JP4126373B2 - ヒートミラー及びその性能評価法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
太陽エネルギーを制御する窓材としてヒートミラー、又は低放射ガラス、熱線反射ガラスといった、ガラス上に薄膜構造を作製した透明板状材料が開発され、一部市販され始めている。ヒートミラーの特徴としては、可視光領域で透過率が高く、赤外光領域で反射率が高いといった光学特性にある。そのため、太陽エネルギーのうち、可視光は室内に導入し、余分な赤外光は反射してしまうという利点を有し、可視光を導入することによって照明負荷を低減し、赤外光を反射することによって熱の流入を抑制し冷房負荷を低減するといった効果がある。当該材料を用いることによる省エネルギー効果についても見積もられている。一方、光触媒は環境浄化等に対する有効性が最近見出され、この特徴を生かした各種製品が市販されるようになってきている。
本発明は、ヒートミラーによる太陽エネルギー制御技術あるいは光触媒による環境浄化技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒートミラーで要求される光学的性能は、波長380nmから760nmの可視光の波長領域で透過率が高く、それより波長の長い赤外領域で反射率が高いといった性能である。この要求は、これまで錫をドープした酸化インジウムやアルミニウムをドープした酸化亜鉛などの酸化物半導体をガラス基板上に作製したものや、金、銀、銅、アルミニウムといった貴金属や窒化チタン、窒化ジルコニウムといった金属状窒化物を遷移金属酸化物からなる反射防止膜ではさんだものをガラス基板上に作製することによって実現されてきた。特に、窒化チタン薄膜を2枚の二酸化チタン薄膜で挟んだ構造をガラス基板上に作製したもの(以後、TiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラーと略称)は、光学特性が安定であることやスパッタリングを用いれば比較的容易に作製できること(非特許文献1)から注目を集めている。
【0003】
薄膜を用いたヒートミラーの設計方法として、膜厚、物質を含めた適当な多層薄膜構造を仮定し、薄膜光学を用いて分光反射率と分光透過率を計算し、その結果得られた透過・反射スペクトルが目的に合致したものであるかどうかを判断するといった方法がとられることが多い。しかしながら、本方法では、計算によって得られた透過・反射スペクトルといった図を目視によって確認することが必要であり、計算機によって自動的に最適の設計を見出すことは困難であった。また、図ではなく、数値を得る方法としては、JIS R 3221「熱線反射ガラス」に規定されているが、それによるとJIS R 3106「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準じ、日射透過率及び日射吸収率といった可視光透過率に関する数値、また日射熱取得率といった可視から赤外にわたる光エネルギー透過率に関する数値の二つの数値を同時に評価する必要がある。これにおいても複数の数値の同時評価が必要であり、やはり計算機による自動最適設計には不向きである。更に、この規格は建築物の窓を想定したものであり、ヒートミラーを材料として開発する場合には必ずしも適当な規格ではない。
【0004】
また、既存のヒートミラーの性能を評価するためにも上記の測定を行い、やはり図の目視確認又は二つの数値の同時評価によって行われてきた。そのため、その評価は恣意的にならざるをえず、可視領域での透過スペクトルと赤外領域での透過スペクトルの形状等から、遮熱型、透過型等の任意の名称による性能の分類がなされてきた。しかしながら、こういった方法は、波長に対し、連続的に分布する太陽光強度を考慮すると客観的とは言えず、必ずしも適当なヒートミラーの評価方法ではない。
以上のような状況において、材料としてのヒートミラーを設計する場合、可視光透過率と赤外反射率等の二つの数値を別々に設定することは、試作、評価の段階においても煩雑であり、ある一つの数値でヒートミラーの性能を表現する方法が嘱望されていた。
【0005】
また、TiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラーにおいて、可視光の透過率を増大させる反射防止膜として用いられる二酸化チタンは、最近では、可視光領域での透明性(非特許文献2)や、機械的、化学的耐久性(非特許文献3)とともに、優秀な光触媒特性のために注目を集めている。二酸化チタンは、光触媒活性、安全性、コスト、資源の点から見て、もっとも適当な光触媒であると考えられる(非特許文献4)。特に、光触媒二酸化チタンを用いた自己洗浄性や曇防止機能を有する窓が建築関係や自動車用に開発され、その製品は一部分実用化されているところである。
これらの点から言って、TiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラーの最外層は反射防止的機能を有するとともに、光触媒機能を有すると期待される。
【0006】
しかしながら、光誘起親水性やメチレンブルー溶液の光脱色性といった二酸化チタン薄膜の光触媒性能は、膜の厚さに大きく依存していることが知られている(非特許文献5)。また、本発明者らも図1に示すように、紫外光励起の二酸化チタン薄膜によるガス状アセトアルデヒドの光分解効率が300nmの厚さまで膜厚に依存し、300nmの膜厚以上では、一定になることを確認した。
一方、ヒートミラーの最外層の厚さはヒートミラーの最適の性能を得るためには、30から45nm程度が有効であることがわかっているが、この値は、例えば、ガス状アセトアルデヒドの分解に対しては、薄すぎる。光触媒の機能を持たせるためには、最外層二酸化チタンの厚さは上で述べたように、少なくとも数百nmでなければならない。
【0007】
【非特許文献1】
M. Georgson, A. Roos and C.-G. Ribbing, The influence of preparation conditions on the optical properties of TiN based solar control films, J. Vac. Sci. Technol. A 9, 2191 - 2195, 1991
【非特許文献2】
K. N. Rao and S. Mohan, Optical properties of electron-beam evaporated TiO2 films deposited in an ionized oxygen medium, J. Vac. Sci., Technol. A 8, 3260 - 3264, 1990
【非特許文献3】
S. Takeda, S. Suzuki, H. Okada and H. Hosono, Photocatalytic TiO2 thin film deposited onto glass by DC magnetron sputtering, Thin Solid Films, 392, 338 - 344, 2001
【非特許文献4】
A. Fujishima and K. Honda, Electrochemical photolysis of water at a semiconductor electrode, Nature, 238, 37 - 38, 1972
【非特許文献5】
K. Takagi, T. Makimoto, H. Hiraiwa and T. Negishi, Photocatalytic, antifogging mirror, J. Vac. Sci. Technol. A 19, 2931 - 2935, 2001
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、ヒートミラーの性能を唯一の数値、又は関数で表現する方法を見出すことを目標として鋭意研究を重ねた結果、用途に応じてパラメータを変化させることにより、唯一の数値でヒートミラーの性能を表す評価関数を得た。
また、光触媒とヒートミラーとの関係における、上記従来技術に鑑みて、光触媒特性を示すに十分な最外層二酸化チタンの膜厚を有し、かつ可視光領域で透過率が高く赤外光領域で反射率が高いTiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラーを開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、最外層の厚さを350から400nmとした薄膜材料が、光触媒効果を有するヒートミラーとして有用であることを見出し、本発明を完成した。本発明は、上記に鑑みて提案されたものであり、最外層の二酸化チタン薄膜の膜厚が350から400nmであることを特徴とする光触媒ヒートミラーを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)可視領域で透過率が高く、赤外領域で反射率が高い特徴を有するヒートミラーの性能を評価する方法であって、
以下の式(1)
【0010】
【化4】
Figure 0004126373
【0011】
ただし、c1 とc2 は定数であって、次式(2)を満足し、
1 +c2 =1,0<c1 ,c2 <1 (2)
vis は、可視領域での分光透過率の平均値であり、次式(3)で示され、
【0012】
【化5】
Figure 0004126373
【0013】
T(λ)は分光透過率であり、D(λ)とV(λ)は、太陽光強度の分光分布及び明順応標準比視感度であり、Rirは、赤外領域での分光反射率の平均値であり、次式(4)で示される、
【0014】
【化6】
Figure 0004126373
【0015】
で算出される評価値HMを評価関数としてヒートミラーの光学特性を評価することを特徴とするヒートミラーの性能評価方法。
(2)可視光透過率と赤外光反射率のいずれを重視するかによって、上記パラメータc、cを変化させることを特徴とする前記(1)記載の評価方法。
(3)前記(1)記載の式(1)及びその各項の定義に基づいて所定の光学特性を有するヒートミラーを設計し、作製することを特徴とするヒートミラーの作製方法。
(4)前記(3)記載の方法により作製された3層薄膜構造を有するヒートミラーであって、1)該薄膜構造は、最外層二酸化チタン、中間層窒化チタン、最内層二酸化チタンからなる、2)式(1)におけるHM値が0.3より高く、c、cの値が、c+c=1,0<c,c<1の範囲で可視光透過率重視ないし赤外反射率重視に設計されている、3)ヒートミラーの最外層に、膜厚350nmから400nmの光触媒特性をもつアナターゼ型酸化チタン層が形成されている、4)可視領域で透過率が高く、赤外領域で反射率が高い光学特性と光触媒機能を併せ持つ、ことを特徴とするヒートミラー。
(5)波長380から760nmの範囲で高い平均透過率を有し、赤外光領域で高い反射率を有することを特徴とする前記(4)記載のヒートミラー。
(6)前記ヒートミラーは、透明基材上に、屈折率が少なくとも2.0の二酸化チタン層と、窒化チタン層と、屈折率が少なくとも2.0の二酸化チタン層とを、この順に交互に2n+1(nは正の整数)層堆積されたTiO/TiN/TiO型積層体からなり、更には最外層の二酸化チタン層はアルデヒドガスを分解する大きな光触媒機能を有することを特徴とする前記(4)記載のヒートミラー。
(7)ポリカーボネート、食品包装用ラップフィルム、PMMA、又はPETを透明基材として用いた複合構造体であることを特徴とする前記(4)記載のヒートミラー。
(8)前記(4)から(7)のいずれか1項に記載のヒートミラーを構成要素として含むことを特徴とする構造部材。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
ヒートミラーは、太陽光の波長領域のうち、可視領域で高い透過率、赤外領域で高い反射率を有する必要がある。そのため、本発明では、評価関数として、次式を定義する。ここで、評価値HMが高い値であればあるほどヒートミラーとしての性能が高いことになる。
【0017】
【化7】
Figure 0004126373
【0018】
ただし、c1 とc2 は定数であって:次式を満足する。
1 +c2 =1,0<c1 ,c2 <1 (2)
vis とRirは、ここでの可視光透過率及び赤外光透過率の定義であり、以下のように可視領域での分光透過率の平均値と赤外領域での分光反射率の平均値である。
vis については、次のように定義した。
【0019】
【化8】
Figure 0004126373
【0020】
ただし、T(λ)は分光透過率である。また、D(λ)とV(λ)は、太陽光強度の分光分布及び明順応標準比視感度である。
irについては、次のように定義した。
【0021】
【化9】
Figure 0004126373
【0022】
ただし、R(λ)は分光反射率である。
ヒートミラーは、高い可視光透過率と高い赤外光反射率を同時に満たす必要がある。そこで、式(1)の第1項、第2項を採用した。しかしながら、第1項と第2項だけでは可視光透過率だけ又は赤外光反射率だけが高い場合にも高い値となる可能性がある。従って、可視光透過率と赤外光反射率のバランスをとるため、両者の差の絶対値を差し引いた。これにより、可視光透過率と赤外光反射率がともに高いヒートミラーを高性能なヒートミラーと評価することができる。一方、光学特性には透過率、反射率のほかに吸収率がある。これについても考慮する必要があるか検討を行ったが、ヒートミラーの性能は、可視光透過率と赤外光反射率で評価すべきであり、例えば、可視光透過率が低い場合の原因が、可視光反射率にあったとしても、あるいは可視光吸収率にあったとしてもヒートミラーの性能に影響を及ぼさないため、可視光透過率と赤外光反射率を考慮すればよい。
【0023】
可視光透過率は、式(3)によって定義される。ヒートミラーは、太陽光のうち、可視光を選択的に透過するという特長を有するが、照明負荷の低減といった省エネルギー効果を念頭に置くとき、利用者の視感度も考慮すべきである。従って、太陽光強度の分光分布と標準比視感度の積による透過率の加重積分によって定義した。
赤外光反射率は、式(4)によって定義される。ヒートミラーは、太陽光のうち、赤外光を選択的に反射するという特長を有するが、冷房負荷の低減といった省エネルギー効果を念頭に置くとき、太陽光強度の分光分布も考慮すべきである。すなわち、太陽光強度の大きな波長においては、反射率が高くあるべきであり、太陽光強度の小さな波長においては、反射率は比較的低くてもヒートミラーの性能には大きく影響を及ぼさない。従って、太陽光強度の分光分布による反射率の加重積分によって定義した。
【0024】
1 とc2 の値は、可視透過率を重視するか赤外反射率を重視するかによって決まる。これは、ヒートミラーの用途によって適宜定めることができる。
例えば、c1 の値として0.5を採用した場合、これは、透過率と反射率を同程度重視することを意味している。
例えば、自動車のフロントガラス等、可視光透過率を重視しなければならない場合は、c1 の値を、例えば、0.3とすることによって、薄膜の膜厚の最適値を決め、最適薄膜構造を設計することができる。また、オフィスビル用窓材として遮熱性を重視しなければならない場合は、c1 の値を、例えば、0.7とすることによって、薄膜の膜厚の最適値を決め、薄膜構造を最適設計することができる。
【0025】
次に、本設計手法を用いて、光触媒の機能を有したTiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラーの設計について説明する。想定される薄膜構造は、ガラス基板上3層薄膜であって、その順序は、最外層が二酸化チタン、中間層が窒化チタン、最内層が二酸化チタンである。光触媒機能を考慮しない従来型のヒートミラーは、最外層が数十nm程度であるが、光触媒機能を高くするためには、最外層の厚さを数百nm程度に厚くしなければならない。ここでは、最外層を厚くした場合のヒートミラー特性の評価に、式(1)及びその各項の定義を用いる。また、ここでは、一般的なヒートミラーを設計するため、c1 を0.5とした。
【0026】
設計のためには、まず、二酸化チタン薄膜と窒化チタン薄膜の光学定数が必要となる。これを決定するために、従来型の最外層の薄いヒートミラーをガラス基板上に作製した。一般に、薄膜の光学定数は、作製法や環境に大きく依存するため、目的となる構造に近い薄膜構造を作製し、それぞれの薄膜について光学定数を決定した。作製したヒートミラーの分光反射率と透過率を図2に示す。可視光領域で透過率が高く、赤外領域で反射率が高いことがわかる。これによって作製した薄膜構造がヒートミラー特性を有することが確認された。
【0027】
光学定数を決定する方法としては、エリプソメトリを用い、波長範囲は380から1700nmとし、最外層二酸化チタン、中間層窒化チタン、最内層二酸化チタンのそれぞれの膜厚についても調べた。二酸化チタン層の分散モデルとしてコーシーモデルを用い、窒化チタンの分散モデルとしては、ローレンツ振動子モデルを用いた。
コーシーモデルによると、二酸化チタンの屈折率nTOは、次式で与えられる。
【0028】
【化10】
Figure 0004126373
【0029】
ただし、λは波長、A、B、Cはパラメータである。
一方、ローレンツ振動子モデルでは、窒化チタンの複素屈折率nTN+ikTNは以下で与えられる。
【0030】
【化11】
Figure 0004126373
【0031】
ただし、Am,Bm,Emはm番目の振動子の振幅、幅、中心エネルギーであり、ε0 とEhvは紫外領域での誘電率と入射光のエネルギーである。
これらのモデルを使った結果を表1から3に示す。また、250nm から2500nmの波長範囲で導出したそれぞれの屈折率を図3と4に示す。特に、表1からわかるように、最外二酸化チタン薄膜の厚さは49nmであって、光触媒特性を有するには不十分である。
【0032】
【表1】
Figure 0004126373
【0033】
【表2】
Figure 0004126373
【0034】
【表3】
Figure 0004126373
【0035】
式(1)及びその各項の定義、また、式(5)と(6)を用いて、HM値の最外二酸化チタン層の膜厚依存性を調べた。中間層と最内層の膜厚は、図2の光学特性を有する従来型ヒートミラーと同じとした。結果を図5に示す。
図中、375nm付近でのHM値が比較的高い値、すなわち、比較的高いヒートミラー効果を有し、かつ、この膜厚はアセトアルデヒドガスの分解には十分の厚さであり、この膜厚のTiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラーが作製できれば、光触媒効果を有するヒートミラーが実現できることがわかる。高いHM値を得る膜厚は375nm程度であるが、図5より、350から400nmであれば高いHM値を得ることができる。以上により、式(1)を用いて光触媒特性を有するヒートミラーの設計ができた。
【0036】
ヒートミラー特性を反射率や透過率でも確認するために、分光透過率と反射率の計算を行った。最外層二酸化チタン薄膜の厚さを375nm、中間層窒化チタン薄膜の厚さを20nm、最内層二酸化チタン薄膜の厚さを43nmとした場合の結果を図6に示す。最外層の二酸化チタン薄膜内の多重反射によってスペクトルに振動が見られるものの、平均としてみた場合、可視領域で透過率の平均値が比較的高く、赤外領域において、反射率が高くなっていることがわかる。
上の設計ではc1 の値を0.5としたが、可視光透過率を重視する場合には、c1 を小さくする必要がある。そこで、例としてc1 を0.4とした場合の結果を図7に示す。この場合には、36,163,258,373nm付近にピークが見られる。高いヒートミラー性能を有する多層膜を作製するためには、これらの膜厚のいずれかを用いればよいことがわかる。
【0037】
ここまでは、ヒートミラーを設計するために、式(1)及びその各項の定義を用いてきたが、逆に、作製されたヒートミラーの性能を評価するために、式(1)を用いることも可能である。
図2に示したヒートミラー特性を式(1)によって評価すると、c1 が0.5の時、0.35であった。同様に、図8に示すヒートミラー特性については、0.29であり、図2の方が高性能との結果であった。実際、目視で確認すると、図8の反射率は赤外領域で上昇はしているものの、図2の反射率ほどには大きな値となっていない。従って、目視によっても図2のヒートミラーの方が高性能であると結論でき、式(1)を用いた評価と一致した結果が得られ、式(1)を用いた評価の正当性が確認できる。一方、可視光透過率を重視し、c1 を0.24とすると図2の方が0.29、図8の方が0.3となり、ほぼ同等の性能との結果となった。これについても、目視で確認すると、図8の透過率は可視領域において、ほぼ図2の透過率と同様の振る舞いをしており、可視光透過率を重視すれば同程度の性能であると予測できる。
【0038】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例
(1)試料の作製
次に、本実施例では、ガラス基板上に、最内層たる二酸化チタン膜を形成し、更に、該二酸化チタン上に、中間層たる窒化チタン膜を形成し、該窒化チタン膜上に、膜厚350〜400nmを有する最外層たる二酸化チタン膜を積層形成することにより、図6に図示したような分光透過率と反射率を有し、かつ高い光触媒特性が付与されたヒートミラーを実現できることを実験的に検証した。
図9を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図9に示すように、ガラスなどから成る基板1に、直流(DC)反応性スパッタリング法により、ヒートミラー最内層たる二酸化チタン膜2を形成した。
該二酸化チタン膜2は、多結晶構造を有し、膜厚43nmである。
スパッタリング法の成膜条件は、ターゲット材料としては、純度99.9%の金属チタンタブレットが用いられ、スパッタリング出力は800Wが投入された。
ガスは、アルゴンと酸素の混合ガスが導入され、成膜時の全ガス圧は、0.5Paであり、そのうち酸素の分圧は13%であった。
また、成膜時の基板温度は270℃としたが、無加熱で非晶質二酸化チタン薄膜を成膜した後、270℃で熱処理を施して多結晶の二酸化チタン薄膜を形成させても良い。しかし、これらに制限されるものではない。
【0039】
続いて、該二酸化チタン膜2上に、交流(RF)反応性マグネトロンスパッタリング法により、ヒートミラー中間層たる窒化チタン膜3を形成した。該窒化チタン膜3は、多結晶構造を有し、膜厚20nmである。スパッタリング法の成膜条件は、ターゲット材料としては、純度99.9%の金属チタンタブレットが用いられ、RFスパッタリング出力は、周波数13.56MHz、120Wであった。
ガスは、アルゴンと窒素の混合ガスが導入され、成膜時の全ガス圧は、0.1Paであり、そのうち窒素の分圧は2%であった。
【0040】
また、成膜時の基板温度は270℃としたが、無加熱で非晶質窒化チタン薄膜を成膜した後、270℃で熱処理を施して多結晶の窒化チタン薄膜を形成させても良い。
続いて、該窒化チタン膜3上に、ヒートミラー最外層たる二酸化チタン膜4を形成した。
該最外層たる二酸化チタン膜4は、該最内層たる二酸化チタン膜2と同様の手法により形成せしめるが、これに制限されるものではない。
該最外層たる二酸化チタン膜4は、多結晶構造を有し、膜厚375nmである。
【0041】
(2)結果
前記実施形態の工程によって作製された試料の透過率及び反射率の分光特性を図10に示す。
図6に示された分光透過率と反射率の計算結果と同等の分光特性を有していることは明らかである。
続いて、実施形態の工程によって作製された試料の光触媒機能を、図11に示すようなアセトアルデヒドガスの分解性能試験装置で評価した。
まず、内容積が180cm3 のステンレス製の筒状容器1の片側に、前記実施形態の工程によって作製された試料を20mm×25mmにカットしたもの2を設置した。
【0042】
該筒状容器1は、排気用配管3を通して真空排気された後、ガス導入配管4を通して、例えば、300ppmのアセトアルデヒド並びに1%の水を含む空気ガスが導入された。
更に、該試料2は、例えば、100WのXeランプ5を光源とした紫外光が石英窓を通して照射され、光触媒反応が開始された。
その後、図11に示すようなガスクロマトグラフ測定装置6中に、一定の時間毎にガスサンプルを取り込み、アセトアルデヒドの分解生成物である二酸化炭素の濃度測定を行った。
【0043】
その結果を図12に示す。
図12中(a)は、前記実施形態の工程によって作製された試料の結果であり、図12中(b)は、比較対象として、従来の膜厚を有するTiO2 /TiN/TiO2 型ヒートミラー試料の結果である。すなわち、ガラス基板上に、最内層たる膜厚43nmの二酸化チタン膜を形成し、続いて、該二酸化チタン膜上に中間層たる膜厚20nmの窒化チタン層を形成し、続いて、該窒化チタン膜上に、最外層たる膜厚49nmの二酸化チタンを形成した図2の光学的特性を有する試料である。
図12から明らかなように、図9の実施形態の工程により作製した試料は、従来の膜厚を有する試料よりも大きな光触媒活性を有している。
【0044】
以上の光学特性及び光触媒特性の評価の結果からも明らかなように、前記実施形態9の工程により、良好なヒートミラー特性と十分高い光触媒機能を併せ持つ多機能ガラスを製造することができる。
なお、前記実施形態9は、20mm×40mmに切断した短冊状のガラスを基板とし、小型のマグネトロンスパッタリング成膜装置を使用して行われたが、もちろん建築用ガラス量産に使用される大型成膜装置を用いても行うことができる。
すなわち、100インチ×144インチ程度の建築用ガラスを基板とし、ベルトコンベア駆動のインライン式マグネトロンスパッタリング装置を用いても実施可能である。
【0045】
本発明は、上記実施形態9の工程を有することを特徴とする光触媒ヒートミラーが、建築物の窓ガラス、電子レンジもしくはオーブンレンジの覗き窓ガラス、車両の窓ガラスもしくはルーフガラス、照明灯のガラス、CRTディスプレイガラス、プラズマもしくは液晶ディスプレイのパネル、冷凍もしくは冷蔵用ショーケースのガラスである物品に関する。
【0046】
本発明の光触媒ヒートミラーは、太陽光線或いはブラックライト、ハロゲンランプ等の人工光源を用いた紫外光照射下で、例えば、無機化合物、有機化合物、微生物菌体等の被分解物を含有する媒体を接触させると、前記被分解物を分解させることができる。
更に、本発明の光触媒ヒートミラーは、紫外光照射下で超親水性を示し、かつ紫外光照射が遮断され暗所に保持された後も、該超親水性はある程度持続される。
より具体的には、紫外光照射下で、一旦超親水性を呈した光触媒体ヒートミラーは、第1に、空気中の湿分や湯気が結露しても、凝縮水は個々の水滴を形成することなく一様な水膜になるため、光触媒ヒートミラー表面における光散乱性の曇りが抑制され、第2に、光触媒ヒートミラー表面に付着した煤塵や汚染物は、降雨若しくは放水などにより洗い流されることにより、光触媒ヒートミラー表面はセルフクリーニングされ、それ故、視認性や美観を維持できる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ヒートミラーを一義的に評価することができるとともに光触媒機能を付与したヒートミラーを提供することができ、以下のような格別の効果が奏される。
(1)本発明による評価式を用いて、ヒートミラーとして要求される2種類の性能を1つの数値で表すことができる。尚、この2種類の性能とは、可視領域での高透過率と赤外領域での高反射率である。
(2)前記(1)のヒートミラーの性能を表す1つの数値を用いて、ヒートミラーの用途に応じた最適薄膜構造を設計することができる。尚、ヒートミラーの用途とは、例えば、可視光透過率を重視した自動車や電車等の車両の窓ガラス、遮熱性を重視したオフィスビルの窓ガラス、可視光透過率を重視した住宅の窓ガラス、遮熱性を重視した自動車や電車等の車両のルーフガラス、可視光透過率を重視した照明灯ガラス、可視光透過率を重視した照明灯ガラス、可視光透過率を重視したCRTディスプレイガラスやプラズマ及び液晶ディスプレイのパネル、遮熱性を重視した電子レンジ及びオーブンレンジの覗き窓、可視光透過率を重視した冷凍及び冷蔵用ショーケースのガラスなどである。
(3)前記(1)のヒートミラーの性能を表す1つの数値を用いて、高い光触媒特性を有するヒートミラーの最適薄膜構造を設計することができる。
(4)前記(3)で設計された最適薄膜構造をもとに、高いヒートミラー特性と高い光触媒機能を併せ持つヒートミラーを製造できる。尚、高いヒートミラー特性とは、可視領域で透過率が高く、赤外領域で反射率が高い光学特性であり、具体的には、太陽光の可視光は導入し、赤外光は導入しない効果であり、冷房負荷軽減などの省エネルギー機能である。高い光触媒特性とは、第1に、光照射下において、無機化合物、有機化合物、微生物菌体等の物質を分解させる機能であり、具体的には、ホルムアルデヒド、窒素酸化物等の人体に有害な影響を及ぼす物質の分解機能、悪臭の原因物質の分解機能であり、水及び空気などの浄化機能であり、第2に、光照射下において超親水性を示し、かつ光照射が遮断され暗所に保持された後も、該超親水性がある程度維持される機能であり、具体的には、空気中の湿分が結露しても、水滴を形成することなく一様な水膜となることによる防曇機能、該ヒートミラー表面に付着した汚染物が降雨などにより洗い流されるセルフクリーニング機能である。
(5)このような光触媒ヒートミラーを、ビルや住宅の窓ガラスに用いることにより、ヒートミラー機能による冷房負荷軽減などの省エネルギー効果と、光触媒機能による有害物質の除去やセルフクリーニングなどの環境浄化効果並びに美観維持効果は絶大なものになる。
(6)このような光触媒ヒートミラーを、自動車や電車などの車両の窓ガラスやルーフガラスに用いることにより、ヒートミラー機能による冷房負荷軽減及びそれによる石油資源節減の効果と、光触媒機能による防汚効果及び防曇効及びそれにより向上する運転安全性の向上効果は絶大なものになる。
(7)このような光触媒ヒートミラーを、電子レンジ及びオーブンレンジの覗き窓、冷凍もしくは冷蔵用ショーケースのガラスに用いることにより、ヒートミラー機能によるレンジ内及びショーケース内の保温効果及びそれによる省エネルギー効果と、光触媒機能によるレンジ内及びショーケース内の防汚効果と細菌死滅化効果及びそれによる食品衛生上の安全性向上効果は絶大なものになる。
(8)こうような光触媒ヒートミラーを、CRTディスプレイガラスやプラズマもしくは液晶ディスプレイのパネルに用いることにより、光触媒機能により、汚染の原因である細菌を死滅化させることにより、汚染物を除去しやすくすることができ、これによるディスプレイの視認性の向上効果は絶大なものになる。
(9)このような光触媒ヒートミラーを、任意の透明構造体の表面に形成して複合化した複合構造体を提供することができる。尚、具体的には、任意の透明構造体とは、ポリカーボネート、食品包装用ラップフィルム、PMMA、PET等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化チタン単層薄膜への紫外光照射による二酸化炭素濃度の増大を示す。膜厚は図中に示すように、80、160、320nmである。これ以上の厚さの二酸化チタン単層薄膜を用いても二酸化炭素濃度の程度は320nmの場合とほぼ同じであった。
【図2】光学定数を決定するために作製した従来型ヒートミラーの分光透過率と反射率を示す。
【図3】エリプソメトリで決定した二酸化チタン薄膜の光学定数を示す。
【図4】エリプソメトリで決定した窒化チタン薄膜の光学定数を示す。
【図5】HM値の最外層の膜厚依存性を示す。2本の点線はc1 vis とc2irの値である。
【図6】分光透過率と反射率の計算値を示す。
【図7】HM値の計算値を示す。ただし、c1 を0.4とした場合。
【図8】従来型ヒートミラーの光学特性の一例を示す。
【図9】試作した高い光触媒効果を有するヒートミラーの構造を示す。
【図10】試作した高い光触媒効果を有するヒートミラーの光学特性を示す。
【図11】光触媒効果の測定に用いた装置の一例を示す。
【図12】ヒートミラーへの紫外光照射による二酸化炭素濃度の増大を示す。曲線(a)の■は最外層の膜厚を375nmとした光触媒ヒートミラーを用いた場合、曲線(b)の●は図2に示す光学特性を有する従来型ヒートミラーの場合。

Claims (8)

  1. 可視領域で透過率が高く、赤外領域で反射率が高い特徴を有するヒートミラーの性能を評価する方法であって、
    以下の式(1)
    Figure 0004126373
    ただし、cとcは定数であって、次式(2)を満足し、
    +c=1,0<c,c<1
    (2)
    visは、可視領域での分光透過率の平均値であり、次式(3)で示され、
    Figure 0004126373
    T(λ)は分光透過率であり、D(λ)とV(λ)は、太陽光強度の分光分布及び明順応標準比視感度であり、Rirは、赤外領域での分光反射率の平均値であり、次式(4)で示される、
    Figure 0004126373
    で算出される評価値HMを評価関数としてヒートミラーの光学特性を評価することを特徴とするヒートミラーの性能評価方法。
  2. 可視光透過率と赤外光反射率のいずれを重視するかによって、上記パラメータc、cを変化させることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
  3. 請求項1記載の式(1)及びその各項の定義に基づいて所定の光学特性を有するヒートミラーを設計し、作製することを特徴とするヒートミラーの作製方法。
  4. 請求項3記載の方法により作製された3層薄膜構造を有するヒートミラーであって、1)該薄膜構造は、最外層二酸化チタン、中間層窒化チタン、最内層二酸化チタンからなる、2)式(1)におけるHM値が0.3より高く、c、cの値が、c+c=1,0<c,c<1の範囲で可視光透過率重視ないし赤外反射率重視に設計されている、3)ヒートミラーの最外層に、膜厚350nmから400nmの光触媒特性をもつアナターゼ型酸化チタン層が形成されている、4)可視領域で透過率が高く、赤外領域で反射率が高い光学特性と光触媒機能を併せ持つ、ことを特徴とするヒートミラー。
  5. 波長380から760nmの範囲で高い平均透過率を有し、赤外光領域で高い反射率を有することを特徴とする請求項4記載のヒートミラー。
  6. 前記ヒートミラーは、透明基材上に、屈折率が少なくとも2.0の二酸化チタン層と、窒化チタン層と、屈折率が少なくとも2.0の二酸化チタン層とを、この順に交互に2n+1(nは正の整数)層堆積されたTiO/TiN/TiO型積層体からなり、更には最外層の二酸化チタン層はアルデヒドガスを分解する大きな光触媒機能を有することを特徴とする請求項4記載のヒートミラー。
  7. ポリカーボネート、食品包装用ラップフィルム、PMMA、又はPETを透明基材として用いた複合構造体であることを特徴とする請求項4記載のヒートミラー。
  8. 請求項4から7のいずれか1項に記載のヒートミラーを構成要素として含むことを特徴とする構造部材。
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