JP4117519B2 - 磁気ディスク試験方法 - Google Patents

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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/86Re-recording, i.e. transcribing information from one magnetisable record carrier on to one or more similar or dissimilar record carriers
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マスターディスクから磁気転写方式によりサーボ信号が書き込まれる記録メディア(磁気ディスク)の試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーボ信号を書き込むサーボライト方式の従来例について、図7から図10を参照して説明する。
まず、図7のようにメディア磁性層の上面に長手方向の磁化を与える磁石3Aを置き、メディア1を一方向に磁化する(初期磁化)。その後、図8のようにメディア1の磁性層上にマスターディスク4を密着させ、その上方から初期磁化とは逆向きの磁界を与える磁石3Bを置き、メディア1とマスターディスク4または磁石3Bを回転させて、メディア1に磁界を与える(転写)。
【0003】
その際、図9に示すように、マスターディスク4上に生成されている軟磁性層パターン5に磁束が集中することにより、軟磁性層パターン5の直下は転写磁界の影響を受けず、初期磁化がそのまま保存される。一方、軟磁性層パターン5のない部分の直下の磁性層は、軟磁性層のエッジからもれる磁束の影響により、初期磁化とは逆方向に磁化される。これにより、マスターディスク4上の軟磁性層パターン5に対応した磁気パターンが、メディア1に磁気転写されることになる。書き込まれた磁気パターンから再生信号ヘッドにより、サーボ信号(サーボバースト信号または単にバーストとも言う)が再生される。
【0004】
以上の転写プロセスでは、メディア1とマスターディスク4の密着手段として真空吸着を利用している。この吸着が不充分な状態のまま転写を行なうと、磁気パターンが充分転写されず、サーボバースト信号の振幅が図10のように低下する。なお、密着不良の要因としては、
1)マスターディスクまたは記録メディアに、サブミクロン(極微少)ないしミクロンサイズのパーティクルが付着し、マスターディスクと記録メディアとの密着を阻害するケース。
2)マスターディスクと記録メディアとの真空吸着が完了する前に、磁石が近接するケース。
などが考えられ、要因によっても密着不良の程度が異なる。例えば、サブミクロンサイズパーティクルの場合は、ミクロンサイズパーティクルに比べて密着不良の程度は軽微である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、メディアとマスターディスクとの吸着が不充分な状態のまま転写を行なうと、メディアの記録層は飽和磁化に到達せず、サーボ信号パターンを充分に書きこむことができないが、密着不良の程度が分かれば、その要因を解明する手だてとして有用となる。
したがって、この発明の課題は、書き込まれたサーボ信号を用いて密着不良の程度を簡単に検出できるようにし、信頼性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、表面に軟磁性層からなるサーボパターンを有するマスターディスクと、予め一方向に初期磁化された記録メディアとを、前記マスターディスクの軟磁性層パターンと記録メディアの磁性層とが相対するように密着させ、マスターディスク上方から初期磁化と逆向きの磁界をかけて記録メディアにサーボ信号を書き込むに当たり、
前記マスターディスクから記録メディアに書き込むサーボ信号の一部に、サーボ信号とは異なる周波数の信号を含めて書き込みを行ない、書き込まれた各周波数信号の高周波部分の平均振幅が減少し低周波部分の平均振幅が減少しないときは軽微な密着不良と判断し、低周波部分と高周波部分の平均振幅が減少するときは重度の密着不良と判断し、低周波部分と高周波部分の平均振幅が減少しないときは正常と判断することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明では、表面に軟磁性層からなるサーボパターンを有するマスターディスクと、予め一方向に初期磁化された記録メディアとを、前記マスターディスクの軟磁性層パターンと記録メディアの磁性層とが相対するように密着させ、マスターディスク上方から初期磁化と逆向きの磁界をかけて記録メディアにサーボ信号を書き込むに当たり、
前記マスターディスクから記録メディアに書き込むサーボ信号の一部に、サーボ信号とは異なる周波数の信号を含めて書き込みを行ない、書き込まれた各周波数信号のFT解析を行ない、各周波数信号の高周波部のパワースペクトラムが減少し低周波部のパワースペクトラムが減少しないときは軽微な密着不良と判断し、低周波部と高周波部のパワースペクトラムが減少するときは重度の密着不良と判断し、低周波部と高周波部のパワースペクトラムが減少しないときは正常と判断することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態を説明するための説明図である。
これは、マスターディスク4に形成される軟磁性層パターン例を示し、従来のサーボ信号に対応する波長の短いパターン10と、その約2倍の波長のパターン11を形成した例である。なお、従来のサーボ信号に対応する波長の短いパターンに対し、これより波長の短いパターンを形成するようにしても良い。
図2はこの発明による転写態様説明図である。同図からも明らかなように、波長の長いパターン11の方が、波長の短いパターン10に比べて、長手方向の磁束がメディア1の深い位置まで到達することがわかる。つまり、密着不良発生時には、マスターディスク4と記録メディア1の磁性層2との距離は正常密着時より開いているが、波長の短いパターン10の直下の磁性層に比べ、波長の長いパターン11の直下の磁性層の方が磁化させ易いことになる。
【0009】
図3はこの発明による第1の密着不良検出方法を示すフローチャートである。これは、以上のように波長の短いパターン10で書き込まれたバースト信号Aと、波長の長いパターン11で書き込まれたバースト信号Bを、記録メディア1から読み出して信号Aの平均振幅VAと、信号Bの平均振幅VBとを検出し(▲1▼,▲2▼参照)、その各々をしきい値と比較して両方ともしきい値以上のときは正常(▲3▼,▲4▼参照)、VAのみがしきい値以下のときは軽微な密着不良(▲3▼,▲5▼参照)、両方ともしきい値以下のときは重度の密着不良(▲3▼,▲6▼参照)と判断するものである。
【0010】
図4はこの発明による密着不良時(軽微)の転写態様説明図、図5はこの発明による密着不良時(重度)の転写態様説明図である。すなわち、図4では波長の短い部分で磁化状態が不良となっていて、バースト信号Aのレベルが低下している状態(軽微な密着不良状態)が示されており、図5では波長の短い部分,長い部分とも磁化状態は不良となっていて、バースト信号A,Bのレベルがともに低下している状態(重度の密着不良状態)が示されている。
【0011】
図6はこの発明による第2の密着不良検出方法を示すフローチャートである。図3ではサーボ信号の平均振幅に着目したが、ここでは書き込まれたサーボ信号A,BのFFT(高速フーリエ変換)解析を行ない、サーボ信号Aのスペクトラム(周波数毎の強度)SAと、サーボ信号Bのスペクトラム(周波数毎の強度)SBとを求め、その各々をしきい値と比較して両方ともしきい値以上のときは正常(▲3▼,▲4▼参照)、SAのみがしきい値以下のときは軽微な密着不良(▲3▼,▲5▼参照)、両方ともしきい値以下のときは重度の密着不良(▲3▼,▲6▼参照)と判断するものである。なお、FFT技術は良く知られているので、詳細は省略する。
【0012】
【発明の効果】
この発明によれば、磁気ディスクに書き込まれたサーボ信号から、密着不良の程度を簡単に判断することができ、密着転写方式の信頼性を高めることが可能となる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を説明するための説明図である。
【図2】この発明による密着正常時の転写態様説明図である。
【図3】この発明による第1の密着不良検出方法を示すフローチャートである。
【図4】この発明による密着不良時(軽微)の転写態様説明図である。
【図5】この発明による密着不良時(重度)の転写態様説明図である。
【図6】この発明による第2の密着不良検出方法を示すフローチャートである。
【図7】従来のサーボライト方式の初期磁化方法説明図である。
【図8】従来のサーボライト方式の転写方法説明図である。
【図9】従来のサーボライト方式の密着正常時の転写方法説明図である。
【図10】従来のサーボライト方式の密着不良時の転写方法説明図である。
【符号の説明】
1…記録メディア(磁気ディスク)、2…磁性層、3A…初期化用磁石、3B…転写用磁石、4…マスターディスク、5…軟磁性膜パターン、10…波長の短い軟磁性膜パターン、11…波長の長い軟磁性膜パターン。

Claims (2)

  1. 表面に軟磁性層からなるサーボパターンを有するマスターディスクと、予め一方向に初期磁化された記録メディアとを、前記マスターディスクの軟磁性層パターンと記録メディアの磁性層とが相対するように密着させ、マスターディスク上方から初期磁化と逆向きの磁界をかけて記録メディアにサーボ信号を書き込むに当たり、
    前記マスターディスクから記録メディアに書き込むサーボ信号の一部に、サーボ信号とは異なる周波数の信号を含めて書き込みを行ない、書き込まれた各周波数信号の高周波部分の平均振幅が減少し低周波部分の平均振幅が減少しないときは軽微な密着不良と判断し、低周波部分と高周波部分の平均振幅が減少するときは重度の密着不良と判断し、低周波部分と高周波部分の平均振幅が減少しないときは正常と判断することを特徴とする磁気ディスク試験方法。
  2. 表面に軟磁性層からなるサーボパターンを有するマスターディスクと、予め一方向に初期磁化された記録メディアとを、前記マスターディスクの軟磁性層パターンと記録メディアの磁性層とが相対するように密着させ、マスターディスク上方から初期磁化と逆向きの磁界をかけて記録メディアにサーボ信号を書き込むに当たり、
    前記マスターディスクから記録メディアに書き込むサーボ信号の一部に、サーボ信号とは異なる周波数の信号を含めて書き込みを行ない、書き込まれた各周波数信号のFT解析を行ない、各周波数信号の高周波部のパワースペクトラムが減少し低周波部のパワースペクトラムが減少しないときは軽微な密着不良と判断し、低周波部と高周波部のパワースペクトラムが減少するときは重度の密着不良と判断し、低周波部と高周波部のパワースペクトラムが減少しないときは正常と判断することを特徴とする磁気ディスク試験方法。
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