JP4120334B2 - 合成開口ソーナー及びそれに用いる動揺補正方法並びにそのプログラム - Google Patents

合成開口ソーナー及びそれに用いる動揺補正方法並びにそのプログラム Download PDF

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    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8902Side-looking sonar
    • G01S15/8904Side-looking sonar using synthetic aperture techniques

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成開口ソーナー及びそれに用いる動揺補正方法並びにそのプログラムに関し、特に海底に沈底/埋没した目標物体等を調査/探知することを目的とした海底探査に用いるサイドスキャンソーナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サイドスキャンソーナーにおいては、海底の地形、海底から係維された目標物体、もしくは海底に沈底/埋没した目標物体を調査/探知することを目的とした海底探査に用いられており、その中にはレーダーの分野において高分解能を得るための合成開口レーダーの技術(例えば、非特許文献1参照)を適用したもの(合成開口ソーナー)もある。
【0003】
従来のサイドスキャンソーナーにおけるプラットフォームの動揺推定手法としては、二つの送受波器を進行方向において直列に配置し、水槽壁からの探信波の反射を用いて音響的な手法によって推定する方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
上記の手法について、図12及び図13を用いて以下に説明する。図12において、ピング#1のタイミングにて前方送受波器5(位置はZa1)によって探信波をプラットフォームの進行方向に対して直交する方向へ放射する。
【0005】
プラットフォームが送受波器の開口長Dの半分であるD/2の距離を、動揺を伴いながら進行した際のタイミングをピング#2とし、再び前方送受波器5(位置はZa2)によって探信波を放射する。
【0006】
この時、前方送受波器5が位置Za1にて送信し、位置Za2に至るまでの間に受信した波形は位置Za1と位置Za2へ至るまでの中点にて送受信した波形に等価と近似することができる。一般に、この中点はDPC(Displaced Phase Center)と呼ばれている。
【0007】
同様に、前方送受波器5が位置Za2にて送信し、後方受波器6が位置Zb3に至るまでの間に受信した波形は位置Za2と位置Zb3へ至るまでの中点にて送受信した波形に等価と近似することができる。ここで、前方送受波器5が位置Za1にて送信し、位置Za2に至るまでの間に受信した場合のDPCと、位置Za2にて送信し、後方受波器6が位置Zb3に至るまでの間に受信した場合のDPCとは、プラットフォーム進行方向軸上で同一の位置となる。
【0008】
この点について図13を用いて詳細に説明する。図13において、前方送受波器5がZa1にて送信し、水槽壁からの反射をZa1-2にて受信した場合、図に示す位置Za1とZa1-2との中点がDPCとなる。続いて、プラットフォームが進行し、前方送受波器5が位置Za2に至った際に、再び送信すると、後方受波器6が位置Zb2-3において水槽壁からの反射を受信する。
【0009】
この場合のDPCは図に示す位置Za2とZb2-3との中点であるが、これは1ピング前の位置Za1とZa1-2とのDPCと比較した場合、アジマス軸上の位置が一致する。尚、図13は特定のレンジにある水槽壁からの反射を例に示しているが、この法則は特定のレンジだけではなく、最大レンジに至るまでの任意のレンジにおいて成立する。
【0010】
以上の結果はプラットフォーム進行方向軸上の同じ位置にて、異なるタイミングにて2回送受信を実施した結果を利用可能であることを意味する。上記の非特許文献1では水槽で試験を実施しており、これら2回の送受信結果から求めた水槽壁までの距離を算出し、両者の距離の差をプラットフォームの動揺量と推定している。但し、この手法ではプラットフォームが進行方向に対して直角に平行移動するのみで、ヨーイング等の影響を考慮していない。前方送受波器5及び後方受波器6がプラットフォーム進行軸に対して平行でない場合には、推定した動揺量にヨーイング等の量に比例した誤差が発生する。
【0011】
【非特許文献1】
近藤倫正,大橋由昌,実森彰朗,“計測・センサにおけるディジタル信号処理”,昭晃堂,74−106頁,1993年.
【非特許文献2】
Sheriff,R.W.,“Synthetic Aperture Beamforming with Acoustic Phase Compensation for High Frequency Sonars,” IEEE Symposium on Autonomous Underwater Vehicle Technology,pp.236−245,1992.
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成開口ソーナーの動揺推定手法では、実海域における運用を考えた場合、プラットフォームがあくまでも進行方向とは直角方向に平行移動すると仮定しているが、実際には海上や海中を航行もしくは曳航されており、プラットフォームには平行移動だけではなく、ヨーイング等の動きも加わると予想される。しかしながら、従来の動揺推定手法では、その点について考慮されていないので、実海域における動揺の推定精度が大きく劣化するという問題がある。
【0013】
また、従来の動揺推定手法では、動揺の推定に探信波の水槽壁における反射を利用しているが、リジッドな壁等が存在しない実海域において、そのままその技術を適用することは不可能である。非特許文献2では信号対残響比の大きい標的を利用する手法、またそのほかにも意図的に設置した音響標識を利用する手法等も考えられるが、それぞれ標的がない場合及び音響標識を設置することができない場合等の運用に問題がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、既知の標的や音響標識等を必要とせずに実海域で使用することができ、かつプラットフォームのヨーイング等の動きも考慮することができる合成開口ソーナー及びそれに用いる動揺補正方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による合成開口ソーナーは、探信波を放射しかつその探信波の反射波を受信する送受波器をプラットフォームに搭載してなる合成開口ソーナーであって、
前記プラットフォームの進行方向に対して直交する方向における動揺成分をなす直線的なドリフト成分を音響的に推定する推定手段と、
前記動揺成分をなしかつ少なくとも周期的なヨーイングを含む前記プラットフォームの重心を中心とした回転運動の成分を測定する測定手段と、
前記推定手段で推定された前記直線的なドリフト成分と前記測定手段で測定された前記回転運動成分とを組合わせて前記動揺成分の動揺量を推定する動揺推定手段と、
前記動揺推定手段で推定された動揺量を基に前記プラットフォームの軌跡が仮想的に直線となるように受信信号に対して補正を加える動揺補正手段とを備え
前記プラットフォームの進行方向において複数個直列に配置された送受波器の中にある一つの送受波器の位置を前記プラットフォームの重心に合致させている。
【0016】
本発明による動揺補正方法は、探信波を放射しかつその探信波の反射波を受信する送受波器をプラットフォームに搭載してなる合成開口ソーナーに用いる動揺補正方法であって、
前記プラットフォームの進行方向に対して直交する方向における動揺成分をなす直線的なドリフト成分を音響的に推定するステップと、前記動揺成分をなしかつ少なくとも周期的なヨーイングを含む前記プラットフォームの重心を中心とした回転運動の成分を測定するステップと、これら前記直線的なドリフト成分と前記回転運動の成分とを組合わせて前記動揺成分の動揺量を推定するステップと、その推定された動揺量を基に前記プラットフォームの軌跡が仮想的に直線となるように受信信号に対して補正を加えるステップとを備え
前記プラットフォームの進行方向において複数個直列に配置された送受波器の中にある一つの送受波器の位置を前記プラットフォームの重心に合致させている。
とを備えている。
【0018】
すなわち、本発明の合成開口ソーナーは、動揺の成分を直線的なドリフト成分と周期的なヨーイング等の回転運動成分とに分解し、前者については進行方向において3個直列に配置した送受波器の測定結果を組合わせることによって推定し、後者については搭載したジャイロによって直接姿勢を測定し、これら両者の結果を組合わせることによってヨーイング等の影響を加味した動揺量の推定を行っている。これによって、本発明の合成開口ソーナーでは、プラットフォームのヨーイング等の動きも考慮することが可能となる。
【0019】
また、本発明の合成開口ソーナーでは、プラットフォームにおける送受波器の配置として、中心送受波器がプラットフォームの重心及び浮心、すなわち運動中心に合致するような配置とし、その前方及び後方にそれぞれ前方受波器及び後方受波器を配置している。
【0020】
上記のように、本発明の合成開口ソーナーでは、3個の送受波器を組合わせて、前方/後方それぞれにDPC(Displaced Phase Center)を設けることによって、各ピングあたり2つの独立した動揺量の推定値を求めることが可能となる。これらの値の平均値を求めて最適解とすることによつて、本発明の合成開口ソーナーでは、海中の音響的伝搬環境条件の微小な変化等によって生じる誤差の影響を小さくすることが可能となる。
【0021】
また、本発明の合成開口ソーナーでは、壁のようなリジッドな構造物を設けるのではなく、特定のレンジにある海底による反射、すなわち海底残響を利用することによって解決している。一般的に、ロングレンジのソーナーにおいて、海底残響は波浪状況によって刻々と変化する海面反射のマルチパスの影響や音速プロファイルの変化等、伝搬環境のゆらぎに影響されるため、全く同一の環境においても時間が数秒以上のオーダーで異なればコヒーレント性はない。
【0022】
しかしながら、探索レンジを比較的近距離に限定するサイドスキャンソーナーでは、パルス繰返し周期が非常に短く、コヒーレントな海底残響を得ることが可能である。
【0023】
そこで、本発明はこの点に着目し、隣り合うピングのDPCが曳航体進行方向軸上において重なることを利用し、隣り合うピング間における海底残響の位相ずれを計測することによって動揺量の推定を行っている。
【0024】
さらに、隣り合うピング間において得られた波形の位相ずれを比較する場合には、海底上のある特定のレンジ領域区間における反射のみを用いるものとする。これは動揺によって隣り合うピングの波形が僅かに圧縮もしくは展長する効果の影響を避けるためである。
【0025】
これによって、本発明の合成開口ソーナーでは、前方及び後方の二つのDPCを重複させる動揺検出過程において、ジャイロによる姿勢変化検出量を補正値として組合わせているので、プラットフォームの動揺にドリフト成分のみではなく、ヨーイング等の回転運動による周期的な成分が含まれている場合においても、それを検出し、正しく補正することが可能となる。
【0026】
また、本発明の合成開口ソーナーでは、送信及び画像形成/動揺補正データ取得用の送受波器をプラットフォームの運動中心に設置し、その送受波器自身がヨーイング等の回転運動によってレンジ方向へ移動することを防いでいるので、ヨーイング等の回転運動が直接合成開口処理に与える影響及び動揺検出処理に与える影響を最小化することが可能となる。
【0027】
さらに、本発明の合成開口ソーナーでは、動揺量の音響的な検出に海底残響のコヒーレント性を利用しているので、音響標識や信号対残響比の良い標的の存在がなくても、正しく動揺量を推定することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による合成開口ソーナーの構成を示すブロック図である。図1において、合成開口ソーナー1は前方受波器11と、中心送受波器12と、後方受波器13と、送信制御部14と、送信回路部15と、受信回路/AD部a16と、受信回路/AD部b17と、受信回路/AD部c18と、レンジ圧縮部a19と、レンジ圧縮部b20と、レンジ圧縮部c21と、相関演算部a22と、相関演算部c23と、動揺推定部a24と、動揺推定部c25と、動揺補正部26と、レンジ曲率補正部27と、アジマス圧縮部28と、画像記録部29と、ジャイロ30と、記録媒体31とから構成されている。
【0029】
探信波の送信については送信制御部14にて送信タイミングを制御し、送信回路部15にて送信波形を生成/増幅して中心送受波器12へ印加することによって、送信波形の電気エネルギを音響エネルギへと変換し、この音響エネルギを海中に探信波として放射する。
【0030】
放射された探信波は標的や海底によって反射し、前方受波器11と中心送受波器12と後方受波器13とによって再び音響エネルギから電気エネルギへと変換される。それぞれの受波/送受波器によって受信した信号は受信回路/AD部a16、受信回路/AD部b17、受信回路/AD部c18にて増幅、フィルタ処理、A/D(アナログ/ディジタル)変換処理され、さらにレンジ圧縮部a19、レンジ圧縮部b20、レンジ圧縮部c21にて送信波形のレプリカ信号との相関処理によるレンジ圧縮が施される。この段階までは各受波/送受波器によって受信した信号が全て同じ処理を施される。
【0031】
次に、相関演算部a22ではレンジ圧縮部a19とレンジ圧縮部b20とによってレンジ圧縮処理された信号の相関処理を行い、両者の位相差を算出する。同様に、相関演算部c23ではレンジ圧縮部c21とレンジ圧縮部b20とによってレンジ圧縮処理された信号の相関処理を行い、両者の位相差を算出する。
【0032】
これらの位相差情報及びジャイロ30によって計測されたヨーイング等の情報はそれぞれ動揺推定部a24と動揺推定部c25に入力され、両者によって推定された動揺量と、レンジ圧縮部b20によってレンジ圧縮された受信信号とが動揺補正部26に入力される。
【0033】
動揺補正部26では推定された動揺量を基に、プラットフォームの軌跡が仮想的に直線となるよう受信信号に補正を加え、その結果をレンジ曲率補正部27へ出力する。レンジ曲率補正部27では受信信号が2次元の画像を形成するように一定期間のバッファ処理を実施し、その画像上における各画素について近距離音場効果を補正し、アジマス圧縮部28へ出力する。
【0034】
アジマス圧縮部28では近距離音場効果を補正された画素それぞれについて,予め算出された参照信号との相関処理を実施することによりアジマス圧縮を完了し、その結果を画像記録部29へ出力する。
【0035】
上記の各部の処理動作は、合成開口ソーナーで用いられるコンピュータ(図示せず)が記録媒体31に格納されたプログラムを読出して実行することで、実現される。
【0036】
図2は本発明の一実施例によるプラットフォームへ受波/送受波器アレイを搭載した状態を示す模式図であり、図3は本発明の原理を説明するための模式図である。これら図2及び図3を参照して本発明の原理について説明する。
【0037】
本発明では、プラットフォーム32における送受波器の配置として、図2に示すように、中心送受波器12をプラットフォーム32の重心及び浮心、すなわち運動中心に合致するような配置としている。但し、これはプラットフォーム32の運動中心とその重心とが一致する場合の例である。つまり、プラットフォーム32の自力航行時にはプラットフォーム32の運動中心とその重心とが一致することになる。
【0038】
また、プラットフォーム32の曳航時にはプラットフォーム32の運動中心とその重心とが不一致となる場合がある。しかしながら、重心以外の点を中心として回転運動を行った場合においても、その回転運動によって生ずる変移はプラットフォーム32の重心を中心とした回転及び重心の直線移動の二つの変移量に分解することが可能である。重心の直線移動成分はさらに進行方向及びそれに直交する方向に分解可能であるが、本発明で想定しているようなプラットフォーム32の直線曳航状態ではプラットフォーム32の回転運動量が微小であり、その場合には重心の直線移動成分は進行方向に直交する方向、つまりドリフト量のみと近似可能である。
【0039】
すなわち、運動中心がプラットフォーム32の重心とずれた場合でも、その影響はプラットフォーム32の重心を中心とした回転量と、重心の進行方向に直交する方向へのドリフト量との問題に帰着する。したがって、本発明では運動中心の位置と重心との関係によらず、プラットフォーム32の理想航跡からの動揺量を正しく推定することが可能である。
【0040】
上述した従来の動揺推定手法と同様に、ピング2回にわたってプラットフォーム32が移動する過程を考える。但し、図3において、プラットフォーム32は進行方向に対して平行な姿勢を保ったまま動揺するのではなく、ヨーイング等によって角度を持ちながら動揺するものと考える。
【0041】
この場合、プラットフォーム32の運動中心が中心送受波器12に合致しているため、ヨーイング等の回転運動は中心送受波器12を中心にして発生し、中心送受波器12が位置Zb1,Zb2において探信波を放射し、それぞれ位置Zb2,Zb3に至るまでの間に受信したデータがヨーイング等の回転運動の影響を受けることはない。この場合には、ヨーイング等の回転運動によって中心送受波器12と標的との距離が変わるわけではなく、厳密には見込む視野が若干変化するが、ヨーイング等の回転運動が極端に大きくない限りは影響を受けない。
【0042】
次に、先に述べたDPCの一致を利用した手法を応用し、ヨーイング等の回転運動も考慮した動揺量の推定手法について説明する。中心送受波器12が位置Zb1で送信して位置Zb2に至るまでの間のDPCと、中心送受波器12が位置Zb2で送信して後方受波器13が位置Zc3に至るまでの間のDPCとは一致し、これを後方DPCと呼ぶ。
【0043】
この間において受信した波形の時間的なずれを求めることによって、プラットフォーム32の動揺量が推定可能となる。但し、図3に示すように、ヨーイング等の回転運動が発生している場合、求めた動揺量はヨーイング等の回転運動による成分を含んでいる。
【0044】
そこで、ジャイロ30によって姿勢変化量を計測し、求めた動揺量に対して補正を加えることで、正しい値が推定可能となる。また、厳密にはヨーイング等の回転運動によってDPCの位置が若干ずれるが、回転運動量が極端に大きくない限り、その影響は無視することができる。
【0045】
さらに、中心送受波器12が位置Zb1で送信して前方受波器11が位置Za2に至るまでの間のDPCと、中心送受波器12が位置Zb2で送信して位置Zb3に至るまでの間のDPCも一致し、これを前方DPCと呼ぶ。この間においても受信した波形の時間的なずれを求め、ジャイロ30によってヨーイング等の回転運動量を計測して補正を加えることで、プラットフォーム32の動揺量を正しく推定することが可能となる。
【0046】
結局、本実施例では、上述した3個の送受波器を組合わせて前方/後方それぞれにDPCを設けることによって、各ピングあたり2つの独立した動揺量の推定値を求めることが可能となるので、これらの値の平均値を求めて最適解とすることで、海中の音響的伝搬環境条件の微小な変化やノイズ等によって生じる誤差の影響を小さくすることが可能となる。
【0047】
また、本実施例では、従来の動揺推定手法のように、壁のようなリジッドな構造物を設けるのではなく、特定のレンジにある海底による反射、すなわち海底残響を利用することによって上記の課題を解決している。
【0048】
一般的に、ロングレンジのソーナーにおいて、海底残響は波浪状況によって刻々と変化する海面反射のマルチパスの影響や音速プロファイルの変化等、伝搬環境のゆらぎに影響されるため、全く同一の環境においても時間が数秒以上のオーダで異なればコヒーレント性はない。しかしながら、探索レンジを比較的近距離に限定するサイドスキャンソーナーでは、パルス繰返し周期が非常に短く、コヒーレントな海底残響を得ることが可能である。
【0049】
そこで、本実施例では、この点に着目し、隣り合うピングのDPCが曳航体進行方向軸上において重なることを利用し、隣り合うピング間における海底残響の位相ずれを計測することによって動揺量の推定を行っている。
【0050】
さらに、本実施例では、隣り合うピング間において得られた波形の位相ずれを比較する場合、海底上のある特定のレンジ領域区間における反射のみを用いるものとする。これは動揺によって隣り合うピングの波形が僅かに圧縮もしくは展長する効果の影響を避けるためである。
【0051】
図4は本発明の一実施例による合成開口ソーナー1の動作を示すフローチャートである。これら図1〜図4を参照して本発明の一実施例による合成開口ソーナー1の動作について説明する。尚、図4に示す処理は合成開口ソーナー1で用いられるコンピュータが記録媒体31のプログラムを読出して実行することで実現される。
【0052】
まず、合成開口ソーナー1では画像形成が開始されると、送信制御部14にて送信タイミングを制御し、送信回路部15にて送信波形を生成/増幅して中心送受波器12へ印加することによって、中心送受波器12から探信波が放射される(図4ステップS1)。
【0053】
探信波の放射完了後、合成開口ソーナー1ではそれぞれ前方受波器11、中心送受波器12、後方受波器13によって標的から反射したエコー信号の受信を行う(図4ステップS2〜S4)。
【0054】
それぞれ前方受波器11、中心送受波器12、後方受波器13で受信された信号はレンジ圧縮部a19、レンジ圧縮部b20、レンジ圧縮部c21によって送信波形のレプリカとの相関処理を行うことによってあるレンジ圧縮が施される(図4ステップS5〜S7)。尚、レンジ圧縮部a19でレンジ圧縮が施された信号は1ピング分遅延がかけられ(図4ステップS8)、レンジ圧縮部b20でレンジ圧縮が施された信号は動揺補正部26に出力されるとともに、1ピング分遅延がかけられる(図4ステップS9)。
【0055】
次に、合成開口ソーナー1では相関演算部a22にて中心送受波器12のレンジ圧縮信号と1ピング分遅延がかけられた前方受波器11のレンジ圧縮信号との相関処理を行い、両者の位相差を算出する(図4ステップS10)。同様に、合成開口ソーナー1では相関演算部c23にて後方受波器13のレンジ圧縮信号と1ピング分遅延がかけられた中心送受波器12のレンジ圧縮信号との相関処理を行い、両者の位相差を算出する(図4ステップS11)。
【0056】
この後、合成開口ソーナー1では動揺推定部a24及び動揺推定部c25にて上記の処理で算出された位相差にジャイロ30で計測されたヨーイング等のデータによる補正を加え、両者の平均値を算出して動揺量の推定を行う(図4ステップS12)。合成開口ソーナー1ではプラットフォーム32の軌跡が仮想的に直線となるように、動揺補正部26にて上記で推定した動揺量を基に中心送受波器12のレンジ圧縮信号に補正を加え(図4ステップS13)、その補正されたデータが動揺補正部26内に保存される(図4ステップS14)。
【0057】
合成開口ソーナー1では、2次元の画像形成に必要なピング数をカウントし、規定されたピング数に達するまで(図4ステップS15)、上述したステップS1〜S14のレンジ毎の処理を繰返し行う。
【0058】
合成開口ソーナー1では規定されたピング数に達すると、レンジ曲率補正部27にて画像上における各画素について近距離音場効果を補正し(図4ステップS16)、アジマス補正部28にて近距離音場効果が補正された画素それぞれについて、予め算出された参照信号との相関処理を実施することによってアジマス圧縮を完了し(図4ステップS17)、画像記録部29にてその結果を記録することで画像形成処理を完了する(図4ステップS18)。尚、ステップS16以降にある合成開口処理の詳細については、上記の非特許文献1等に記載されている方法を用いることができる。
【0059】
このように、本実施例では、前方及び後方の二つのDPCを重複させる動揺検出過程において、ジャイロ30による姿勢変化検出量を補正値として組合わせているので、プラットフォーム32の動揺にドリフト成分のみではなく、ヨーイング等の回転運動による周期的な成分が含まれている場合においても、自力航行時におけるプラットフォーム32の重心を中心とした回転運動の成分や曳航時におけるプラットフォーム32の運動中心(重心とはずれいる場合)を中心とした回転運動の成分をそれぞれ検出し、正しく補正することができる。
【0060】
また、本実施例では、送信及び画像形成/動揺補正データ取得用の送受波器をプラットフォーム32の運動中心に設置し、その送受波器自身がヨーイング等の回転運動によってレンジ方向へ移動することを防いでいるので、ヨーイング等の回転運動が直接合成開口処理に与える影響及び動揺検出処理に与える影響を最小化することができる。
【0061】
さらに、本実施例では、動揺量の音響的な検出に海底残響のコヒーレント性を利用しているので、音響標識や信号対残響比の良い標的の存在がなくても、正しく動揺量を推定することができる。
【0062】
尚、上記の説明では、受波/送受波器アレイをプラットフォーム32の片舷のみに装備した場合について述べたが、同等のアレイ及び処理回路を両舷へ装備することによって、探索範囲を2倍に広げることが可能となる。その場合、右舷及び左舷においては独立に求めた動揺量の平均を算出して最適解とすることによって、さらに動揺補正の精度を上げることが可能となる。
【0063】
図5は本発明の他の実施例によるプラットフォームへ受波/送受波器アレイを搭載した状態を示す模式図であり、図6は図5のプラットフォームの断面図である。図5及び図6において、本発明の他の実施例では、上述した本発明の一実施例によるプラットフォーム32が送受波器アレイを1つ装備して片舷方向のみを探索しているのに対し、左舷アレイ2及び右舷アレイ3の2つの送受波器アレイを装備し、左舷及び右舷の両方を探索することを可能としている。
【0064】
ここで、左舷アレイ2は左舷前方受波器41と、左舷中心送受波器42と、左舷後方受波器43とから構成され、右舷アレイ3は右舷前方受波器51と、右舷中心送受波器52と、右舷後方受波器53とから構成されている。この場合、基本的には左舷及び右舷において、二つの等価でかつ独立して動作するシステムを搭載することになるが、それぞれのシステムにおいてプラットフォーム32の動揺推定量を独立に推定することが可能となる。
【0065】
したがって、例えば探信周期が左舷及び右舷で同期している場合、それらの独立して求めた動揺推定量を平均化することによって、海中の音響的伝搬環境条件の微小な変化やノイズ等によって生じる誤差の影響を小さくすることが可能となる。また、その場合には、例えばジャイロに測定誤差があった場合等において、両舷の推定値を平均化することによって、両舷それぞれの中に含まれる誤差を相殺する効果が期待される。
【0066】
また、上記の本発明の一実施例の説明では、受波/送受波器を計3個用いてアレイとし、独立して推定した二つの動揺量の平均値を用いる場合を示しているが、これを受波/送受波器各1個づつの計2個のアレイとすることも可能である。その場合、動揺量の推定値を一つしか求めることができないが、実現でき得る機能に差はない。これとは反対に、素子の数をより増やすことによって、進行方向軸上において重複するDPCの数を増やし、動揺量の推定精度をさらに向上させることも可能である。
【0067】
図7は本発明の別の実施例の原理を説明するための模式図である。この図7を参照して本発明の別の実施例の原理について説明する。本発明の一実施例では受波器2台と送受波器1台との計3台を組み合わせたアレイによる構成例を示しているが、本実施例では2台以上の任意の数の受波/送受波器からアレイを構成している。
【0068】
図7において、本発明の別の実施例によるアレイ4は受波器4台と送受波器1台とからなる構成例を示している。アレイ4は計5台の受波/送受波器を用いた構成としているが、本発明の一実施例と同様の原理で、そのプラットフォーム32の重心に送受波器を設置することによって、送受波器を中心として前後4つのDPCの重複個所を得ることが可能である。これらの独立して求めた動揺推定量を平均化することによって、海中の音響的伝搬環境条件の微小な変化等によって生じる誤差の影響をより小さくすることが可能となる.
【0069】
さらに、上記の本発明の一実施例の説明では、音響的な計測によって動揺のドリフト成分を推定し、ジャイロ30による姿勢変化の計測でヨーイング等の周期的成分を求め、両者を合わせて動揺を推定しているが、前方及び後方の二つのDPCはプラットフォーム32の運動中心から相対して均等に離れており、ヨーイング等の影響が互いに逆の方向の成分となって現れる。
【0070】
そこで、ヨーイング等の周期に比較してピングの周期が十分に短い場合、音響的に推定した二つの動揺量を加算することによって、それらに含まれるヨーイング等の影響による成分を相殺することが可能となり、その場合にはジャイロ30を省略することができる。
【0071】
図8〜図10は本発明のさらに別の実施例の原理を説明するための模式図である。これら図8〜図10を参照して本発明のさらに別の実施例の原理について説明する。あるレンジ内において、プラットフォーム32が動揺した場合、例えばP1 −P2 間で受信した信号とP2 −P3 間で受信した信号との間に、図9に示すように、時間ずれ量(ドリフト量)が生ずることになる。
【0072】
この場合、P1-1 で受信した信号とP2-1 で受信した信号との間の時間ずれ量と、P1-2 で受信した信号とP2-2 で受信した信号との間の時間ずれ量とが大きく異なるため、P1 −P2 間で受信した信号とP2 −P3 間で受信した信号とを比較しても、整合性がとれなくなる可能性がある。
【0073】
そこで、本発明のさらに別の実施例では、各レンジをそれぞれ分割し、分割したレンジ領域(以下、分割レンジ領域とする)毎に残響信号の時間ずれ量を求め、求めた各値をそれ以前の全ての値の差分の総和と比較する等して整合性を確認し、その差が最小となるようにドリフト推定量の最適化を行っている。
【0074】
分割した各レンジ領域における残響信号の時間ずれ量を求める際、図10に示すように、そのレンジ領域空間Rn 、このレンジ領域空間Rn より前方へ半分ずれたレンジ領域空間Rn-0.5 、このレンジ領域空間Rn より後方へ半分ずれたレンジ領域空間Rn+0.5 の3箇所の区間において、それぞれ相関処理によって時間ずれ量を求めることとする。レンジ領域空間Rn における最終的な時間ずれ量はRn 、Rn-0.5 、Rn+0.5 の3種類のオーバラップした区間で求めた時間ずれ量に重み付けして求めた平均値とする。
【0075】
実際に、合成開口処理を行うレンジ領域空間はRn-1 ,Rn ,Rn+1 の単位であるが、各区間における時間ずれ量をその前後の区間で求めた量と、オーバラップした区間で求めた量とで平均化することによって、海中の音響的伝搬環境やノイズの影響等による誤差を含んだ場合でも、測定値の極端な劣化を防ぐことが可能となる。
【0076】
また、それぞれの区間における測定値をそのピング全体の測定値の分散と比較する方法等の手法によって、異常値を検出した場合にはその値を用いずに、その前後の平均値を代用する。このようなアルゴリズムによって、冗長性を持たせて特異な値による測定値の劣化を防止し、ドリフト推定量の精度を向上させることが可能となる。尚、本発明のさらに別の実施例による合成開口ソーナーの構成及びその原理は図1〜図3に示す本発明の一実施例による合成開口ソーナーと同じものとする。
【0077】
図11は本発明のさらに別の実施例による合成開口ソーナーの動作を示すフローチャートである。これら図1〜図3及び図11を参照して本発明のさらに別の実施例による合成開口ソーナー1の動作について説明する。尚、図11に示す処理は合成開口ソーナー1で用いられるコンピュータが記録媒体31のプログラムを読出して実行することで実現される。
【0078】
まず、合成開口ソーナー1では画像形成が開始されると、送信制御部14にて送信タイミングを制御し、送信回路部15にて送信波形を生成/増幅して中心送受波器12へ印加することによって、中心送受波器12から探信波が放射される(図11ステップS21)。
【0079】
探信波の放射完了後、合成開口ソーナー1ではそれぞれ前方受波器11、中心送受波器12、後方受波器13によって標的から反射したエコー信号の受信を行う(図11ステップS22〜S24)。
【0080】
それぞれ前方受波器11、中心送受波器12、後方受波器13で受信された信号はレンジ圧縮部a19、レンジ圧縮部b20、レンジ圧縮部c21によって送信波形のレプリカとの相関処理を行うことによってあるレンジ圧縮が施される(図11ステップS25〜S27)。尚、レンジ圧縮部a19でレンジ圧縮が施された信号は1ピング分遅延がかけられ(図11ステップS28)、レンジ圧縮部b20でレンジ圧縮が施された信号は動揺補正部26に出力されるとともに、1ピング分遅延がかけられる(図11ステップS29)。
【0081】
次に、合成開口ソーナー1では上記の分割レンジ領域毎に相関演算部a22にて中心送受波器12のレンジ圧縮信号と1ピング分遅延がかけられた前方受波器11のレンジ圧縮信号との相関処理を行い、両者の位相差を算出する(図11ステップS30)。同様に、合成開口ソーナー1では上記の分割レンジ領域毎に相関演算部c23にて後方受波器13のレンジ圧縮信号と1ピング分遅延がかけられた中心送受波器12のレンジ圧縮信号との相関処理を行い、両者の位相差を算出する(図11ステップS31)。
【0082】
この後、合成開口ソーナー1では動揺推定部a24及び動揺推定部c25にて上記の処理で算出された分割レンジ領域毎の位相差にジャイロ30で計測されたヨーイング等のデータによる補正を加え、両者の平均値を算出して分割レンジ領域毎の動揺量の推定を行う(図11ステップS32)。合成開口ソーナー1では分割レンジ領域毎に、プラットフォーム32の軌跡が仮想的に直線となるように、動揺補正部26にて上記で推定した動揺量を基に中心送受波器12のレンジ圧縮信号に補正を加え(図11ステップS33)、その補正されたデータが動揺補正部26内に保存される(図11ステップS34)。
【0083】
合成開口ソーナー1では、分割レンジ領域毎の処理を分割数分行い、この処理が2次元の画像形成に必要なピング数になるまでカウントを行って、そのカウント数が規定されたピング数に達するまで(図11ステップS35)、上述したステップS21〜S34の分割レンジ領域毎の処理を繰返し行う。
【0084】
合成開口ソーナー1では規定されたピング数に達すると、レンジ曲率補正部27にて画像上における各画素について近距離音場効果を補正し(図11ステップS36)、アジマス補正部28にて近距離音場効果が補正された画素それぞれについて、予め算出された参照信号との相関処理を実施することによってアジマス圧縮を完了し(図11ステップS37)、画像記録部29にてその結果を記録することで画像形成処理を完了する(図11ステップS38)。尚、ステップS36以降にある合成開口処理の詳細については、上記の非特許文献1等に記載されている方法を用いることができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、探信波を放射しかつその探信波の反射波を受信する送受波器をプラットフォームに搭載してなる合成開口ソーナーにおいて、プラットフォームの進行方向に対して直交する方向における動揺成分をなす直線的なドリフト成分を音響的に推定し、動揺成分をなしかつ少なくとも周期的なヨーイングを含む回転運動成分を測定し、推定された直線的なドリフト成分と測定された回転運動成分とを組合わせて動揺成分の動揺量を推定することによって、既知の標的や音響標識等を必要とせずに実海域で使用することができ、かつプラットフォームのヨーイング等の動きも考慮することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による合成開口ソーナーの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるプラットフォームへ受波/送受波器アレイを搭載した状態を示す模式図である。
【図3】本発明の原理を説明するための模式図である。
【図4】本発明の一実施例による合成開口ソーナーの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施例によるプラットフォームへ受波/送受波器アレイを搭載した状態を示す模式図である。
【図6】図5のプラットフォームの断面図である。
【図7】本発明の別の実施例の原理を説明するための模式図である。
【図8】本発明のさらに別の実施例の原理を説明するための模式図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例の原理を説明するための模式図である。
【図10】本発明のさらに別の実施例の原理を説明するための模式図である。
【図11】本発明のさらに別の実施例による合成開口ソーナーの動作を示すフローチャートである。
【図12】従来の技術を説明するための模式図である。
【図13】従来の技術を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 合成開口ソーナー
2 左舷アレイ
3 右舷アレイ
4 アレイ
11 前方受波器
12 中心送受波器
13 後方受波器
14 送信制御部
15 送信回路部
16 受信回路/AD部a
17 受信回路/AD部b
18 受信回路/AD部c
19 レンジ圧縮部a
20 レンジ圧縮部b
21 レンジ圧縮部c
22 相関演算部a
23 相関演算部c
24 動揺推定部a
25 動揺推定部c
26 動揺補正部
27 レンジ曲率補正部
28 アジマス圧縮部
29 画像記録部
30 ジャイロ
31 記録媒体
32 プラットフォーム
41 左舷前方受波器
42 左舷中心送受波器
43 左舷後方受波器
51 右舷前方受波器
52 右舷中心送受波器
53 右舷後方受波器

Claims (7)

  1. 探信波を放射しかつその探信波の反射波を受信する送受波器をプラットフォームに搭載してなる合成開口ソーナーであって、
    前記プラットフォームの進行方向に対して直交する方向における動揺成分をなす直線的なドリフト成分を音響的に推定する推定手段と、
    前記動揺成分をなしかつ少なくとも周期的なヨーイングを含む前記プラットフォームの重心を中心とした回転運動の成分を測定する測定手段と、
    前記推定手段で推定された前記直線的なドリフト成分と前記測定手段で測定された前記回転運動成分とを組合わせて前記動揺成分の動揺量を推定する動揺推定手段と、
    前記動揺推定手段で推定された動揺量を基に前記プラットフォームの軌跡が仮想的に直線となるように受信信号に対して補正を加える動揺補正手段とを有し、
    前記プラットフォームの進行方向において複数個直列に配置された送受波器の中にある一つの送受波器の位置を前記プラットフォームの重心に合致させたことを特徴とする合成開口ソーナー。
  2. 前記動揺推定手段は、一つの探索レンジを複数の領域に分割した分割領域毎に前記動揺成分の動揺量を推定し、
    前記動揺補正手段は、前記分割領域毎に前記受信信号に対して補正を加えることを特徴とする請求項1記載の合成開口ソーナー。
  3. 前記分割した各レンジ領域における残響信号の時間ずれ量を求める際、分割した第1のレンジ領域空間と、前記第1のレンジ領域空間より前方へ半分ずれた第2のレンジ領域空間と、前記第1のレンジ領域空間より後方へ半分ずれた第3のレンジ領域空間との3箇所の区間においてそれぞれ相関処理によって前記時間ずれ量を求めることを特徴とする請求項記載の合成開口ソーナー。
  4. 探信波を放射しかつその探信波の反射波を受信する送受波器をプラットフォームに搭載してなる合成開口ソーナーに用いる動揺補正方法であって、
    前記プラットフォームの進行方向に対して直交する方向における動揺成分をなす直線的なドリフト成分を音響的に推定するステップと、前記動揺成分をなしかつ少なくとも周期的なヨーイングを含む前記プラットフォームの重心を中心とした回転運動の成分を測定するステップと、これら前記直線的なドリフト成分と前記回転運動の成分とを組合わせて前記動揺成分の動揺量を推定するステップと、その推定された動揺量を基に前記プラットフォームの軌跡が仮想的に直線となるように受信信号に対して補正を加えるステップとを有し、
    前記プラットフォームの進行方向において複数個直列に配置された送受波器の中にある一つの送受波器の位置を前記プラットフォームの重心に合致させたことを特徴とする動揺補正方法。
  5. 前記プラットフォームの運動中心と前記プラットフォームの重心とが不一致となった時に前記回転運動の成分と前記ドリフト成分とを基に前記プラットフォームの運動中心と前記プラットフォームの重心とが一致するように補正して前記受信信号に対する補正を行うことを特徴とする請求項記載の動揺補正方法。
  6. 前記動揺成分の動揺量を推定するステップは、一つの探索レンジを複数の領域に分割した分割領域毎に前記動揺成分の動揺量を推定し、
    前記受信信号に対して補正を加えるステップは、前記分割領域毎に前記受信信号に対して補正を加えることを特徴とする請求項または請求項記載の動揺補正方法。
  7. 前記分割した各レンジ領域における残響信号の時間ずれ量を求める際、分割した第1のレンジ領域空間と、前記第1のレンジ領域空間より前方へ半分ずれた第2のレンジ領域空間と、前記第1のレンジ領域空間より後方へ半分ずれた第3のレンジ領域空間との3箇所の区間においてそれぞれ相関処理によって前記時間ずれ量を求めることを特徴とする請求項記載の動揺補正方法。
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