JP4126539B2 - 環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法、および環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシート - Google Patents

環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法、および環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状オレフィン系共重合体を含むフィルムまたはシートの処理方法および係る処理法により得られるフィルムまたはシートに関する。さらに詳しくは、特定の環状オレフィン系共重合体および亜リン酸エステルを含むフィルムまたはシートと100〜250℃の、極性化合物および水を含む液体組成物とを接触させて処理することを特徴とするフィルムまたはシートの処理方法、および係る処理方法により得られる透明性、耐熱性、耐薬品性および寸法安定性に優れ、光学部品用途に好適なフィルムまたはシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置あるいはタッチパネルなどの電子機器の高性能化、高密度化あるいは小型化などに伴い、これらに使用される光学用樹脂材料に対して要求される特性、例えば、透明性、耐熱性、耐薬品性あるいは寸法安定性などが、従来に比べて厳しくなることが多くなっている。
【0003】
従来、このような特性を満たす透明性・耐熱性に優れた材料としては、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)を代表とする環状オレフィン系単量体を開環もしくは付加重合して得られる環状オレフィン系樹脂が知られている(特許文献1〜4)。
しかしながら、これら従来の環状オレフィン系樹脂は熱可塑性樹脂であるため、近年の厳しい寸法安定性に対して、しばしば対応できない場合が生じている。また、加工工程において使用される各種薬品に対する耐性も必ずしも十分ではなく、加工方法が限定されてしまう問題もある。
このため、環状オレフィン系樹脂を架橋させて使用し、寸法安定性や耐薬品性の改良を図る提案がなされている。例えば、(メタ)アクリロイル基やエポキシ基を分子構造中に導入した環状オレフィン系樹脂をラジカル重合開始剤やエポキシ基の開環反応開始剤とともに成形し、しかる後、加熱もしくは光照射などの方法で反応させて架橋する方法が知られている(特許文献5および6)。
また、加水分解性シリル基を分子構造中に導入した環状オレフィン系樹脂を成形し、しかる後、熱酸発生剤を併用して加熱して架橋させる方法、光酸発生剤を併用して光照射により架橋させる方法、あるいはシロキサン化合物と触媒を併用し水と反応させる方法が知られている(特許文献7〜9)。
しかしながら、(メタ)アクリロイル基やエポキシ基を分子構造中に導入して架橋させる場合、寸法安定性や耐薬品性の改良効果が得られる程度に架橋させるために必要な量の係る反応性基を樹脂に導入しようとすると、樹脂製造中に係る反応性基が原因となってゲル化することがあり、樹脂の工業的な製造が極めて難しい問題がある。また、架橋させるために併用する反応開始剤もしくはその残さが成形品に残留するため、後加工中もしくは使用中に係る残留物が成形品から揮発もしくはブリードしてきて、加工性が低下したり光学部品としての性能が低下することもある。
一方、反応性シリル基を分子構造中に導入して熱もしくは光酸発生剤を使用する場合、係る酸発生剤と環状オレフィン系樹脂との相溶性が必ずしも良くないため、架橋密度にムラが生じたり透明性などの光学特性に問題が生じたりする場合がある。また、水を使用して架橋させる場合、寸法安定性や耐薬品性の改良効果が得られる程度に架橋させるためには、シロキサン化合物および触媒の併用が必須であり、係る化合物と環状オレフィン系樹脂とを混合した組成物をフィルムまたはシート成形前に調整する必要があるため、係る組成物のポットライフの問題が避けられない。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−115912号公報
【特許文献2】
特開平1−132625号公報
【特許文献3】
特開平1−132626号公報
【特許文献4】
特開平2−133413号公報
【特許文献5】
特願2001−099525号公報
【特許文献6】
特開平10−158337号公報
【特許文献7】
米国特許第5,912,313号明細書
【特許文献8】
国際公開WO98/20394号公報
【特許文献9】
特開2002−114826号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、透明性、耐熱性、耐薬品性および寸法安定性に優れた環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートを得るための処理方法と係る処理方法により得られるフィルムまたはシートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の問題点を解決すべく鋭意検討を進めた結果、加水分解性シリル基を分子構造中に導入した特定の環状オレフィン系共重合体ならびに下記処理温度において酸を発生させる化合物として亜リン酸エステルを含む膜厚が1〜1,000μmのフィルムまたはシートを、100〜250℃の処理温度で下記液体組成物に接触させることにより、透明性、耐熱性、耐薬品性および寸法安定性に優れた環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートが得られることを見出して本発明の完成に至った。また、本発明の方法により得られた環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートは、光学部品用として最適でありガラス代替としても使用できることを見出し本発明の完成に至った。
液体組成物:処理温度において液体であり、かつ0.1MPaの圧力下での沸点が100℃以上であり、処理温度において水と均一液相を形成でき、さらにフィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体を処理温度で溶解することのない化合物であって、ヒドロキシル基、エーテル基、ケトン基、エステル基、スルフォン基、スルフォキシド基、アミノ基、アミド基、ニトリル基および尿素基から選ばれた官能基を少なくとも1つ含む極性化合物、ならびに水を含み、かつ水分含量が500ppm〜50重量%である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
本発明において使用される環状オレフィン系共重合体は、下記式(1)で表される構造単位(a)を全構造単位中に好ましくは70〜99.5モル%、さらに好ましくは80〜99モル%、特に好ましくは90〜97モル%含む。
【0008】
【化3】
Figure 0004126539
【0009】
[式(1)中、A1〜A4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基または炭素数4〜15のシクロアルキル基である。また、A1〜A4には、A1とA2、A1とA3またはA2とA4から形成されるアルキレン基、カルボイミド基、エステル基も含まれる。rは0〜2の整数を示す。]
【0010】
このような構造単位(a)は、下記式(3)で表される環状オレフィン化合物(以下、「特定の単量体(1)」という。)を付加重合することにより、形成される。
【0011】
【化4】
Figure 0004126539
【0012】
[式(3)中、A1〜A4およびrは式(1)における定義と同じである。]
【0013】
式(3)で表される「特定の単量体(1)」の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ドデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロオクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
N−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボイミド、
N−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボイミド、
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5、6−ジ(メトキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
3−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
4−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
5−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−7−エン、
3−メチルトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−7−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−11−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
などが挙げられ、1種または2種以上用いられる。
【0014】
また、
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ブテニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ビニリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−3,9−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4,9−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4,8−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−7,11−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−6,11−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−5,11−ジエン、
などの環状ジオレフィン系化合物を付加重合し、しかる後、側鎖に存在する炭素・炭素不飽和結合を水素化することにより、構造単位(a)とすることができる。
【0015】
これらの「特定の単量体(1)」のうち好ましいものは、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
である。
また、endo体を少なくとも80%以上含有する
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
を用いて付加重合または付加重合および水素化して得られる構造単位(a)を全構造単位(a)中に10モル%以上含むことにより、高い靭性の架橋されたフィルムまたはシートが得られる。
【0016】
本発明において使用される環状オレフィン系共重合体は、A1〜A4が水素原子および/または炭化水素である構造単位(a)の割合が、全構造単位(a)中80モル%以上、好ましくは90モル%以上であると、該共重合体の吸水(湿)性が低くなり、また耐酸性が優れ好ましい。
【0017】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、構造単位(a)とともに、下記式(2)で表される構造単位(b)が必須として含まれる。係る構造単位(b)は下記式(4)で表される環状オレフィン(以下、「特定の単量体(2)」という。)を付加重合することにより形成される。
【0018】
【化5】
Figure 0004126539
【0019】
[式(2)中、B1〜B4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、炭素数4〜15のシクロアルキル基または加水分解性シリル基であり、B1〜B4の少なくとも一つは加水分解性シリル基である。また、B1〜B4には、B1とB3またはB2とB4から形成されるアルキレン基も含まれる。pは0〜2の整数を示す。]
【0020】
【化6】
Figure 0004126539
【0021】
[式(4)中、B1〜B4およびpは式(2)における定義と同じである。]
【0022】
上記式(4)で表される「特定の単量体(2)」の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジメトキシクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシクロロメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジメトキシクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシヒドリドメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジメトキシヒドリドシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシジメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジエトキシクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エトキシクロロメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジエトキシヒドリドシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エトキシジメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エトキシジエチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−プロポキシジメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリプロポキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフェノキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリメトキシシリルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジメチルクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチルジクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジエチルクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルジクロロシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−トリメトキシシリル)エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ジメトキシクロロシリル)エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−トリメトキシシリル)エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−トリメトキシシリル)プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−トリメトキシシリル)プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリエトキシシリルエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ジメトキシメチルシリルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリメトキシプロピルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(3−トリエトキシシリル)プロポキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−トリエトキシシリル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチルジメトキシシリル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
【0023】
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−3’,3’,4’,4’−テトラフェニル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−3’,3’,4’,4’−テトラメチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−フェニル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−エチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’,3’−ジメチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−3’,4’−ジメチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−エチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’,3’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’,4’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’,4’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’,4’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−フェニル−4’,4’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’−フェニル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’−スピロ−シクロヘキシル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’−エチル−4’−ブチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−3’,3’−ジメチル−5’メチレン−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−フェニル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−3’−フェニル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−4’,4’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,7’−ジオキサ−1’−シラシクロヘプチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−[1’−メチル−4’,4’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデカ−3−エン、
8−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]−テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデカ−3−エン、
などが挙げられる。これらの「特定の単量体(2)」は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明の環状オレフィン系共重合体に含まれる構造単位(b)の割合は全構造単位中、好ましくは0.5〜30モル%、さらに好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは3〜10モル%[ただし、構造単位(a)+構造単位(b)=100モル%]である。なお、構造単位(b)の配列は、環状オレフィン系重合体中にランダム状、ブロック状など制限はないが、好ましくはランダム状である。
【0025】
上記構造単位(b)の割合が0.5モル%未満の場合は、加水分解して生成するシロキサン結合の密度が小さく、本発明の処理後、得られるフィルムまたはシートの耐薬品性や寸法安定性が不十分になる場合がある。一方、その割合が30モル%を超えると、シロキサン結合の密度が高すぎ、処理されたフィルムまたはシートが割れやすく靭性のないものとなる場合がある。
【0026】
本発明の環状オレフィン系共重合体には、さらに、「特定のα−オレフィン化合物」や「特定の共役ジエン」を付加重合、または付加重合および水素化して得られる構造単位(c)を導入することができる。
【0027】
このような「特定のα−オレフィン化合物」の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、トリメチルシリルエチレン、トリエチルシリルエチレン、スチレンなどが挙げられるが、好ましくはエチレンである。
「特定の共役ジエン化合物」の具体例として1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエン、シクロペンタジエンである。
これらの化合物は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
「特定のα−オレフィン化合物」に由来する繰り返し単位(c)を重合体に導入することにより、本発明の環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度を制御することができる。本発明の環状オレフィン系共重合体に含まれる繰り返し単位(c)の割合は、環状オレフィン系共重合体の全構造単位中、通常、0〜25モル%、好ましくは0〜20モル%である。なお、繰り返し単位(c)の割合が25モル%を超えると、本発明の環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が180℃未満と低くなり、耐熱性が低下することがあり好ましくない。
【0029】
本発明の環状オレフィン系共重合体の分子量は、ポリスチレン換算で、通常、数平均分子量が10,000〜300,000、重量平均分子量が20,000〜700,000、好ましくは数平均分子量が20,000〜200,000、重量平均分子量が50,000〜500,000、さらに好ましくは数平均分子量が50,000〜150,000、重量平均分子量が100,000〜300,000である。数平均分子量10,000未満、重量平均分子量が20,000未満の場合には、フィルムまたはシートとしたときに靭性に劣り、割れやすいものとなることがある。一方、数平均分子量が300,000、重量平均分子量が700,000を超えると、溶液粘度が高くなり、溶液キャスト法による製膜の作業性や得られたフィルムまたはシートの表面性などが悪くなることがある。
【0030】
また、本発明の環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度は、100〜250℃の水を含む液体組成物に接触させる処理前、すなわち、分子内の加水分解性シリル基が実質的に加水分解せずに残存している状態で180〜450℃、好ましくは200〜400℃である。該共重合体のガラス転移温度が180℃未満の場合は耐熱性が不十分な場合があり、一方、450℃を超えると得られるフィルムまたはシートの靭性がなく割れやすいものとなることがある。
【0031】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、「特定の単量体(1)」を主として用い、架橋形成のために「特定の単量体(2)」を用い、さらに必要に応じてガラス転移温度の制御のために「特定のα−オレフィン化合物」または「特定の共役ジエン化合物」を用いて製造される。
以下、その製造法について説明する。
【0032】
重合触媒としては、下記[1]、[2]、[3]に挙げられるパラジウム、ニッケル、コバルト、チタンおよびジルコンなどの単一錯体触媒や多成分系触媒が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
[1] Pd、Niなどの単一錯体触媒
[Pd(CH3CN)4][BF42 、[Pd(PhCN)4][SbF6]、
[(η3−クロチル)Pd(シクロオクタジエン)][PF6]、
[(η3-crotyl)Ni(cycloocta-1,5-diene)][B(3,5-(CF3)2C6F3)4]、
[(η3-crotyl)Ni(cycloocta-1,5-diene)][PF6]、
[(η3-allyl)Ni(cycloocta-1,5-diene)][B(C6F5)4]、
[(η3-crotyl)Ni(cycloocta-1,5-diene)][SbF6]、
Toluene・Ni(C6F5)2 、Benzene・Ni(C6F5)2 、Mesitylene・Ni(C6F5)2 、Ethylether・Ni(C6F5)2
などが挙げられる。
【0034】
[2] σまたはσ,π結合を有するパラジウム錯体と有機アルミニウムまたは超強酸塩の組み合わせによる多成分系触媒
・ジ−μ−クロロ-ビス(6−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−エンド−5σ,2π)Pdと、メチルアルモキサン(MAOと略す)、AgSbF6、AgBF4、から選ばれた化合物との組み合わせ、
・[(η3−アリール)PdCl]2とAgSbF6またはAgBF4、との組み合わせ、
・[(1,5−シクロオクタジエン)Pd(CH3)Cl]とPPh3とNaB[3,5−(CF3)2C6H34 との組み合わせ、
などの組み合わせが挙げられる。
【0035】
[3] 以下に示した、1)ニッケル化合物、パラジウム化合物、コバルト化合物、チタン化合物またはジルコン化合物から選ばれた遷移金属化合物、2)超強酸、ルイス酸およびイオン性ホウ素化合物から選ばれた化合物、または3)有機アルミニウム化合物、を含む多成分系触媒
【0036】
1)遷移金属化合物
1)−1 ニッケル化合物、パラジウム化合物、コバルト化合物:
・ニッケル、パラジウムまたはコバルトの有機カルボン酸塩、有機亜リン酸塩、有機リン酸塩、有機スルホン酸塩、β−ジケトン化合物などから選ばれた化合物。
例えば、2−エチルヘキサン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、オレイン酸ニッケル、ドデカン酸ニッケル、ドデカン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ドデシルベンゼンスルホン酸ニッケル、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル、ビス(エチルアセトアセテート)ニッケル、2−エチルヘキサン酸パラジウム、ナフテン酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナート)パラジウム、ジブチル亜リン酸パラジウムなど。
・上記のニッケル、パラジウムの有機カルボン酸塩を六フッ化アンチモン酸、四フッ化ホウ素酸、トリフロロ酢酸、六フッ化アセトンなどの超強酸で変性した化合物、
・ニッケルのジエンもしくはトリエン配位錯体。例えば、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、[(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル]ヘキサフロロホスフェート、およびそのテトラフロロボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフロロメチル)]ボレート錯体、(1,5,9−シクロドデカトリエン)ニッケル、ビス(ノルボルナジエン)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルなどのニッケル錯体など。
・ニッケルにP、N、Oなどの原子を有する配位子が配位した錯体。例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロライド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジブロマイド、ビス[N−(3−t−ブチルサリシリデン)フェニルアミネート]ニッケル、Ni[PhC(O)CH](Ph)、Ni(OC(C64)PPh)(H)(PCy3)、Ni[OC(O)(C64)P](H)(PPh3)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルとPhC(O)CH=PPh3との反応物、[2,6−(i−Pr)263N=CHC63(O)(Anth)](Ph)(PPh3)Niなどのニッケル錯体。
(ここで、Anthは9−anthracenyl、Phはphenyl、Cyはcyclohexylの略称である。)
などが挙げられる。
【0037】
1)−2 チタン化合物、ジルコン化合物:
[t-BuNSiMe(Me4Cp)]TiCl2、(Me4Cp)(O-iPr2632TiCl、(Me4Cp)TiCl3、(Me4Cp)Ti(OBu)3、[t-BuNSiMeFlu]TiMe2、[t-BuNSiMeFlu]TiCl2、Et(Ind)2ZrCl2、Ph2C(Ind)(Cp)ZrCl2、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2、 iPr(3-tert-But-Cp)(Ind)ZrCl2、 iPr(Cp)(Ind)ZrCl2、 Me2Si(Ind)2ZrCl2、Cp2ZrCl2、[CpはCyclopentadienl、IndはIndenyl、FluはFluorenylの略称である。]
などが挙げられる。
【0038】
2)超強酸、ルイス酸化合物およびイオン性ホウ素化合物から選ばれた化合物
超強酸としては、例えば、ヘキサフロロアンチモン酸、ヘキサフロロリン酸、ヘキサフロロ砒酸、トリフロロ酢酸、フロロ硫酸、トリフロロメタンスルホン酸、テトラフロロホウ酸、テトラキス(ペンタフロロフェニル)ホウ酸、テトラキス[3,5−ビス(トリフロロメチル)フェニル]ホウ酸、p−トルエンスルホン酸、ペンタフロロプロピオン酸などが挙げられる。
ルイス酸化合物としては、例えば、三フッ化ホウ素とエーテル、アミン、フェノールなどとの錯体、三フッ化アルミニウムのエーテル、アミン、フェノールなどの錯体、トリス(ペンタフロロフェニル)ボラン、トリス[3,5−ビス(トリフロロメチル)フェニル]ボラン、などのホウ素化合物、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムフロライド、トリ(ペンタフロロフェニル)アルミニウムなどのアルミニウム化合物、ヘキサフロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、クロラニル、ヘキサフロロメチルエチルケトン
などのルイス酸性を示す有機ハロゲン化合物、その他、四塩化チタン、ペンタフロロアンチモンなどのルイス酸性を示す化合物などが挙げられる。
イオン性ホウ素化合物としては、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートなどが挙げられる。
【0039】
3)有機アルミニウム化合物
例えば、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサンなどのアルキルアルモキサン化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムフルオライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウム化合物およびハロゲン化アルキルアルミニウム化合物、または上記アルキルアルモキサン化合物と上記アルキルアルミニウム化合物との混合物などが好適に使用される。
【0040】
これら単一錯体触媒または多成分系触媒の成分は、以下の範囲の使用量で用いられる。
ニッケル化合物、パラジウム化合物、コバルト化合物、チタニウム化合物およびジルコニウム化合物などの遷移金属化合物は単量体1モルに対して0.02〜100ミリモル原子、有機アルミニウム化合物は遷移金属化合物1モル原子に対して1〜5,000モル、また超強酸、ルイス酸、イオン性ホウ素化合物は遷移金属化合物の1モル原子に対して0〜100モルである。
【0041】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、上記成分からなる単一錯体触媒または多成分系触媒を用い、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などから、1種または2種以上選ばれた溶媒中で、−20〜120℃の温度範囲で重合を行うことにより得られる。
【0042】
本発明において、水を含む液体組成物と接触させるためのフィルムまたはシートは、溶融押出法、インフレーション法あるいは溶液キャスティング法などの公知の方法で製造されるが、表面性に優れ光学歪みが小さいので溶液キャスティング法により製造されたものが好ましい。
溶液キャスティング法の一般的な工程としては、まず、加水分解性シリル基を含む環状オレフィン系共重合体および溶剤、必要に応じて酸化防止剤あるいはレベリング剤などの添加剤や配合材を含む環状オレフィン系共重合体溶液組成物(以下、「キャスティング用組成物」という。)を調製し、しかる後、金属ベルト、金属ドラムあるいはプラスチックフィルムなどの支持体上にキャスティング用組成物を流延して乾燥し、その後、支持体を剥離し、必要に応じてさらに乾燥する一連の工程が例示できるが、本発明はこの例示に限定されるものではない。
なお、キャスティング用組成物の流延方法(製膜するための塗布方法)は特に限定されるものではなく、はけやブラシを用いた塗布、スプレーによる吹き付け、スクリーン印刷法、フローコーティング法、ダイコーターなどのコーターを用いて塗布する方法、スピンコート法あるいはディッピング法など公知の方法を適用できる。
なお、このようにして得られるフィルムまたはシートの厚みは、乾燥後の膜厚で、通常、1〜1,000μm、好ましくは10〜500μmである。1μm未満ではフィルムとしての強度が低下することがあり好ましくない。一方、1,000μmを超えると、シートとしての透明性が低下することがあり好ましくない。
【0043】
本発明において、環状オレフィン系共重合体のフィルムまたはシートを溶液キャスト法により製造するために用いる溶媒としては、該環状オレフィン系共重合体が溶解し均一相を形成するもの(以下、「良溶媒」ともいう。)であれば特に制限はないが、好ましくは25℃において固形分濃度が10〜30重量%でも均一に溶解できるもので、さらに、1気圧下での沸点が30〜200℃、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜130℃のものである。
【0044】
沸点の低い溶媒は、フィルムまたはシートを形成する際、乾燥しやすいが、溶媒の揮発が速すぎ、表面のムラができやすい。一方、沸点の高い溶媒は、乾燥しにくいがフィルムまたはシートの表面のムラはできにくい。このため、沸点の異なる良溶媒2種以上からなる混合溶媒を用いてもよい。
また、該環状オレフィン系共重合体が析出しない範囲内で、該環状オレフィン系共重合体を溶解しない溶媒(以下、「貧溶媒」ともいう。)を良溶媒に添加してもよい。
【0045】
該共重合体の「良溶媒」、「貧溶媒」は、構造単位、特に構造単位(a)の種類により異なる。
上記良・貧溶媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロペンテン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルなどが挙げられ、本発明の環状オレフィン系共重合体の溶解性により、良溶媒もしくは貧溶媒として使用する。
【0046】
本発明のキャスティング用組成物における環状オレフィン系共重合体の濃度は、5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。該共重合体の濃度が薄いとフィルムまたはシートの厚さの調整が困難であり、濃度が濃すぎると粘度が高くなり、溶液キャスト法による製膜の作業性や得られたフィルムまたはシートの表面性などが悪くなることがある。
【0047】
本発明における環状オレフィン系共重合体溶液の組成物には、所望により、他の樹脂やフェノール系やリン系の酸化防止剤、紫外線防止剤、Si、Ti、Al、Zrなどの酸化物、アルコキシド化合物など配合することができる。また、コート層の表面粗さを小さくするためにはフッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など用いることができる。
これらレベリング剤の添加量は、溶媒と相溶性が良いものが好ましく、キャスティング組成物中の添加量は、1〜50,000ppmの範囲である。
【0048】
本発明において、塗布されたフィルムまたはシートの乾燥方法には特に限定はなく、長時間の放置もあるが、一般的には多段階に乾燥温度を30〜50℃の低温から100〜200℃の高温に昇温する方法が適用される。また、フィルムまたはシートの残留溶媒量が50重量%以下、好ましくは30重量%以下になるまで一次乾燥してフィルムまたはシートを支持体から剥離し、さらに剥離したフィルムまたはシートを二次乾燥して残留溶媒量を1重量%以下にまで低減することが一般的に行われている。
【0049】
本発明においては、上記のようにして製造されたフィルムまたはシートは、加熱された水を含む液体組成物に連続方式またはバッチ方式で接触させることにより処理される。係る処理を施すことにより、環状オレフィン系共重合体に含まれる加水分解性シリル基が加水分解してシロキサン結合を形成し分子間もしくは分子内架橋するため、透明性、耐熱性、耐薬品性および寸法安定性に優れた環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートが得られるものと推察される。
以下に、処理するための具体的方法を例示する。
【0050】
本発明においては、加水分解性シリル基が加水分解してシロキサン結合を形成するための反応を速やかに進行させ、また、強固な架橋構造を得るために、処理温度において酸を発生させる化合物を併用する。係る化合物の具体例としては、下記のb)群に属する化合物を挙げることができるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0051】
b)トリアルキル亜リンエステル、トリアリール亜リン酸エステル、ジアルキル亜リン酸エステル、モノアルキル亜リン酸エステル、次亜リン酸エステルなどの亜リン酸エステルで水または水蒸気の存在下、50〜250℃に加熱することで加水分解し、酸を発生する化合物。
【0052】
これらb)群の化合物は、キャスティング用組成物に予め配合されていて水と接触させるフィルムまたはシートに含有されていており、このように均一な架橋構造を得やすい点でフィルムまたはシート中に含有されている。
なお、係る化合物をキャスティング用組成物に予め配合する場合、b)群の化合物は少量で有効なので好ましい。
これらb)群の化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
上記b)群の化合物をフィルムまたはシートに含有させる場合、本発明の環状オレフィン系共重合体100重量部当たり、0.0001〜5.0重量部、好ましくは0.001〜2.0重量部の範囲でキャスティング用組成物に配合する。
【0054】
さらに、スズ、アルミニウム、亜鉛、チタニウム、アンチモンなどの金属酸化物、アルコキサイド化合物、フェノキサイド化合物、β−ジケトン化合物、アルキル化合物、ハロゲン化合物、有機酸塩化合物、リン酸塩化合物、亜リン酸塩化合物から選ばれた化合物をキャスティング用組成物に配合しフィルムまたはシートに含有させておくことも、架橋反応速度や架橋構造の点では有効である。ただし、これらの化合物をキャスティング用組成物に配合すると、キャスティング用組成物中で架橋反応が進行してゲル化することがあるので、キャスティング用組成物のポットライフの管理が必須となる。
【0055】
本発明において、100〜250℃の水を含む液体組成物を得るための手段は特に限定されるものではなく、加圧して所望する温度の液体の水を得てもよいが、この場合設備が大掛かりになりコスト的な問題が生じることがあるので、モル沸点上昇の原理を応用し常圧で係る高温の水を含む液体組成物を得られるようにすることが好ましい。すなわち、1)処理温度において液体であり、かつ0.1MPaの圧力下での沸点が100℃以上であり、処理温度において水と均一液相を形成でき、さらにフィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体を処理温度で溶解することのない極性化合物と水とを含む液体組成物を用いることで、常圧でも本発明に使用する上記高温の水を含む液体組成物を得ることができる。
なお、本発明は、上記1)極性化合物と後記2)水溶性固体状化合物の併用を制限するものではない。また、以下に上記1)および2)として用いることができる化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されるものでもない。
【0056】
1)処理温度において液体であり、かつ0.1MPaの圧力下での沸点が100℃以上であり、処理温度において水と均一液相を形成でき、さらにフィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体を処理温度で溶解することのない極性化合物としては、
a)n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオール、ノルボルネンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−(トリスヒドロキシメチル)エタン、2−(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,2,3−トリヒドロキシヘキサン、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,2,3−ヘプタントリオール、ペンタエリスリトール、
などのモノまたはポリオール化合物。
【0057】
b)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、数平均分子量200〜600の液状ポリエチレングリコール、テトラフルフリルアルコール、グリセリン−1−メチルエーテル、グリセリン−2−メチルエーテル、グリセリン1,2−ジメチルエーテル、グリセリン1,3−ジメチルエーテル、グリセリン−2,3−ジエチルエーテル、1,2−メチレングリセリン、グリセリン−1−ビニルエーテル、重合度1〜5のポリプロピレングリコール、重合度1〜8のポリエチレングリコールの炭素数が12〜22のアルキルエーテル、重合度1〜10のポリエチレングルコールのアルキルフェニルエーテル、
などのエーテル結合を含むモノまたはポリオール化合物。
【0058】
c)シネオール、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、グリセリントリメチルエーテル、グリセリントリエチルエーテル、
などのエーテル化合物。
【0059】
d)2−ヘキサノン、2−ペンタノン、4−ペンタノン、イソブチルケトン、アセチルアセトン、イソホロン、シクロヘキサノン、3−メチルヘキサノン、アセトフェノン、
などのケトン化合物。
【0060】
e)ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、蓚酸ジエチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、ホウ酸トリブチル、エチレングリゴールの脂肪酸エステル、重合度2〜10のポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、
などのエステル化合物。
【0061】
f)スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、
などのニトリル化合物。
【0062】
g)ジブチルアミン、2−ヘキシルアミン、アニリン、o−トルイジン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、
などのアミン化合物、アミド化合物、および尿素化合物。
【0063】
h)ジメチルスルホキシド、スルホラン、
などの含イオウ化合物などが挙げられる。
【0064】
これらのうち、0.1MPaでの沸点が100〜300℃であり、水とほぼ任意の割合で均一相を形成し、かつ加水分解性の少ないポリオール化合物およびエーテル結合を含むモノまたはジオール化合物が好ましい。また、エステル化合物、特にリン酸エステルは、加水分解するため単独で使用することには難がある場合があるが、加水分解して酸を発生するため、ポリオール化合物またはエーテル結合を含むモノまたはポリオール化合物と併用すると有効である。
【0065】
2)水溶性固体状化合物としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムあるいは硫酸アンモニウムなどの無機酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウムなどの有機酸塩、数平均分子量800〜20,000のポリエチレングリコール、蔗糖、澱粉などの多糖類などが挙げられる。
【0066】
これらのうち、水溶液中で金属イオンやハロゲンイオンを発生させる化合物は、係るイオンが架橋されたフィルムまたはシートに残留する場合があり、係る残留イオンが光学部品としたときにその特性や耐久性などに悪影響を及ぼすことがあるので、使用が制限される場合がある。このため、有機酸のアンモニウム塩や蔗糖、澱粉などの多糖類などが好ましく用いられる。
【0067】
本発明の処理に際し、上記1)の化合物を用いる場合は、液体組成物中の水分含量は500ppm〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。上記1)の化合物の水分含量が500ppm未満の場合、加水分解性シリル基の加水分解により形成されるシロキサン結合の量が少なく架橋密度低く本発明の効果が得られない場合が生じることがあり、一方、50重量%を超えると、1)の化合物の種類、処理系の圧力にもよるが、水の沸騰が起こり処理温度が上がりにくくなって長時間の処理時間が必要となることがある。
なお、上記2)の水溶性固体状化合物を用いる場合は、液体組成物中の固体含量が5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。上記2)の水溶性固体化合物の含量が5重量%未満では処理温度が上がりにくくなって長時間の処理時間が必要となることがあり、一方、70重量%を超えると溶解性が低下して均一な液体相となりにくくなったり、粘度が上昇して作業性が悪くなることがある。
【0068】
本発明において、フィルムまたはシートを処理するために接触させる液体組成物の温度としては、通常、100〜250℃、好ましくは120〜200℃であるが、フィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体の処理前のガラス転移温度(Tg)よりも低いことが好ましい。フィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体の処理前のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で接触させると、フィルムまたはシートに変形が生じたり表面性が悪化することがある。
上記高温の液体組成物とフィルムまたはシートを接触させる方法としては、特に限定されるものではなく、上記高温の液体組成物が満たされた槽に浸漬する方法、シャワー状にして上記高温の液体組成物を吹き付ける方法などがある。また、接触させる時間は、処理前のフィルムまたはシートに含有される添加物、水に配合される化合物、あるいは処理温度により異なるが、通常、0.5分〜10時間である。さらに、係る接触はバッチ式で実施してもよく、連続式で実施してもよい。
【0069】
本発明においては、上記高温の液体組成物接触処理を実施している最中に外部から周波数300メガヘルツ〜300ギガヘルツのマイクロ波を照射することにより、短時間で目的とするフィルムまたはシートを得ることができ好ましい。これは、係るマイクロ波照射により、環状オレフィン系共重合体に含まれる加水分解性シリル基が加水分解してシロキサン結合を形成し分子間もしくは分子内架橋する反応が促進されるためと推察される。
【0070】
本発明においては、上記高温の液体組成物接触処理実施後、処理されたフィルムまたはシートを洗浄し乾燥することが好ましい。洗浄するにあたっては、通常、精製水もしくはメタノール、エタノールなどの炭素数1〜3の精製されたアルコール、あるいはこれらの混合溶媒を用いることが多いが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
本発明の方法により処理されたフィルムまたはシートは、光学部品用として有用であり、また、電子・電気部品、包装材料にも使用することができる。なかでも、TFT型LCD、STN型LCD、PDPなどの表示ディバイスの基板などの部品、導光板、保護フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極基板、CD、MD、DVDなどの光学記録基板などに用いられる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限を受けるものではない。なお、環状オレフィン系重合体の分子量、ガラス転移温度、フィルムまたはシートの全光線透過率、引っ張り強度・伸び、および残溶媒量は下記の方法で測定した。
【0073】
(1)分子量
ウォーターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)装置で東ソー(株)製Hタイプカラムを用い,o−ジクロロベンゼンを溶媒として120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)全光線透過率
ASTM−D1003に準拠し、厚さが150±10μmのフィルムにして、全光線透過率を測定した。
(3)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、動的粘弾性で測定されるTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比 Tanδ=E”/E’)の温度分散のピーク温度で測定した。
動的粘弾性の測定は、レオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmのものを用いてTanδのピーク温度を測定した。
(4)残溶媒量分析
トルエン以外の残留溶媒量を測定する場合、1gのフィルムをトルエン20mLに溶解または膨潤させて、フィルム中の残留溶媒を抽出し、ガスクロマトグラフィー装置HP−5890(ヒューレット・パッカード社製)にカラムとしてPoraplotQ(ヒューレット・パッカード社製)装着して残留溶媒量を測定した。
また、フィルム中の残留トルエン量を測定する場合には、1gのフィルムをシクロヘキサン20mLに溶解または膨潤させて、前記同手法で測定、定量した。
(5)膨潤度
縦4cm、横4cmのフィルムを架橋前のフィルムが溶解する溶媒に3時間、25℃にて浸漬して、浸漬前後のフィルムの重量を測定して、下記式から求めた。
膨潤度(%)=(浸漬後の重量/浸漬前の重量)×100
(6)引っ張り特性(引っ張り強さ、伸び)
JIS K7118に準じて、試験片を引っ張り速度3mm/min.で測定して、引っ張り強さ、伸びを測定した。
(7)耐溶剤性、耐酸性
縦2cm、横2cmのフィルムをジメチルスルホキシド(DMSO)、γ−ブチロラクトン(BL)の溶媒およびフッ酸に25℃、1時間浸漬して、下記の判定をした。
○:膨潤せず形も崩れない。
△:膨潤するが形が崩れない。
×:膨潤し形も崩れる。
(8)耐液晶性
縦2cm、横2cmのフィルム片に対してネマチック型液晶(メルク社製MLC−6221)を一滴(約20mg)滴下し、150℃で1時間加熱した後、フィルムまたはシート表面を下記の判定をした。
○:滴下表面が白濁、変形がない。
△:滴下表面の白濁、変形がわずかである。
×:滴下表面が白濁または変形する。
(9)線膨張率の測定法
TMA(Thermal Mechanical Analysis)SS6100(セイコーインスツルメント社製)を用い、試験形状として、膜厚150μm、縦10mm、横10mmにしたフィルム片を直立、固定し、プローブにより、1g重の荷重をかける。フィルムの熱履歴を除去するため、室温から200℃まで5℃/min.で一旦昇温した後、再度、室温から5℃/min.で昇温し、50℃〜150℃でのフィルム片の伸びの傾きから線膨張率を求めた。
【0074】
参考例1(未処理フィルムAの作製)
単量体としてビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 750ミリモル(70.5 g)、endo含有量が95モル%のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン 475ミリモル(63.6 g)、5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25ミリモル(6.4 g)を溶媒としてシクロヘキサン562g、塩化メチレン141g、分子量調節剤としてスチレン 15.0ミリモルを2,000mLの反応容器に窒素下で仕込んだ。予めヘキサン溶液のオクタン酸Niを六フッ化アンチモン酸と−10℃でモル比1:1で反応させ、副生する沈殿したNi(SbF62を除去し、トルエン溶液で希釈したオクタン酸Niの六フッ化アンチモン酸変性体をNi原子として0.25ミリモル、トリエチルアルミニウム2.50ミリモル、三フッ化ホウ素エチルエーテラート0.75ミリモルを仕込み、重合を行った。15℃で3時間重合を行い、メタノールで重合を停止した。単量体の共重合体への転化率は85%であった。
【0075】
共重合体溶液に水660mL、乳酸47.5ミリモルを加えて、攪拌、混合して触媒成分と反応させ、共重合体溶液と水を静止分離した。触媒成分の反応物を含む水相を除去した共重合体溶液を3Lのイソプロピルアルコールに入れて共重合体を凝固し、未反応単量体と残る触媒残さを除去した。凝固した共重合体を乾燥し、共重合体Aを得た。
【0076】
共重合体溶液中の未反応単量体のガスクロマトグラフィー分析から、共重合体A中のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンに由来する構造単位の割合は35モル%、であった。5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する構造単位の割合は2.0モル%であった。共重合体Aのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は142,000、重量平均分子量(Mw)は284,000で、Mw/Mnは2.0であった。また、共重合体Aのガラス転移温度は390℃であった。
【0077】
共重合体A 10gを、メチルシクロヘキサン30mLと、トルエン20mLの混合溶媒に溶解して、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ、共重合体100重量部に対して0.6重量部、亜リン酸トリブチルを共重合体100重量部に対して、0.05重量部を添加した。
この共重合体溶液を孔径10μmのメンブランフィルターで濾過し、異物を除去した後、25℃でポリエステルフィルム上にキャストし、徐々に雰囲気の温度を80℃まで上げ、溶媒を蒸発させその後剥離して、フィルム中の残留溶媒が3重量%の膜厚が150μmの未処理フィルムAを得た。
【0078】
参考例2(未処理フィルムBの作製)
参考例1にて単量体として、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 975ミリモル、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 250ミリモル、5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25ミリモルを用いる以外、参考例1と同様にして共重合体Bを得た。共重合体溶液中の未反応単量体のガスクロマトグラフィー分析から、共重合体B中の5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する構造単位の割合は18.0モル%、5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する構造単位の割合は2.0モル%であった。共重合体Bのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は157,000、重量平均分子量(Mw)は329,000で、Mw/Mnは2.1であった。また、共重合体Bのガラス転移温度は370℃であった。
共重合体Bを参考例1の共重合体Aと同様に処理して、残留溶媒が3重量%の膜厚が150μmの未処理フィルムBを得た。
【0079】
参考例3(未処理フィルムCの作製)
参考例1にて、単量体としてビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 650ミリモル、endo含有量が99モル%のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン 475ミリモル、5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25ミリモル、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン 100ミリモルを用いる以外、参考例1と同様に重合を行った。単量体の共重合体への転化率は80%であった。共重合体溶液中の未反応単量体のガスクロマトグラフィー分析から、共重合体中のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンに由来する構造単位の割合は33モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンに由来する構造単位の割合は7.0モル%、5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する構造単位の割合は2.0モル%であった。
この重合体30gをシクロヘキサンに500mLに溶解して、RuHCl(CO)〔PPh33触媒をRuとして、共重合体に対して70ppm添加して、水素圧10MPa、温度150℃で4時間、水素化を行ない、共重合体Cを得た。
共重合体の炭素・炭素二重結合の水素化率は270MHzのプロトンNMR(核磁気共鳴装置)から測定し、99.8%であった。共重合体Cのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は107,000、重量平均分子量(Mw)は225,000で、Mw/Mnは2.1であった。また、共重合体Cのガラス転移温度は380℃であった。
共重合体Cを用いて参考例1の共重合体Aと同様に処理して、残留溶媒が3重量%の膜厚が150μmの未処理フィルムCを得た。
【0080】
実施例1
コンデンサー付きの500mLのフラスコに、室温の3重量%の水分を含むグリセリン200mLを入れ、縦5cm、横3cmの未処理フィルムAをグリセリンに浸漬した。その後オイルバスで加温して150℃で1時間フィルムを処理した。処理後フィルム表面をメタノールで洗浄し、さらにメタノール200mL中に室温で1時間浸責した。その後、100℃で2時間真空乾燥して処理されたフィルムA−1を得た。フィルムA−1の評価結果を表1に示す。なお、フィルムA−1の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0081】
実施例2
3重量%の水分を含むグリセリンの代わりに8重量%の水分を含むグリセリンを用いる以外は実施例1と同様の方法で処理し、処理されたフィルムA−2を得た。フィルムA−2の評価結果を表1に示す。なお、フィルムA−2の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0082】
実施例3
3重量%の水分を含むグリセリンの代わりに3重量%の水分を含むN−メチルピロリドンを用いる以外は実施例1の方法で処理し、処理されたフィルムA−3を得た。フィルムA−3の評価結果を表1に示す。なお、フィルムA−3の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0083】
実施例4
3重量%の水分を含むグリセリンの代わりに3重量%の水分を含むジエチレングリコールジエチルエーテルを用いる以外は実施例1と同様の方法で処理し、処理されたフィルムA−4を得た。フィルムA−4の測定結果を表1に示す。なお、フィルムA−4の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0084】
実施例5
未処理フィルムAの代わりに未処理フィルムBを用いる以外は実施例1と同様の方法で処理し、処理されたフィルムB−1を得た。フィルムB−1の評価結果を表1に示す。なお、フィルムB−1の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0085】
実施例6
未処理フィルムAの代わりに未処理フィルムCを用いる以外は実施例1と同様の方法で処理し、処理されたフィルムC−1を得た。フィルムC−1の評価結果を表1に示す。なお、フィルムC−1の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0086】
実施例7
未処理フィルムAを、コンデンサー付きの500mLのフラスコに入れた3重量%の水分を含む70℃のグリセリンに浸漬し、その後2.45ギガヘルツのマイクロ波を3分間照射した。マイクロ波照射終了後、フィルムを取り出して実施例1と同様にメタノールで洗浄処理した。なお、マイクロ波照射直後のグリセリンの温度は180℃であった。得られたフィルムA−5の評価結果を表1に示す。
なお、フィルムA−5の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0087】
実施例8
3重量%の水分を含むグリセリンの代わりに水分15重量%とデンプン5重量%を含むグリセリンを用いる以外は実施例1と同様の方法で処理し、処理されたフィルムA−6を得た。フィルムA−6の評価結果を表1に示す。なお、フィルムA−6の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0088】
比較例1
縦5cm、横3cmの未処理フィルムAをメタノール200mL中に室温で1時間浸漬した。その後、100℃で2時間真空乾燥してフィルムA−7を得た。
フィルムA−7の評価結果を表1に示す。なお、フィルムA−7の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0089】
比較例2
90℃の水に未処理フィルムAを浸責する以外は実施例1と同様の方法で処理し、処理されたフィルムA−8を得た。フィルムA−8の評価結果を表1に示す。
なお、フィルムA−8の残留溶媒は1,000ppm以下であった。
【0090】
【表1】
Figure 0004126539
【0091】
液晶:メルク社製 MLC−6221
CHX:シクロヘキサン
DMSO:ジメチルスホキシド
BL:γ−ブチロラクトン
【0092】
【発明の効果】
本発明の方法によって得られる環状オレフィン系付加共重合体を含むフィルムまたはシートは、高耐熱性、高透明性を有し、耐薬品性、寸法安定性、引っ張り特性に優れる。これらフィルムまたはシートは、TFT型LCD、STN型LCD、PDPなどの表示デバイス用基板、導光板、保護フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極基板、CD、MD、DVDなどの光学記録基板などの光学材料用途や電子・電気部品に有用である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される構造単位(a)および下記式(2)で表される構造単位(b)を含む数平均分子量が10,000〜300,000の環状オレフィン系共重合体ならびに下記処理温度において酸を発生させる化合物として亜リン酸エステルを含む膜厚が1〜1,000μmのフィルムまたはシートを、100〜250℃の処理温度で下記液体組成物に接触させることを特徴とする環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
    液体組成物:処理温度において液体であり、かつ0.1MPaの圧力下での沸点が100℃以上であり、処理温度において水と均一液相を形成でき、さらにフィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体を処理温度で溶解することのない化合物であって、ヒドロキシル基、エーテル基、ケトン基、エステル基、スルフォン基、スルフォキシド基、アミノ基、アミド基、ニトリル基および尿素基から選ばれた官能基を少なくとも1つ含む極性化合物、ならびに水を含み、かつ水分含量が500ppm〜50重量%である。
    Figure 0004126539
    [式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基または炭素数4〜15のシクロアルキル基である。また、A〜Aには、AとA、AとAまたはAとAから形成されるアルキレン基、カルボイミド基、エステル基も含まれる。rは0〜2の整数を示す。]
    Figure 0004126539
    [式(2)中、B〜Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、炭素数4〜15のシクロアルキル基または加水分解性シリル基であり、B〜Bの少なくとも一つは加水分解性シリル基である。また、B〜Bには、BとBまたはBとBから形成されるアルキレン基も含まれる。pは0〜2の整数を示す。]
  2. 亜リン酸エステルの配合量が、上記環状オレフィン系共重合体100重量部当たり、0.0001〜5.0重量部である請求項1記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  3. 処理温度において液体であり、かつ0.1MPaの圧力下での沸点が100℃以上であり、処理温度において水と均一液相を形成でき、さらにフィルムまたはシートに含まれる環状オレフィン系共重合体を処理温度で溶解することのない極性化合物が、ポリオール化合物およびポリエーテル化合物から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2に記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  4. 環状オレフィン系共重合体中の構造単位(b)の割合が、環状オレフィン系共重合体中の全構造単位中0.5〜30モル%である請求項1〜3いずれかに記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  5. 環状オレフィン系共重合体中の構造単位(a)の割合が、環状オレフィン系共重合体中の全構造単位中70〜99.5モル%である請求項1〜4いずれか1項に記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  6. 環状オレフィン系共重合体が、A〜Aが水素原子および/または炭化水素基である構造単位(a)を全構造単位(a)中80モル%以上含有するものである請求項1〜5いずれか1項に記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  7. 環状オレフィン系共重合体が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン由来の構造単位(a)を全構造単位(a)中10モル%以上含む請求項1〜6いずれか1項に記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  8. 上記液体組成物に接触させる処理前の環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度が180〜450℃である請求項1〜7いずれか1項に記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
  9. 周波数300メガヘルツから300ギガヘルツのマイクロ波を照射する請求項1〜8いずれか1項に記載の環状オレフィン系共重合体系フィルムまたはシートの処理方法。
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