JP4124460B2 - ニッケル水素電池の容量推定法 - Google Patents
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Description
しかし、二次電池の容量を正確に測定しようとすれば、通常、長い時間を必要とする。例えば、小型のニッケル水素電池では1.0V/セルまで放電させた後、0.1CmAで16時間充電し、1時間の休止後、0.2CmAで1.0V/セルまで放電させて、その時の放電容量を実容量とする。そのため容量の測定には約1日を要することになる。しかも電池は容量の測定中は、本来の目的には使えないのであるから、あまり頻繁に容量を実測することは好ましくない。また、特に大型の電池で放電させるために専用の擬似負荷を設けた場合、大電流対応の負荷が必要となり、コストの上昇をもたらすことになる。
この問題を解決するため、より短時間に二次電池の容量を推定する方法が考案されてきた。例えば、鉛蓄電池では、内部抵抗と容量の間に成り立つ直線関係を用いて、内部抵抗の実測値から容量を推定する〔非特許文献1〕。しかし、この方法は鉛蓄電池以外に適用することはできない。
本発明が対象とするニッケル水素電池においては、容量が低下するに連れて内部抵抗が増加することは知られていたが〔非特許文献3〕、これらを利用する容量推定法は確立されておらず、容量の確認には放電させて実測するしか方法がない状況であった。
請求項1に記載のように、1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電流で満充電ないしは過充電状態となるまで充電した後、充電終了時から1分を越える一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ次式で表される関係式、
Q/Q 0 =−aΔV+b………(数1)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、a、bは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定するニッケル水素電池の容量推定法とするものである。
Q/Q 0 =c−d(ΔV−e) 1/2 ………(数2)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、c、d、eは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定するニッケル水素電池の容量推定法とするものである。
Q/Q 0 =−aΔV+b………(数1)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、a、bは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定するニッケル水素電池の容量推定法とするものである。
Q/Q 0 =c−d(ΔV−e) 1/2 ………(数2)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、c、d、eは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定するニッケル水素電池の容量推定法とするものである。
Q/Q 0 =−aΔV+b………(数1)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、a、bは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定するニッケル水素電池の容量推定法とするものである。
Q/Q 0 =c−d(ΔV−e) 1/2 ………(数2)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、c、d、eは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定するニッケル水素電池の容量推定法とするものである。
ニッケル水素電池を満充電となるまで定電流で充電し、その後電流を流さずに放置して、自己放電によって残容量が不十分になったら再び充電するという方式は、過充電を抑えることができる点、常時、満充電に近い状態に保てる点から、バックアップ用電池に適した充電方法である。
満充電状態で充電を終了すると、その後電池電圧は低下する。まず、電流遮断直後、数ミリ秒以内に単セル当たり数mVから数十mVの電圧低下が起こるが、これは主として電解液抵抗に起因する。その後、数時間の間に単セル当たり数十mVの電圧低下が続き、さらには自已放電に伴う1日当たり数mVから数十mV程度のゆっくりとした電圧低下が続く。
ニッケル水素電池が劣化した場合、電解液の減少により電解液抵抗が増大するため、充電電流遮断後の電圧降下が大きくなる。また、電極の劣化により、その後の数時間にわたる電圧の低下も大きくなる。したがって、これらの電圧変化と容量との関係式を見出すことにより、その関係式を用いて電圧変化から容量を推定することができる。
Q/Q0=−aΔV+b………(数1)
または、定数c、d、eを用いて次の(数2)式
Q/Q0=c−d(ΔV−e)1/2………(数2)
で表すことができる。式中、a、b、c、d、eは、それぞれの電池の種類、型式、使用形態によって決まる定数であり、同じ形態で使用し続ける限り、時間経過、劣化状態によって変化しない。単一の電池を徐々に劣化させるか、または劣化状態の異なる複数の同一種電池を用意して、それぞれのΔVとQを測定し、a、b、またはc、d、eを求めることにより、上記(数1)式または(数2)式を用いて、同一種類の電池の容量を推定することができる。
Aサイズ、公称容量2000mAhのニッケル水素電池(新しい未劣化電池)を3個用意し、電池の劣化前の初期容量を25℃で測定した後、200mAで16時間充電し、それぞれ45、55、65℃で高温保存した。
自己放電により1.30Vまで電圧が低下したら電池を取り出して25℃、200mAで3時間補充電し、再び45、55、65℃で保存した。この操作を繰り返し、10回の自己放電ごとに、25℃で400mA、1.0Vまでの放電後200mA、16時間の充電を行い、その後400mA、1.0Vまで放電して容量を測定し、最後に再び200mAで16時間充電して上記高温保存と補充電を繰り返した。
上記16時間充電終了から90分間の電圧変化の1例を、図1に示す。図1は、縦軸に電池電圧(V)、横軸に時間(分)を採り、65℃で高温劣化させた電池に対して16時間充電して、充電終了時刻1、充電終了1分後時刻2、充電終了10分後時刻3、および充電終了1時間後時刻4の電池電圧(V)を示す。
45℃:Q/Q0=0.986−0.038(ΔV−28.39)1/2
55℃:Q/Q0=1.082−0.053(ΔV−23.13)1/2
65℃:Q/Q0=1.042−0.049(ΔV−23.59)1/2
となり、保存温度(45℃〜65℃)の依存性は極めて小さいことがわかる。したがって、保存温度依存性を無視して、劣化が速く進む65℃で保存して劣化させた電池を用いて、上記作成した数式によって保存温度45℃で劣化させた電池の容量Qを推定しても、比容量0.7から1.0の範囲での推定誤差は±5%未満である。
次に、公称容量100Ahの角形ニッケル水素電池(新しい未劣化電池)を10個直列に接続したモジュールを3組作製した。
次の3段階の工程(1)〜(3)、すなわち
(1)25℃で、電流30A、終止電圧10Vで、放電する。
(2)電流値10Aで充電を行う。このとき、単位時間当たりの温度上昇スピードは、徐々に増加するが、この温度上昇スピードが、5分間当たり0.3℃となった時点で、充電を終了する。この工程(2)を1段目充電と呼ぶ。なお、この充電により満充電に近い状態になる。
(3)電流値3Aで2時間充電する。これを2段目充電と呼ぶ。
上記(1)〜(3)の工程を1サイクルとして、3サイクル繰り返し、3サイクル目の放電容量を初期容量とした。その後、各モジュールをそれぞれ45℃、55℃、65℃で保存した。
1段目充電終了前から2段目充電終了までの電圧変化の1例を、図4に示す。図4は、縦軸に電池モジュール電圧(V)、横軸に時間(分)を採り、1段目充電終了時刻11、1段目充電終了10分後時刻12、2段目充電終了時刻13を、それぞれ示している。
45℃:Q/Q0=1.145−0.059(ΔV−145.08)1/2
55℃:Q/Q0=1.140−0.060(ΔV−145.35)1/2
65℃:Q/Q0=1.131−0.059(ΔV−145.06)1/2
となり、保存温度(45℃〜65℃)の依存性は極めて小さい。したがって、上記ΔVを測定することにより、保存温度依存性を無視して、上記いずれの式を用いても、電池容量Qの判定誤差を±5%未満にすることができる。
実施例3で用いたのと同一種のニッケル水素電池モジュールを4組、すなわち単セルを40個直列にして、電圧58.86Vの定電力電源に接続し、充電した。この時の電池電圧(V)および電流(A)の時間変化を図6に示す。電池電圧が一定値に達した段階で電流は急激に減少する。電流が20Aまで低下した時点で電池を電源から切り離し、充電を終了した。電流が一定値まで低下した時点で電池を電源から切り離した後の電池電圧と容量との関係から、実施例1から実施例3で述べたのと同様にニッケル水素電池の容量を推定することができる。なお、図6において、17は電池モジュール電圧を示し、18は充電電流を示す。
2…充電終了1分後時刻
3…充電終了10分後時刻
4…充電終了1時間後時刻
5…充電終了後1分間の電圧変化
6…充電終了後10分間の電圧変化
7…充電終了後1時間の電圧変化
8…45℃保存劣化電池
9…55℃保存劣化電池
10…65℃保存劣化電池
11…1段目充電終了時刻
12…1段目充電終了10分後時刻
13…2段目充電終了時刻
14…45℃保存劣化電池
15…55℃保存劣化電池
16…65℃保存劣化電池
17…電池モジュール電圧
18…充電電流
19…充電終了後10分間の電圧変化
Claims (6)
- 1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電流で満充電ないしは過充電状態となるまで充電した後、充電終了時から1分を越える一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ次式で表される関係式、
Q/Q 0 =−aΔV+b………(数1)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、a、bは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定法。 - 1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電流で満充電ないしは過充電状態となるまで充電した後、充電終了時から1分を越える一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ次式で表される関係式、
Q/Q 0 =c−d(ΔV−e) 1/2 ………(数2)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、c、d、eは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定法。 - 1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電流で、単位時間当りの電池表面温度上昇が所定値となるまで充電した1段目充電終了直後に、電流値を変えて定電流で所定時間充電する2段目充電を継続する場合において、上記1段目充電終了時から一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ次式で表される関係式、
Q/Q 0 =−aΔV+b………(数1)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、a、bは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定法。 - 1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電流で、単位時間当りの電池表面温度上昇が所定値となるまで充電した1段目充電終了直後に、電流値を変えて定電流で所定時間充電する2段目充電を継続する場合において、上記1段目充電終了時から一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ関係式、
Q/Q 0 =c−d(ΔV−e) 1/2 ………(数2)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、c、d、eは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定法。 - 1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電力で、電流値が所定値となるまで充電した後、充電終了時から一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ次式で表される関係式、
Q/Q 0 =−aΔV+b………(数1)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、a、bは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定法。 - 1個もしくは複数個を接続して用いるニッケル水素電池の容量推定法であって、上記電池を定電力で、電流値が所定値となるまで充電した後、充電終了時から一定時間後の電圧変化と容量との間に成り立つ関係式、
Q/Q 0 =c−d(ΔV−e) 1/2 ………(数2)
〔式中、ΔVは充電終了後の一定時間の電圧変化、Qは電池の容量、Q 0 は電池の劣化前の初期容量、c、d、eは、あらかじめ実験的に求められた電池の定数。〕
を求め、前記ΔVを測定することにより前記関係式を用いて上記電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定法。
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