JP4122530B2 - 単球の成熟分化因子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体培養において、単球又はマクロファ−ジを長期生存維持させるとともに、成熟及び分化させる作用を有する新しい生理活性物質(以下、MMDFと称する)とその製造方法、クロ−ン化したMMDFをコードする遺伝子ならびに、MMDF又はその一部を含む医薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単球又はマクロファ−ジは、生体において老廃物を排除する細胞であるとともに生体防御機構において重要な役割を担う細胞である。即ち、外来刺激の認識、貪食、消化、生理活性因子の分泌、抗原提示などの様々な機能により生体防御に関与し、抗菌作用及び抗腫瘍作用などを有する重要な細胞である。このような作用を有する単球又はマクロファージに対し、インビトロで種々の作用を示す物質が発見されてきている。
単球又はマクロファ−ジを活性化する因子としては、インタ−ロイキン1(IL−1)、リポポリサッカライド(LPS)、MAF(D.Gemsaら;J.Immunol.,131、883(1988))等が公知であり、コロニ−形成刺激因子としては、マクロファ−ジ(単球)コロニ−形成刺激因子(M−CSF)等が公知である。
【0003】
単球又はマクロファ−ジを感染あるいは炎症の局所に呼び寄せる作用をもつと考えられているマクロファ−ジ遊走因子としては、MCP−1(Macrophage Chemoattractant Protein−1)(T.Yoshimuraら;FEBS Lett.,244,487−493(1989)),RANTES/SIS(T.J.Schallら;Nature,347,669−671(1990)),MCAF(Y.Furutaniら;WO9007863)等が明らかにされている。さらに、これら以外にもMSP(Macrophage Stimulating Protein)(J.Leonardら;US7586085)と言った因子の存在も示されている。また、無血清培養において、M−CSFが単球を生存維持させ、分化させる作用も有することも示されている(W.Bruggerら;J.Leukocyte Biol.,49,483−488(1991))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、単球又はマクロファージは、体内に侵入した異物(抗原)や生体内の老廃物の貪食処理、抗原提示、生理活性因子(IL−1,腫瘍壊死因子TNFα,インターフェロン等)の分泌等により、生体防御に関与し、抗菌作用、抗腫瘍作用を有する細胞である。しかし、通常、液体培養では単球又はマクロファージは死滅していき、培養6日目頃には殆どの細胞が死んでしまう。
本発明は、かかる技術的背景の下に、単球又はマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(MMDF作用)を有する蛋白質を、特に遺伝子操作技術を用いて生産し、この蛋白質を種々の薬剤に応用することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために種々検討した結果、単球又はマクロファージを活性化する作用、走化性を刺激する作用あるいはコロニー形成を刺激する作用という従来の生理活性因子の作用とは異なった作用、即ち、単球又はマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用、即ちMMDF活性をヒト癌細胞株の培養液に見出した。MMDFが存在すると、液体培養においても単球又はマクロファージは長期生存維持され、成熟及び分化していく。この作用に着目し、該蛋白質の分離精製ならびに遺伝子のクローニングを行い、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は液体培養において、単球またはマクロファ−ジを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(以下、MMDF活性という)を有する蛋白質であることを特徴とする単球の成熟分化因子である。
【0007】
また、本発明は液体培養において、MMDF活性を有する蛋白質をコ−ドするヌクレオチド配列を有する単離されたDNAである。
【0008】
さらに、本発明は発現制御配列を機能しうる形で随伴した、MMDF活性を有する蛋白質をコ−ドするヌクレオチド配列を含み、微生物、昆虫細胞又は哺乳動物細胞等の形質転換体の培養において、該MMDF活性を有する蛋白質を発現しうる組換え発現ベクタ−である。
【0009】
本発明は、MMDF活性を有する蛋白質をコ−ドするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクタ−で形質転換された、該MMDF活性を有する蛋白質を発現する能力を有する形質転換体である。
【0010】
また、本発明は以下の工程を包含する、前述の単球の成熟分化因子を製造する方法である。
(1)MMDF活性を有する蛋白質を発現しうる組換え発現ベクタ−で形質転換された形質転換体を培養する工程。
(2)培養物からMMDF活性を有する蛋白質を採取する工程。
【0011】
本発明は、MMDF活性を有する蛋白質を治療上有効な量で含有する医薬組成物である。
【0012】
本発明は癌治療剤、白血病治療剤、免疫賦活剤、感染症治療剤、及び創傷治療剤から選ばれる前記医薬組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる、液体培養において単球又はマクロファ−ジを長期生存維持させ、成熟及び分化させる作用、MMDF活性を有する蛋白質(MMDF)について、次に記す。
MMDF活性測定用の単球は次のようにして調製される。
Ficoll−Hypaque(LSM,Litton Bionetics社)を使用した密度勾配遠心法により、健康な人の末梢血液から単核球細胞を分離し、非働化した血清を含む培地を分注した培養容器に播種する。そして、37℃、5%炭酸ガスインキュベ−タ−内にてインキュベ−ションし、壁着性細胞を付着させる。その後、培養容器基面を新鮮な培地で洗浄することにより、非壁着性細胞を洗浄除去する。次に、0.5%EDTAと5%牛胎児血清(FCS)を含有させた二価金属イオン不含のダルベッコリン酸緩衝液で培養基面を処理することにより、壁着性細胞を剥離する。剥離回収した細胞を新鮮な培地で洗浄し、低血清濃度含有培地を分注したマルチタイタ−ウェルに播種した後、種々のサンプルを各ウェルに添加する。
【0014】
MMDF活性は、MTT法(J.M.Greenら;J.Immunol.Methods、70、257−268(1984))による細胞数の測定及び、顕微鏡下での細胞形態観察により行う。また、 3H−ロイシンの取り込み量を測定することにより、蛋白質の合成能に対する影響を調べる。
その結果、ヒト由来の細胞、好ましくは血液由来の白血球を除く細胞、例えばヒト癌組織由来又はヒト正常組織由来の細胞株、好ましくはヒト甲状腺癌細胞株,さらに好ましくはTCO−1の培養液に、末梢血由来の単球又はマクロファ−ジを1%以下の低血清濃度添加培地中で、14日間以上長期生存維持させながら、成熟及び分化させる蛋白質性因子を見出すことができる。
上記活性測定方法を用いて、各種培養細胞や初代培養細胞の培養液、または尿、血清、血漿中のMMDF活性の有無を測定することにより、MMDFを産生する培養細胞や組織を選択することができ、天然のMMDFの供給源を特定できる。そして、ここで用いた培養細胞は、樹立された細胞株に限らず、初代培養細胞も含まれる。又、培養細胞の培養上清の調製は、無血清が望ましいが、1−10%の牛胎児血清又は、0.1−0.5%牛血清アルブミンを含有する培地等でも行われる。
活性測定に使用する血清濃度は、1%以下が好ましいが、基礎培地等の選択によっては、1%以上の血清濃度でも測定可能である。
【0015】
本発明では、天然のMMDFの供給源として、ヒト癌細胞株、好ましくはヒト甲状腺癌細胞株,さらに好ましくはTCO−1を使用し、基礎培地として、例えばDMEM培地(日水製薬)とハムF−10培地(GIBCO社)を3:1に混合した培地を使用する。使用できる培地としては、前述の培地に限られたものではなく市販されているRPMI−1640培地、MEM培地、IMDM培地等が挙げられる。基礎培地を使って2×105 個/mlになるように細胞を調製し、225cm2 の培養用フラスコ(コ−スタ−社)等に40−60ml播種し、37℃で5%炭酸ガスインキュベ−タ−内で培養する。細胞の増殖がコンフルエント前になったら、培養液を除去し、新鮮な同じ培地と交換する。この培養液の採取回収並びに新鮮培地との交換は好ましくは7日毎に行うが、特に限定されたものではない。
【0016】
本発明におけるMMDF活性を有する物質は、種々の分離操作により単離精製することができる。単離精製方法としては、次の方法が用いられる。
上記ヒト細胞株の培養液を原材料として、種々の分離操作により単離精製することができる。このような方法としては、蛋白沈殿による方法、限外濾過による方法、イオン交換クロマトグラフィ−による方法、疎水クロマトグラフィ−による方法、ゲル濾過又は分子篩クロマトグラフィ−による方法、高速液体クロマトグラフィ−による方法、逆相クロマトグラフィ−による方法、アフィニティ−クロマトグラフィ−による方法、吸着クロマトグラフィ−による方法、色素クロマトグラフィ−による方法、電気泳動による方法などが挙げられる。
蛋白沈殿による方法では、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩析剤を用いることが好ましい。
イオン交換クロマトグラフィ−による方法では、例えば、DEAE(ジエチルアミノエチル)、アミノエチル或いは、4級アミノエチル基を官能基として有する陰イオン交換体並びに、カルボキシメチル或いはスルホメチルプロピル基を官能基として有する陽イオン交換体を用いることができる。
疎水クロマトグラフィ−による方法では、フェニルセファロ−ス、オクチルセファロ−ス、ブチルトヨパ−ル等を用いることができる。
吸着クロマトグラフィ−による方法としては、ハイドロキシアパタイト等を用いることが好ましい。
アフィニティ−クロマトグラフィ−による方法としては、抗体結合担体特に、抗体としてはモノクロ−ナル抗体を用いたものが好ましい。
【0017】
原材料である上記ヒト癌細胞株の培養液を、2.5M NaCl含有トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化させた疎水クロマトグラフィ−例えば、ブチルトヨパ−ル(東ソー社)に付し、0.5M NaCl含有トリス緩衝液(pH7.5)でMMDFを含む吸着物を溶出する。該溶出活性画分を0.5M NaCl含有リン酸緩衝液(pH7.0〜7.5)で平衡化したハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィ−(バイオラッド社)に付し、1.4M NaCl含有リン酸緩衝液でMMDFを含む吸着物を溶出する。MMDF活性を有する該溶出活性画分を、1.5M 硫酸アンモニウム含有トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化した疎水クロマトグラフィ−例えば、フェニルセファロ−ス(ファルマシア社)に付し、1.5Mから0Mへの硫酸アンモニウムの直線濃度勾配に変化させたトリス塩酸緩衝液でMMDFを含む吸着物を溶出させると、0.7M付近の硫酸アンモニウム濃度でMMDF活性物質が溶出される。該溶出活性画分を、約0.1M NaCl含有トリス塩酸緩衝液(pH7)で平衡化した陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、例えば、Q−セファロースカラム(ファルマシア社)に付し、0.1Mから0.4MのNaClの直線濃度勾配に変化させたトリス塩酸緩衝液で溶出させる。
その結果、約0.3M NaCl濃度付近にMMDF活性物質が溶出される。このようにして得たMMDF活性物質を含む画分(以下Fr.Qという)をゲル濾過カラム、例えば、ス−パ−ロ−ズ12(ファルマシア社)を装着したFPLC(Fast Performance Liquid Chromatography)(ファルマシア社)に付すと、標準蛋白質との比較によりMMDF活性を有する物質の分子量は(45±5)KDと推定される。
【0018】
次に、Fr.Qを非還元下でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し、電気泳動後、ゲルを銀染色キット(和光純薬社)で染色しバンドを確認する。同時に平行して、同条件でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う。電気泳動後、分子量マ−カ−を参考にしてゲルを、10KD以下、10−16KD、16−22KD、22−31KD、31−46KD、46KD以上の6画分に分割して切り取る。切り取ったゲルを破砕し、0.3%SDS溶液中で、4℃で一晩中インキュベ−ションすることにより、蛋白質を抽出後、SDS除去カラム、例えば、Ampure DT(アマシャム社)に付してSDSを除去する。その後、抽出した試料について活性を測定した結果、16−22KD画分にだけ活性を認める。
【0019】
Fr.QをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付した後、クマシ−ブリリアントブル−染色を行い、分子量20KD付近のバンドの見える箇所のゲルを切り出し、水で脱色を行う。その後、ゲルをエッペンドルフチュ−ブ内ですりつぶし、0.3%SDSを含むトリス塩酸緩衝液を加えてよく混合後、リシルエンドペプチダ−ゼ(和光純薬社)を加えて37℃で15時間インキュベ−ションする。反応液を濾過後、4SDSガ−ドカ−トリッジ(ポリLC社)を装着させたマイクロボンダスフェア−C18逆相HPLCカラム(ウォ−タ−ズ社)に付すことによりペプチド断片を分離する。溶離液Aとして、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)溶液、溶離液Bとして、0.1%TFAを含有するイソプロピルアルコ−ルとアセトニトリルの1:1の混合液を用い、0%から95%までB液の濃度を直線的に増加させることによりペプチド断片を溶出させる。さらに、分離したペプチド断片をプロテインシ−クエンサ−(477A形 アプライドバイオシステムズ社又は、PPSQ−10形 島津製作所)に付してエドマン分解し、そのアミノ酸配列を読み取り決定する。その結果、天然のMMDFには、少なくとも配列番号4、5、6、7、8、9、10、11に示されるアミノ酸配列を含むことが明らかになる。
【0020】
天然のMMDFに含まれる部分アミノ酸配列を基に、その配列をコ−ドすると考えられるDNAの塩基配列を予測することができる。
方法としては、次の方法を用いる。
【0021】
MMDFの産生細胞であるヒト癌細胞株、例えばヒト甲状腺癌細胞株,好ましくはTCO−1から全RNAを抽出後、mRNAを精製する。そして、天然のMMDFの部分アミノ酸配列の解析により明らかにされた配列番号4−11を基に、その配列をコ−ドすると考えられるDNAの塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをDNA合成装置(381A型、アプライドバイオシステムズ社)で合成する。この合成したオリゴヌクレオチドをプライマ−とし、mRNAを鋳型としてRT−PCR反応を実施した結果、プライマ−として使用したアミノ酸配列以外に、部分アミノ酸配列の解析で得られた他の部分アミノ酸配列をもコ−ドするDNA断片を得る。次に、該ヒト癌細胞株のmRNAを鋳型にしてcDNAライブラリ−を作製し、得られたライブラリ−より上記RT−PCRで得られたDNA断片をプロ−ブとしてスクリ−ニングする。
【0022】
その結果、得られた陽性クロ−ンを大腸菌に感染させ培養した後、ファ−ジDNAを調製する。さらに、このファ−ジDNAを制限酵素で消化後、プラスミドベクタ−に挿入し、クロ−ン化プラスミドDNAを得る。このDNAを各種制限酵素で消化して制限酵素切断点地図を得、さらに全塩基配列を決定する(配列番号2)。次に、その塩基配列より推定されるコ−ド領域のアミノ酸配列を決定する(配列番号1)。得られたcDNAクロ−ンが求めるMMDFをコ−ドするものであるかどうかの確認は、天然のMMDFの部分アミノ酸配列が、クローンにコードされているかどうかで判断できる。推定したアミノ酸配列には、分泌シグナルであると予想される配列に続き、アミノ末端と考えられる配列及び部分アミノ酸配列解析で得られたすべての配列が含まれていることを確認できる。
【0023】
本発明の蛋白質は、上記のアミノ酸配列を有する蛋白質に限定されるものではなく、例えば配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸、該アミノ酸配列のうち、少なくとも1つが削除または置換されたアミノ酸配列を有するか、または該アミノ酸配列に少なくとも1つのアミノ酸が付加又は挿入されたアミノ酸配列を有する蛋白質等が包含される。また、本発明のDNAは、MMDF活性を有する蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含むDNA、例えば配列番号2に記載のヌクレオチド配列のヌクレオチド、該ヌクレオチド配列のうち、少なくとも1つが削除または置換されたヌクレオチド配列を有するか、または該ヌクレオチド配列に少なくとも1つのヌクレオチドが付加又は挿入されたヌクレオチド配列を有し、MMDF活性を有する蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有するDNAが包含される。
【0024】
以上の様にして前述のDNAを得、そのcDNA又はその主要部分を挿入した発現ベクタ−により、形質転換用の宿主、例えば微生物、好ましくは大腸菌、枯草菌、及び酵母からなる群から選択される微生物、又は昆虫細胞もしくは哺乳動物細胞、好ましくはCOS−1,CHO,BHK及びC127Iからなる群から選択される哺乳動物細胞を形質転換させ形質転換体を得る。得られた形質転換体を用いて組換えDNA技術を適用することにより発現させ、活性の確認をおこなう。その場合、宿主によって、使用するベクタ−は使い分けられる。このようにしてMMDFを発現させる。
【0025】
本発明により得られるMMDF活性を有する蛋白質は、貪食能、生体防御作用、抗菌作用、抗腫瘍作用を有する単球又はマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用があることから、通常使用される担体等と共に医薬組成物とされ、癌治療剤、白血病治療剤、免疫賦活剤、感染症治療剤、創傷治療剤として利用することができる。
本発明におけるMMDF活性を有する蛋白質を含有する癌治療剤、白血病治療剤、免疫賦活剤、感染症治療剤、創傷治療剤は、経口あるいは静注、点滴、皮下注射により投与されうる。その投与に際しては、それぞれの投与経路に応じて適当な形態、例えば経口製剤、注射剤,外用剤として製剤される。これらの製剤はそれぞれ常法によって製造され、通常それぞれの剤型に応じた製薬上許容される担体又は添加物が配合される。当該治療剤に含有される、MMDF活性を有する蛋白質の量は、投与方法、剤型、適用疾患等に応じて適宜変更されうるので特に限定されない。
当該治療剤の投与量は、適用疾患、疾患の程度、投与方法、患者の年齢等により異なるが、例えば癌患者に対して、静脈点滴により投与する場合、通常100〜1000μg/ を1日1回投与する。
【0026】
【実施例】
次に実施例により、本発明の単球の成熟分化因子(MMDF)の活性測定、精製、部分アミノ酸配列、遺伝子クロ−ニング並びに発現について説明する。
実施例1 MMDF活性測定用単球の調製およびその活性測定方法
ヒト末梢血100mlに等量のハムF−10培地(GIBCO社)を混合して希釈血液を調製し、Ficoll−Hypaque(LSM、登録商標:Litton Bionetics 社)15mlに対し、該希釈血液を30mlの割合で、両液が混じらないように静かに重層し、1600rpmで30分間、25℃で遠心した。
中間部に形成された単核球層を回収し、ハムF−10培地に分散させ、1600rpmで15分間、25℃で遠心分離を行った。得られた細胞集塊を、再度、ハムF−10培地に分散させ、1200rpmで5分間、25℃で遠心分離を行った。
次に、得られた細胞集塊を非働化した牛胎児血清(FCS)10%を含有するハムF−10培地に分散させ、チュルク染色液を使って細胞数の測定を行い、約7×106 個/mlに調整し、非働化FCS10%含有ハムF−10培地の入った培養用プラスティック製フラスコ(コ−スタ−社)に播種した。
その後、37℃の5%炭酸ガスインキュベ−タ−内にて1時間インキュベ−ションし、培養液を除き、新鮮な同培地で4回培養基面を洗浄した。その後、基面に壁着している単球を剥離させるため、0.5%EDTAと非働化FCS5%を含有するダルベッコリン酸緩衝液(日水製薬)を上記フラスコに添加し、4℃で30分間インキュベ−ションした。
最後に、フラスコを手で叩いて衝撃を与えて細胞を剥離させ、細胞を回収し、活性測定用の単球として使用した。
このようにして得た単球浮遊液をダルベッコリン酸緩衝液に希釈し、1500rpm、4℃で5分間遠心分離後、上清を廃棄した。
次に、1%非働化FCS含有ハムF−10培地に細胞を浮遊させ、1500rpm、4℃で5分間遠心分離後、上清を廃棄し、最終的に1%非働化FCS含有ハムF−10培地に浮遊させた。
チュルク染色液で細胞数を測定し、2×105 個/mlに調整して96穴マイクロタイタ−プレ−ト(コ−スタ−社)に50μl/穴を播種した。
その後、試料を50μl/穴に添加し、炭酸ガスインキュベ−タ−内にて培養を行った。培養中、2〜3日毎に1回、MTT法で細胞数を測定し、培養の経過を追跡した。
【0027】
また、上記のように調整した単球を96穴マイクロタイタ−プレ−トに1×104 個/穴で播種し、培養の途中で、測定の前日より放射性標識物質である 3H−ロイシンを1μCi/ml添加して24時間パルス標識した後、細胞を0.02%EDTA含有のトリプシン溶液で処理することにより細胞を剥離し、セルハ−ベスタ−(スカルトン社)によりガラスフィルタ−上に細胞を捕獲した。その後、4℃でトリクロロ酢酸(TCA)中にガラスフィルタ−上に捕獲した細胞を浸積し、洗浄後、乾燥した。そして、シンチレ−タ−(アムライト、登録商標:デュポン社)3mlを添加したバイアル内にフィルタ−を入れ、液体シンチレ−ションカウンタ−でTCA不溶性画分への取り込み量を測定した。
【0028】
実施例2 ヒト末梢血由来の単球に対する作用
実施例1で示した活性測定法により、粗精製のMMDFの活性を測定した。図1に示されるように、粗精製したMMDFを総蛋白濃度で0.01〜1μg/mlまで添加し、MTT法で細胞数をカウントし、培養経過を追跡した。その結果、MMDF添加群では、長期間即ち14日間以上単球が生存維持されることが認められた。その時、細胞形態を顕微鏡下で観察すると、無添加コントロ−ル群では形態に変化はなく、細胞は死んでいき、培養6日目頃には殆ど死滅したが、MMDF添加群では、殆どの細胞が生存し、マクロファ−ジ様に大きくなって成熟及び分化していくのが認められた。
【0029】
また、実施例1で示した 3H−ロイシンの取り込み法により、単球の蛋白質合成能に対するMMDFの影響を調べた。今回、培養経過の内、培養開始日、6日目、及び9日目の細胞について 3H−ロイシンの取り込み量を測定した。その結果、MMDF添加群では、表1に示すように、培養6日目並びに9日目ともに著しく 3H−ロイシンの取り込み量が増加されることが認められた。すなわち、単球がMMDFにより成熟及び分化させられた結果、単球の蛋白質の合成が活発に促進されたものと考えられる。
【0030】
【表1】
Figure 0004122530
【0031】
次に、実施例1で示した方法と同様な方法でヒト単核球を分離し、末梢血供与者の自己血清を1%含有するハムF−10培地にその細胞を浮遊させ、チュルク染色液で細胞数をカウントし、1×106 個/mlに調整した。その単核球を1×106 個/穴で24穴マルチウェルデッシュ(ファルコン社)に播種した。その後、37℃の5%炭酸ガスインキュベ−タ−内に3時間インキュベ−ションし、壁着性細胞を基面に付着させた。次に、パスツ−ルピペットを使いピペッテング洗浄により非壁着性細胞を取り除いた。再度、ダルベッコリン酸緩衝液を約1ml/穴添加し、ピペッテング洗浄により非壁着性細胞を取り除いた。そこに上記と同様の血清及びMMDFを含むハムF−10培地を添加し、37℃の5%炭酸ガスインキュベ−タ−内にて培養を行い、2〜3日毎に核カウントを行って培養経過を追跡した。培養基面に付着して残っている細胞が、90%以上単球であることを、非特異的エステラ−ゼ染色により確認した。また、核カウントは、培養液除去後、0.1%クエン酸ナトリウム、1%セタブロン(Cethyltrimethyl Ammonium Bromide)と0.05%ナフト−ルブル−ブラックを含有する溶液を50μl/穴添加し、37℃で30分間インキュベ−ションして細胞質の溶解並びに核染色を行い、血球計算盤により測定を行った。その結果、MMDFを添加すると殆どの単球が、14日間以上生存維持され、マクロファ−ジ様に成熟及び分化されることが認められた。
【0032】
実施例3 甲状腺癌細胞株TCO−1の培養液からのMMDFの精製
甲状腺癌TCO−1の培養は、DMEM培地(ダルベッコ改変イ−グル最小必須培地:ニッスイ製薬)とハムF−10培地(GIBCO社)を3:1に混合した培地を用い、無血清培地下で炭酸ガスインキュベ−タ−を使い、5%炭酸ガス濃度及び37℃の条件で行った。
甲状腺癌細胞株からMMDFを産生させるには、次のようにして行った。上記培地を用いて該細胞を2×105 個/mlの細胞数に調整し、培養面積225cm2 の培養フラスコ(コ−スタ−社)に45mlずつ播種した。培養は、5%炭酸ガス濃度,37℃で行なった。細胞の増殖がコンフルエント前になったら、新鮮な培地30mlに交換し、7日毎に培養液採取並びに新鮮培地との交換を行い、MMDFの生産を行った。
【0033】
以上のようにして得た培養液10〜20リットルを、2.5M NaClを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化した疎水性クロマト樹脂であるブチルトヨパ−ル(東ソ−社)を充填したカラムに付し、0.5M NaClを含む50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)でMMDFを含む吸着物を溶出させた。次に、該溶出活性画分を0.5M NaClを含む10mM リン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したハイドロキシアパタイト(バイオラッド社)を充填したカラムに付し、1.4M NaClを含む10mM リン酸緩衝液(pH7.0)でMMDFを含む吸着物を溶出させた。
【0034】
次に、該溶出活性画分に、最終濃度が1.5Mになるように硫酸アンモニウムを加え、混合攪拌した。この溶液を、1.5M 硫酸アンモニウムを含む50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化した疎水性クロマト樹脂であるフェニルセファロ−ス(ファルマシア社)を充填したカラムに付し、硫酸アンモニウム濃度を1.5Mから0Mの濃度までの直線的勾配で蛋白質を溶出させた。その結果、約0.7M 硫酸アンモニウム濃度でMMDF活性を有する物質が溶出された。得られた該活性画分を、0.1M NaClを含む50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化した陰イオン交換樹脂であるQ−セファロ−スハイパフォ−マンス(ファルマシア社)を充填したカラムに付し、塩濃度を0.1Mから0.4Mまでの直線的勾配で上昇させることによりMMDFを含む吸着物を溶出させた。その結果、図2に示されるように、約0.25M NaClで溶出される画分に活性ピ−クを認めた。さらに、該活性画分をゲル濾過樹脂であるス−パ−ロ−ズ12HR10/30(ファルマシア社)を充填したカラムでFPLC(Fast Performance Liquid Chromatography)を行い、0.15M NaClを含む50mMトリス塩酸緩衝液で溶出し、各画分の活性測定を行った。その結果、分子量約44KDにMMDF活性ピ−クを認めた。
【0035】
実施例4 甲状腺癌細胞株TCO−1の培養液から精製したMMDFのポリアクリルアミドゲル電気泳動
0.1%のSDSを含む分離用16%ポリアクリルアミドゲルに、実施例2で得られた試料、すなわち、Q−セファロースハイパフォーマンスカラムで分画されたMMDF活性画分(Fr.Q)を付し、非還元条件下及び還元条件下で電気泳動を行った。ゲル内には0.1%SDSを含む25mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、泳動内には0.1%SDSと192mMグリシンを含む25mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)を用いた。15mAの定電流で2時間泳動後に、ゲル中の蛋白質を銀染色キット(和光純薬社)で染色し、泳動の結果を図3に示す。標準分子量マーカーの分子量(KD)をレーン左側に記載した。レーン1は標準分子量マーカー(ファルマシア社)、レーン2は、実施例2で精製した画分を還元下で泳動した結果を示し、レーン3は、非還元下で泳動した結果を示す。同時に平行して、非還元下の同条件でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、電気泳動後のゲルを6画分に切り取った。すなわち、標準分子量マ−カ−との相対的位置からの算定により、10KD以下、10〜16KD、16〜22KD、22〜31KD、31〜46KD、46KD以上の6画分にゲルを分割して切り取った。切り取ったゲルを破砕し、0.3%SDS溶液中で、4℃で一晩中インキュベ−ションすることにより蛋白質をゲルから抽出した。その後、SDS除去カラムのAmpure DTに付して、SDSを除去した試料について、実施例1で示した方法によりMMDF活性を測定した。その結果、16〜22KD画分にだけ活性が認められた。
【0036】
実施例5 甲状腺癌TCO−1の培養液から精製されたMMDFの部分アミノ酸配列の解析
実施例3で精製したMMDF活性画分(Fr.Q)を約5μg/レーン相当で16%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付した後、クマシーブリリアントブルーで染色を行った。その後、20KD付近のバンドの見える箇所のゲルを切り出し、水で脱色を行った。さらに、該ゲルをエッペンドルフチュ−ブ内でよくすり潰し、0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH9.5)と0.3%SDS溶液を加えて良く混ぜた後、250pmoleのリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬社)を加えて、37℃で15時間インキュベーションを行った。消化後、1μlのβ−メルカプトエタノールを添加し、さらに37℃で1時間インキュベーションを行い、0.22μmのフィルターで濾過し、4SDSガードカートリッジ(ポリLC社)を繋いだマイクロボンダスフェアーC18(5μm、300Å)逆相HPLCカラム(ウォーターズ社)を用いてペプチド断片を分離した。溶離液Aとして、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)溶液、溶離液Bとして、0.1%TFAを含有するイソプロピルアルコールとアセトニトリルの1:1の混合液を用い、40分間に0%から40%までB液を直線的に増加させた後、次の20分間に40%から80%まで直線的に増加させ、さらに、次の10分間に80%から95%まで増加させ、最終的に10分間、95%で流しペプチド断片を溶出させた。次に、分離されたペプチド断片をプロテインシークエンサー(477A形 アプライドバイオシステムズ社又はPPSQ−10形 島津製作所)を用いてアミノ酸配列を読み取り決定した。その結果、配列番号4、5、6、7、8、9、10、11に示されるアミノ酸配列が決定され、天然のMMDFには、少なくともこれら配列番号4−11に示されるアミノ酸配列が含まれることが明らかになった。
【0037】
次に、上記と同様に実施例3で精製したMMDF活性画分(Fr.Q)をさらにフェニル5PW RP逆相HPLCカラム(ウォーターズ社)に付し、分離精製を行った。溶離液A及びBは、上記マイクロボンダスフェアーC18逆相HPLCカラムの場合と同じ組成の溶液を使用し、35分間に5%から40%までB液を直線的に増加させた後、次の20分間で40%から80%まで直線的に増加させ、MMDF活性画分をさらに分離精製した。そして、5本の蛋白質ピークが得られたので、それらを分画し、マススペクトル分析を行った(MALDI−TOF:フィニガンマット社)。その結果、16343.5ダルトン、17321.9ダルトン、17712.0ダルトン、17833.6ダルトン、18577.9ダルトンのスペクトルが観測された。マススペクトルの精度を約0.04%とし、配列番号1を参考にすると、C末端アミノ酸は、177番のグリシン(Gly),186番のアスパラギン酸(Asp)、190番のバリン(Val),191番のグルタミン酸(Glu)、197番のグルタミン酸(Glu)であると推定された。従って、TCO−1細胞由来の天然のMMDFは、プロセッシングによりC末端にヘテロジェネイティーを有していることが示唆され、少なくとも配列番号1で示される25番のスレオニンから177番のグリシンまでを含む蛋白質、25番のスレオニンから186番のアスパラギン酸までを含む蛋白質、25番のスレオニンから190番のバリンまでを含む蛋白質、25番のスレオニンから191番のグルタミン酸までを含む蛋白質、及び25番のスレオニンから197番のグルタミン酸までを含む蛋白質が含まれていることが考えられた。
【0038】
実施例6 MMDFをコ−ドするcDNAのクロ−ニング
MMDFを産生するヒト甲状腺癌細胞株TCO−1をRNA調製の供給源とした。細胞は、DMEM培地とハムF−10培地を3:1に混合した培地で維持した。全RNAはChomczynskiとSacchiの方法(Anal.Biochem.,162,156−159,(1987))に従い抽出した。全RNAからのmRNAの調製には、Oligotex−dT30 Super(日本合成ゴム株式会社)を使用した。
実施例5で得られたMMDFの部分アミノ酸配列解析の結果の中より、配列番号8に含まれるIle−Cys−Arg−Ala−Gln−Ser−Glu−Glyを基に、5’−d[ATCTGCAGAGCTCAGTCAGAAG]−3’、配列番号11に含まれるGlu−Val−Glu−Leu−Thr−Arg−Asn−Asnを基に、5’−d[ATTGTTTCTCGTTAACTCCACCTC]−3’の配列を有するオリゴヌクレオチドをDNA合成装置(381A形、アプライドバイオシテムズ社)を用いて合成した。上記mRNA0.2μgを鋳型としてFirst Strand cDNA SynthesisSystem(アマシャム社)を用いて、GublerとHoffmanの方法(Gene,25,263−268(1983))で1本鎖cDNAを合成した。次に、これを鋳型に上記2種のオリゴヌクレオチド及びPfu DNA polymerase(ストラタジ−ン社)を使用して95℃で5分を1サイクル、95℃で1分、65℃で25分、75℃で3分を40サイクルの条件でRT−PCR反応を実施した。その結果、得られた321塩基対のDNA断片を、一旦、pBluescriptSK+プラスミドベクタ−(ストラタジ−ン社)の制限酵素EcoRVによる切断部位にサブクローン化した後、塩基配列をPRISMDyeDeoxy terminator cycle sequencing kit と373A型DNAシーケンサー(パーキンエルマ−社)を用いて決定した結果、PCRプライマーの設計に使用したアミノ酸配列以外に、部分アミノ酸配列の解析で得られていた他の部分アミノ酸配列がコードされていることが確認された。
【0039】
次に、上記MMDF産生細胞のmRNA3μgを鋳型にしてcDNAライブラリ−を作製した。すなわち、cDNA synthesis system plus(アマシャム社)を用いて合成した2本鎖cDNAに、Rapid adaptor ligation module(アマシャム社)を用いて、EcoRIアダプタ−を付加したものを、EcoRI消化済のλgt10ア−ム(ストラタジ−ン社)に結合した後、GigapackII gold(ストラタジ−ン社)を用いてパッケ−ジングした。上記RT−PCRで得られたDNA断片をMultiprime DNA labelling systemと[α32P]dCTP(アマシャム社)で標識したものをプロ−ブとして使い、得られたcDNAライブラリ−のうち、40万個の組換えファ−ジを以下の方法でスクリ−ニングした。すなわち、23cm×23cmのLB寒天培地上に、組換えファ−ジ10万個と大腸菌NM514株と0.7%アガロ−スを含むLB軟寒天培地と共に重層したものを4枚調製し、37℃で12時間、4℃で1時間保温した。生じたプラークをニトロセルロースフィルターに移し、1.5M NaCl含有0.5M NaOH溶液に1分、1.5M NaCl含有0.5M トリス塩酸緩衝液(pH7.5)に5分、2×SSCに5分浸した後、風乾し、ベーキング処理を80℃で2時間行ってDNAを固定した。
該フィルタ−を0.1%SDS含有6×SSCに浸し、60℃で20分保温した後6×NET,5×Denhardt’s solution,0.1%SDS及び大腸菌DNA100μg/mlからなるプレハイブリダイゼ−ション溶液中で、65℃で2時間保温し、次いで同じ組成溶液で標識プロ−ブを含むハイブリダイゼ−ション溶液中で65℃で18時間保温した。保温後、フィルタ−を0.1%SDS含有1×SSCに浸し、65℃で保温して洗浄後、風乾し、X線フィルムと増感スクリ−ンをあてて、−80℃で48時間露光した。現像後、陽性プラ−ク候補を選択した。
同様の方法で2次スクリーニングを実施し、7クローンの陽性が確認された。得られた7クロ−ンについて、以下のようにしてサブクローニングを実施した。
【0040】
大腸菌NM514株にクローンのファージ懸濁液を感染させたものにNZYM培地を加えた後、37℃で18時間振とうして溶菌液を得た。遠心分離した上澄みにDNaseとRNaseをそれぞれ10μg/mlを添加し、37℃で20分保温後、PEG6000を10%、NaClを1.25Mになるように添加して氷上で1時間冷却した。その後、遠心分離によってファ−ジ粒子を含む沈殿を得、1%SDS存在下、65℃で5分保温した後フェノ−ル抽出及びエタノ−ル沈殿を行ってファージDNAを得た。得られたDNAを制限酵素EcoRIで消化し、pBluescriptSK+のEcoRI切断部位に挿入した。それぞれのサブクローンプラスミドDNAを各種制限酵素で消化して制限酵素切断点地図を作製したところ、これらクローンは同様のパターンを示したので、その中から3クローン(#3、#5、#11)を選び、塩基配列を決定した。その結果、クロ−ン間に塩基配列の不一致は認められなかったので、最長のクロ−ン(#5)を選び、以下の実験に使用することとした。
【0041】
#5の塩基配列(配列番号2)から推定されたコ−ド領域中のアミノ酸配列(配列番号1)中には、分泌シグナルであると予想される配列に続き、アミノ末端と考えられる配列(配列番号4)並びに、部分アミノ酸配列解析で得られた全ての配列が含まれていることが確認された。クローン#5cDNAのコード領域を含むSmaI−HindIII 断片をpBluescriptSK+に挿入してpBS[MMDF#5]を得た。このプラスミドDNAにより形質転換された大腸菌JM109をEscherichia coli pBS(MMDF#5)と命名し、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成7年12月25日に寄託した(受託番号 FERM P−15371)。
【0042】
実施例7 COS−1細胞によるMMDFの発現
動物細胞での発現ベクタ−であるpCDMmcsに実施例6で得られたcDNA(配列番号1)を挿入した。すなわち、発現ベクターpCDMmcsは、Seed(Nature,329,840−842(1987))によって開発されたpCDM8のクローニング部位を含むHindIII −XbaI断片をプラスミドRc/RSV(インビトロジェン社)の同断片で置き換えたものである。
次に、実施例6で得たプラスミドDNApBS[MMDF#5]を制限酵素SmaI及びXhoIで切断して生じた断片を、pCDMmcsのEcoRVとXhoIの消化部位に挿入して発現ベクタ−pCDMmcs[MMDF#5]を得た。
次に、調製したプラスミドDNA2μg/ml、DEAEデキストラン100μg/ml、およびクロロキン100μMを含むDMEM培地3mlを、予めCOS−1細胞1×106 個を播種したディッシュに添加し、37℃の5%炭酸ガスインキュベーター内で5時間インキュベーションした。その後、培地を抜き取り10%DMSO(ジメチルスルフォキシド)および10%FCSを含むDMEM培地1.5mlを添加して室温で2分間インキュベ−ションした後、ゲンタシン50μg/ml及び10%FCSを含むDMEM培地3mlと培地交換をした。24時間インキュベ−ション後、再度、DMEM培地3mlと培地交換をし、同じ5%炭酸ガスインキュベータ内で培養した。6日間培養後、培養液を回収し組換え型MMDF(rMMDF)のサンプルとした。
【0043】
次に、上記と同様にして、配列番号1に示される1番のメチオニンから197番のグルタミン酸までをコ−ドする遺伝子、1番のメチオニンから186番のアスパラギン酸までをコ−ドする遺伝子を各々別々に発現ベクターpCDMmcsに挿入し、各々の発現ベクタ−を作製した。さらに、同条件でCOS−1細胞にトランスフェクションさせ、6日間培養後の培養液を回収した。以下、配列番号1をコ−ドする遺伝子を挿入して得た培養液をrMMDF、1番のメチオニンから197番のグルタミン酸までをコ−ドする遺伝子を挿入して得た培養液をrMMDF(Glu197)、1番のメチオニンから186番のアスパラギン酸までをコ−ドする遺伝子を挿入して得た培養液をrMMDF(Asp186)とよぶこととした。
【0044】
実施例8 各種組換え型MMDFの活性測定
実施例7で示したように、得られた各種組換え体の培養液、すなわち、rMMDF、rMMDF(Glu197)、rMMDF(Asp186)について、実施例1で示した活性測定方法で活性を測定した。同時に、MMDFの遺伝子を含まない発現ベクタ−で形質転換させた細胞(Mock細胞)の培養液についても、並行して、その活性を測定した。その結果、形質転換体の培養液であるrMMDF、rMMDF(Glu197)およびrMMDF(Asp186)にはMMDF活性が認められたが、Mock細胞の培養上清にはMMDF活性は認められなかった。
【0045】
実施例9 各種臓器及び細胞株におけるMMDF遺伝子の発現
ヒトの各種臓器から抽出したmRNAを各2μgずつ、予めナイロンメンブランに固定してあるMultiple Tissue Northern Blot(クロンテック社)のHuman,HumanIIを5×SSPE,10×Denhardt’s solution,50%ホルムアミド、2%SDSおよび超音波処理したE.coli DNA 100μg/mlからなるプレハイブリダイゼ−ション溶液中で、42℃で3時間保温した後、実施例6で示したものと同じ標識プロ−ブを含むプレハイブリダイゼ−ション溶液と同組成のハイブリダイゼ−ション溶液中で、42℃で18時間保温した。その後、メンブランを0.1%SDS含有の1×SSCに浸し65℃で保温して洗浄後、風乾し、X線フィルムと増感スクリ−ンをあてて、−80℃で72時間露光後、現像した。
以上のようにして、MMDF遺伝子の発現分布をノ−ザンブロッティングで調べた。その結果、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、および結腸にMMDF遺伝子の発現を示す約3.0kbと約2.1kbのバンドが認められたが、末梢血由来白血球にはその存在は認められなかった。
【0046】
次に、ヒト由来細胞株であるA431(ATCC CRL1555)、A549(ATCC CCL185)、HeLa(ATCC CCL2)、HepG2(ATCC HB8065)、LoVo(ATCC CCL229)、KATO−III (ATCC HTB103)、HL−60(ATCC CCL240)、K562(ATCC CCL243)、THP−1(ATCC TIB202)、U937(ATCC CRL1593)、TCO−1(JCRB0239)の細胞より調製したmRNA各3μgを、50%ホルムアミド、7.2%ホルムアルデヒド、20mM MOPS緩衝液(pH7.0)、0.1mM EDTA、1mM 酢酸ナトリウム、エチジウムブロマイド20μg/mlからなる溶液20μlに溶解し、65℃で10分間保温した。その後、1.2%アガロ−ス、6.6%ホルムアルデヒド、20mM MOPS緩衝液(pH7.0),0.1mM EDTA、1mM 酢酸ナトリウムからなるアガロ−スゲルに付し、20mM MOPS緩衝液(pH7.0)、1mM EDTA,1mM 酢酸ナトリウムからなる泳動用溶液中で電気泳動を行った。
【0047】
電気泳動後、ゲルを水に5分間浸した後、50mM NaOH中で30分、0.1M トリス塩酸緩衝液(pH7.5)中で30分処理し、ゲル中のmRNAを、10×SSCを用いたキャピラリ−法でナイロンメンブランに移した。そのメンブランを2×SSCでリンスした後、風乾し、80℃で2時間ベーキングしてRNAを固定した。次に、メンブランを0.1%SDS含有の4×SSCに浸し、50℃で10分間保温した後、6×SSPE、10×Denhardt’ssolution,1%SDS、40%ホルムアミド及び超音波処理したE.coli DNA100μg/mlからなるプレハイブリダイゼ−ション溶液中で45℃で2時間保温した。そして、5×SSPE、5×Denhardt’ssolution、0.1%SDS、40%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、E.coli DNA 100μg/mlおよび上記と同様に実施例6で示したものと同じ標識プロ−ブからなるハイブリダイゼ−ション溶液中で45℃で18時間保温した。その後、メンブランを上記と同様に洗浄、乾燥、露光の操作を実施した結果、A549、HeLa、HepG2及び、TCO−1にMMDF遺伝子の発現を認めた。
【0048】
実施例10 白血病細胞株(U937)に対するMMDFの作用
白血病細胞株(U937)を10%FCSを含有するIMDM培地に浮遊させ、2×10個/mlに調製後、96穴マイクロタイタープレート(コースター社)に50μ/穴を播種した。その後、粗精製したMMDFを総蛋白質濃度で0.1μg/ml添加し、組換え型MMDFについては、実施例7で示したように、得られた組換え体の培養液(rMMDF)並びに、Mock細胞の培養液を各10%添加して3日間培養を行った。MTT法で細胞数をカウントした結果、Mock細胞の培養液添加群では細胞にまったく影響はなかったが、粗精製MMDF添加群では約40%の増殖抑制が認められ、rMMDF添加群では約30%の増殖抑制が認められた。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、外来刺激の認識、貪食、消化、生理活性物質の分泌、抗原提示などの様々な機能により、生体防御に関与し、抗菌作用および抗腫瘍作用などを有する細胞である単球或いはマクロファージに対し長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用をもつMMDFが得られた。その結果、抗癌剤、免疫賦活剤、感染症治療剤として医薬への応用が可能になった。また本発明により、MMDFのcDNAがクローン化され、組換え型MMDFの活性も確認されたことから、遺伝子操作技術の方法を用い、MMDFの大量生産も可能になった。
【0050】
【配列表】
Figure 0004122530
Figure 0004122530
【0051】
Figure 0004122530
【0052】
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【0053】
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【0054】
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【0055】
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【0056】
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【0057】
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【0058】
Figure 0004122530
【0059】
Figure 0004122530
【0060】
Figure 0004122530

【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト末梢血由来の単球を使い、MMDFの活性をMTT法で測定した結果を示す図である。
【図2】Q−セファロ−スカラムクロマトグラフィ−による、MMDFの精製結果を示す図である。
【図3】Q−セファロ−スカラムクロマトグラフィ−により精製されたMMDFのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。

Claims (13)

  1. 液体培養において、単球またはマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(MMDF活性)を有し、配列番号1に記載のアミノ酸配列中少なくとも25番目〜177番目のアミノ酸配列を含む蛋白質を含有する、単球の成熟分化
  2. 液体培養において、単球またはマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(MMDF活性)を有し、
    a)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または
    b)配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸のうち、1つが削除または置換されたアミノ酸配列を有するか、または該アミノ酸配列に1つのアミノ酸が付加または挿入されたアミノ酸配列
    を有する蛋白質を含有する、単球の成熟分化
  3. 単球またはマクロファージがヒト細胞由来のものである、請求項1または2に記載の単球の成熟分化
  4. 蛋白質がヒト細胞由来である、請求項1または2記載の単球の成熟分化
  5. ヒト細胞が血液由来の白血球を除くヒト癌組織またはヒト正常組織より樹立された細胞株である、請求項4記載の単球の成熟分化
  6. 蛋白質が、血液由来の白血球を除くヒト癌組織またはヒト正常組織より樹立された細胞株であるヒト細胞の培養液から精製された、請求項1または2に記載の単球の成熟分化
  7. 液体培養における血清濃度が1%以下で、単球またはマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用を有する、請求項1または2に記載の単球の成熟分化
  8. 液体培養における長期生存維持を、14日以上継続させる、請求項1または2に記載の単球の成熟分化
  9. 蛋白質が、遺伝子組換え技術により生産されたものである、請求項1または2に記載の単球の成熟分化
  10. 蛋白質が、以下の工程を包含する方法により生産されたものである、請求項9記載の単球の成熟分化
    (1)液体培養において、単球またはマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(MMDF活性)を有し、
    a)配列番号1に記載のアミノ酸配列中少なくとも25番目〜177番目のアミノ酸配列、b)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または
    c)配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸のうち、1つが削除または置換されたアミノ酸配列を有するか、または該アミノ酸配列に1つのアミノ酸が付加または挿入されたアミノ酸配列
    を含む蛋白質をコードするヌクレオチド配列を有するDNAを含む組換え発現ベクターで形質転換された形質転換体を培養する工程。
    (2)培養物からMMDF活性を有する蛋白質を採取する工程。
  11. 形質転換体が、大腸菌、酵母、枯草菌、昆虫細胞および哺乳動物細胞からなる群から選択される請求項10記載の単球の成熟分化剤
  12. 液体培養において、単球またはマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(MMDF活性)を有し、配列番号1に記載のアミノ酸配列中少なくとも25番目〜177番目のアミノ酸配列を含む蛋白質を含有する免疫賦活剤。
  13. 液体培養において、単球またはマクロファージを長期生存維持させながら、成熟及び分化させる作用(MMDF活性)を有し、
    a)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または
    b)配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸のうち、1つが削除または置換されたア ミノ酸配列を有するか、または該アミノ酸配列に1つのアミノ酸が付加または挿入されたアミノ酸配列
    を有する蛋白質を含有する、免疫賦活剤。
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