JP4115033B2 - 薄板状弁体の製造方法 - Google Patents

薄板状弁体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は往復動圧縮機の吸入、吐出弁装置用リード弁等の、曲げ荷重を受ける薄板からなる弁体の材料の選定方法を含む製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、往復動空気圧縮機の1例を示すシリンダ上部近傍の断面図である。
図3において、10は内周面をピストン(図示省略)が往復動するシリンダ、11は該シリンダ10の上部に複数のボルト(図示省略)によって固着されて該シリンダ10を覆うシリンダふたであり、該シリンダふた11の内部には吸入及び吐出ガス通路(空気通路)14a及び14bが形成されている。
【0003】
9は吸入、吐出弁装置である。該吸入、吐出弁装置9は、2箇所のボルト穴8(図2参照)に挿通されたボルト12及びナット13によって、前記シリンダふた11に固着されている。
【0004】
図1〜図2は前記吸入、吐出弁装置の構成を示し、図1は正面方向の断面図(図2のA−A線断面図)、図2は平面図(図1のD矢視図)である。
【0005】
図1〜図2において、1は吸入弁座、2は吐出弁座であり、該吸入弁座1には根部を吸入弁座1に弁支え6aで固定された吸入側のリード弁5aが接脱して吸入孔1aを開閉し、吐出弁座2には根部を弁支え6bで吐出弁座2に固定された吐出側のリード弁5bが接脱して吐出孔2aを開閉するようになっている。7、7は固定用ボルトである。
また、3は前記吸入弁座1と吐出弁座2との間に挟挿設されたパッキン、4は前記吸入弁座1と吐出弁座2との間に挿通され、該2つの弁座1、2の組立精度を向上せしめるための平行ピンである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図1〜図2に示される吸入、吐出弁装置9にあっては、薄板からなるリード弁5a、5bがその根部を、弁支え6a、6bをボルト7、7で固定することによって固定された片持ち梁状に構成され、該根部を支点として前記吸入孔1a及び吐出孔2aを開閉するように構成されている。
【0007】
このため、かかる吸入、吐出弁装置9にあっては、前記リード弁5a、5bの開閉の繰り返しによって、その根部に繰り返し曲げ応力が作用し、これがリード弁5a、5b用材料の疲労限を超えると疲労破壊の発生をみる。
【0008】
また、かかる吸入、吐出弁装置9を用いた空気圧縮機にあっては、空気中に水分や塩素イオン(Cl)、硫黄酸化物(SOx)等の腐食性成分が混入するため、これらの腐食性成分を含む空気中において、前記のような繰り返し曲げ応力が作用することとなり、かかる腐食疲労によるリード弁5a、5bの破損が促進され易い状況にある。
【0009】
前記のような腐食疲労に対処するため、従来はリード弁5a、5bの材料として、マルテンサイト系ステンレス鋼(JIS−SUS420J2)等の耐食性材料が用いられているが、かかる材料では充分なる耐腐食疲労性が得られない。
【0010】
また、前記リード弁のような、曲げ荷重を受ける薄板状弁体については、従来、その疲労破壊を阻止するための材料の疲労強度(疲労限)をベースとした繰り返し疲労線図による選定等がなされているが、かかる従来の選定方法では、前記のような腐食疲労を考慮した薄板状弁体の材料選定方法としては不十分である。
【0011】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、空気圧縮機の吸入、吐出弁装置用リード弁のような腐食雰囲気中において、繰り返し曲げ荷重を受ける薄板状弁体において、かかる腐食環境を考慮した材料の適切な選定方法を見出すことにより、腐食雰囲気中における繰り返し荷重状態に対して充分に高い耐久性を備えた薄板状弁体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、往復動圧縮機の吸入、吐出弁装置用リード弁等の曲げ荷重を受ける薄板状弁体を製造するにあたり、前記弁体がチタン合金からなり、該弁体の材料の疲労強度σwとヤング率Eとの比σw/E=εを疲労許容歪とし、さらにこの疲労許容歪εと疲労破壊限界にある比較材料としてステンレス鋼材の疲労許容歪εaとの比ε/εa=S・Fを安全率とし、該安全率S・Fが1以上になる材料を選定して、この材料によって前記薄板状弁体を製造することを特徴とする薄板状弁体の製造方法を提案する。
【0013】
(削除)
【0014】
(削除)
【0015】
かかる発明によれば、繰り返し曲げ荷重を受ける薄板状弁体の疲労強度σwとヤング率Eとの比σw/E=εを疲労許容歪と定義し、繰り返し曲げ荷重による疲労試験により疲労破壊限界の疲労許容歪εa=σw/Eが得られている材料としてステンレス綱材を比較材料とする。
【0016】
そして、該薄板状弁体の材料の疲労許容歪εと前記比較材料の疲労許容歪εaとの比ε/εa=S・Fを当該弁体用材料の安全率とし、この安全率S・Fが1以上となるような材料を薄板状弁体の材料として選定する。
【0017】
そして、前記安全率が1以上となる疲労許容歪の抽出値に、腐食雰囲気中の繰り返し曲げ荷重による疲労試験結果に基づく修正を加えて腐食環境中における疲労許容歪ε(σw/E)を求める。
【0018】
かかる手順により、薄板状弁体の材料として前記疲労許容歪ε=σw/Eが3.5×10−3以上の材料を選定する。
そして、かかる規定値を満足し、高い腐食性も備えた材料としてチタン系合金が好適となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0020】
図1〜図2は本発明が適用される空気圧縮機用吸入、吐出弁装置の第1実施形態の構成を示し、図1は正面方向の断面図(図2のA−A線断面図)、図2は平面図(図1のD矢視図)である。図3は前記空気圧縮機の上部の縦断面図である。
図4〜図10は、前記吸入、吐出弁装置を構成する部材の部品図であり、図4は吸入弁座の平面図、図5は図4のB−B線に沿う断面図、図6は吐出弁座の平面図、図7は図6のC−C線に沿う断面図、図8はリード弁の平面図、図9は弁支えの平面図、図10はパッキンの平面図である。
【0021】
図1〜図2及び図4〜図10において、1は円板状の吸入弁座、2は円板状の吐出弁座であり、該吸入弁座1と吐出弁座2とは、両者の間に後述するリード弁5a、5b及び弁支え6a、6bを挿んで2箇所のボルト穴8に挿通されたボルト12及びナット13(図3参照)によって、シリンダふた11に固定されている。3は該吸入弁座1と吐出弁座2との間に挿入され、外周側のシールを行なうパッキンである。
前記吸入弁座1には複数の吸入孔1aが穿設され、吐出弁座2には前記吸入孔1aと略軸対称に複数の吐出孔2aが穿設されている。
【0022】
5aは吸入側のリード弁、6aは吸入側の弁支え、5bは吐出側のリード弁、6bは吐出側の弁支えで、該リード弁5a及び5bは弾性を有する薄板からなり、その根部を前記弁支え6a及び6bで押さえられ、ボルト穴7a、7aに挿通されたボルト7、7によって前記吸入弁座1及び吐出弁座2にそれぞれ固定されている。
従って、前記リード弁5a、及び5bは根部が固定され、自由端部で前記吸入孔1a及び2aを開閉する片持梁状に構成され、その板面がストッパの機能をなす前記弁支え6a及び6bに当接することにより全開位置を規制されている。
【0023】
4は前記吸入弁座1及び吐出弁座2の中心部を貫通して挿通された平行ピンで、該吸入弁座1と吐出弁座2の位置合わせを行ない、組立精度を向上させるものである。
【0024】
かかる吸入、吐出弁装置9を備えた空気圧縮機の作動時において、図3に示すように、シリンダ10内に嵌合されたピストン(図示省略)の下降によってシリンダ10内の圧力が負圧近傍に降下すると、吸入側のガス通路14aとシリンダ10内との圧力差によって吸入側のリード弁5aが開き、該リード弁5aを通ってシリンダ10内に低圧のガス(空気)が吸入される。
【0025】
そして、ピストンの上昇によってシリンダ10内のガスが圧縮され、該シリンダ10内の圧力が吸入側のガス通路14aの圧力を上回ると、その圧力差によって吸入側のリード弁5aが閉じ、さらに該ピストンの上昇によってシリンダ10内の圧力が吐出側のガス通路14bの圧力を上回ると、吐出側リード弁5bが開く。
そして、シリンダ10内からの圧縮ガス(圧縮空気)は該リード弁5b及びガス通路14bを通って使用先に送給される。
【0026】
以上の構成、作用は従来技術と同様である。本発明の実施形態においては、前記リード弁5a、5bの材質を改善している。
【0027】
即ち、前記のように吸入側のリード弁5a及び吐出側のリード弁5bは、薄肉の弾性板状体からなり、一端側(根本部)を、ボルト7によって弁支え6aを介して吸入弁座1に固定され、あるいはボルト7及び吐出側の弁支え6bを介して吐出弁座2に固定されているが、本発明の実施形態においては、該リード弁5a、5bの材料として、その疲労強度σwとヤング率Eとの比(σw/E)の値が3.5×10−3以上になる材料を用いている。
そして、その好ましい具体的な材料として、チタン系合金を用いる。
以下、その理由を説明する。
【0028】
前記リード弁5a、5bのように繰り返し曲げ応力が作用する部材の破壊は、加えられる応力振幅σaと部材の疲労強度σwの大小によって決まる。そして該部材の安全率S・Fは、次の(1)式で定義される。
S・F=σw/σa …(1)
ここでσaはリード弁5a、5bに生じている歪み振幅εaと材料のヤング率Eより求めることができる。この関係を(1)式に代入すると、
S・F=σw/(εa・E) …(2)
となる。又、この関係は、
S・F=(σw/E)/εa …(3)
とも表示される。ここで、(σw/E)=εwを疲労許容歪と定義すると、前記(3)式は、
S・F=εw/εa …(4)
となる。前記(4)式はS・Fを歪で表示したものである。即ち、変形一定の系では、強度は歪ベースで表示したほうが望ましいことが分かる。
【0029】
ここで、従来のマルテンサイト系ステンレス鋼(JIS−SUS420J2、以下SUSと略称する)からなるリード弁5a、5bは、ある程度の破損は生じるが、破損することなく長時間使用できるものであることから、その安全率S・F=1に近いことが考えられる。
【0030】
従って、前記(3)式にS・F=1を代入すると、このときリード弁5a、5bに生じている歪εaは、
εa=(σw/E)SUS …(5)
となる。上記(5)式によるεaは、前記SUS材からなるリード弁5a、5bの疲労許容歪である。
この結果、任意の材料の安全率S・Fは、(3)式及び(5)式より、
S・F=(σw/E)/(σw/E)SUS …(6)
となり、各種材料の疲労許容歪(σw/E)とSUS材の疲労許容歪(σw/E)SUSとの比として、表すことができる。
【0031】
図17に示す表図は、前記リード弁5a、5bに適用可能な材料について、前記(6)式によって、SUS材に対する疲労の安全率S・Fを求めたものである。
図17に明らかなように、SUS材に対する安全率S・Fが1以上となるのは、チタン合金の内の引っ張り強さσが1000N/mmを超える高強度のもののみである。
【0032】
前記チタン合金のヤング率E=106×10N/mmであるから、図17における安全率S・Fが1.0以上となる疲労強度σw=371N/mmとなる。
【0033】
従って空気中においては、リード弁5a、5bとしては、前記安全率S・Fが1以上となる疲労強度σw=371N/mm以上の材料を用いれば、従来のSUS材よりも高い耐疲労性を有するリード弁5a、5bを得ることができる。
【0034】
以上は、リード弁5a、5b用材料の空気中における疲労強度に基づくものであるが、かかるリード弁5a、5bにおいては、前記のように空気中における水分等の腐食性成分によって、前記疲労強度よりも低い応力で疲労破壊を起こす。
従って、前記リード弁5a、5bの疲労強度は前記腐食性成分が含まれる環境下のものを用いる必要があり、その効果の検証もかかる腐食の影響が検証できる環境下で行なうことを要する。
【0035】
かかる観点から、発明者等は、次のような実験を行ない、前記腐食環境下における疲労強度に基づく耐疲労性を求めた。
【0036】
[実験例]
即ち、かかる実験においては、従来のSUS材からなるリード弁5a、5bと同一寸法を有するリード弁を図17に示す4種類のチタン合金で製作し、このリード弁について、空気圧縮機回転数1200rpm×20日連続(繰り返し回数3.4×10回)の疲労実験を行なった。
そして、これと比較するため、従来のSUS材からなるリード弁5a、5bについても上記と同様な疲労実験を行なった。
【0037】
この結果、チタン合金からなるリード弁5a、5bについては、図17のJIS4種(安全率S・F=0.83)のものを含み、破損の発生は無かった。
一方、SUS材からなる吸入側のリード弁5aは、試用数20個の内、3個に破損が生じたが、吐出側のリード弁5bについては破損の発生は無かった。吸入側のリード弁5aに破損が生じたのは、吐出側よりも腐食性雰囲気が強いことによるものと推察される。
【0038】
前記のように、破損が生じたSUS材からなるリード弁5a、5bの固定端に生じる最大曲げ応力σmxは、この実験に用いた弁支え6a、6bの曲率半径Rが140mm、リード弁5a、5bの板厚h=0.508mmであることから、
σmx=Eh/2R
=(206×10−3×0.508)/(2×140)
=373.7N/mm
となる。
【0039】
この値(373.7N/mm)を図17のSUS材、即ち、マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS420F2)の疲労強度σw(715N/mm)と比較すると、実際のリード弁5a、5bは空気中の疲労強度よりもかなり小さい値で破損していることになる。これは、腐食の影響によるものであり、腐食疲労強度がかかるリード弁5a、5bの強度を決定付けることとなる。
かかる疲労試験において、安全率S・F=0.83のJIS4種チタン合金からなるリード弁5a、5bに破損の発生が無かったのは、チタン合金が高い耐食性を有することによるものと推察される。
【0040】
しかしながら、図17に示すように疲労許容歪:σw/E=2.9の前記JIS4種チタン合金製のリード弁5a、5bには実験終了後、一部に摩耗現象が生じていたことから、該リード弁5a、5bの材料としては、前記SUS材の疲労許容歪:σw/E=ε=3.5×10−3以上の材料であることを要する。
【0041】
図11〜図16は本発明の第2実施形態に係る空気圧縮機であり、図11は吸入、吐出弁装置の正面図、図12は平面図(図11のE矢視図)、図13は吸入リード弁の平面図、図14は吐出リード弁の平面図である。図15は吸入弁支えを示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。図16は吐出弁支えを示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【0042】
図11〜図12において、14は弁座であり、4個のボルト穴22に挿通されるボルト(不図示)により、シリンダ10の上面に固着される。該弁座14には、ほぼ中央部に吸入孔14aが穿孔され、該吸入孔14aの側方に2個の吐出孔14bが穿孔されている。
【0043】
16は吸入リード弁、17は吸入弁支えであり、該吸入リード弁16及び吸入弁支え17は、前記弁座14の下面に、これらの根本部をボルト穴16a、17aに挿通されるボルト21によって固着され、該吸入リード弁16の自由端部で前記弁座14の吸入孔14aを下側から開閉するようになっている。
18は吐出側リード弁、19は吐出弁支えであり、該吐出側リード弁18及び吐出弁支え19は、前記弁座14の上面に、これらの根本部をボルト穴18a、19aに挿通されるボルト20によって固着され、該吐出リード弁18の自由端部で前記弁座14の吐出孔14bを開閉するようになっている。
また、前記吸入弁支え17及び吐出弁支え19は所定の曲率半径Rで屈曲され、前記吸入リード弁16及び吐出リード弁18の背面が該弁支え17、19に当たった時、最大リフトとなるように構成されている。
【0044】
かかる空気圧縮機の吸入、吐出弁装置における吸入、吐出リード弁16、18において、その安全率S・Fを、前記第1実施形態と同一にするためには、該リード弁16、18の固定端に発生する疲労歪εを第1実施形態と同一にすれば良く、この疲労歪εは、hをリード弁16、18の厚さ、Rを弁支え17、19の曲率半径とすると、
ε=h/2R …(7)
となる。然るに、前記第1実施形態の場合は、h=0.508mm、R=140mmであるから、
ε=0.508/(2×140)=1814×10−6
となる。
【0045】
そこで、前記吸入リード弁16の厚さh=0.64mm、吐出リード弁18の厚さh=0.406mmの場合、吸入弁支えの曲率半径R=176mm、吐出弁支え19の曲率半径R=112mmとなり、この寸法において、該吸入リード弁16及び吐出リード弁18の疲労歪εは、前記第1実施形態と同一(ε=1814×10−6)となる。
【0046】
[実験例]
発明者等は、かかる条件にて製作されたリード弁16、18を図17のSP700(ミル焼鈍)及びJIS60種でそれぞれ10個づつ製作して、実機(空気圧縮機)に組込み、前記第1実施形態と同条件(1200rpm×20回連続=3.4×10回)で繰り返し疲労試験を行なった。
結果、前記各10個のリード弁16、18破損の発生は無かった。
従って、かかる実施形態のリード弁16、18においても、前記第1実施形態と同様に、疲労許容歪:σw/E=3.5×10−3以上の材料を用いれば、疲労破壊の発生は無いこととなる。
【0047】
尚、本発明は前記リード弁5a、5b、あるいは16、18に限らず、薄い板状体からなり、繰り返し曲げ荷重を受ける薄板状弁体全般に適用できる。
【0048】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明によれば、薄板状弁体の材料を、疲労強度σwとヤング率Eとの比:σw/E=εなる疲労許容歪を用い、さらにこの疲労許容歪の疲労破壊限界にある比較材料としてステンレス鋼材の疲労許容歪εaとの比ε/εa=S・Fを安全率とし疲労許容歪に対する安全率が1以上になる条件で、かつ腐食雰囲気で疲労試験データを加味して選定するようにしたので、腐食環境下で繰り返し曲げ荷重を受ける薄板状弁体として、腐食環境下において充分に高い耐久性を備えた材料を選定することができる。
【0049】
かかる手法により、チタン合金からなり前記疲労許容歪ε(σw/E)が3.5×10−3以上の材料を用いることにより、腐食環境下において充分に高い耐久性を備えた薄板状弁体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される空気圧縮機用吸入、吐出弁装置の第1実施形態の構成を示す正面方向の断面図(図2のA−A線断面図)である。
【図2】 図1に対応する平面図(図1のD矢視図)である。
【図3】 前記空気圧縮機の吸入、吐出弁装置装着部近傍の縦断面図である。
【図4】 前記第1実施形態における吸入弁座の平面図である。
【図5】 図4のB−B線断面図である。
【図6】 前記第1実施形態における吐出弁座の平面図である。
【図7】 図6のC−C線断面図である。
【図8】 前記第1実施形態におけるリード弁の平面図である。
【図9】 前記第1実施形態における弁支えの平面図である。
【図10】 前記第1実施形態におけるパッキンの平面図である。
【図11】 本発明の第2実施形態に係る空気圧縮機の吸入、吐出弁装置装着部近傍の要部縦断面図である。
【図12】 図11のE矢視図である。
【図13】 前記第2実施形態における吸入リード弁の平面図である。
【図14】 前記第2実施形態における吐出リード弁の平面図である。
【図15】 前記第2実施形態における吸入弁支えの正面図(A)及び平面図(B)である。
【図16】 前記第2実施形態における吐出弁支えの正面図(A)及び平面図(B)である。
【図17】 本発明の第1、第2実施形態におけるリード弁用各種材料の疲労許容歪及び安全率の比較表図である。
【符号の説明】
1 吸入弁座
1a 吸入孔
2 吐出弁座
2a 吐出孔
3 パッキン
4 平行ピン
5a リード弁(吸入)
5b リード弁(吐出)
6a 弁支え(吸入)
6b 弁支え(吐出)
7、12 ボルト
8 ボルト穴
9 吸入、吐出弁装置
10 シリンダ
11 シリンダふた
14a、14b ガス通路

Claims (1)

  1. 往復動圧縮機の吸入、吐出弁装置用リード弁等の曲げ荷重を受ける薄板状弁体を製造するにあたり、
    前記弁体がチタン合金からなり、該弁体の材料の疲労強度σwとヤング率Eとの比σw/E=εを疲労許容歪とし、さらにこの疲労許容歪εと疲労破壊限界にある比較材料としてステンレス鋼材の疲労許容歪εaとの比ε/εa=S・Fを安全率とし、該安全率S・Fが1以上になる材料を選定して、この材料によって前記薄板状弁体を製造することを特徴とする薄板状弁体の製造方法
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