JP4117609B2 - 熱交換器コアの内面コーティング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として燃料電池用熱交換器として用いるものであって、内部流体が流通するチューブから溶出イオンが流れ出るのを防止するため、内面に樹脂等のコーティング材を付着させ、それを焼付け乾燥させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂コーティング熱交換器は、コーティング用の溶融樹脂を熱交換器の一方のタンクから各チューブ内に流通させ、その内面に付着させる工程と、次いで、それを乾燥炉内に挿入し樹脂を焼付け乾燥させる工程とからなる(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−149270号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内面コーティング方法は、付着したチューブ内の樹脂を乾燥する際に、未だ溶融状態にある樹脂が重力方向下方に垂れ下がり、チューブ内の上部の樹脂の膜厚が薄くなりすぎ、下部では厚くなり過ぎる。それと共に、チューブの内面で膜厚にむらが生じる欠点があった。
そこで本発明は、かかる欠点を解消することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、多数のチューブ(1)とフィン(2)とを並列すると共に、夫々のチューブ(1)の両端を一対のチューブプレート(3)に貫通固定して熱交換器コア(4)を組み立てる組立て工程と、
その熱交換器コア(4)の各チューブ(1)の内面に溶融したコーティング材(5)を流通させて、チューブ内面にそのコーティング材(5)を付着させるコーティング材塗布工程と、
夫々の前記チューブ(1)の長手方向が重力方向に向くように乾燥炉内に配置し、各チューブ(1)の下端開口から上端に向かって乾燥用気体(6)を流通させながら、チューブ(1)内を乾燥させる乾燥工程と、を具備し、
前記コーティング材(5)は、溶融状態でそれが前記チューブ(1)の内面に付着されたとき、そのチューブ(1)内で垂れ下がる程度の粘度を有し、
前記乾燥用気体(6)の流通は、それを前記上端に向かって流通させたとき、その乾燥気体(6)の上昇によって前記垂れ下がりを阻止するように構成したことを特徴とする熱交換器コアの内面コーティング方法である。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記熱交換器コア(4) のチューブプレート(3) にタンク本体(7) を固定した状態で、
夫々の前記チューブ(1) が重力方向に向くように乾燥炉内に配置し、各チューブ(1) の下端開口から上端に向かって乾燥用気体(6) を流通させながら、チューブ(1) 内を乾燥させることとした熱交換器コアの内面コーティング方法である。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、請求項1において、
流体の出入口が設けられた仮タンク(9)内に、その出入口から遠い程、流通抵抗を 小としたバッファープレート(10)を配置し、
その仮タンク(9)の開口端を前記チューブプレート(3)の周縁に接合し、その仮タンク(9)の出入口から乾燥用気体(6)を出入させた熱交換器コアの内面コーティング方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の内面コーティング方法の説明図であり、図2はその要部拡大断面図である。
このコーティングが行なわれる熱交換器コアは、多数のチューブ1とフィン2とが並列されると共に、夫々のフィン2の一端を一対のチューブプレート3に貫通固定して熱交換器コア4を組み立てたものである。或いはその熱交換器コア4のチューブプレート3にタンク本体7の開口縁を嵌着し、その嵌着部を固定したものにも適用される。
【0010】
この場合、タンク本体7はチューブプレート3と同一の材料となる。タンク本体に金属材料を用いない場合については、樹脂製のタンク本体7をチューブプレート3にOリングを介して嵌着し、その嵌着部をカシメ固定して熱交換器を組み立てる。図1の例では、タンク本体7がチューブプレート3に被嵌された状態でコーティングが行なわれるものである。
【0011】
次に、組立てられた熱交換器コアは樹脂等のコーティング材を水で希釈した槽内に入れられ、あるいは、コーティング槽にホース等でタンクに連結して、チューブプレート3および各チューブ1内に溶融コーティング材5を流通させる。そしてチューブ1およびチューブプレート3の表面に均一にコーティング材5を付着させる。
次いで、適宜温度に設定した乾燥炉内に熱交換器コアを挿入する。このとき、各チューブ1が重力方向に平行になるように位置させる。即ち、図1の如く熱交換器コアを立設する。
【0012】
そして上側のタンク本体7の出入口8に吸引ホースの一端を取付け、その他端を吸引用ファン等に連結させる。そして炉内の空気を下端側のタンク本体7の出入口8から流入させ、各チューブ1内を通過して上端のタンク本体7の出入口8から外部に放出させる。このとき、各チューブ1内は、図2に示す如く、炉内の乾燥用気体6が上昇する。このチューブ1の内表面のコーティング材5は、固化前には重力方向下方に垂れ下がる傾向にある。しかしながら、乾燥用気体6の上昇によって垂れ下がりが阻止され、そこに保持される。なお、乾燥用気体6の流量および速度はコーティング材5の垂れ下がりを防止できるように決める。
【0013】
【実施例】
この例では、コーティング材5の材質はエポキシ系であり、それを粘性が20〜30sec(FC#4,25°C)程度となるように、溶剤または水で希釈し、チューブ1およびチューブプレート3の表面に均一に付着させたものである。対象とした熱交換器はアルミニューム製のもので、コアの大きさ縦390mm、横420mm、厚さ24mmで、偏平チューブ内の断面の長径24mm、短径2mmである。炉内でチューブが重力方向に平行になるように立設し、炉内温度および乾燥用気体6の温度は220℃程度とした。そして吸気用ブロワーと上部タンクの出入口パイプとをホースで接続し、下部タンクの出入口パイプは開放状態にする。そして200〜400リッター/分の流量で、15分間、乾燥炉内の乾燥空気を熱交換器内に循環させた。実験の結果、樹脂膜の厚さは5〜10ミクロンであり、ほぼ均一な膜厚を得る。
なお、これらの各種条件はコーティング材5の材質や粘度その他に応じて実験により最適値を確認して決定できる。
【0014】
実験によれば、上記のように各チューブ1内の下端開口から上端に向かって乾燥用気体6を流通させながらチューブ1内を乾燥させた場合、チューブ1の内面の各部のコーティングは略均一に且つ緻密に形成された。
比較例として、同様の条件で乾燥用気体6をチューブ1内に流通させない場合には、コーティング材5に垂れ下がりが生じるため、チューブ1の各部のコーティングが不均一になった。特に、チューブの上部における膜厚が薄過ぎていた。
【0015】
次に、図3は本発明の内面コーティング方法の乾燥工程の他の実施の形態を示す説明図である。
この例は、上部側のチューブプレート3の周縁に仮タンク9の開口縁を固定し、そのパイプ12に吸引手段を連結させたものである。この仮タンク9の内部にはバッファープレート10が設けられ、そのバッファープレート10に多数の孔11が形成されている。この孔11の大きさは、パイプ12から遠ざかる程、大に形成されている。これはパイプ12から遠ざかったチューブ1程、その内部に空気が流通し難いからである。そこでそのような位置にあるチューブ1に対向する孔11は、より大きな開口面積のものとしている。なお、この例では下側のチューブプレート3にはタンクがなく炉内で開放状態にある。
【0016】
【変形例】
上記の例では吸引によって各チューブ1内に均一に乾燥用気体6を流通させたが、それに代えて下側のタンクから空気を加圧して押し込み、各チューブ1内を下方から上方へ流通させるようにしても良い。
何れにしても、乾燥用気体6の流通方向はチューブ1の下端から上端に向かわせる必要がある。
【0017】
【発明の作用・効果】
本発明の熱交換器コアの内面コーティング方法は、各チューブ1内面に溶融したコーティング材5を流通させて、その内面にコーティング材5を付着させた後に、チューブ1が重力方向に向くように乾燥炉内に配置し、夫々のチューブ1の下端開口から上端に向かって乾燥用気体6を流通させながらチューブ1内を乾燥させるようにしたものである。
さらに、前記コーティング材5は、溶融状態でそれが前記チューブ1の内面に付着されたとき、そのチューブ1内で垂れ下がる程度の粘度を有し、前記乾燥用気体6の流通は、それを前記上端に向かって流通させたとき、その乾燥気体6の上昇によって前記垂れ下がりを阻止するように構成したことを特徴とする。
そのため、炉内で固化前に溶融樹脂が下方に垂れ下がるのを乾燥用気体6によって押し上げ、その結果チューブ1内各部を均一に樹脂コーティングすることができる。また、その乾燥用気体6はコーティング材の溶剤および揮発成分蒸気を強制的に搬出することにより、その硬化を促進させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換器コアの内面コーティング方法の説明図。
【図2】同方法の要部拡大断面図。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す内面コーティング方法の説明図。
【符号の説明】
1 チューブ
2 フィン
3 チューブプレート
4 熱交換器コア
5 コーティング材
6 乾燥用気体
7 タンク本体
8 出入口
9 仮タンク
10 バッファープレート
11 孔
12 パイプ
Claims (3)
- 多数のチューブ(1)とフィン(2)とを並列すると共に、夫々のチューブ(1)の両端を一対のチューブプレート(3)に貫通固定して熱交換器コア(4)を組み立てる組立て工程と、
その熱交換器コア(4)の各チューブ(1)の内面に溶融したコーティング材(5)を流通させて、チューブ内面にそのコーティング材(5)を付着させるコーティング材塗布工程と、
夫々の前記チューブ(1)の長手方向が重力方向に向くように乾燥炉内に配置し、各チューブ(1)の下端開口から上端に向かって乾燥用気体(6)を流通させながら、チューブ(1)内を乾燥させる乾燥工程と、を具備し、
前記コーティング材(5)は、溶融状態でそれが前記チューブ(1)の内面に付着されたとき、そのチューブ(1)内で垂れ下がる程度の粘度を有し、
前記乾燥用気体(6)の流通は、それを前記上端に向かって流通させたとき、その乾燥気体(6)の上昇によって前記垂れ下がりを阻止するように構成したことを特徴とする熱交換器コアの内面コーティング方法。 - 請求項1において、
前記熱交換器コア(4)のチューブプレート(3)にタンク本体(7)を固定した状態で、
夫々の前記チューブ(1)が重力方向に向くように乾燥炉内に配置し、各チューブ(1)の下端開口から上端に向かって乾燥用気体(6)を流通させながら、チューブ(1)内を乾燥させることとした熱交換器コアの内面コーティング方法。 - 請求項1において、
流体の出入口が設けられた仮タンク(9)内に、その出入口から遠い程、流通抵抗を小としたバッファープレート(10)を配置し、
その仮タンク(9)の開口端を前記チューブプレート(3)の周縁に接合し、その仮タンク(9)の出入口から乾燥用気体(6)を出入させた熱交換器コアの内面コーティング方法。
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JP2003005103A JP4117609B2 (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | 熱交換器コアの内面コーティング方法 |
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