JP4117564B2 - 摩擦嵌合と軸受カップ保持部材とを備えたユニバーサルジョイント - Google Patents

Description

本発明は一般的には、車両駆動系において用いられるユニバーサルジョイントに係る。更に具体的には、本発明は軸受カップアセンブリを十字形トラニオンに固定するための機構を具備したユニバーサルジョイントに関する。

一般に知られているように、ユニバーサルジョイントは、一対の回動軸を相互連結しかつそれら回動軸同士の角度変更を可能にするための車両駆動系用途に利用されている。多くの従来のユニバーサルジョイントは、回動軸に固定された一対の二股ヨークを含んでいる。二股ヨークは独立した複数軸を中心として回動するためにスパイダー又は十字形金具によって相互連結されている。十字形金具は４本の直交するトラニオンを含み、軸合わせされたトラニオンの相対向する組は、各々が、二股ヨークに形成された一対の位置合わせ穿孔内に装置される。通常、軸受カップが各穿孔内に固定されるとともに軸受アセンブリが軸受カップ内に保持されるが、これにより複数対のトラニオンのうちの一対について各ヨークが回動するべく支持されるようになっている。更に、スラストワッシャをトラニオンと軸受カップの間に用いることで、トラニオンと軸受カップ間に発生し得る外方向の押し込み力を吸収することが知られている。

ユニバーサルジョイントの組立中、軸受アセンブリの二股ヨークへの嵌合を試みると複数の不具合が生じることがある。典型例としては、各軸受アセンブリ、スラストワッシャ、及び軸受カップがトラニオンに位置付けされるがトラニオンに対して自発的に保持できない。組立工程中、軸受カップと軸受アセンブリは偶発的に破損しトラニオンから分離されてしまうことがある。重力も組立中の部品の分離を引き起こすことがある。その結果、軸受汚染と生産率の損失が生じることがある。いくつかの例においては搬送中及び取扱い中に軸受カップアセンブリの安定を保持するために外付けストラップ、網、又は他の梱包が用いられている。これらのストラップはエンドユーザによって除去及び破棄されなければならず時間と費用を要する。上記に鑑み、破棄可能な外付け手段を用いずにトラニオンに保持される軸受カップアセンブリを有するユニバーサルジョイントを提供することが有効である。

本発明は一対の回動軸を相互連結するためのユニバーサルジョイントに関する。ユニバーサルジョイントは十字形金具によって相互連結された一対の二股ヨークを含む。十字形金具は、夫々が潤滑剤経路を含んだ４本の直交したトラニオンを含む。スラストワッシャは潤滑剤経路の内側面を係合して軸受アセンブリを各トラニオンに保持する。

以上説明したように本発明に係る摩擦嵌合と軸受カップ保持部材とを備えたユニバーサルジョイントによれば、破棄可能な外付け手段を用いずにトラニオンに保持される軸受カップアセンブリを有するユニバーサルジョイントを提供できる。

本発明は、通常、回動軸同士の角度における変化を可能にする回動軸を相互連結するための車両駆動系の用途において利用されるタイプのユニバーサルジョイントに関する。

図１、図２に示すユニバーサルジョイント１０は、第１軸１２と第２軸１４とを連結している。ユニバーサルジョイント１０は通常、第１軸１２の終端部に取り付けられた第１ヨーク１６と、第２軸１４の終端部に取り付けられた第２ヨーク１８と、第１ヨーク１６と第２ヨーク１８とを相互連結する十字形金具２０とを含んでいる。第１ヨーク１６は二股で、構成線「Ａ」に示すように第１軸１２の回動軸に対して好ましくは対称である、側方向に間隙を設けた支持部２２を含む。支持部２２は内向面２４と外向面２６とを含み、内向面２４と外向面２６との間にはジャーナル２７が延設されている。開口部２８は、一対のエンドキャップ３０をボルト３１を介して結合することによって形成される。エンドキャップ３０はジャーナル２７と協働することによって開口部２８を完全化している。開口部２８が第１トラニオン軸に位置整合されることは、第１軸１２の回動軸「Ａ」を通過しかつこれに対して直交である構成線「Ｙ」によって示されるとおりである。

第２ヨーク１８は二股で、構成線「Ｂ」に示すように第２軸１４の回動軸に対して好ましくは対称である、側方向に間隙を設けた支持部３２を含む。支持部３２は内向面３４と外向面３６とを含み、内向面３４と外向面３６との間には開口部３８が延設されている。開口部３８が第２トラニオン軸に位置整合されることは、第２軸１４の回動軸「Ｂ」を通過しかつこれに対して直交である構成線「Ｚ」によって示されるとおりである。開口部３８は貫通孔で、内向面３４と外向面３６との間に形成された環状溝４０を含む。開口部２８と開口部３８の形状は、これら開口部に用いられる十字形金具２０の特定の形状によって同一または異なったものでよいことに留意すべき点である。また、環状溝４０は機械加工、鋳造、またはキャスティング技法によって形成してよいことも留意すべき点である。

図２の如く、十字形金具２０は、中央にハブ４２を含み、ハブ４２からは一対の第１トラニオン４４と一対の第２トラニオン４６とが延設されている。第１トラニオン４４は第２トラニオン４６に対して直交である。第１トラニオン４４は第１ヨーク１６の支持部２２内の開口部２８内へと挿入されることによって第１トラニオン軸「Ｙ」上に軸整合されるように適合されている。同様に、第２トラニオン４６は第２ヨーク１８の支持部３２内の開口部３８内へと挿入されることによって第２トラニオン軸「Ｙ」上に軸整合されるように適合されている。第１ヨーク１６と第２ヨーク１８にそれぞれ装置された第１トラニオン４４と第２トラニオン４６とによって、図１に示されるとおり、トラニオン軸「Ｙ」とトラニオン軸「Ｚ」とは十字形金具２０の回動軸に直交する共通面「Ｃ」を通過する。

ユニバーサルジョイント１０は、開口部２８内に装着される第１対の軸受カップアセンブリ４８、及び開口部３８内に装着される第２対の軸受カップアセンブリ５０も含んでいる。第１軸受カップアセンブリ４８は開口部２８内の第１トラニオン４４を受けかつ回動自在に支持するために設けられている。同様に、第２軸受カップアセンブリ５０は開口部３８内の第２トラニオン４６を受けかつ回動自在に支持するために設けられている。以下の説明は、簡潔化のため、第２軸受カップアセンブリ５０の対応構成がほぼ同一であることを前提として第１軸受カップアセンブリ４８の構成に限って行われる。

図２、図３、及び図７はそれぞれ、軸受カップ５２、スラストワッシャ５４、ニードルころ（ベアリング）５６、シールワッシャ５８、及びエラストマー製シール部６０とを含む軸受カップアセンブリ４８を示している。軸受カップ５２はほぼ中空で円柱形である。軸受カップ５２は、底部６４によって一方が閉鎖された円筒部６２を含む。円筒部６２は外壁面６６と内壁面６８とを含む。底部６４は外壁面７０と内壁面７２とを含む。ニードルころ５６は内壁面６８とトラニオン４４の外壁面７４の間に位置付けられることにより、軸受カップ５２とトラニオン４４との間の相対回動を可能にしている。ニードルころ５６はトラニオン４４の軸「Ｙ」と平行な軸上に位置決めされ、この軸を中心とした円周に配列されている。各ニードルころ５６の一方端は、スラストワッシャ５４の円周フランジ区域７８上に形成された軸受面７６に対して回転するように支持されている。ニードルころ５６の他方端はシールワッシャ５８に確保されることによってシール６０に保持されている。シール６０は軸受カップ５２の外壁面６６とトラニオン４４の外壁面７４との間に延設されることによってニードルころ５６を汚損から保護すると共に軸受カップアセンブリ４８内の潤滑剤を保持する。

図４〜図７に示されるとおり、スラストワッシャ５４は円板部８２を含み、円周フランジ７８は該円板部８２から伸延する。円板部からは複数の爪部８４が伸延し中心開口部８６を中心として円周状に位置している。各爪部８４は、各トラニオン内に見受けられる潤滑剤経路９２の内側面９０に係合可能な外側面８８を含む。外側面８８上には肉厚部９４が位置することによって各爪部８４が潤滑剤経路９２の内側面９０に偏向係合する。十字形金具２０のハブ４２上に装着される嵌め部（不図示）は潤滑剤経路９２に接続する。この嵌め部は、経路９２に潤滑剤を供給すると共に相対移動面同士に潤滑膜を提供するために利用される。

円板部８２は、軸受カップ５２の内側面７２に対向しかつ接触する外側対向面９６を有する。円板部８２はトラニオン４４の端面１００に対向しかつ接触する内側対向面９８も含んでいる。内側対向面９８と外側対向面９６とは円板部８２が一定厚みを持つように略平行になっている。更にスラストワッシャ５４は、フランジ７８によって画定されるとおり、内周壁面１０２と外周壁面１０３とを含む。内周壁面１０２はトラニオン４４の外壁面７４に対向しかつ接触するよう適合されている。外周壁面１０３は軸受カップ５２の内壁面６８に接触する。切欠１０４は外側対向面９６と外周壁面１０３とを相互連結する。これにより、スラストワッシャ５４は軸受カップ５２とトラニオン４４とを位置整合する機能を果たす。

スラストワッシャ５４は、フランジ７８の中心開口部８６から放射状に伸延する一連の潤滑溝１０５を含む。溝１０５は円柱状の壁面を形成するべく断面が湾曲形になっている。好ましくは、同等に離間した奇数の溝１０５が設けられることによって円板部８２のパイ形部が溝と同数だけ画定される。更に、円板部８２のパイ形部上に複数の凹部又は窪み１０６が形成される。窪み１０６は不規則に位置整合されるか、更に好ましくは円周列を２列画定するように位置整合される。窪み１０６は、トラニオン端面１００の広域にわたって継続的な潤滑性を提供するべく窪み１０６内部の潤滑剤を保持するよう適合される。更に窪み１０６は動作面から汚れを除去すると共に窪み内部の汚れを回収することを可能にする。カップ５２内には、ユニバーサルジョイントの操作中に用いるための貯蔵部内の潤滑剤を保持するためのポケット１０７が形成される。

ユニバーサルジョイント１０の組立にあたり、第１軸受アセンブリ４８と第２軸受アセンブリ５０とがそれぞれのトラニオン上に装置される。この装置工程において、爪部８４は潤滑剤経路９２内に軸整合される。肉厚部９４は潤滑剤経路９２の内側面９０と係合し、爪部８４とトラニオン４４との間に摩擦嵌合を生じさせる。スラストワッシャ５４とニードルころ５６とはこのようにしてトラニオン４４上に保持される。具体的には、軸受カップ５２にかかる無理な力や押しのけ力がシールワッシャ５８、ニードルころ５６、及びスラストワッシャ５４を介して軸負荷を伝達するシール６０によって抗される。

図８乃至図１１は符号２００が付されたスラストワッシャの別実施例を示す。スラストワッシャ２００は前述のスラストワッシャ５４とほぼ同じである。ただし、スラストワッシャ２００は爪部８４の代わりに円板部８２から伸延する通常カップ型の刃先部２０２を含む。刃先部２０２は通常側壁２０４と端壁２０６とを有する円柱形である。側壁部２０４は端壁２０６から円板部８２へと延設された複数のスロット２０８によって断続的に設けられている。開口部２１０が端壁２０６を通って延設されることによって、潤滑剤が該開口部を通過できるようになる。側壁２０４の残りの各部分は側壁２０４の外側面２１４から放射状に外向きに伸延する凸部２１２を含む。凸部２１２は、スラストワッシャ５４の刃先部２０２の少なくとも一部が潤滑剤経路９２の内側面９０に確実に偏向係合させる。これにより、第１軸受カップアセンブリ４８はトラニオン４４上に軸支される。

図１２と図１３は別実施例のスラストワッシャ３００を示す。スラストワッシャ３００はスラストワッシャ２００とスラストワッシャ５４とほぼ同じである。よって今後は顕著な相違点のみ説明する。スラストワッシャ３００は円板部８２から延設された爪３０２を含む。円周状に隙間をもって設けられた爪３０２は集合体として円錐を形成する。各爪３０２は放射状に外側に伸びた複数の鉤羽３０４を含む。鉤羽３０４は角度をもって位置決めされることによって、爪３０２を潤滑剤経路９２内に挿入時には比較的弱い力を要するが、爪３０２を潤滑剤経路９２から引き抜く際には比較的強い力を要する。鉤羽３０４は引き抜き力が付与された時、爪３０２を潤滑剤経路９２から引き抜くためのより大きな抵抗力を提供するべく機能する。更に、爪３０２の円錐形は軸受カップアセンブリの組立を確実に簡易にする位置整合の特徴を提供する。円錐形の最小部分は内側面９０をクリアーする大きさに設計されている。円錐形の最大部分は、内側面９０と干渉する大きさに設計されることによって、軸受カップアセンブリをトラニオン上に保持する。

スラストワッシャ３００は、カップ５２の底部に形成された凹み３１０内に位置する放射上に延設されたフランジ３０８も含む。フランジ３０８は、スラストワッシャ３００がカップ５２内に最初に挿入されるときには変形し、フランジ３０８が凹み３１０に一度進入すると反発して原形に戻るというスナップ止結合部としてカップ５２内に装置されている。

図１４と図１５は符号４００によって示される更なる別実施例のスラストワッシャを示している。スラストワッシャ４００は円板部８２から延設される刃先部４０２を含む。刃先部４０２は一対の爪４０６を形成する二股終端部４０４を含む。各爪４０６は放射状に外側に伸延する鉤羽４０８を含む。各鉤羽４０８は円錐先端面４１０、円柱状の外側面４１２、及び裏面４１４を含む。裏面４１４は潤滑剤経路９２内に形成される溝４１６の一部分と係合する。

スラストワッシャ４００の潤滑剤経路９２内への挿置において、円錐形の先端面４０１が潤滑剤経路９２の内側面９０に係合すると、爪４０６は互いに向かって押し付けられる。スラストワッシャ４００は注入成型樹脂などの弾性剤から構成されているため、爪４０６は鉤羽４０８が溝４１６に進入すると変形前の位置に向かって弾性をもって拡張する。裏面４１４が溝４１６に進入するとスナップ止め連結が形成される。

ベアリングカップアセンブリ４８とベアリングカップアセンブリ５０とがトラニオン４４とトラニオン４６とに装置されると、ベアリングカップアセンブリは開口部２８と開口部３８内とに挿入される。その後、十字形金具２０が中心に位置付けられ、動作可能に平衡調節されて、支持部２２と支持部３２とに嵌められる。ヨーク１６とヨーク１８を十字形金具２０に固定するのにはあらゆる方法を利用できる。ある方法は、ベアリングカップ５２の外壁面７０に形成された円周溝１２４内にスナップリング１２２を装着することを含む。スナップリング１２２は内向面２４に係合してベアリングアセンブリを保持する。あるいは、開口部２８を包囲する外向面２６をくい打ち、ピーン打ちなどの工程を利用して部分的に変形させ、ベアリングカップ５２の端面７０に係合する局小区域を作り上げる。別の方法は、支持部とベアリングカップとの間に伸延する経路内への成型樹脂の注入を伴う。成型樹脂は固化することによってベアリングカップを支持部の開口部内に保持する。また別の方法は、支持部２２から伸延し、ベアリングカップ５２の外端面７０に対してスナップリング１２２を係合するべく変形可能な突出部（不図示）の使用を組み込んでいる。これらの方法のうち１以上の方法は、共同所有される米国特許第６，２８０，３３５号、同６，１６２，１２６号、及び同６，３３６，８６８号に開示されており、各特許の全開示内容は引用によって本明細書に組み込まれている。

更にまた、前述の記載及び説明は本発明の単なる例示的な実施を開示及び説明しているに過ぎない。当業者はそのような説明から、また添付図面と請求項から、以下の請求項に定義される本発明の精神及び範囲を逸脱せずにあらゆる変更、改良、及び変形例をその中に創出してよいことを認識するであろう。

本発明の主要構造に基づくユニバーサルジョイントの斜視図 図１に表示されたユニバーサルジョイントの分解斜視図 本発明のトラニオン及び軸受カップアセンブリの部分分解斜視図 本発明の教唆に基づいて構成された第１実施例スラストワッシャの斜視図 図４のスラストワッシャの平面図 図４のスラストワッシャの側断面図 図４のスラストワッシャを含むユニバーサルジョイントの部分側断面図 本発明の教唆に基づいて構成された代替実施例スラストワッシャの斜視図 図８のスラストワッシャの平面図 図８のスラストワッシャの側断面図 図８のスラストワッシャを含むユニバーサルジョイントの部分側断面図 別の代替実施例スラストワッシャの斜視図 図１２のスラストワッシャを含むユニバーサルジョイントの部分側断面図 別の代替実施例スラストワッシャの斜視図 図１４のスラストワッシャを含むユニバーサルジョイントの部分側断面図

符号の説明

１０．．．ユニバーサルジョイント、１６．．．第１ヨーク、１８．．．第２ヨーク、４４．．．第１トラニオン、４６．．．第２トラニオン、５２．．．軸受カップ、５４．．．スラストワッシャ、５６．．．ニードルころ、５８．．．シールワッシャ、６０．．．エラストマー製シール部

Claims (18)

1. 支持部自体を通って延設される開口部を有する前記支持部を含むヨークと、
   端面を有する略円柱形部と、前記端面に接続するトラニオンを少なくとも部分的に通過する潤滑剤経路とを含む前記トラニオンを有する十字形金具と、
   前記略円柱形部の上に回動可能に位置付けられたベアリングと、
   略平面でかつ前記トラニオンの前記端面に係合する円板部と、前記円板部から突出しかつ前記潤滑剤経路の内側面と係合して前記トラニオン上に前記ベアリングを保持する刃先部と、を有するスラストワッシャと、を備え、
   前記刃先部は、側壁と端壁とを有するほぼ中空の円柱部を含み、潤滑剤が当該ほぼ中空の円柱部を通過することができるように、当該端壁には少なくとも一つの開口が貫通形成されることを特徴とするユニバーサルジョイント。
2. 前記刃先部は、前記内側面を偏向係合させることを特徴とする請求項１のユニバーサルジョイント。
3. 前記刃先部は、前記軸受を前記トラニオンの前記略円柱形部上に位置付ける間、少なくとも部分変形することを特徴とする請求項１のユニバーサルジョイント。
4. 前記刃先部は、夫々が個々に変形可能で間隔をもって設けられた複数の爪部を含むことを特徴とする請求項１のユニバーサルジョイント。
5. 前記爪部のうち少なくとも一本は、前記潤滑剤経路の前記内側面を係合する放射状に伸延した鉤羽を含むことを特徴とする請求項４のユニバーサルジョイント。
6. 前記潤滑剤経路は、前記内側面上に位置しかつ前記トラニオンの前記端面から外れて位置する止め部を含み、前記鉤羽は、前記止め部内部に位置付けられることによって前記トラニオンからの前記軸受の引き抜きに抗すことを特徴とする、請求項５のユニバーサルジョイント。
7. 前記間隔をもって設けられた複数の爪部は、前記円板部を通って延設された開口部を中心に円周状に位置付けられていることを特徴とする請求項４のユニバーサルジョイント。
8. 前記円周状に位置付けられる爪部は、前記刃先部を略円錐形に形成することを特徴とする請求項７のユニバーサルジョイント。
9. 前記間隔をもって設けられた複数の爪部のうち少なくとも一本は、放射状に伸延しかつ間隔をもって設けられた複数の鉤羽を含み、前記鉤羽は、前記爪部を前記潤滑剤経路へと挿入する力が前記爪部を前記潤滑剤経路から引き抜く力よりも弱くなる角度に配置されていることを特徴とする、請求項７のユニバーサルジョイント。
10. 端面及び前記端面を通って伸延する潤滑剤経路を有する略円柱形部を含む十字型金具のトラニオンに軸受を位置付ける工程と、
    略平面の円板部と、前記円板部から延出した刃先部であって長手方向に延びるほぼ中空の円柱部を含む刃先部とを有するスラストワッシャを前記トラニオンに結合する工程と、
    前記刃先部を前記潤滑剤経路内に挿入する工程と、
    前記刃先部を前記潤滑剤経路の内側面に偏向係合させる工程と、
    前記軸受カップを前記スラストワッシャと前記軸受上に位置付ける工程と、
    からなるユニバーサルジョイントの組立方法。
11. 前記軸受カップにシール部を嵌合する工程と、前記シール部の少なくとも一部を前記軸受に近接して位置付ける工程と、を更に含むことを特徴とする請求項１０の方法。
12. 前記トラニオンの前記端面を前記円板部の表面と係合させる工程を更に含むことを特徴とする請求項１０の方法。
13. 前記刃先部は、前記円板部から一端が飛び出しかつ間隔をもって設けられた複数の爪部を含み、前記爪部の少なくとも一本は前記潤滑剤経路内に挿入中に変形することを特徴とする、請求項１０の方法。
14. 前記爪部の少なくとも一本は、前記潤滑剤経路の前記内側面を係合する放射状に伸延する鉤羽を含むことを特徴とする請求項１３の方法。
15. 前記潤滑剤経路は、前記内側面上に位置付けられかつ前記トラニオンの端面から外れて位置する止め部を含み、前記鉤羽は、前記止め部内部に位置することによって前記トラニオンからの前記軸受の引き抜きに抗すことを特徴とする、請求項１４の方法。
16. 前記間隔をもって設けられた複数の爪部は、前記円板部を通って延設された開口部を中心として円周状に位置付けられることを特徴とする請求項１３の方法。
17. 前記円周状に位置付けられた爪部は、前記刃先部を略円錐形に形成することを特徴とする請求項１６の方法。
18. 前記刃先部は、前記刃先部から放射状に伸延する複数の鉤羽をもった外側面を含み、前記鉤羽は、該鉤羽の前記潤滑剤経路からの引き抜きに対して抗力を付与する角度に位置付けされていることを特徴とする、請求項１０の方法。

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