JP4122492B2 - 工場廃水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場廃水処理装置に関し、詳細には、油を含む工場廃水を複数の沈澱槽及び濾過槽に順次導入して通過させ、油を除去して清浄化する工場廃水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車解体工場、スクラツプ工場、ガソリンスタンド等においては、エンジンオイル、ブレーキオイル、ガソリン等の油が床、敷地内等に漏れることがしばしばであり、その都度又は定期的に水で洗浄して洗い流し、又は降雨により洗い流される。これらの洗浄水、雨水等は、敷地内、敷地周囲等の排水溝から河川や海に排出されるが、多量の油が含まれた汚水すなわち工場廃水であるため、直接河川や海に排出することは環境を破壊することになり、油を除去して清浄化した後に排出することが要求されている。
【0003】
そこで、工場廃水を複数の沈澱槽及び濾過槽に順次導入して通過させ、油を除去して清浄化する工場廃水処理装置が各種採用されている。例えば、車解体工場においては、3つの沈澱槽と1つの濾過槽とが直列配置され、上流側の沈澱槽の中間部と下流側の沈澱槽の上部とが逆L字管からなる導水管路で連通され、最終の沈澱槽の中間部と濾過槽の上部とが逆L字管からなる噴水管路で連通された工場廃水処理装置が採用されている。この工場廃水処理装置によれば、排水溝から流入した廃水は、各沈澱槽で一時滞留し、その間に分離した油が水面に浮き、砂、石、ごみ等の固体粒子に付着した油、油塊等が沈澱し、大部分の油が除去される。そして、最終の沈澱槽から濾過槽に導入された廃水は、砂層、石層等からなる濾材層を流下して通過する間に油が除去され、清浄化されて排水される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の工場廃水処理装置については、短期間に濾材層に多量の油が付着し、清浄化機能が早期に低下するという問題点がある。その原因について検討した結果、次のことが明らかになつた。
▲1▼ 最初の沈澱槽が中間の沈澱槽に逆L字管からなる導水管路で連通されているため、下流の沈澱槽への油の流入量、いいかえれば濾過槽への油の流入量を抑制し難い。すなわち、排水溝から流入する廃水は、各沈澱槽で一時滞留する間に分離した油が水面に浮き、固体粒子に付着した油、油塊等が沈澱することにより、含まれる油量が順次減少されて濾過槽に流入する。ところで、濾過槽に流入する廃水には、油が限りなく少ないことが望ましいが、最終の沈澱槽で緩り沈降し又は浮遊する固体粒子に付着した油、油塊等や分離していない油等が混入している。これらの油は、中間の沈澱槽から流入する廃水中の油量に依存し、中間の沈澱槽の廃水中の油量は最初の沈澱槽から流入する廃水中の油量に依存している。最初の沈澱槽では、廃水中の大部分の油が分離して水面に浮き、固体粒子に付着した油、油塊等で重いものは沈み、廃水から分離される。ところが、廃水中には緩り沈み又は浮遊する固体粒子に付着した油、混入した油が相当量含まれており、これらの油が導水管路から中間の沈澱槽に流入することになる。
▲2▼ 各沈澱槽を連通する導水管路の出口が水平に向き、廃水が対向する沈澱槽間の隔壁に向けて流入するため、特に廃水の流入量が多い場合には水平の回転流れが生じ、これにより渦が発生する。この渦により、水面に浮いた油が底に引き込まれ、導水管路から下流の沈澱槽又は噴水管路から濾過槽に流入する。また、上流側の導水管路の出口と下流側の導水管路又は噴水管路の入口が各沈澱槽の中心線上にあることから、前記渦による影響を受け易く、各沈澱槽又は濾過槽に流入する廃水中に上流側の沈澱槽の水面に浮く油が引き込まれる。
▲3▼ 噴水管路の出口が垂直でしかも濾過槽側に僅かに突出した位置に設定されているため、流入する廃水が濾材層の全面に行き渡らない。そのため、廃水が濾材層の局部において流下し、その部位の濾材層に集中的に油が付着し、濾材層全体としての機能を早期に低下させる。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたもので、その課題は、工場廃水に含まれる油による濾過槽の濾材層の早期の汚染を抑制し、工場廃水を長期間にわたり清浄化し得る工場廃水処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明では、オガ屑が油の吸着性に優れていることに着目し、オガ屑を流動状に収納保持するオガフイルターを製作し、このオガフイルターを最初の沈澱槽と次の沈澱槽間に配置することにより、次の沈澱槽への油の流入ひいては濾過槽への流入を抑制するようになつている。濾過槽の濾材層の上部にオガフイルターからなる濾材を載置し、濾過槽に導入された油を先づ濾材で吸着除去し、濾材層の早期の汚染を抑制するようになつている。噴水管路を濾過槽の中央付近まで配設し、出口を広く設定することにより、流入する廃水が広い範囲に分散され、濾材層の局部的な汚染を抑制するようになつている。また、上流の沈澱槽と下流の沈澱槽とを連通する導水管路の出口を上向で導水管路断面積よりも広く設定することにより、下流の沈澱槽の水面に浮かぶ油を底に引き込まないようになつている。
【0007】
すなわち、本発明は、油を含む工場廃水を複数の沈澱槽及び濾過槽に順次導入して通過させ、油を除去して清浄化する工場廃水処理装置であつて、最初の沈澱槽と次の沈澱槽との各上部を連通するように流水路が設けられ、流水路の入口を覆うようにオガフイルターからなる濾材が着脱自在に配置され、オガフイルターが目の粗い布製の袋にオガ屑を八分目収納し、オガ屑が上下に偏よらないように袋の表裏を上下複数個所で連結して平板状に形成されており、濾材の上流に間隔を置いて防波板が設けられ、防波板が最初の沈澱槽の上端から濾材の下端付近まで上下に延設されている。なお、防波板は、下端が濾材の下端より上方にあり、下端側に複数の流水孔が形成されていることが好ましく、流水孔を通る流れにより上昇流を減速するようになつている。また、流水路の出口を覆うようにオガフイルターからなる濾材が着脱自在に配置されていることが好ましく、流水路を濾過槽兼沈澱槽としている。
【0008】
また、本発明は、上流の沈澱槽の中間部と下流の沈澱槽の上部とを連通するように導水管路が設けられ、この導水管路の出口が停止水位より下方で上向に開口し、出口の開口面積が導水管路の断面積よりも大きく設定されている。最終の沈澱槽の中間部と濾過槽の上部とを連通するように噴水管路が設けられ、この噴水管路は、濾過槽において中央まで水平に延設され、先端から基部寄りにかけて底部を残して上方に開口した出口が形成され、底部に複数の流下孔が形成されている。濾過槽は、濾材層の上部にオガフイルターからなる濾材が着脱自在に載置され、オガフイルターが目の粗い布製の袋にオガ屑を八分目収納し、オガ屑が偏らないように袋の表裏を連結して平板状に形成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態の概念的説明図、図3及び図4は本発明の実施形態における濾材の概念的説明図である。図1において、1は工場排水処理装置、2は工場の敷地周囲等に設けられた排水溝、3は第1沈澱槽、4は第2沈澱槽、5は第3沈澱槽、6は第4沈澱槽、7は濾過槽である。以下において、上流及び下流は、廃水の流れ方向に基づく表現であり、図1における左側を上流、右側を下流と称する。停止水位Hは、排水溝2から廃水が流入していない時の各槽3、4、5、6、7の水位を意味している。
【0010】
第1沈澱槽3は、上方が開口した箱型の水槽で、一方の側壁の上部隅寄りに排水溝2が取付けられ、排水溝2から流入する廃水を一時貯溜する沈砂池である。第1沈澱槽3において、廃水中の重い固体粒子、油塊等が底に沈澱し、大部分の油が分離して水面に浮き、軽い固体粒子、油塊等が浮遊又は緩り沈降し、分離していない油が廃水に混入している。第1沈澱槽3と第2沈澱槽4との隔壁の中央上部には、矩形断面の流水路9が第1沈澱槽3から第2沈澱槽4内に水平に突出して設けられている。この流水路9は、入口9aである第1沈澱槽3側の開口部に沿い第1濾材10が配置され、出口9bである第2沈澱槽4側の開口部に沿い第2濾材14が配置され、第2沈澱槽4の各側壁に沿い空間が形成されている。この空間は、淀みを形成し、第1濾材10を通過した廃水中の微小な固体粒子、油塊等が濾過・沈澱する濾過兼沈澱槽ともなつている。
【0011】
第1濾材10及び第2濾材14は、図3及び図4に示すように、目の粗い布製の袋にオガ屑を八分目収納し、オガ屑が上下に偏よらないように上下複数個所において袋の表裏を留め糸10aで断続的に連結して平板状に形成されたオガフイルターからなつている。目の粗い布は、オガ屑がこぼれにくい程度のものであればよく、目が粗く柔らかい綿布からなるガーゼが好ましい。オガ屑が袋に八分目収納され、通過する廃水によりオガ屑が袋内で流動し易いため、廃水中の油を良く吸着除去し、また目詰まりを生ぜず廃水を良好に通過させる。第1濾材10は、流水路の入口9aに沿い取付けられた第1濾材取付枠11に上方から着脱自在に装着されている。第1濾材取付枠11の具体的な構造は、図示されていないが、溝型の部材を組合わせて内側周囲に溝状の空間を有する上向コ字状の枠本体を形成し、この枠本体の一方の開口部にクリンプネツトを張り、他方の開口部に複数の棒材を間隔を置いて縦方向に取付けてなり、枠本体とクリンプネツトと棒材とで形成される矩形断面の空間が第1濾材10を収納する空間である。そして、クリンプネツト側が上流に向き、棒材側が下流に向くように、枠本体が流水路の入口9aに沿い密着状に取付けられている。第2濾材14は、流水路の出口9bに沿い取付けられた第2濾材取付枠15に上方から着脱自在に装着されている。第2濾材取付枠15は、第1濾材取付枠11と同一構造になつている。
【0012】
第1濾材10の上流側には、第1濾材10と間隔を置いて平行に防波板12が設けられている。防波板12は、両端が第1沈澱槽3の各側壁に固定され、第1沈澱槽3の上端から第1濾材10の下端よりやや上方まで上下に延設され、下端側に複数の流水孔13が形成されている。防波板12は、第1沈澱槽3の上部を排水溝2側と第1濾材10側とに仕切つており、排水溝2から流入する廃水を第1濾材10に直接到達させず、防波板12の下方を迂回させることになる。また、第1沈澱槽3の防波板12よりも上流の水面に浮く油を第1濾材10に接触させないように貯溜することになる。従つて、第1濾材10には、水面に浮く油、沈澱した油塊や固体粒子に付着した油以外のもの、例えば緩り沈降し又は浮遊する油塊や固体粒子に付着した油、廃水に混入している油等が到達することになる。そして、第1濾材10を通過する廃水の流れは、第1沈澱槽3と第2沈澱槽4との水位差で生じるが、これと同時に防波板12と隔壁及び第1濾材10との間に上昇流が生じる。この上昇流の速度が大きい場合には、第1濾材10のオガ屑が袋内において上方に移動し、第1濾材10の下部のオガ屑が少なくなることがある。ところが、上昇流の発生と同時に、防波板12の下端側に形成された複数の流水孔13を通過する流れが生じる。この流れは、上昇流と交差する方向の流れであり、上昇流の速度を抑制する。従つて、第1濾材10のオガ屑が袋内で偏つた分布にならないようにし、第1濾材10の機能を損ねないように保護する。
【0013】
第2沈澱槽4は、上方が開口した箱型の水槽で、第1沈澱槽3の約2倍の深さに形成され、第1沈澱槽3から第1濾材10、流水路9及び第2濾材14を通過して流入した廃水を一時貯溜する油付着固体粒子沈澱槽である。流入した廃水中には、微小で軽い固体粒子、油塊等や分離していない油が含まれており、これらの一部は貯溜中に沈澱し又は分離して水面に浮く。第2沈澱槽4と第3沈澱槽5との隔壁に沿い、また流水路9の中心から離れた各沈澱槽4、5の側壁寄りに第1導水管路16が設けられている。第1導水管路16は、両端が逆向で互いに平行になるように中間部で折り曲げられた円形断面の管体と、周囲に突縁を有する皿状体で、前記管体の一端に連通して取付けられた出口部材とからなり、入口17が第2沈澱槽4の中間部で下向に開口し、出口18が第3沈澱槽5の上部で停止水位Hよりも下方で上向に開口して配置されている。なお、前記管体の一端を漏斗状に拡開し、この一端側を出口18としてもよい。第1導水管路16により第2沈澱槽4の廃水が第3沈澱槽5に流入するが、出口18が上向で開口面積が広いことから、緩りと上向に、すなわち緩りと湧き上がるように流入するため、第3沈澱槽5の水面に浮く油を底に引き込まないで流入する。
【0014】
第3沈澱槽5は、上方が開口した箱型の水槽で、第2沈澱槽4から第1導水管路16を通過して流入した廃水を一時貯溜する水アカ沈澱槽である。流入した廃水中には、微小で軽い固体粒子、油塊等や分離していない油等が含まれており、これらの一部が貯溜中に沈澱し又は分離して水面に浮き、さらに水アカが沈澱する。第3沈澱槽5と第4沈澱槽6との隔壁に沿い、また第3沈澱槽5の中心に対する第1導水管路16とは反対側における各沈澱槽5、6の側壁寄りに第2導水管路19が設けられている。第2導水管路19は、第1導水管路16と同様に曲げられた管体に皿状体からなる出口部材を連結してなり、入口20が第3沈澱槽5の中間部で第1導水管路の入口17より上方で下向に開口し、出口21が第3沈澱槽5の上部で停止水位Hよりも下方で上向に開口して配置されている。
【0015】
第4沈澱槽6は、上方が開口した箱型の水槽で、第3沈澱槽5から第2導水管路19を通過して流入した廃水を一時貯溜する水アカ沈澱槽である。流入する廃水中には微量の油が含まれており、これらの一部が貯溜中に微小で軽い固体粒子、油塊及び水アカ等が沈澱し、油が水面に浮く。第4沈澱槽6と濾過槽7との隔壁に沿い噴水管路22が設けられている。噴水管路22は、一端寄りを略90度曲げ、他端寄りを一端側に対して略90度方向に曲げ、他端側の先端を斜めに切り落として形成された円形断面の管体からなり、この管体の一端側が第4沈澱槽6の中心に対して第2導水管路19と反対側において垂直に配置され、他端側が第4沈澱槽6の中心線上において水平で濾過槽7の中央まで突出するように配置されている。すなわち、入口23が第4沈澱槽6の中間部で第2導水管路の出口20より上方で下向に開口し、出口24が濾過槽7の上部で上方に開口し、出口24の底部が停止水位Hに沿うように配置されている。出口24の底部には、図2に示すように複数の流下孔25が濾過槽7の中央から第4沈澱槽6との隔壁付近まで形成されている。第4沈澱槽6からの廃水の流入量が多い場合には、出口24が管体の端部を斜めに切り落として形成されていることから、出口24の周辺に拡散して濾過槽7に流入する。流入量が少ない場合には、流下孔25及び出口25の先端から流入する。なお、出口25の形状・構造は、廃水が濾過槽7の局所に集中せず、広い範囲に拡散流入するようになっていればよい。
【0016】
濾過槽7は、上方が開口した箱型の水槽であるが、底部側に間隔を置いてパンチング板等の透過孔を有する多孔板30が設けられ、この多孔板30上に石層27及び砂層28を積層して濾材層26が形成されている。濾材層26上には、砂層28を覆うようにオガフイルターからなる第3濾材29が載置されている。第3濾材29のオガフイルターは、基本的には第1濾材10のものと同一の構造であるが、第1濾材10のものよりも厚目に形成され、形状が崩れないように中央において袋の表裏が留め糸で連結されている。なお、図1及び図2において、31は各槽3、4、5、6、7を覆うように着脱自在に設けられた蓋体で、第1沈澱槽3の蓋体は多孔構造であるが、その他の槽4、5、6、7の蓋体は廃水、固体粒子等を侵入させない構造になつている。
【0017】
本発明の実施形態は、上記のように構成されており、その作用を以下に説明する。例えば、図1及び図2に示す廃水処理装置1が車解体工場に設置されている場合、床、敷地等を水洗浄したり雨が降つた時には床、敷地等を流れた水が排水溝2を通り第1沈澱槽3に流入する。この水は、エンジンオイル、ブレーキオイル、ガソリン等の油及び砂、石、ごみ等の固体粒子が混入した工場廃水である。この廃水は、第1沈澱槽3に一時滞留し、重い固体粒子、油塊等が底に沈澱し、大部分の油が分離して水面に浮き、軽い固体粒子、油塊等が浮遊又は緩り沈降し、一部の油が分離しないで混入している。なお、水面に浮いた油は、主として防波板12よりも上流側において貯留される。そして、廃水の流入により第1沈澱槽3の水位が上昇し、第2沈澱槽4との水位差が生じ、第1沈澱槽3の廃水が流水路9を通り第2沈澱槽4に流入する。この廃水は、防波板12の下流側、第1沈澱槽3の中間部等に滞留し、又はこれらを通つて流入するもので、浮遊又は緩り沈降している軽い固体粒子、油塊及び混入した油等が含まれている。
【0018】
この廃水が第2沈澱槽4に流入する際、先ず第1濾材10で濾過され、比較的大きい固体粒子、油塊及び分離していない油の一部が除去される。すなわち、第1濾材10がオガ屑を目の粗い布製の袋に収納したオガフイルターであることから、比較的大きい固体粒子、油塊等は袋で通過阻止され、微小な固体粒子で油が付着したもの、微小な油塊、分離していない油等は一部がオガ屑に付着する。オガ屑が廃水の流れで袋内で流動するため、オガ屑に油が付着し易く、第1濾材10で多くの油が除去される。第1濾材10を通過した廃水は、流水路9を通り第2濾材14で濾過されるが、流水路9の両側の空間で淀み、微小な固体粒子、油塊等の一部が沈澱して除去される。そして、第2濾材14を通過する際、微小な固体粒子で油が付着したもの、微小な油塊、分離していない油等の一部が第1濾材10におけるとほぼ同様にして付着除去される。以上のように、排水溝2から流入した廃水は、第1沈澱槽3、第1濾材10、流水路9及び第2濾材14により大部分の油、固体粒子等が除去される。特に、従来除去されていなかつた比較的大きな固体粒子、油塊等は勿論のこと、微小な固体粒子や油塊及び分離していない油等についても第1濾材10、流水路9及び第2濾材14により相当量が除去され、従来よりはるかに清浄化される。
【0019】
第2沈澱槽4に流入した廃水は、前記のように従来よりも清浄化されてはいるが、微小な固体粒子、分離していない油等が僅かに含まれており、一時滞留する間に油の一部が分離して水面に浮き、微小な固体粒子、油塊等の一部が沈澱する。そして、廃水の流入により第2沈澱槽4の水位が上昇し、第3沈澱槽5との間で水位差が生じ、第2沈澱槽4の廃水が第1導水路16を通り第3沈澱槽5に流入する。その際、第1沈澱槽3から第2沈澱槽4に流入する廃水が第2濾材14によつて分散状に流入し、噴流とはならないため、第2沈澱槽4の水面に浮く油を底に引き込むような渦は生じない。また、第1導水路の入口17が流水路9の中心から偏つて配置されているため、前記廃水の流入による第1導水路の入口17付近に滞留する廃水への影響が少ない。従つて、第3沈澱槽5に流入する廃水は、第2沈澱槽4の中間部に滞留する廃水、すなわち第2沈澱槽4で油が一部分離された後のもので、混入する油は微量になつている。
【0020】
第3沈澱槽5に流入した廃水は、一時滞留する間に油の一部が分離して水面に浮き、微小な固体粒子に付着した油、油塊等が沈澱し、また水アカが沈澱し、第2導水管路19を通過して第4沈澱槽6に流入する。その際、第2沈澱槽4から第3沈澱槽5に流入する廃水が第1導水管路の出口18から緩り湧き上がるように流入するため、第3沈澱槽5の水面に浮く油を底に引き込まない。しかも、第2導水管路の入口20が第1導水管路の出口18と同一線上になく、第3沈澱槽5に流入する廃水の流れの影響を受け難い。その結果、第4沈澱槽6に流入する廃水は、第3沈澱槽5で油が一部分離された後のもので、混入する油はさらに微量になつている。そして、第4沈澱槽6に流入した廃水は、第3沈澱槽5におけると同様に、一時滞留する間に油の一部が分離して水面に浮き、微小な固体粒子に付着した油、油塊等が沈澱し、また水アカが沈澱し、噴水管路22を通過して濾過槽7に流入する。その際、廃水が第3沈澱槽5に流入する場合と同様にして、第3沈澱槽5から第4沈澱槽6に流入する廃水の流れの影響を受けない。その結果、濾過槽7に流入する廃水は、第4沈澱槽6で油が一部分離された後のもので、混入する油は極めて微量になつている。
【0022】
濾過槽7に流入した廃水は、第3濾材29を流下した後に砂層28、石層27等の濾材層26を流下し、放水路8から排出される。その際、廃水の流入量が多い場合には、出口24が管体の端部を斜めに切り落として広く形成されていることから、出口24の周辺に拡散して流入する。流入量が少ない場合には、流下孔25及び出口24の先端から流入する。いずれの場合も、広い範囲にわたり流入するため、第3濾材29及び濾材層26の広い範囲で流下し、これらにより油が吸着除去され、許容量以下に清浄化される。なお、廃水が第3濾材29を流下することにより、オガ屑が袋内で流動し廃水中の油と良好に接触するため、微量ながらも残存する微小な固体粒子、油塊、混入している油等のほとんどが除去される。そして、第3濾材29を通過した廃水は濾材層26を流下するが、この廃水中には油がほとんど含まれていないことから、濾材層26への油の吸着は極めて少なく、長期間にわたり汚染が抑制される。
【0023】
なお、廃水が流入しない停止時における濾過槽7の水位は、濾材層26の上面程度に設定されていることが好ましく、第3濾材29の着脱作業を円滑かつ迅速になし得る。また、第1濾材10、第2濾材14及び第3濾材29の交換作業及び各沈澱槽3、4、5、6の清掃作業は、蓋31を取り除いて行う。これらの交換作業及び清掃作業を定期的に行うことにより、従来よりもはるかに長期にわたり濾過槽7の清掃、濾材層26の交換等が不要である。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、最初の沈澱槽と次の沈澱槽とを連通する流水路の入口にオガフイルターからなる濾材が設けられ、この濾材の上流に防波板が設けられていることから、最初の沈澱槽から次の沈澱槽への油の流入を極力抑制し、ひいては濾過槽への油の流入を減少でき、濾過槽の濾材層の機能を従来よりも遥かに長期にわたり維持することが可能になつた。そして、さらに次のような効果を奏する。
▲1▼ 防波板の下端側に流水孔が設けられている場合には、沈澱槽から流水路の入口の濾材に向かう上昇流の速度を抑制するため、濾材におけるオガ屑を上方に極端に移動させず、オガ屑の分布を適切に維持し濾材の機能を発揮させ得る。
▲2▼ 上流の沈澱槽と下流の沈澱槽とを連通する導水管路の出口が上向きに開口し、しかも導水管路の断面積より広く設定されている場合には、上流の沈澱槽の廃水が下流の沈澱槽の上部に緩りと湧きあがるように流入するため、従来のように下流の沈澱槽の水面に浮く油を底に引き込むことがなく、さらに下流にある沈澱槽又は濾過槽に流入する廃水中の油の混入を抑制し得る。
▲3▼ 最終の沈澱槽と濾過槽とを連通する噴水管路が濾過槽の中央まで延設され、その出口が上方に開口している場合には、最終の沈澱槽からの廃水が濾過槽の広い範囲にわたり拡散して流入される。これにより、濾過槽の濾材層が従来のように局部的に集中して汚染されることがなく、長期にわたり濾材層としての機能を維持し得る。また、出口の底部に流下孔が形成されている場合には、廃水の流入量が少ない時に廃水を分散流入させ、濾材層の局部的な汚染を抑制し得る。
▲4▼ 濾過槽の濾材層の上部にオガフイルターからなる濾材が配置されている場合には、廃水が濾材を流下した後に濾材層を流下するが、濾材がオガフイルターからなるものであるため、廃水中の油の大部分がオガ屑により吸着除去される。その結果、濾材を通過した廃水中には油がほとんど含まれてなく、濾材層への油の吸着は極めて少なくなり、長期間にわたり汚染が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概念的説明図で、図2のA−A線に沿う縦断面図で示す。
【図2】本発明の実施形態の概念的説明図で、蓋を取り除いた状態での平面図で示す。
【図3】本発明の実施形態における第1濾材及び第2濾材の概念的説明図で、正面図で示す。
【図4】同じく、側面図で示す。
【符号の説明】
1 工場廃水処理装置 2 排水溝 3 第1沈澱槽
4 第2沈澱槽 5 第3沈澱槽 6 第4沈澱槽
7 濾過槽 8 放水路 9 流水路
10 第1濾材 12 防波板 13 流水孔
14 第2濾材 16 第1導水管路
18 第1導水管路の出口 19 第2導水管路
21 第2導水管路の出口 22 噴水管路
24 噴水管路の出口 25 流下孔
26 濾過槽の濾材層 27 石層
28 砂層 29 第3濾材 H 停止水位
Claims (1)
- 油を含む工場廃水を複数の沈殿槽(3,4,5,6)及び濾過槽(7)に順次導入して通過させ、油を除去して清浄化する工場廃水処理装置であって、上流の沈殿槽(4,5)の中間部と下流の沈殿槽(5,6)の上部とを連通するように導水管路(16,19)が設けられ、この導水管路の出口(18,21)が停止水位(H)より下方で上向に開口し、この出口(18,21)の開口面積が導水管路(16,19)の断面積より大きく設定されており、最終の沈殿槽(6)の中間部と濾過槽(7)の上部とを連通するように噴水管路(22)が設けられ、この噴水管路(22)は濾過槽(7)において中央まで水平に延設され、先端から基部寄りにかけて底部を残して上方に開口した出口(24)が形成され、底部に複数の流下孔(25)が形成されていることを特徴とする工場廃水処理装置。
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