JP4126992B2 - 永久磁石型モータおよびそれを具備した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

永久磁石型モータおよびそれを具備した電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、サーボモータやエレベータ用モータなどにも適用可能な永久磁石型モータおよびこのモータの主たる適用装置である電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図25は、一般的な電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。この図において、1はステアリングホィール、2はステアリングホィール1に結合され、ステアリングホィールの操舵力を受けるコラムシャフト、3はウォームギヤ4を介してコラムシャフト2に結合され、トルクを伝達して操舵力をアシストするモータで、回転子に永久磁石を着磁した永久磁石型モータが使用されている。5はウォームギヤ4を介してコラムシャフト2の操舵力を伝達するハンドルジョイント、6はハンドルジョイント5の回転を減速すると共に、ラック7の直線運動に変換し、タイロッド8を介して車輪の方向を制御するステアリングギヤである。
【0003】
上記のように構成された電動パワーステアリング装置においては、モータ3にて発生されたトルクの脈動がウォームギヤ4とコラムシャフト2を介してステアリングホィール1に伝達されるため、モータ3が大きなトルク脈動を発生する場合には、滑らかなステアリング感覚を得ることが出来ない。また、モータ3がアシストするためのトルクを発生しない状態においても、モータ3が大きなコギングトルクを発生するものであれば、同様に滑らかなステアリング感覚を得ることが出来ない。
【0004】
このような事態に対処するための従来の改良案として例えば、特開2001−18822号公報に開示されているように、モータの電源であるバッテリ電圧が低下した場合に、永久磁石の磁束と同一方向のd軸及びこれと直交するq軸に対応する電流Id及びIqの指令値を変更し、Id、Iqを調整して弱め磁束制御を行なう場合がある。弱め磁束制御は、モータの界磁用の磁石が発生する磁束を弱め、モータの逆起電力がバッテリ電圧を越えないようにすることにより、バッテリ電圧が低下してもモータを駆動することができるようにするものである。
また、モータの回転子が高速で回転する場合には、モータの逆起電力が電源電圧を超えることがあり、モータが制御不能に陥ったり、逆起電力によって電源が破壊されてしまうということがあるため、このような場合にも弱め磁束制御を用いて、モータの逆起電力を弱める方向に電流値を調整することが行われている。更に、例えば特開平8−182398号公報に開示されているように、運転速度の上限を上げるために弱め磁束制御が用いられることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置は以上のように構成され、電源電圧がモータの発生する逆起電力より低下した場合に弱め磁束制御を用いているため、モータのトルクが大きく電流値が高いことなどが原因で、モータ鉄心の磁束密度が高くなり、磁気飽和したときには、後述するように、トルク脈動が発生し、これが原因で操舵フィーリングが悪化するという問題点があった。
従来、電動パワーステアリングは軽自動車をはじめとする小型の自動車にしか普及していなかったが、電動パワーステアリングの燃費改善効果や搭載性の向上により、近年、例えば排気量が2リッター以上の自動車にも採用されつつある。電動パワーステアリングが大型の自動車に採用されるようになると、モータの小型化、高出力化が求められ、残留磁束密度の高い希土類磁石を用いたモータが必要となってくる。希土類磁石を用いたモータはモータ鉄心の磁束密度が高くなる傾向にあり、磁気飽和が発生しやすくなる。
【0006】
また、電動パワーステアリング用モータは良好な操舵フィーリングを得るためにコギングトルクを低減する必要があるため、固定子鉄心のパーミアンスの脈動を低減する目的で固定子スロットの開口幅が小さく設計されたり、スキュー着磁や固定鉄心のスキューが採用される場合がある。固定子スロットの開口幅が小さい場合には、後述するように、漏れ磁束が大きくなり、電機子電流が流れると固定子ティースの磁束密度増大を招き磁気飽和が生じやすい。また、スキューが採用されている場合には、固定子鉄心の磁束密度分布がモータの軸方向で一様でなくなり、軸方向中央から離れるにしたがって鉄心の磁束密度が高くなって磁気飽和を招きやすい。このように、電動パワーステアリング用のモータでは小型化、高出力化と低コギングトルクの要求から鉄心の磁気飽和が生じやすくなっている場合が多く、この磁気飽和によって負荷時のトルク脈動が大きくなってしまい、結果として操舵フィーリングの悪化を招くことがあるという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点に対処するためになされたもので、トルク脈動を低減すると共に、鉄損を低減し、また、コギングトルクを低減して操舵フィーリングを良好にすることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る永久磁石型モータは、回転子シャフトの周囲に複数個の永久磁石を装着した回転子および上記回転子を取り囲むように配設され、上記回転子の永久磁石に対向するティースを有する固定子鉄心と、各ティースに巻装された電機子巻線とを有する固定子を備え、上記電機子巻線に印加される電源電圧が永久磁石型モータの逆起電力(無負荷誘起電圧)と電機子反作用分の電圧の和を超える運転領域において弱め磁束制御を行なう永久磁石型モータであって、上記永久磁石を希土類磁石によって構成すると共に、モータの極数をP、固定子ティースの数をN、モータの磁石の厚さをhm、磁極間の幅をWm、磁石のリコイル比透磁率をμr、固定子と回転子との空隙長を△、固定子ティースの幅をWtとした時、以下の式で示されるパラメータXが、X> 1.0 となるようにしたものである。
【数2】
Figure 0004126992
【0015】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、上述した構成の永久磁石型モータを具備し、この永久磁石型モータのトルクによって車両のステアリングハンドルの操作をアシストするようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。まず、弱め磁束制御によってモータ鉄心の磁束密度が低減できる理由について説明し、その後、モータ鉄心の磁気飽和によってトルク脈動が発生する理由について説明する。
そして、弱め磁束制御によって磁気飽和が緩和され、トルク脈動を低減した実施の形態1について説明する。
弱め磁束制御は、従来、モータが高速回転しているとき、逆起電力と電機子反作用によって端子電圧が電源電圧を超えてしまう場合に、電機子電流のd軸成分を磁石の磁束を弱める向きに流すことで、逆起電力と電機子反作用による電圧を下げる目的で使われてきた。
【0017】
図1に弱め磁束制御時の電流ベクトル、電圧ベクトルを図示する。ただし、電機子抵抗による電圧降下は無視している。縦軸であるd軸は永久磁石が発生する磁束の向きであり、横軸であるq軸はd軸から回転方向に電気角90度進んだ向きに定義している。このとき、無負荷誘起電圧Vq_noloadはq軸上のベクトルとなる。また、電流はd軸電流Idとq軸電流Iqが通電されている状態とする。
このとき、q軸電流Iqはモータとして動作するのでトルクを発生する向き、すなわちq軸の正方向のベクトルである。一方、d軸電流Idは永久磁石の磁束を弱める向きに通電され、d軸の負の向きとなる。
弱め磁束制御をしない場合には、トルクを発生させるIqのみの通電となるため、そのときのモータの端子電圧Vは図示のように、無負荷誘起電圧Vq_noloadとq軸リアクタンスXqとIqの積XqIqとのベクトル和となる。一方、弱め磁束制御を行なう場合には、さらにd軸リアクタンスによる電圧の変化XdIdを加える必要がある。したがって、弱め磁束制御時のモータの端子電圧は図示のように、V'となる。Idを適切に選定すれば、弱め磁束制御をしないときの端子電圧Vの大きさ|V|と弱め磁束制御をする場合の端子電圧の大きさ|V'|との間に
|V'|< |V|
なる関係が成り立つようにすることが可能である。
【0018】
界磁が調節できない永久磁石型モータが高速回転しているときには、上記Vが電源電圧を超え、インバータの素子を破壊してしまうことがあった。そこで、弱め磁束制御を用いることにより端子電圧を下げて高速回転時にもモータを制御することが可能となるようにするものである。
この発明では、弱め磁束制御によって「磁束を低減できる」ことに着目した。図2に弱め磁束制御時の電流ベクトル、磁束ベクトルを示す。図1と同様に、d軸、q軸を定義する。永久磁石の発生する磁束Φfはその定義どおり、d軸上のベクトルである。トルクに寄与するIqとq軸インダクタンスLqによって磁束LqIqが発生し、モータ鉄心の磁束を増加させる。永久磁石の磁束を弱める向きにIdを通電しているので、Idとd軸インダクタンスLdにより、磁束が図示のように、LdIdだけ弱められる。したがって、q軸電流のみの場合の磁束ベクトルΦの大きさ|Φ|と弱め磁束制御をする場合の磁束ベクトルΦ’の大きさ|Φ’|との間に
|Φ'|< |Φ|
なる関係が成立するようにIdを選定することが可能となる。磁束ベクトルの大きさは固定子鉄心内の磁束密度に大きく関係し、磁束ベクトルの大きさを小さくすれば、固定子鉄心内の磁束密度も低下する。以上が、弱め磁束制御によって固定子鉄心内の磁束密度を下げることができる理由である。
【0019】
次に、鉄心の磁気飽和とトルク脈動の関係について説明する。鉄心の磁気特性、すなわち起磁力Hと磁束密度Bとの関係は、例えば図3に示すようになっている。起磁力Hが小さいときには磁束密度Bがほぼ直線状に立ち上がり、ほぼ線形の特性であるが、磁束密度が高くなると非線形性が現れ、概ね1.5T程度、すなわち図3に破線の○を付した個所以上で磁気飽和が発生してしまう。
このような磁気飽和が発生したときにモータのトルク脈動がどのように発生するかについて次に説明する。図4は、永久磁石が発生する磁束が磁気飽和によって受ける影響を模式的に示したもので、(a)は磁気飽和がない状態、(b)は磁気飽和がある場合を示す。磁気飽和がない場合には、磁束Φの波形は図示のように正弦波状となるが、磁気飽和があると磁束密度の高い部分で磁束が十分確保できないため、矢印で示すように磁束Φの波形が歪んでしまう。すなわち、磁束密度分布の空間高調波が増大する。
【0020】
図5は、電機子巻線の電流が発生する磁束が磁気飽和によって受ける影響を模式的に示したもので、(a)は磁気飽和のない場合、(b)は磁気飽和のある場合を示す。これらの図において、10は固定子鉄心、11は固定子鉄心に巻装された電機子巻線を示す。磁気飽和がない場合には磁束密度波形は正弦波状であるが、磁気飽和が発生すると磁束密度の高いところで十分磁束を確保できないため、矢印で示すように、波形が歪んでしまう。すなわち、磁束密度分布の空間高調波が増大する。図6は、磁気飽和によって時間高調波が増大する様子を模式的に示した図である。これらは電機子電流が時間的に変化し磁束密度がそれに応じて変化する様子を示しており、(a)は磁気飽和がないとき、(b)は磁気飽和があるときを示す。磁気飽和がないときには電機子電流の変化に応じて、磁束密度も変化し、図示のように正弦波状となるが、磁気飽和がある場合には、電流が大きくなっても十分磁束が得られないため、矢印で示すように波形が歪む。すなわち、磁束密度分布の時間高調波が増大する。
【0021】
以上のように、磁気飽和によって磁束密度の空間高調波、時間高調波が増大する。理想的には正弦波状に変化すれば、トルク脈動は発生しないが、実際のモータにおいては磁束密度波形に空間高調波と時間高調波が含まれており、磁気飽和によってこれが増大するため、トルク脈動が増大する。
磁気飽和とトルク脈動の関係と、弱め磁束制御によってモータ鉄心の磁束密度を下げることが可能であるという事実からトルク脈動を低減できると推測される。従来技術では、逆起電力と電機子反作用による電圧が電源電圧より小さい場合においては、無駄なd軸電流を流して銅損を増やし、モータ効率が低下することがあるため、弱め磁束制御が使われることはなかった。しかしながら、この発明は逆起電力と電機子反作用による電圧が電源電圧より小さくなる運転領域においても、弱め磁束制御を積極的に用いてトルク脈動を低減させようとするものである。
【0022】
図7に弱め磁束制御によるモータ固定子ティースの磁束密度の変化を示す。
これはモータが同じトルクを発生していて、弱め磁束制御がある場合とない場合とを比較したものである。また、回転数は電源電圧に十分余裕のあるごく小さい回転数のときのものである。ティースの磁束密度はモータの通電位相によって周期的に変化するが、ここでは、最大の磁束密度をグラフ化している。弱め磁束制御がなく、q軸電流のみを通電している状態では、磁束密度B1が1.7Tにまで達していた。この状態で弱め磁束制御に切り換えてd軸電流を通電し永久磁石の磁束を弱めると、磁束密度B2は図示のように、1.4Tまで低減した。このときのトルク波形の変化を図8に示す。横軸は回転子の回転角度を電気角で表しており、縦軸はトルクを示す。また、破線は弱め磁束制御なしのときのトルク波形を示し、実線は弱め磁束制御ありのときのトルク波形を示す。この図から明らかなように、弱め磁束制御を適用することで、磁気飽和によって発生していた電気角60度周期のトルク脈動が低減され滑らかなトルク波形を得ることができた。
【0023】
以上のように、弱め磁束制御によって、永久磁石型モータに設けられた界磁用永久磁石磁極の磁束を弱める方向にd軸電流Idを通電することにより、鉄心の磁束密度を低減し、結果として鉄心の磁気飽和によって発生するトルク脈動を低減することができるものである。また、鉄心の磁束密度が低減できるため鉄損も低減することができる。なお、弱め磁束制御を適用せずにティースの磁束密度を1.7Tから1.4Tまで低減する場合を想定すると、1.2倍ティース幅を太くする必要があり、さらに銅損を同じにするにはスロット断面積を同じにする必要が生じるため、モータ全体の体格を大きくする必要がある。したがって、この発明によれば、小型のモータにおいても磁束密度を低減することができ、低トルク脈動を達成することができる。
【0024】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。負荷時のトルク脈動の定格トルクに対する割合と固定子ティースの磁束密度との関係を図9に示す。
磁束密度が高いほどトルク脈動が大きくなっていることが分かる。しかしながら、車両用の電動パワーステアリング装置用モータにおいては低トルク脈動が必須となる。電動パワーステアリング装置用モータは、上述のように、トルクによって操舵力をアシストする働きを持つが、モータの軸はギヤを介してステアリングホィールにつながっているため、運転者がモータの軸を触っているのと同じ状況である。したがって、モータがトルク脈動を発生していると、運転者がその脈動を感じることになり、操舵フィーリングが悪化する。一般的なギヤ比から換算すると、概ねモータの定格トルクの2%程度までトルク脈動を抑える必要がある。この観点から、図9より、磁束密度を1.5T以下にすれば、トルク脈動を2%以下に低減することができる。そこで、弱め磁束制御を適用しないときにティースの磁束密度が1.7Tであるモータに対して弱め磁束制御を適用した。
【0025】
このときのトルク脈動とティースの磁束密度の変化を図10に示す。図中、cは弱め磁束制御なしの場合であり、dは弱め磁束制御ありの場合である。このデータから明らかなように、弱め磁束制御を行なった場合には、磁束密度が1.4Tまで低減できていることが分かる。さらに、トルク脈動率も2.8%から1.3%まで低減することができた。図11に弱め磁束制御を行なった場合のトルク波形を示す。破線で示す波形が弱め磁束制御なしの場合であり、実線で示す波形が弱め磁束制御ありの場合である。この図から明らかなように、弱め磁束制御を行なった場合には、電気角60度周期のトルク脈動を低減できていることが分かる。
以上のように、永久磁石型モータのティースの磁束密度が1.5T以上のときに磁気飽和の影響が顕著に現れるためトルク脈動が増大する。このようなモータに対して電源電圧が逆起電力(無負荷誘起電圧)と電機子反作用の電圧よりも大きい運転領域においても弱め磁束制御を行なうことにより、ティースの磁束密度を低減することができ、結果として、トルク脈動を低減することができる。
また、モータの体格を大きくすることなく磁束密度を低下させ、トルク脈動の低減を達成できる点は実施の形態1と同様である。
【0026】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態は、実施の形態2をベースとして小型化、低トルク脈動が達成できるモータの固定子鉄心形状を提案するものである。実施の形態2ではティースの磁束密度を1.5T以下にすれば、低トルク脈動を達成できることが分かった。ここでは、ティースの幅と磁極間の幅、空隙長からティースの磁束密度の目安となるパラメータXを定義し、Xによるトルク脈動の大きさについて検討する。
図12にモータの概略構成を断面図で示す。この図において、10は固定子鉄心、10Aはそのコアバック、10Bは同じくティース、11はティース10Bに巻装された電機子巻線、12は回転子シャフト、13は回転子シャフトの周面に装着された複数個の永久磁石で、リング状に形成されている。また、Wtはティースの幅[m]、△は固定子鉄心と回転子との間の空隙長[m]、hmは永久磁石の径方向の厚み[m]、Wmは磁極間の間隔[m]である。
【0027】
永久磁石の残留磁束密度をBr[T]、永久磁石のリコイル比透磁率をμrとして、鉄心の比透磁率が十分大きいという仮定を設けると、空隙磁束密度Bg[T]は次式で与えられる。
【数2】
Figure 0004126992
通常のモータでは永久磁石の発生する磁束は、若干の漏れ磁束はあるが、概ね全ての磁束が固定子鉄心に流れ込むと近似してもよい。このとき、ティース10Bの磁束密度をBt[T]とすれば、
BtWtN=BgWmP ………(2)
が成り立つ。ここで、Nは固定子のティースの数、Pは永久磁石磁極の極数、Wmは磁極間の間隔である。
【0028】
(2)式の左辺のBtWtはティース1本あたり、単位軸長あたりの磁束量を示す。これにティースの数Nを乗じたものがモータの総磁束量となる。
一方、右辺のBgWmは磁極1極あたり、単位軸長あたりの磁束量を示す。
これに、極数Pを乗じたものがモータの総磁束量となる。両者は一致するので(2)式が成立する。図13は、永久磁石がセグメント磁石13Aである場合のモータの概略構成を示す断面図であり、図12と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。いずれもWmをWm=(回転子外径(直径)[m])×π/Pとして定義すればよい。
(1)(2)式から
【数3】
Figure 0004126992
が得られる。
【0029】
これをBrで規格化してパラメータXを次のように定義する。
【数4】
Figure 0004126992
このパラメータXは、ティース10Bの磁束密度が残留磁束密度BrのおおよそX倍となっていることを示している。通常、小型化を目的としたモータは残留磁束密度の高い希土類磁石を用いる。希土類磁石を用いた種々のモータについて、パラメータXとトルク脈動の関係をプロットしたものを図14に示す。
横軸にパラメータX、縦軸に定格トルク発生時のトルク脈動の定格トルクに対する割合[%]を示す。パラメータXが大きいほどトルク脈動率も大きいことが分かる。電動パワーステアリング装置用のモータとして用いるには2%以下のトルク脈動率が必要であることから、モータ形状のみで磁気飽和によって発生するトルク脈動を回避するにはX<1.0とする必要があることが分かる。
【0030】
ここで、具体例として図15、図16に示すモータにて弱め磁束制御の効果を確認する。図15は、図12に対応したリング状の永久磁石を装着した例であり、図16は、図13に対応したセグメント永久磁石を装着した例である。
表1に図15、16のモータの設計諸元の例を示す。
【表1】
Figure 0004126992
【0031】
これらのモータのパラメータXは、いずれもX>1 .0となっている。すなわち、弱め磁束制御を適用しなければ、トルク脈動が大きく電動パワーステアリング用モータとしては適切でないモータとなる。そこで、この2例について弱め磁束制御を適用した場合のトルク脈動とティースの磁束密度の変化を図17に示す。
図中、C1は図15のモータ(8極、12スロツト、X=2.055)で、弱め磁束制御なしの場合であり、d1は同モータで弱め磁束制御ありの場合である。
また、C2は図16のモータ(10極、12スロット、X=1.751)で、弱め磁束制御なしの場合であり、d2は同モータで弱め磁束制御ありの場合である。
双方とも、弱め磁束制御を適用しないと、ティースの磁束密度が1.5Tを超えており、さらにトルク脈動率も2%を超えているが、弱め磁束制御を適用することにより、ティースの磁束密度も下がり、トルク脈動率も2.0%以下となっている。
【0032】
希土類磁石の残留磁束密度は概ね1.2T程度以上であることから、希土類磁石を用いたモータにおいてX>1.0が成り立つとき、電機子反作用磁束も含めればティースの磁束密度が1.5T以上となる。このときに磁気飽和の影響が顕著に現れるため、トルク脈動が増大する。このようなモータに電源電圧が無負荷誘起電圧よりも大きい運転領域においても弱め磁束制御を行なうことにより、ティースの磁束密度を低減することができ、結果として、トルク脈動を低減することができる。さらに、従来例のように、上述の運転領域において弱め磁束制御を適用しない場合には、磁気飽和を回避するためにティースの磁束密度を下げるにはティースを太くする必要があった。結果として、モータの体格が大きくなってしまうという問題点があったが、この実施の形態によれば、モータの体格が大きくなることなくティースの磁束密度を下げることが可能となるため、モータの小型化と低トルク脈動の両立が達成できる。また、設計次第では、弱め磁束制御のために通電するd軸電流による銅損増加分をティースを細くしたことによるコイル断面積増加によって相殺することもできる。
【0033】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態は、良好な操舵フィーリングを得るためにコギングトルクを低減することができる構成を提案するものである。電動パワーステアリング用モータにおいて、コギングトルクを低減するためには、固定子鉄心のパーミアンスの脈動を低減する必要があるため、固定子スロットの開口幅が小さく設計されることが多い。
しかしながら、スロット開口幅が小さくなるとコギングトルクは小さくなるが、逆にトルク脈動が大きくなってしまうという不利な点がある。図18は、スロット開口幅が小さくなるとトルク脈動が大きくなるメカニズムを説明するためのモータの模式図である。この図において、図12と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。また、10Cはスロット開口部、Maは主磁束が通る磁路、Mbは漏れ磁束が通る磁路である。
【0034】
通常、トルクの源となる主磁束はMaで示すように、ティースから空隙を経由して永久磁石13に達する。さらに回転子のシャフト12を通り隣の磁極、空隙、ティース10B、コアバック10Aに至る閉磁路を形成する。しかしながら、このような磁路以外に、回転子に達することのない磁路Mbが存在する。これは漏れ磁路であり、この磁路を通る磁束はトルクには寄与しない。スロット開口部10Cの幅が小さくなると、隣り合うティース間の磁気抵抗が小さくなるため、漏れ磁束が多くなる。漏れ磁束が多くなるとティース10Bを通る磁束が増えて、磁気飽和が発生しやすくなる。これまで説明したようにティース10Bにて磁気飽和が発生するとトルク脈動が増大する。以上が、スロット開口部10Cの幅とトルク脈動との関係である。
【0035】
そこで、モータ体格によらず、スロット開口部10Cの幅による漏れ磁束の発生度合いを示すパラメータとしてa/Wを定義する。ここで、aは図19に示すように、スロット開口部10Cの幅[m]、Wはスロットのピッチ[m]で、
(固定子内径(直径))×(円周率)/スロット数
で定義するものとする。図19は、インナーロータ型のモータの例を示すものであるが、アウタロータ型の場合には、
(固定子外径(直径))×(円周率)/スロット数
としてWを定義する。なお、補助溝が設けられている場合には、スロット数に補助溝は数えないものとする。
【0036】
このパラメータa/Wを変化させたときのコギングトルクとトルク脈動を定格トルクに対する割合で示したものを図20に示す。この図において、E1は弱め磁束制御なしの場合のトルク脈動率、E2は弱め磁束制御ありの場合のトルク脈動率、Fはコギングトルクを示す。まず、コギングトルクについて説明する。
上述したように、スロット開口部10Cの幅が小さい、すなわちa/Wが小さいときには、固定子のパーミアンスの脈動成分が小さくなるためコギングトルクが小さくなる。また、個々の磁極の形状、寸法、磁気特性がばらついた場合にはコギングトルクは大きくなるが、スロット開口幅が小さいほどばらつきの影響は小さくなる。電動パワーステアリング装置用モータでは良好な操舵フィーリングを得るために、代表的なギヤ比から換算すれば、微操舵時に関係するコギングトルクを定格トルクの0.5%以下にする必要があるが、これを満足するためには図20から、a/W<0.13にすればよいことが分かる。一方、トルク脈動については、すでに述べた通りスロット開口幅が小さいほど漏れ磁束が多くなり、固定子鉄心の磁気飽和が発生しトルク脈動が増加してしまう。
【0037】
図20の破線のE1が弱め磁束制御のない場合で、実線のE2が弱め磁束制御を行なった場合である。いずれも、a/Wが小さいほどトルク脈動が大きくなっている。さらに、弱め磁束制御を行なうとトルク脈動が低減されていることも分かる。電動パワーステアリング装置用モータのトルク脈動率は2%以下がよいとされているため、良好な操舵フィーリングを得るためには、0.03<a/Wでなければならないことが分かる。弱め磁束制御によってトルク脈動が低減される上、スロット開口幅が小さくてもトルク脈動が低減されるので、コギングトルクも小さくできる。
以上から、
0.03<a/W<0.13
なる関係があるときに弱め磁束制御を適用すれば、低トルク脈動と低コギングトルクの両立を実現することができる。特に電動パワーステアリング装置用モータに適用すれば、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【0038】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態は、コギングトルクを低減することができるモータの構成を提案するものである。
低コギングトルクが要求される用途のモータには、スキューが施されることが多い。例えば図21に示すように、回転子の永久磁石をスキュー着磁する場合が代表的である。図21において、(a)は固定子鉄心の概略構成を示す斜視図、(b)は回転子の概略構成を示す斜視図で、回転軸を省略している。この図において、10は固定子鉄心、10Aはコアバック、10Bはティース、14は回転子、13は回転子に着磁された永久磁石で、図示のように、N極とS極が交互にスキューが施されて着磁されている。その他、各磁極の磁石自体がスキューを施した形状である場合もあれば、固定子鉄心がスキューされる場合もある。
【0039】
このように、スキューが施されている場合には固定子鉄心の磁束密度分布がモータの軸方向で一様ではない。この点に留意すると、固定子ティースにて磁気飽和が発生している部分が、スキューを施さない場合に比べて大きくなってしまう可能性があることが分かる。これは、コギングトルクを低減するために設けたスキューが負荷時には磁気飽和の原因となり得ることを示している。すなわち、コギングトルク低減のために設けたスキューが負荷時にはトルク脈動の発生を招き、逆効果になることがある。そこで、弱め磁束制御を適用すれば、磁気飽和を緩和することができてトルク脈動を低減することができる。
【0040】
図22に電流の位相を変化させたときのトルク脈動率の変化を示す。電流の位相を変化させるとd軸電流が変化する。図22の横軸は電流位相を電気角で示し、位相が0のときにはd軸電流が流れない。位相が正のときは、永久磁石の磁束を弱める方向にd軸電流が流れる、すなわち弱め磁束制御を行なっている状態である。逆に位相が負のときは、永久磁石の磁束を強める方向にd軸電流が流れている状態を示す。この図から、位相角が0のときにはトルク脈動が2%程度であるが、位相角が大きくなるにつれて、トルク脈動率が下がっていることが分かる。これは、上述の各実施の形態にて説明したように、弱め磁束制御により固定子鉄心の磁気飽和が緩和されたことによるものである。
【0041】
以上のように、スキューが施されたモータに弱め磁束制御を適用すると、軸方向の磁束密度が一様でなく磁気飽和が発生していた部分で磁気飽和が緩和されてトルク脈動が低減されるものである。従来例では、コギングトルク抑制のために施したスキューのために負荷時には逆にトルク脈動が大きくなることがあったが、この実施の形態を適用することにより、負荷時のトルク脈動を低減することができ、低コギングトルクと低トルク脈動の両立が実現できる。特に電動パワーステアリング装置用のモータにおいてはコギングトルク低減のためスキューを施こすことが多いため、この実施の形態によって、負荷時のトルク脈動を低減することができ、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【0042】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。上述の各実施の形態では、弱め磁束制御を適用すると磁気飽和が緩和されて、負荷時のトルク脈動が低減されることを説明した。この実施の形態は、制御を適切に行なう方策を示す。
図23と図24は、モータ電流とトルク脈動率との関係を示す図である。
横軸はモータ電流値であり、縦軸はトルク脈動の定格トルクに対する割合を示す。これらの図において、破線は弱め磁束制御なしの場合であり、実線は弱め磁束制御を適用した場合を示す。電流値が増えると固定子鉄心の磁束密度が次第に上がり、磁気飽和によってトルク脈動が増大する。図23の実線はモータ電流値の大小に関わらず常に弱め磁束制御をした場合を示す。この場合はモータ電流値に関わらず、トルク脈動が低減されている。しかしながら、このような制御では、トルク脈動が小さいときにおいてもd軸電流を通電する必要があり、従って、銅損が増大してモータの発熱が大きくなってしまうという問題点がある。
【0043】
そこで、弱め磁束制御を所定の電流値以上、あるいは所定のトルク指令値以上のみで適用するようにした場合の図が図24である。電流値あるいはトルク指令値が小さいときには弱め磁束制御を適用しないので、破線と実線が重なっているが、所定の電流値、図の例ではモータ電流値が50Aあるいはその電流に対応するトルク指令値において弱め磁束制御に切り換えるため、それ以上の領域では図24の実線で示すトルク脈動が下がっている。このように弱め磁束制御を適用する範囲を限定すれば、無駄なd軸電流を通電して、銅損が増大してしまうということがなくモータの発熱を低減することができる。さらに、モータの回転数に応じて弱め磁束制御を適用するか否かを切り換えるようにしてもよい。例えば、モータの回転数が高く、トルク脈動の周波数も人間がほとんど感じない周波数になるような場合には弱め磁束制御を行なわず、無駄なd軸電流を通電しない。
一方、人間が感じ易い回転数のときには弱め磁束制御を適用しトルク脈動を低減するものである。
【0044】
以上のように、弱め磁束制御を適用する範囲をモータ電流値やトルク指令値などによって限定することで、磁気飽和によって発生するトルク脈動が低減できるものであり、さらに、無駄なd軸電流を通電しないので銅損を低減でき、モータの発熱を低減することができる。従って、電動パワーステアリング装置用モータにおいては、トルク脈動を低減して良好な操舵フィーリングを得ることができる。さらに、エンジンルームなど高温の条件にモータが配置される場合には無駄な発熱を抑制できるため、モータの温度上昇を低減でき、さらには永久磁石の熱減磁を回避することもできる。なお、上述した各実施の形態ではコラムシャフトをモータのトルクによってアシストするコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置について説明したが、ラックをモータのトルクによってアシストするラックアシスト式の電動パワーステアリング装置についても同様に実施することができ、同様の効果が得られることは言うまでもない。また、電動パワーステアリング装置以外の車両用モータやサーボモータ、エレベータ用モータあるいは永久磁石型発電機などに適用しても同様の効果を期待することができる。
【0045】
【発明の効果】
この発明に係る永久磁石型モータは、回転子シャフトの周囲に複数個の永久磁石を装着した回転子および上記回転子を取り囲むように配設され、上記回転子の永久磁石に対向するティースを有する固定子鉄心と、各ティースに巻装された電機子巻線とを有する固定子を備え、上記電機子巻線に印加される電源電圧が永久磁石型モータの逆起電力(無負荷誘起電圧)と電機子反作用分の電圧の和を超える運転領域において弱め磁束制御を行なう永久磁石型モータであって、上記永久磁石を希土類磁石によって構成すると共に、モータの極数をP、固定子ティースの数をN、モータの磁石の厚さをhm、磁極間の幅をWm、磁石のリコイル比透磁率をμr、固定子と回転子との空隙長を△、固定子ティースの幅をWtとした時、以下の式で示されるパラメータXが、X> 1.0 となるようにしたものであるため、ティースの磁束密度を低減することができ、結果としてトルク脈動を低減することができる。
【数3】
Figure 0004126992
【0052】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、上述した構成の永久磁石型モータを具備し、この永久磁石型モータのトルクによって車両のステアリングハンドルの操作をアシストするようにしたものであるため、大型車に適用した場合、車両の燃費改善に寄与することができ、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 弱め磁束制御時の電流ベクトル、電圧ベクトルの関係を示す図である。
【図2】 弱め磁束制御時の電流ベクトル、磁束ベクトルの関係を示す図である。
【図3】 鉄心の起磁力Hと磁束密度Bとの関係を示す特性図である。
【図4】 永久磁石が発生する磁束が磁気飽和によって受ける影響を模式的に示した図である。
【図5】 電機子巻線の電流が発生する磁束が磁気飽和によって受ける影響を模式的に示した図である。
【図6】 磁気飽和によって時間高調波が増大する様子を模式的に示した図である。
【図7】 弱め磁束制御による固定子鉄心ティースの磁束密度の変化を示す図である。
【図8】 弱め磁束制御の有無によるトルク波形の変化を示す図である。
【図9】 固定子鉄心ティースの磁束密度と負荷時のトルク脈動率との関係を示す図である。
【図10】 弱め磁束制御時におけるティースの磁束密度とトルク脈動率の変化を示す図である。
【図11】 弱め磁束制御の有無によるトルク波形の変化を示す図である。
【図12】 リング状の永久磁石を備えたモータの概略構成を示す断面図である。
【図13】 セグメント状の永久磁石を備えたモータの概略構成を示す断面図である。
【図14】 パラメータによる負荷時のトルク脈動率の変化を示す図である。
【図15】 8極、12スロットのモータの構成の例を示す概略図である。
【図16】 10極、12スロットのモータの構成の例を示す概略図である。
【図17】 定格トルク発生時のティースの磁束密度とトルク脈動率との関係を示す図である。
【図18】 固定子鉄心におけるティース間の磁路を説明する説明図である。
【図19】 固定子鉄心のスロットピッチW及びスロット開口幅aを示す説明図である。
【図20】 パラメータa/Wによるトルク脈動率とコギングトルクの変化を示す図である。
【図21】 モータの回転子に対するスキュー着磁の構成を示す図である。
【図22】 弱め磁束制御によるトルク脈動率低減状況を説明するための説明図である。
【図23】 常時、弱め磁束制御を適用した場合におけるモータ電流とトルク脈動率との関係を示す図である。
【図24】 所定電流で弱め磁束制御に切り換える場合におけるモータ電流とトルク脈動率との関係を示す図である。
【図25】 一般的な電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホィール、 2 コラムシャフト、 3 モータ、
4 ウォームギヤ、 5 ハンドルジョイント、
6 ステアリングギヤ、 7 ラック、 8 タイロッド、
V q軸電流だけの時の電圧、 V’ 弱め磁束制御時の電圧、
Id d軸電流、 Iq q軸電流、 10 固定子鉄心、
10A コアバック、 10B ティース、 10C スロット開口部、11 電機子巻線、 12 回転子シャフト、 13 永久磁石、
14 回転子。

Claims (2)

  1. 回転子シャフトの周囲に複数個の永久磁石を装着した回転子および上記回転子を取り囲むように配設され、上記回転子の永久磁石に対向するティースを有する固定子鉄心と、各ティースに巻装された電機子巻線とを有する固定子を備え、上記電機子巻線に印加される電源電圧が永久磁石型モータの逆起電力(無負荷誘起電圧)と電機子反作用分の電圧の和を超える運転領域において弱め磁束制御を行なう永久磁石型モータであって、上記永久磁石を希土類磁石によって構成すると共に、モータの極数をP、固定子ティースの数をN、モータの磁石の厚さをhm、磁極間の幅をWm、磁石のリコイル比透磁率をμr、固定子と回転子との空隙長を△、固定子ティースの幅をWtとした時、以下の式で示されるパラメータXが、X>1.0 となるようにしたことを特徴とする永久磁石型モータ。
    Figure 0004126992
  2. 請求項1記載の永久磁石型モータを具備し、この永久磁石型モータのトルクによって車両のステアリングハンドルの操作をアシストするようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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