JP4121419B2 - 粘土系磁性吸着剤およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、地下水、土壌水、または人工的な乳化・懸濁液水などに溶解または分散している油性物質や疎水性物質などの有機物質を吸着した状態で、磁気によって分離可能な粘土系磁性吸着剤およびその製造方法並びに疎水性物質の磁気分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘土鉱物は、大部分のものがAl3+、Fe2+、Fe3+、Mn2+、Mn3+、Mg2+、Ca2+、K+、Na+を化学主成分とし、結晶構造はSi−Oの四面体が互いに結合して層状を形成しているフィロケイ酸塩鉱物であり、その層間や結晶の破面にはCa2+、K+、Na+などのカチオン交換性イオンが配位されているので、これに接するカチオン性物質は、これらのイオンと置換されるというイオン交換性を示す。また、反対にアニオン交換性の粘土鉱物は、Cl、CO3 2- などのイオンが配位されているので、これに接するアニオン性の物質はイオン交換されて吸着される性質もある。
【0003】
このようなイオン交換性により層状結晶構造を有する粘土鉱物は、水中などの溶液中からイオン化した物質を吸着し、また粘土構造によってはイオン構造を有する界面活性剤分子や酸性染料や塩基性染料などのイオン性有機分子を層間に物理・化学的に吸着する。
【0004】
ところで、水処理技術の一つとして、水中から分離されるべき被分離物質が非磁性体である場合に、被処理水に磁性粉末を混合し、高分子凝集剤を添加して撹拌し、被分離物質を磁性粉末を含んだフロック状に形成して磁気分離するという方法が周知である。
【0005】
また、分離されるべき非磁性体等の活性基に、水酸化鉄(II)のコロイド粒子を結合させ、そのコロイド粒子の少なくとも一部を酸化して磁化し、被磁気分離体とする技術が公知である(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−210311号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術のうち、被分離物質を磁性粉末が含まれるフロック状にして磁気分離する方法では、被分離物質に、凝集剤と磁性粉末とを多量に添加しなければならないため、被分離物質の量よりも添加剤の量のほうが多くなる場合もあり、これでは凝集後の処理量が多くなって処理が却って煩雑になるという問題がある。
【0008】
また、所定の非磁性剤の活性基に、磁化性のコロイド粒子を結合させることにより、磁化して被磁気分離体とする方法では被磁性体が所定の活性基を有していなければコロイド粒子と結合しないので、磁気分離できず、被分離物質が磁化性のコロイド粒子と結合する場合の制限要因が多いという問題点がある。
【0009】
因みに、周知の吸着剤としては、物理的な吸着能力の優れた活性炭やゼオライトなどが挙げられるが、これらは化学的には安定なものであるので、磁化(担磁)効率が悪く、充分に実用性のある磁性吸着剤が得られていない。
【0010】
そこで、本願の磁性吸着剤に係る発明の課題は、上記した問題点を解決して物理的な吸着性および化学的な吸着性を併有し、さらに磁石に吸着する担磁性を有する磁性吸着媒体にすると共に、添加効率が良く種々の被分離物質を磁気分離できる磁性吸着剤とし、特に被分離物質がイオン性分子と結合性のない中性物質であるか、またはイオン性分子と結合するが疎水性物質である場合にも適用できる磁性吸着剤とすることである。また、このような磁性吸着剤を比較的簡単な手法で確実に製造できる方法とすることである。
【0011】
また、本願の磁性吸着剤を用いた疎水性物質の磁気分離方法に係る発明は、前記した問題点を解決して、添加効率よく多種類の被分離物質を磁気分離できる方法とすることであり、しかも、被分離物質が疎水性の高い物質である場合にも分離できる方法とすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、層状結晶構造を有する粘土鉱物に磁性酸化鉄を化合させると共に、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物を化合させた粘土系磁性吸着剤としたのである。
上記したように構成されたこの発明の粘土系磁性吸着剤は、図1の(A)に示すように、層状結晶構造を有する粘土鉱物に磁性酸化鉄を化合させて磁化しすることにより、いわゆる磁性粘土となって、粘土鉱物特有の層状構造の層間反応(=インターカレーション)による吸着性を示すと共に、磁性酸化鉄と一体化したことにより獲得された磁性吸着を示すものになる。
【0013】
そして、この発明の粘土系磁性吸着剤は、図1の(B)に示す疎水化により、炭化水素鎖などからなる疎水性基の部分および極性のある親水性基の部分を併有する両親媒性有機化合物と化合し、これにより粘土鉱物の結晶層間の一部や層間上などに親水性基を静電的に吸着させ、かつ磁性粘土の周辺には炭化水素鎖などの疎水性基部分を放射状に配置した粘土系磁性吸着剤となる。
【0014】
このように磁性酸化鉄および両親媒性有機化合物が粘土鉱物と化学的に一体化していると、粘土鉱物本来の層状構造およびイオン性によって粘土鉱物の層間または層の表面にイオン性物質が静電的に化合すると共に両親媒性有機化合物の疎水性基も吸着性を発揮するようになり、図1の(C)に示すように、有害物質などの疎水性基または親水性基を有する物質が近づくと、これを疎水性基または親水性基によって吸着し、磁気分離(同図の(D))できる磁性吸着剤になる。
【0015】
すなわち、イオン性(親水性)または親油性による物理的・静電的または化学的な種々の吸着によって被分離物質を吸着した粘土系磁性吸着剤は、これを磁力によって吸引または反発させることにより、強制的に分離できるものになる。
【0016】
このような粘土系磁性吸着剤を製造するには、第一鉄イオン水溶液もしくは第二鉄イオン水溶液または両イオンが共存する水溶液に対し、層状結晶構造を有する粘土鉱物を混合して、塩基性反応条件、たとえばpH10〜11程度で磁性酸化鉄−粘土化合物を化成させ、次いで疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物を化合させる粘土系磁性吸着剤の製造方法を採用することが好ましい。
【0017】
このようにすると粘土鉱物が確実に磁化し、また被分離物質がイオン性分子と結合性のない中性物質であるか、またはイオン性分子と結合するが疎水性物質である場合にも吸着する効率の良い磁性吸着剤を製造できる。
【0018】
また、粘土系磁性吸着剤の他の製造方法として、層状結晶構造を有する粘土化合物と、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物とを混合して疎水化粘土を化成し、次いでこの疎水化粘土を第一鉄イオン水溶液もしくは第二鉄イオンまたは両イオンが共存する水溶液と混合し、塩基性反応条件で磁性酸化鉄−疎水化粘土を化成する方法を採用することもできる。
【0019】
また、前記した粘土系磁性吸着剤を用いた分離操作を確実に行えるように、層状結晶構造を有する粘土鉱物に磁性酸化鉄を化合させると共に、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物および識別用色素を化合させてなる粘土系磁性吸着剤とすることが好ましい。
【0020】
なお、磁性酸化鉄と粘土の化合物にイオン的に結合するイオン性物質として疎水性の高い界面活性剤を選択した場合には、得られる磁性酸化鉄/粘土鉱物/界面活性剤からなる複合体は疎水性の高い疎水化磁性粘土の製造となる。このものを用いて水中に溶解、懸濁している疎水性の高い物質を吸着し、磁気的に分離することができる。また、イオン性物質として平面性の高いπ電子系化合物を結合させた場合には、アフィニティクロマトグラフィの原理に基づいて、平面性の高い物質、例えば変異原物質などの吸着が可能になり、色素保持アフィニティ磁性材料として磁気分離することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明に用いる粘土鉱物の代表例としては、1枚の四面体層が1枚の八面体層と隣り合っている1:1型(例えば、カオリナイト、ハロサイト、蛇紋岩など)、2枚の四面体層が1枚の八面体層と組合わさっている2:1型(例えばスメクタイト、バーミキュライト、セリサイト、モンモリロナイト、雲母、緑泥石など)が挙げられ、これらは主としてカチオン性の分子の吸着に適用なものである。また、アニオン性有機物を交換可能なハイドロタルサイトを用いることもできる。
【0022】
粘土鉱物に対するイオン性物質の吸着性は、以下のような機構によると考えられ、イオン性物質は交換反応によって粘土層内や粘土層の表面に化合させることができる。
【0023】
例えば、粘土鉱物であるサポナイトは、八面体構造のアルミノケイ酸塩と四面体構造のケイ酸塩からなる3層構造(2:1構造)を繰り返し単位とする構造である。この層の表面には金属イオンの同型置換による層内余剰の負の電荷を補償するために、アルカリ金属イオンが存在する。通常、この金属イオンには層間水が付随して親水的な表面を与えており、水などの誘電率の高い溶媒には膨潤しやすい傾向にある。
【0024】
このとき、4級アンモニュウムイオンやカチオン染料などのカチオン種が系内に存在すれば、この層間イオン(Na+)との間には下記の化1および化2の平衡が成立し、新たなカチオン種との交換が可能になる。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
また、層間にアニオン種を交換可能な粘土としてハイドロタルサイトを使用する場合には下記の化3、化4に示す平衡が成立し、アニオン性の物質をイオン交換反応により粘土層内あるいは層表面に取り込むことができる。
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
このように、RやDyeを適切に選択することによって、親水的な粘土からRやDyeのもつ化学構造的な特徴が発現され、被吸着物質との物理的な吸着が可能になる。
【0031】
すなわち、カチオン交換性の粘土鉱物に対しては、アニオン性のカルボン酸、スルホン酸、リン酸基を有する脂肪族、芳香族、あるいは両者を合わせもつイオン性の有機酸塩で修飾することができる。これらの有機酸塩は、陰イオン性界面活性剤として周知のものを採用できる。
【0032】
また、アニオン交換性の粘土好物に対しては、脂肪族、芳香族、または両者を併有するカチオン性の有機アンモ二ウム塩、スルフォニウム塩で修飾する。これらは、陽イオン性界面活性剤として周知のものを採用できる。
【0033】
これら反応混合物の上澄み液を捨てる操作を繰り返して洗浄し、磁性と有機性を帯びた粘土、すなわち磁性酸化鉄、粘土鉱物および両親媒性有機化合物からなる有機・無機複合体が得られる。被吸着物質の構造によっては、イオン性の有機化合物の構造を変えたり、その交換比率を変えてもよい。
【0034】
粘土系磁性吸着剤の製造工程を具体的に説明すると、まず水で充分に膨潤させた粘土の懸濁液に、前もって水で溶解した硫酸第一鉄(FeSO4.7H20)などの第一鉄塩と、硫酸第二鉄(Fe2(SO4)3.xH20)などの第二鉄塩とを添加し撹拌する。次いで、上部から撹拌しながらゆっくりと10N-NaOH 溶液を加えると、黒褐色に着色した懸濁液が得られ、必要があれば50℃で約1時間程度撹拌し静置する。
【0035】
次に懸濁液の下方から磁石を近づけて、固形物の沈下を促進しながら茶褐色の上澄み液を捨て、この操作を繰り返して、磁性酸化鉄/粘土鉱物からなり、いわゆる磁性粘土である粘土系磁性吸着剤が得られる。
【0036】
磁性粘土の水懸濁液に疎水性を持たせるためには、磁性粘土のイオン性に対応して、例えばセチルトリメチルアンモニュムブロマイド(R=C16H33, 式(1))またはステアリン酸のナトリウム塩(R=C17H35, 式(3))の水溶液を加えて充分に撹拌する。上記と同様に、浮遊物を捨てるため上澄み液を捨てる操作を繰り返して、充分に洗浄してろ過および乾燥する。
【0037】
図1の上段における磁化と疎水化の順序を逆にして、粘土鉱物を疎水化したものを先の硫酸化鉄などで担磁させることも可能である
【0038】
また、色素保持磁性粘土は、上記磁性粘土にイオン性界面活性剤の代わりに、適切なカチオン色素あるいはアニオン色素の水溶液を加えることによって得られる。
【0039】
このようにして得られる粘土系磁性酸化鉄を用いて、水処理、汚染土壌処理、天然物からの有用物質の吸着処理などを行うことにより、水中、水懸濁中に含まれる疎水性の高い有機物の吸着と周知の磁気分離によって選別できる(図1の下段)。
【0040】
この発明に用いる疎水性基および親水性基を併有する両親媒性の有機化合物は、例えば周知の界面活性剤のように、陽イオン性または陰イオン性のイオン性基を有する疎水性の化合物、または色素分子のようなイオン性基を有する芳香族環からなる平面構造のπ電子系化合物(色素分子)を採用できる。これを用いることにより、磁性酸化鉄/粘土鉱物/イオン性有機化合物からなる疎水化された粘土系磁性吸着剤、または色素担持の粘土系磁性吸着剤が得られる。
【0041】
図1の下段には、この発明の磁性粘土が有害物質または中性物質を吸着し、磁石によって捕捉される状態を模式的に示した。吸着力は、界面活性剤、色素表面の疎水部との弱い結合(疎水的相互作用、ファンデルワールス力、またはπ電子の相互作用)であると考えられるので、必要に応じて容易にアルコールなどの溶媒で吸着物質を溶出させれば粘土系磁性吸着材は、再利用が可能である。
【0042】
磁気分離の具体的な実施形態は、超電導磁気分離技術を利用することが好ましい。この分離技術によれば、分離目的の物質に予め磁性が僅かでも存するか、または磁化できれば、極めて強い磁力により分離目的の物質を高い効率で捕捉できる。
【0043】
このような超電導磁気分離技術が発展と共に、超強磁界が簡単な装置で得られる超電導磁気マグネットが開発されて、早い分離速度と大量処理が可能になってきているので、吸着能力の高い磁性を持った媒体を開発すれば、湖沼水質の再生、生活廃水処理、工場廃液処理、環境有害物質除去、油海水再生などの対応が可能となる。
【0044】
すなわち、分離目的の物質の例として、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物(VOCs)、ビスフェノール−Aやノニルフェノールなどの環境ホルモン物質、難分解性のダイオキシン類、PCB類などの高沸点塩素化合物や石油系炭化水素からなる廃油など、河川、湖、海における汚染や、またこれら有害有機化合物の土壌への浸透は地下水の汚染にもつながるので、これらの有害物質を磁性を有する吸着媒体に吸着させ、磁石を利用して速やかに捕捉、分離によって選別できる。
【0045】
この発明で開発された疎水化磁性粘土吸着剤は、水系中に存在する油性(疎水性)物質の吸着が可能であるので、天然物中に含まれる油性物質、例えば精油や香料のような物質を吸着、磁気分離による抽出法の新たな開発が可能にすることができる。
【0046】
【実施例および比較例】
〔実施例1:粘土系磁性吸着剤の合成例〕
粘土鉱物(スメクタイト)6gを500mlの水に充分に膨潤、懸濁させ、この懸濁液に、撹拌しながら予め準備した硫酸第二鉄水溶液((Fe2(SO4)2・nH2O 8.3gを水300mlに溶解し懸濁させたもの)および硫酸第一鉄水溶液(Fe(SO4)・7H2O,10.0gを水30mlに溶解したもの)を順次加えた。
【0047】
これらを加え終わった後、10N-NaOHを加えてpH11とし、1時間室温で撹拌し、一晩放置し、上澄み液を捨てる操作を繰り返して洗浄した。
【0048】
この磁性粘土の懸濁液に過剰のセチルトリメチルアンモニウムブロミド4.5gを水に溶解し、撹拌しながら加えて一晩放置し、上澄み液を捨てる操作を繰り返して洗浄し、吸引ろ過して単離した。得られた黒色沈殿物を乳鉢にて粉砕し、粉末を得たが、このものは速やかに永久磁石に吸い寄せられることから磁性を有することが判明した。
【0049】
図2(a)に示すように、得られた粉末の赤外吸収スペクトル(IR)を分析したところ、メチル、メチレン基に基づく吸収が認められ、図2(b)に示すX線回折(XRD)パターンの分析からは、マグネタイトの特徴的ピーク(図中に○印で示した。)が認められた。
【0050】
〔実施例2:メチレンブルー色素を保持する粘土系磁性吸着剤の合成例〕
実施例1において、粘土鉱物(スメクタイト)に代えて合成スメクタイト4gを用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして、硫酸第二鉄水溶液((Fe2(SO4)2・nH2O 3.7gを水200mlに溶解したもの)および硫酸第一鉄水溶液(Fe(SO4)・7H2O4.5gを水40mlに溶解したもの)を順次加えた。これらを加え終った後、10N-NaOHを加えて、アルカリ性(pH11)にして、1時間室温にて撹拌した。ろ別することなく、メチレンブルー水溶液を加えると上澄み液は速やかに消色するので、さらに追加して色が消えなくなるまで色素を追加した。上澄み液を捨て、新鮮な水を加えて上澄み液の着色が無くなるまで数回洗浄を繰り返した後、吸引、ろ過および乾燥した。色素保持量は目的に応じて調節されるが、実施例1と同様に、得られた青褐色沈殿物(粉末)は速やかに永久磁石により吸い寄せられた。
【0051】
〔実施例3:ステアリン酸を保持する粘土系磁性吸着剤の合成例〕
アニオン交換用粘土(ハイドロタルサイト)6gを100mlの水に充分に膨潤および懸濁させ、この懸濁液に予め準備した硫酸第二鉄水溶液((Fe2(SO4)2・nH2O 3.7gを水200mlに溶解し懸濁させたもの)および硫酸第一鉄水溶液Fe(SO4)・7H2O,10.0gを水100mlに溶解したもの)を撹拌しながら順次加えた。これらを加え終わった後、10N-NaOHを加えてpH11とし、1時間室温にて撹拌した。またステアリン酸1.7gをNaOH水溶液に混合し加温して、ステアリン酸のNa塩(石鹸)を調製し、このものを先の磁性粘土懸濁液に撹拌しながら加えた。そして、上澄み液を捨てる操作を繰り返して洗浄し、吸引ろ過し乾燥した。得られた茶黒色沈殿物(乾燥重量13.5g)を乳鉢にて粉砕して得た粉末は、磁石に吸い寄せられ磁性を有することが判明した。
【0052】
図3(a)に示すように、得られた粉末の赤外吸収スペクトル(IR)を分析したところ、メチル、メチレン基に基づく吸収が認められ、図3(b)に示すX線回折(XRD)パターンの分析からは、マグネタイトの特徴的ピーク(図中に○印で示した。)およびハイドロタルサイト構造に基づくシグナル(図中に△で示した。)が認められた。
【0053】
〔実施例4:エアロゾルOTを保持する粘土系磁性吸着剤の合成例〕
実施例1と同様に、アニオン交換用粘土(ハイドロタルサイト)10gを1000mlの水に充分に膨潤、懸濁させ、この懸濁液に、予め準備した硫酸第二鉄水溶液((Fe2(SO4)2・nH2O 13.8gを水500mlに溶解し懸濁させたもの)および硫酸第一鉄水溶液(Fe(SO4)・7H2O,16.7gを水100mlに溶解したもの)を撹拌しながら順次加えた。これらを加え終わった後、10N-NaOHを加えてpH11にし、1時間室温にて撹拌して、磁性粘土を調製した。エチレングリコール(20%)含有エアロゾール-OT(Bis(2-ethylhexcyl)sulfosuccinate sodium salt)5.0gを水100mlに溶解したものを先の磁性粘土懸濁液に撹拌しながら加えた。上澄み液を捨てる操作を繰り返して洗浄し、吸引ろ過し乾燥し、茶黒色沈殿物(乾燥重量23.1g)を得た。得られた端末を乳鉢にて粉砕し、磁石に近づけたところ吸い寄せられることから磁性を有することが判明した。
【0054】
〔実施例5:フタロシアニン色素を保持する粘土系磁性吸着剤の合成例〕
実施例3と同様に、ハイドロタルサイト粘土から調製した磁性粘土10gを1000mlの水に懸濁させた。銅フタロシアニンスルホン酸(Na)水溶液(1.0g/300ml)を用意し、磁性粘土懸濁液に加えると、上澄み液は速やかに消色し、さらに追加して色が消えなくなるまで色素を追加した(色素保持量は目的に応じて調節される。)。上澄み液を捨て、新鮮な水を加えて上澄み液の着色が無くなるまで数回洗浄を繰り返した後、吸引ろ過し、乾燥した。実施例1と同様に、得られた青褐色沈殿物(粉末9.6g)は、速やかに永久磁石に吸い寄せられることから磁性を有することが判明した。
【0055】
<吸着実験1>
活栓付き試験管に水を入れ、その上に灯油1.5ml(密度=0.810)を加えて2層となした混合物に、実施例3で調製した疎水化磁性粘土0.40gを加えて震盪したところ、灯油は疎水化磁性粘土に吸着されて沈降した。
【0056】
そして試験管の外側から近づけた磁石の動きに伴って吸着粘土に吸着された灯油/磁性粘土は移動し、上層部の油成分は全く認められなくなった。
【0057】
さらに粘稠な重油1.0g(密度=0.939)を水に浮かせ、疎水化磁性粘土0.67gを導入して激しく震盪させたところ、油の塊は疎水化磁性粘土に包み込まれたようになり、沈降した。この沈殿物は外部から近づけた磁石の動きに伴って移動した。
【0058】
<吸着実験2>
活栓付き試験管に水を入れ、その上に市販の菜種油(油脂)1.0mlを加えて2層からなる混合物を調製した。実施例3で調製された疎水化磁性粘土1.0gを加えて震盪させたところ、油脂は磁性粘土に吸着したが、ガラスの器壁に付着する強い粘性が認められたので、更に疎水化磁性粘土0.5gを追加してよく震盪させたところ、粘性がなくなって塊状化した。この塊は外部から近づけた磁石の動きに伴って移動し、水表面の油膜は全く認められなかった。
【0059】
<吸着実験3>
上の吸着実験3と同じ菜種油1.0mlに対して実施例4で調製した疎水化磁性粘土0.41gを加えて撹拌したところ、油によく吸着した。外部近づけた磁石の動きに伴って吸着物は移動した。
【0060】
<吸着実験4>
活栓付き試験管に水とテトラクロルエチレン1.0ml(密度1.623)を加えて2層となした混合物に実施例3で調製した疎水化磁性粘土1.0gを加えて震盪させたところ、テトラクロルエチレンは、疎水化磁性粘土に吸着され、塊状化し、磁石の動きに伴って移動した。下層部のテトラクロルエチレン留分は、全く認められなかった。
【0061】
<吸着実験5>
50mlメスフラスコに水を入れ、その上にノニルフェノール1.29gを加えて震盪させたところ、上部にノニルフェノールの層とノニルフェノールが一部水に溶解し、分散したと思われる白濁した水層の2層からなる混合物を調製した。実施例3で調製した疎水化磁性粘土1.02gを加えて震盪させたところ、上層のノニルフェノールは疎水化磁性粘土に吸着して塊となり、上層部の油成分は認められなくなった。その塊は外部から近づけた磁石の動きに伴って移動した。しかし、水の層はなお白濁していたので、更に疎水化磁性粘土0.24gを追加し、震盪させると透明になった。
【0062】
<吸着実験6>
ノニルフェノール56.4mgを50mlのエチルアルコールに溶解したものを過剰の水の中に加え、均一に懸濁して、ノニルフェノールのストック溶液1000mlを準備した(2.56×10-4M、56.4mg/l)。実施例3で調製した疎水化磁性粘土を幾つかの50mlメスフラスコに精秤し、ノニルフェノール(2.8mg/50ml)の水懸濁液を入れ、室温にて一晩放置した。ノニルフェノールの減少を紫外、可視吸収スペクトル(224nm●または278nm○)の吸光度から測定し、その結果を図4に示した。
【0063】
<吸着実験7>
吸着実験6と同様の操作にて、ビスフェノールAのストック溶液(1.76×10-4M、40.2mg/l)を準備した。実施例2で調製した疎水化磁性粘土を幾つかの50mlメスフラスコに精秤し、ビスフェノールA(2.0mg/50ml)水溶液を入れ、室温にて一晩放置した。ビスフェノールAの減少を紫外、可視吸収スペクトル(225nmを●印、276nmを○印で示した。)の吸光度から測定し、その結果を図5に示した。図5の結果からも明らかなように、加えたビスフェノールAに対して過剰の疎水化磁性粘土により98%のものが吸着した。
【0064】
<吸着実験8>
フタロシアニン色素保持磁性粘土による多環状芳香族色素の一つであるインダンスレン染料の吸着性を調べた。インダンスレン系染料は水には殆ど溶解しないが、市販の染料は極めて細かく調製され、見かけ上、光を透過するので、紫外可視吸収スペクトルからその濃度を評価することができる。市販のIndanthrene Blue BC をストック溶液から一定量を50mlメスフラスコに入れ(0.695mg/50ml)、フタロシアニン色素保持磁性粘土51.5mgを混入して水を加えて50mlにして撹拌して一晩放置した。磁石により懸濁している磁性粘土を集め、その上澄み液の吸収スペクトルの吸光度を測定したところ、54%(λmax:227nm、291nmおよび605nmにおけるそれぞれの吸光度の減少率の平均)減少していた。
【0065】
<吸着実験9>
活栓付き試験管に水とリモネン1.0ml(d=0.840)を加えて2層となした混合物に、実施例4で調製した疎水化磁性粘土粉末0.20gを加えて震盪したところ、リモネンは疎水化磁性粘土によく吸着され、上層部に集まり、外部からの磁石の動きに伴って上層部の吸着物は移動した。
【0066】
<抽出実験>
みかんの表皮530gを水600mlを加えてミキサーで粉砕し、ジュース状にした。更に水400mlを追加して、実施例3で調整された疎水化磁性粘土5.0gを加えた。5時間撹拌した。その後、0.4テスラーの磁石の上に容器を乗せ、更に水2リットルを加えて、ゆっくりと撹拌しながら、磁石により磁性粘土吸着剤を集め、磁石に引きつけられない居雑物を除去した。
【0067】
磁石により回収された疎水化磁性粘土を50mlメスフラスコに入れ、エチルアルコールで希釈したところ、濃い黄色の着色が認められ(λmax=437nm,323nm)ろ別してエチルアルコールを除去して粘稠なものが得られた。250mg回収された疎水化磁性粘土3.5gであった。
【0068】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、層状結晶構造を有する粘土鉱物に磁性酸化鉄を化合させると共に、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物を化合させてなる粘土系磁性吸着剤としたので、粘土鉱物特有の層状構造の層間反応による吸着性と共に、両親媒性有機化合物の親水性基および疎水性基も吸着性を発揮するようになり、さらに磁性酸化鉄を一体化したことによる磁性吸着性をも示すものになる。そのため、添加効率が良く種々の被分離物質を磁気分離できる磁性吸着剤となり、特に被分離物質がイオン性分子と結合性のない中性物質であるか、またはイオン性分子と結合するが疎水性物質である場合にも適用できる磁性吸着剤となる利点がある。
【0069】
また、所定の鉄イオンが共存する水溶液に層状結晶構造を有する粘土鉱物を混合して、塩基性反応条件で磁性酸化鉄−粘土化合物を化成させ、次いで両親媒性有機化合物を化合させる粘土系磁性吸着剤の製造方法とするか、または層状結晶構造を有する粘土化合物と両親媒性有機化合物とを混合して疎水化粘土を化成し、次いで所定の鉄イオンが共存する水溶液と混合し、塩基性反応条件で磁性酸化鉄−疎水化粘土を化成する方法を採用することにより、添加効率よく多種類の被分離物質を磁気分離できる粘土系磁性吸着剤であり、かつ被分離物質が疎水性の高い物質である場合にも磁気分離できる粘土系磁性吸着剤の製造方法となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘土系磁性吸着剤の製造工程と吸着機構を模式的に説明する工程図
【図2】(a)実施例1の赤外吸収スペクトル(IR)を示す図表
(b)実施例1のX線回折(XRD)パターンを示す図表
【図3】(a)実施例3の赤外吸収スペクトル(IR)を示す図表
(b)実施例3のX線回折(XRD)パターンを示す図表
【図4】実施例3のノニルフェノールの吸着性を示し、濃度と可視吸収スペクトルの吸光度の関係を示す図表
【図5】実施例2のビスフェノールAの吸着性を示し、濃度と可視吸収スペクトルの吸光度の関係を示す図表
Claims (6)
- 層状結晶構造を有する粘土鉱物に磁性酸化鉄を化合させると共に、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物を化合させてなる粘土系磁性吸着剤。
- 疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物が、イオン性界面活性剤である請求項1記載の粘土系磁性吸着剤。
- 第一鉄イオン水溶液もしくは第二鉄イオンまたは両イオンが共存する水溶液に、層状結晶構造を有する粘土鉱物を混合して塩基性反応条件で磁性酸化鉄−粘土化合物を化成させ、次いで疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物を化合させることからなる粘土系磁性吸着剤の製造方法。
- 層状結晶構造を有する粘土化合物と、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物とを混合して疎水化粘土を化成し、次いでこの疎水化粘土を第一鉄イオン水溶液もしくは第二鉄イオンまたは両イオンが共存する水溶液と混合し、塩基性反応条件で磁性酸化鉄−疎水化粘土を化成することからなる粘土系磁性吸着剤の製造方法。
- 層状結晶構造を有する粘土鉱物に磁性酸化鉄を化合させると共に、疎水性基および親水性基を併有する両親媒性有機化合物および識別用色素を化合させてなる粘土系磁性吸着剤。
- 請求項1、2または5に記載の粘土系磁性吸着剤と、疎水性物質含有の水または土壌とを混合し、次いで疎水性物質を吸着した前記粘土系磁性吸着剤を磁気によって水または土壌から分離することからなる疎水性物質の磁気分離方法。
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