JP4124921B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長630〜680nmで発振する半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DVD(Digital Video又はVersatile Disk)等の光ディスク記録再生装置の読み取り及び書き込み用光源として、波長630〜680nmの赤色半導体レーザ装置の開発が行われている。光ディスク装置の書き込み速度を上げるためには、半導体レーザの高出力化が必要とされている。
【0003】
このような状況における従来の赤色半導体レーザの各種構成例について、以下に説明する。
【0004】
a.従来技術1
図5に特開平11−26880号公報に示されるAlGaInP系赤色半導体レーザの断面構造図を示す。図5において、n型GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層2、n型AlGaInPクラッド層3、AlGaInP層とGaInP層とを交互に積層した量子井戸活性層4、低キャリア濃度(2〜6×1017cm-3)AlGaInPクラッド層5、p型GaInPエッチング阻止層6が積層されている。10はエッチング阻止層6の表面上の一部に形成された、p型AlGaInPキャリア拡散抑制層7と、高濃度(4〜15×1017cm-3)p型AlGaInPクラッド層8と、p型GaInPバンド不連続緩和層9とを順に積層したリッジ構造体である。11はエッチング阻止層6の表面上のリッジ構造体10以外の部分に形成されたn型GaAs電流阻止層であり、12はこの電流阻止層11及びバンド不連続緩和層9上に形成されたp型GaAsコンタクト層である。13はコンタクト層12の表面に形成されたp型電極であり、14は基板1の裏面に形成されたn型電極である。
【0005】
この半導体レーザは、n型GaAs電流阻止層11によって挟まれたリッジ構造体10を電流通路として電流狭窄がなされる。同時に、GaAs電流狭窄層11が量子井戸活性層4からの光を吸収するため、リッジの内外で実効屈折率差を形成して光を閉じ込めている。しかしながら、GaAs電流狭窄層11における光の吸収損失のため、動作電流が高くなるという問題がある。
【0006】
b.従来技術2
図6に特開平9−172222号公報に示される赤色半導体レーザの断面構造図を示す。図6に示すように、n型GaAs基板15上に、順次n型GaAsバッファ層16、n型AlGaInPクラッド層17、GaInP活性層18、p型AlGaInPクラッド層19、p型GaInP中間層20がエピタキシャル成長されている。そして、中間層20を横切りp型クラッド層19に至る深さで対のストライプ状溝を形成し、溝間にストライプ状リッジ21を形成する。そして、溝を埋め込むようにn型AlGaAs電流狭窄層22を形成し、さらに全面的にp型GaAsキャップ層23をエピタキシャル成長している。
【0007】
この半導体レーザは、電流狭窄層22がAlGaAsから構成されており、Alの量が活性層18のバンドギャップよりも大きくなるように選定されている。例えば、活性層の波長が650nmのときには、Al組成が0.39以上となっており、波長630nmのときには0.45以上となっている。そのため、AlGaAs電流狭窄層22はレーザ光に対して透明であり、導波路損失を小さくすることができる。
【0008】
c.従来技術3
図7に特開平7−249838号公報に示される赤色半導体レーザの断面構造図を示す。図7において、n型GaAs基板24上に、n型(Al0.6Ga0.40.5In0.5Pクラッド層25、AlGaInP層とGaInP層の量子井戸構造からなる活性層26、p型(Al0.6Ga0.40.5In0.5P内側クラッド層27、p型Ga0.5In0.5Pエッチングストッパ層28、p型(Al0.6Ga0.40.5In0.5P外側クラッド層29、p型Ga0.5In0.5Pバッファ層30、p型GaAsキャップ層31が形成されている。そして、幅6μmのストライプ状窒化シリコンマスクを形成し、ウェットエッチングによりエッチングストッパ層28までエッチングしてメサ構造を形成する。そして、n型AlInP電流ブロック層32とn型GaAsキャップ層33を成長する。n型AlInP電流ブロック層32は、メサ側面(斜線部分)の組成がAl0.5In0.5Pとなるように成長されている。そして、窒化シリコンマスクを除去後、p型GaAsコンタクト層34を成長する。
【0009】
図7に示す半導体レーザにおいても、電流ブロック層32がレーザ光に対して透明なAlInPで構成されているため導波路損失が小さくなっている。また、AlInP電流ブロック層32はp型AlGaInP内側及び外側クラッド層よりも屈折率が低いため、リッジの内外で実屈折率差が形成されて実屈折率導波型半導体レーザとなっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、図6及び図7に示した半導体レーザにおいては、電流狭窄層の光吸収損失を低減するために、電流狭窄層のAl組成を増加させている。図6においては、活性層の波長が650nmのときには、AlGaAs電流狭窄層22のAl組成は0.39以上となっており、また、図7においてはメサ近傍のAlInP電流ブロック層32のAl組成は0.5となっている。このAl組成は、AlGaInP系半導体レーザの典型的なクラッド層材料である(Al0.7Ga0.30.5In0.5PのAl組成0.35に比べて大きい値となっている。Al含有量の多い半導体層は表面準位が多く、これを介した非発光再結合が増加するため、レーザ共振器端面の光学損傷が発生しやすくなるという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、導波路吸収損失が小さく、かつ、共振器端面の光学損傷を抑制する赤色半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明は、GaAsとGaPの間の格子定数を有する第1導電型基板上に、第1導電型AlGaInPクラッド層、GaInP下部光導波層、GaInAsP活性層及びGaInP上部第1光導波層を有し、前記GaInP下部光導波層とGaInP上部第1光導波層は前記GaInAsP活性層を挟んで上下に隣接して形成され、電流注入するストライプ領域の両側の前記GaInP上部第1光導波層上にAlGaInP電流ブロック層を有し、前記AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域の前記GaInP上部第1光導波層上に、AlGaInP上部第2光導波層及び第2導電型AlGaInPクラッド層が形成されてなり、前記AlGaInP電流ブロック層のAl組成が、前記第2導電型AlGaInPクラッド層のAl組成と略等しい。
【0015】
従って、活性層の上下に光導波層を有するSCH構造の赤色半導体レーザとなっており、活性層に隣接した下部光導波層と上部第1光導波層はAlを含まないGaInPから構成されているので、レーザ共振器端面の光学損傷を抑制することができる。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項記載の赤色半導体レーザ装置において、前記AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域の前記GaInP層上に形成する光導波層が、GaInPからなる。
【0017】
従って、AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域のGaInP層上に形成する光導波層をGaInPで形成することにより、2回目の結晶成長がAlを含まない層から積層できるため、再成長層の結晶品質を向上させることができる。
【0018】
請求項記載の発明は、GaAsとGaPの間の格子定数を有する第1導電型基板上に、第1導電型AlGaInPクラッド層、GaInP下部光導波層、GaInAsP活性層及びGaInP上部第1光導波層を有し、前記GaInP下部光導波層とGaInP上部第1光導波層は前記GaInAsP活性層を挟んで上下に隣接して形成され、電流注入するストライプ領域の両側の前記GaInP上部第1光導波層上に、Al組成が第2導電型AlGaInPクラッド層のAl組成と略等しいAlGaInP電流ブロック層を有し、前記AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域の前記GaInP上部第1光導波層上に、GaInP上部第2光導波層及び前記第2導電型AlGaInPクラッド層が形成されてなり、前記GaInP上部第1光導波層と前記GaInP上部第2光導波層の層厚の和が前記GaInP下部光導波層の層厚と等しい。
【0019】
従って、GaInP上部第1光導波層とGaInP上部第2光導波層の層厚の和がGaInP下部光導波層の層厚と等しいことによって、ストライプ領域の垂直方向の屈折率分布がほぼ対称となるので、活性層は光の強度が最も強い中心位置にあって光閉じ込め係数が高くなり、従って、レーザの閾電流密度を低減させることができる。
【0020】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置において、第1導電型GaAs上に第1導電型GaAsP組成傾斜層を介して形成した第1導電型GaAsP厚膜を前記第1導電型基板として用いてなる。
【0021】
従って、n型GaAs上にn型GaAsP組成傾斜層を介して形成したn型GaAsP厚膜を成長したエピタキシャル基板は660nm帯赤色LED用基板として市販されており、これをレーザの基板として用いることでレーザの作製が容易となる。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置において、前記AlGaInP電流ブロック層が、基板側から第2導電型AlGaInP層と第1導電型AlGaInP層を積層して形成してなる。
【0023】
従って、電流ブロック層を基板側から第2導電型AlGaInP層及び第1導電型AlGaInP層を積層して形成することにより、ストライプ領域外側はpn逆バイアス接合となって有効な電流狭窄が可能となる。
【0024】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置において、前記AlGaInP電流ブロック層上に、GaInP又はGaAsP又はGaInAsPからなるキャップ層を形成してなる。
【0025】
従って、AlGaInP電流ブロック層上に、Alを含まないGaInP又はGaAsP又はGaInAsPからなるキャップ層を形成することにより、AlGaInP電流ブロック層表面の酸化を抑制でき、再成長が容易となる。
【0026】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置において、電流注入するストライプ幅が5μmよりも狭い。
【0027】
従って、電流注入するストライプ領域の幅を5μmより狭くしても、電流ブロック層にしみ出したレーザ光が吸収されないため導波路損失が増大することがなく、閾電流を低減させることができる。
【0028】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置において、第1導電型クラッド層、光導波層、電流ブロック層又は第2導電型クラッド層にAsを含む。
【0029】
従って、第1導電型クラッド層、光導波層、電流ブロック層又は第2導電型クラッド層にAsを含むことにより、ヒロックの発生を抑制して表面平坦性を改善することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の参考例を図1及び図2に基づいて説明する。
【0031】
[構造]本参考例赤色半導体レーザの断面構造図を図1に示す。図1において、115はn型GaAs基板101上にn型GaAsP組成傾斜層102、n型GaAs0.60.4厚膜103を積層したGaAsP基板である。
【0032】
104はn型GaAs0.60.4厚膜103上に形成されたn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3Pクラッド層、105はn型クラッド層104上に形成されたGaInAsP活性層、106は活性層105上に形成されたGa0.7In0.3Pエッチングストップ層である。
【0033】
107は電流注入するストライプ領域を除いてエッチングストップ層106上に形成されたp型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層であり、108はp型電流ブロック層107上に形成されたn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層である。
【0034】
109はn型電流ブロック層108及びストライプ領域のエッチングストップ層106上に形成された(Al0.1Ga0.90.7In0.3P光導波層であり、110は光導波層109上に形成されたp型(Al0.5Ga0.50.7In0.3Pクラッド層、111はp型クラッド層110上に形成されたp型Ga0.7In0.3Pバンド不連続緩和層、112はp型バンド不連続緩和層111上に形成されたp型GaAs0.60.4キャップ層である。
【0035】
113はp型キャップ層112表面に形成されたp側電極であり、114はn型GaAs基板101裏面に形成されたn側電極である。
【0036】
[製造方法]次に、このように構成された赤色半導体レーザの製造方法について図2を用いて説明する。最初に、図2(a)に示すようにGaAsP基板115上に、n型(Al0.5Ga0.50.7In0.3Pクラッド層104、バンドギャップ波長635nmのGaInAsP活性層105、Ga0.7In0.3Pエッチングストップ層106、p型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層107、n型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層108を順次エピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長は有機金属気相成長法で行った。
【0037】
次に、エピタキシャル基板のn型電流ブロック層108上にレジストマスク201を形成し、フォトリソグラフィ技術により幅6μmのストライプ状窓を形成する。そして、レジストマスク201をマスクとしてp型AlGaInP電流ブロック層107、n型AlGaInP電流ブロック層108をGaInPエッチングストップ層106表面までケミカルエッチングして、図2(b)に示すようなストライプ状溝を形成する。エッチングは硫酸系エッチング溶液を用いた。
【0038】
次に、レジストマスク201を除去した後に、図2(c)に示すように有機金属気相成長法を用いて(Al0.1Ga0.90.7In0.3P光導波層109、p型(Al0.5Ga0.50.7In0.3Pクラッド層110、p型Ga0.7In0.3Pバンド不連続緩和層111、p型GaAs0.60.4キャップ層112を順次エピタキシャル成長させる。
【0039】
その後、p型GaAs0.60.4キャップ層112表面にp側電極113を形成し、n型GaAs基板101を研磨した後に、基板裏面にn側電極114を形成して図1に示したような構造の赤色半導体レーザを得る。
【0040】
[動作]本参考例による赤色半導体レーザにおいては、ストライプ領域の外側に設けられたAlGaInP電流ブロック層107,108によって電流がストライプ領域に狭窄される。
【0041】
電流ブロック層は、基板側からp型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P層107とn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P層108を積層して構成されており、ストライプ領域外側ではpnpn接合となっている。そのため、pn逆バイアス接合により電流がほとんど流れなくなり、ストライプ領域に電流を狭窄することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では電流ブロック層がp型AlGaInP層とn型AlGaInP層の2層から組成されているが、組成やキャリア濃度,導電型が異なる2層以上の層から形成されていてもよい。或いは、高抵抗又は半絶縁性のAlGaInP1層で構成することも可能である。
【0043】
GaInAsP活性層105に電流が注入されると、バンドギャップに対応した635nmの発光が生じる。そして、ストライプ状溝部では薄いGaInPエッチングストップ層106を介して活性層105の上部に(Al0.1Ga0.90.7In0.3P光導波層109が設けられている。光導波層109の屈折率は活性層105の屈折率よりも小さく、クラッド層及び電流ブロック層の屈折率よりも大きくなっている。一方、溝の外側では活性層105から離れた位置に光導波層109が位置している。従って、ストライプ溝部のほうが外部よりも実効屈折率が高くなり、活性層で発生した光を閉じ込める光導波路を形成する。
【0044】
水平横モードは、ストライプ状溝部の外側にしみ出すが、p型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層107及びn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層108は活性層105よりもバンドギャップが大きいため、光吸収がない。従って、導波路損失が低減され、レーザの動作電流を低減することができる。
【0045】
また、導波路の実効屈折率差を形成するのに、電流ブロック層の屈折率を低減するのではなく光導波層の位置を変えることによって実現している。そのため、p型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層107及びn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3P電流ブロック層108のAl組成はp型クラッド層110と同じ値にすることができる。従って、電流ブロック層のAl組成を増加する必要がなく、レーザ共振器端面の光学損傷レベルを低下させることがない。
【0046】
また、本参考例赤色半導体レーザは、GaAsとGaPの間の格子定数を有するGaAs0.60.4基板上に積層されている。GaAs0.60.4に格子整合するGa0.7In0.3Pのバンドギャップ波長は560nmであり、活性層105のバンドギャップ波長635nmよりも短波長となる。従って、活性層105に隣接したGa0.7In0.3Pエッチングストップ層106は活性層よりもバンドギャップが大きいキャリアブロック層として働き、活性層の光を吸収することがない。そして、GaInPは硫酸系エッチングに対してエッチングレートが非常に低いため、AlGaInPからなる電流ブロック層との選択エッチングが容易となっている。
【0047】
GaAsとGaPの間の格子定数を有するGaAs0.60.4基板115は、n型GaAs基板101上にn型GaAsP組成傾斜層102、n型GaAs0.60.4厚膜103を気相成長法で積層して形成されている。このようなエピタキシャル基板は660nm帯赤色LED用基板として市販されており、これを用いることによってレーザの作製が容易となる。
【0048】
本発明の第の実施の形態を図3に基づいて説明する。参考例で示した部分と同一部分は同一符合を用いて示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同様とする)。
【0049】
[構成]図3は本発明の第の実施の形態における赤色半導体レーザの構造を示す断面構造図である。図3において、301はn型クラッド層104上に形成されたGa0.7In0.3P下部光導波層であり、302は下部光導波層301上に形成された、GaInPとGaInAsPの歪超格子構造からなる量子井戸活性層であり、303は量子井戸活性層302上に形成されたGa0.7In0.3P上部第1光導波層である。304はn型電流ブロック層108及びストライプ領域の上部第1光導波層303上に形成されたGa0.7In0.3P上部第2光導波層である。他の点は、参考例に示した赤色半導体レーザの構造と同様である。
【0050】
[動作]
本実施の形態においては、GaInAsP/GaInP量子井戸活性層302の上下に光導波層301,303を有するSCH構造となっており、下部光導波層301と上部第1光導波層303はAlを含まないGa0.7In0.3Pから構成されている。即ち、活性層及び活性層に隣接した領域がAlを含んでいない。従って、第一の実施の形態に比べてレーザ共振器端面の酸化や表面準位を低減でき、端面の光学損傷発生レベルを抑制することができる。
【0051】
また、n型電流ブロック層108上及びストライプ領域の上部第1光導波層303上に形成する上部第2光導波層304はGa0.7In0.3Pで構成されている。従って、2回目の結晶成長がAlを含まない層から積層することができ、再成長層の結晶品質が向上する。
【0052】
さらに、本実施の形態の半導体レーザにおいては、Ga0.7In0.3P上部第1光導波層303とGa0.7In0.3P上部第2光導波層304の層厚の和がGa0. 7In0.7P下部光導波層301の層厚と等しくなるように構成されている。従って、ストライプ領域の垂直方向の屈折率分布は、量子井戸活性層302を中心としてほぼ上下対称となっている。そのため、量子井戸活性層302は垂直モードで光強度が最も強い位置にあり、光閉じ込め係数が高くなる。従って、レーザの閾電流密度が低減される。
【0053】
その他の点については、参考例と同様の効果を有する。
【0054】
本発明の第の実施の形態を図4に基づいて説明する。
【0055】
[構造]図4は本実施の形態における赤色半導体レーザの構造を示す断面構造図である。図4において、401はn型GaAs0.60.4厚膜103上に形成されたn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3As0.050.95クラッド層である。402は電流注入するストライプ領域を除いて上部第1光導波層303上に形成されたp型(Al0.5Ga0.50.7In0.3As0.050.95電流ブロック層であり、403はp型電流ブロック層402上に形成されたn型(Al0.5Ga0.50.7In0.3As0.050.95電流ブロック層であり、404はn型電流ブロック層403上に形成されたGa0.7In0.3Pキャップ層である。そして、405は上部第2光導波層304上に形成されたp型(Al0.5Ga0.50.7In0.3As0.050.95クラッド層である。他の点は第の実施の形態に示した赤色半導体レーザと同様である。
【0056】
[動作]
本実施の形態においては、n型AlGaInAsP電流ブロック層403上にAlを含まないGa0.7In0.3Pからなるキャップ層を形成している。そのため、表面酸化しやすいAl面が再成長表面に露出する面積を減少させることができ、2回目の結晶成長層の品質が向上する。
【0057】
また、n型クラッド層401及びp型電流ブロック層402及びn型電流ブロック層403及びp型クラッド層405は、Asを約5%含んだAlGaInAsP混晶から構成されている。AlGaInPにAsを少量加えることによって、有機金属気相成長法で結晶成長した膜のヒロック密度とヒロックサイズを低減することができ、素子の表面平坦性が改善される。これにより、導波光の散乱損失が低減されてレーザの閾電流密度やスロープ効率が改善される。
【0058】
また、本実施の形態においては電流注入するストライプ領域の幅Wを5μmより狭くして、例えば3μmとすることができる。ストライプ幅が狭くなると、横モードにおいてストライプ領域外側への光しみ出しが増加する。このとき、電流ブロック層が光吸収材料である場合には、吸収損失が大幅に増加してスロープ効率を低下させてしまう。また、電流ブロック層のAl組成が高い場合には、電流ブロック層にしみ出した光が表面準位によって吸収されて、端面の光学損傷が発生しやすくなる。一方、本実施の形態の赤色半導体レーザにおいては、電流ブロック層にしみ出したレーザ光は吸収されないため導波路損失が増加することがない。また、電流ブロック層のAl組成はクラッド層と同じであり、端面の光学損傷レベルが低下することがない。そして、ストライプ幅を狭くしたことにより、素子の動作電流を低減することができる。
【0059】
その他の点については、参考例および第一の実施の形態と同様の効果を有する。
【0061】
請求項記載の発明によれば、活性層の上下に光導波層を有するSCH構造の赤色半導体レーザとなっており、活性層に隣接した下部光導波層と上部第1光導波層はAlを含まないGaInPから構成されているので、レーザ共振器端面の光学損傷を抑制することができる。
【0062】
請求項記載の発明によれば、AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域のGaInP層上に形成する光導波層をGaInPで形成することにより、2回目の結晶成長がAlを含まない層から積層できるため、再成長層の結晶品質を向上させることができる。
【0063】
請求項記載の発明によれば、GaInP上部第1光導波層とGaInP上部第2光導波層の層厚の和がGaInP下部光導波層の層厚と等しいことによって、ストライプ領域の垂直方向の屈折率分布がほぼ対称となるので、活性層は光の強度が最も強い中心位置にあって光閉じ込め係数が高くなり、従って、レーザの閾電流密度を低減させることができる。
【0064】
請求項記載の発明によれば、n型GaAs上にn型GaAsP組成傾斜層を介して形成したn型GaAsP厚膜を成長したエピタキシャル基板は660nm帯赤色LED用基板として市販されており、これをレーザの基板として用いることでレーザの作製が容易となる。
【0065】
請求項記載の発明によれば、電流ブロック層を基板側から第2導電型AlGaInP層及び第1導電型AlGaInP層を積層して形成することにより、ストライプ領域外側はpn逆バイアス接合となって有効な電流狭窄が可能となる。
【0066】
請求項記載の発明によれば、AlGaInP電流ブロック層上に、Alを含まないGaInP又はGaAsP又はGaInAsPからなるキャップ層を形成することにより、AlGaInP電流ブロック層表面の酸化を抑制でき、再成長が容易となる。
【0067】
請求項記載の発明によれば、電流注入するストライプ領域の幅を5μmより狭くしても、電流ブロック層にしみ出したレーザ光が吸収されないため導波路損失が増大することがなく、閾電流を低減させることができる。
【0068】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないし7の何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置において、第1導電型クラッド層、光導波層、電流ブロック層又は第2導電型クラッド層にAsを加えることにより、ヒロックの発生を抑制して表面平坦性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例における赤色半導体レーザの構造を示す断面構造図である。
【図2】その赤色半導体レーザの製造工程を示す断面構造図である。
【図3】本発明の第の実施の形態における赤色半導体レーザの構造を示す断面構造図である。
【図4】本発明の第の実施の形態における赤色半導体レーザの構造を示す断面構造図である。
【図5】従来技術1のAlGaInP系半導体レーザの構造を示す断面構造図である。
【図6】従来技術2の実屈折率導波型半導体レーザの構造を示す断面構造図である。
【図7】従来技術3の実屈折率導波型半導体レーザの構造を示す断面構造図である。
【符号の説明】
101 n型GaAs基板
102 n型GaAsP組成傾斜層
103 n型GaAsP厚膜
104 n型AlGaInPクラッド層
105 GaInAsP活性層
106 GaInPエッチングストップ層
107 p型AlGaInP電流ブロック層
108 n型AlGaInP電流ブロック層
109 AlGaInP光導波層
110 p型AlGaInPクラッド層
111 p型GaInPバンド不連続緩和層
112 p型GaAsPキャップ層
115 GaAsP基板
301 GaInP下部光導波層
302 量子井戸活性層
303 GaInP上部第1光導波層
304 GaInP上部第2光導波層
401 n型AlGaInAsPクラッド層
402 p型AlGaInAsP電流ブロック層
403 n型AlGaInAsP電流ブロック層
404 GaInPキャップ層
405 p型AlGaInAsPクラッド層

Claims (8)

  1. GaAsとGaPの間の格子定数を有する第1導電型基板上に、第1導電型AlGaInPクラッド層、GaInP下部光導波層、GaInAsP活性層及びGaInP上部第1光導波層を有し、
    前記GaInP下部光導波層とGaInP上部第1光導波層は前記GaInAsP活性層を挟んで上下に隣接して形成され、
    電流注入するストライプ領域の両側の前記GaInP上部第1光導波層上にAlGaInP電流ブロック層を有し、
    前記AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域の前記GaInP上部第1光導波層上に、AlGaInP上部第2光導波層及び第2導電型AlGaInPクラッド層が形成されてなり、
    前記AlGaInP電流ブロック層のAl組成が、前記第2導電型AlGaInPクラッド層のAl組成と略等しいことを特徴とする赤色半導体レーザ装置。
  2. 前記AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域の前記GaInP層上に形成する光導波層が、GaInPからなることを特徴とする請求項記載の赤色半導体レーザ装置。
  3. GaAsとGaPの間の格子定数を有する第1導電型基板上に、第1導電型AlGaInPクラッド層、GaInP下部光導波層、GaInAsP活性層及びGaInP上部第1光導波層を有し、
    前記GaInP下部光導波層とGaInP上部第1光導波層は前記GaInAsP活性層を挟んで上下に隣接して形成され、
    電流注入するストライプ領域の両側の前記GaInP上部第1光導波層上に、Al組成が第2導電型AlGaInPクラッド層のAl組成と略等しいAlGaInP電流ブロック層を有し、
    前記AlGaInP電流ブロック層上及びストライプ領域の前記GaInP上部第1光導波層上に、GaInP上部第2光導波層及び前記第2導電型AlGaInPクラッド層が形成されてなり、
    前記GaInP上部第1光導波層と前記GaInP上部第2光導波層の層厚の和が前記GaInP下部光導波層の層厚と等しいことを特徴とする赤色半導体レーザ装置。
  4. 第1導電型GaAs上に第1導電型GaAsP組成傾斜層を介して形成した第1導電型GaAsP厚膜を前記第1導電型基板として用いてなることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置。
  5. 前記AlGaInP電流ブロック層が、基板側から第2導電型AlGaInP層と第1導電型AlGaInP層を積層して形成してなることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置。
  6. 前記AlGaInP電流ブロック層上に、GaInP又はGaAsP又はGaInAsPからなるキャップ層を形成してなることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置。
  7. 電流注入するストライプ幅が5μmよりも狭いことを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置であって、第1導電型クラッド層、光導波層、電流ブロック層又は第2導電型クラッド層にAsを加えることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の赤色半導体レーザ装置。
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