JP4116953B2 - 像担持体の支持構造、多色画像形成装置及び回転体の支持方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル複合機や多色画像形成装置等の各種画像形成装置に設けられる像担持体の支持構造、多色画像形成装置及び回転体の支持方法に関する。
各種画像形成装置に設けられる像担持体等の円筒状の回転体を支持する部材として、従来、ボールベアリング、金属焼結ベアリング、樹脂ベアリング等が使用されている。それらの支持部材の形状は円筒形であり、回転体との間にわずかなクリアランスが設けられている。また、回転体を円滑に回転させるために、含油性のベアリングを用い、摩擦力の低減化を図ったものもある。
例えば、通常の軸受けを用いた回転体の支持方法では、例えば、図9に示すように、回転体100は軸受け101の内面との間にクリアランスが設けられているため、内面と一点(矢印Cで示す。)で接触している。このような軸受構造によって、画像形成装置の像担持体の支持が行われるのが一般的であり、ボールベアリング等を用いてスムーズな回転を行う事により、ジッタ等の画像劣化を防止する手法が採用されている。
特開平6−35246号公報(段落「0017」、図1) 特開平9−185291号公報(段落「0016」、図1)
しかし、上記従来技術の手法においては、長時間の使用により、軸受(ボールベアリングならその内部、焼結、樹脂ベアリングにおいてはその内周面)あるいは回転体において、磨耗、損傷が発生し、軸受に対する回転体の位置が不安定となり、結果、回転時の回転体の振れが生じる。さらに一旦磨耗してしまえば、一定の磨耗した状態においても回転体の位置は変化し、振れは発生する。
画像形成装置において、回転体である像担持体を支持する構造としては、以下の2つの構造がある。
(1)像担持体の支軸を軸受で支持する構造
(2)像担持体の外径部分を軸受で支持する構造
(1)と(2)を比較すると、(2)の方が(1)よりも像担持体の振れを少なくすることができる。しかし、(2)においても上述の通り、像担持体と軸受けの間にクリアランスが生じ、かつ接触点が一点となるので、依然として振れは残る。また、(2)の場合に、振れをより一層抑制するためにボールベアリングを使用した場合、(1)よりも格段に高価となってしまう。また、ボールベアリングであっても、その内部において磨耗、損傷が発生すれば、振れは発生する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、振れを発生させることなく、また、長期間にわたって像担持体の高い回転精度を維持することができる安価な像担持体の支持構造、多色画像形成装置及び回転体の支持方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
(1)像担持体の両端部に形成される被支持部で前記像担持体を回転自在に支持する軸受部材が、前記被支持部に対して、前記像担持体の軸心に直交する断面における2つの接触ポイントで接触する断面形状を有する軸受面を備え、かつ、
前記像担持体の静止状態と動作状態の何れの状態においても、前記2つの接触ポイントと前記像担持体の軸心とを結ぶ2つの直線間の角度が、180°より小さくなる側の前記2つの接触ポイント間に、圧接部材である現像ローラ及び転写ローラによって前記像担持体の外周に作用する圧接力の合成ベクトルの作用方向を設定したことを特徴とする。
像担持体を、従来の軸受構造で支持すると、像担持体の被支持部と軸受孔の径の差によって、その支持位置が変化し、像担持体に回転振れが生じたり、摺動部分が損傷しやすくなる。
この構成においては、像担持体の被支持部が、軸受面によって2つの接触ポイントで安定に支持されるため、被支持部と軸受面との間にクリアランスを設けていても、2つの接触ポイントを基準として安定に位置決めされた状態で回転し、回転振れが格段に低減される。また、摺動部分の偏った摩耗が低減される。
また、現像ローラ及び転写ローラが、像担持体の外周に圧接した状態にて、2つの接触ポイントの間に、その圧接力の合力が作用するため、像担持体の回転時、非回転時を問わず、像担持体の支持位置が変化することなく安定し、回転振れの発生が防止される。
さらに、像担持体が、軸方向に長い形状であっても、その両端部で支持されることで、回転時における像担持体の支持位置を高精度に位置決めすることができ、ジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。
(2)前記像担持体の外周に作用する圧接力は、前記像担持体の外周に圧接する圧接部材である現像ローラ及び転写ローラにより発生することを特徴とする。
この構成においては、像担持体の外周に圧接する圧接部材による圧接力を、2つの接触ポイントの間に作用させるため、像担持体の回転時、非回転時を問わず、像担持体の支持位置が変化することなく安定し、回転振れの発生が防止される。
また、現像ローラ及び転写ローラが、像担持体の外周に圧接した状態にて、2つの接触ポイントの間に、その圧接力の合力が作用するため、像担持体の回転時、非回転時を問わず、像担持体の支持位置が変化することなく安定し、回転振れの発生が防止される。
)前記被支持部は、前記像担持体の感光領域外に設定されることを特徴とする。
この構成においては、感光領域外の部分で像担持体を支持することで、画像の形成動作に支障を来すような不具合は発生しなくなる。
)前記軸受部材の軸受面は、摺動性の良好な含油部材で構成され、かつ、前記被支持部と略等しい硬度を有することを特徴とする。
この構成においては、摺動性の良好な含油部材で軸受面が構成され、かつ、その軸受面の硬度が、被支持部の硬度と等しいことから、相互の磨耗が抑制され、像担持体の支持位置の変化を少なくすることができる。その結果、像担持体の振れを低減でき、ジッタ等の画像不良を低減することができる。
)画像情報に基づいて前記像担持体に形成した静電潜像を用紙上に転写する画像形成部を備え、請求項1ないしのいずれかに記載の像担持体の支持構造を備えたことを特徴とする。
この構成においては、多色画像形成装置にあって、像担持体の支持位置の高精度な位置決めができるため、像担持体の振れに起因する色ずれやジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。
)回転体の被支持部を、前記回転体の軸心に直交する断面における2つの接触ポイントで回転自在に支持させ、かつ、
前記回転体の静止状態と動作状態の何れの状態においても、前記2つの接触ポイントと前記回転体の軸心とを結ぶ2つの直線間の角度が、180°より小さくなる側の前記2つの接触ポイント間に向けて、前記回転体の外周に作用する圧接力の合成ベクトルの作用方向を設定することを特徴とする。
この方法においては、回転体の被支持部が2点で支持されることで、回転体の支持位置を高精度に位置決めすることができ、回転体の振れを低減することができる。また、偏った摩耗を低減することもできる。
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
(1)像担持体の被支持部が、軸受面の2つの接触ポイントで支持されるので、被支持部と軸受面との間にクリアランスを設けていても、回転時における像担持体の支持位置を所定の位置に位置決めすることができるため、像担持体の回転振れを格段に低減することができ、ジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。また、摺動部分の偏った摩耗を低減することができるため、高い回転精度を長期間にわたって維持することができ、かつ、支持部の損傷を少なくすることもできる。
(2)像担持体の外周に圧接する圧接部材による圧接力を、2つの接触ポイントの間に作用させるため、像担持体の回転時、非回転時を問わず、像担持体の支持位置が変化することなく安定し、回転振れの発生が防止される。
(3)現像ローラ及び転写ローラが、像担持体の外周に圧接した状態にて、2つの接触ポイントの間に、その圧接力の合力が作用するため、像担持体の回転時、非回転時を問わず、像担持体の支持位置が変化することなく安定し、回転振れの発生が防止される。
(4)感光領域外の部分で像担持体を支持するので、像担持体が軸方向に長い形状であっても、像担持体の支持位置を高精度に位置決めすることができ、ジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。
(5)像担持体が、軸方向に長い形状であっても、その両端部で支持されるので、回転時における像担持体の支持位置を高精度に位置決めすることができ、ジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。
(6)軸受面が摺動性の良好な含油部材で構成され、かつ、その軸受面の硬度が、被支持部の硬度と等しいので、相互の磨耗が抑制され、像担持体の位置変化を少なくすることができるため、像担持体の振れを低減でき、ジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。
(7)多色画像形成装置にあって、像担持体の支持位置を高精度に位置決めができるため、像担持体の振れに起因する色ずれやジッタ等の画像不良の発生を低減することができる。
(8)回転体の被支持部を2つの接触ポイントで支持するので、回転体の支持位置を高精度に位置決めすることができ、回転体の振れを低減することができる。また、偏った摩耗を低減することもできる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態に係る像担持体の支持構造、多色画像形成装置及び回転体の支持方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
《画像形成装置》
図1、図2は、画像形成装置100の構成を示す説明図である。この画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成し、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4、中間転写ベルトユニット8、定着ユニット12、用紙搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15等を備えている。
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2(2a、2b、2c、2d)、感光体ドラム3(3a、3b、3c、3d)、帯電器5(5a、5b、5c、5d)、クリーナユニット4(4a、4b、4c、4d)は各色に応じた4種類の静電潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれaがブラック、bがシアン、cがマゼンタ、dがイエロー、に設定され4つの画像ステーションが構成されている。
感光体ドラム3は、本画像形成装置100の上部に配置(装着)されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなローラ型やブラシ型等の接触式の帯電器5の他、チャージャー型の帯電器(図示省略)が用いられることもある。露光ユニット1は、図1に示すようにレーザ照射部および反射ミラーを備えた、レーザスキャニングユニット(LSU)を用いる手法のほかに、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法もある。
そして、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を各色(K、C、M、Y)のトナーにより顕像化する。クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンションローラ73、中間転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72等は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に回転駆動させるものである。中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73の中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されており、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト7に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。この中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述の様に各感光体3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト7で積層され、装置に入力された画像情報となる。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト7の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト7の接触位置に配置される転写ローラ11によって用紙上に転写される。
この時、中間転写ベルト7と転写ローラ11は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ11にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ11は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方には、弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
また、上記のように、感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、若しくは、転写ローラ11によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収されるように設定されている。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72で支持されている。
下部に配設される給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、本画像形成装置100の画像形成部および露光ユニット1の下側に設けられている。また、本画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。
また、本画像形成装置100には、給紙トレイ10のシートを転写部11や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るための、略垂直方向に延びる用紙搬送路Sが設けられている。さらに、給紙トレイ10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16,レジストローラ14、転写部11、定着部12、シートを搬送する搬送ローラ251〜258等が配設されている。
これらの搬送ローラ251〜258は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚毎に用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写部に搬送する。定着ユニット12は、ヒートローラ12a、加圧ローラ12b等を備えており、ヒートローラ12aおよび加圧ローラ12bは、シートを挟んで回転するようになっている。
また、ヒートローラ12aは、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように制御され、加圧ローラ12bとともにシートを熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像の定着後のシートは、搬送ローラ251〜258によって用紙搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態で(多色トナー像を下側に向けて)、排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
次に、シート搬送経路について詳細に説明する。本画像形成装置100には予めシートを収納する給紙カセット10が配置されると共に、ユーザが少数枚の印字を行う時に使用する手差しトレイ20が配置されている。
両給紙方法には、各々前記のピックアップローラ161,162が配置され、シートを1枚ずつを搬送路に導くようになっている。給紙カセット10から搬送されるシートは搬送路中の搬送ローラ251によってレジストローラ14まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト7上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ11に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着部12を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され搬送ローラ252を経て排紙ローラ253から排紙トレイ15上に排出される(片面印字要求の時)。
他方、手差し給紙トレイ20に積載されるシートはピックアップローラ162によって給紙され、複数の搬送ローラ(256、255、254)を経てレジストローラ14に到達し、それ以降は給紙カセット10から給紙されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される(片面印字要求の時)。
この時、印字要求内容が両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着部12を通過したシートの後端が前記排紙ローラ253でチャックされ、排紙ローラ253が逆回転することによって搬送ローラ(257、258)に導かれた後レジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に排紙トレイ15に排出される。
図2は、感光体ドラム3を備えた感光体ユニット周辺の構成を示す。図示のように、感光体ドラム3(3a〜3d)には、感光体ユニット内に設けられた帯電ローラ5(5a〜5d)及びクリーニングブレード41(41a〜41d)が圧接しており、さらに、中間転写ベルト7を介した一次転写ローラ6(6a〜6d)、現像スリーブ21(21a〜21d)が圧接している。なお、一次転写ローラ6(6a〜6d)は、感光体ドラム3(3a〜3d)に対して圧接・離間自在に構成されている。
現像スリーブ21が設けられている現像槽の内部には、一対の撹拌ローラ23,23及び供給ローラ22が設けられ、その現像槽の上部にはトナーボックス24が載設され、その内部には、回転駆動自在なトナー撹拌部材25が設けられ、その底部開口に回転駆動自在に設けたトナー供給ローラ26を介して、トナーボックス24が現像槽に連通している。このような構成により、トナーボックス24に投入されたトナーが撹拌されつつ現像槽に供給され、さらに現像槽内で撹拌されつつ供給ローラ22を介して現像スリーブ21から感光体ドラム3に供給され、感光体ドラム3上の静電潜像が現像される。
《軸受の構成》
次いで、軸受の構成について、図2ないし図6に基づいて以下に説明する。
〈実施の形態1〉
図3(a)(b)は、感光体ドラム3が軸受41に組み付けられた状態を示し、両軸受41,41は装置本体(図示省略)に取り付けられている。この場合、装置本体に設けた駆動ギヤ部33に噛み合う被動ギヤ部32が感光体ドラム3の端部に形成され、その被動ギヤ部32と感光層の塗布領域との間に設定した被支持部31が一方の軸受41に支持され、感光体ドラム3の他端に形成された他方の被支持部31が、他方の軸受41に支持される。
より詳しくは、軸受41は、感光体ドラム3の被支持部31に対して、感光体ドラム3の軸心に直交する断面における2つの接触ポイントP1,P2で接触する断面形状を有する軸受面41a,41bを備えており、感光体ドラム3の静止状態と動作状態の何れの状態においても、2つの接触ポイントP1,P2と感光体ドラム3の軸心とを結ぶ2つの直線間の角度が、180°より小さくなる側の前記2つの接触ポイントP1,P2間に、感光体ドラム3の外周に作用する圧接力の合成ベクトルの作用方向が設定されている(図6ないし図8参照)。
〈実施の形態2〉
図4は、感光体ドラム3が軸受41に組み付けられた状態を示し、両軸受41,41は装置本体(図示省略)に取り付けられている。この場合、装置本体に設けた駆動ギヤ部33に噛み合う被動ギヤ部32が、感光体ドラム3の端部に形成された被支持部31と感光層の塗布領域の間に設定されている点が、実施の形態1と異なり、軸受41の支持構造等は同じである。
上記両実施の形態において、図2に示す通り、クリーニングブレード41及び帯電ローラ5は感光体ユニット内で、感光体ドラム3に対して圧接状態で一体に構成されている。従って、感光体ユニットが本体装置内の内部(装着状態)、外部にあるに関わらず、また、装置の静止、動作状態に関わらず、クリーニングブレード41及び帯電ローラ5の圧接によって、感光体ドラム3の装置本体内における支持位置は影響を受けることがなく、感光体ユニット内における感光体ドラム3の支持位置は、常に一定に定まる。
感光体ユニットが、装置本体に装着されて動作している状態の時(以降、動作状態と呼ぶ)は、図5に示す通り、現像スリーブ21及び一次転写ローラ6が中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接している。よって、感光体ドラム3には、現像スリーブ21による圧接力(図5中の(1))、一次転写ローラ6による圧接力(図5中の(2))が作用する。
さらに、動作状態時には、感光体ドラム3、現像スリーブ21が回転し、中間転写ベルト7が転動動作しているので、現像スリーブ21の回転と感光体ドラム3の回転により生じる力(図5中の(3))、中間転写ベルト7の転動動作と感光体ドラム3の回転動作により生じる力(図5中の(4))が感光体ドラム3に作用する。
これらの力は、図6ないし図8に示すように、それらの合成力が感光体ドラム3と軸受41の軸受面41a,41bにおける2つの接触ポイントP1,P2の間に作用する。従って、感光体ドラム3の支持位置は、一定に定まり、感光体ドラム3の回転振れが抑制され、ジッタ等の画像不良を低減することができる。
図6は、感光体ユニットが装置本体に装着されて、感光体ドラム3が静止しており、かつ、一次転写ローラ6が離間し、感光体ドラム3には現像スリーブ6のみが圧接している場合(以降、静止状態―1と呼ぶ)を示す。この場合、感光体ドラム3には、現像スリーブ21による圧接力(図5中の(1))のみが作用する。この力が感光体ドラム3と軸受41の2つの接触ポイントP1,P2の間に作用する。従って、感光体ドラム3は動作状態の時と同じ位置に位置決めされる。
図7は、感光体ユニットが装置本体に装着されて、感光体ドラム3が静止している状態で、現像スリーブ21が感光体ドラム3に当接し、かつ一次転写ローラ6が中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接している場合(以降、静止状態―2と呼ぶ)を示す。この場合、感光体ドラム3には、現像スリーブ21による圧接力(図5中の(1))、一次転写ローラ6による圧接力(図5中の(2))が作用する。そして、これらの合成力が感光体ドラム3と軸受41の軸受面41a,41bにおける2つの接触ポイントP1,P2の間に作用する。従って、感光体ドラム3は動作状態の時と同じ位置に位置決めされる。
図8は、感光体ドラム3が回転している状態を示し、この場合、現像スリーブ21による圧接力(図5中の(1))、一次転写ローラ6による圧接力(図5中の(2))、現像スリーブ21の回転と感光体ドラム3の回転により生じる力(図5中の(3))、中間転写ベルト7の転動動作と感光体ドラム3の回転動作により生じる力(図5中の(4))、が感光体ドラム3に作用する。そして、これらの合成力(ハッチングの矢印で示す)が感光体ドラム3と軸受41の2つの接触ポイントP1,P2の間に作用する。従って、感光体ドラム3は図示の状態に位置決めされるため、回転振れは発生しない。
以上のことから、図6ないし図8に示すように、感光体ドラム3の被支持部31を支持する軸受面を多角形状とすることで、被支持部31を2点で支持し、静止状態時と動作状態時において、感光体ドラム3に作用する力が異なっても、感光体ドラム3の支持位置が変化することがない。従って、静止状態から動作状態に移行する時、感光体ドラム3の支持位置を変化させる機構ないしは、支持位置の変化を吸収するための機構を必要としなくなる。
そして、図3、図4に示すように、被支持部31を感光層の塗布領域の外に配置すれば、画像形成に何ら影響を及ぼすことはない。さらに、詳細には、その被支持部31は、アルミ合金等で形成するのが好ましい。感光体ドラム3は、軸受41に比して長い。従って、図3、図4に示すように、感光体ドラム3の両端部で支持すれば、感光体ドラム3をより高精度に位置決めすることができる。その結果、感光体ドラム3の回転振れを低減することができ、ジッタ等の画像不良を低減できる。
感光体ドラム3を支持する軸受41は、含油部材等の摺動性の良い部材で構成されるのか好ましく、かつ、その被支持部31は、軸受41と略等しい硬度であれば、相互の磨耗を抑制し、感光体ドラム3の支持位置の変化を少なくすることができ、感光体ドラム3の回転振れを低減でき、ジッタ等の画像不良の発生を抑制することができる。
以上のように、感光体ドラム3の被支持部31を、感光体ドラム3の軸心に直交する断面における2点で接触する断面形状を有する軸受面を備えた軸受41によって支持させることで、以下のような効果を得ることができる。
(1)従来よりも、感光体ドラム3の回転振れを低減でき、ジッタ等の画像不良の低減ができる。
(2)従来よりも、感光体ドラム3の回転振れを安価なコストで低減できる。
(3)従来よりも、感光体ドラム3の摩耗、損傷の発生を抑制することができる。
(4)従来よりも、感光体ドラム3の被支持部31での磨耗、損傷を少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、多色画像形成装置Aの感光体ドラム3の支持構造について述べたが、本発明は、多色画像形成装置Aに限らず、単色の画像形成装置にも適用可能であり、また、感光体ドラム3に限らず、各種AV装置等に設けられる各種回転体の支持方法についても適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構造を示す説明図である。 同要部の構成説明図である。 同像担持体の支持構造の説明図である。 同像担持体の別の支持構造の説明図である。 同像担持体に作用するベクトルの説明図である。 同像担持体が静止している時の支持状態の説明図である。 同像担持体が静止している時の別の支持状態の説明図である。 同像担持体が回転している時の支持状態の説明図である。 従来の回転体の支持構造の一例を示す説明図である。
符号の説明
3−像担持体、回転体
31−被支持部
41−軸受部材
41a,41b−軸受面
1,P2−接触ポイント
6,21−圧接部材

Claims (6)

  1. 像担持体の両端部に形成される被支持部で前記像担持体を回転自在に支持する軸受部材が、前記被支持部に対して、前記像担持体の軸心に直交する断面における2つの接触ポイントで接触する断面形状を有する軸受面を備え、かつ、
    前記像担持体の静止状態と動作状態の何れの状態においても、前記2つの接触ポイントと前記像担持体の軸心とを結ぶ2つの直線間の角度が、180°より小さくなる側の前記2つの接触ポイント間に、圧接部材である現像ローラ及び転写ローラによって前記像担持体の外周に作用する圧接力の合成ベクトルの作用方向を設定したことを特徴とする像担持体の支持構造。
  2. 前記像担持体の外周に作用する圧接力は、前記像担持体の外周に圧接する圧接部材である現像ローラ及び転写ローラにより発生することを特徴とする請求項1に記載の像担持体の支持構造。
  3. 前記被支持部は、前記像担持体の感光領域外に設定されることを特徴とする請求項1に記載の像担持体の支持構造。
  4. 前記軸受部材の軸受面は、摺動性の良好な含油部材で構成され、かつ、前記被支持部と略等しい硬度を有することを特徴とする請求項1に記載の像担持体の支持構造。
  5. 画像情報に基づいて前記像担持体に形成した静電潜像を用紙上に転写する画像形成部を備え、請求項1ないしのいずれかに記載の像担持体の支持構造を備えたことを特徴とする多色画像形成装置。
  6. 回転体の被支持部を、前記回転体の軸心に直交する断面における2つの接触ポイントで回転自在に支持させ、かつ、
    前記回転体の静止状態と動作状態の何れの状態においても、前記2つの接触ポイントと前記回転体の軸心とを結ぶ2つの直線間の角度が、180°より小さくなる側の前記2つの接触ポイント間に向けて、前記回転体の外周に作用する圧接力の合成ベクトルの作用方向を設定することを特徴とする回転体の支持方法。
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