JP4112324B2 - Hinge device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話機やノートブック型パソコン等に用いるのに好適なヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のヒンジ装置は、回転軸線上に回転可能に、かつ移動可能に配置された一対のヒンジ部材と、この一対のヒンジ部材の一方を他方に当接させるコイルばね等の付勢手段とを備えている。一方のヒンジ部材は、例えば携帯電話機の送話部に取り付けられ、他方のヒンジ部材は携帯電話機の受話部に取り付けられる。これにより、送話部と受話部とが一対のヒンジ部材を介して回転可能に連結されている。
【0003】
一対のヒンジ部材の当接面の一方には、回転軸線を中心として点対称に配置された一対の凹部が形成され、他方の当接面には、回転軸線を中心として点対称に配置された凸部が形成されている。この一対の凸部は、受話部を送話部に突き当たった不使用位置(第1の位置)に回転させると、回転軸線を中心とする周方向の一側部が一対の凹部の一側部にそれぞれ突き当たる。受話部を不使用位置から所定角度離れた通話位置(第2の位置)に回転させると、一対の凸部の他側部が一対の凹部の他側部にそれぞれ突き当たる。したがって、受話部を不使用位置又は通話位置の直前まで、つまり各凸部の中央部が各凹部の周縁部に入り込むまで回転させると、それ以降は受話部が自動的に閉回転又は開回転し、受話部をクリック感をもって閉位置又は開位置に維持することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、別の従来例では、一対のヒンジ部材の当接面間にカム面を有するカム機構が設けられている。このカム機構により、受話部が不使用位置に維持されるとともに、受話部を不使用位置から通話位置側へ向って所定角度だけ回転させると、その後は受話部が通話位置まで自動的に回転させられて当該通話位置に維持されるようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−181031号公報(第4頁、第7図)
【特許文献2】
特開平8−317025号公報(図1、図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたヒンジ装置においては、受話部を手で開回転させなければならない。この場合、両手が使用可能であれば、問題なく受話部を開回転させることができるが、一方の手に荷物等を持っている場合等のように、片方の手だけで受話部を開回転させなければならないときには、受話部を小さな角度だけ回転させることは比較的容易にできるが、大きな角度を回転させることが困難であった。特に、受話部を不使用位置から通話位置まで片方の手だけで回転させることはほとんど不可能であった。
【0007】
一方、特許文献2に記載のものにおいては、コイルばねの付勢力を一対のヒンジ部材にバランスよく作用させるために、カム面を一対形成する必要があり、そのためにカム面は回転軸線を中心として点対称に形成される。すなわち、一対のカム面は、回転軸線を中心とする円周上に180°毎に形成される。この場合、カム面の周方向の長さが、例えば140°程度の短いものであれば問題ないが、受話部の閉位置から開位置までの回転角度は通常160°程度である。仮に、160°であるとすると、一対のカム面の両端部間には、20°の余裕しかない。しかるに、一対のカム面の周方向の長さ(中心角)は、フォロワとの接触長さに余裕を持たせるために、160°以上の長さにする必要がある。しかも、一方のカム面の始端と他方のカム面の終端との間に形成される垂直面と、カム面に接触するフォロワとの間にも隙間が必要である。このため、特許文献2に記載のものにおいては、受話部の回転角度が大きい場合に設計、製作が実際的には困難になるという問題があった。また、受話部を閉位置及び開位置においてクリック感を回転、維持することができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、例えば携帯電話機に用いられた場合には、受話部をクリック感をもって閉位置(第1の位置)又は開位置(第2の位置)に回転、維持することができるのは勿論のこと、受話部を第1の位置から第2の位置側へ小さい角度だけ手動で回転させた後は、受話部を自動的に第2の位置側へ回転させることができるヒンジ装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために、回転軸線上に相対回転可能に、かつ相対移動可能に連結された一対のヒンジ部材と、上記回転軸線上に上記一対のヒンジ部材の一方と対向して配置され、当該一方のヒンジ部材を他方のヒンジ部材に当接させる付勢手段とを備え、上記一対のヒンジ部材の互いに当接する当接面の一方には、一対の凹部が上記回転軸線を中心として点対称に設けられ、他方の当接面には一対の凸部が上記回転軸線を中心として点対称に設けられ、上記他方のヒンジ部材が上記一方のヒンジ部材に対して所定の第1の位置に位置しているときには、第1の組み合わせをなす上記一対の凸部と上記一対の凹部との上記回転軸線を中心とする周方向の一側部どうしが接触し、上記他方のヒンジ部材が上記一方のヒンジ部材に対して上記第1の位置から一方向へ所定角度だけ離れた第2の位置に位置しているときには、第2の組み合わせをなす上記一対の凸部と上記一対の凹部との上記回転軸線を中心とする周方向の他側部どうしが接触するヒンジ装置において、上記一方のヒンジ部材と上記付勢手段との間に、上記付勢手段によって上記一方のヒンジ部材に当接させられるカム部材を上記回転軸線方向へ移動可能に、かつ上記回転軸線を中心として回転可能に設け、このカム部材と上記一方のヒンジ部材との間には、上記他方のヒンジ部材が上記第1の位置と上記第2の位置との間の所定の駆動角度範囲に位置しているときに、上記付勢手段の上記カム部材に対する上記回転軸線方向への付勢力を、上記カム部材を上記第1の位置側から上記第2の位置側へ向って付勢する回転付勢力に変換するカム機構を設け、上記カム部材を上記所定の駆動角度範囲に位置している上記他方のヒンジ部材に回転不能に連結したことを特徴としている。
【0010】
この場合、軸線を上記回転軸線と一致させて配置されたヒンジ軸をさらに備え、上記一方のヒンジ部材が上記ヒンジ軸により回転可能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に貫通され、上記他方のヒンジ部材が上記ヒンジ軸に回転不能に、かつ上記一方のヒンジ部材に対し上記回転軸線に沿って所定の位置から離れる方向へ移動不能に連結され、上記カム部材が上記ヒンジ軸により移動可能に貫通され、しかも上記カム部材は、上記他方のヒンジ部材が上記駆動角度範囲に位置しているときには上記ヒンジ軸に回転不能に連結されていることが望ましい。
上記付勢手段としてコイルばねが用いられ、このコイルばねが上記ヒンジ軸の上記一方のヒンジ部材から上記他方のヒンジ部材側と逆側へ向って延び出す部分に外挿されていることが望ましい。
軸線を上記回転軸線と一致させた筒状のヒンジ本体をさらに備え、上記コイルばね、上記カム部材及び上記一方のヒンジ部材が上記ヒンジ本体の内部にその一端側から他端側へ向かって順次挿入され、上記他方のヒンジ部材の少なくとも一部が上記ヒンジ本体の他端部から外部に突出させられ、上記一方のヒンジ部材が上記ヒンジ本体に回転不能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に収容され、上記カム部材が上記ヒンジ本体に回転可能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に収容され、上記ヒンジ軸が上記ヒンジ本体に回転可能に挿入されるとともに、上記ヒンジ本体の一端側から他端側へ向う方向へ所定の位置を越えて移動するのを阻止されていることが望ましい。
上記駆動角度範囲が、上記第1の位置と上記第2の位置とを除く角度範囲であることが望ましい。
上記駆動角度範囲は、上記一対の凸部が第1の組み合わせをなす上記一対の凹部から脱出する直前における上記他方のヒンジ部材の回転位置と、上記一対の凸部がこれと第2の組み合わせをなす上記一対の凹部に入り込んだ直後における上記他方のヒンジ部材の回転位置との間の角度範囲であってもよい。
また、上記駆動角度範囲は、上記一対の凸部がこれと第1の組み合わせをなす上記一対の凹部から脱出する直前における上記他方のヒンジ部材の回転位置と、上記一対の凸部がこれと第2の組み合わせをなす上記一対の凹部に入り込む位置から上記第1の位置側へ所定の離間角度だけ離れた位置に位置しているときにおける上記他方のヒンジ部材の回転位置との間の角度範囲であってもうよい。その場合には、上記一対のヒンジ部材の当接面のうちの上記一対の凹部が形成された一方の当接面には、上記他方のヒンジ部材が第1の位置側から第2の位置側へ回転したときに上記一対の凸部が入り込む側における上記一対の凹部の側部から上記回転軸線を中心として周方向へ少なくとも上記離間角度だけ延びる一対の傾斜面が形成されており、上記傾斜面は、周方向の先端から上記凹部側向うにしたがって上記凹部が形成された上記一方のヒンジ部材の当接面から上記凹部の深さ方向へ漸次離間するように傾斜させられ、上記一対の凸部が上記一対の傾斜面に当接することにより、上記付勢手段の付勢力が上記他方のヒンジ部材を第1の位置側から第2の位置側へ回転させる回転付勢力に変換され、この回転付勢力によって上記一対の凸部がこれと第2の組み合わせをなす一対の凹部に入り込むまで上記他方のヒンジ部材が上記第1の位置側から上記第2の位置側へ回転させられることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図15を参照して説明する。
図1〜図14は、この発明に係るヒンジ装置を携帯電話機に用いた一実施の形態を示す。まず、携帯電話機Aについて説明すると、図1に示すように、携帯電話機Aは、送話部Bと受話部Cとを有している。送話部Bの受話部C側の一端部の両側には、連結筒部B1,B2が形成されている。受話部Cの送話部B側の一端部には、連結筒部C1,C2が形成されている。連結筒部C1,C2は、連結筒部B1,B2の間に配置されている。連結筒部C1は、連結筒部B1に隣接し、連結筒部B1と対をなしている。連結筒部C2は、連結筒部B2に隣接し、連結筒部B2と対をなしている。一方の対をなす連結筒部B1,C1は、この発明に係るヒンジ装置1(図2参照)を介して回転可能に連結されている。他方の対をなす連結筒部B2,C2は,軸体(図示せず)を介して回転可能に連結されている。これにより、送話部Bと受話部Cとが回転軸線Lを中心として回転可能に連結されている。勿論、連結部材B2,C2もこの発明に係るヒンジ装置1によって回転可能に連結してもよい。送話部Bと受話部Cとの回転範囲は、図1(B)において想像線で示すように、受話部Cが送話部Bの前面に突き当たった不使用位置(第1の位置)と、不使用位置から所定角度(この実施の形態では160°)だけ離れた通話位置との間に規制されている。
【0012】
図2に示すように、ヒンジ装置1は、ヒンジ本体2と回転部材(他方のヒンジ部材)3とを備えている。ヒンジ本体2は、その軸線を回転軸線Lと一致させた状態で連結筒部C1に回転不能に嵌合されている。回転部材3は、その軸線を回転軸線Lと一致させた状態で連結筒部B1に回転不能に嵌合されている。ヒンジ本体2と回転部材3とは、軸線を回転軸線Lと一致させたヒンジ軸4によって回転可能に連結されている。この結果、連結筒部B1,C1が、ヒンジ装置1を介して回転可能に連結され、ひいては送話部Bと受話部Cとがヒンジ装置1により回転軸線Lを中心として回転可能に連結されている。
なお、説明の便宜上、以下においては、受話部Cが送話部Bに対して回転し、その結果回転部材3がヒンジ本体2に対して回転するものとする。
【0013】
図3及び図4に示すように、ヒンジ装置1は、上記ヒンジ本体2、回転部材3及びヒンジ軸4に加え、回転筒5、可動部材(一方のヒンジ部材)6、コイルばね(付勢手段)7及びカム部材8を備えている。
【0014】
ヒンジ本体2は、図3及び図5に示すように、円筒状をなしている。ヒンジ本体2の内部の一端側(図5において左端側)には、小径孔部2aが形成され、他端側には大径部2bが形成されている。
【0015】
ヒンジ本体2の小径孔部2aには、回転筒5が回転可能に挿入されている。図3、図4及び図6に示すように、回転筒5は、一端部(図3において左端部)に底部5aを有し、他端部が開口した有底円筒状をなしており、底部5aをヒンジ本体2の一端側に位置させた状態で小径孔部2aに挿入されている。回転筒5の外径は、小径孔部2aの内径より若干小径になっており、回転筒5の外周面と小径孔部2aの外周面との間には、間隔の狭い環状の間隙(図示せず)が形成されている。この間隙には、粘性流体(図示せず)が充填されており、小径孔部2aの内周面、回転筒5の外周面及び粘性流体によってダンパ機構が構成されている。このダンパ機構により、回転筒5の高速回転が阻止され、回転筒5は低速でのみ回転するようになっている。なお、回転筒5の外周面の両端部と小径孔部2aの内周面の両端部との各間には、Oリング等のシール部材11が設けられ、それによって粘性流体が小径孔部2aの内周面と回転筒5の外周面との間の間隙から外部に漏れることが防止されている。
【0016】
図3、図4及び図7に示すように、上記ヒンジ軸4は、円板状をなす頭部4aと、この頭部4aの一端面から直角に延び出す大径軸部4bと、この大径軸部4bの先端面からさらに延び出す小径軸部4cとを有している。頭部4a、大径軸部4b及び小径軸部4cは互いの軸線を一致させて一体に形成されている。ヒンジ軸4は、ヒンジ本体2内にその一端部(図3の左端部)から挿入されており、頭部4aがヒンジ本体2の一端面に突き当たっている。これにより、ヒンジ軸4は、ヒンジ本体2の一端側から他端側へ向う方向への移動が阻止されている。ヒンジ軸4の大径軸部4bは、回転筒5の底部5aに形成された貫通孔5bに回転不能に嵌合されている。これにより、ヒンジ軸4が回転筒5と一体に回転するとともに、ヒンジ軸4の一端部が回転筒5を介してヒンジ本体2の一端部に回転可能に支持されている。
【0017】
図3に示すように、上記回転部材3は、ヒンジ本体2の他端側(図3において右側)の外部に配置されている。回転部材3は、その全体がヒンジ本体2の外部に配置されているが、その一部をヒンジ本体2の大径孔部2bに回転可能に嵌合させてもよい。回転部材3のヒンジ本体2と対向する一端面(図3において左端面)は、ヒンジ本体2の他端面(図3において右端面)に突き当たっている。これにより、回転部材3は、ヒンジ本体2の他端側から一端側へ移動することが阻止されている。回転部材3の中央部には、回転軸線L上を貫通する貫通孔3aが形成されている。この貫通孔3aには、ヒンジ本体2の他端部から外部に突出したヒンジ軸4の小径軸部4cが回転不能に挿通されている。したがって、回転部材3は、ヒンジ軸4及び回転筒5と一体に回転する。
【0018】
図3に示すように、ヒンジ軸4の小径軸部4cの先端部は、回転部材3の貫通孔3aを貫通してその外部に突出している。この回転部材3から突出した端部が加締められることにより、ヒンジ軸4の小径軸部4cの先端部には、フランジ状のストッパ部4dが形成されている。このストッパ部4dが後述するスペーサ13を介して回転部材3に突き当たることにより、回転部材3がヒンジ本体2の一端側から他端側へ移動することが阻止されている。しかも、頭部4aがヒンジ本体2の一端面に突き当たるとともに、回転部材3がヒンジ本体2の他端面に突き当たっているので、ヒンジ本体2と回転部材3とは、ヒンジ軸4の頭部4a及びストッパ部4dによりほぼ挟持された状態になっている。これにより、ヒンジ本体2及び回転部材3がヒンジ軸4を介して回転可能に、かつ回転軸線L方向へ移動可能に連結されるのみならず、ヒンジ本体2、回転部材3、ヒンジ軸4及び回転筒5並びに後述する可動部材6、コイルばね7及カム部材8がユニット化(一体化)されている。
【0019】
図3に示すように、ヒンジ本体2の大径孔部2bには、可動部材6が回転不能に、かつ回転軸線L方向へ移動可能に嵌合されている。可動部材6の中央部は、ヒンジ軸4の小径軸部4cによって回転可能に貫通されている。したがって、可動部材6は、回転部材3及びヒンジ軸4が回転しても回転することがなく、ヒンジ本体2とともに停止状態を維持する。なお、ヒンジ軸4の小径軸部4cが可動部材6の中央部に回転可能に嵌合することにより、ヒンジ軸4の他端部(小径軸部4c)が可動部材6を介してヒンジ本体2の他端部に回転可能に支持されている。
【0020】
可動部材6は、回転筒5内に収容されたコイルばね7により、後述するカム部材8を介して回転軸線L方向へ付勢され、回転部材3に当接させられている。可動部材6の回転部材3に対する当接面(図3における右端面)6aには、図9に示すように、一対の凹部6b,6cが形成されている。一対の凹部6b,6cは、回転軸線Lを中心として点対称に配置されている。各凹部6b,6cを区画する壁面は、半球面によって形成されているが、円錐面又は可動部材6の径方向に延びる半円筒面等によって形成してもよい。
【0021】
図3及び図8に示すように、回転部材3の可動部材6との当接面(図3における左端面)3bには、一対の収容凹部3c,3cが形成されている。各収容凹部3cは、半円状をなしており、回転軸線Lを中心として点対称に配置されている。しかも、収容凹部3c,3cは、凹部6b,6cが配置された円周と同一直径を有する円周上に配置されている。各収容凹部3c,3cには、球体(凸部)12A,12Bがそれぞれのほぼ半分を可動部材6側に突出させた状態で回転可能に、かつ離脱不能に設けられている。この球体12A,12Bは、コイルばね7の付勢力により、可動部材6の当接面6aに当接させられている。したがって、回転部材3を回転させると、球体12A,12Bが可動部材6の当接面6a上を転動し、所定の回転位置において凹部6b,6cに入り込む。
【0022】
すなわち、いま受話部Cが不使用位置に位置しているものとする。このときには、図9において想像線で示すとともに、図14において実線で示すように、球体12A,12Bが回転軸線Lを中心とする周方向における凹部6b、6cの一側部にそれぞれ入り込んでいる。そして、球体12A,12Bの一側面と凹部6b、6cの一側面とがそれぞれ押圧接触している。この状態では、可動部材6を回転部材3に押し付けるコイルばね7の付勢力が球体12A,12Bの一側面とこれにそれぞれ押圧接触する凹部6b,6cの一側面とによって回転付勢力(図14においては、「閉トルク」と記載されている。)に変換される。この回転付勢力により、受話部Cが回転部材3を介して通話位置側から不使用位置側へ回転付勢されるとともに、不使用位置に維持される。その一方、受話部Cを回転付勢力に抗して不使用位置から通話位置側へ所定角度(この実施の形態ではほぼ20°)だけ回転させると、図14において破線で示すように、球体12A,12Bが凹部6b,6cからそれぞれ脱出する。換言すれば、受話部Cを通話位置側から不使用位置側へ向って回転させたものとすると、受話部Cが不使用位置に対して20°より小さい角度だけ手前の位置まで回転すると、球体12A,12Bが凹部6b,6cの一側部にそれぞれ入り込む。すると、回転付勢力が発生し、その回転付勢力によって回転部材3が不使用位置まで回転させられ、クリック感をもって不使用位置に位置させられる。球体12A,12Bが凹部6b,6cからそれぞれ脱出すると、球体12A,12Bは可動部材6の当接面6aに当接する。このとき、当接面6aが回転軸線Lと直交する平面になっているので、球体12A,12Bは回転部材3の使用位置側への回転に伴って当接面6a上を転動する。勿論、球体12A,12Bに代えて回転部材3に凸部を一体に形成した場合には、凸部が当接面6a上を摺動する。
【0023】
受話部Cを通話位置に位置させると、図14において想像線で示すように、球体12A,12Bが凹部6b,6cにそれぞれ入り込む。それも、凹部6b,6cのうち回転軸線Lを中心とする周方向の他側部に入り込む。そして、球体12A,12Bの他側面と凹部6c、6bの他側面とがそれぞれ押圧接触する。この結果、コイルばね7の付勢力は、球体12A,12Bの一側部が凹部6b、6cの一側部に押圧接触した場合に変換される回転付勢力と逆方向に作用する回転付勢力(図14においては、「開トルク」と記載されている。)に変換される。この回転付勢力により、受話部Cが通話位置側へ回転付勢されるとともに、通話位置に維持される。受話部Cを回転付勢力に抗して通話位置から不使用位置側へ向って所定角度(この実施の形態ではほぼ20°)だけ回転させると、球体12A,12Bが凹部6c,6bからそれぞれ脱出する。換言すれば、受話部Cを不使用位置側から通話位置側へ回転させたものとすると、受話部Cが通話位置に対して20°より小さい角度だけ手前の位置まで回転すると、球体12A,12Bが凹部6b,6cの他側部に入り込むことになる。その結果、回転部材3が通話位置まで回転させられ、クリック感をもって通話位置に位置させられる。
ただし、実際には、次に述べるように、当接面6aに凹部6b,6cの他側部から周方向に延びる傾斜面6d,6eが形成されているので、球体12A,12Bは、受話部Cが通話位置から不使用位置側へ向って20°より小さい角度、例えば15°程度回転すると、凹部6b,6cから脱出するようになっている。
【0024】
図9(A)及び図11に示すように、可動部材6の当接面6aには、凹部6b,6cの他側部から周方向に向って延びる一対の傾斜面6d,6eが回転軸線Lを中心として点対称に形成されている。この傾斜面6d,6eの各先端部は、凹部6b,6cから回転軸線Lを中心として所定の離間角度だけ離れている。この実施の形態では、離間角度として45°が採用されている。したがって、受話部Cを不使用位置から通話位置側へ向って115°だけ回転させると、球体12A,12Bが傾斜面6e,6dにそれぞれ押圧接触するようになる。球体12A,12Bが傾斜面6e,6dにそれぞれ押圧接触すると、コイルばね7の付勢力が、傾斜面6d,6eによって回転付勢力に変換され、この回転付勢力によって受話部Cが不使用位置側から通話位置側へ回転させられ、それに伴って球体12A,12Bが傾斜面6e,6d上を転動する。しかも、傾斜面6d,6eが凹部6c,6bまで延びているので、球体12A,12Bは、傾斜面6e,6dを転動した後、凹部6c,6bに入り込む。したがって、受話部Cは、不使用位置から通話位置側へ向って115°だけ回転させられると、その後は自動的に通話位置まで回転させられる。
【0025】
図8に示すように、回転部材3の可動部材6側と逆側を向く端面には回転軸線Lを中心とする円孔3dが形成されている。この円孔3dには、図3に示すように、スペーサ13が挿入されている。このスペーサ13は、ヒンジ軸4の小径軸部4cによって回転不能に貫通されており、小径軸部4cの先端部に形成されたストッパ部4dに突き当たっている。これにより、スペーサ13、ひいては回転部材3が小径軸部4cから抜け出ることが阻止されている。円孔3dの底面には、環状凹部3eが形成されている。この環状凹部3eは、収容凹部3cが配置された円周と同一円周上を延びており、収容凹部3cの底部に連通している。環状凹部3eには、回転部材3より硬度の高い材質からなる補強部材14が回転可能に挿入されている。この補強部材14が球体12A,12Bに接触することにより、収容凹部3cを区画する壁面が球体12A,12Bによって擦過されて早期に摩耗することが防止されている。
【0026】
図3に示すように、上記コイルばね7と可動部材6との間には、カム部材8が配置されている。このカム部材8は、受話部Cが不使用位置と通話位置との間の所定の駆動角度範囲に位置しているときに、受話部Cを不使用位置側から通話位置側へ回転させるためのものである。そのために、カム部材8は、ヒンジ本体2回転筒5及び可動部材6に対しては回転可能、かつ回転軸線L方向へ移動可能になっているが、ヒンジ軸4に対しては回転軸線L方向へは移動可能であるものの、回転軸線Lを中心とする回転に関しては、受話部Cの回転位置に応じて回転不能な状態と所定角度だけ回転可能な状態とに切り替わるようになっている。
【0027】
すなわち、カム部材8は、コイルばね7の付勢力によって可動部材6に当接させられている。図12に示すように、カム部材8の可動部材6に対する当接面(図12(C)において上面)には、周方向に延びる一対のカム部8a,8bが回転軸線Lを中心として点対称に形成されている。カム部8aは、頂面8c、カム面8d及び底面8eを有している。頂面8cは、可動部材6に最も接近した面であり、回転軸線Lと直交する平面に形成されている。カム面8dは、頂面8cから底面8eに向って下り勾配をなす傾斜面として形成されている。底面8eは、可動部材6から最も離れた面であり、回転軸線Lと直交する平面として形成されている。カム部8bもカム部8aと同一に形成されている。カム部8aの頂面8cとカム部8bの底面8eとの間には、回転軸線Lと平行に延びる回転規制面8fが形成されている。これは、カム部8bの頂面8cとカム部8aの底面8eとの間においても同様である。
【0028】
図9及び図10に示すように、可動部材6のカム部材8に対する当接面(図9(B)において下面)には、周方向に延びる一対のカム部6f,6gが回転軸線Lを中心として点対称に形成されている。カム部6f,6gは、カム部材8のカム部8a,8bと協働して受話部Cを不使用位置側から通話位置側へ回転させるカム機構9を構成するものである。カム部6fは、頂面6h、カム面6i及び底面6jを有している。頂面6hは、カム部材8に最も接近した面であり、回転軸線Lと直交する平面に形成されている。カム面6iは、頂面6hから底面6jに向って下り勾配をなす傾斜面として形成されている。底面6jは、カム部材8から最も離れた面であり、回転軸線Lと直交する平面として形成されている。カム部6gもカム部6fと同一に形成されている。カム部6fの頂面6hとカム部6gの底面6jとの間には、回転軸線Lと平行に延びる回転規制面6kが形成されている。これは、カム部6gの頂面6hとカム部6fの底面6jとの間においても同様である。
【0029】
可動部材6のカム部6f,6gとカム部材8のカム部8a,8bとは、コイルばね7によってそれぞれ押圧接触させられている。ここで、カム部材8がヒンジ軸4に回転不能に連結され、それによって受話部Cと一体に回転するものとすると、図14に示すように、受話部Cが不使用位置に位置しているときには、カム部材8の頂面8c,8cが可動部材6の頂面6h,6hに突き当たっている。受話部Cが不使用位置から通話位置側へ向って回転し、球体12A,12Bが凹部6b、6cから脱出する直前の位置まで回転すると、可動部材6及びカム部材8のカム面6i,6i;8d,8dどうしがそれぞれ押圧接触する。この実施の形態では、受話部Cが不使用位置から通話位置側へ向ってほぼ15°回転すると、カム面6i,8dどうしが押圧接触するようになっている。カム面6i,8dが押圧接触すると、コイルばね7の付勢力が回転付勢力に変換される。この回転付勢力により、受話部Cがカム部材8、ヒンジ軸4及び回転部材3を介して不使用位置側から通話位置側へ回転付勢される。ここで、受話部Cが不使用位置から15°回転したときにおけるカム面6i,8dによる回転付勢力は、受話部Cの同位置における球体12A,12B及び凹部6b,6cによる回転付勢力より大きい。したがって、受話部Cを球体12A,12Bが凹部6b、6cから脱出する直前の位置(この実施の形態では不使用位置から通話位置側へ15°だけ離れた位置。つまり脱出位置に対して5°手前の位置)まで回転させると、その後は受話部Cが凹部6b,6cから自動的に脱出するとともに、通話位置側へ自動的に回転させられる。なお、受話部Cの回転に伴ってカム部材8は、可動部材6側へ移動する。一方、可動部材6は、回転部材3によって回転部材3側への移動が阻止されており、カム部材8に対しては停止している。したがって、カム部材8は、可動部材6に対し、回転軸線L方向へ移動しながら回転する。
【0030】
受話部Cが不使用位置から通話位置側へ向ってほぼ120°回転すると、カム部材8の頂面8c及び回転規制面8fが可動部材6の底面6j及び回転規制面6kにそれぞれ接触する。その結果、カム部材8が可動部材6側へ移動不能になるとともに、通話位置側へ回転不能になる。したがって、カム機構9には、受話部Cを不使用位置側から通話位置側へ回転させる回転付勢力が発生しなくなる。これから明かなように、この実施の形態のヒンジ装置1においては、受話部Cが不使用位置から15°離れた位置から120°離れた位置までの角度範囲、つまり105°の範囲が駆動角度範囲になっている。
【0031】
なお、カム部材8がヒンジ軸4に常時回転不能に連結されているならば、ヒンジ軸4も120°以上通話位置側へ回転不能になり、受話部Cも回転不能になる。しかし、後述するように、ヒンジ軸4は、カム部材8が可動部材6によって通話位置側への回転が阻止された後も、通話位置まで回転可能になっている。しかも、上記のように、受話部Cが不使用位置から115°離れた位置まで回転すると、球体12A,12Bが傾斜面6e、6dにそれぞれ接触することにより、受話部Cが通話位置まで自動的に回転させられる。また、このとき、可動部材6が受話部Cの回転に伴って回転部材3側へ移動するので、カム部材8は可動部材6に追随して回転部材3側へ移動する。
【0032】
回転規制面8f、6jが接触した状態から受話部Cを不使用位置側へ回転させる場合には、コイルばね7の付勢力に抗して受話部Cを回転させる。受話部Cを不使用位置に対して15°だけ手前の位置まで回転させると、カム部材8の頂面8cが可動部材6の頂面8cに乗り上がる。この結果、カム部材6には受話部Cを通話位置側へ回転させる回転付勢力が作用しなくなる。したがって、球体12A,12B及び凹部6b,6cによる不使用位置側への回転付勢力により、受話部Cが不使用位置まで回転させられる。
【0033】
カム部材8は、受話部Cが不使用位置とそこから通話位置側へ120°離れた位置との間ではヒンジ軸4に回転不能に連結されているが、120°の位置と通話位置との間では、それらの間の角度の分(160°−120°=40°)だけ相対回転可能になっている。この点について詳細に述べると次のとおりである。
【0034】
図12に示すように、カム部材8の中央部には、その一端面から他端面まで貫通する貫通孔8lがその軸線を回転軸線Lと一致させて形成されている。この貫通孔8lには、ヒンジ軸4の小径軸部4cが回転軸線L方向へ移動可能に、かつ所定範囲回転可能に挿通されている。すなわち、貫通孔8lの断面形状は、二つの小径軸部4cの中心を一致させ、かつ所定角度(この実施の形態ではほぼ40°)だけずらして重ねた合わせものの断面形状と同一の断面形状をなしており、互いに平行な一対の側面8m,8mと互いに平行な他の一対の側面8n,8nとを有している。互いに隣接する側面8mと側面8nとは、40°の角度をもって交差している。したがって、いま貫通孔8lにヒンジ軸4の小径軸部4cを挿通し、小径部4cの両側面を貫通孔8lの一方側面8m,8m(8n,8n)に接触させたものとすると、小径軸部4cはその両側面が他方の側面8n,8n(8m,8m)に接触するまでカム部材8に対して相対回転可能である。よって、小径軸部4cは、カム部材8に対して所定角度(40°)だけ相対回転可能である。
【0035】
カム部材8の可動部材6側と逆側の端面(コイルばね7側の端面)には、一対の係合凹部8p,8pが形成されている。係合凹部8pは、その内周側の側部を貫通孔8lに臨ませて形成されており、回転軸線Lを中心として点対称に配置されている。ここで、仮に一方の係合凹部8pの両側面と他方の係合凹部8pの両側面とを連続させて孔を形成したものとすると、その孔の断面形状はヒンジ軸4の大径軸部4bの断面形状とほぼ同一になっている。したがって、一対の係合凹部8p,8pには、大径軸部4bの外周部が嵌合可能であり、大径軸部4bを係合凹部8p,8pに嵌合させると、カム部材8がヒンジ軸4に回転不能に連結される。
【0036】
係合凹部8pは、その両側面が貫通孔8lの側面8m,8nのうち不使用位置側から通話位置側へ向う方向(図12の矢印方向)を向く側面8m,8mと同一平面上に位置するように配置されている。しかも、係合凹部8pは、受話部Cが不使用位置からほぼ120°回転して、カム部材8の頂面8c及び回転規制面8fが可動部材6の底面6j及び回転規制面6kに突き当たったとき、受話部Cの回転に伴うカム部材8の可動部材6側への移動により、ヒンジ軸4の大径軸部4bが係合凹部8p,8pから抜け出るようになっている。特に、この実施の形態では、前述したように、受話部Cが不使用位置から120°以上回転すると、カム部材8が可動部材6に追随して可動部材6側へ移動するので、大径軸部4bは係合凹部8p、8pから確実に脱出する。大径軸部4bが係合凹部8p,8pから脱出したときには、小径軸部4cの両側面が貫通孔8lの一方の一対の側面8m,8mに接触している。したがって、小径軸部4cは、その両側面が貫通孔8lの他方の一対の側面8n,8nに突き当たるまでカム部材8に対して通話位置側へ回転可能である。小径軸部4cの両側面が側面8n,8nに突き当たったとき、ヒンジ軸4、ひいては受話部Cが通話位置に達する。
【0037】
受話部Cを通話位置から不使用位置側へ回転させた場合には、受話部Cが通話位置から40°回転するまでは小径軸部4cがカム部材8に対して相対回転する。つまり、小径軸部4cの両側面が受話部Cの回転に伴って側面8n,8nから離間する。そして、受話部Cが通話位置から40°回転すると、小径軸部4cの両側面が貫通孔8lの側面8m,8mに突き当たる。これと同時に大径軸部4bが係合凹部8p,8pに嵌合する。この場合、傾斜面6d,6eと球体12B,12Aとによって可動部材6がカム部材8側へ移動させられ、それに追随してカム部材8が移動させられるので、大径軸部4bは係合凹部8p,8pに確実に嵌合する。大径軸部4bが係合凹部8p,8pに嵌合することにより、カム部材8がヒンジ軸4に回転不能に連結される。したがって、その後はカム部材8が受話部Cと一体に不使用位置側へ回転する。そして、受話部Cが不使用位置に達すると、カム部材8は図14に示す初期状態、つまり頂部8cが可動部材6の頂部6hに乗り上がった状態に戻る。
【0038】
上記構成のヒンジ装置において、いま図14において実線で示すように、受話部Cが不使用位置に位置しているものとする。この状態では、図13(A)に示すように、ヒンジ軸4の大径軸部4bが係合凹部8p、8pに嵌合しているので、回転部材3、ヒンジ軸4、回転筒5及びカム部材8が受話部Cと一体に回転する。受話部Cを不使用位置から通話位置に向う方向(図12及び図13の矢印方向)回転させる場合において、受話部Cが不使用位置から15°だけ回転するまでは、コイルばね7の付勢力に基づく回転付勢力に抗して受話部Cを手動で通話位置側へ回転させる。受話部Cが15°を越えて回転すると、カム部材8のカム面8dが可動部材6のカム面6iに突き当たる結果、コイルばね7およびカム面6i,8dによる回転付勢力により、受話部Cがカム部材8、ヒンジ軸4及び回転部材3を介して通話位置側へ自動的に回転させられる。このとき、カム部材8は、受話部Cの回転に伴って可動部材6側へ移動する。受話部Cが不使用位置からほぼ115°回転すると、球体12A,12Bが傾斜面6e,6dにそれぞれ突き当たるようになり、それらによって変換されるコイルばね7の回転付勢力とカム面6i,8dによる回転付勢力とにより、受話部Cが通話位置側へ回転させられる。受話部Cが120°まで回転すると、カム部材8の頂面8c及び回転規制面8fが可動部材6の底面6j及び回転規制面6kに突き当たるので、カム部材8が可動部材6側へ移動不能、かつ通話位置側へ回転不能になり、カム機構9による回転付勢力が発生しなくなる。しかるに、このときには、コイルばね7と球体12A,12B及び傾斜面6e,6dとによる回転付勢力が受話部Cに作用しており、図13(B)に示すように、ヒンジ軸4の大径軸部4bが係合凹部8pから脱出してヒンジ軸4がカム部材8に対して通話位置側へ回転可能になっているので、受話部Cは引き続いて通話位置側へ回転し続ける。受話部Cが不使用位置から145°回転すると、球体12A,12Bが凹部6c,6bに入り込む。この結果、受話部Cは、クリック感をもって通話位置まで回転させられるとともに、通話位置に維持される。また、図13(C)に示すように、ヒンジ軸4の小径軸部4cの両側面が貫通孔8lの側面8n,8nにほぼ突き当たる。
【0039】
通話位置に位置している受話部Cを不使用位置まで回転させる場合において、受話部Cが通話位置から15°回転するまでの間は、受話部Cを球体12A,12B及び凹部6c,6bによって変換されるコイルばね7の回転付勢力に抗して手動で回転させる。その後、受話部Cが通話位置から40°まで回転する間は、球体12A,12B及び傾斜面6e,6dによって変換されるコイルばね7の付勢力に抗して受話部C回転させる。なお、ここのまでの間は、カム部材8が回転することなく、ヒンジ軸4がカム部材8に対して回転している。受話部Cが通話位置から40°〜45°の間に位置しているときには、球体12A,12B及び傾斜面6e,6dによる回転付勢力に加えて、カム面6i,8dによって変換されるコイルばね7の回転付勢力に抗して受話部Cを回転させる。ヒンジ軸4の大径軸部4bが係合凹部8p,8pに嵌合するからである。受話部Cが不使用位置から45°を越えると、受話部Cをカム面6i,8dによって変換されるコイルばね7の回転付勢力に抗して手動で回転させる。受話部Cが不使用位置の15°だけ手前の位置に達すると、球体12A,12Bが凹部6b、6cに入り込む。この結果、受話部Cは、クリック感をもって不使用位置まで回転させられるとともに、不使用位置に維持される。
【0040】
このように、この実施の形態のヒンジ装置1においては、受話部Cの不使用位置と通話位置とにおいて互いに嵌まり合う一対の球体12A,12Bと一対の凹部6b、6cとを有しているから、受話部Cをクリック感をもって不使用位置及び通話位置に維持することができる。しかも、球体12A,12Bが凹部6b、6cから脱出す直前からコイルばね7及びカム機構9によって受話部Cを開位置側へ回転させるようになっているから、受話部Cを不使用位置から若干の角度だけ手動で開けば、その後は自動的に通話位置側へ回転させることができる。さらに、第1、第2ヒンジ部材たる回転部材3及び可動部材6と、付勢手段たるコイルばね7とを回転軸線L上に並べて配置しているので、ヒンジ装置の大径化を防止することができる。
【0041】
特に、この実施の形態では、受話部Cを所定の位置(不使用位置から120°の位置)までをカム機構9によって回転させ、その後はコイルばね7、球体12A,12B及び傾斜面6e,6dによって受話部Cを通話位置側へ回転させているので、カム機構9を構成するカム部6f,6g;8a,8bを無理なく設計製作することができ、しかも受話部Cを通話位置まで自動的に回転させることができる。
【0042】
図15は、この発明の他の実施の形態の受話部Cに作用する回転付勢力(閉トルク及び開トルク)を示す図である。この実施の形態においては、上記の実施の形態における傾斜面6d,6eが形成されていない。また、カム面6i,8dの周方向の長さが受話部Cの回転角度で15°から110°に対応する長さ、つまり95°に対応する長さに設定されている。したがって、この実施の形態では、不使用位置から15°〜110°の範囲が駆動角度範囲になっている。よって、受話部Cは、15°から110°までは通話位置側へ自動的に回転させることができるが、110°から140°の範囲は、受話部Cを手動で回転させることになる。換言すれば、110°から140°の範囲では、球体12A,12Bと当接面6aとの間に作用する摩擦抵抗により、受話部Cを任意の位置で停止させることができる。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。
【0043】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態は、この発明に係るヒンジ装置1を携帯電話機Aに用いたものであるが、ヒンジ装置1はノート型パソコン等にも用いることが可能である。
また、上記の実施の形態においては、回転部材3に球体(凸部)12A,12Bを設け、可動部材6に凹部6b,6cを設けているが、回転部材3に凹部を設け、可動部材6に球体を設けてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のヒンジ装置によれば、例えばそのヒンジ装置を携帯電話機に用いらた場合には、受話部をクリック感をもって閉位置(第1の位置)又は開位置(第2の位置)に回転、維持することができるとともに、受話部を第1の位置から第2の位置側へ小さい角度だけ手動で回転させた後は、受話部を自動的に第2の位置側へ回転させることができ、しかも小型化を達成することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のヒンジ装置が用いられた携帯電話機を、受話部を通話位置に回転させた状態で示す図であって、図1(A)はその正面図、図1(B)はその側面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1に示す携帯電話機に用いられたこの発明に係るヒンジ装置の一実施の形態を示す図であって、図3(A)は受話部を不使用位置に回転させたときの状態を示す断面図、図3(B)は受話部を通話位置に回転させたときの状態を示す断面図である。
【図4】同ヒンジ装置の分解斜視図である。
【図5】同ヒンジ装置のヒンジ本体を示す図であって、図5(A)はその断面図、図5(B)、(C)は、それぞれ図5(A)のB、C矢視図である。
【図6】同ヒンジ装置の回転筒を示す図であって、図6(A)はその断面図、図6(B)は図6(A)のB矢視図である。
【図7】同ヒンジ装置のヒンジ軸を示す図であって、図7(A)はその正面図、図7(B)は図7(A)のB矢視図である。
【図8】同ヒンジ装置の回転部材を示す図であって、図8(A)はその平面図、図8(B)は図8(A)のB−B線に沿う断面図、図8(C)はその底面図である。
【図9】同ヒンジ装置の可動部材を示す図であって、図9(A)はその平面図、図9(B)は図9(A)のB−B線に沿う断面図、図9(C)はその底面図である。
【図10】図9(C)のY−Y線に沿う断面図である。
【図11】図9(A)のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図12】同ヒンジ装置のカム部材を示す図であって、図12(A)はその平面図、図12(B)はその底面図、図12(C)は図12(A)のC矢視図、図12(D)は図12(A)のD−D線に沿う断面図である。
【図13】同ヒンジ装置のヒンジ軸とカム部材との関係を示す図であって、図13(A)は受話部が不使用位置に位置しているときの関係を示し、図13(B)は受話部が不使用位置から通話位置側へ向って120°回転したときの関係を示し、図13(C)は受話部が通話位置に回転したときの関係を示している。
【図14】同ヒンジ装置の一対の球体と一対の凹部との関係、可動部材の一対のカム部とカム部材の一対のカム部との関係、受話部に作用する二つの回転付勢力(閉トルク及び開トルク)およびその二つの回転付勢力を合成した回転付勢力を示す図である。
【図15】この発明の他の実施の形態における、受話部に作用する二つの回転付勢力(閉トルク及び開トルク)およびその二つの回転付勢力を合成した回転付勢力を示す図である。
【符号の説明】
L 回転軸線
1 ヒンジ装置
2 ヒンジ本体
3 回転部材(他方のヒンジ部材)
3b 当接面
4 ヒンジ軸
6 可動部材(一方のヒンジ部材)
6a 当接面
6b 凹部
6c 凹部
6d 傾斜面
6e 傾斜面
7 コイルばね(付勢手段)
8 カム部材
9 カム機構
12A 球体(凸部)
12B 球体(凸部)
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hinge device suitable for use in a mobile phone, a notebook personal computer, or the like.
[0002]
[Prior art]
A conventional hinge device of this type includes a pair of hinge members arranged so as to be rotatable and movable on a rotation axis, and a biasing means such as a coil spring for bringing one of the pair of hinge members into contact with the other. And. One hinge member is attached to, for example, a transmitter of a mobile phone, and the other hinge member is attached to a receiver of the mobile phone. Thereby, the transmission part and the reception part are connected rotatably via a pair of hinge members.
[0003]
One of the contact surfaces of the pair of hinge members is formed with a pair of recesses that are arranged point-symmetrically about the rotation axis, and the other contact surface is arranged point-symmetrically about the rotation axis Protrusions are formed. When the receiving portion is rotated to the non-use position (first position) where the receiving portion has abutted against the transmitting portion, one side portion in the circumferential direction around the rotation axis is one side portion of the pair of concave portions. Hit each. When the earpiece is rotated to a call position (second position) that is a predetermined angle away from the non-use position, the other side portions of the pair of convex portions abut against the other side portions of the pair of concave portions, respectively. Therefore, if the receiving part is rotated until just before the unused position or the calling position, that is, until the central part of each convex part enters the peripheral part of each concave part, the receiving part is automatically closed or opened after that. The receiving part can be maintained in the closed position or the open position with a click feeling (see, for example, Patent Document 1).
[0004]
In another conventional example, a cam mechanism having a cam surface is provided between the contact surfaces of a pair of hinge members. With this cam mechanism, the receiving unit is maintained at the unused position, and when the receiving unit is rotated by a predetermined angle from the unused position toward the calling position, the receiving unit is automatically rotated to the calling position thereafter. And maintained at the call position (see, for example, Patent Document 2).
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2002-181031 A (page 4, FIG. 7)
[Patent Document 2]
JP-A-8-317025 (FIGS. 1 and 8)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the hinge device described in Patent Document 1, the earpiece must be opened and rotated manually. In this case, if both hands can be used, the receiver can be opened and rotated without any problem. However, the receiver can be opened and closed with only one hand, such as when carrying a piece of luggage in one hand. However, it is relatively easy to rotate the receiver by a small angle, but it is difficult to rotate a large angle. In particular, it has been almost impossible to rotate the receiver from the non-use position to the call position with only one hand.
[0007]
On the other hand, in the thing of patent document 2, in order to make the urging | biasing force of a coil spring act on a pair of hinge members in a balanced manner, it is necessary to form a pair of cam surfaces, and for this reason, the cam surfaces are centered on the rotation axis. It is formed point-symmetrically. That is, the pair of cam surfaces is formed every 180 ° on a circumference centered on the rotation axis. In this case, there is no problem if the circumferential length of the cam surface is as short as about 140 °, for example, but the rotation angle from the closed position to the open position of the receiver is usually about 160 °. If it is 160 °, there is only a 20 ° margin between both ends of the pair of cam surfaces. However, the length in the circumferential direction (center angle) of the pair of cam surfaces needs to be 160 ° or more in order to provide a margin for the contact length with the follower. In addition, a gap is also required between the vertical surface formed between the start end of one cam surface and the end of the other cam surface and the follower that contacts the cam surface. For this reason, in the thing of patent document 2, when the rotation angle of the receiving part is large, there existed a problem that design and manufacture became practically difficult. In addition, there is a problem that the click feeling cannot be rotated and maintained at the closed position and the open position of the receiver.
[0008]
The present invention has been made to solve the above-described problems. For example, when used in a mobile phone, the receiving unit has a click feeling to be in a closed position (first position) or an open position (second position). Of course, after the reception unit is manually rotated from the first position to the second position by a small angle, the reception unit is automatically moved to the second position. It is an object to provide a hinge device that can be rotated to the side.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the present invention is directed to a pair of hinge members coupled to be rotatable relative to the rotation axis and to be relatively movable, and opposed to one of the pair of hinge members on the rotation axis. And a biasing means for bringing the one hinge member into contact with the other hinge member, and a pair of recesses on one of the contact surfaces of the pair of hinge members that are in contact with each other. And a pair of convex portions on the other abutting surface are provided point-symmetrically about the rotation axis, and the other hinge member has a predetermined first with respect to the one hinge member. When positioned at position 1, one side in the circumferential direction centering on the rotation axis of the pair of convex portions and the pair of concave portions forming the first combination is in contact with the other hinge. The above-mentioned one hinge member On the other hand, when it is located at a second position separated from the first position in one direction by a predetermined angle, the rotation axis of the pair of convex portions and the pair of concave portions forming the second combination is the center. In the hinge device in which the other side portions in the circumferential direction are in contact with each other, a cam member that is brought into contact with the one hinge member by the biasing means is provided between the one hinge member and the biasing means. The second hinge member is disposed between the first position and the second hinge member between the cam member and the one hinge member. The biasing force of the biasing means in the direction of the rotation axis with respect to the cam member when the cam member is positioned from a first position side to the cam member is To the second position side It provided a cam mechanism for converting the rotational biasing force biasing, and the cam member is characterized by being non-rotatably coupled to the above other hinge member which is located above a predetermined driving angle range.
[0010]
In this case, it further includes a hinge shaft arranged so that its axis coincides with the rotation axis, and the one hinge member is penetrated so as to be rotatable by the hinge shaft and movable in the direction of the rotation axis. A hinge member is non-rotatably connected to the hinge shaft and non-movable in a direction away from a predetermined position along the rotation axis with respect to the one hinge member, and the cam member is movably penetrated by the hinge shaft. In addition, it is desirable that the cam member be non-rotatably connected to the hinge shaft when the other hinge member is located in the drive angle range.
A coil spring is used as the urging means, and it is desirable that the coil spring is extrapolated to a portion of the hinge shaft that extends from the one hinge member toward the opposite side of the other hinge member.
It further includes a cylindrical hinge body whose axis is aligned with the rotational axis, and the coil spring, the cam member, and the one hinge member are sequentially inserted into the hinge body from one end side to the other end side. And at least a part of the other hinge member protrudes outside from the other end of the hinge body, and the one hinge member is accommodated in the hinge body so as not to rotate and to move in the direction of the rotation axis. The cam member is accommodated in the hinge body so as to be rotatable and movable in the direction of the rotation axis, and the hinge shaft is rotatably inserted into the hinge body, and the other is provided from one end side of the hinge body. It is desirable that movement beyond a predetermined position in the direction toward the end side is prevented.
It is desirable that the drive angle range is an angle range excluding the first position and the second position.
The drive angle range includes a rotational position of the other hinge member immediately before the pair of convex portions escape from the pair of concave portions forming the first combination, and the pair of convex portions and the second combination. An angle range between the rotation position of the other hinge member immediately after entering the pair of recesses formed may be used.
The driving angle range includes the rotational position of the other hinge member immediately before the pair of convex portions escapes from the pair of concave portions forming a first combination with the pair of convex portions, and the pair of convex portions corresponding to the first and second convex portions. An angular range between the rotational position of the other hinge member when it is located at a position separated by a predetermined separation angle from the position entering the pair of recesses forming the combination of 2 to the first position side. It ’s good. In that case, the other hinge member is moved from the first position side to the second position side on one of the contact surfaces of the pair of hinge members formed with the pair of recesses. A pair of inclined surfaces extending from the side portions of the pair of concave portions on the side into which the pair of convex portions enter when rotated to the circumferential direction around the rotation axis at least by the separation angle. Is inclined so as to gradually move away from the contact surface of the one hinge member in which the concave portion is formed from the tip in the circumferential direction toward the concave portion, in the depth direction of the concave portion, and the pair of convex portions Is in contact with the pair of inclined surfaces, the biasing force of the biasing means is converted into a rotational biasing force that rotates the other hinge member from the first position side to the second position side. The pair of protrusions by force There it is desirable that the other hinge member to enter the pair of concave portions forming this second combination is rotated from the first position side toward the second position side.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to FIGS.
1 to 14 show an embodiment in which a hinge device according to the present invention is used in a mobile phone. First, the mobile phone A will be described. As shown in FIG. 1, the mobile phone A has a transmitter B and a receiver C. Connection cylinder portions B1 and B2 are formed on both sides of one end portion of the transmitter portion B on the receiver portion C side. At one end of the receiving part C on the transmitting part B side, connecting cylinder parts C1 and C2 are formed. Connection cylinder part C1, C2 is arrange | positioned between connection cylinder part B1, B2. The connecting cylinder part C1 is adjacent to the connecting cylinder part B1 and is paired with the connecting cylinder part B1. The connecting cylinder part C2 is adjacent to the connecting cylinder part B2, and forms a pair with the connecting cylinder part B2. The connecting cylinder portions B1 and C1 forming one pair are rotatably connected via a hinge device 1 (see FIG. 2) according to the present invention. The connecting cylinder portions B2 and C2 forming the other pair are rotatably connected via a shaft body (not shown). Thereby, the transmission part B and the reception part C are connected so as to be rotatable about the rotation axis L. Of course, the connecting members B2 and C2 may also be rotatably connected by the hinge device 1 according to the present invention. The rotation range of the transmitting part B and the receiving part C is the non-use position (first position) where the receiving part C hits the front surface of the transmitting part B as shown by the imaginary line in FIG. , And a call position that is separated from the unused position by a predetermined angle (160 ° in this embodiment).
[0012]
As shown in FIG. 2, the hinge device 1 includes a hinge body 2 and a rotating member (the other hinge member) 3. The hinge body 2 is non-rotatably fitted to the connecting cylinder portion C1 in a state where the axis line thereof coincides with the rotation axis line L. The rotating member 3 is non-rotatably fitted to the connecting cylinder portion B1 in a state where its axis is aligned with the rotating axis L. The hinge body 2 and the rotating member 3 are rotatably connected by a hinge shaft 4 having an axis aligned with the rotation axis L. As a result, the connecting cylinder portions B1 and C1 are connected to be rotatable via the hinge device 1, and as a result, the transmitting portion B and the receiving portion C are connected to be rotatable about the rotation axis L by the hinge device 1. Yes.
For convenience of explanation, in the following, it is assumed that the receiver C rotates with respect to the transmitter B, and as a result, the rotating member 3 rotates with respect to the hinge body 2.
[0013]
As shown in FIGS. 3 and 4, in addition to the hinge body 2, the rotating member 3, and the hinge shaft 4, the hinge device 1 includes a rotating cylinder 5, a movable member (one hinge member) 6, a coil spring (biasing means). ) 7 and a cam member 8.
[0014]
As shown in FIGS. 3 and 5, the hinge body 2 has a cylindrical shape. A small-diameter hole 2a is formed on one end side (left end side in FIG. 5) inside the hinge body 2, and a large-diameter portion 2b is formed on the other end side.
[0015]
A rotating cylinder 5 is rotatably inserted into the small diameter hole 2a of the hinge body 2. As shown in FIGS. 3, 4 and 6, the rotating cylinder 5 has a bottomed cylindrical shape having a bottom 5a at one end (left end in FIG. 3) and an opening at the other end. 5a is inserted into the small-diameter hole 2a with the hinge body 2 positioned on one end side. The outer diameter of the rotating cylinder 5 is slightly smaller than the inner diameter of the small-diameter hole 2a, and an annular gap (see FIG. 5) between the outer peripheral surface of the rotating cylinder 5 and the outer peripheral surface of the small-diameter hole 2a. (Not shown) is formed. This gap is filled with a viscous fluid (not shown), and a damper mechanism is constituted by the inner peripheral surface of the small-diameter hole 2a, the outer peripheral surface of the rotating cylinder 5, and the viscous fluid. The damper mechanism prevents the rotating cylinder 5 from rotating at high speed, and the rotating cylinder 5 rotates only at low speed. A seal member 11 such as an O-ring is provided between both end portions of the outer peripheral surface of the rotating cylinder 5 and both end portions of the inner peripheral surface of the small diameter hole portion 2a. Leakage to the outside is prevented from the gap between the inner circumferential surface and the outer circumferential surface of the rotary cylinder 5.
[0016]
As shown in FIGS. 3, 4 and 7, the hinge shaft 4 includes a disc-shaped head portion 4a, a large-diameter shaft portion 4b extending perpendicularly from one end surface of the head portion 4a, and a large-sized shaft portion 4b. And a small-diameter shaft portion 4c extending further from the distal end surface of the radial shaft portion 4b. The head 4a, the large-diameter shaft portion 4b, and the small-diameter shaft portion 4c are integrally formed with their axes aligned. The hinge shaft 4 is inserted into the hinge body 2 from one end thereof (the left end portion in FIG. 3), and the head 4 a abuts against one end surface of the hinge body 2. As a result, the hinge shaft 4 is prevented from moving in the direction from one end side to the other end side of the hinge body 2. The large-diameter shaft portion 4b of the hinge shaft 4 is fitted in a through hole 5b formed in the bottom portion 5a of the rotary cylinder 5 so as not to rotate. Thus, the hinge shaft 4 rotates integrally with the rotary cylinder 5, and one end portion of the hinge shaft 4 is rotatably supported by the one end portion of the hinge body 2 via the rotary cylinder 5.
[0017]
As shown in FIG. 3, the rotating member 3 is disposed outside the other end side (right side in FIG. 3) of the hinge body 2. The entire rotating member 3 is disposed outside the hinge body 2, but a part of the rotating member 3 may be rotatably fitted in the large-diameter hole 2 b of the hinge body 2. One end face (left end face in FIG. 3) of the rotating member 3 facing the hinge body 2 abuts on the other end face (right end face in FIG. 3) of the hinge body 2. Thereby, the rotation member 3 is prevented from moving from the other end side of the hinge body 2 to one end side. A through hole 3 a penetrating on the rotation axis L is formed at the center of the rotating member 3. A small-diameter shaft portion 4c of the hinge shaft 4 protruding outside from the other end portion of the hinge body 2 is inserted through the through hole 3a so as not to rotate. Therefore, the rotating member 3 rotates integrally with the hinge shaft 4 and the rotating cylinder 5.
[0018]
As shown in FIG. 3, the distal end portion of the small-diameter shaft portion 4 c of the hinge shaft 4 passes through the through hole 3 a of the rotating member 3 and projects to the outside. A flange-like stopper portion 4d is formed at the tip of the small-diameter shaft portion 4c of the hinge shaft 4 by crimping the end portion protruding from the rotating member 3. The stopper 4d abuts against the rotating member 3 via a spacer 13 described later, thereby preventing the rotating member 3 from moving from one end side of the hinge body 2 to the other end side. Moreover, since the head 4a abuts against one end surface of the hinge body 2 and the rotating member 3 abuts against the other end surface of the hinge body 2, the hinge body 2 and the rotating member 3 are connected to the head 4a of the hinge shaft 4 and It is in a state of being substantially clamped by the stopper portion 4d. As a result, the hinge body 2 and the rotating member 3 are not only coupled to be rotatable via the hinge shaft 4 and movable in the direction of the rotation axis L, but also the hinge body 2, the rotating member 3, the hinge shaft 4 and the rotation. The cylinder 5, the movable member 6, the coil spring 7 and the cam member 8 which will be described later are unitized (integrated).
[0019]
As shown in FIG. 3, the movable member 6 is fitted into the large-diameter hole 2 b of the hinge body 2 so as not to rotate and to move in the direction of the rotation axis L. The central portion of the movable member 6 is rotatably penetrated by the small diameter shaft portion 4 c of the hinge shaft 4. Therefore, the movable member 6 does not rotate even when the rotating member 3 and the hinge shaft 4 rotate, and maintains the stopped state together with the hinge body 2. The small-diameter shaft portion 4 c of the hinge shaft 4 is rotatably fitted to the central portion of the movable member 6, so that the other end portion (small-diameter shaft portion 4 c) of the hinge shaft 4 is connected to the hinge body 2 via the movable member 6. Is supported rotatably at the other end portion of the.
[0020]
The movable member 6 is urged in the direction of the rotation axis L by a coil spring 7 accommodated in the rotary cylinder 5 via a cam member 8 described later, and is brought into contact with the rotary member 3. A contact surface (right end surface in FIG. 3) 6a of the movable member 6 with respect to the rotating member 3 is formed with a pair of recesses 6b and 6c as shown in FIG. The pair of recesses 6b and 6c are arranged point-symmetrically about the rotation axis L. The wall surfaces that define the recesses 6b and 6c are formed as hemispherical surfaces, but may be formed as a conical surface or a semicylindrical surface extending in the radial direction of the movable member 6.
[0021]
As shown in FIGS. 3 and 8, a pair of receiving recesses 3c and 3c are formed on the contact surface (left end surface in FIG. 3) 3b of the rotating member 3 with the movable member 6. Each housing recess 3c has a semicircular shape and is arranged point-symmetrically about the rotation axis L. Moreover, the housing recesses 3c, 3c are arranged on a circumference having the same diameter as the circumference where the recesses 6b, 6c are arranged. In each of the receiving recesses 3c and 3c, spheres (convex portions) 12A and 12B are provided so as to be rotatable and detachable in a state where substantially half of each of the receiving recesses 3A and 12B protrudes toward the movable member 6. The spherical bodies 12 </ b> A and 12 </ b> B are brought into contact with the contact surface 6 a of the movable member 6 by the urging force of the coil spring 7. Therefore, when the rotating member 3 is rotated, the spherical bodies 12A and 12B roll on the contact surface 6a of the movable member 6 and enter the recesses 6b and 6c at a predetermined rotational position.
[0022]
That is, it is assumed that the receiving part C is now in the unused position. At this time, as indicated by an imaginary line in FIG. 9 and a solid line in FIG. 14, the spheres 12A and 12B respectively enter one side of the recesses 6b and 6c in the circumferential direction centering on the rotation axis L. And one side surface of spherical body 12A, 12B and one side surface of recessed part 6b, 6c are each press-contacting. In this state, the urging force of the coil spring 7 that presses the movable member 6 against the rotating member 3 is a rotational urging force (in FIG. Is described as “closed torque”). Due to this rotational biasing force, the receiver C is rotationally biased from the call position side to the non-use position side via the rotary member 3 and is maintained at the non-use position. On the other hand, when the receiver C is rotated from the non-use position to the call position side by a predetermined angle (approximately 20 ° in this embodiment) against the rotational biasing force, as shown by a broken line in FIG. , 12B escape from the recesses 6b, 6c, respectively. In other words, assuming that the receiving unit C is rotated from the call position side to the non-use position side, when the reception unit C is rotated to an earlier position by an angle smaller than 20 ° with respect to the non-use position, a sphere 12A and 12B enter into one side portions of the recesses 6b and 6c, respectively. Then, a rotation urging force is generated, and the rotation member 3 is rotated to the unused position by the rotation urging force, and is positioned at the unused position with a click feeling. When the spheres 12A and 12B escape from the recesses 6b and 6c, the spheres 12A and 12B come into contact with the contact surface 6a of the movable member 6. At this time, since the contact surface 6a is a plane orthogonal to the rotation axis L, the spherical bodies 12A and 12B roll on the contact surface 6a as the rotating member 3 rotates toward the use position. Of course, when a convex part is formed integrally with the rotating member 3 instead of the spherical bodies 12A and 12B, the convex part slides on the contact surface 6a.
[0023]
When the receiving part C is positioned at the call position, the spheres 12A and 12B enter the recesses 6b and 6c, respectively, as indicated by imaginary lines in FIG. It also enters the other side of the recess 6b, 6c in the circumferential direction around the rotation axis L. The other side surfaces of the spheres 12A and 12B and the other side surfaces of the recesses 6c and 6b are in press contact with each other. As a result, the urging force of the coil spring 7 is a rotational urging force that acts in the opposite direction to the rotational urging force that is converted when one side of the spheres 12A, 12B presses against one side of the recesses 6b, 6c. In FIG. 14, it is described as “open torque”). With this rotation urging force, the receiver C is urged to rotate toward the call position and is maintained at the call position. When the receiving part C is rotated by a predetermined angle (approximately 20 ° in this embodiment) from the talking position toward the non-use position against the rotational biasing force, the spheres 12A and 12B escape from the recesses 6c and 6b, respectively. To do. In other words, assuming that the receiving unit C is rotated from the non-use position side to the call position side, when the receiving unit C is rotated to an earlier position by an angle smaller than 20 ° with respect to the call position, the spheres 12A and 12B Enters the other side of the recesses 6b, 6c. As a result, the rotating member 3 is rotated to the calling position and is positioned at the calling position with a click feeling.
However, in practice, as described below, since the inclined surfaces 6d and 6e extending in the circumferential direction from the other side portions of the recesses 6b and 6c are formed on the contact surface 6a, the spheres 12A and 12B are When C rotates from the call position toward the non-use position side by an angle smaller than 20 °, for example, about 15 °, it escapes from the recesses 6b and 6c.
[0024]
As shown in FIGS. 9A and 11, the contact surface 6a of the movable member 6 has a pair of inclined surfaces 6d and 6e extending in the circumferential direction from the other side of the recesses 6b and 6c. Is symmetrical with respect to the center. The tip portions of the inclined surfaces 6d and 6e are separated from the recesses 6b and 6c by a predetermined separation angle with the rotation axis L as the center. In this embodiment, 45 ° is adopted as the separation angle. Therefore, when the reception unit C is rotated by 115 ° from the non-use position toward the call position, the spheres 12A and 12B come into press contact with the inclined surfaces 6e and 6d, respectively. When the spherical bodies 12A and 12B are pressed against the inclined surfaces 6e and 6d, the urging force of the coil spring 7 is converted into a rotating urging force by the inclined surfaces 6d and 6e, and the receiving portion C is moved to the unused position side by the rotating urging force. , The spheres 12A and 12B roll on the inclined surfaces 6e and 6d. Moreover, since the inclined surfaces 6d and 6e extend to the recesses 6c and 6b, the spherical bodies 12A and 12B enter the recesses 6c and 6b after rolling on the inclined surfaces 6e and 6d. Therefore, when the reception unit C is rotated by 115 ° from the non-use position toward the call position, it is automatically rotated to the call position thereafter.
[0025]
As shown in FIG. 8, a circular hole 3 d centering on the rotation axis L is formed on the end surface of the rotating member 3 facing the side opposite to the movable member 6 side. As shown in FIG. 3, a spacer 13 is inserted into the circular hole 3d. The spacer 13 is penetrated non-rotatably by the small-diameter shaft portion 4c of the hinge shaft 4, and abuts against a stopper portion 4d formed at the tip of the small-diameter shaft portion 4c. As a result, the spacer 13 and thus the rotating member 3 are prevented from coming out of the small diameter shaft portion 4c. An annular recess 3e is formed on the bottom surface of the circular hole 3d. The annular recess 3e extends on the same circumference as the circumference where the accommodation recess 3c is disposed, and communicates with the bottom of the accommodation recess 3c. A reinforcing member 14 made of a material having a hardness higher than that of the rotating member 3 is rotatably inserted into the annular recess 3e. When the reinforcing member 14 comes into contact with the spheres 12A and 12B, the wall surfaces defining the accommodating recess 3c are prevented from being abraded by the spheres 12A and 12B and worn at an early stage.
[0026]
As shown in FIG. 3, a cam member 8 is disposed between the coil spring 7 and the movable member 6. The cam member 8 is used for rotating the receiving unit C from the non-use position side to the call position side when the receiving unit C is located in a predetermined drive angle range between the non-use position and the call position. Is. Therefore, the cam member 8 is rotatable with respect to the hinge main body 2 rotating cylinder 5 and the movable member 6 and is movable in the direction of the rotation axis L. However, the cam member 8 is in the direction of the rotation axis L with respect to the hinge shaft 4. However, the rotation about the rotation axis L is switched between a non-rotatable state and a rotatable state by a predetermined angle according to the rotational position of the receiver C.
[0027]
That is, the cam member 8 is brought into contact with the movable member 6 by the biasing force of the coil spring 7. As shown in FIG. 12, a pair of cam portions 8 a and 8 b extending in the circumferential direction are point-symmetric about the rotation axis L on the contact surface of the cam member 8 with respect to the movable member 6 (upper surface in FIG. 12C). Is formed. The cam portion 8a has a top surface 8c, a cam surface 8d, and a bottom surface 8e. The top surface 8 c is the surface closest to the movable member 6 and is formed on a plane orthogonal to the rotation axis L. The cam surface 8d is formed as an inclined surface having a downward gradient from the top surface 8c toward the bottom surface 8e. The bottom surface 8 e is the surface farthest from the movable member 6 and is formed as a plane orthogonal to the rotation axis L. The cam portion 8b is also formed in the same manner as the cam portion 8a. Between the top surface 8c of the cam portion 8a and the bottom surface 8e of the cam portion 8b, a rotation restricting surface 8f extending in parallel with the rotation axis L is formed. This is the same between the top surface 8c of the cam portion 8b and the bottom surface 8e of the cam portion 8a.
[0028]
As shown in FIGS. 9 and 10, a pair of cam portions 6 f and 6 g extending in the circumferential direction are centered on the rotation axis L on the contact surface (the lower surface in FIG. 9B) of the movable member 6 with respect to the cam member 8. It is formed as point symmetry. The cam portions 6f and 6g constitute the cam mechanism 9 that rotates the receiving portion C from the unused position side to the talking position side in cooperation with the cam portions 8a and 8b of the cam member 8. The cam portion 6f has a top surface 6h, a cam surface 6i, and a bottom surface 6j. The top surface 6h is the surface closest to the cam member 8, and is formed in a plane orthogonal to the rotation axis L. The cam surface 6i is formed as an inclined surface that forms a downward gradient from the top surface 6h toward the bottom surface 6j. The bottom surface 6j is the surface farthest from the cam member 8, and is formed as a plane orthogonal to the rotation axis L. The cam portion 6g is also formed in the same manner as the cam portion 6f. Between the top surface 6h of the cam portion 6f and the bottom surface 6j of the cam portion 6g, a rotation restricting surface 6k extending in parallel with the rotation axis L is formed. This is the same between the top surface 6h of the cam portion 6g and the bottom surface 6j of the cam portion 6f.
[0029]
The cam portions 6 f and 6 g of the movable member 6 and the cam portions 8 a and 8 b of the cam member 8 are brought into press contact with the coil spring 7, respectively. Here, if the cam member 8 is non-rotatably connected to the hinge shaft 4 and thereby rotates integrally with the receiving part C, the receiving part C is located at the non-use position as shown in FIG. Sometimes, the top surfaces 8 c and 8 c of the cam member 8 abut against the top surfaces 6 h and 6 h of the movable member 6. When the receiving part C is rotated from the non-use position toward the call position side and the spheres 12A, 12B are rotated to a position just before the escape from the recesses 6b, 6c, the cam surfaces 6i, 6i of the movable member 6 and the cam member 8; 8d and 8d are in press contact with each other. In this embodiment, the cam surfaces 6i and 8d are in press contact with each other when the receiving part C rotates approximately 15 ° from the non-use position toward the call position. When the cam surfaces 6i and 8d are in press contact, the urging force of the coil spring 7 is converted into a rotating urging force. With this rotational biasing force, the receiving part C is rotationally biased from the unused position side to the talking position side via the cam member 8, the hinge shaft 4 and the rotating member 3. Here, the rotational urging force by the cam surfaces 6i and 8d when the receiving part C rotates 15 ° from the non-use position is larger than the rotational urging force by the spheres 12A and 12B and the recesses 6b and 6c at the same position of the receiving part C. . Therefore, the position immediately before the spheres 12A and 12B escape from the recesses 6b and 6c in the receiving part C (in this embodiment, a position 15 ° away from the non-use position to the call position side. That is, 5 ° with respect to the escape position. Then, the receiver C automatically escapes from the recesses 6b and 6c and is automatically rotated to the call position side. The cam member 8 moves to the movable member 6 side with the rotation of the receiver C. On the other hand, the movable member 6 is prevented from moving toward the rotating member 3 by the rotating member 3 and is stopped with respect to the cam member 8. Therefore, the cam member 8 rotates relative to the movable member 6 while moving in the direction of the rotation axis L.
[0030]
When the receiving part C rotates approximately 120 ° from the unused position toward the talking position, the top surface 8c and the rotation restricting surface 8f of the cam member 8 come into contact with the bottom surface 6j and the rotation restricting surface 6k of the movable member 6, respectively. As a result, the cam member 8 cannot move to the movable member 6 side and cannot rotate to the call position side. Therefore, the cam mechanism 9 does not generate a rotation urging force that rotates the receiver C from the unused position side to the call position side. As will be apparent, in the hinge device 1 of this embodiment, the angle range from the position where the receiver C is 15 ° away from the non-use position to the position 120 ° away, that is, the range of 105 ° is the drive angle range. It has become.
[0031]
If the cam member 8 is connected to the hinge shaft 4 so as not to rotate at all times, the hinge shaft 4 also cannot rotate to the talking position side by 120 ° or more, and the receiving portion C also cannot rotate. However, as will be described later, the hinge shaft 4 can be rotated to the call position even after the cam member 8 is prevented from rotating to the call position side by the movable member 6. In addition, as described above, when the reception unit C rotates to a position distant from the non-use position by 115 °, the spheres 12A and 12B come into contact with the inclined surfaces 6e and 6d, respectively, so that the reception unit C automatically reaches the call position. To be rotated. At this time, since the movable member 6 moves to the rotating member 3 side with the rotation of the receiver C, the cam member 8 follows the movable member 6 and moves to the rotating member 3 side.
[0032]
When the receiver C is rotated to the non-use position side from the state where the rotation restricting surfaces 8f and 6j are in contact, the receiver C is rotated against the biasing force of the coil spring 7. When the receiving part C is rotated to a position just before the non-use position by 15 °, the top surface 8c of the cam member 8 rides on the top surface 8c of the movable member 6. As a result, the rotational biasing force that rotates the receiving portion C to the call position side does not act on the cam member 6. Therefore, the receiving part C is rotated to the non-use position by the rotation biasing force toward the non-use position by the spheres 12A, 12B and the recesses 6b, 6c.
[0033]
The cam member 8 is non-rotatably connected to the hinge shaft 4 between the position where the receiving part C is not used and the position away from the call position 120 ° to the call position side. In between, relative rotation is possible by the amount of the angle between them (160 ° -120 ° = 40 °). This point is described in detail as follows.
[0034]
As shown in FIG. 12, a through hole 8 l that penetrates from one end surface to the other end surface is formed in the central portion of the cam member 8 so that its axis coincides with the rotation axis L. A small-diameter shaft portion 4c of the hinge shaft 4 is inserted into the through hole 8l so as to be movable in the direction of the rotation axis L and to be rotatable within a predetermined range. That is, the cross-sectional shape of the through-hole 8l has the same cross-sectional shape as the cross-sectional shape of the laminated product in which the centers of the two small-diameter shaft portions 4c are aligned and shifted by a predetermined angle (approximately 40 ° in this embodiment). It has a pair of side surfaces 8m, 8m parallel to each other and another pair of side surfaces 8n, 8n parallel to each other. The side surface 8m and the side surface 8n adjacent to each other intersect at an angle of 40 °. Therefore, when the small diameter shaft portion 4c of the hinge shaft 4 is inserted into the through hole 8l and both side surfaces of the small diameter portion 4c are brought into contact with one side surface 8m, 8m (8n, 8n) of the through hole 81, the small diameter shaft The portion 4c can rotate relative to the cam member 8 until both side surfaces thereof come into contact with the other side surfaces 8n, 8n (8m, 8m). Therefore, the small diameter shaft portion 4c can be rotated relative to the cam member 8 by a predetermined angle (40 °).
[0035]
A pair of engaging recesses 8p and 8p are formed on the end surface of the cam member 8 opposite to the movable member 6 side (end surface on the coil spring 7 side). The engaging recess 8p is formed with its inner peripheral side facing the through-hole 8l, and is arranged point-symmetrically about the rotation axis L. Here, if a hole is formed by continuously connecting both side surfaces of one engagement recess 8p and both side surfaces of the other engagement recess 8p, the cross-sectional shape of the hole is the large-diameter shaft portion of the hinge shaft 4 It is almost the same as the cross-sectional shape of 4b. Therefore, the outer peripheral portion of the large-diameter shaft portion 4b can be fitted into the pair of engaging recesses 8p and 8p. When the large-diameter shaft portion 4b is fitted into the engaging recesses 8p and 8p, the cam member 8 is The hinge shaft 4 is non-rotatably connected.
[0036]
The engaging recess 8p is located on the same plane as the side surfaces 8m, 8m facing both sides of the through holes 8l in the direction (arrow direction in FIG. 12) from the unused position side to the talking position side. Are arranged to be. In addition, in the engaging recess 8p, the receiving part C rotates approximately 120 ° from the non-use position, and the top surface 8c and the rotation restricting surface 8f of the cam member 8 abut against the bottom surface 6j and the rotation restricting surface 6k of the movable member 6. At this time, due to the movement of the cam member 8 toward the movable member 6 with the rotation of the receiving portion C, the large-diameter shaft portion 4b of the hinge shaft 4 comes out of the engaging recesses 8p and 8p. In particular, in this embodiment, as described above, when the receiving part C rotates 120 ° or more from the non-use position, the cam member 8 follows the movable member 6 and moves to the movable member 6 side. The part 4b surely escapes from the engaging recesses 8p, 8p. When the large diameter shaft portion 4b escapes from the engaging recesses 8p, 8p, both side surfaces of the small diameter shaft portion 4c are in contact with one pair of side surfaces 8m, 8m of the through hole 8l. Therefore, the small-diameter shaft portion 4c can rotate to the talking position side with respect to the cam member 8 until both side surfaces thereof abut against the other pair of side surfaces 8n, 8n of the through hole 8l. When both side surfaces of the small-diameter shaft portion 4c abut against the side surfaces 8n and 8n, the hinge shaft 4, and hence the receiving portion C, reaches the call position.
[0037]
When the receiving part C is rotated from the talking position to the non-use position, the small-diameter shaft part 4c rotates relative to the cam member 8 until the receiving part C rotates 40 ° from the talking position. That is, both side surfaces of the small-diameter shaft portion 4c are separated from the side surfaces 8n and 8n as the receiving portion C rotates. And if the receiving part C rotates 40 degrees from a call position, both side surfaces of the small diameter shaft part 4c will contact | abut the side surfaces 8m and 8m of the through-hole 8l. At the same time, the large-diameter shaft portion 4b is fitted into the engaging recesses 8p and 8p. In this case, the movable member 6 is moved to the cam member 8 side by the inclined surfaces 6d and 6e and the spheres 12B and 12A, and the cam member 8 is moved following the movement member 6, so that the large-diameter shaft portion 4b is engaged with the engagement recess. Fits securely to 8p and 8p. The cam member 8 is non-rotatably connected to the hinge shaft 4 by fitting the large-diameter shaft portion 4b into the engagement recesses 8p and 8p. Therefore, after that, the cam member 8 rotates together with the receiving part C to the non-use position side. When the receiver C reaches the non-use position, the cam member 8 returns to the initial state shown in FIG. 14, that is, the state where the top 8 c rides on the top 6 h of the movable member 6.
[0038]
In the hinge device configured as described above, it is assumed that the receiving part C is located at the non-use position as shown by a solid line in FIG. In this state, as shown in FIG. 13A, the large-diameter shaft portion 4b of the hinge shaft 4 is fitted in the engagement recesses 8p and 8p, so that the rotating member 3, the hinge shaft 4, the rotating cylinder 5 and The cam member 8 rotates integrally with the receiving part C. In the case where the receiving part C is rotated from the non-use position to the call position (the arrow direction in FIGS. 12 and 13), the energizing force of the coil spring 7 until the receiving part C is rotated by 15 ° from the non-use position. The receiver C is manually rotated to the call position side against the rotational biasing force based on the above. When the receiving portion C rotates beyond 15 °, the cam surface 8d of the cam member 8 abuts against the cam surface 6i of the movable member 6, and as a result, the receiving portion C is caused by the rotational biasing force of the coil spring 7 and the cam surfaces 6i, 8d. It is automatically rotated to the talking position side via the cam member 8, the hinge shaft 4 and the rotating member 3. At this time, the cam member 8 moves to the movable member 6 side with the rotation of the receiver C. When the receiver C rotates approximately 115 ° from the non-use position, the spheres 12A and 12B come into contact with the inclined surfaces 6e and 6d, respectively, and the rotational biasing force of the coil spring 7 converted by them and the cam surfaces 6i and 8d. The receiver C is rotated to the call position side by the rotation urging force. When the receiving part C rotates to 120 °, the top surface 8c and the rotation restricting surface 8f of the cam member 8 abut against the bottom surface 6j and the rotation restricting surface 6k of the movable member 6, so that the cam member 8 cannot move to the movable member 6 side. In addition, it becomes impossible to rotate to the call position side, and the rotation urging force by the cam mechanism 9 is not generated. However, at this time, the rotational urging force by the coil spring 7, the spheres 12A and 12B, and the inclined surfaces 6e and 6d acts on the receiver C, and as shown in FIG. Since the shaft portion 4b escapes from the engaging recess 8p and the hinge shaft 4 is rotatable to the call position side with respect to the cam member 8, the receiver C continues to rotate to the call position side. When the receiver C rotates 145 ° from the non-use position, the spheres 12A and 12B enter the recesses 6c and 6b. As a result, the receiver C is rotated to the call position with a click feeling and is maintained at the call position. Further, as shown in FIG. 13C, both side surfaces of the small-diameter shaft portion 4c of the hinge shaft 4 substantially abut against the side surfaces 8n and 8n of the through hole 8l.
[0039]
When the receiver C located at the call position is rotated to the non-use position, the receiver C is moved by the spheres 12A and 12B and the recesses 6c and 6b until the receiver C rotates 15 ° from the call position. It is rotated manually against the rotational biasing force of the coil spring 7 to be converted. Thereafter, while the receiving part C is rotated to 40 ° from the call position, the receiving part C is rotated against the urging force of the coil spring 7 converted by the spheres 12A and 12B and the inclined surfaces 6e and 6d. In the meantime, the hinge shaft 4 is rotating with respect to the cam member 8 without rotating the cam member 8. When the receiver C is located between 40 ° and 45 ° from the call position, the coil spring is converted by the cam surfaces 6i and 8d in addition to the rotational biasing force of the spherical bodies 12A and 12B and the inclined surfaces 6e and 6d. The receiver C is rotated against the rotational urging force 7. This is because the large-diameter shaft portion 4b of the hinge shaft 4 is fitted into the engaging recesses 8p and 8p. When the receiving part C exceeds 45 ° from the non-use position, the receiving part C is manually rotated against the rotational urging force of the coil spring 7 converted by the cam surfaces 6i and 8d. When the receiving part C reaches a position 15 ° before the non-use position, the spheres 12A and 12B enter the recesses 6b and 6c. As a result, the receiver C is rotated to the unused position with a click feeling and is maintained at the unused position.
[0040]
Thus, the hinge device 1 of this embodiment has a pair of spheres 12A and 12B and a pair of recesses 6b and 6c that fit into each other at the unused position and the call position of the receiver C. Thus, the receiving part C can be maintained at the unused position and the call position with a click feeling. In addition, the receiving part C is rotated to the open position side by the coil spring 7 and the cam mechanism 9 immediately before the spherical bodies 12A and 12B escape from the recesses 6b and 6c. If this angle is manually opened, it can be automatically rotated to the call position side thereafter. Furthermore, since the rotating member 3 and the movable member 6 as the first and second hinge members and the coil spring 7 as the biasing means are arranged side by side on the rotation axis L, it is possible to prevent the hinge device from increasing in diameter. Can do.
[0041]
In particular, in this embodiment, the receiving part C is rotated to a predetermined position (position 120 ° away from the non-use position) by the cam mechanism 9, and thereafter the coil spring 7, the spherical bodies 12A and 12B, and the inclined surfaces 6e and 6d. Therefore, the cam part 6f, 6g; 8a, 8b constituting the cam mechanism 9 can be designed and manufactured without difficulty, and the receiver part C is automatically set to the call position. Can be rotated.
[0042]
FIG. 15 is a diagram showing a rotational biasing force (a closing torque and an opening torque) acting on the receiver C according to another embodiment of the present invention. In this embodiment, the inclined surfaces 6d and 6e in the above embodiment are not formed. The circumferential length of the cam surfaces 6i, 8d is set to a length corresponding to 15 ° to 110 ° in terms of the rotation angle of the receiving part C, that is, a length corresponding to 95 °. Therefore, in this embodiment, the range of 15 ° to 110 ° from the non-use position is the drive angle range. Therefore, the receiver C can be automatically rotated toward the call position from 15 ° to 110 °, but the receiver C is manually rotated in the range of 110 ° to 140 °. In other words, in the range of 110 ° to 140 °, the receiver C can be stopped at an arbitrary position by the frictional resistance acting between the spheres 12A, 12B and the contact surface 6a. Other configurations are the same as those in the above embodiment.
[0043]
In addition, this invention is not limited to said embodiment, It can change suitably.
For example, in the above embodiment, the hinge device 1 according to the present invention is used for the mobile phone A, but the hinge device 1 can also be used for a notebook computer or the like.
In the above-described embodiment, the rotating member 3 is provided with the spherical bodies (convex portions) 12A and 12B, and the movable member 6 is provided with the concave portions 6b and 6c. A sphere may be provided.
[0044]
【The invention's effect】
As described above, according to the hinge device of the present invention, for example, when the hinge device is used in a mobile phone, the receiving portion is clicked with a close feeling (first position) or opened position (second position). ), And after manually rotating the receiver from the first position to the second position by a small angle, the receiver is automatically moved to the second position. The effect that it can be rotated and size reduction can be achieved is obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a mobile phone using a hinge device of the present invention in a state where a receiving unit is rotated to a talking position, FIG. 1 (A) is a front view thereof, and FIG. It is the side view.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view taken along line XX of FIG.
3 is a diagram showing an embodiment of a hinge device according to the present invention used in the mobile phone shown in FIG. 1, and FIG. 3 (A) is a diagram when the receiver is rotated to a non-use position. FIG. 3B is a cross-sectional view showing the state when the receiver is rotated to the call position.
FIG. 4 is an exploded perspective view of the hinge device.
5A and 5B are views showing a hinge body of the hinge device, in which FIG. 5A is a cross-sectional view thereof, and FIGS. 5B and 5C are views of arrows B and C in FIG. 5A, respectively. FIG.
6A and 6B are views showing a rotating cylinder of the hinge device, in which FIG. 6A is a cross-sectional view thereof, and FIG. 6B is a view as seen from an arrow B in FIG.
7A and 7B are diagrams showing a hinge shaft of the hinge device, in which FIG. 7A is a front view thereof, and FIG. 7B is a view as seen from an arrow B in FIG. 7A.
8A and 8B are views showing a rotating member of the hinge device, in which FIG. 8A is a plan view thereof, FIG. 8B is a cross-sectional view taken along line BB of FIG. (C) is the bottom view.
9A and 9B are diagrams showing a movable member of the hinge device, in which FIG. 9A is a plan view, FIG. 9B is a cross-sectional view taken along line BB in FIG. 9A, and FIG. (C) is the bottom view.
10 is a cross-sectional view taken along line YY of FIG. 9C.
11 is an enlarged cross-sectional view taken along line XX in FIG.
12A and 12B are diagrams illustrating a cam member of the hinge device, in which FIG. 12A is a plan view, FIG. 12B is a bottom view, and FIG. 12C is C in FIG. An arrow view and FIG.12 (D) are sectional drawings which follow the DD line | wire of FIG. 12 (A).
13 is a diagram showing the relationship between the hinge shaft and the cam member of the hinge device, and FIG. 13 (A) shows the relationship when the earpiece is located at the non-use position, and FIG. ) Shows the relationship when the receiver is rotated 120 ° from the non-use position toward the call position, and FIG. 13C shows the relationship when the receiver is rotated to the call position.
FIG. 14 shows a relationship between a pair of spheres and a pair of recesses of the hinge device, a relationship between a pair of cam portions of the movable member and a pair of cam portions of the cam member, and two rotational biasing forces (closed) acting on the receiving portion. (Torque and opening torque) and a rotational biasing force obtained by synthesizing the two rotational biasing forces.
FIG. 15 is a diagram showing two rotation urging forces (closing torque and opening torque) acting on the receiver and a rotation urging force obtained by synthesizing the two rotation urging forces in another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
L Rotation axis
1 Hinge device
2 Hinge body
3 Rotating member (the other hinge member)
3b Contact surface
4 Hinge shaft
6 Movable member (one hinge member)
6a Contact surface
6b recess
6c recess
6d inclined surface
6e inclined surface
7 Coil spring (biasing means)
8 Cam member
9 Cam mechanism
12A Sphere (convex part)
12B Sphere (convex part)

Claims (8)

回転軸線上に相対回転可能に、かつ相対移動可能に連結された一対のヒンジ部材と、上記回転軸線上に上記一対のヒンジ部材の一方と対向して配置され、当該一方のヒンジ部材を他方のヒンジ部材に当接させる付勢手段とを備え、上記一対のヒンジ部材の互いに当接する当接面の一方には、一対の凹部が上記回転軸線を中心として点対称に設けられ、他方の当接面には一対の凸部が上記回転軸線を中心として点対称に設けられ、上記他方のヒンジ部材が上記一方のヒンジ部材に対して所定の第1の位置に位置しているときには、第1の組み合わせをなす上記一対の凸部と上記一対の凹部との上記回転軸線を中心とする周方向の一側部どうしが接触し、上記他方のヒンジ部材が上記一方のヒンジ部材に対して上記第1の位置から一方向へ所定角度だけ離れた第2の位置に位置しているときには、第2の組み合わせをなす上記一対の凸部と上記一対の凹部との上記回転軸線を中心とする周方向の他側部どうしが接触するヒンジ装置において、
上記一方のヒンジ部材と上記付勢手段との間に、上記付勢手段によって上記一方のヒンジ部材に当接させられるカム部材を上記回転軸線方向へ移動可能に、かつ上記回転軸線を中心として回転可能に設け、このカム部材と上記一方のヒンジ部材との間には、上記他方のヒンジ部材が上記第1の位置と上記第2の位置との間の所定の駆動角度範囲に位置しているときに、上記付勢手段の上記カム部材に対する上記回転軸線方向への付勢力を、上記カム部材を上記第1の位置側から上記第2の位置側へ向って付勢する回転付勢力に変換するカム機構を設け、上記カム部材を上記所定の駆動角度範囲に位置している上記他方のヒンジ部材に回転不能に連結したことを特徴とするヒンジ装置。
A pair of hinge members connected to be rotatable relative to the rotation axis and relatively movable, and disposed on the rotation axis so as to face one of the pair of hinge members. Biasing means for contacting the hinge member, and a pair of recesses are provided symmetrically about the rotation axis on one of the contact surfaces of the pair of hinge members that contact each other. A pair of convex portions is provided on the surface symmetrically with respect to the rotation axis, and when the other hinge member is located at a predetermined first position with respect to the one hinge member, One side part of the circumferential direction centering on the rotation axis of the pair of convex parts and the pair of concave parts making contact is in contact with each other, and the other hinge member is in contact with the first hinge member. A predetermined angle in one direction from the position of When the second pair of convex portions and the pair of concave portions forming the second combination contact each other in the circumferential direction centering on the rotational axis when they are located at a second position apart from each other. In the device
A cam member that is brought into contact with the one hinge member by the urging means is movable between the one hinge member and the urging means in the direction of the rotation axis, and rotates about the rotation axis. The other hinge member is located in a predetermined drive angle range between the first position and the second position between the cam member and the one hinge member. Sometimes, the urging force of the urging means in the direction of the rotation axis with respect to the cam member is converted into a rotation urging force that urges the cam member from the first position side toward the second position side. A hinge device characterized in that a cam mechanism is provided, and the cam member is non-rotatably connected to the other hinge member positioned in the predetermined drive angle range.
軸線を上記回転軸線と一致させて配置されたヒンジ軸をさらに備え、上記一方のヒンジ部材が上記ヒンジ軸により回転可能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に貫通され、上記他方のヒンジ部材が上記ヒンジ軸に回転不能に、かつ上記一方のヒンジ部材に対し上記回転軸線に沿って所定の位置から離れる方向へ移動不能に連結され、上記カム部材が上記ヒンジ軸により移動可能に貫通され、しかも上記カム部材は、上記他方のヒンジ部材が上記駆動角度範囲に位置しているときには上記ヒンジ軸に回転不能に連結されていることを特徴とす請求項1に記載のヒンジ装置。A hinge shaft arranged such that an axis thereof coincides with the rotation axis, the one hinge member being penetrated by the hinge shaft so as to be rotatable and movable in the direction of the rotation axis, and the other hinge member being The hinge shaft is non-rotatably connected to the one hinge member so as not to move in a direction away from a predetermined position along the rotation axis, and the cam member is movably penetrated by the hinge shaft, and 2. The hinge device according to claim 1, wherein the cam member is non-rotatably connected to the hinge shaft when the other hinge member is located in the drive angle range. 上記付勢手段としてコイルばねが用いられ、このコイルばねが上記ヒンジ軸の上記一方のヒンジ部材から上記他方のヒンジ部材側と逆側へ向って延び出す部分に外挿されていることを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。A coil spring is used as the biasing means, and the coil spring is extrapolated to a portion of the hinge shaft that extends from the one hinge member toward the opposite side of the other hinge member. The hinge device according to claim 2. 軸線を上記回転軸線と一致させた筒状のヒンジ本体をさらに備え、上記コイルばね、上記カム部材及び上記一方のヒンジ部材が上記ヒンジ本体の内部にその一端側から他端側へ向かって順次挿入され、上記他方のヒンジ部材の少なくとも一部が上記ヒンジ本体の他端部から外部に突出させられ、上記一方のヒンジ部材が上記ヒンジ本体に回転不能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に収容され、上記カム部材が上記ヒンジ本体に回転可能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に収容され、上記ヒンジ軸が上記ヒンジ本体に回転可能に挿入されるとともに、上記ヒンジ本体の一端側から他端側へ向う方向へ所定の位置を越えて移動するのを阻止されていることを特徴とする請求項3に記載のヒンジ装置。It further includes a cylindrical hinge body whose axis is aligned with the rotational axis, and the coil spring, the cam member, and the one hinge member are sequentially inserted into the hinge body from one end side to the other end side. And at least a part of the other hinge member protrudes outside from the other end of the hinge body, and the one hinge member is accommodated in the hinge body so as not to rotate and to move in the direction of the rotation axis. The cam member is accommodated in the hinge body so as to be rotatable and movable in the direction of the rotation axis, and the hinge shaft is rotatably inserted into the hinge body, and the other is provided from one end side of the hinge body. The hinge device according to claim 3, wherein the hinge device is prevented from moving beyond a predetermined position in a direction toward the end side. 上記駆動角度範囲が、上記第1の位置と上記第2の位置とを除く角度範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヒンジ装置。The hinge device according to any one of claims 1 to 4, wherein the drive angle range is an angle range excluding the first position and the second position. 上記駆動角度範囲が、上記一対の凸部が第1の組み合わせをなす上記一対の凹部から脱出する直前における上記他方のヒンジ部材の回転位置と、上記一対の凸部がこれと第2の組み合わせをなす上記一対の凹部に入り込んだ直後における上記他方のヒンジ部材の回転位置との間の角度範囲であることを特徴とする請求項5に記載のヒンジ装置。The drive angle range is such that the rotational position of the other hinge member immediately before the pair of convex portions escapes from the pair of concave portions forming the first combination, and the pair of convex portions has the second combination. 6. The hinge device according to claim 5, wherein the hinge device has an angular range between the rotational position of the other hinge member immediately after entering the pair of recesses. 上記駆動角度範囲が、上記一対の凸部がこれと第1の組み合わせをなす上記一対の凹部から脱出する直前における上記他方のヒンジ部材の回転位置と、上記一対の凸部がこれと第2の組み合わせをなす上記一対の凹部に入り込む位置から上記第1の位置側へ所定の離間角度だけ離れた位置に位置しているときにおける上記他方のヒンジ部材の回転位置との間の角度範囲であることを特徴とする請求項6に記載のヒンジ装置。The drive angle range is such that the rotation position of the other hinge member immediately before the pair of convex portions escape from the pair of concave portions forming the first combination with the pair of convex portions, and the pair of convex portions and the second convex portion It is an angle range between the rotation position of the other hinge member when it is located at a position away from the position where it enters the pair of recesses forming a combination toward the first position by a predetermined separation angle. The hinge device according to claim 6. 上記一対のヒンジ部材の当接面のうちの上記一対の凹部が形成された一方の当接面には、上記他方のヒンジ部材が第1の位置側から第2の位置側へ回転したときに上記一対の凸部が入り込む側における上記一対の凹部の側部から上記回転軸線を中心として周方向へ少なくとも上記離間角度だけ延びる一対の傾斜面が形成されており、上記傾斜面は、周方向の先端から上記凹部側向うにしたがって上記凹部が形成された上記一方のヒンジ部材の当接面から上記凹部の深さ方向へ漸次離間するように傾斜させられ、上記一対の凸部が上記一対の傾斜面に当接することにより、上記付勢手段の付勢力が上記他方のヒンジ部材を第1の位置側から第2の位置側へ回転させる回転付勢力に変換され、この回転付勢力によって上記一対の凸部がこれと第2の組み合わせをなす一対の凹部に入り込むまで上記他方のヒンジ部材が上記第1の位置側から上記第2の位置側へ回転させられることを特徴とする請求項7に記載のヒンジ装置。When the other hinge member rotates from the first position side to the second position side on one of the contact surfaces of the pair of hinge members formed with the pair of recesses, A pair of inclined surfaces extending from the side portions of the pair of concave portions on the side into which the pair of convex portions enter into the circumferential direction around the rotational axis at least by the separation angle are formed, and the inclined surfaces are arranged in the circumferential direction. The pair of convex portions are inclined so as to be gradually separated from the contact surface of the one hinge member in which the concave portion is formed in the depth direction of the concave portion toward the concave portion side from the tip. By abutting on the surface, the urging force of the urging means is converted into a rotating urging force that rotates the other hinge member from the first position side to the second position side. Convex is this and second The hinge apparatus of claim 7 in which the pair of the other hinge member to enter the recess, characterized in that it is rotated from the first position side toward the second position side forming the combination.
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