JP4121409B2 - 光出力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光出力装置に関し、特に、光出力部としての結晶欠陥を有する光出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレメント(光出力部)を介して光を出力する光出力装置が知られている。その光出力装置の1つとして、光を通したり、または、光を通さなかったりする機能を有するエレメント(光出力部)をマトリックス状に配置した光空間変調器型の光出力装置が知られている。
【0003】
従来の光空間変調器型の光出力装置としては、液晶を含むエレメントを用いる液晶光空間変調器が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。この液晶光空間変調器は、直視型ディスプレイ装置、投影型ディスプレイ装置や、光信号で動作させるコンピュータとしての並列光演算装置などに用いられている。また、液晶光空間変調器を動画ホログラム装置として用いる試みもなされている。
【0004】
図17は、従来の液晶光空間変調器の1つのエレメントを示した等価回路図である。図18は、図17に示した従来の液晶光空間変調器のエレメントをアレイ化した場合の等価回路図である。図17を参照して、従来の液晶光空間変調器を構成する各エレメント100は、液晶101と、スイッチングのためのトランジスタ102とを備えている。トランジスタ102のゲートは、ゲート線103に接続されている。また、トランジスタ102のドレインは、ソース線104に接続されており、トランジスタ102のソースは、液晶101に接続されている。このトランジスタ102は、ゲート線103に入力される信号によってオンオフ制御される。また、図18に示すように、液晶101に電圧を印加するための電極105が、液晶101に接続されている。
【0005】
図18に示した従来の液晶光空間変調器の動作としては、選択されたゲート線103の信号がHレベルになることによって、トランジスタ102がオンする。そして、選択されたゲート線103の信号がHレベルになることと同期して、選択されたソース線104に信号が与えられる。そして、ソース線104の信号がトランジスタ102を介して液晶101に供給されることによって、選択された液晶101が駆動される。
【0006】
【非特許文献1】
「LCDの製造技術と大容量LCDの開発」、トリケップス企画部編集、1987年2月20日
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図18に示した従来の液晶光空間変調器では、エレメント100の光出力部分として液晶101を用いているので、液晶101の透過率を変化させてエレメント100を駆動するために電力を供給する必要がある。このため、マトリックス状に配置された各エレメント100を駆動するためには、各エレメント100毎に電力を供給するためのゲート線103およびソース線104などの配線を接続する必要があるので、エレメント100を小さくするのが困難であるという不都合があった。
【0007】
また、従来、マトリックス状に配置されたエレメント(光出力部)として、液晶101に代えて、発光素子を用いる自発光型の光出力装置が知られている。しかし、この自発光型の光出力装置についても、図18に示した従来の液晶光空間変調器と同様、各エレメント毎に電力を供給するための配線を接続する必要があるので、エレメントを小さくするのが困難であった。
【0008】
上記のように、従来では、エレメントを小さくすることが困難であるため、基板上に多数のエレメントを配置するのは困難であった。このため、高精細な光出力装置を提供するのが困難であるという問題点があった。
【0009】
また、従来では、基板上の任意の位置を発光させる方法として、フォトニック結晶を用いる方法が提案されている。図19、図21および図22は、従来のフォトニック結晶の光導波路を説明するための平面図である。図20は、図19に示したフォトニック結晶の透過率と波長との関係を示した相関図である。図20の縦軸には、透過率がとられており、横軸には、波長がとられている。
【0010】
まず、図19を参照して、従来のフォトニック結晶は、薄膜状の光学媒質111の表面に、サブミクロン周期で三角格子状に配列された凹部または凸部からなる格子111aによって構成されている。この光学媒質111に波長Pを有する光112aを入射すると、図19に示すように、光112aは反射する。その一方、光学媒質111に波長P以外の波長を有する光112bを入射すると、図19に示すように、光112bは透過する。すなわち、図19に示したフォトニック結晶では、図20に示すように、波長Pの光112aの透過率をほぼ0にすることができる。このため、図19に示したフォトニック結晶には、波長Pの光112aが存在することができない。また、周期および格子サイズを変えたフォトニック結晶を用いることによって、波長Pの光112aを存在させることもできる。このように、フォトニック結晶は、フォトニック結晶の周期および格子サイズを変えることによって、任意の波長を有する光を存在させたり、または、存在させなくすることができるという性質を有する。
【0011】
このフォトニック結晶の性質を利用して、任意の波長の光のみを導波させることが可能な導波路を形成することができる。たとえば、図21に示すように、波長Pの光112aが存在することができないフォトニック結晶に格子111aが欠落した領域113を形成すると、波長Pの光112aは、領域113のみに存在することができる。これにより、領域113を波長Pの光112aの導波路として用いることができる。また、領域113の近傍に、波長Pの光112aが存在することができる欠陥114を形成すると、光のトンネル効果によって、波長Pの光112aを欠陥114に局在させることができる。このことは、たとえば、「Nature」、Vol.407、2000年10月5日、pp.608−610などに開示されている。
【0012】
また、図22に示すように、欠陥114aを格子111aよりも大きいサイズの2つの格子111bにより構成することによって、2つの格子111bが他の格子111aとは異質になるので、2つの格子111bからなる欠陥114aを共振器として機能させることができる。このことは、たとえば、「Science」、Vol.284、1999年6月11日、pp.1819−1821などに開示されている。これにより、欠陥114aを構成する2つの格子111bのサイズを調整することによって、光学媒質111の表面に対して垂直方向に光を放出することができる。このように、フォトニック結晶を用いれば、基板上の任意の位置に形成された欠陥114または114aを発光させることができるとともに、欠陥114または114aを発光させるための配線を接続する必要がない。このため、発光部の小型化が可能である。
【0013】
従来では、上記したフォトニック結晶の欠陥114または114aをマトリックス状に配置して光出力装置として用いることは試みられていなかった。また、たとえ、フォトニック結晶を含む光出力装置を実用化しようとしても、マトリックス状に配置された欠陥114または114aを選択的に発光させることは困難であるため、フォトニック結晶を用いた光出力装置を実現するのは困難であると考えられていた。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、フォトニック結晶を用いた高精細な光出力装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による光出力装置は、基板上に、第1の方向に形成され、第1の波長の光が導波可能で、かつ、第2の波長の光が実質的に導波できない第1フォトニック結晶構造を含む第1導波路を構成する第1領域と、基板上に、第1の方向に交差する方向に形成され、第2の波長の光が導波可能で、かつ、第1の波長の光が実質的に導波できない第2フォトニック結晶構造を含む第2導波路を構成する第2領域と、第1導波路と第2導波路とが交差する領域に形成され、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が存在可能な第3領域と、第1導波路を構成する第1領域および第2導波路を構成する第2領域以外の領域に形成され、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が実質的に存在できない第4領域と、第4領域内の第3領域の近傍に設けられ、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が存在可能な欠陥とを備えている。
【0016】
上記第1の局面による光出力装置では、上記のように、第1の波長の光が導波可能な第1導波路を構成する第1領域と、第2の波長の光が導波可能な第2導波路を構成する第2領域とを設けるとともに、第1導波路と第2導波路とが交差する第3領域の近傍に、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が存在可能な欠陥を設けることによって、第1導波路と第2導波路とに、それぞれ、第1の波長の光と第2の波長の光とを導波させれば、第1導波路と第2導波路とが交差する第3領域の近傍に位置する欠陥において、第1の波長の光と第2の波長の光とを同時に局在させることができる。そして、欠陥を共振器構造にすれば、欠陥から光を放出することができるので、自発光型の光出力装置として用いることができる。その結果、フォトニック結晶を用いた光出力装置を得ることができる。また、第1の波長の光と第2の波長の光とを用いて、欠陥を発光などさせるので、欠陥に電力を供給する必要がない。これにより、欠陥に電力を供給する配線などが不要となるので、装置の小型化を図ることができる。また、第1導波路および第2導波路をアレイ化することにより欠陥をマトリックス状に配置する場合に、一定の面積に多数の欠陥をマトリックス状に形成することができるので、高精細な光出力装置を得ることができる。
【0017】
上記第1の局面による光出力装置において、好ましくは、第1導波路を構成する第1領域の一方端に配置され、第1の波長の光を出射する第1発光素子と、第2導波路を構成する第2領域の一方端に配置され、第2の波長の光を出射する第2発光素子とをさらに備える。このように構成すれば、第1発光素子および第2発光素子により、容易に、第1導波路および第2導波路を介して、第1の波長の光と第2の波長の光とを導波させることができるので、第1導波路と第2導波路とが交差する第3領域の近傍に形成された欠陥に、容易に、第1の波長の光と第2の波長の光とを局在させることができる。また、第1導波路および第2導波路をアレイ化することにより欠陥をマトリックス状に配置した場合に、任意の第1発光素子および任意の第2発光素子を選択的に発光させることによって、任意の欠陥に、選択的に、第1の波長の光と第2の波長の光とを局在させることができる。
【0018】
上記第1の局面による光出力装置において、好ましくは、欠陥は、第1の波長の光の光子エネルギと第2の波長の光の光子エネルギとの和にほぼ等しい光子エネルギを有する第3の波長の近傍の波長を有する光に対して共振器となり、欠陥の中には、第1の波長の光と第2の波長の光とを吸収し、かつ、第3の波長近傍の波長を有する光を放出する材料が含まれている。このように構成すれば、容易に、欠陥において、光を発振するとともに、光を放出することができるので、容易に、自発光型の光出力装置として機能させることができる。
【0019】
上記第1の局面による光出力装置において、好ましくは、欠陥は、第1の波長の光と第2の波長の光とを吸収して屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を含む。このように構成すれば、容易に、外部から欠陥に入射する光の位相を空間変調することができるので、容易に、光空間変調器型の光出力装置として機能させることができる。
【0020】
上記第1の局面による光出力装置において、好ましくは、基板は、第1の波長の光と第2の波長の光とを吸収して屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を含む。このように構成すれば、欠陥にフォトリフラクティブ材料を充填する場合に比べて、より容易に、フォトリフラクティブ材料からなる欠陥を形成することができる。
【0021】
上記第1の局面による光出力装置において、好ましくは、第1領域は、第2の波長に対する第1フォトニック結晶構造の格子の間隔の比率がフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になるとともに、第2領域は、第1の波長に対する第2フォトニック結晶構造の格子の間隔の比率がフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になり、第4領域は、第1の波長に対する第4領域の格子の間隔の比率および第2の波長に対する第4領域の格子の間隔の比率が、共にフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になる。このように構成すれば、容易に、第1領域にのみ第1の波長近傍の光を導波させることができるとともに、第2領域にのみ第2の波長近傍の光を導波させることができる。
【0022】
この発明の第2の局面による光出力装置は、基板上に、第1の方向に所定の間隔を隔てて形成され、第1の波長の光が導波可能で、かつ、第2の波長の光が実質的に導波できない第1フォトニック結晶構造を含む第1導波路アレイを構成する第1領域と、基板上に、第1の方向に交差する方向に所定の間隔を隔てて形成され、第2の波長の光が導波可能で、かつ、第1の波長の光が実質的に導波できない第2フォトニック結晶構造を含む第2導波路アレイを構成する第2領域と、第1導波路アレイと第2導波路アレイとが交差する領域に形成され、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が存在可能な第3フォトニック結晶構造を含む第3領域と、第1導波路アレイを構成する第1領域および第2導波路アレイを構成する第2領域以外の領域に形成され、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が実質的に存在できない第4領域と、第4領域内の第3領域の近傍に設けられ、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が存在可能な欠陥とを備えている。
【0023】
上記第2の局面による光出力装置では、上記のように、第1の波長の光が導波可能な第1導波路アレイを構成する第1領域と、第2の波長の光が導波可能な第2導波路アレイを構成する第2領域とを設けるとともに、第1導波路アレイと第2導波路アレイとが交差する第3領域の近傍に、第1の波長の光と第2の波長の光との両方が存在可能な欠陥を設けることによって、所定の第1導波路と所定の第2導波路とを選択して、それぞれ、第1の波長の光と第2の波長の光とを導波させれば、選択した第1導波路と第2導波路とが交差する第3領域の近傍に位置する欠陥において、第1の波長の光と第2の波長の光とを同時に局在させることができる。そして、マトリックス状に配置された欠陥を共振器構造にすれば、マトリックス状に配置された欠陥から光を選択的に放出することができるので、自発光型の光出力装置として用いることができる。その結果、フォトニック結晶を用いた光出力装置を得ることができる。また、第1の波長の光と第2の波長の光とを用いて、マトリックス状に配置された欠陥を発光などさせるので、マトリックス状に配置された欠陥に電力を供給する必要がない。これにより、マトリックス状に配置された各欠陥に電力を供給する配線などが不要となるので、装置の小型化を図ることができる。これにより、一定の面積に多数の欠陥をマトリックス状に形成することができるので、高精細な光出力装置を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による光出力装置の平面図であり、図2は、図1に示した第1実施形態による光出力装置の60−60線に沿った断面の一部を示した断面図である。図3は、図1および図2に示した第1実施形態による光出力装置の欠陥内の状態を示した模式図である。まず、図1および図2を参照して、第1実施形態による光出力装置の構造について説明する。
【0026】
第1実施形態による光出力装置では、図1に示すように、波長P1の光のみが導波可能なフォトニック結晶からなる導波路2aと、波長P2の光のみが導波可能なフォトニック結晶からなる導波路2bと、波長P1の光と波長P2の光との両方が存在可能なフォトニック結晶からなる導波路交差部2cと、波長P1の光と波長P2の光との両方が実質的に存在できないフォトニック結晶からなる導波不可能部2dと、波長P1の光と波長P2の光との両方が存在可能なフォトニック結晶からなる欠陥2eとが設けられている。
【0027】
そして、導波路2aは、所定の方向(図1では縦方向)に所定の間隔を隔てて形成されているとともに、導波路2bは、導波路2aと直交する方向(図1では横方向)に所定の間隔を隔てて形成されている。また、導波路交差部2cは、導波路2aと導波路2bとが交差する領域であり、導波不可能部2dは、導波路2a、導波路2bおよび導波路交差部2c以外の領域である。また、欠陥2eは、導波路交差部2cの近傍に形成されている。すなわち、欠陥2eは、マトリックス状に配置されている。また、欠陥2eは、図22に示した従来例と同様、格子サイズの大きな2つの格子によって構成されている。なお、図1では、図面を簡略化するため、欠陥2eは1つの格子として図示されている。また、欠陥2eには、図3に示すように、少なくとも基底状態11と励起状態12との2つのエネルギ準位を有する材料がドープされている。
【0028】
欠陥2eにドープする材料としては、半導体、色素または有機系材料が考えられる。たとえば、長波長を2光子吸収して短波長を出力する色素としては、Indo−1、ROX、Rhodamine(ローダミン)、XRITC、NKX−2197、YOYO−1、CoumarineおよびExaliteなどがあり、励起波長や出力波長に合わせて数100種類の中から適宜選択できる。なお、色素レーザでは、通常、紫外域光で励起して、それよりも波長の長い可視域光を出力するが、Rhodamine、CoumarineおよびExaliteなどの色素レーザ用色素においても、赤外光で2光子励起して、それよりも波長の短い可視域光を出力できる。これらは、たとえば、「レーザ研究」、Vol.27、No.10、1999年10月、p.712−p.714などに開示されている。また、有機系材料としては、ビス(ベンジリデン)シクロアルカノン、Urea、m−MA、MNA、MAPおよびNPPなどがあり、2次の非線形光学効果により波長の長い2光子から短波長を発生させることができる。
【0029】
また、各導波路2aの一方端には、それぞれ、波長P1の光を発光する発光素子3aが設けられており、各導波路2bの一方端には、それぞれ、波長P2の光を発光する発光素子3bが設けられている。
【0030】
なお、波長P1は、本発明の「第1の波長」の一例であり、波長P2は、本発明の「第2の波長」の一例である。また、導波路2aは、本発明の「第1領域」の一例であり、導波路2bは、本発明の「第2領域」の一例である。また、導波路交差部2cは、本発明の「第3領域」の一例であり、導波不可能部2dは、本発明の「第4領域」の一例である。また、発光素子3aは、本発明の「第1発光素子」の一例であり、発光素子3bは、本発明の「第2発光素子」の一例である。
【0031】
なお、図1に示した発光素子3aおよび導波路2a部分の断面構造としては、図2に示すように、ガラス基板1上に、InGaAsPからなる多重量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)を有する導波路2aと、InGaAsPからなるMQW構造を有する発光素子3aとが形成されている。この発光素子3aの上面の一部領域上には、下層のAu層と上層のAuZn層とからなる電極31が形成されている。また、発光素子3aの一部領域が除去されており、この除去されて露出している領域上には、下層のAuGeNi層と上層のAu層とからなる電極32が形成されている。また、導波路2aと発光素子3aとの間には、電気的に分離するための分離溝4が形成されている。この分離溝4によって分離された発光素子3aの側面が共振器端面となる。なお、ガラス基板1は、本発明の「基板」の一例である。
【0032】
図4は、図1および図2に示した第1実施形態による光出力装置の動作を説明するための斜視図である。次に、図3および図4を参照して、第1実施形態による光出力装置の動作について説明する。まず、図4に示すように、選択された発光素子3aが発光する。そして、選択された発光素子3aが発光することと同期して、選択された発光素子3bも発光する。このとき、発光素子3aが発光する波長P1の光は、導波路2aおよび導波路交差部2cのみにしか存在できないので、導波路2aを途中で分岐することなく直進する。また、発光素子3bが発光する波長P2の光は、導波路2bおよび導波路交差部2cのみにしか存在できないので、導波路2bを途中で分岐することなく直進する。そして、光のトンネル効果によって、波長P1の光と波長P2の光とが交差する選択された導波路交差部2cの近傍に形成された選択された欠陥2eに、波長P1の光と波長P2の光とが局在することになる。
【0033】
ここで、第1実施形態による各欠陥2eは、上記したように、2つの格子のサイズを大きくすることにより構成されているため、図22に示した従来例と同様、欠陥2eを共振器として機能させることができる。具体的には、光のトンネル効果によって、欠陥2e内に波長P1の光と波長P2の光とが混ざって局在すると、上記した色素などがドープされた欠陥2eは、図3に示したように、基底状態11および励起状態12の2つのエネルギ準位をもつので、波長P1の光と波長P2の光とを2光子吸収して波長P3の光を放出する。そして、各欠陥2eは、波長P3の光に対して共振器となるので、波長P3の光を発振するとともに、波長P3の光を放出することができる。なお、欠陥2eのサイズなどを最適設計することによって、容易に、ガラス基板1の表面に対して垂直方向に光を放出することができる。
【0034】
第1実施形態では、上記のように、導波路2aを導波する発光素子3aから発光される波長P1の光と、導波路2bを導波する発光素子3bから発光される波長P2の光とが交差する導波路交差部2cの近傍に、欠陥2eを設けることによって、所定の導波路2aと所定の導波路2bとを選択して、それぞれ、波長P1の光と波長P2の光とを導波させれば、選択した導波路2aと導波路2bとが交差する導波路交差部2cの近傍に位置する欠陥2eにおいて、波長P1の光と波長P2の光とを同時に局在させることができる。そして、マトリックス状に配置された欠陥2eを共振器構造にすれば、マトリックス状に配置された欠陥2eから光を選択的に放出することができるので、自発光型の光出力装置として用いることができる。これにより、フォトニック結晶を用いた光出力装置を得ることができる。また、波長P1の光と波長P2の光とを用いて、マトリックス状に配置された欠陥2eを発光させるので、マトリックス状に配置された欠陥2eに電力を供給する必要がない。これにより、各欠陥2eに電力を供給する配線などが不要となるので、装置の小型化を図ることができる。その結果、一定の面積に多数の欠陥2eをマトリックス状に形成することができるので、高精細な光出力装置を得ることができる。
【0035】
また、第1実施形態では、上記のように、各導波路2aの一方端に、それぞれ、発光素子3aを配置するとともに、各導波路2bの一方端に、それぞれ、発光素子3bを配置することによって、発光素子3aおよび3bを用いて、容易に、波長P1の光と波長P2の光とを導波させることができる。
【0036】
なお、上記した第1実施形態による光出力装置は、ディスプレイ装置、光メモリ装置、光インターコネクション、光マトリックススイッチおよびレーザビームプリンタ用光源などに応用することができる。
【0037】
図5〜図7は、図2に示した第1実施形態による光出力装置の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図2および図5〜図7を参照して、第1実施形態による光出力装置の製造プロセスについて説明する。
【0038】
まず、図5に示すように、有機金属気相堆積法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、InP基板5上に、InGaAsPからなるMQW層6を形成する。次に、図6に示すように、InP基板5上に形成されたMQW層6を、ガラス基板1上に融着する。この後、エッチング技術または研磨技術を用いて、InP基板5を除去することによって、図7に示すような構造が得られる。この後、図2に示したように、MQW層6に分離溝4を形成することによって、ガラス基板1上に、InGaAsPからなるMQW層により構成される導波路2aと発光素子3aとを形成する。最後に、発光素子3aの上面の一部領域上に、下層のAu層と上層のAuZn層とからなる電極31を形成する。また、発光素子3aの一部領域を除去した後、除去されて露出している領域上に、下層のAuGeNi層と上層のAu層とからなる電極32を形成する。このようにして、図2に示した第1実施形態による光出力装置が形成される。
【0039】
図8は、図2に示した第1実施形態の変形例による光出力装置の断面図である。図8を参照して、この第1実施形態の変形例による光出力装置では、ガラス基板1上に、ガラス基板1よりも高い屈折率を有するTiO2からなる透明導波路20aを形成する。このように構成しても、透明導波路20aを光の導波路として用いることができる。なお、この場合には、分離溝を形成する必要がない。
【0040】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による光出力装置の平面図である。図10は、図9に示した光出力装置の欠陥内の屈折率と時間との関係を示した相関図である。図10の縦軸には、屈折率がとられており、横軸には、時間がとられている。図9および図10を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、フォトリフラクティブ材料を含む欠陥22eを形成する例について説明する。なお、第2実施形態のその他の構造、動作および製造プロセスは、第1実施形態と同様である。
【0041】
すなわち、この第2実施形態による光出力装置では、図9に示すように、フォトニック結晶にフォトリフラクティブ材料が充填された各欠陥22eが、各導波路交差部2cの近傍にマトリックス状に配置されている。なお、フォトリフラクティブ材料とは、光を吸収することにより屈折率が変化する性質を有する材料である。また、光を吸収することにより変化したフォトリフラクティブ材料の屈折率は、図10に示すように、時間が経過すれば、元の屈折率に戻る性質を有する。
【0042】
また、フォトリフラクティブ材料としては、LiNbO3、BaTiO3、Kta1-XNbXO3(KTN)およびSr1-XBaXNb2O6(SBN)などの強誘電性酸化物、Bi12SiO20(BSO)、Bi12GeO20(BGO)およびBi12TiO20(BTO)などの常誘電性酸化物、GaAs、InP、GaPおよびCdTeなどの半導体、または、DANS/MMA、NNDN−NAN:DEH、DR1/PVK:TNF、bias−NPDA:DEH、PMMA−PNA:DEH、bias−NAS:DEH、PVK:DEANST:C60、PVK:FDEANST:TNF、bias−NAT:DEHおよびPMMA−PNA:DEH:C60などの有機系材料を用いることができる。なお、材料の形態および性質を考慮すると、欠陥22eにドープする場合は、有機系材料が適している。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、フォトリフラクティブ材料を含む欠陥22eを導波路交差部2cの近傍に設けることによって、欠陥22eが波長P1の光と波長P2の光とを2光子吸収する際に、欠陥22eの屈折率を変化させることができる。このとき、外部から欠陥22eに光を入射すると、位相が変調された光を放出することができる。これにより、光空間変調型の光出力装置として機能させることができる。
【0044】
たとえば、図10に示したような屈折率が変化した後元に戻る前の期間Xの間に、ガラス基板1上にマトリックス状に配置された欠陥22eを順次選択し、かつ、外部から全ての欠陥22eに光を入射することによって、全ての欠陥22eから位相が変調された光が放出されるので、ホログラム映像の再生が可能となる。また、期間Xの間に、ガラス基板1上にマトリックス状に配置された全ての欠陥22eを1フレーム毎に異なる屈折率になるように順次選択し、かつ、外部から全ての欠陥22eに光を入射することによって、全ての欠陥22eから1フレーム毎に異なる位相の光が放出されるので、動画ホログラム映像の再生も可能となる。
【0045】
また、第2実施形態による光出力装置は、光信号を用いて動作させるコンピュータとしての光並列演算処理装置用の光空間変調器または同心円の周期を変化させることにより焦点を変化させる焦点可変レンズなどに応用することができる。
【0046】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0047】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態による光出力装置の構造を示した平面図である。図12は、図11に示した第3実施形態による光出力装置を構成するフォトニック結晶の拡大平面図である。図13は、図11に示した第3実施形態による光出力装置内を導波する光の透過率と波長との関係を示したグラフである。図11〜図13を参照して、この第3実施形態では、色素レーザ用色素の1つであるローダミン6Gがドープされた欠陥を有するとともに、1.045μmの波長λ1の光と1.082μmの波長λ2の光とを2光子吸収して光を出力する光出力装置について説明する。なお、波長λ1は、本発明の「第1の波長」の一例であり、波長λ2は、本発明の「第2の波長」の一例である。
【0048】
この第3実施形態による光出力装置では、図11に示すように、ガラス基板(図示せず)上に、約1μmの厚みを有するTiO2膜42が形成されている。このTiO2膜42には、導波路42aと、導波路42bと、導波路交差部42cと、導波不可能部42dと、欠陥42eとが設けられている。なお、導波路42aは、本発明の「第1領域」の一例であり、導波路42bは、本発明の「第2領域」の一例である。また、導波路交差部42cは、本発明の「第3領域」の一例であり、導波不可能部42dは、本発明の「第4領域」の一例である。そして、導波路42aは、所定の方向(図11では横方向)に延びるように形成されているとともに、導波路42bは、導波路42aと直交する方向(図11では縦方向)に延びるように形成されている。また、導波路交差部42cは、導波路42aと導波路42bとが交差する領域であり、導波不可能部42dは、導波路42a、導波路42bおよび導波路交差部42c以外の領域である。また、欠陥42eは、導波路交差部42cの近傍の導波不可能部42d中に形成されている。
【0049】
ここで、第3実施形態では、導波路42a、導波路42b、導波不可能部42dおよび欠陥42eは、フォトニック結晶構造を有している。この導波路42a、導波路42b、導波不可能部42dおよび欠陥42eのフォトニック結晶は、図12に示すように、格子点となる円形状(円柱状)の孔42fが正方形を構成するように配列された正方格子2次元フォトニック結晶構造を有している。そして、図11に示した導波路42a、導波路42b、導波不可能部42dおよび欠陥42eのフォトニック結晶には、規則的に並ぶ格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rを調整することにより、所定の波長の光が存在できないフォトニックバンドギャップが設けられている。すなわち、フォトニックバンドギャップに該当する波長の光は、そのフォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶を導波することができない。なお、図11に示した導波路交差部42cは、格子を有しない薄膜導波路であり、すべての波長の光が導波可能である。
【0050】
そして、この第3実施形態では、図13に示すように、導波路42aのフォトニック結晶には、波長λ2の光の透過率がほぼ0になるようなフォトニックバンドギャップが設けられており、導波路42bのフォトニック結晶には、波長λ1の光の透過率がほぼ0になるようなフォトニックバンドギャップが設けられている。また、導波不可能部42dのフォトニック結晶には、波長λ1の光および波長λ2の光を含む広い波長領域で透過率がほぼ0になるようなフォトニックバンドギャップが設けられている。なお、導波路交差部42cは、格子を有しない薄膜導波路にすることによって、波長λ1の光および波長λ2の光の透過率がほぼ1となる。具体的な各フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)r(図12参照)としては、導波路42aでは、a:約0.330μmおよびr:約0.116μmである。導波路42bでは、a:約0.319μmおよびr:約0.112μmである。導波不可能部42dでは、a:約0.365μmおよびr:0.146μmである。
【0051】
また、図示しないが、導波路交差部42cの近傍の導波不可能部42d中に形成されている欠陥42eのフォトニック結晶には、波長λ1の光および波長λ2の光が存在可能なフォトニックバンドギャップが設けられている。欠陥42eのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rとしては、a:約0.365μmおよびr:約0.164μmである。なお、欠陥42eを構成する孔42f(図12参照)の数は、複数でもよいし、1つでもよい。また、欠陥42eには、色素レーザ用色素の1つであるローダミン6Gがドープされている。ここで、ローダミン6Gは、Nd:YAGレーザの第2高調波(波長:532nm)の光を吸収して、550nm〜590nmの光を出力することが知られている。また、第2高調波の代わりに、1.064μmの光を2光子吸収して、550nm〜590nmの光を出力することも知られている。
【0052】
また、図11に示すように、導波路42aの一方端には、波長λ1の光を発光する発光素子43aが設けられており、導波路42bの一方端には、波長λ2の光を発光する発光素子43bが設けられている。なお、発光素子43aは、本発明の「第1発光素子」の一例であり、発光素子43bは、本発明の「第2発光素子」の一例である。
【0053】
第3実施形態では、上記のように、波長λ1の光が導波可能なフォトニック結晶からなる導波路42aと、波長λ2の光が導波可能なフォトニック結晶からなる導波路42bとを設けるとともに、導波路42aと導波路42bとが交差する導波路交差部42cの近傍に、波長λ1の光と波長λ2の光との両方が存在可能な欠陥42eを設けることによって、導波路42aと導波路42bとに、それぞれ、波長λ1の光と波長λ2の光とを導波させれば、導波路42aと導波路42bとが交差する導波路交差部42cの近傍に位置する欠陥42eにおいて、波長λ1の光と波長λ2の光とを光のトンネル効果により同時に局在させることができる。そして、欠陥42eを共振器構造にすれば、欠陥42eから光を放出することができるので、自発光型の光出力装置として用いることができる。その結果、フォトニック結晶を用いた光出力装置を得ることができる。また、波長λ1の光と波長λ2の光とを用いて、欠陥42eを発光させるので、欠陥42eに電力を供給する必要がない。これにより、欠陥42eに電力を供給する配線などが不要となるので、装置の小型化を図ることができる。
【0054】
また、第3実施形態では、上記のように、2光子吸収して光を出力するローダミン6Gを欠陥42eにドープすることによって、容易に、欠陥42eにおいて、光を発振するとともに、光を放出することができるので、容易に、自発光型の光出力装置として機能させることができる。
【0055】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0056】
図14は、所定の波長の光が存在できないフォトニックバンドギャップの分布領域を示したグラフである。図15は、2光子吸収の概念を説明するための模式図である。次に、図11〜図15を参照して、第3実施形態による光出力装置を構成する各フォトニック結晶の製造プロセスについて説明する。
【0057】
第3実施形態の各フォトニック結晶の製造プロセスとしては、たとえば、平面波展開法を用いて計算した所定の波長の光が存在できないフォトニックバンドギャップの分布領域(図14参照)を考慮して、フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aおよび格子サイズ(半径)r(図12参照)を決定する。なお、図14中の横軸には、r/aがとられており、縦軸には、a/λ(λ:入射光の波長)がとられている。また、図14中の斜線部分は、TiO2膜に設けられた正方格子2次元フォトニック結晶に入射したTMモード(電界ベクトルがTiO2膜の表面に垂直)の光に対するフォトニックバンドギャップの分布領域である。すなわち、所定の波長の光が存在できないフォトニックバンドギャップは、図14中の斜線部分の条件領域で存在するとともに、その斜線部分の縦方向の幅が、フォトニックバンドギャップの幅(存在できない光の波長領域の幅)である。
【0058】
したがって、所定の波長λの光が存在できないフォトニック結晶を得るには、a/λの値がフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になるように、格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rを決定すればよい。また、所定の波長λの光が存在することができるフォトニック結晶を得るには、a/λの値がフォトニックバンドギャップの幅の範囲外の値になるように、格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rを決定すればよい。また、フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rを調整することにより、存在できない光の波長領域の幅であるフォトニックバンドギャップの幅を制御することができる。なお、格子を設けなければ、すべての波長の光が存在することができる。
【0059】
上記した平面波展開法は、たとえば、「OPTICS COMMUNICATIONS」、Vol.80、No.3,4、1991年1月1日、pp.199−204などに開示されている。
【0060】
そして、具体的な各フォトニック結晶の製造プロセスとしては、まず、第1ステップとして、2光子のそれぞれの波長を決定する。ここで、2光子吸収は、図15に示すように、2光子のそれぞれのエネルギ40aおよび40bの和が、単光子のエネルギ40にほぼ等しいときに生じる。この2光子のそれぞれのエネルギ40aおよび40bと単光子のエネルギ40との関係は、次式(1)のように表される。
【0061】
hf0=hf1+hf2 …(1)
ここで、hはプランク定数、f0は単光子の周波数、f1およびf2は2光子のそれぞれの周波数である。
【0062】
また、真空中の光速をcとすると、波長λと周波数fとの関係は、f=c/λとなるので、上記式(1)は、次式(2)のように表すことができる。
【0063】
1/λ0=1/λ1+1/λ2 …(2)
ここで、λ0は単光子の波長、λ1およびλ2は2光子のそれぞれの波長である。
【0064】
そして、この第3実施形態では、2光子が局在する領域である欠陥42e(図11参照)に532nmの波長の光を吸収するローダミン6Gがドープされているので、上記式(2)において、λ0=532nmとなる。これにより、上記式(2)を満たす2光子の波長として、1.045μm(λ1)および1.082μm(λ2)を採用する。なお、波長λ1およびλ2の光は、TMモードとする。
【0065】
次に、第2ステップとして、図14に示した平面波展開法を用いて、各フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aを決定する。具体的には、導波路42aおよび42b(図11参照)のフォトニック結晶におけるr/aを、r/a=0.35とする。このときのフォトニックバンドギャップの幅W1の中心は、a/λ=0.3049となる。そして、導波路42aでは、波長λ2の光が存在できないように、λ=1.082μm(λ2)にする。これにより、導波路42aのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aは、a=0.3049×1.082=約0.330μmとなる。また、導波路42bでは、波長λ1の光が存在できないように、λ=1.045μm(λ1)にする。これにより、導波路42bのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aは、a=0.3049×1.045=約0.319μmとなる。
【0066】
また、導波不可能部42d(図11参照)のフォトニック結晶におけるr/aを、r/a=0.40とする。このときのフォトニックバンドギャップの幅W2の中心は、a/λ=0.3432となる。そして、導波不可能部42dでは、波長λ1の光および波長λ2の光が存在できないように、λ=1.064μm(波長λ1と波長λ2との平均波長)にする。これにより、導波不可能部42dのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aは、a=0.3432×1.064=約0.365μmとなる。この場合、a/λ1およびa/λ2の値は、共にフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になる。なお、欠陥42eのフォトニック結晶の間隔(格子定数)aも、導波不可能部42dと同様、a=約0.365μmとする。
【0067】
次に、第3ステップとして、各フォトニック結晶の格子のサイズ(半径)rを決定する。具体的には、導波路42aでは、r/a=0.35およびa=0.330μmより、r=0.35×0.330=約0.116μmとなり、導波路42bでは、r/a=0.35およびa=0.319μmより、r=0.35×0.319=約0.112μmとなる。また、導波不可能部42dでは、r/a=0.40およびa=0.365μmより、r=0.40×0.365=約0.146μmとなる。また、導波不可能部42d中に形成される欠陥42eでは、欠陥42eのフォトニック結晶におけるr/aを、r/a=0.45として設計する。これにより、導波不可能部42dのa=0.365μmより、r=0.45×0.365=約0.164μmとなる。
【0068】
なお、導波路交差部42cは、格子を有さない薄膜導波路にする。
【0069】
このようにして、第3実施形態の各フォトニック結晶における格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rが決定される。
【0070】
(第4実施形態)
図16は、本発明の第4実施形態による光出力装置の構造を示した平面図である。図16を参照して、この第4実施形態では、上記第3実施形態と異なり、フォトリフラクティブ材料がドープされた欠陥を有するとともに、1.272μmの波長λ3の光と1.316μmの波長λ4の光とを2光子吸収して入射光の位相を空間変調する光出力装置について説明する。なお、波長λ3は、本発明の「第1の波長」の一例であり、波長λ4は、本発明の「第2の波長」の一例である。
【0071】
この第4実施形態による光出力装置では、図16に示すように、ガラス基板(図示せず)上に、約1μmの厚みを有するTiO2膜52が形成されている。このTiO2膜52には、導波路52aと、導波路52bと、導波路交差部52cと、導波不可能部52dと、欠陥52eとが設けられている。なお、導波路52aは、本発明の「第1領域」の一例であり、導波路52bは、本発明の「第2領域」の一例である。また、導波路交差部52cは、本発明の「第3領域」の一例であり、導波不可能部52dは、本発明の「第4領域」の一例である。そして、導波路52aは、所定の方向(図16では横方向)に延びるように形成されているとともに、導波路52bは、導波路52aと直交する方向(図16では縦方向)に延びるように形成されている。また、導波路交差部52cは、導波路52aと導波路52bとが交差する領域であり、導波不可能部52dは、導波路52a、導波路52bおよび導波路交差部52c以外の領域である。また、欠陥52eは、導波路交差部52cの近傍の導波不可能部52d中に形成されている。
【0072】
ここで、第4実施形態では、導波路52a、導波路52b、導波不可能部52dおよび欠陥52eは、フォトニック結晶構造を有している。この導波路52a、導波路52b、導波不可能部52dおよび欠陥52eのフォトニック結晶は、図12に示した第3実施形態と同様、格子点となる円形状(円柱状)の孔(図示せず)が正方形を構成するように配列された正方格子2次元フォトニック結晶構造を有している。そして、導波路52a、導波路52b、導波不可能部52dおよび欠陥52eのフォトニック結晶には、規則的に並ぶ格子の間隔(格子定数)および格子のサイズ(半径)を調整することにより、所定の波長の光が存在できないフォトニックバンドギャップが設けられている。なお、導波路交差部52cは、格子を有しない薄膜導波路であり、すべての波長の光が導波可能である。
【0073】
そして、この第4実施形態では、導波路52aのフォトニック結晶には、波長λ4の光の透過率がほぼ0になるようなフォトニックバンドギャップが設けられており、導波路52bのフォトニック結晶には、波長λ3の光の透過率がほぼ0になるようなフォトニックバンドギャップが設けられている。また、導波不可能部52dのフォトニック結晶には、波長λ3の光および波長λ4の光を含む広い波長領域で透過率がほぼ0になるようなフォトニックバンドギャップが設けられている。なお、導波路交差部52cは、格子を有しない薄膜導波路にすることによって、波長λ3の光および波長λ4の光の透過率がほぼ1となる。具体的な各フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rとしては、導波路52aでは、a:約0.401μmおよびr:約0.140μmである。導波路52bでは、a:約0.388μmおよびr:約0.136μmである。導波不可能部52dでは、a:約0.444μmおよびr:0.178μmである。
【0074】
また、導波路交差部52cの近傍の導波不可能部52d中に形成される欠陥52eのフォトニック結晶には、波長λ3の光および波長λ4の光が存在可能なフォトニックバンドギャップが設けられている。欠陥52eのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rとしては、a:約0.444μmおよびr:約0.20μmである。なお、欠陥52eを構成する孔の数は、複数でもよいし、1つでもよい。また、欠陥52eには、PVK、7−DCST、BBPおよびC60を含むフォトリフラクティブ材料がドープされている。このフォトリフラクティブ材料を構成するPVK、7−DCST、BBPおよびC60の比率は、PVK:7−DCST:BBP:C60=49.5:35:15:0.5(wt%)である。ここで、PVK、7−DCST、BBPおよびC60を含むフォトリフラクティブ材料は、647nmの光を吸収することにより、フォトリフラクティブ効果が生じることが知られている。このことは、たとえば、「レーザ研究」、Vol.30、No.4、2002年4月15日、pp.166−170などに開示されている。
【0075】
また、導波路52aの一方端には、波長λ3の光を発光する発光素子53aが設けられており、導波路52bの一方端には、波長λ4の光を発光する発光素子53bが設けられている。なお、発光素子53aは、本発明の「第1発光素子」の一例であり、発光素子53bは、本発明の「第2発光素子」の一例である。
【0076】
第4実施形態では、上記のように、波長λ3の光が導波可能なフォトニック結晶からなる導波路52aと、波長λ4の光が導波可能なフォトニック結晶からなる導波路52bとを設けるとともに、導波路52aと導波路52bとが交差する導波路交差部52cの近傍に、波長λ3の光と波長λ4の光との両方が存在可能な欠陥52eを設けることによって、上記第3実施形態と同様、欠陥52eにおいて、波長λ3の光と波長λ4の光とを同時に局在させることができる。そして、第4実施形態では、欠陥52eに、PVK、7−DCST、BBPおよびC60を含むフォトリフラクティブ材料をドープすることによって、容易に、外部から欠陥52eに入射する光の位相を空間変調することができるので、容易に、光空間変調器型の光出力装置として機能させることができる。また、波長λ3の光と波長λ4の光とを用いて、欠陥52eの屈折率を変化させるので、欠陥52eに電力を供給する必要がない。これにより、欠陥52eに電力を供給する配線などが不要となるので、装置の小型化を図ることができる。
【0077】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0078】
次に、第4実施形態の各フォトニック結晶の製造プロセスとしては、上記第3実施形態と同様、たとえば、平面波展開法により計算したフォトニックバンドギャップ分布領域図(図14参照)を用いて、各フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)および格子のサイズ(半径)を決定する。
【0079】
具体的には、まず、第1ステップとして、2光子のそれぞれの波長を決定する。この際、第4実施形態では、2光子が局在する領域である欠陥52eに647nmの波長の光を吸収するフォトリフラクティブ材料がドープされているので、上記第3実施形態で示した式(2)において、λ0=647nmとなる。これにより、式(2)を満たす2光子の波長として、1.272μm(λ3)および1.316μm(λ4)を採用する。なお、波長λ3およびλ4の光は、TMモードとする。
【0080】
次に、第2ステップとして、図14に示したように、フォトニックバンドギャップが存在する条件領域を考慮して、フォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aを決定する。具体的には、図16に示した導波路52aおよび52bのフォトニック結晶におけるr/aを、r/a=0.35とする。このときのフォトニックバンドギャップの幅W1の中心は、a/λ=0.3049となる。そして、導波路52aでは、波長λ4の光が存在できないように、λ=1.316μm(λ4)にする。これにより、導波路52aのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aは、a=0.3049×1.316=約0.401μmとなる。また、導波路52bでは、波長λ3の光が存在できないように、λ=1.272μm(λ3)にする。これにより、導波路52bのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aは、a=0.3049×1.272=約0.388μmとなる。
【0081】
また、図16に示した導波不可能部52dのフォトニック結晶におけるr/aを、r/a=0.40とする。このときのフォトニックバンドギャップの幅W2の中心は、a/λ=0.3432となる。そして、導波不可能部52dでは、波長λ3および波長λ4の光が存在できないように、λ=1.294μm(波長λ3と波長λ4との平均波長)にする。これにより、導波不可能部52dのフォトニック結晶の格子の間隔(格子定数)aは、a=0.3432×1.294=約0.444μmとなる。この場合、a/λ3およびa/λ4の値は、共にフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になる。なお、欠陥52eのフォトニック結晶の間隔(格子定数)aも、導波不可能部52dと同様、a=約0.444μmとする。
【0082】
次に、第3ステップとして、各フォトニック結晶の格子のサイズ(半径)rを決定する。具体的には、導波路52aでは、r/a=0.35およびa=0.401μmより、r=0.35×0.401=約0.140μmとなり、導波路52bでは、r/a=0.35およびa=0.388μmより、r=0.35×0.388=約0.136μmとなる。また、導波不可能部52dでは、r/a=0.40およびa=0.444μmより、r=0.40×0.444=約0.178μmとなる。また、導波不可能部52d中に形成される欠陥52eでは、欠陥52eのフォトニック結晶におけるr/aを、r/a=0.45として設計する。これにより、導波不可能部52dのa=0.444μmより、r=0.45×0.444=約0.20μmとなる。
【0083】
なお、導波路交差部52cは、格子を有さない薄膜導波路にする。
【0084】
このようにして、第4実施形態の各フォトニック結晶における格子の間隔(格子定数)aおよび格子のサイズ(半径)rが決定される。
【0085】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0086】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、同一ガラス基板上に、導波路と発光素子とを形成するモノリシック集積化構造にしたが、本発明はこれに限らず、発光素子チップを基板上に実装するハイブリッド集積化構造にしてもよい。さらに、モノリシック集積化構造において、発光素子の共振器をフォトニック結晶のブラッグ反射効果そのものを用いて構成してもよい。
【0087】
また、上記第2および第4実施形態では、欠陥のみにフォトリフラクティブ材料を充填するようにしたが、本発明はこれに限らず、光出力装置の基板自体をフォトリフラクティブ材料にしてもよい。この場合、欠陥のみにフォトリフラクティブ材料を充填する場合に比べて、より容易に、フォトリフラクティブ材料を含む欠陥を形成することができる。なお、基板にフォトリフラクティブ材料を用いる場合は、無機系材料を用いるのが好ましい。
【0088】
また、上記第3および第4実施形態では、TiO2膜に、フォトニック結晶を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、TiO2膜以外の他の材料に、フォトニック結晶を設けるようにしてもよい。
【0089】
また、上記第3および第4実施形態では、円形状の孔が正方形を構成するように配列された正方格子2次元フォトニック結晶を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、円形状の孔が三角形を構成するように配列された三角格子2次元フォトニック結晶を設けるようにしてもよい。
【0090】
また、上記第3および第4実施形態では、TMモードの光に対応したフォトニック結晶を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、TEモード(電界ベクトルがTiO2膜の表面に平行)の光にも適用可能である。
【0091】
また、上記第3および第4実施形態では、2種類の波長の光が存在することが可能な導波路交差部を、格子を有さない薄膜導波路にするようにしたが、本発明はこれに限らず、導波路交差部を、2種類の波長の光が存在することが可能なフォトニック結晶を有する構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による光出力装置の平面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による光出力装置の60−60線に沿った断面の一部を示した断面図である。
【図3】図1および図2に示した第1実施形態による光出力装置の欠陥内の状態を示した模式図である。
【図4】図1および図2に示した第1実施形態による光出力装置の動作を説明するための斜視図である。
【図5】図2に示した第1実施形態による光出力装置の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図6】図2に示した第1実施形態による光出力装置の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図7】図2に示した第1実施形態による光出力装置の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図8】図2に示した第1実施形態の変形例による光出力装置の断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による光出力装置の平面図である。
【図10】図9に示した光出力装置の欠陥内の屈折率と時間との関係を示した相関図である。
【図11】本発明の第3実施形態による光出力装置の構造を示した平面図である。
【図12】図11に示した第3実施形態による光出力装置を構成するフォトニック結晶の拡大平面図である。
【図13】図11に示した第3実施形態による光出力装置内を導波する光の透過率と波長との関係を示したグラフである。
【図14】所定の波長の光が存在できないフォトニックバンドギャップの分布領域を示したグラフである。
【図15】2光子吸収の概念を説明するための模式図である。
【図16】本発明の第3実施形態による光出力装置の構造を示した平面図である。
【図17】従来の液晶光空間変調器の1つのエレメントを示した等価回路図である。
【図18】図17に示した従来の液晶光空間変調器のエレメントをアレイ化した場合の等価回路図である。
【図19】従来のフォトニック結晶の光導波路を説明するための平面図である。
【図20】図19に示したフォトニック結晶の透過率と波長との関係を示した相関図である。
【図21】従来のフォトニック結晶の光導波路を説明するための平面図である。
【図22】従来のフォトニック結晶の光導波路を説明するための平面図である。
【符号の説明】
P1、λ1、λ3 波長(第1の波長)
P2、λ2、λ4 波長(第2の波長)
1 ガラス基板(基板)
2a、42a、52a 導波路(第1領域)
2b、42b、52b 導波路(第2領域)
2c、42c、52c 導波路交差部(第3領域)
2d、42d、52d 導波不可能部(第4領域)
2e、22e、42e、52e 欠陥
3a、43a、53a 発光素子(第1発光素子)
3b、43b、53b 発光素子(第2発光素子)
Claims (7)
- 基板上に、第1の方向に形成され、第1の波長の光が導波可能で、かつ、第2の波長の光が実質的に導波できない第1フォトニック結晶構造を含む第1導波路を構成する第1領域と、
前記基板上に、前記第1の方向に交差する方向に形成され、前記第2の波長の光が導波可能で、かつ、前記第1の波長の光が実質的に導波できない第2フォトニック結晶構造を含む第2導波路を構成する第2領域と、
前記第1導波路と前記第2導波路とが交差する領域に形成され、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光との両方が存在可能な第3領域と、
前記第1導波路を構成する第1領域および前記第2導波路を構成する第2領域以外の領域に形成され、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光との両方が実質的に存在できない第4領域と、
前記第4領域内の前記第3領域の近傍に設けられ、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光との両方が存在可能な欠陥とを備えた、光出力装置。 - 前記第1導波路を構成する第1領域の一方端に配置され、前記第1の波長の光を出射する第1発光素子と、
前記第2導波路を構成する第2領域の一方端に配置され、前記第2の波長の光を出射する第2発光素子とをさらに備える、請求項1に記載の光出力装置。 - 前記欠陥は、前記第1の波長の光の光子エネルギと前記第2の波長の光の光子エネルギとの和にほぼ等しい光子エネルギを有する第3の波長の近傍の波長を有する光に対して共振器となり、
前記欠陥の中には、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とを吸収し、かつ、前記第3の波長近傍の波長を有する光を放出する材料が含まれている、請求項1または2に記載の光出力装置。 - 前記欠陥は、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とを吸収して屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を含む、請求項1または2に記載の光出力装置。
- 前記基板は、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とを吸収して屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を含む、請求項1または2に記載の光出力装置。
- 前記第1領域は、前記第2の波長に対する第1フォトニック結晶構造の格子の間隔の比率がフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になるとともに、
前記第2領域は、前記第1の波長に対する第2フォトニック結晶構造の格子の間隔の比率がフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になり、
前記第4領域は、前記第1の波長に対する前記第4領域の格子の間隔の比率および前記第2の波長に対する前記第4領域の格子の間隔の比率が、共にフォトニックバンドギャップの幅の範囲内の値になる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光出力装置。 - 基板上に、第1の方向に所定の間隔を隔てて形成され、第1の波長の光が導波可能で、かつ、第2の波長の光が実質的に導波できない第1フォトニック結晶構造を含む第1導波路アレイを構成する第1領域と、
前記基板上に、前記第1の方向に交差する方向に所定の間隔を隔てて形成され、前記第2の波長の光が導波可能で、かつ、前記第1の波長の光が実質的に導波できない第2フォトニック結晶構造を含む第2導波路アレイを構成する第2領域と、
前記第1導波路アレイと前記第2導波路アレイとが交差する領域に形成され、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光との両方が存在可能な第3フォトニック結晶構造を含む第3領域と、
前記第1導波路アレイを構成する第1領域および前記第2導波路アレイを構成する第2領域以外の領域に形成され、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光との両方が実質的に存在できない第4領域と、
前記第4領域内の前記第3領域の近傍に設けられ、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光との両方が存在可能な欠陥とを備えた、光出力装置。
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