JP4118097B2 - 無線通信装置、無線通信方法、コンピュータを用いてその方法を実現するためのプログラムおよびそのプログラムを記録した記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信ネットワーク技術に関し、特にブルートゥースをはじめとする1対多の通信が可能な無線による近距離用の通信に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、個人用携帯型情報端末(Personal Digital Assistant、以下「PDA」と略称する)、ノートパソコン、および携帯電話などの機器の間で相互に通信する方法は、RS−232CやUSBなどのケーブルを介した有線通信が主流であった。有線通信はケーブルを必要とすることから生じるさまざまな問題を有する。たとえば機器を設置する位置に制約がある、通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」とする。)の変更に手間がかかるなどである。
【0003】
これらの問題を解決するため、機器の間の通信を無線で行う、無線LAN (Local Area Network)技術が提案されている。代表的な無線LAN技術には、IEEE802.11のほか、ブルートゥースなどがある。特開2001−189974公報は、ブルートゥースを用いて複数の無線通信装置の間にネットワークを構築する無線通信方法を開示する。この方法は、無線通信装置のいずれか一台(以下「従の無線通信装置」とする。)が照会を行って、その照会に対する応答の有無を判断する第1のステップと、ネットワークを構成する無線通信装置のいずれか一台(以下「主の無線通信装置」とする。)から応答があれば、従の無線通信装置が主の無線通信装置と接続して、主の無線通信装置からネットワークに関する情報を受信する第2のステップとを含む。
【0004】
この公報に記載された無線通信方法によると、従の無線通信装置は周辺の無線通信装置に照会を行い、ネットワークを発見するとそれに加わる。従の無線通信装置は、ネットワークを発見しない場合、立場を主の無線通信装置に変えて、新しい無線通信装置からの照会を待ち受ける。その結果、従の無線通信装置はネットワークを構築することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の公報に開示された無線通信方法は、ネットワークの構造を制御するステップを含んでいない。このことは、たとえば1対多の無線通信装置からなるネットワークが数珠つなぎになっているような、複雑なネットワークの構造にする可能性がある。ネットワークの構造が複雑化することは、ネットワーク内において、無線通信装置が通信する経路が複雑化する原因になる。無線通信装置が通信する経路が複雑になった結果、ネットワークにおける無線通信装置が、複数の無線通信装置を介さなければ所望の無線通信装置と通信できなくなれば、無線通信装置の消費電力は増大し、処理速度は低下する。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものである。その目的は、消費電力が少なく、処理速度が早く、使い勝手が良く、構成が簡単な、無線通信装置、無線通信方法、コンピュータを用いてその方法を実現するためのプログラムおよびプログラムを記録した記憶媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る無線通信装置は、複数の第2の無線通信装置と通信する第1の無線通信装置および第2の無線通信装置のいずれかを通信先として通信する通信手段と、複数の無線通信装置の中から第1の無線通信装置を特定できる関連情報を記憶する記憶手段と、関連情報に基づいて第1の無線通信装置を通信先として接続処理を行う制御手段と、通信手段により他の無線通信装置からの関連情報要求コマンドを受信した際に、関連情報要求コマンドを送信してきた無線通信装置に対して記憶手段に記憶される関連情報を返信するように通信手段を制御する応答制御手段とを含む。
【0008】
第1の発明によると、記憶手段に記憶されている関連情報に基づいて、制御手段が、通信先を第1の無線通信装置に設定する。関連情報に基づき、通信先を第1の無線通信装置に設定することで、構築するネットワークの構造が制御される。第1の発明に係る無線通信装置が第1の無線通信装置を中心とするネットワークに新たに加わっても、1台の第1の無線通信装置対複数の第2の無線通信装置からなるネットワークの構造は維持できるからである。このような1対多の無線通信装置からなるネットワークにおいては、無線通信装置同士が通信するために必要な、通信を開始するタイミングの統一を、すべての無線通信装置について容易に図ることができる。ネットワークを構成するすべての無線通信装置は、通信を開始するタイミングを、第1の通信装置に合わせればよいからである。これにより、第1の発明に係る無線通信装置は、ネットワーク内のある無線通信装置から別の無線通信装置へ通信先を変えるたびに通信を開始するタイミングを合わせ直す必要がなくなるので、電力の消費を抑え、処理速度の低下を防ぐことができる。その結果、消費電力が低く、処理速度が速い無線通信装置を提供することができる。さらに、制御手段は関連情報要求コマンドを送信してきた無線通信装置に対して記憶手段に記憶されている関連情報を送信することができる。これにより、第1の無線通信装置と接続しようとする無線通信装置に、関連情報を通知することができる。
【0009】
第2の発明に係る無線通信装置は、第1の発明の構成に加えて、記憶手段が、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置のいずれかから送信される関連情報を記憶する。
【0010】
第2の発明によると、制御手段は、記憶手段が関連情報を記憶していない場合、周囲の無線通信装置から関連情報を受信して記憶させることができる。これにより、ネットワークに新しく加入しようとする場合、オペレータなどが関連情報を入力する必要がなくなる。その結果、使い勝手が良い無線通信装置を提供することができる。
【0013】
第3の発明に係る無線通信装置は、第1または2の発明のいずれかの構成に加えて、複数の無線通信装置が互いを識別するために利用される情報を無線通信装置が扱う関連情報とする。
【0014】
第3の発明によると、通信相手が特定しにくい無線通信において規定されることが多い、複数の無線通信装置が互いを識別するために利用される情報を利用することができる。このような情報は、前述した規定に従って、無線通信装置間で通信され、通信相手を特定する。このような情報のなかには、情報の内容をユーザまたは無線通信装置によって任意に変更できるよう規定されているものがある。たとえばブルートゥースにおけるデバイス名がそれにあたる。そのような情報に関連情報を含めておくと、その情報を受信した無線通信装置は、あらためて関連情報を入手する必要がない。これにより、無線通信装置は関連情報を通信する作業を省略することができるので、電力の消費を抑え、処理速度の低下を防ぐことができる。その結果、消費電力が低く、処理速度が速い無線通信装置を提供することができる。
【0015】
第4の発明に係る無線通信装置は、第1〜3の発明のいずれかの構成に加えて、第1の無線通信装置に固有な識別情報を無線通信装置が扱う関連情報とする。
【0016】
第4の発明によると、制御手段は、たとえばブルートゥースにおけるBD_ADDR情報のような、第1の無線通信装置に固有な情報を用いて、第1の無線通信装置を直接に特定することができる。これにより、第1の無線通信装置を特定するためのデータベースなどの特別な手段が不要になる。その結果、構成がより簡単な無線通信装置を提供することができる。
【0017】
第5の発明に係る無線通信装置は、第1〜4の発明のいずれかの構成に加えて、さらに表示手段を有し、ユーザに無線通信装置の接続状況を知らせることができる。第6の発明に係る無線通信方法は、複数の第2の無線通信装置と通信する第1の無線通信装置および第2の無線通信装置のいずれかを通信先として通信する通信ステップと、複数の無線通信装置の中から第1の無線通信装置を特定できる関連情報を記憶する記憶ステップと、関連情報に基づいて第1の無線通信装置を通信先として接続処理を行う制御ステップと、通信ステップにおいて他の無線通信装置からの関連情報要求コマンドを受信した際に、関連情報要求コマンドを送信してきた無線通信装置に対して記憶ステップにおいて記憶される関連情報を返信する応答ステップとを含む。
【0018】
第6の発明によると、記憶ステップで記憶された関連情報に基づいて、制御ステップにおいて、通信先を第1の無線通信装置に設定する。関連情報に基づき、通信先を第1の無線通信装置に設定することで、第6の発明を実施する無線通信装置が構築するネットワークの構造が制御される。第6の発明を実施する無線通信装置が第1の無線通信装置を中心とするネットワークに新たに加わっても、1台の第1の無線通信装置対複数の第2の無線通信装置からなるネットワークの構造は維持できるからである。このような1対多の無線通信装置からなるネットワークにおいては、無線通信装置同士が通信するために必要な、通信を開始するタイミングの統一を、すべての無線通信装置について容易に図ることができる。ネットワークを構成するすべての無線通信装置は、通信を開始するタイミングを、第1の通信装置に合わせればよいからである。これにより、第6の発明を実施する無線通信装置は、ネットワーク内のある無線通信装置から別の無線通信装置へ通信先を変えるたびに通信を開始するタイミングを合わせ直す必要がなくなるので、電力の消費を抑え、処理速度の低下を防ぐことができる。その結果、消費電力が低く、処理速度が速い無線通信方法を提供することができる。さらに、関連情報要求コマンドを送信してきた無線通信装置に対して記憶ステップにおいて記憶される関連情報を送信することができる。これにより、第1の無線通信装置と接続しようとする無線通信装置に、関連情報を通知することができる。
【0019】
第7の発明に係る無線通信方法は、第6の発明の構成に加えて、記憶ステップにおいて、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置のいずれかから送信される関連情報を記憶する。
【0020】
第7の発明によると、記憶ステップにおいて、関連情報を記憶していない場合、周囲の無線通信装置から関連情報を受信して記憶することができる。これにより、ネットワークに新しく加入しようとする場合、オペレータなどが関連情報を入力する必要がなくなる。その結果、使い勝手が良い無線通信方法を提供することができる。
【0023】
第8の発明に係る無線通信方法は、第6または7の発明のいずれかの構成に加えて、複数の無線通信装置が互いを識別するために利用される情報を無線通信方法で扱う関連情報とする。
【0024】
第8の発明によると、通信相手が特定しにくい無線通信において規定されることが多い、複数の無線通信装置が互いを識別するために利用される情報を利用することができる。このような情報は、前述した規定に従って、無線通信装置間で通信され、通信相手を特定する。このような情報のなかには、情報の内容をユーザまたは無線通信装置によって任意に変更できるよう規定されているものがある。たとえばブルートゥースにおけるデバイス名がそれにあたる。そのような情報に関連情報を含めておくと、その情報を受信した無線通信装置は、あらためて関連情報を入手する必要がない。これにより、本発明に係る無線通信方法を実施する無線通信装置は、関連情報を通信するステップを省略することができるので、電力の消費を抑え、処理速度の低下を防ぐことができる。その結果、消費電力が低く、処理速度が速い無線通信方法を提供することができる。
【0025】
第9の発明に係る無線通信方法は、第6〜8の発明のいずれかの構成に加えて、第1の無線通信装置に固有な識別情報を無線通信方法で扱う関連情報とする。
【0026】
第9の発明によると、制御ステップにおいては、たとえばブルートゥースにおけるBD_ADDR情報のような、第1の無線通信装置に固有な情報を用いて、第1の無線通信装置を直接に特定することができる。これにより、第1の無線通信装置を特定するためにデータベースを利用するなどの特別なステップが不要になる。その結果、構成がより簡単な無線通信方法を提供することができる。
【0027】
第10の発明に係る無線通信方法は、第6〜9の発明のいずれかの構成に加えて、さらにユーザに無線通信装置の接続状況を知らせる表示ステップを含む。第11の発明に係るプログラムは、複数の第2の無線通信装置と通信する第1の無線通信装置および第2の無線通信装置のいずれかを通信先として通信する通信手段を含むコンピュータを用いて、第6〜10の発明のいずれかに記載の無線通信方法をコンピュータに実現させるためのものである。
【0028】
第11の発明によると、この発明を実施するコンピュータは、第2の無線通信装置として第1の無線通信装置に接続される。このとき1対多の無線通信装置からなるネットワークが構築される。このネットワーク内のすべての無線通信装置は、無線通信装置同士が通信するために必要な、通信を開始するタイミングの統一を容易に図ることができる。ネットワークを構成するすべての無線通信装置は、通信を開始するタイミングを、第1の通信装置に合わせることができるからである。これにより、本発明を実施するコンピュータは、ネットワーク内のある無線通信装置から別の無線通信装置へ通信先を変えるたびに通信を開始するタイミングを合わせ直す必要がなくなる。その結果、通信を開始するタイミングを合わせ直す作業を省くことで、電力の消費を抑え、処理速度の低下を防ぐことができる無線通信方法を実現するプログラムを提供できる。
【0029】
第12の発明に係る記録媒体は、第11の発明に係るプログラムを記録したものである。第13の発明に係る無線通信装置は、マスタ・スレーブ型のネットワークを形成する無線通信装置である。無線通信装置は、マスタ装置およびスレーブ装置のいずれかを通信先として通信する通信手段と、複数の無線通信装置の中からマスタ装置を特定する情報を記憶する記憶手段と、マスタ装置を特定する情報を用いてマスタ装置と接続する制御手段と、通信手段により他の無線通信装置からのマスタ装置を特定する情報を要求するコマンドを受信した際に、コマンドを送信してきた無線通信装置に対して記憶手段に記憶されるマスタ装置を特定する情報を返信するように通信手段を制御する応答制御手段とを含む。第14の発明に係る無線通信装置は、第13の発明の構成に加えて、無線通信装置の記憶手段が、マスタ装置およびスレーブ装置のいずれかから送信されるマスタ装置を特定する情報を記憶する。第15の発明に係る無線通信装置は、第13または14のいずれかの発明の構成に加えて、無線通信装置が扱うマスタ装置を特定する情報が、複数の無線通信装置を互いに識別するために各々の無線通信装置に付けられるデバイス名に含ませることで、無線通信装置どうしがデバイス名を交換する際にマスタ装置を特定する情報を知ることが可能である。第16の発明に係る無線通信装置は、第13〜15のいずれかの発明の構成に加えて、無線通信装置が扱うマスタ装置を特定する情報が、マスタ装置に固有のBDアドレス情報である。第17の発明に係る無線通信装置は、第13〜16のいずれかの発明の構成に加えて、さらに液晶パネルやLEDランプによる視覚的表現、スピーカーによる聴覚的表現、バイブレータによる触覚的表現のいずれかによる表示手段を有し、ユーザに対して無線通信装置の接続状況を知らせることができる。
【0030】
第12の発明によると、第11の発明に係るプログラムをコンピュータに実行させるための記録媒体を提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明は携帯電話をはじめとする、1対多の通信が可能な、無線による通信のための機能を有する、あらゆる機器に適用が可能である。以下、その一例として、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るPDAについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0032】
図1に、本発明の実施の形態に係るPDA100の制御ブロック図を示す。図1に示すようにPDA100は、PDA100を構成する各部を制御する制御部110と、制御部110に接続され他のPDAと通信する通信部112と、制御部110に接続され、制御部110において実行されるプログラム、そのプログラムの中間データおよび通信部112が取得した情報を記憶する記憶部114と、制御部110に接続されユーザに動作状況を表示する表示部116と、制御部110に接続され、ユーザによる操作が入力される操作部118とを含む。
【0033】
本発明の実施の形態に係るPDA100において、複数のPDAと交信するPDAである「マスタ」(なお、主としてマスタと交信するPDAを「スレーブ」と呼ぶ。)を特定するマスタ情報を通信し、受信したマスタ情報に基づいて接続先をマスタに設定する機能は、PDA100のハードウェアと制御部110により実行されるソフトウェアとによって実現される。一般的にこうしたソフトウェアは、記憶部114に格納され、制御部110により実行される。したがって、本発明の最も本質的な部分は、記憶部114に記憶されたソフトウェアである。種々の記録媒体に記憶させておいたソフトウェアを、PDAの記憶部114に複写することで、通常用いられるPDAに本発明の実施の形態に係るPDAと同じ機能を実現できる。
【0034】
PDA100においては、図2(A)に表わす応答用信号のフォーマット120が用いられる。この応答用信号は、PDAを検出する信号に対する信号であって、PDA100自身を表す情報すなわち自己情報を通知する。図2(A)に示すように、応答用信号のフォーマット120は、シーケンス番号122と、応答用オペレーションコード124と、データ長126と、自己情報のデータ128とを含む。シーケンス番号122は、一連の通し番号であって、応答用信号を送信したPDAにおいて送信された順序を表す。応答用オペレーションコード124は、このフォーマットが応答用信号のフォーマット120であることを表す。データ長126は、応答用信号のフォーマット120で通信される自己情報のデータ128の長さを表す。自己情報のデータ128は、そこに記録された情報により複数のPDAの中から1のPDAを特定するための自己情報を表す。このフォーマットによって通知された自己情報は、記憶部114に記憶される。
【0035】
図3は、応答があったPDAの自己情報を、記憶部114において記憶する際のフォーマットである。記憶部114内には、通信部112が接続先に割り当てる番号(接続ポート)に対応するように、応答があったPDAの自己情報が記録される。
【0036】
PDA100においては、図2(B)に表わすマスタ通知信号のフォーマット130が用いられる。マスタ情報とは、前述したマスタを特定するために必要な情報である。図2(B)に示すように、マスタ通知信号のフォーマット130は、シーケンス番号122と、マスタ通知用オペレーションコード134と、データ長126と、マスタ情報のデータ138とを含む。マスタ通知用オペレーションコード134は、このフォーマットがマスタ通知信号のフォーマット130であることを表す。マスタ情報のデータ138は、そこに記録されている情報により複数のPDAの中においてマスタとして機能しているPDAを特定するための情報を含む。これ以外は、応答用信号のフォーマット120と同様なので、繰り返さない。
【0037】
図4を参照して、本発明の実施の形態に係るPDA100の制御部110にて実行されるプログラムは、通信先の設定に関し、以下のような制御構造を有する。
【0038】
まず、ステップ100(以下、ステップSと略す。)にて、制御部110は、記憶部114に記憶された不要なデータを消去するなどの初期設定を行う。S102にて、制御部110は、通信部112に、周囲のPDAを検出するための信号を放送させる。S104にて、制御部110は、通信部112が周囲のPDAから、前述の検出に対する応答用信号を受信したか否かを判断する。応答用信号のフォーマット120は、図2(A)の通りで、そのPDAを特定する自己情報も含まれる。制御部110は、このフォーマットのうち、応答用オペレーションコード124の値が応答を意味する値であれば、応答があったと判断する。周囲のPDAから応答用信号を受信した場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS102に戻される。
【0039】
S106にて、制御部110は、応答があったPDAからの応答用信号(図2(A))から、自己情報の値を読取り、記憶部114に記憶させる。
【0040】
S108にて、制御部110は、記憶部114にマスタ情報が記憶されているか否かを判断する。マスタ情報が記憶されていると判断した場合には(S108にてYES)、処理はS126に移される。もしそうでないと(S108にてNO)、処理はS110へ移される。
【0041】
S110にて、制御部110は、通信部112に、応答用信号を受信したPDAのうちの1台と、接続を確立させる。S112にて、制御部110は、表示部116に「マスタ情報を取得中」と表示させる。
【0042】
S114にて、制御部110は、通信部112に、接続を確立したPDAすなわち相手先への問合せ信号を送信させる。S116にて、制御部110は、通信部112が受信した情報に含まれるオペレーションコードの値を識別し、相手先から問合せ信号に対する返信を受信したか否かを判断する。返信を受信したと判断した場合には(S116にてYES)、処理はS118に移される。もしそうでないと(S116にてNO)、処理はS117に移される。S117にて、制御部110は、通信部112に返信を送信しなかった相手先のPDAとの接続を切断させる。
【0043】
S118にて、制御部110は、受信したマスタ通知信号のフォーマット130(図2(B))からマスタ情報を読取り、記憶部114に記憶させる。S120にて、制御部110は、表示部116に「取得完了」と表示させる。S122にて、制御部110は、記憶部114に記憶させた相手先の自己情報とマスタ情報とを比較して、相手先がマスタか否かを判断する。この判断は、記憶部114に記憶された自己情報により特定されるPDAの中に、受信したマスタ情報で特定されるPDAが含まれるか否かにより判断される。マスタが含まれていると判断した場合には(S122にてYES)、処理はS124に移される。もしそうでないと(S122にてNO)、処理はS130へと移される。
【0044】
S124にて、制御部110は、表示部116に「ネットワークに接続完了」と表示させる。
【0045】
S126にて、制御部110は、記憶部114に記憶された、検出されたPDAの自己情報とマスタ情報とを比較し、S106にて応答があったPDAにマスタが含まれているか否かを判断する。マスタが含まれていると判断した場合には(S126にてYES)、処理はS128に移される。もしそうでないと(S126にてNO)、処理はS102に戻される。S128にて、制御部110は、通信部112に、マスタとの接続を確立させ、処理をS124に移す。S130にて、制御部110は、通信部112に相手先のPDAとの接続を切断させる。
【0046】
図5を参照して、本発明の実施の形態に係るPDA100の制御部110にて実行されるプログラムは、他のPDAへのマスタ情報の通知に関し、以下のような制御構造を有する。
【0047】
S100にて、制御部110は、記憶部114に記憶された不要なデータを消去するなどの初期設定を行う。S140にて、制御部110は、通信部112に、周囲のPDAからの情報を受信させる。S142にて、制御部110は、S140において通信部112が受信した情報に含まれるオペレーションコードの値を識別することにより、通信部112が受信した情報がPDAを検出するための信号か否かを判断する。PDAを検出するための信号と判断した場合には(S142にてYES)、処理はS144に移される。そうでない場合には(S142にてNO)、処理はS140に戻される。
【0048】
S144にて、制御部110は、通信部112にPDAを検出するための信号の送信元へ、自らの自己情報を含む応答用信号を、図2(A)のフォーマットで送信させる。S146にて、制御部110は、通信元と接続を確立させる。S148にて、制御部110は、通信部112に通信元からの情報を受信させる。
【0049】
S150にて、制御部110は、通信部112が受信した情報の内容を解読すし、その情報がマスタ情報の問合せ信号か否かを判断する。マスタ情報の問合せ信号と判断した場合には(S150にてYES)、処理はS152に移される。そうでない場合には(S150にてNO)、処理はS158に移される。
【0050】
S152にて、制御部110は、記憶部114がマスタ情報を記憶しているか否かを判断する。マスタ情報を記憶していると判断した場合には(S152にてYES)、処理はS154に移される。そうでない場合は(S152にてNO)、処理はS148に移される。
【0051】
S154にて、制御部110は、通信部112に、通信元へ、マスタ通知信号を返信させる(図2(B))。S156にて、制御部110は、通信部112からの送信確認信号をチェックし、マスタ通知信号を正常に送信したか否かを判断する。マスタ通知信号を正常に送信したと判断した場合には(S156にてYES)、処理はS148に移される。そうでない場合には(S156にてNO)、処理はS160に移される。
【0052】
S158にて、通信部112が通信元から受信した情報が、接続を切断する旨の通知か否かを判断する。接続を切断する旨の通知を受けたと判断した場合には(S158にてYES)、処理はS160に移される。そうでない場合には(S158にてNO)、処理はS162へと移される。S160にて、制御部110は、通信部112に、相手先との接続を切断させる。
【0053】
S162にて、通信部112が受信した情報は、マスタ情報の問合せ信号および接続を切断する旨の通知ではないので、制御部110は、情報の内容を解析し、たとえば表示部116における情報の表示など、情報の内容に応じたPDAの制御を行う。
【0054】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本発明の実施の形態に係るPDA100が相手先を設定するための動作について説明する。
【0055】
[記憶部にマスタ情報が記憶され、相手先がマスタである場合]
制御部110は、通信部112に、周囲のPDAを検出するための信号を放送させる(S102)。信号の放送が終了したら、制御部110は、通信部112が周囲のPDAから応答用信号を受信したか否かを判断する(S104)。周囲のPDAから応答用信号を受信すると(S104にてYES)、制御部110は、応答があったPDAの自己情報を記憶部114に記憶させる。
【0056】
応答があったPDAの自己情報の記憶が完了すると、制御部110は、記憶部114にマスタ情報が記憶されているか否かを判断する(S108)。記憶部114にマスタ情報が記憶されているので(S108にてYES)、制御部110は、記憶部114に記憶されている、応答があったPDAの自己情報とマスタ情報とを比較し、応答があったPDAの中にマスタが含まれているか否かを判断する(S126)。PDAの中にマスタが含まれているので(S126にてYES)、制御部110は、通信部112に、マスタとの通信を確立させる(S128)。マスタとの通信を確立すると、制御部110は、表示部116に、「ネットワークに接続完了」と表示させる(S124)。
【0057】
以上の動作によって本実施の形態に係るPDA100とマスタとの通信が確立すれば、1対多通信が行われるネットワークを確立できる。
【0058】
[記憶部にマスタ情報が記憶され、相手先がマスタでない場合]
S100からS108までの動作は前述の場合と同様であるので、繰返さない。記憶部114にマスタ情報が記憶されていると判断すると(S108にてYES)、制御部110は、記憶部114に記憶されている、S104において応答があったPDAの自己情報とマスタ情報とを比較し、応答があったPDAの中にマスタが含まれているか否かを判断する(S126)。応答があったPDAにマスタが含まれていないので(S126にてNO)、制御部110は、再度通信部112に周囲のPDAを検出するための検出用信号を放送させる(S102)。
【0059】
[記憶部にマスタ情報が記憶されず、相手先がマスタである場合]
S100からS106までの動作は前述の場合と同様であるので、繰返さない。制御部110は、記憶部114にマスタ情報が記憶されているか否かを判断する(S108)。記憶部114にマスタ情報が記憶されていないので(S108にてNO)、制御部110は、通信部112に、S104において応答があったPDAの内の1台との接続を確立させる(S110)。複数のPDAから応答が合った場合の通信の相手先の選択方法は、特に特定されない。たとえば、最も早く応答があったPDAを相手先としても良いし、これまでの接続実績を記憶部114に記憶させておき、最もマスタであった回数が多いPDAを相手先としても良い。
【0060】
接続が確立すると、制御部110は、表示部116に「マスタ情報を取得中」と表示させる(S112)。表示がされると、制御部110は、通信部112に相手先にあてて問合せ信号を送信させる(S114)。その後、制御部110は、通信部112が相手先からの返信を受信したか否かを判断する(S116)。通信部112が返信を受信すると(S116にてYES)、制御部110は、返信された情報からマスタ情報を読取り、記憶部114に記憶させる(S118)。マスタ情報を記憶させると、制御部110は、表示部116に「取得完了」と表示させる(S120)。通信部112が返信を受信できなければ(S116にてNO)、制御部110は、通信部112に、現在接続を確立している相手先との接続を切断させる(S117)。続いて制御部110は、通信部112に、S104において応答があった他のPDAの内の1台との接続を確立させる(S110)。
【0061】
表示させると、制御部110は、相手先の中にマスタが含まれているか否かを判断する(S122)。マスタが含まれているので(S122にてYES)、制御部110は、表示部116に「ネットワークに接続完了」と表示させ、処理を終了する(S124)。
【0062】
以上の動作によって本実施の形態に係るPDA100とマスタとの通信が確立すれば、1対多通信が行われるネットワークが確立できる。
【0063】
[記憶部にマスタ情報が記憶されず、相手先がマスタでない場合]
S100からS120までの動作は前述の場合と同様であるので、繰返さない。制御部110は、表示部116に「取得完了」と表示させると、相手先がマスタか否かを判断する(S122)。相手先はマスタではないので(S122にてNO)、制御部110は、相手先との接続を切断し(S130)、再び通信部112にPDAの検出用の信号を放送させる(S102)。
【0064】
次に、本発明の実施の形態に係るPDAが、マスタ情報を周囲のPDAに通知するための動作について説明する。ただし、相手先の設定に関する処理と同じ動作は、ここでは繰り返さない。
【0065】
[受信した情報がマスタ情報の問合せで、記憶部にマスタ情報が記憶されている場合]
制御部110は、通信部112に、周囲のPDAからの情報を受信させる(S140)。制御部110は、周囲のPDAからの情報を受信すると、通信部112が受信した情報がPDAの検出用の信号か否かを判断する(S142)。この場合、制御部110がPDAを検出するための信号と判断するので(S142にてYES)、制御部110は通信部112に通信元へ自分自身の自己情報を含む応答用信号を返信させる(S144)。応答用信号を返信すると、制御部110は、通信元から通信を確立する旨の信号を受信するのを待って、通信部112に通信元と通信を確立させる。(S146)。接続を確立後、制御部110は通信部112に、情報を受信させる(S148)。情報を受信すると、制御部110は、通信部112が受信した情報がマスタ情報の問合せ信号か否かを判断する(S150)。受信した情報は問合せ信号なので(S150にてYES)、制御部110は、記憶部114がマスタ情報を記憶しているか否かを判断する(S152)。記憶部114はマスタ情報を記憶しているので(S152にてYES)、制御部110は、通信部112に、通信元に対して、マスタ通知信号のフォーマット130(図2(B))を用いてマスタ情報を返信させる(S154)。
【0066】
マスタ情報の返信を行うと、制御部110は先ほど返信した情報が、正常に返信されたか否かを判断する(S156)。情報は正常に送信されたので(S156にてYES)、制御部110は再び通信部112に情報を受信させる(S148)。
【0067】
[受信した情報がマスタ情報の問合せで、記憶部にマスタ情報が記憶されていない場合]
S100からS150までの動作は前述の場合と同様であるので、繰返さない。制御部110は、通信部112が受信した情報がマスタ問合せのための情報と判断すると、記憶部114がマスタ情報を記憶しているか否かを判断する(S152)。記憶部114がマスタ情報を記憶していないので(S152にてNO)、制御部110は問合せに対する応答をせず、再び通信部112に情報を受信させる(S148)。
【0068】
[受信した情報がマスタ情報の問合せではなく、接続を切断する旨の通知である場合]
S100からS148までの動作は前述の場合と同様であるので、繰返さない。通信部112が情報を受信すると、制御部110は受信した情報の内容を解読し、その情報がマスタ情報の問合せ信号か否かを判断する(S150)。この場合、マスタ情報の問合せではないので(S150にてNO)、受信した情報が接続を切断する旨の通知か否かを判断する(S158)。接続を切断する旨の通知であるので(S158にてYES)、その通知を送信した無線通信装置との接続を切断する(S160)。
【0069】
[受信した情報がマスタ情報の問合せではなく、接続を切断する旨の通知でもない場合]
S100からS150までの動作は前述の場合と同様であるので、繰返さない。受信した情報がマスタ情報の問合せではないと判断されると、制御部110は受信した情報が接続を切断する旨の通知か否かを判断する(S158)。接続を切断する旨の通知ではないので(S158にてNO)、制御部110は、情報の内容を解析し、たとえば表示部116における情報の表示など、情報の内容に応じたPDAの制御を行う(S162)。
【0070】
以上の動作によって、本発明の実施の形態に係るPDAが、ネットワークを形成する場合について説明する。
【0071】
図6(A)において、本発明の実施の形態に係るPDA100A、100B、100Cがネットワークを形成している。PDA100Aは、マスタとして稼働している。PDA100B、PDA100Cは、スレーブとして稼働している。このネットワークに、新たなPDA100Dが加入する場合を考える。これらのPDAは、自己情報をそれぞれ記憶している。PDA100A、100Bは、マスタ情報を記憶している。PDA100Cは、ネットワーク加入後に発生した記憶部のトラブルによりマスタ情報を失ったため、現在マスタ情報を記憶していない。新しくネットワークに加入しようとするPDA100Dは、マスタ情報を記憶せず、マスタであるともスレーブであるとも決められていない。
【0072】
図6(B)に示すように、PDA100Dは、ネットワークに加入するため、周囲に検出用の信号を放送し(S102)、これらの応答を待つ(S104)。PDA100A、PDA100B、PDA100Cは、PDA100Dから情報を受信し(S140)、その情報がPDAの検出用の信号と判断すると(S142にてYES)、自分自身の自己情報を含む応答用信号を送信する(S144)。PDA100Dは、PDA100A、PDA100B、PDA100Cからの応答があれば(S104にてYES)、それらの自己情報を記憶する(S106)。この段階でPDA100Dはマスタ情報を記憶していないので(S108にてNO)、PDA100A、PDA100B、PDA100Cのうち、任意に選択した1台であるPDA100Cと接続を確立する(S110、S146)。
PDA100Dは、PDA100Cに問合せ信号を送信する(S114)。これに対してPDA100Cは、マスタ情報を記憶していないため(S152にてNO)、何ら返信をしない。PDA100Dは、PDA100Cからの返信がないため(S116にてNO)、PDA100Cとの接続を切断し(S117)、PDA100Aと接続を確立する(S110、S146)。PDA100Dは、PDA100Aに問合せ信号を送信する(S114)。PDA100Aは、マスタ情報を記憶しているため(S152にてYES)、マスタ情報「AA−AAA」を含むマスタ通知信号を送信した(S154)。しかし通信トラブルにより正常に送信されなかったので(S156にてNO)、接続を切断した(S160)。PDA100Dは、PDA100Aからの返信がないため(S116にてNO)、接続の切断処理を行い(S117)、図6(C)に示すように、PDA100Bと接続を確立する(S110、S146)。PDA100Dは、PDA100Bに問合せ信号を送信する(S114)。これに対してPDA100Bは、マスタ情報を記憶しているため(S152にてYES)、マスタ情報「AA−AAA」を含むマスタ通知信号を送信した(S154)。
【0073】
以上の結果により、PDA100Dの制御部は、マスタ情報「AA−AAA」を取得し、ネットワークのマスタがPDA100Aであることを把握したので(S116にてYES)、これを自身の記憶部に記憶させた(S118)。
【0074】
図6(D)に示すように、PDA100Dは、この段階での相手先にマスタを含まないので(S122にてNO)、検出用の信号の放送を繰り返し(S102、S104)、PDA100Aからの応答があれば(S104にてYES)、PDA100Aとの接続を確立する(S106〜S128)。
【0075】
以上の動作により、PDA100Aをマスタとするネットワークが完成する。以上のようにして、本発明の実施の形態に係るPDAは、他のPDAにマスタ情報を通知することができる。その結果、本発明の実施の形態に係るPDAはマスタと接続し、1対多のネットワークを構築することができるので、消費電力が低く、処理速度が速く、使い勝手が良く、1対多の無線通信装置からなるネットワークを自動的に構築することができ、構成が簡単な無線通信装置を提供することができる。
【0076】
なお、本実施の形態に係るPDAは、相手先を検出するごとにそのうちの1台と接続を確立することとしたが、まず検出した相手先すべてと接続を確立し、マスタ情報を得ても良い。また、接続を確立した相手先との通信の切断は、マスタとの接続を確立した後に一度に行っても良い。
【0077】
<変形例>
本発明の実施の形態の変形例として、PDAに実装されたブルートゥースデバイスにより通信する場合を説明する。マスタ情報としてBD_ADDR情報を用い、そのBD_ADDR情報をデバイス名の一部に挿入する。これにより、リモートネームリクエスト機能によりBD_ADDR情報を相互に通信することができる。
【0078】
BD_ADDR情報とは、ブルートゥースデバイス毎に固有な識別IDであり、MACアドレスやIPアドレスと同類のものである。ブルートゥース通信では、接続したいブルートゥースデバイスをこのBD_ADDR情報で指定して接続を行う。
【0079】
デバイス名とは、ブルートゥースデバイスにおいて設定できる、PC端末に設定する端末名と同様なブルートゥースデバイスの名称である。このデバイス名は、必要に応じてその内容を自由に変更することができる。
【0080】
以下、図7を参照して、本変形例に係るPDAがネットワークを構築する手順について説明する。
【0081】
なお、本変形例に係るPDAハードウェア構成およびPDAで実行するプログラムの制御構造は、第1の実施の形態と同様である。したがって、それらについての説明は、ここでは繰り返さない。
【0082】
図7(A)に示すように、本変形例に係るブルートゥースデバイス付PDA200A、200Bがネットワークを形成している。ブルートゥースデバイス付PDA200Aは、マスタとして稼働している。ブルートゥースデバイス付PDA200Bはスレーブとして稼働している。このネットワークに、新たなブルートゥースデバイス付PDA200Cが加入する場合を考える。これらのブルートゥースデバイス付PDAには、前述したBD_ADDR情報が付されている。ブルートゥースデバイス付PDA200Bのデバイス名は、「B@X:X:X:X:X:X」であり、マスタであるブルートゥースデバイス付PDA200AのBD_ADDR情報が挿入されている。新しくネットワークに加入しようとするブルートゥースデバイス付PDA200Cのデバイス名は「C」であり、マスタのBD_ADDR情報が挿入されていない。したがって、ブルートゥースデバイス付PDA200Cは、どのブルートゥースデバイス付PDAがマスタか把握していない。
【0083】
ブルートゥースデバイス付PDA200Cは、ネットワークに加入するため、検出用の信号であるインクワイヤリパケットを放送し(S102)、応答を待つ(S104)。ブルートゥースデバイス付PDA200A、200Bは、ブルートゥースデバイス付PDA200Cから情報を受信し(S140)、その情報がインクワイヤリパケットと判断すると(S142にてYES)、ブルートゥースデバイス付PDA200A、200B自身のBD_ADDR情報を含んだ応答用信号を送信する(S144)。ブルートゥースデバイス付PDA200Cは、ブルートゥースデバイス付PDA200A、200Bからの応答があれば(S104にてYES)、そのBD_ADDR情報を記憶する(S106)。この段階でブルートゥースデバイス付PDA200Cはマスタ情報を把握していないので(S108にてNO)、任意の方法により選択したブルートゥースデバイス付PDA200Bとの接続を確立する(S110、S146)。図7(B)はこの時の状況を示す。
【0084】
次に、ブルートゥースデバイス付PDA200Cは、ブルートゥースデバイス付PDA200Bに、リモートネームリクエスト機能を利用してデバイス名を要求する(S114)。ブルートゥースデバイス付PDA200Bは、これに対して(S150にてYES)、マスタのBD_ADDR情報を把握しているため(S152にてYES)、デバイス名「B@X:X:X:X:X:X」を送信した(S154)。その結果、ブルートゥースデバイス付PDA200Cの制御部は、マスタのBD_ADDR情報を取得したので(S116にてYES)、これを自身のデバイス名に挿入して、デバイス名を「C@X:X:X:X:X:X」と変更する(S118)。
【0085】
図7(C)に示すように、ブルートゥースデバイス付PDA200Cは、ブルートゥースデバイス付PDA200Bがネットワークのマスタでないため(S122にてNO)、通信を切断する(S130)。
【0086】
図7(D)に示すように、ブルートゥースデバイス付PDA200Cは、インクワイヤリパケットを放送し(S102)、ブルートゥースデバイス付PDA200Aからの応答があるまで(S126にてYES)、ブルートゥースデバイス付PDAの検出を繰り返す(S106〜S126)。ブルートゥースデバイス付PDA200Aからの応答があれば(S126にてYES)、ブルートゥースデバイス付PDA200Aとの接続を確立する(S128)。以上の動作により、ブルートゥースデバイス付PDA200Aをマスタとするネットワークが完成する。
【0087】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るPDAのシステム構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るPDAに通信する応答用信号のフォーマットおよびマスタ通知信号のフォーマットを示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係るPDAにおいて応答があったPDAの自己情報を記憶する際のフォーマットを示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るPDAが通信先を設定する手順を表すフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態に係るPDAがマスタ情報を通知する手順を表すフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態に係るPDAがネットワークを構築する手順を表す概要図である。
【図7】 本発明の実施の形態の変形例に係るブルートゥースデバイス付PDAがネットワークを構築する手順を表す図である。
【符号の説明】
100,100A,100B,100C PDA、110 制御部、112 通信部、114 記憶部、116 表示部、118 操作部、120 応答用信号のフォーマット、122 シーケンス番号、124 応答用オペレーションコード、126 データ長、128 自己情報のデータ、130 マスタ通知信号のフォーマット、134 マスタ通知用オペレーションコード、138 マスタ情報のデータ、200A,200B,200C ブルートゥースデバイス付PDA。
Claims (17)
- 複数の第2の無線通信装置と通信する第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置のいずれかを通信先として通信する通信手段と、
複数の無線通信装置の中から前記第1の無線通信装置を特定できる関連情報を記憶する記憶手段と、
前記関連情報に基づいて第1の無線通信装置を通信先として接続処理を行う制御手段と、
前記通信手段により他の無線通信装置からの関連情報要求コマンドを受信した際に、関連情報要求コマンドを送信してきた無線通信装置に対して前記記憶手段に記憶される関連情報を返信するように前記通信手段を制御する応答制御手段とを含む、無線通信装置。 - 前記無線通信装置の記憶手段は、前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置のいずれかから送信される関連情報を記憶する、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記無線通信装置が扱う関連情報は、複数の無線通信装置が互いを識別するために利用される情報を含む、請求項1または2のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記無線通信装置が扱う関連情報は、前記第1の無線通信装置に固有な識別情報を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記無線通信装置は、さらに表示手段を有し、ユーザに無線通信装置の接続状況を知らせることのできる請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信装置。
- 複数の第2の無線通信装置と通信する第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置のいずれかを通信先として通信する通信ステップと、
複数の無線通信装置の中から前記第1の無線通信装置を特定できる関連情報を記憶する記憶ステップと、
前記関連情報に基づいて第1の無線通信装置を通信先として接続処理を行う制御ステップと、
前記通信ステップにおいて他の無線通信装置からの関連情報要求コマンドを受信した際に、関連情報要求コマンドを送信してきた無線通信装置に対して前記記憶ステップにおいて記憶される関連情報を返信する応答ステップとを含む、無線通信方法。 - 前記無線通信方法の記憶ステップは、前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置のいずれかから送信される関連情報を記憶する、請求項6に記載の無線通信方法。
- 前記無線通信方法で扱う関連情報は、複数の無線通信装置が互いを識別するために利用される情報を含む、請求項6または7のいずれかに記載の無線通信方法。
- 前記無線通信方法で扱う関連情報は、前記第1の無線通信装置に固有な識別情報を含む、請求項6〜8のいずれかに記載の無線通信方法。
- 前記無線通信方法は、さらにユーザに無線通信装置の接続状況を知らせる表示ステップを含む、請求項6〜9のいずれかに記載の無線通信方法。
- 複数の第2の無線通信装置と通信する第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置のいずれかを通信先として通信する通信手段を含むコンピュータを用いて、
請求項6〜10のいずれかに記載の無線通信方法を前記コンピュータに実現させるためのプログラム。 - 請求項11に記載のプログラムを記録した記録媒体。
- マスタ・スレーブ型のネットワークを形成する無線通信装置であって、
マスタ装置およびスレーブ装置のいずれかを通信先として通信する通信手段と、
複数の無線通信装置の中からマスタ装置を特定する情報を記憶する記憶手段と、
前記マスタ装置を特定する情報を用いてマスタ装置と接続する制御手段と、
前記通信手段により他の無線通信装置からのマスタ装置を特定する情報を要求するコマンドを受信した際に、前記コマンドを送信してきた無線通信装置に対して記憶手段に記憶されるマスタ装置を特定する情報を返信するように前記通信手段を制御する応答制御手段とを含む無線通信装置。 - 前記無線通信装置の記憶手段は、マスタ装置およびスレーブ装置のいずれかから送信されるマスタ装置を特定する情報を記憶する、請求項13に記載の無線通信装置。
- 前記無線通信装置が扱うマスタ装置を特定する情報は、複数の無線通信装置を互いに識別するために各々の無線通信装置に付けられるデバイス名に含ませることで、無線通信装置どうしがデバイス名を交換する際にマスタ装置を特定する情報を知ることが可能な、請求項13または14のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記無線通信装置が扱うマスタ装置を特定する情報は、マスタ装置に固有のBDアドレス情報である、請求項13〜15のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記無線通信装置は、さらに液晶パネルやLEDランプによる視覚的表現、スピーカーによる聴覚的表現、バイブレータによる触覚的表現のいずれかによる表示手段を有し、ユーザに対して無線通信装置の接続状況を知らせることができる請求項13〜16のいずれかに記載の無線通信装置。
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