JP4115405B2 - 水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システム - Google Patents

水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システム Download PDF

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Description

本発明は、水門等の水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムに関する。
従来、水門等の水中構造物における残余寿命を推定する方法として、例えば特許文献1に記載されているように、水質をパラメータとした腐食速度式を用いる技術が提案されている。この方法では、構造物設置場所にて採取した水質検査結果、塗膜種類、元厚情報、経過年数、板厚測定結果を腐食劣化線図作成装置に入力して、強度余裕率が無くなる腐食量の経過年数を求め、余寿命との比較を行うものである。
上記腐食劣化線図作成装置では、入力された塗膜に対応し水質をパラメータとした塗膜劣化式を塗膜劣化データベースから呼び出して塗膜寿命を推定し、他方、水質をパラメータとした腐食速度式を鋼材腐食データベースから呼び出して経年後の腐食量を推定し、塗膜劣化と鋼材劣化との推定結果から腐食劣化曲線を求めている。そして、板厚実測結果がある場合は、水質を用いた予測式である上記塗膜劣化式及び上記腐食速度式による腐食劣化曲線を、平行移動して補正を行っている。さらに、補正した腐食劣化曲線の結果から、ライフサイクルコスト線図作成装置で、補修コストデータベースの単位体積当たりの取替費用データにより、補修ケースごとの将来的なライフサイクルコストを試算している。
特開2003−75327号公報(図1、図7参照)
しかしながら、上記従来の技術には、以下の課題が残されている。すなわち、従来における腐食劣化等の劣化速度の予測方法では、水質のみをパラメータとした予測式であるため、腐食環境による腐食速度の違いや腐食速度に影響を及ぼす他のパラメータが考慮されておらず、まだ予測した結果と実測値との誤差が大きかった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、より高い精度で劣化速度を予測することができる水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法は、水中に設置された水中構造物の劣化速度予測方法であって、劣化状況をその違いに応じて複数に分類した劣化環境パターンのいずれに、水中構造物の劣化状態が該当するかを判別するステップと、該当する劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出するステップとを有していることを特徴とする。
本発明の水中構造物の劣化診断システムは、水中に設置された水中構造物の劣化診断システムであって、水中構造物の環境情報と、劣化状況をその違いに応じて複数に分類した劣化環境パターンのうちから水中構造物の劣化状態が該当するパターンとを情報として入力する情報入力手段と、前記情報に基づいて、入力した劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出する演算手段と、演算手段による算出結果を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする。
上記水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムでは、腐食劣化等の劣化状況に関わらず一律に決められた予測式による場合に比べて、劣化状況に応じた劣化環境パターンを判別してその劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出することにより、劣化環境による劣化速度の違いを考慮したより精度の高い予測が可能になる。
また、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムは、予測式が、劣化環境パターン毎の実測データに基づいた回帰分析による回帰式であることを特徴とする。
すなわち、この水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムでは、回帰分析による回帰式を予測式として用いるので、劣化環境パターン毎の実測データのばらつきやパラメータの適合度を考慮した予測式によって、より精度の高い予測が可能になる。
また、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法は、回帰式に用いるパラメータとして、回帰分析で誤差が最も小さくなる環境パラメータを一つ若しくは複数選択し、選択した環境パラメータに対応する実際のパラメータ値を回帰式に入力して劣化速度を算出することを特徴とする。
すなわち、この水中構造物の劣化速度予測方法では、複数の環境パラメータの中から実際の劣化環境に大きく影響する因子を適用した予測式で計算することができ、より精度の高い腐食速度を得ることができる。
また、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法は、劣化環境パターンが局部腐食の大きさに応じて分類されていることを特徴とする。
すなわち、この水中構造物の劣化速度予測方法では、劣化環境パターンが局部腐食の大きさに応じて分類されているので、局部腐食の状態に応じて腐食速度に大きく影響する因子が異なることを予測式に反映させることできる。特に、港湾鋼構造物の腐食速度の予測には、好適な分類手法である。
また、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法は、水中構造物が海水中に鋼材で構成されたものであることを特徴とする。
すなわち、この水中構造物の劣化速度予測方法は、淡水中の構造物よりも腐食劣化に関わる因子が複雑な海水中の鋼構造物に対しより好適なものある。
また、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法は、環境パラメータは、海水面からの高さ位置を示す海水レベル、水中構造物の部材種類、水中構造物の施工後の経過年数、水中構造物の設置個所の水深、水中構造物を覆うコンクリート施工高さ、海水の流速、淡水の流入有無、塩化イオン濃度及び化学的要求酸素量のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
すなわち、この水中構造物の劣化速度予測方法では、腐食劣化の劣化速度に影響を与える上記各環境パラメータを含めた予測式で算出することにより、各劣化環境下において適切な予測式を適用することが可能になる。
さらに、本発明の水中構造物の劣化速度予測方法は、劣化環境パターンが、局部腐食が大きい腐食大パターンと、局部腐食が小さい腐食小パターンと、腐食大パターンと腐食小パターンとの中間的な局部腐食である腐食中パターンとの3つに分類され、腐食大パターンに対応する予測式では、海水レベル、部材種類、海水の流速、塩化イオン濃度及び化学的要求酸素量をパラメータとし、腐食中パターンに対応する予測式では、海水レベル、部材種類、淡水の流入有無及び塩化イオン濃度をパラメータとし、腐食小パターンに対応する予測式では、部材種類、経過年数、水深及びコンクリート施工高さを環境パラメータとすることを特徴とする。
すなわち、この水中構造物の劣化速度予測方法では、局部腐食の大きさに応じた上記パターン毎に、特に腐食速度に影響を及ぼす上記環境パラメータを特定して予測式に適用するので、局部腐食レベルに対応したより適切な予測式で算出することができる。
また、本発明の水中構造物の劣化診断システムでは、演算手段が、劣化速度に基づいて所定経過期間での水中構造物の残存強度及び余寿命を算出し、表示手段が、残存強度及び余寿命を表示することを特徴とする。
この水中構造物の劣化診断システムでは、劣化速度に基づいて残存強度及び余寿命を算出して表示するので、水中構造物の寿命診断を容易に行うことができ、将来的な運用コスト等を的確に試算することも可能になる。
また、本発明の水中構造物の劣化診断システムでは、演算手段が、所定経過期間を変えて残存強度及び余寿命を繰り返し求め、表示手段が、経過期間に対する残存強度及び余寿命をグラフ又は表にして表示することを特徴とする。
この水中構造物の劣化診断システムでは、経過期間に対する残存強度及び余寿命がグラフ又は表で表示されるので、劣化の傾向、推定及び評価などを容易に判断することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムによれば、劣化状況に応じた劣化環境パターンを判別してその劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出するので、劣化環境による劣化速度の違いを考慮したより精度の高い予測が可能になり、水中構造物の寿命診断等がより的確に行えるようになって取り替えや補修判断を適切に行うことができる。
以下、本発明に係る水中構造物の劣化速度予測方法及び劣化診断システムの一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
本実施形態の水中構造物の劣化速度予測方法は、例えば港湾に設置される水門等、海水中に鋼材で構成された海水中鋼構造物の腐食劣化速度を予測し、さらには残余強度及び余寿命を推定するものである。
この劣化速度予測方法では、腐食劣化等の劣化環境をその違いに応じて複数に分類した劣化環境パターンのいずれに水中構造物の劣化状態が該当するかを判別し、さらに該当する劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出する。
例えば、前記劣化環境パターンは、港湾技術研究所のデータ等で示されているように、局部腐食の大きさに応じて分類される。すなわち、劣化環境パターンは、図1の(a)に示すように、局部腐食が大きい腐食大パターンと、図1の(b)に示すように、局部腐食が小さい腐食小パターンと、図1の(c)に示すように、腐食大パターンと腐食小パターンとの中間的な局部腐食である腐食中パターンとの3つに分類される。
また、前記予測式は、劣化環境パターン毎の実測データに基づいた回帰分析による回帰式であり、この回帰式に用いるパラメータとして、回帰分析で誤差が最も小さくなる環境パラメータを一つ若しくは複数選択し、選択した環境パラメータに対応する実際のパラメータ値をこの回帰式に入力して劣化速度を算出する。なお、上記環境パラメータの選択は、回帰分析により重相関係数R及び補正決定係数Rなどの値から判断して選択する。
具体的な環境パラメータは、腐食劣化の劣化速度に影響する因子である、海水面からの高さ位置を示す海水レベルX、前記水中構造物の部材種類X、前記水中構造物の施工後の経過年数X、前記水中構造物の設置個所の水深X、前記水中構造物を覆うコンクリート施工高さX、海水の流速X、淡水の流入有無X、塩化イオン(Cl)濃度X及び化学的要求酸素量(COD)X11のうちの少なくとも一つを含むものとする。
すなわち、前記海水レベルXをパラメータの対象としたのは、海水面からの位置により鋼構造物の腐食量が大きく異なる傾向にあるためである。特に、乾湿繰り返し環境となる飛沫帯の腐食量が大きいことが知られている。また、港湾鋼構造物の場合は、海水面直下(低潮位(LWL(Low Water Level))近傍)において、マクロセルを形成し、局部腐食が生じる可能性が有るためである。
上記回帰分析では、海水レベルXを、HWL((High Water Level):高潮位)、MSL((Mean Sea Level):平均潮位)、LWL((Low Water Level):低潮位)、海水上部、海水中下部及び海泥部の6水準に分類して行う。順序尺度として、HWL、MSL、LWL、海水上部、海水中下部、海泥部を、腐食量の大きさから、それぞれ5,3,6,4,2,1とした。
また、前記部材種類Xをパラメータの対象としたのは、水中構造物の部材の種類によって腐食量が大きく異なるためである。例えば、港湾設備の凸矢板部は波(流速)の影響を受けやすいのに対し、凹矢板部は波の影響をあまり受けにくいことを考慮するものである。
上記回帰分析では、部材種類Xを、凸矢板部、凹矢板部、鋼管杭の3種類に分類し、その順序尺度は、腐食量の大きさから、凸矢板部、凹矢板部、鋼管杭をそれぞれ3,1,2とした。
また、前記経過年数Xをパラメータの対象としたのは、腐食速度が経過年数により変化する可能性があるためである。なお、上記回帰分析での値は、経過年数そのものを適用した。
また、前記水深Xをパラメータの対象としたのは、水深(すなわち、海底からの鋼構造物の高さに対応)によって、マクロセルの形成され易さが異なり、局部腐食の発生状況が変化するためである。なお、上記回帰分析での値は、水深距離(m)そのものを適用した。
また、前記コンクリート施工高さXをパラメータの対象としたのは、コンクリートにより飛沫帯を覆うことで最も厳しい環境条件を避けることができるためである。また、その施工高さによって抑制程度が異なるため、その影響を考慮するためである。なお、コンクリート施工高さXとしては、コンクリート部位の海水面(MSL)からの高さ(コンクリート下端位置)を分析に用い、上記回帰分析での値は、施工高さ(m)そのものを適用した。
また、前記流速Xをパラメータの対象としたのは、腐食速度に強く影響を及ぼす因子と考えられるためである。なお、上記回帰分析での値は、流速(m/s)を適用した。
また、前記淡水の流入有無Xをパラメータの対象としたのは、港湾への淡水流入により、塩化イオン濃度やpHに影響を与えるため、及び、濃度差電池を形成する可能性があるためである。分類尺度は、淡水が流入する場合は1、そうでない場合は0とした。
また、塩化イオン濃度X及び化学的要求酸素量X11をパラメータの対象としたのは、それぞれ水質として腐食に強く関わる因子であり、特に回帰分析の結果、海水腐食に強く影響を及ぼす因子として選択したためである。なお、上記回帰分析での値は、それぞれ数値(ppm)そのものを適用した。
なお、その他の環境パラメータとしては、水温、pHやDO(残存酸素量)などを考慮しても構わない。
前記予測式は、上記環境パラメータをパラメータとした腐食調査結果に基づく重回帰式である。なお、重回帰分析に用いた調査データは、腐食量、設備情報については、「港湾鋼構造物の腐食調査資料集」(港湾技研資料No.628、1988.9. 阿部正美、横井聡之、大即信明、山本邦夫)のものを用い、水質については、「公共用水域水質データファイル」(国立環境研究所(財)環境情報普及センターデータベース)のものを用い、流速については、気象庁のものを用いた。また、上記環境パラメータの選択には、変数減増法を用いている、
前記予測式を、劣化環境パターン毎に以下に示す。
(a)腐食大パターン
=-0.407+0.035X+0.02X+0.2X+(1.36×10-5)X+0.028X11
(X:海水レベル、X:部材種類、X:流速、X:塩化イオン濃度、X11:COD)
(b)腐食中パターン
=-0.368+0.01X+0.021X+0.039X+(1.97×10-5)X
(X:海水レベル、X:部材種類、X:淡水の流入有無、X:塩化イオン濃度)
(c)腐食小パターン
=0.008X+0.001X-0.004X-0.008X
(X:部材種類、X:経過年数、X:水深、Xコンクリート施工高さ)
本実施形態の上記劣化速度予測方法を用いて算出した腐食(劣化)速度の回帰推定値と実測値とをグラフにしたものを、腐食大パターン(a)、腐食中パターン(b)、腐食小パターン(c)の順に、図2、3、4に示す。
また、上記腐食速度の推定値による重相関係数R、補正決定係数R、残差の標準偏差σ及び1.96・σ(95%信頼)の値を表1に示す。なお、比較例として、腐食速度が平均値として0.1mmy-1(mm/year)と仮定した従来の場合の値も表1に示している。
Figure 0004115405
ここで、σは下記に示す式で計算されている。
Figure 0004115405
上記結果から、実測値との誤差は、従来の方法に比べていずれの劣化環境パターンにおいても小さくなっており、高精度に腐食劣化の劣化速度を得ていることがわかる。
このように本実施形態の水中構造物の劣化速度予測方法では、腐食環境に関わらず一律に決められた予測式による場合に比べて、腐食状況に応じた劣化環境パターンを判別してその劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出することにより、腐食劣化等の劣化環境による腐食(劣化)速度の違いを考慮したより精度の高い予測が可能になる。
また、複数の環境パラメータの中から実際の劣化環境に大きく影響する因子を適用した回帰式を予測式として用いるので、劣化環境パターン毎の実測データのばらつきやパラメータの適合度が考慮されたより精度の高い予測が可能になる。さらに、劣化環境パターンが局部腐食の大きさに応じて分類されているので、腐食速度に大きく影響する因子を局部腐食の状態に応じて予測式に反映させることできる。特に、腐食速度に影響を及ぼす上記環境パラメータを特定して予測式に適用するので、局部腐食レベルに対応したより適切な予測式で算出することができる。例えば、流速の激しい個所や、海上部、海底部なども評価することが可能になる。また、高さ位置による腐食速度の違いなども考慮でき、予測式の適用範囲が従来よりも広い。
次に、本実施形態の水中構造物の劣化診断システムについて、図5から図10を参照して説明する。
本実施形態の水中構造物の劣化診断システムは、パーソナルコンピュータ、特に持ち運びに容易なノート型のものを用いたものであり、診断対象の水中構造物が設置されている現地でも、取替・補修判断の参考となる残存余裕率の評価、設備管理計画のための寿命予測を短時間に行うことができるシステムとして構築したものである。また、この劣化診断システムは、施設情報や検査結果をデータベース化して、設備毎の有効な保守管理に役立てることを目的としたものである。
この劣化診断システムは、図5に示すように、水門扉などの水中構造物の環境情報と、劣化状況をその違いに応じて複数に分類した劣化環境パターンのうちから水中構造物の劣化状態が該当するパターン(腐食大パターン、腐食中パターン、腐食小パターン)とを少なくとも情報として入力するキーボード等の入力部(情報入力手段)1と、これら情報を記憶するメモリ部2と、これら情報に基づいて、入力した劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度、残存強度余裕率及び腐食余寿命を算出するCPU(演算手段)3と、CPU3による算出結果を表示する液晶画面等のディスプレイ部(表示手段)4とで構成されている。
この劣化診断システムの全体フローを、図6に示す。この劣化診断システムでは、水門扉などの水中構造物の初期設計条件や板厚測定結果を入力部1で入力(ステップS2,S3、S5)することで、有効板厚の自動算出や、各部材の強度計算をCPU3で行い(ステップS4、S7)、残存強度余裕率、腐食(板厚減肉)による強度低下を計算した腐食余寿命評価、環境条件の入力による残存強度余裕率減少の評価を、ディスプレイ部4でグラフ表示する(ステップS8、S9)。
すなわち、まず最初に新規設備入力か既存入力設備の変更・点検情報追加かを入力部1で選択入力し(ステップS1)、新規設備入力の場合は、施設・環境の諸データを入力部1から入力する(ステップS2)。また、既存入力設備の変更・点検情報追加の場合は、既存データファイルをメモリ部2からCPU3が読込みを行う(ステップS3)。この際、ディスプレイ部4は、基本情報やデータ入力状況が判るメイン画面を表示する。また、メモリ部2は、各地の診断データを保存しており、データベース蓄積が可能になっている。
上記施設・環境データ入力(ステップS2)では、図7の(a)に示すように、施設情報、環境データ、設計条件、劣化環境パターン(腐食パターン)及び塗装データをそれぞれディスプレイ部4に表示されたシステム画面上で入力状況を確認しながら入力するようになっている(ステップS21)。すなわち、上記入力データには、上述した予測式に用いる環境パラメータ(海水レベル、部材種類、経過年数、水深、コンクリート施工高さ、海水の流速、淡水の流入有無、塩化イオン濃度及び化学的要求酸素量)が含まれ、メモリ部2に記憶される。
また、施設・環境データ入力(ステップS2)若しくは既存データファイル読込み(ステップS3)終了後に、板厚測定データの有無を判別する(ステップS4)。板厚測定データが有る場合、板厚測定情報入力(ステップS5)を行う。この板厚測定情報入力(ステップS5)は、図7の(b)に示すように、板厚測定情報データを入力部1から入力及びメモリ部2から読込むことでシステムに取り込み(ステップS51)、ディスプレイ部4により板厚分布図などを表示する(ステップS6)。さらに、板厚分布から腐食状態(腐食度合い)、すなわち上述した3つ(腐食大パターン、腐食中パターン、腐食小パターン)に分類した劣化環境パターンのいずれかを選択入力すると(ステップS52)、CPU3は上述した劣化速度予測式に基づいた有効板厚推定式により有効板厚を自動算出する(ステップS53)。
なお、CPU3は、孔食の測定有無による板厚測定誤差や、測定ピッチによる有効板厚推定誤差をメモリ部2から読み出し、後述の残存強度余裕率・腐食余寿命評価にて、残存強度余裕率としての誤差範囲に換算する。
残存強度余裕率・腐食余寿命評価は、図8に示すフローで行われる。なお、この評価は、主桁やスキンプレートなどの各部材毎に行う。
まず、初期値として、材質の部材形状の選択、部材断面の種類数を入力する(ステップS71)。また、各断面での設計荷重や水圧、設計部材寸法又は断面性能の入力、及び使用海水レベルの選択を行うことで、CPU3は現状発生応力や残存強度余裕率(残存余裕率)を自動計算する(ステップS79、S81)。なお、評価に用いる有効板厚は、板厚測定データが入力されていない場合は、環境データをメモリ部2から読み出し、上述した劣化速度予測式によって推定腐食速度を算出し(ステップS72)、さらに現状の推定有効板厚を算出して用いる。また、板厚測定データが入力されている場合は、上述の算出した有効板厚から実測腐食速度を算出する(ステップS73)。
残存強度余裕率計算は、経過年数yのパラメータを0年からスタートし(ステップS74)、まず板厚が残っているか否かの判別を行い(ステップS75)、板厚が残っていれば塗膜耐久の有無を判別する(ステップS76)。塗膜耐久が無い場合は、経過年数yのパラメータを1年足してy+1とし(ステップS77)、塗膜耐久が有る場合はそのままの経過年数として、推定有効板厚又は実測有効板厚を算出する(ステップS78)。なお、推定有効板厚及び実測有効板厚は、以下の式で計算される。
推定有効板厚=初期板厚−(推定腐食速度)×経過年数y
実測有効板厚=初期板厚−(実測腐食速度)×経過年数y
(ウェブ、フランジにて計算)
そして、これら推定有効板厚又は実測有効板厚に基づいて、断面性能計算及び応力計算を行い(ステップS79)、さらに残存強度余裕率を算出する(ステップS81)。残存強度余裕率を算出した後、再び板厚が残っているが否かの判別を行い(ステップS75)、板厚が残っている場合は、上記ステップS76〜S81までを板厚が無くなるまで繰り返し行う。そして、板厚が無くなった場合、残存強度余裕率及び腐食余寿命評価をグラフ表示する(ステップS8、S9)。すなわち、CPU3が、経過期間を変えて残存強度余裕率及び腐食余寿命を繰り返し求め、ディスプレイ部4が、経過年数(経過期間)yに対する残存強度余裕率及び腐食余寿命をグラフにして表示するので、劣化の傾向、推定及び評価などを容易に判断することができる。なお、本実施形態では、残存強度余裕率及び腐食余寿命をグラフ化したが、表にして表示しても構わない。
残存強度余裕率のグラフ表示画面の例を、図9に示す。ここでは、初期値入力による求めた初期余裕率と、板厚測定入力により求めた実測有効板厚から算出した曲げやせん断に対する現状余裕率を比較表示する。なお、許容値1/800に対する算出たわみ値も同一画面で表示する。これにより、各部材での補修・補強の緊急性などの判断に役立てられる。
また、腐食余寿命のグラフ表示画面の例を、図10に示す。ここでは、経過年数による残存強度余裕率減少の予測結果を表示する。また、部材を構成するウェブ・フランジの板厚測定結果(グラフ中の実点)がある場合には、板厚の実測腐食速度から経年後の残存強度余裕率計算を行い、残存強度余裕率減少を予測する(グラフ中の実線)。なお、板厚測定誤差、板厚測定点数(測定ピッチ)による有効板厚推定誤差は、上述の結果より表2のように設定した評価幅を持たせている。
Figure 0004115405
また同時に、環境データによる推定腐食速度から、95%信頼限界の幅を持った残存強度余裕率を予測したグラフを表示する(グラフ中の破線)。
なお、初期塗装及び塗り替えは、何れも塗装系も寿命10年と仮設定しており、塗装後10年は腐食進行(余裕率の減少)がされないロジックとしている。
すなわち、このシステムでは、比較的誤差が大きく幅を持った環境予測による残存強度余裕率の減少予測(グラフ中の破線)と、実測板厚から求めた測定誤差などを考慮した残存強度余裕率の減少予測(グラフ中の実線)とが比較できる。
このように本実施形態の水中構造物の劣化診断システムでは、上記予測式で算出した腐食(劣化)速度に基づいて残存強度余裕率及び余寿命を算出・表示するので、水門などの寿命診断を容易に行うことができ、補修等にかかる将来的な運用コスト等を的確に試算することも可能になる。また、現地にて短時間で板厚測定結果の分析ができるので、追加点検の必要性が生じても、直ぐに現地で再度検査を行う事が可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、海水中の水門等の鋼構造物における劣化速度を予測及び診断したが、河川、湖やダムなどの淡水中における鋼構造物又は鋼材以外で構成された構造物においても、劣化環境パターンの分類の仕方や各パターンに対応する劣化環境パターン及び予測式を適宜設定することで適用可能である。
本発明に係る一実施形態の水中構造物の劣化速度予測方法において、劣化環境パターンの3つの分類、腐食大パターン(a)、腐食中パターン(b)及び腐食小パターン(c)を示す説明図である。 本実施形態の水中構造物の劣化速度予測方法において、腐食大パターンにおける実測値と推定値とを示すグラフである。 本実施形態の水中構造物の劣化速度予測方法において、腐食中パターンにおける実測値と推定値とを示すグラフである。 本実施形態の水中構造物の劣化速度予測方法において、腐食小パターンにおける実測値と推定値とを示すグラフである。 本実施形態の水中構造物の劣化診断システムにおいて、全体構成を示すブロック図である。 本実施形態の水中構造物の劣化診断システムにおいて、全体の処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の水中構造物の劣化診断システムにおいて、施設・環境データ入力及び板厚測定情報入力の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の水中構造物の劣化診断システムにおいて、残存強度余裕率・腐食余寿命計算の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の水中構造物の劣化診断システムにおいて、残存強度余裕率のグラフ表示画面を示す図である。 本実施形態の水中構造物の劣化診断システムにおいて、腐食余寿命のグラフ表示画面を示す図である。
符号の説明
1 入力部(情報入力手段)、2 メモリ部、3 CPU(演算手段)、4 ディスプレイ部(表示手段)

Claims (10)

  1. 水中に設置され、鋼材で構成された水中構造物の劣化速度予測方法であって、
    水による局部腐食の大きさに応じて劣化状況を複数に分類した劣化環境パターンのいずれに、前記水中構造物の劣化状態が該当するかを判別するステップと、
    該当する前記劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出するステップとを有していることを特徴とする水中構造物の劣化速度予測方法。
  2. 前記予測式は、前記劣化環境パターン毎の実測データに基づいた回帰分析による回帰式であることを特徴とする請求項1に記載の水中構造物の劣化速度予測方法。
  3. 前記回帰式に用いるパラメータとして、前記回帰分析で誤差が最も小さくなる環境パラメータを一つ若しくは複数選択し、選択した前記環境パラメータに対応する実際のパラメータ値を前記回帰式に入力して前記劣化速度を算出することを特徴とする請求項2に記載の水中構造物の劣化速度予測方法。
  4. 前記水中構造物は、海水中に設けられたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水中構造物の劣化速度予測方法。
  5. 前記環境パラメータは、海水面からの高さ位置を示す海水レベル、前記水中構造物の部材種類、前記水中構造物の施工後の経過年数、前記水中構造物の設置個所の水深、前記水中構造物を覆うコンクリート施工高さ、海水の流速、淡水の流入有無、塩化イオン濃度及び化学的要求酸素量のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項に記載の水中構造物の劣化速度予測方法。
  6. 前記劣化環境パターンは、前記局部腐食が大きい腐食大パターンと、前記局部腐食が小さい腐食小パターンと、前記腐食大パターンと前記腐食小パターンとの中間的な局部腐食である腐食中パターンとの3つに分類され、
    前記腐食大パターンに対応する前記予測式は、前記海水レベル、前記部材種類、前記海水の流速、前記塩化イオン濃度及び前記化学的要求酸素量を環境パラメータとし、
    前記腐食中パターンに対応する前記予測式は、前記海水レベル、前記部材種類、前記淡水の流入有無及び前記塩化イオン濃度を環境パラメータとし、
    前記腐食小パターンに対応する前記予測式は、前記部材種類、前記経過年数、前記水深及び前記コンクリート施工高さを環境パラメータとすることを特徴とする請求項に記載の水中構造物の劣化速度予測方法。
  7. 水中に設置され、鋼材で構成された水中構造物の劣化診断システムであって、
    前記水中構造物の環境情報と、水による局部腐食の大きさに応じて劣化状況を複数に分類した劣化環境パターンのうちから前記水中構造物の劣化状態が該当するパターンとを情報として入力する情報入力手段と、
    前記情報に基づいて、入力した前記劣化環境パターンに対応する予測式で劣化速度を算出する演算手段と、
    前記演算手段による算出結果を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする水中構造物の劣化診断システム。
  8. 前記予測式は、前記劣化環境パターン毎の実測データに基づいた回帰分析による回帰式であることを特徴とする請求項に記載の水中構造物の劣化診断システム。
  9. 前記演算手段は、前記劣化速度に基づいて所定経過期間での前記水中構造物の残存強度及び余寿命を算出し、
    前記表示手段は、前記残存強度及び前記余寿命を表示することを特徴とする請求項7又は8に記載の水中構造物の劣化診断システム。
  10. 前記演算手段は、前記所定経過期間を変えて前記残存強度及び前記余寿命を繰り返し求め、
    前記表示手段は、経過期間に対する前記残存強度及び前記余寿命をグラフ又は表にして表示することを特徴とする請求項に記載の水中構造物の劣化診断システム。
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