JP4112686B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
【0002】
本発明は、半導体装置および半導体表示装置に関する。特に、画素と駆動回路およびメモリなどの周辺回路が、SOI(Silicon On Insulator)技術を用いて絶縁基板上に一体形成された半導体表示装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
最近安価なガラス基板上に半導体薄膜を形成した半導体装置、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を作製する技術が急速に発達してきている。その理由は、アクティブマトリクス型液晶表示装置(液晶パネル)の需要が高まってきたことによる。
【0005】
アクティブマトリクス型液晶パネルは、マトリクス状に配置された数十〜数百万個もの画素領域にそれぞれTFTが配置され、各画素電極に出入りする電荷をTFTのスイッチング機能により制御するものである。
【0006】
従来のアクティブマトリックス型液晶表示装置を図14に示す。従来のアクティブマトリックス型液晶表示装置は、図14に示すようにソース線側ドライバ1401と、ゲート線側ドライバ1402と、マトリクス状に配置された複数の画素TFT1403と、画像信号線1404とを有している。
【0007】
ソース線側ドライバおよびゲイト線側ドライバは、シフトレジスタやバッファ回路などを含み、近年アクティブマトリクス回路と同一基板上に一体形成される。
【0008】
アクティブマトリクス回路には、ガラス基板上に形成されたアモルファスシリコンを利用した薄膜トランジスタが配置されている。
【0009】
また、基板として石英を利用し、多結晶珪素膜でもって薄膜トランジスタを作製する構成も知られている。この場合、周辺駆動回路もアクティブマトリクス回路も石英基板上に形成される薄膜トランジスタでもって構成される。
【0010】
また、レーザーアニール等の技術を利用することにより、ガラス基板上に結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタを作製する技術も知られている。この技術を利用すると、ガラス基板にアクティブマトリクス回路と周辺駆動回路とを集積化することができる。
【0011】
図14に示すような構成においては、ソース線側ドライバのシフトレジスタ回路(水平走査用のシフトレジスタ)からの信号により、画像信号線1404に供給される画像信号が選択される。そして対応するソース信号線に所定の画像信号が供給される。
【0012】
ソース信号線に供給された画像信号は、画素の薄膜トランジスタにより選択され、所定の画素電極に書き込まれる。
【0013】
画素の薄膜トランジスタは、ゲイト線側ドライバのシフトレジスタ(垂直走査用のシフトレジスタ)からゲイト信号線を介して供給される選択信号により動作する。
【0014】
この動作をソース線側ドライバのシフトレジスタからの信号と、ゲイト線側ドライバのシフトレジスタからの信号とにより、適当なタイミング設定で順次繰り返し行うことによって、マトリクス状に配置された各画素に順次情報が書き込まれる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
近年、アクティブマトリクス型液晶表示装置がノート型のパーソナルコンピュータに多用されてきている。パーソナルコンピュータにおいては、複数のソフトウエアを同時に起動したり、デジタルカメラからの映像を取り込んで加工したりと、多階調の液晶表示装置が要求されている。
【0017】
また、ハイビジョン信号などのテレビ信号を写すことができる、大画面に対応した液晶プロジェクタの需要が高まってきている。この場合も、階調表示をいかに細かくできるかが提供される画像の良否にかかっている。
【0018】
このように、高画質な映像を提供するためには、階調表示がどこまで細かくできるかが重要となる。階調表示の方法としては、ソース線にビデオ信号やテレビジョン信号などのアナログ信号を供給する場合(アナログ階調)と、パーソナルコンピュータなどからのデータ信号などのデジタル信号を供給する場合(デジタル階調)とがある。
【0019】
アナログ階調では、上述したようにソースドライバからの信号により、画像信号線に供給されるアナログ画像信号が順次選択され、対応するソース線に所定の画像信号が供給される。
【0020】
デジタル階調では、画像信号線に供給されるデジタル信号が順次選択され、D/A変換された後、対応するソース線に所定の画像信号が供給される。
【0021】
液晶表示装置の場合、いずれの階調表示を用いる場合でも、液晶に印加する電圧(V)と透過光強度との間には、図15の点線で示されるような関係がある。ただし、液晶表示装置は、TN(ツイストネマチック)モードで電圧が印加されていない時に明状態となるノーマリホワイトモードを用いているものとする。
【0022】
図15からもわかるように液晶に印加される電圧と透過光強度との間には、非線型の関係があり、印加する電圧に応じた階調表示を行うことが難しい。
【0023】
上記のことを補うために、ガンマ補正という手段が取られている。ガンマ補正とは、画像信号をゲインさせ、印加電圧に応じて、透過光強度が線形的に変化するように補正するものであり、良好な階調表示を得屡ことができる。ガンマ補正を施した場合の、印加電圧と透過光強度との関係は図15の実線で示される。
【0024】
しかし、画像信号にガンマ補正を施すには、別途IC回路が必要であり、液晶パネルの外部に回路を設けなければならない。よって、商品の小型化が事実上不可能であった。
【0025】
そこで本発明は、上記の事情を鑑みて、良好な階調表示を行える、小型化が可能な半導体表示装置、特に液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明のある実施態様によると、半導体装置であって、供給される信号をガンマ補正するための制御回路と、前記ガンマ補正するためのデータを記憶するメモリと、を備えており、
前記制御回路および前記メモリは、TFTによって構成され、かつ同一絶縁基板上に一体形成される半導体装置が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0028】
前記メモリは、不揮発性メモリであってもよい。
【0029】
前記不揮発性メモリは、複数のFAMOS型TFTを含んでいてもよい。
【0030】
前記信号はデジタル信号であってもよい。
【0031】
前記信号はアナログ信号であり、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路をさらに備えていてもよい。
【0032】
また、本発明のある実施態様によると、複数のTFTがマトリクス状に配置された画素領域と、 前記複数のTFTをスイッチングするドライバと、
画像信号を供給する画像信号供給源と、
前記画像信号をガンマ補正する制御回路と、
前記画像信号をガンマ補正するためのデータを記憶するメモリと、
を備えた半導体表示装置であって、
前記複数のTFTと、前記ドライバと、制御回路と、前記メモリとは、同一絶縁基板上に一体形成される半導体表示装置が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0033】
前記メモリは、不揮発性メモリであってもよい。
【0034】
前記不揮発性メモリは、複数のFAMOS型TFTを含んでいてもよい。
【0035】
前記画像信号はデジタル信号であってもよい。
【0036】
前記画像信号はアナログ信号であり、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路をさらに備えていてもよい。
【0037】
前記TFTの活性層の厚さは、10乃至100nmであってもよい。
【0038】
また、本発明のある実施態様によると、複数のTFTがマトリクス状に配置された画素領域と、 前記複数のTFTをスイッチングするドライバと、
デジタル画像信号を供給するデジタル画像信号供給源と、
前記デジタル画像信号をアナログ信号に変換する変換回路と、
前記デジタル画像信号をガンマ補正する制御回路と、
前記デジタル画像信号をガンマ補正するためのデータを記憶するメモリと
を備えた半導体表示装置であって、
前記変換回路は、異なる電圧を前記複数のTFTのソース線に供給する複数の電圧線を有しており、前記複数のTFTと、前記ドライバと、制御回路と、前記メモリとは、同一絶縁基板上に一体形成される半導体表示装置が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0039】
前記メモリは、不揮発性メモリであってもよい。
【0040】
前記メモリは、複数のFAMOS型TFTを含んでいてもよい。
【0041】
前記複数のTFTの活性層の厚さは、10乃至100nmであってもよい。
【0042】
【発明の実施の形態】
【0043】
【実施例】
【0044】
(実施例1)
【0045】
本実施例では、ガンマ補正制御回路およびガンマ補正データを記憶するメモリをSOI(Slicon On Insulator)技術を用いて絶縁基板上に一体形成した半導体表示装置について説明する。半導体表示装置の中でも、液晶表示装置について説明する。
【0046】
図1を参照する。図1は、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略構成図である。101はアナログ画像信号供給源であり、ビデオ信号やテレビジョン信号などのアナログ画像信号を供給する。102はA/D変換回路であり、アナログ画像信号供給源101から供給されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。103はデジタル画像信号供給源であり、コンピュータなどからのデジタル画像信号を供給する。なお本実施例では、アナログ画像信号供給源101あるいはデジタル画像信号供給源103から画像信号が供給されるものとする。必要に応じて、アナログ画像信号供給源101あるいはデジタル画像信号供給源103から画像信号が供給されるようなスイッチを設けてもよい。
【0047】
104はガンマ補正制御回路であり、105は4kビットメモリである。ガンマ補正制御回路は、メモリ105に記憶されているガンマ補正データに基づいてA/D変換回路102あるいはデジタル画像信号供給源から供給されるデジタル画像信号をガンマ補正し、ソース信号線側ドライバ106に送出する。なお、本実施例では、メモリ105に4kビットのメモリを用いたが、メモリ105の記憶容量はこれ限ることはない。メモリ105には、4kビット以下あるいは以上の記憶容量を有するメモリが用いられてもよい。
【0048】
ソース信号線側ドライバ106は、シフトレジスタ、バッファ、デジタルデコーダ、およびD/Aコンバータなどによって構成される。ゲイト信号線側ドライバ107は、シフトレジスタおよびバッファなどによって構成される。なお、ソース信号線ドライバ106およびゲイト信号線ドライバ107には、必要に応じてその他の回路が設けられる。
【0049】
108は画素領域であり、マトリクス状に配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)によって構成される。108を画素マトリクス回路とも呼ぶ。本実施例では、画素の数は縦1024×横768とした。なお、本実施例では、上記の画素数を有する液晶表示装置について説明するが、本発明は上記の画素数を有する液晶表示装置に限定されるわけではない。
【0050】
本実施例の液晶表示装置は、画素領域108、ソース信号線側ドライバ106、ゲイト信号線側ドライバ107、ガンマ補正制御回路104、およびメモリ105のいずれもがTFTによって構成され、基板上に一体形成される。また、A/D変換回路102は、ICチップとして基板上に搭載されてもよいし、TFTによって基板上に一体形成されてもよい。また、その他の周辺回路もTFTによって基板上に一体形成され得る。さらに、その他の周辺回路は、ICチップとして基板上に搭載されてもよい。
【0051】
次に本実施例の液晶表示装置の動作について説明する。図2を参照する。図2には、本実施例のメモリ105の概略構成図が示される。本実施例のメモリ105は、複数のメモリ素子とXおよびYアドレスデコーダ201、202によって構成される。図2に示されるように、各ビット情報が記録される記憶素子(メモリ素子)は、2個のTFTによって構成され、1つはフローティングゲイトを有するPチャネルFAMOS(Floating gate Avalancheinjection MOS)型不揮発性記憶素子Tr1であり、もう一つはNチャネルスイッチング素子Tr2である。2個のTFTTr1およびTr2は、ドレイン電極が互いに直列に接続されており、この直列接続回路によって1ビットの記憶素子を構成する。この記憶素子が縦64個×横64個マトリクス状に配列されている。各記憶素子は1ビットの情報を記憶することができるので、本実施例ではメモリ105は、4096ビット(=約4kビット)の記憶容量を有する。
【0052】
各列に配置されている記憶素子は、A0、B0〜A63、B63によって構成される信号線に、その両端が接続されている。また、各行に配列されている記憶素子は、信号線C0、D0〜C63〜D63に各記憶素子のゲイト電極が接続されている。なお図2に示されるように、本実施例では、メモリ105を構成する記憶素子に、(0、0)、(1、0)、(63、63)といった符号が付けられている。
【0053】
各信号線A0、B0〜A63、B63、およびC0、D0〜C63〜D63は、それぞれXアドレスデコーダ201、およびYアドレスデコーダ202に接続されている。このXアドレスデコーダ201およびYアドレスデコーダ202によって、記憶素子のアドレスが指定され、データの書き込みあるいは読み出しが行われる。
【0054】
次に、メモリ105の動作について、記憶素子(1、1)を例にとって説明する。
【0055】
まず、記憶素子(1、1)にデータを書き込む場合、信号線C1には50Vの高電圧が印加される。また、信号線D1にも5Vの電圧が印加される。そこで信号線B1をGNDにおとし、A1に−5Vの電圧を印加すると、Tr1のフローティングゲイトに電荷が貯蓄される。
【0056】
次に、記憶素子(1、1)からデータを読み出す場合、信号線C1には0Vが印加され、D1には5Vが印加される。そしてB1をGNDにおとすと、記憶されていた信号がA1から読み出される。
【0057】
以上の動作を下の表にまとめる。
【0058】
【表1】
Figure 0004112686
【0059】
なお、記憶素子に記憶されている記憶内容は、X線、紫外線、あるいは電子線などをメモリ105に照射することによって消去できる。
【0060】
メモリ105には、デジタル画像信号にガンマ補正する為のデータが記憶されている。これは、液晶表示装置固有のデータであり、生産時にメモリ105に書き込まれる。
【0061】
次に図3を参照する。図3は、本実施例の液晶表示装置のソース信号線側ドライバ、ゲイト信号線側ドライバ、および画素領域を示したものである。301はソース信号線側シフトレジスタであり、302はソース信号線側ドライバに入力されるデジタル信号を供給するための信号線である。本実施例では、16階調の表示を行うために、この信号線302は4ビットのデータを扱えるようになっている。303はラッチ回路であり、信号線302に供給される信号をソース信号線側シフトレジスタ301の信号により選択し、一時的に記憶しておく回路である。304はスイッチング回路であり、ラッチ回路303から供給される信号に従って、階調電圧線305のDC1〜DC16のうちいずれかの電圧線を選択し、ソース信号線307に供給する。なお、1行に対応する画像情報がラッチ回路303群に記憶されたら、ラッチ回路303群に記憶された画像情報は一斉にスイッチング回路304に送出される。
【0062】
ソース信号線に供給された所定の階調に対応した信号電圧と、ゲイト信号線側シフトレジスタ306からの信号と、によって対応する画素TFT308が選択される。このようにして各画素に所定の階調に対応した画像情報が書き込まれる。
【0063】
次に、本実施例の液晶表示装置の作製工程について説明する。
【0064】
本実施例では絶縁表面を有する基板上に複数のTFTを形成し、画素領域のマトリクス回路とドライバ回路を含む周辺回路とをモノリシックに構成する例を図4〜図7に示す。なお、本実施例では、ガンマ補正データを記憶するフローティングゲイトを有するPチャネルFAMOS回路とそのスイッチング素子、および画素TFTについて説明する。なお、ドライバ等の周辺回路に代表的に用いられるCMOS回路も同様に作製され得る。なお、本実施例では、Pチャンネル型とNチャンネル型とがそれぞれ1つのゲイト電極を備えた回路について、その作製工程を説明するが、ダブルゲイト型のような複数のゲイト電極を備えた回路も同様に作製することができる。
【0065】
図4を参照する。まず、絶縁表面を有する基板として石英基板401を準備する。石英基板の代わりに熱酸化膜を形成したシリコン基板を用いることもできる。また、石英基板上に一旦非晶質珪素膜を形成し、それを完全に熱酸化して絶縁膜とする様な方法をとっても良い。さらに、絶縁膜として窒化珪素膜を形成した石英基板、セラミックス基板を用いても良い。
【0066】
402は非晶質珪素膜であり、最終的な膜厚(熱酸化後の膜減りを考慮した膜厚)が10〜100nm(好ましくは15〜45nm)となる様に調節する。なお、成膜に際して膜中の不純物濃度の管理を徹底的に行うことは重要である。
【0067】
本実施例の場合、非晶質珪素膜402中において代表的な不純物であるC(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、S(硫黄)の濃度はいずれも5×1018atoms/cm3 未満(好ましくは 1×1018atoms/cm3 以下)となる様に管理している。各不純物がこれ以上の濃度で存在すると、結晶化の際に悪影響を及ぼし、結晶化後の膜質を低下させる原因となりうる。
【0068】
なお、非晶質珪素膜402中の水素濃度も非常に重要なパラメータであり、水素含有量を低く抑えた方が結晶性の良い膜が得られる様である。そのため、非晶質珪素膜402の成膜は減圧熱CVD法であることが好ましい。なお、成膜条件を最適化することでプラズマCVD法を用いることも可能である。
【0069】
次に、非晶質珪素膜402の結晶化工程を行う。結晶化の手段としては特開平7−130652号公報記載の技術を用いる。同公報の実施例1および実施例2のどちらの手段でも良いが、本実施例では、同広報の実施例2に記載した技術内容(特開平8−78329号公報に詳しい)を利用するのが好ましい。
【0070】
特開平8−78329号公報記載の技術は、まず触媒元素の添加領域を選択するマスク絶縁膜403を形成する。マスク絶縁膜403は触媒元素を添加するために複数箇所の開口部を有している。この開口部の位置によって結晶領域の位置を決定することができる。
【0071】
そして、非晶質珪素膜の結晶化を助長する触媒元素としてニッケル(Ni)を含有した溶液をスピンコート法により塗布し、Ni含有層404を形成する。なお、触媒元素としてはニッケル以外にも、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)等を用いることができる(図4(A))。
【0072】
また、上記触媒元素の添加工程は、レジストマスクを利用したイオン注入法またはプラズマドーピング法を用いることもできる。この場合、添加領域の占有面積の低減、横成長領域の成長距離の制御が容易となるので、微細化した回路を構成する際に有効な技術となる。
【0073】
次に、触媒元素の添加工程が終了したら、450℃で1時間程度の水素出しの後、不活性雰囲気、水素雰囲気または酸素雰囲気中において500〜700℃(代表的には550〜650℃)の温度で4〜24時間の加熱処理を加えて非晶質珪素膜802の結晶化を行う。本実施例では窒素雰囲気で570℃で14時間の加熱処理を行う。
【0074】
この時、非晶質珪素膜402の結晶化はニッケルを添加した領域405および406で発生した核から優先的に進行し、基板401の基板面に対してほぼ平行に成長した結晶領域407および408が形成される。この結晶領域407および408を横成長領域と呼ぶ。横成長領域は比較的揃った状態で個々の結晶が集合しているため、全体的な結晶性に優れるという利点がある(図4(B))。
【0075】
なお、上述の特開平7−130652号公報の実施例1に記載された技術を用いた場合も微視的には横成長領域と呼びうる領域が形成されている。しかしながら、核発生が面内において不均一に起こるので結晶粒界の制御性の面で難がある。
【0076】
結晶化のための加熱処理が終了したら、マスク絶縁膜403を除去してパターニングを行い、横成長領域407および408でなる島状半導体層(活性層)409、410、および411を形成する(図4(C))。
【0077】
ここで409はCMOS回路を構成するP型TFTの活性層、410は記憶素子のCMOS回路を構成するN型TFTの活性層、411は画素マトリクス回路を構成するN型TFT(画素TFT)の活性層である。
【0078】
活性層409、410、および411を形成したら、その上に珪素を含む絶縁膜でなるゲイト絶縁膜412を成膜する。
【0079】
そして、次に図4(D)に示す様に触媒元素(ニッケル)を除去または低減するための加熱処理(触媒元素のゲッタリングプロセス)を行う。この加熱処理は処理雰囲気中にハロゲン元素を含ませ、ハロゲン元素による金属元素のゲッタリング効果を利用するものである。
【0080】
なお、ハロゲン元素によるゲッタリング効果を十分に得るためには、上記加熱処理を700℃を超える温度で行なうことが好ましい。この温度以下では処理雰囲気中のハロゲン化合物の分解が困難となり、ゲッタリング効果が得られなくなる恐れがある。
【0081】
そのため本実施例ではこの加熱処理を700℃を超える温度で行い、好ましくは800〜1000℃(代表的には950℃)とし、処理時間は0.1〜6hr、代表的には0.5〜1hrとする。
【0082】
なお、本実施例では酸素雰囲気中に対して塩化水素(HCl)を0.5〜10体積%(本実施例では3体積%)の濃度で含有させた雰囲気中において、950℃で、30分の加熱処理を行う例を示す。HCl濃度を上記濃度以上とすると、活性層409、410、および411の表面に膜厚程度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
【0083】
また、ハロゲン元素を含む化合物してHClガスを用いる例を示したが、それ以外のガスとして、代表的にはHF、NF3 、HBr、Cl2 、ClF3
、BCl3、F2、Br2等のハロゲンを含む化合物から選ばれた一種または複数種のものを用いることが出来る。
【0084】
この工程においては活性層409、410、および411中のニッケルが塩素の作用によりゲッタリングされ、揮発性の塩化ニッケルとなって大気中へ離脱して除去されると考えられる。そして、この工程により活性層409、410、および411中のニッケルの濃度は5×1017atoms/cm3 以下にまで低減される。
【0085】
なお、5×1017atoms/cm3 という値はSIMS(質量二次イオン分析)の検出下限である。本発明者らが試作したTFTを解析した結果、1×1018atoms/cm3 以下(好ましくは 5×1017atoms/cm3 以下)ではTFT特性に対するニッケルの影響は確認されなかった。ただし、本明細書中における不純物濃度は、SIMS分析の測定結果の最小値でもって定義される。
【0086】
また、上記加熱処理により活性層409、410、および411とゲイト絶縁膜412の界面では熱酸化反応が進行し、熱酸化膜の分だけゲイト絶縁膜412の膜厚は増加する。この様にして熱酸化膜を形成すると、非常に界面準位の少ない半導体/絶縁膜界面を得ることができる。また、活性層端部における熱酸化膜の形成不良(エッジシニング)を防ぐ効果もある。
【0087】
さらに、上記ハロゲン雰囲気における加熱処理を施した後に、窒素雰囲気中で950℃で1時間程度の加熱処理を行なうことで、ゲイト絶縁膜412の膜質の向上を図ることも有効である。
【0088】
なお、SIMS分析により活性層409、410、および411中にはゲッタリング処理に使用したハロゲン元素が、1×1015atoms/cm3 〜1×1020atoms/cm3 の濃度で残存することも確認されている。また、その際、活性層409、410、および411と加熱処理によって形成される熱酸化膜との間に前述のハロゲン元素が高濃度に分布することがSIMS分析によって確かめられている。
【0089】
また、他の元素についてもSIMS分析を行った結果、代表的な不純物であるC(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、S(硫黄)はいずれも5×1018atoms/cm3 未満(典型的には1×1018atoms/cm3 以下)であることが確認された。
【0090】
次に、図5を参照する。図示しないアルミニウムを主成分とする金属膜を成膜し、パターニングによって後のゲイト電極の原型413、414、および415を形成する。本実施例では2wt%のスカンジウムを含有したアルミニウム膜を用いる(図5(A))。なお、後に413はPチャネルFAMOS型TFTのフローティングゲイトとなる。
【0091】
次に、特開平7−135318号公報記載の技術により多孔性の陽極酸化膜416、417、および418、無孔性の陽極酸化膜419、420、および421、ゲイト電極422、423、および424を形成する(図5(B))。
【0092】
こうして図5(B)の状態が得られたら、次にゲイト電極422、423、および424、多孔性の陽極酸化膜416、417、および418をマスクとしてゲイト絶縁膜412をエッチングする。そして、多孔性の陽極酸化膜416、417、および418を除去して図5(C)の状態を得る。なお、図4(C)において425、426、および427で示されるのは加工後のゲイト絶縁膜である。
【0093】
次に、ゲイト電極を分断し、フローティングゲイトを作製する。
【0094】
次に図6を参照する。図6に示す工程では、一導電性を付与する不純物元素の添加を行う。不純物元素としてはN型ならばP(リン)またはAs(砒素)、P型ならばB(ボロン)を用いれば良い。
【0095】
本実施例では、不純物添加を2回の工程に分けて行う。まず、1回目の不純物添加(本実施例ではP(リン)を用いる)を高加速電圧80keV程度で行い、 n−領域を形成する。このn−領域は、Pイオン濃度が1×1018atoms/cm3 〜1×1019atoms/cm3 となるように調節する。
【0096】
さらに、2回目の不純物添加を低加速電圧10ke V程度で行い、 n+領域を形成する。この時は、 加速電圧が低いので、 ゲイト絶縁膜がマスクとして機能する。また、このn+領域は、シート抵抗が500Ω以下(好ましくは300Ω以下)となるように調節する。
【0097】
以上の工程を経て、CMOS回路を構成するN型TFTのソース領域428、ドレイン領域429、低濃度不純物領域430、チャネル形成領域431が形成される。また、画素TFTを構成するN型TFTのソース領域432、ドレイン領域433、低濃度不純物領域434、チャネル形成領域435が確定する(図6(A))。
【0098】
なお、図6(A)に示す状態ではCMOS回路を構成するP型TFTの活性層もN型TFTの活性層と同じ構成となっている。
【0099】
次に、図6(B)に示すように、N型TFTを覆ってレジストマスク436を設け、P型を付与する不純物イオン(本実施例ではボロンを用いる)の添加を行う。
【0100】
この工程も前述の不純物添加工程と同様に2回に分けて行うが、N型をP型に反転させる必要があるため、前述のPイオンの添加濃度の数倍程度の濃度のB(ボロン)イオンを添加する。
【0101】
こうしてCMOS回路を構成するP型TFTのソース領域437、ドレイン領域438、低濃度不純物領域439、チャネル形成領域440が形成される(図6(B))。
【0102】
以上の様にして活性層が完成したら、ファーネスアニール、レーザーアニール、ランプアニール等の組み合わせによって不純物イオンの活性化を行う。それと同時に添加工程で受けた活性層の損傷も修復される。
【0103】
次に、層間絶縁膜441として酸化珪素膜と窒化珪素膜との積層膜を形成した(図6(C))。次に、層間絶縁膜441にコンタクトホールを形成した後、ソース電極442、443、および444、ドレイン電極445、446、およびゲイト電極447を形成して図6(D)に示す状態を得る。
【0104】
次に図7を参照する。次に、有機性樹脂膜でなる第2の層間絶縁膜448を0.5〜3μmの厚さに形成する(図7(A))。この有機性樹脂膜としてはポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミドなどが用いられ得る。この第2の層間絶縁膜448に有機性樹脂膜を用いることの利点は、▲1▼成膜方法が簡単であること、▲2▼膜厚を容易に厚くできること、▲3▼比誘電率が低いので寄生容量を低減できること、▲4▼平坦性に優れていること、などが挙げられる。
【0105】
次に、10〜50nmの厚さの窒化珪素膜450、ブラックマスク449を形成する(図7(A))。
【0106】
次に、酸化珪素膜、窒化珪素膜、有機性樹脂膜のいずれかあるいはこれらの積層膜からなる第3の層間絶縁膜450を0.1〜0.3μmの厚さに形成する。そして、層間絶縁膜450にコンタクトホールを形成し、成膜した導電膜をパターニングすることにより画素電極451を形成する。本実施例は透過型の例であるため画素電極451を構成する導電膜としてITO等の透明導電膜を用いる。
【0107】
図7(A)の構成では、層間絶縁膜450をを介して、画素電極451とブラックマスク449とが重畳する領域で補助容量が形成する。
【0108】
なお、図7(A)に示すような構成では、広い面積を占めやすい補助容量をTFTの上に形成することで開口率の低下を防ぐことが可能である。また、誘電率の高い窒化珪素膜を25nm程度の厚さで用いると、少ない面積で非常に大きな容量を確保することが可能である。
【0109】
次に、基板全体を350℃の水素雰囲気で1〜2時間加熱し、素子全体の水素化を行うことで膜中(特に活性層中)のダングリングボンド(不対結合手)を補償する。以上の工程を経て同一基板上にCMOS回路および画素マトリクス回路を作製することができる。
【0110】
次に、図7(B)に示すように、上記の工程によって作製されたアクティブマトリクス基板をもとに、液晶パネルを作製する工程を説明する。
【0111】
図7(A)の状態のアクティブマトリクス基板に配向膜452を形成する。本実施例では、配向膜452には、ポリイミドを用いた。次に、対向基板を用意する。対向基板は、ガラス基板453、透明導電膜454、配向膜455とで構成される。
【0112】
なお、本実施例では、配向膜には、液晶分子が基板に対して垂直に配向するようなポリイミド膜を用いた。なお、配向膜形成後、ラビング処理を施すことにより、液晶分子がある一定のプレチルト角を持って垂直配向するようにした。
【0113】
なお、対向基板には必要に応じてブラックマスクやカラーフィルタなどが形成されるが、ここでは省略する。
【0114】
次に、 上記の工程を経たアクティブマトリクス基板と対向基板とを公知のセル組み工程によって、シール材やスペーサ(図示せず)などを介して貼り合わせる。その後、両基板の間に液晶材料456を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。よって、図7(B)に示すような透過型の液晶パネルが完成する。
【0115】
なお、本実施例では、液晶パネルが、TNモードによって表示を行うようにした。そのため、1対の偏光板(図示せず)がクロスニコル(1対の偏光板が、それぞれの偏光軸を直交させるような状態)で、液晶パネルを挟持するように配置された。
【0116】
よって、本実施例では、液晶パネルに電圧が印加されていないとき明状態となる、ノーマリホワイトモードで表示を行うことが理解される。
【0117】
また、図7(A)に示した様なアクティブマトリクス基板の外観を図8に簡略化して示す。図8において、801は石英基板、802は画素マトリクス回路、803はソース信号線側ドライバ回路、804はゲイト信号線側ドライバ回路、805はガンマ補正制御回路、およびガンマ補正データを記憶するメモリを含むロジック回路である。
【0118】
ロジック回路805は広義的にはTFTで構成される論理回路全てを含むが、ここでは従来から画素マトリクス回路、ドライバ回路と呼ばれている回路と区別するため、それ以外の信号処理回路を指す。
【0119】
図16にFAMOS型TFTを含む記憶素子、画素TFT、ロジック回路が、同一基板上に一体形成されている様子を示す。
【0120】
また、メモリに用いられているFAMOS型TFTのフローティングゲイトにSiを用いた場合にも、メモリは周辺回路やロジック回路と同一構造を有し、本発明が適用できる。
【0121】
また、本実施例では、FAMOS型のTFTを含むメモリを用いる場合について説明したが、メモリに他の型のTFTを用いてもよい。
【0122】
また、こうして形成された液晶パネルには外部端子としてFPC(Flexible Print Circuit)端子が取り付けられる。一般的に液晶モジュールと呼ばれるのはFPCを取り付けた状態の液晶パネルである。
【0123】
次に、図9(A)に本実施例のメモリ105の回路図の一例を示す。図9(A)には、Tr1〜Tr8のTFTによって構成される4個の記憶素子の回路が示される。また、図9(B)には、図9(A)の一点鎖線A−A’の断面図を示す。さらに、図9(C)には、図9(A)の等価回路が示される。
【0124】
図9(A)において、901〜908は半導体層であり、TFTTr1〜Tr8を構成している。909〜912は第1の配線層であり、Tr2、Tr4、Tr6、およびTr8のゲイト電極、ゲイト信号線の配線として利用している。なお、Tr1、Tr3、Tr5、およびTr7のフローティングゲイト電極913〜916は、第1の配線層と同時に形成され、パターンニングされたのちにフローティングの状態となる。また、917〜924は第2の配線層であり、Tr1とTr2、Tr3とTr4、Tr5とTr6、およびTr7とTr8のソース・ドレイン領域をそれぞれ接続したり、各Trのソース・ドレイン領域に接続される信号線として用いられてる。また、図中において、925で示したように黒く塗りつぶされている部分は、その下部の配線あるいは半導体層とコンタクトをとっていることを示している。なお、図中において同一柄の配線は全て同一の配線層である。
【0125】
図17は、図9の構成のメモリと他のロジック回路の代表的な回路であるCMOS回路とが一体形成されている様子を示す図である。1701はFAMOS型TFTのフローティングゲイトであり、1702はコントロールゲイトである。
【0126】
このように本実施例では、ガンマ補正制御回路とガンマ補正データを記憶するメモリとが基板上に一体形成されている。よって、液晶表示装置の小型化をはかることができる。
【0127】
ここで、本実施例の作製方法によって作製され半導体薄膜について説明する。本実施例の作製方法によると、非晶質珪素膜を結晶化させて、本出願人が「連続粒界結晶シリコン(いわゆるContinuous Grain Silicon:CGS)」と呼ぶ結晶シリコン膜を得ることができる。
【0128】
本実施例の作製方法によって得られた半導体薄膜の横成長領域は棒状または偏平棒状結晶の集合体からなる特異な結晶構造を示す。以下にその特徴について示す。
【0129】
〔活性層の結晶構造に関する知見〕
【0130】
本実施例の作製工程に従って形成した横成長領域は、微視的に見れば複数の棒状(または偏平棒状)結晶が互いに概略平行に特定方向への規則性をもって並んだ結晶構造を有する。このことはTEM(透過型電子顕微鏡法)による観察で容易に確認することができる。
【0131】
また、本発明者らは本実施例の作製方法によって得られた半導体薄膜の結晶粒界をHR−TEM(高分解能透過型電子顕微鏡法)を用いて800万倍に拡大し、詳細に観察した(図19(A))。ただし、本明細書中において結晶粒界とは、断りがない限り異なる棒状結晶同士が接した境界に形成される粒界を指すものと定義する。従って、例えば別々の横成長領域がぶつかりあって形成される様なマクロな意味あいでの粒界とは区別して考える。
【0132】
ところで前述のHR−TEM(高分解能透過型電子顕微鏡法)とは、試料に対して垂直に電子線を照射し、透過電子や弾性散乱電子の干渉を利用して原子・分子配列を評価する手法である。同手法を用いることで結晶格子の配列状態を格子縞として観察することが可能である。従って、結晶粒界を観察することで、結晶粒界における原子同士の結合状態を推測することができる。
【0133】
本出願人らが得たTEM写真(図19(A))では異なる二つの結晶粒(棒状結晶粒)が結晶粒界で接した状態が明瞭に観察された。また、この時、二つの結晶粒は結晶軸に多少のずれが含まれているものの概略{110}配向であることが電子線回折により確認されている。
【0134】
ところで、前述の様なTEM写真による格子縞観察では{110}面内に{111}面に対応する格子縞が観察された。なお、{111}面に対応する格子縞とは、その格子縞に沿って結晶粒を切断した場合に断面に{111}面が現れる様な格子縞を指している。格子縞がどの様な面に対応するかは、簡易的には格子縞間の距離により確認できる。
【0135】
この時、本出願人らは本実施例の作製方法によって得られた半導体薄膜のTEM写真を詳細に観察した結果、非常に興味深い知見を得た。写真に見える異なる二つの結晶粒ではどちらにも{111}面に対応する格子縞が見えていた。そして、互いの格子縞が明らかに平行に走っているのが観察されたのである。
【0136】
さらに、結晶粒界の存在と関係なく、結晶粒界を横切る様にして異なる二つの結晶粒の格子縞が繋がっていた。即ち、結晶粒界を横切る様にして観測される格子縞の殆どが、異なる結晶粒の格子縞であるにも拘らず直線的に連続していることが確認できた。これは任意の結晶粒界で同様であり、全体の90%以上(典型的には95%以上)の格子縞が結晶粒界で連続性を保っている。
【0137】
この様な結晶構造(正確には結晶粒界の構造)は、結晶粒界において異なる二つの結晶粒が極めて整合性よく接合していることを示している。即ち、結晶粒界において結晶格子が連続的に連なり、結晶欠陥等に起因するトラップ準位を非常に作りにくい構成となっている。換言すれば、結晶粒界において結晶格子に連続性があるとも言える。
【0138】
なお、図19(B)に、本出願人らはリファレンスとして従来の多結晶珪素膜(いわゆる高温ポリシリコン膜)についても電子線回折およびHR−TEM観察による解析を行った。その結果、異なる二つの結晶粒において互いの格子縞は全くバラバラに走っており、結晶粒界で整合性よく連続する様な接合は殆どなかった。即ち、結晶粒界では格子縞が途切れた部分が多く、結晶欠陥が多いことが判明した。このような部分では、未結合手が存在することになり、トラップ準位としてキャリアの移動を阻害する可能性が高い。
【0139】
本出願人らは、上述した実施1〜4の作製方法で得られる半導体薄膜の様に格子縞が整合性良く対応した場合の原子の結合状態を整合結合と呼び、その時の結合手を整合結合手と呼ぶ。また、逆に従来の多結晶珪素膜に多く見られる様に格子縞が整合性良く対応しない場合の原子の結合状態を不整合結合と呼び、その時の結合手を不整合結合手(又は不対結合手)と呼ぶ。
【0140】
本願発明で利用する半導体薄膜は結晶粒界における整合性が極めて優れているため、上述の不整合結合手が極めて少ない。本発明者らが任意の複数の結晶粒界について調べた結果、全体の結合手に対する不整合結合手の存在割合は10%以下(好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下)であった。即ち、全体の結合手の90%以上(好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上)が整合結合手によって構成されているのである。
【0141】
また、本実施例の作製方法に従って作製した横成長領域を電子線回折で観察した結果を図20(A)に示す。なお、図20(B)は比較のために観察した従来のポリシリコン膜(高温ポリシリコン膜と呼ばれるもの)の電子線回折パターンである。
【0142】
なお、図20(A)および図20(B)は電子線の照射スポットの径を1.35μmとして測定を行っているため、格子縞レベルに比べて十分マクロな領域の情報を拾っていると考えてよい。
【0143】
また、図20(C)は単結晶シリコンの{110}面に垂直に電子線を照射した場合の電子線回折パターンである。通常、この様な電子線回折パターンと観測結果とを見比べ、観察試料の配向性が何であるかを推測する。
【0144】
図20(A)の場合、図20(C)に示す様な〈110〉入射に対応する回折斑点が比較的きれいに現れており、結晶軸が〈110〉軸である(結晶面が{110}面である)ことが確認できる。
【0145】
なお、各斑点は同心円状の広がりを僅かにもっているが、これは結晶軸まわりにある程度の回転角度の分布をもつためと予想される。その広がりの程度はパターンから見積もっても5°以内である。
【0146】
また、多数観測するうちには回折斑点が部分的に見えない場合があった(図20(A)でも一部分の回折斑点が見えない)。おそらくは概略{110}配向であるものの、わずかに結晶軸がずれているために回折パターンが見えなくなっているものと思われる。
【0147】
本出願人らは、結晶面内に殆ど必ず{111}面が含まれるという事実を踏まえ、おそらく〈111〉軸まわりの回転角のずれがその様な現象の原因であろうと推測している。
【0148】
一方、図20(B)に示す電子線回折パターンの場合、回折斑点には明瞭な規則性が見られず、ほぼランダムに配向していることが確認できる。即ち、{110}面以外の面方位の結晶が不規則に混在すると予想される。
【0149】
これらの結果が示す様に、本願発明の結晶性珪素膜の特徴は殆ど全ての結晶粒が概略{110}面に配向しており、かつ、結晶粒界において格子に連続性を有することにある。この特徴は、従来のポリシリコン膜にはないものである。
【0150】
以上の様に、本実施例の作製工程で作製された半導体薄膜は従来の半導体薄膜とは全く異なる結晶構造(正確には結晶粒界の構造)を有する半導体薄膜であった。本発明者らは本願発明で利用する半導体薄膜について解析した結果を特願平9-55633 号、同9-165216号、同9-212428号でも説明している。
【0151】
なお、本出願人らは特開平7-321339号公報に記載した手法に従ってX線回折を行い、上述の作製方法の結晶性珪素膜について配向比率を算出した。同公報では下記数2に示す様な算出方法で配向比率を定義している。
【0152】
【数2】
【0153】
ここで上述の半導体薄膜の配向性をX線回折で測定した結果の一例を図23に示す。なお、X線回折パターンには(220)面に相当するピークが現れているが、{110}面と等価であることは言うまでもない。この測定の結果、{110}面が主たる配向であり、配向比率は0.7以上(典型的には0.9以上)であることが判明した。
【0154】
以上に示してきた通り、本実施例の作製方法による結晶性珪素膜と従来のポリシリコン膜とは全く異なる結晶構造(結晶構成)を有していることが判る。この点からも本願発明の結晶性珪素膜は全く新しい半導体膜であると言える。
【0155】
なお、この半導体薄膜を形成するにあたって結晶化温度以上の温度でのアニール工程は、結晶粒内の欠陥低減に関して重要な役割を果たしている。その事について説明する。
【0156】
図21(A)は本実施例の結晶化工程までを終了した時点での結晶シリコン膜を25万倍に拡大したTEM写真であり、結晶粒内(黒い部分と白い部分はコントラストの差に起因して現れる)に矢印で示される様なジグザグ状に見える欠陥が確認される。
【0157】
この様な欠陥は主としてシリコン結晶格子面の原子の積み重ね順序が食い違っている積層欠陥であるが、転位などの場合もある。図21(A)は{111}面に平行な欠陥面を有する積層欠陥と思われる。その事は、ジグザグ状に見える欠陥が約70°の角をなして折れ曲がっていることから推測できる。
【0158】
一方、図21(B)に示す様に、同倍率で見た本実施例の作製方法による結晶シリコン膜は、結晶粒内には殆ど積層欠陥や転位などに起因する欠陥が見られず、非常に結晶性が高いことが確認できる。この傾向は膜面全体について言えることであり、欠陥数をゼロにすることは現状では困難であるが、実質的にゼロと見なせる程度にまで低減することができる。
【0159】
即ち、図21(B)に示す結晶シリコン膜は結晶粒内の欠陥が殆ど無視しうる程度にまで低減され、且つ、結晶粒界が高い連続性によってキャリア移動の障壁になりえないため、単結晶または実質的に単結晶と見なせる。
【0160】
この様に、図21(A)と図21(B)との写真に示した結晶シリコン膜は結晶粒界はほぼ同等の連続性を有しているが、結晶粒内の欠陥数には大きな差がある。本実施例の作製方法による結晶シリコン膜が図21(A)に示した結晶シリコン膜よりも遙に高い電気特性を示す理由はこの欠陥数の差によるところが大きい。
【0161】
こうして得られた本実施例の作製方法による結晶シリコン膜(図21(B))は、単に結晶化を行っただけの結晶シリコン膜(図21(A))に較べて格段に結晶粒内の欠陥数が少ないという特徴を有している。
【0162】
この欠陥数の差は電子スピン共鳴分析(Electron Spin Resonance :ESR)によってスピン密度の差となって現れる。現状では本実施例の作製方法による結晶シリコン膜のスピン密度は少なくとも 5×1017spins/cm3 以下(好ましくは 3×1017spins/cm3 以下)であることが判明している。ただし、この測定値はは現存する測定装置の検出限界に近いので、実際のスピン密度はさらに低いと予想される。
【0163】
以上の様な結晶構造および特徴を有する本実施例の作製方法によるの結晶シリコン膜を、本出願人は、「連続粒界結晶シリコン(Continuous Grain Silicon:CGS)」と呼んでいる。
【0164】
従来の半導体薄膜では結晶粒界がキャリアの移動を妨げる障壁として機能していたのだが、本実施例の作製方法による半導体薄膜ではその様な結晶粒界が実質的に存在しないので高いキャリア移動度が実現される。そのため、本実施例の作製方法による半導体薄膜を用いて作製したTFTの電気特性は非常に優れた値を示す。この事については以下に示す。
【0165】
〔TFTの電気特性に関する知見〕
【0166】
本実施例の作製方法による半導体薄膜は実質的に単結晶と見なせる(実質的に結晶粒界が存在しない)ため、それを活性層とするTFTは単結晶シリコンを用いたMOSFETに匹敵する電気特性を示す。本出願人らが試作したTFTからは次に示す様なデータが得られている。
【0167】
(1)TFTのスイッチング性能(オン/オフ動作の切り換えの俊敏性)の指標となるサブスレッショルド係数が、Nチャネル型TFTおよびPチャネル型TFTともに60〜100mV/decade(代表的には60〜85mV/decade )と小さい。
(2)TFTの動作速度の指標となる電界効果移動度(μFE)が、Nチャネル型TFTで200 〜650cm2/Vs (代表的には250 〜300cm2/Vs )、Pチャネル型TFTで100 〜300cm2/Vs (代表的には150 〜200cm2/Vs )と大きい。
(3)TFTの駆動電圧の指標となるしきい値電圧(Vth)が、Nチャネル型TFTで-0.5〜1.5 V、Pチャネル型TFTで-1.5〜0.5 Vと小さい。
【0168】
以上の様に、極めて優れたスイッチング特性および高速動作特性が実現可能であることが確認されている。
【0169】
なお、CGSを形成するにあたって前述した結晶化温度以上の温度(700〜1100℃)でのアニール工程は、結晶粒内の欠陥低減に関して重要な役割を果たしている。そのことについて以下に説明する。
【0170】
以上のことから、CGSを作製するにあたって、触媒元素のゲッタリングプロセスは必要不可欠な工程であることが判る。本発明者らは、この工程によって起こる現象について次のようなモデルを考えている。
【0171】
まず、図21(A)に示す状態では結晶粒内の欠陥(主として積層欠陥)には触媒元素(代表的にはニッケル)が偏析している。即ち、Si-Ni-Siといった形の結合が多数存在していると考えられる。
【0172】
しかしながら、触媒元素のゲッタリングプロセスを行うことで欠陥に存在するNiが除去されるとSi-Ni 結合は切れる。そのため、シリコンの余った結合手は、すぐにSi-Si 結合を形成して安定する。こうして欠陥が消滅する。
【0173】
勿論、高い温度での熱アニールによって結晶シリコン膜中の欠陥が消滅することは知られているが、ニッケルとの結合が切れて、未結合手が多く発生するためのシリコンの再結合がスムーズに行われると推測できる。
【0174】
また、本発明者らは結晶化温度以上の温度(700〜1100℃)で加熱処理を行うことで結晶シリコン膜とその下地との間が固着し、密着性が高まることで欠陥が消滅するというモデルも考えている。
【0175】
〔TFT特性とCGSの関係に関する知見〕
上述の様な優れたTFT特性は、TFTの活性層として、結晶粒界において結晶格子に連続性を有する半導体薄膜を利用している点によるところが大きい。その理由について以下に考察する。
【0176】
結晶粒界における結晶格子の連続性は、その結晶粒界が「平面状粒界」と呼ばれる粒界であることに起因する。本明細書における平面状粒界の定義は、「Characterization of High-Efficiency Cast-Si Solar Cell Wafers by MBIC Measurement ;Ryuichi Shimokawa and Yutaka Hayashi,Japanese Journal of Applied Physics vol.27,No.5,pp.751-758,1988」に記載された「Planar boundary 」である。
【0177】
上記論文によれば、平面状粒界には{111}双晶粒界、{111}積層欠陥、{221}双晶粒界、{221}twist 粒界などが含まれる。この平面状粒界は電気的に不活性であるという特徴を持つ。即ち、結晶粒界でありながらキャリアの移動を阻害するトラップとして機能しないため、実質的に存在しないと見なすことができる。
【0178】
特に{111}双晶粒界はΣ3の対応粒界、{221}双晶粒界はΣ9の対応粒界とも呼ばれる。Σ値は対応粒界の整合性の程度を示す指針となるパラメータであり、Σ値が小さいほど整合性の良い粒界であることが知られている。
【0179】
本出願人が本実施例の作製方法による半導体薄膜を詳細にTEMで観察した結果、結晶粒界の殆ど(90%以上、典型的には95%以上)がΣ3の対応粒界、即ち{111}双晶粒界であることが判明した。
【0180】
二つの結晶粒の間に形成された結晶粒界において、両方の結晶の面方位が{110}である場合、{111}面に対応する格子縞がなす角をθとすると、θ=70.5°の時にΣ3の対応粒界となることが知られている。
【0181】
従って、図19(A)のTEM写真に示された結晶粒界では、隣接する結晶粒の各格子縞が約70°の角度で連続しており、この結晶粒界は{111}双晶粒界であると容易に推察することができる。
【0182】
なお、θ= 38.9 °の時にはΣ9の対応粒界となるが、この様な他の結晶粒界も存在した。
【0183】
この様な対応粒界は、同一面方位の結晶粒間にしか形成されない。即ち、本実施例の作製方法による半導体薄膜は面方位が概略{110}で揃っているからこそ、広範囲に渡ってこの様な対応粒界を形成しうるのである。この特徴は、面方位が不規則な他のポリシリコン膜ではあり得ることではない。
【0184】
ここで、本実施例の作製方法による半導体薄膜を1万5千倍に拡大したTEM写真(暗視野像)を図22(A)に示す。白く見える領域と黒く見える領域とが存在するが、同色に見える部分は配向性が同一であることを示している。
【0185】
図22(A)で特筆すべきはこれだけ広範囲の暗視野像において、白く見える領域がかなりの割合で連続的にまとまっている点である。これは配向性の同じ結晶粒がある程度の方向性をもって存在し、隣接する結晶粒同士で殆ど同一の配向性を有していることを意味している。
【0186】
他方、従来の高温ポリシリコン膜を1万5千倍に拡大したTEM写真(暗視野像)を図22(B)に示す。従来の高温ポリシリコン膜では同一面方位の部分はばらばらに点在するのみであり、図22(A)に示す様な方向性のあるまとまりは確認できない。これは隣接する結晶粒同士の配向性が全く不規則であるためと考えられる。
【0187】
また、本出願人は図22に示した測定点以外にも多数の領域に渡って観察と測定を繰り返し、TFTを作製するのに十分な広い領域において、結晶粒界における結晶格子の連続性が保たれていることを確認している。
【0188】
(実施例2)
【0189】
本実施例では、アナログ画像信号供給源から供給されるアナログ画像信号をそのままガンマ補正し、アナログ階調を実現できる液晶表示装置について説明する。
【0190】
図10を参照する。1001は、ビデオ信号やテレビジョン信号などのアナログ画像信号を供給するアナログ画像信号供給源である。1002は、アナログ画像信号供給源1002から供給されるアナログ画像信号をガンマ補正するガンマ補正制御回路である。1003はD/A変換回路であり、1004はメモリである。メモリ1004には、実施例1と同様のものが用いられる。1005はソース信号線側ドライバであり、1006はゲイト信号線側ドライバである。1007は画素領域であり、マトリクス状に配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)によって構成される。1007を画素マトリクス回路とも呼ぶ。本実施例では、画素の数は縦1024×横768とした。なお、本実施例では、上記の画素数を有する液晶表示装置について説明するが、本発明は上記の画素数を有する液晶表示装置に限定されるわけではない。
【0191】
本実施例の液晶表示装置は、画素領域1007、ソース信号線側ドライバ1005、ゲイト信号線側ドライバ1006、ガンマ補正制御回路1002、D/A変換回路1003およびメモリ1004のいずれもがTFTによって構成され、基板上に一体形成される。また、A/D変換回路1003は、ICチップとして基板上に搭載されてもよいし、TFTによって基板上に一体形成されてもよい。また、その他の周辺回路もTFTによって基板上に一体形成され得る。さらに、その他の周辺回路は、ICチップとして基板上に搭載されてもよい。
【0192】
アナログ画像信号供給源1001から供給されるアナログ画像信号は、ガンマ補正制御回路1002に供給される。1004は4kビットメモリ、1003はA/D変換回路である。ガンマ補正制御回路は、メモリ1004に記憶されているガンマ補正データに基づいて、アナログ画像信号供給源1001から供給されるアナログ画像信号をガンマ補正し、ソース信号線側ドライバ106に送出する。なお、メモリ1004に記憶されているガンマ補正の為のデータは、D/A変換回路1003によってアナログ信号に変換され、ガンマ補正制御回路1002に送出される。
【0193】
ガンマ補正制御回路1002では、アナログ信号の処理に、画像信号にガンマ補正が行われ、ガンマ補正が行われたアナログ画像信号はソース信号線側ドライバに供給される。
【0194】
ソース信号線側ドライバに供給されたアナログ信号は、ソース信号線ドライバのシフトレジスタからの信号によって選択され、ソース信号線に供給される。そして、ゲイト信号線側ドライバのシフトレジスタからの信号に従って、所望の画素が点灯する。
【0195】
本実施例では、ソース信号線側ドライバ1005、ゲイト信号線側ドライバ1006、画素マトリクス回路(画素領域)1007、ガンマ補正制御回路1002、D/A変換回路1003、メモリ1004が基板上にTFTによって一体形成される。D/A変換回路1003は、D/A変換回路が含まれるICチップによって基板上に搭載されてもい。また、必要に応じてその他の周辺回路が一体形成される。更に、必要に応じて、その他の周辺回路が含まれるICチップが基板上に搭載される。
【0196】
なお、本実施例の液晶表示装置も実施例1の製造方法によって製造され得る。
【0197】
(実施例3)
【0198】
本実施例では、デジタル階調の液晶表示装置の別の実施態様について説明する。
【0199】
図11を参照する。図11には、本実施例の液晶表示装置のソース信号線側ドライバ、ゲイト信号線側ドライバ、画素領域、ガンマ補正制御回路、およびメモリを示したものである。1101はソース信号線側シフトレジスタであり、1102はソース信号線側ドライバに入力されるデジタル信号を供給するための信号線である。本実施例では、16階調の表示を行うために、この信号線1102は4ビットのデータを扱えるようになっている。1103はラッチ回路であり、信号線1102に供給される信号をソース信号線側シフトレジスタ1101の信号により選択し、一時的に記憶しておく回路である。1104はスイッチング回路であり、ラッチ回路1103から供給される信号に従って、階調電圧制御回路で電圧が調整された電圧線DC1〜DC16のうちいずれかの電圧線を選択し、ソース信号線1109に供給する。なお、1行に対応する画像情報がラッチ回路1103群に記憶されたら、ラッチ回路1103群に記憶された画像情報は一斉にスイッチング回路1104に送出される。
【0200】
ソース信号線に供給された所定の階調に対応した信号電圧と、ゲイト信号線側シフトレジスタ1108からの信号と、によって対応する画素TFT1110が選択される。このようにして各画素に所定の階調に対応した画像情報が書き込まれる。
【0201】
本実施例においては、信号線1102に供給されるデジタル信号は、ガンマ補正されていない。本実施例では、スイッチング回路1104によって選択される電圧線DC1〜DC16に、それぞれ等電圧を印加するのではなく、あらかじめ非線型に電圧が印加されるようにしておく。そうすることによって、画像信号にガンマ補正をすることができる。
【0202】
図12を参照する。図12には、本実施例におけるガンマ補正回路が示されている。1106はガンマ補正制御回路で、ガンマ補正のデータを記憶するメモリ1107からのデータに基づいて、階調電圧制御回路1105のTFTTr1、1〜Tr15、4のスイッチングをし、DC1〜DC16に印加される電圧を調整する。
【0203】
階調電圧制御回路1105は、電圧線DC1〜DC16に接続された複数のTFTTr1、1〜Tr15、4と複数の抵抗とからなり、ガンマ補正制御回路によって選択されるTFTに応じて電圧線DC1〜DC16に印加される電圧がガンマ補正されるようになっている。
【0204】
ガンマ補正の為のデータは、メモリ1107に記憶されており、供給されるデジタル画像信号に応じて、必要なデータが読み出される。なお、メモリ1107には、実施例1で用いたメモリと同様のものが用いられる。
【0205】
図13を参照する。図13には、本実施例で用いられるDC1〜DC16に印加される電圧の状態を示した一例である。縦軸は電圧(V)を示している。なお、点線で示されているものはガンマ補正前のものであり、実線で示されているものはガンマ補正後のものである。
【0206】
本実施例では、電圧線DC1〜DC16に印加される階調電圧に、ガンマ補正を施すことによって、デジタル画像信号に応じてスイッチング回路1104にいよって選択された電圧線が所望の階調電圧をソース信号線に供給することができる。
【0207】
なお、本実施例のメモリ1107には、ガンマ補正の為のデータが記憶されているが、このデータは実施例1で述べた方法によって記憶される。また、本実施例においても、メモリ、ガンマ補正制御回路、階調電圧制御回路などの周辺回路は、画素領域にマトリクス状に配置されるTFTやドライバ回路を構成するTFTと同時に、基板上に一体形成される。その製造方法は、実施例1にて述べた方法によることができる。
【0208】
(実施例4)
【0209】
上記実施例で用いられた液晶表示装置を、投射型の液晶表示装置に組み込んで用いることも可能である。この場合も、装置の小型化が実現でき、良好な階調表示を行うことができる。
【0210】
(実施例5)
【0211】
上記実施例1〜4の不揮発性メモリおよびガンマ補正制御回路を用いて構成した半導体装置は、様々な用途がある。本実施例では、これらの半導体装置について説明する。
【0212】
このような半導体装置には、ビデオカメラ、スチルカメラ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話など)などが挙げられる。それらの一例を図18に示す。
【0213】
図18(A)はモバイルコンピュータであり、本体1801、カメラ部1802、受像部1803、操作スイッチ1804、表示装置1805で構成される。
【0214】
図18(B)はヘッドマウントディスプレイであり、本体1903、表示装置1902、バンド部1903で構成される。
【0215】
図18(C)は、フロント型プロジェクタであり、本体2001、光源2002、表示装置2003、光学系2004、スクリーン2005で構成される。
【0216】
図18(D)は携帯電話であり、本体2101、音声出力部2103、音声入力部2103、表示装置2104、操作スイッチ2105、アンテナ2106で構成される。
【0217】
図18(E)はビデオカメラであり、本体2201、表示装置2202、音声入力部2203、操作スイッチ2204、バッテリー2205、受像部2206で構成される。
【0218】
(実施例6)
【0219】
なお、上記実施例1〜5では、表示媒体として液晶を用いる場合について説明してきたが、本発明の半導体表示装置に、液晶と高分子との混合層を用い、いわゆる高分子分散型液晶表示装置とすることもできる。また、本発明を、印加電圧に応答して光学的特性が変調され得るその他のいかなる表示媒体を備えた表示装置に用いてもよい。例えば、エレクトロルミネセンス素子などを表示媒体として備えた表示装置に用いてもよい。この場合も、メモリや周辺回路などを含むアクティブマトリクス基板の作製には、実施例1で説明した工程が利用される。
【0220】
(実施例7)
【0221】
本実施例では、実施例1で説明した作製において、ゲイト電極にTa(タンタル)またはTa合金を用いた場合について説明する。
【0222】
TaまたはTa合金をゲイト電極に用いると、約450℃から約600℃で熱酸化することができ、Ta23等の膜質の良い酸化膜がゲイト電極上に形成される。この酸化膜は、上記実施例1で説明した、Al(アルミニウム)をゲイト電極として用いたときに形成される酸化膜よりも膜質は良いことがわかっている。
【0223】
このことは、絶縁膜の耐圧評価の一つであるJ−E特性(電流密度−電界強度特性)において、TaまたはTa合金の酸化膜がAlの酸化膜よりも良い特性を有することによってわかった。
【0224】
また、Ta23は、比誘電率が11.6前後であり、フローティングゲイト−コントロールゲイト間の容量C3が大きいので、Alをゲイト電極に用いた場合に比較してフローティングゲイトに電荷が注入されやすいという利点もある。
【0225】
また、Taをゲイト電極に用いた場合、上記実施例で行ったように陽極酸化することもできる。
【0226】
【発明の効果】
【0227】
本発明によると、ガンマ補正を行う演算回路およびガンマ補正を行うためのデータを記憶するメモリが、画素TFT、ドライバ回路、その他の周辺回路と同時に一体形成されるので、液晶表示装置の小型化を図りながら、かつ階調表示の良好な液晶表示装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の液晶表示装置のガンマ補正データを記憶するメモリの構成図である。
【図3】 本発明の液晶表示装置のドライバおよび画素領域の構成図である。
【図4】 本発明の液晶表示装置の作製工程を示す図である。
【図5】 本発明の液晶表示装置の作製工程を示す図である。
【図6】 本発明の液晶表示装置の作製工程を示す図である。
【図7】 本発明の液晶表示装置の作製工程を示す図である。
【図8】 本発明の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の回路配置を示す図である。
【図9】 本発明の液晶表示装置のガンマ補正データを記憶するメモリの回路図である。
【図10】 本発明の液晶表示装置の概略構成図である。
【図11】 本発明の液晶表示装置の概略構成図である。
【図12】 本発明の液晶表示装置の電圧線およびガンマ補正を行うための回路図である。
【図13】 本発明によるガンマ補正の効果を示した図である。
【図14】 従来の液晶表示装置の概略構成図である。
【図15】 ガンマ補正の説明に関する図である。
【図16】 本発明の液晶表示装置の断面図である。
【図17】 本発明のメモリとロジック回路との断面図である。
【図18】 本発明の液晶表示装置を利用した半導体装置の概略図である。
【図19】 半導体薄膜の結晶粒界を拡大したHR−TEM写真図である。
【図20】 電子回折パターンの写真図および模式図である。
【図21】 結晶シリコン膜の結晶粒を示すTEM写真図である。
【図22】 半導体薄膜の暗視野像の写真図である。
【図23】 X線回折の結果を示す図である。
【符号の説明】
101 アナログ画像信号供給源
102 A/D変換回路
103 デジタル画像信号供給源
104 ガンマ補正制御回路
105 メモリ
106 ソース信号線側ドライバ
107 ゲイト信号線側ドライバ
108 画素領域
【数1】
Figure 0004112686

Claims (4)

  1. 信号供給源から供給される信号をガンマ補正するための制御回路と、
    前記供給される信号をガンマ補正するためのデータを記憶する不揮発性メモリとを有し、
    前記不揮発性メモリは、絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の活性層及び第2の活性層と、
    前記第1の活性層上に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上に設けられたフローティングゲイトと、
    前記フローティングゲイト上に設けられた酸化膜と、
    前記酸化膜上に設けられたコントロールゲイトと、
    前記第2の活性層上に設けられた第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上に設けられたゲイト電極と、
    前記酸化膜及び前記ゲイト電極上に設けられた層間絶縁膜と、
    前記第2の活性層に接続された配線と、を備え、
    前記配線と前記コントロールゲイトとは前記層間絶縁膜上に設けられた同一の配線層を用いて形成され、
    前記層間絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して、前記配線は前記第2の活性層と接続され、且つ前記コントロールゲイトは前記酸化膜を介して前記フローティングゲイトと重なり、
    前記制御回路は、TFTによって構成され、かつ前記不揮発性メモリと同一絶縁基板上に一体形成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記層間絶縁膜は、酸化珪素膜と窒化珪素膜の積層であることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  3. 前記供給される信号はデジタル信号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記供給される信号はアナログ信号であり、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
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