダーライターに出力する。
【0132】
リーダーライターは、ICカード識別子(CID)を受信すると、受信したCIDに対応して予め設定された認証情報としての位置シーケンス情報(例えば(d)→(h)→(b)→(e))を抽出する。
【0133】
次に、リーダーライターは、ステップS23において、第1位置設定要求(GET POSITION−1)を出力する。ステップS24において、ICカードのユーザは、自己の記憶する認証情報((d)→(h)→(b)→(e))に応じた第1位置としての(d)の位置にICカードを設定する。図18に(d)→(h)→(b)→(e)に応じた位置シーケンスを示す。
【0134】
(d)の配置は、図18に示すように、ICカードをリーダーライターに対して左135度回転した位置である。ユーザがICカードをこの配置に設定し、リーダーライターが前述のID取得処理を実行することで、リーダーライターは、(d)の位置に対応するIDシーケンス(80012003)(図14参照)を得ることができ、ICカードが(d)135度左回転の位置に正しく設定されたことを確認する。
【0135】
次に、リーダーライターは、ステップS25において、第2位置設定要求(GET POSITION−2)を出力する。ステップS26において、ICカードのユーザは、自己の記憶する認証情報に従って第2位置としての(h)の位置にICカードを設定する。(h)の配置は、図18に示すように、ICカードをリーダーライターに対して左315度回転した位置である。ユーザがICカードをこの配置に設定し、リーダーライターが前述のID取得処理を実行することで、リーダーライターは、(h)の位置に対応するIDシーケンス(50083002)(図14参照)を得ることができ、ICカードが(h)315度左回転の位置に正しく設定されたことを確認する。
【0136】
次に、リーダーライターは、ステップS27において、第3位置設定要求(GET POSITION−3)を出力する。ステップS28において、ICカードのユーザは、自己の記憶する認証情報に従って第3位置としての(b)の位置にICカードを設定する。(b)の配置は、図18に示すように、ICカードをリーダーライターに対して左45度回転した位置である。ユーザがICカードをこの配置に設定し、リーダーライターが前述のID取得処理を実行することで、リーダーライターは、(b)の位置に対応するIDシーケンス(08501004)(図14参照)を得ることができ、ICカードが(b)45度左回転の位置に正しく設定されたことを確認する。
【0137】
次に、リーダーライターは、ステップS29において、第4位置設定要求(GET POSITION−2)を出力する。ステップS30において、ICカードのユーザは、自己の記憶する認証情報に従って第4位置としての(e)の位置にICカードを設定する。(e)の配置は、図18に示すように、ICカードをリーダーライターに対して180度回転した位置である。ユーザがICカードをこの配置に設定し、リーダーライターが前述のID取得処理を実行することで、リーダーライターは、(e)の位置に対応するIDシーケンス(43218765)(図14参照)を得ることができ、ICカードが(e)180度回転の位置に正しく設定されたことを確認する。
【0138】
このように、ICカードが、ICカードに固有の認証情報((d)→(h)→(b)→(e))に従って遷移して置き換えられたことを条件として認証成立として、データの読書き、あるいは接続されたPC等へのアクセスを許可する。ICカードが認証情報((d)→(h)→(b)→(e))と異なるシーケンスで配置された場合は、認証不成立とする。
【0139】
なお、ICカードに新しい位置の設定要求状態にあることを知らせるためための構成として、リーダーライターからブザー音、あるいは接続されたディスプレイに処理要求メッセージ等を出力する構成としてもよい。
【0140】
ICカードをリーダーライターに対して置き直す回数をn回とすると、(a)〜(t)の20通りの置き方をすべて使う場合には20n通りの認証情報(パスワード)が設定できる。現行のクレジット・カードなどで4桁の暗証番号を入力する場合の組合せは104=10000にすぎないので、上述したように4回の置き換え処理として、n=4としても、本構成では204=160000通りのパスワードを設定することができる。
【0141】
上述した例以外にも、ICカードの位置情報に基づく処理制御は、様々な態様が可能である。例えば、ICカードの位置情報に基づいて、ICカードからリーダーライターに出力するデータあるいはコマンドを決定し、データ通信を行なう。あるいは、逆にICカードの位置情報に基づいて、リーダーライターからICカードに出力するデータあるいはコマンドを決定し、データ通信を行なう構成も可能である。
【0142】
さらに、PC等のマウスの代用として、ICカード等、複数の通信カップラーを持つ入力デバイスを構成し、入力デバイスに対するリーダーライターに対する相対位置に応じて、実行する処理を変更する構成とすることも可能であり、このような入力デバイスを用いることで、マウスの操作に不慣れなユーザも様々な種類の処理を、容易に実行することが可能となる。
【0143】
このように、データ処理制御装置(リーダーライター)の制御部は、判定部の判定結果に基づいて、通信相手デバイス(ICカード)に対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様を決定したり、通信相手デバイス間で入出力する情報を決定し、該決定に基づくデータ入出力制御を実行したり、通信相手デバイスからの入力コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行することが可能となる。さらに、アクセス可能なデータの決定処理を実行し、該決定結果に基づくアクセス制御を実行したり、ディスプレイに表示するデータの決定処理を実行し、該決定結果に基づく表示制御を実行する。
【0144】
なお、上述した実施例では、8つのカップラーを持つ構成例を説明したが、カップラーの数は、任意であり、例えば図19に示すように、2つのみのカップラーを持つ構成としてもよい。
【0145】
図19は、2つのカップラーを構成したICカード730と、リーダーライター731を示す図である。2つのみのカップラーとしても、(a)完全一致、(b)180度回転、(c)右スライド、(d)左スライド、(e)180度回転と右スライド等、多数の配置状態が可能であり、その位置によって処理を変更したり、あるいは認証処理に適用したり等、様々な制御が可能である。
【0146】
また、前述したが、例えばICカードの表裏にそれぞれ異なるIDを付与したカップラーを設定する構成も可能であり、限られた面積を持つICカードの表面と裏面とを有効に利用することが可能となり、2倍の異なる配置情報を設定可能となる。
【0147】
なお、上述した実施例においては、非接触型のデバイスを中心として説明し、コイルやコンデンサ等の誘電結合または静電結合のいずれかの構成に基づく、いわゆる非接触形のカップラーによるデータ入出力構成を中心として説明したが、カップラーを接点として構成しても、同様の処理が可能である。すなわち、複数の接点の各々にIDを設定し、接点の接続された接点のIDを取得することにより、デバイスの相対位置情報を取得して処理の制御を実行することができる。このように、本発明構成は、接点型、および密着型、近接型等の非接触型、いずれのデバイス構成においても適用可能である。
【0148】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0149】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0150】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0151】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0152】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0153】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明においては、リーダーライター等によって構成されるデータ処理制御装置において、複数のデータ通信部を介して入力する情報に基づく通信相手デバイスの相対位置態様の判定が可能であり、判定結果に基づいて、通信相手デバイス(ICカード)に対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様を決定したり、通信相手デバイス間で入出力する情報を決定したり、通信相手デバイスからの入力コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行することが可能となる。さらに、アクセス可能なデータの決定処理を実行し、該決定結果に基づくアクセス制御を実行したり、ディスプレイに表示するデータの決定処理を実行し、該決定結果に基づく表示制御を実行することが可能となる。
【0154】
また、本発明の構成によれば、複数のデータ通信部を介して入力する情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定し、判定結果を適用して、認証処理を実行することが可能となる。具体的には、通信相手デバイスの複数の連続的なデバイス配置態様を認証情報に相当する配置シーケンス情報として保持し、判定部が判定する通信相手デバイスの連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接点型メモリー・カードの一般的な構成を示す図である。
【図2】非接触型のデータ通信を実行するトランスポンダとリーダーライターとのデータ送受信構成例を説明する図である。
【図3】密着型メモリー・カードの非接触型カップラー構成を説明する図である。
【図4】密着型ICカードの結合領域の構成例について説明する図である。
【図5】密着型ICカード・システムの構成例を示す図である。
【図6】本発明の通信処理装置としてのデータ通信、記憶機能を有するICカードと、ICカードに対する情報入出力装置としてのリーダーライターにおけるデータ通信カップラーの配置例を示す図である。
【図7】ICカードと、リーダーライターとの相対位置の4つの変化態様を示す図である。
【図8】ICカードとリーダーライターとの相対位置を判定する処理について説明する図である。
【図9】リーダーライターとICカードとの様々な相対位置状態を示す図である。
【図10】リーダーライターとICカードとの様々な相対位置状態を示す図である。
【図11】リーダーライターとICカードとの様々な相対位置状態を示す図である。
【図12】リーダーライターとICカードとの様々な相対位置状態を示す図である。
【図13】リーダーライターとICカードとの様々な相対位置状態を示す図である。
【図14】ICカードの各配置状態におけるリーダーライター側のレジスタに格納されるIDシーケンスを説明する図である。
【図15】ICカードと、リーダーライターの相対位置に応じて、ROMモードとRAMモードとを切替え制御する例を示す図である。
【図16】ICカードの相対位置情報に基づいて、コンピュータ・ディスプレーのウインドウに表示されるファイルまたはフォルダーのアイコンを変更する例を示す図である。
【図17】ICカードの相対位置情報に基づいて認証処理を実行するシーケンスを説明する図である。
【図18】ICカードの相対位置情報に基づいて認証処理を実行する際のICかーとの認証情報としての配置シーケンス例を説明する図である。
【図19】2つのみのカップラーを持つ構成としたデバイス例を示す図である。
【符号の説明】
101 メモリー・チップ
102 インタフェース回路
103 接点付き外部端子
104 フラッシュメモリ
105 インチフェース回路
106 接点付き外部端子
111 トランスポンダ
112 リーダーライター
113 カップラー
121 電力供給カップラー
122 信号受信カップラー
123 信号送信カップラー
124 整流回路
125 インタフェース回路
126 メモリー・チップ
211〜214 静電結合型カップラー
221〜224 誘電結合型カップラー
251 ICカード
252 誘導結合領域
253 静電結合領域
261 リーダーライター
262 誘導結合領域
263 静電結合領域
310 ICカード
311〜318 カップラー
320 リーダーライター
321〜328 カップラー
510 ICカード
511 制御部
512 記憶部
513 カップラー群
520 リーダーライター
521 制御部
522 記憶部
523 判定部
524 カップラー群
525 レジスタ
611 ICカード
612 リーダーライター
613 ICカード
614 リーダーライター
710 リーダーライター
711 認証処理部
712 制御部
713 記憶部
714 判定部
715 データ送受信部
720 ICカード
721 制御部
722 記憶部
723 データ送受信部
730 ICカード
731 リーダーライター

Claims (27)

  1. データ処理制御を実行するデータ処理制御装置であり、
    各々が異なる位置に配置された複数のデータ通信部と、
    前記複数のデータ通信部を介して入力する情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づいて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する制御部と、
    を有し、
    前記複数のデータ通信部の各々は、前記通信相手デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行し、
    前記判定部は、
    前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定し、
    前記制御部は、
    前記位置態様に応じて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する構成であることを特徴とするデータ処理制御装置。
  2. 前記判定部は、
    通信相手デバイス側の複数のデータ通信部と、データ処理制御装置側の複数のデータ通信部との間で設定された通信チャンネルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  3. 前記判定部は、
    通信相手デバイスのデータ処理制御装置に対する相対的な位置態様と、通信相手デバイス側データ通信部から受信可能なデータ通信部識別子シーケンスとを対応付けたテーブルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する構成であることを特徴とする請求項に記載のデータ処理制御装置。
  4. 前記複数のデータ通信部は、
    非接触型のデータ通信を実行するデータ通信部であり、前記通信相手デバイスに配置された複数の非接触型データ通信部中、通信可能な位置に設定されたいずれかの通信部と選択的に通信を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  5. 前記複数のデータ通信部は、
    接点型のデータ通信を実行するデータ通信部であり、前記通信相手デバイスに配置された複数の接点型データ通信部中、接続されたいずれかの通信部と選択的に通信を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスに対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様として、データの読み取りを許容するROMモードと、データの読み書き双方を許容するRAMモードのいずれに設定するかを決定し、該決定態様に基づくモード設定制御処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信相手デバイス間で入出力する情報を決定し、該決定に基づくデータ入出力制御を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  8. 前記制御部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスからの実行要求コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  9. 前記制御部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからアクセスを許容するデータを決定し、決定したデータに対するアクセスを許容するアクセス制御を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  10. 前記制御部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからディスプレイに表示するデータを決定し、決定したデータをディスプレイに表示する表示制御を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  11. 前記データ処理制御装置は、さらに、認証処理部を有し、
    前記認証処理部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて認証処理を実行し、
    前記制御部は、認証処理部の認証結果に基づいてデータ処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理制御装置。
  12. 前記認証処理部は、
    前記通信相手デバイスの時系列に従った複数の連続的なデバイス配置態様を認証情報に相当する配置シーケンス情報として保持し、前記判定部が判定する通信相手デバイスの時系列上の連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定する構成であることを特徴とする請求項11に記載のデータ処理制御装置。
  13. データ通信を実行する通信デバイスと、前記通信デバイスとの通信処理に基づいてデータ処理制御を実行するデータ処理デバイスとによって構成されるデータ処理システムであり、
    前記通信デバイスは、
    各々に固有の識別子が設定され異なる位置に配置された複数の通信デバイス側通信部と、
    データ処理デバイスに対して、前記複数の通信デバイス側通信部を介して、各々に設定された識別子情報を個別に出力する制御を実行する通信デバイス側制御部とを有し、
    前記データ処理デバイスは、
    各々が異なる位置に配置された複数のデータ処理デバイス側通信部であり、各々が前記通信デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行する複数のデータ処理デバイス側通信部と、
    前記複数のデータ処理デバイス側通信部を介して、前記通信デバイスから入力する情報に基づいて、データ処理デバイスに対する通信デバイスの相対的な位置態様を判定する判定部であり、前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づいて、データ処理デバイスにおいて許容する処理を決定するデータ処理デバイス側制御部とを有し、
    前記データ処理デバイスに対する前記通信デバイスの相対的な位置態様に基づくデータ処理を実行する構成としたことを特徴とするデータ処理システム。
  14. 前記判定部は、
    データ処理デバイス側通信部が通信可能な位置にある通信デバイス側データ通信部から受信した通信デバイス側通信部識別子のシーケンスに基づいて通信デバイスの相対的な位置態様を判定する構成であることを特徴とする請求項13に記載のデータ処理システム。
  15. 前記データ処理デバイスは、さらに、認証処理部を有し、
    前記認証処理部は、
    前記判定部の判定結果に基づいて認証処理を実行し、
    前記データ処理デバイス側制御部は、認証処理部の認証結果に基づいてデータ処理を実行する構成であることを特徴とする請求項13に記載のデータ処理システム。
  16. 前記認証処理部は、
    前記通信相手デバイスの時系列に従った複数の連続的なデバイス配置態様を認証情報に相当する配置シーケンス情報として保持し、前記判定部が判定する通信相手デバイスの時系列上の連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定する構成であることを特徴とする請求項13に記載のデータ処理システム。
  17. データ処理制御を実行するデータ処理制御方法であり、
    各々が異なる位置に配置された複数のデータ通信部を介して、通信相手デバイス側通信部に設定された識別情報を入力するステップであり、前記複数のデータ通信部の各々が、前記通信相手デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行するステップと、
    前記入力識別情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップであり、前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおける判定結果である通信相手デバイスの相対的な位置態様に基づいて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する制御ステップと、
    を有することを特徴とするデータ処理制御方法。
  18. 前記判定ステップは、
    通信相手デバイス側の複数のデータ通信部と、データ処理制御装置側の複数のデータ通信部との間で設定された通信チャンネルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  19. 前記判定ステップは、
    通信相手デバイスのデータ処理制御装置に対する相対的な位置態様と、通信相手デバイス側データ通信部から受信可能なデータ通信部識別子シーケンスとを対応付けたテーブルに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  20. 前記制御ステップは、
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスに対して許容するデータの読み取りまたは書き込み態様として、データの読み取りを許容するROMモードと、データの読み書き双方を許容するRAMモードのいずれに設定するかを決定し、該決定態様に基づくモード設定制御処理を実行することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  21. 前記制御ステップは、
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信相手デバイス間で入出力する情報を決定し、該決定に基づくデータ入出力制御を実行することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  22. 前記制御ステップは、
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信相手デバイスからの実行要求コマンドを識別し、該コマンドに基づく制御を実行することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  23. 前記制御ステップは、
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからアクセスを許容するデータを決定し、決定したデータに対するアクセスを許容するアクセス制御を実行することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  24. 前記制御ステップは、
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記データ処理制御装置内の記憶部に格納されたデータからディスプレイに表示するデータを決定し、決定したデータをディスプレイに表示する表示制御を実行することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  25. 前記データ処理制御方法は、さらに、認証処理ステップを有し、
    前記認証処理ステップは、
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて認証処理を実行し、
    前記制御ステップは、認証処理ステップの認証結果に基づいてデータ処理を実行することを特徴とする請求項17に記載のデータ処理制御方法。
  26. 前記認証処理ステップは、
    前記判定ステップにおいて判定する通信相手デバイスの時系列に従った連続的な複数の配置シーケンスを入力し、該入力シーケンス情報と、認証情報として予め保持している時系列に従った配置シーケンス情報との照合処理を実行して認証の成立性を判定することを特徴とする請求項25に記載のデータ処理制御方法。
  27. データ処理制御を実行するコンピュータプログラムであり、
    各々が異なる位置に配置された複数のデータ通信部を介して、通信相手デバイス側通信部に設定された識別情報を入力するステップであり、前記複数のデータ通信部の各々が、前記通信相手デバイス側に設定された複数の通信部中の近接する通信部から通信部識別子の取得処理を実行するステップと、
    前記入力識別情報に基づいて、データ処理制御装置に対する通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップであり、前記識別子の取得処理において取得に成功した通信部識別子のみからなる取得識別子シーケンスデータを生成し、生成した取得識別子シーケンスデータに基づいて通信相手デバイスの相対的な位置態様を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおける判定結果である通信相手デバイスの相対的な位置態様に基づいて、データ処理制御装置において許容する処理を決定する制御ステップと、
    を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
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