JP4110424B2 - 多糖物質の透明溶液 - Google Patents

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Description

本発明は、多糖物質を含有する透明溶液に関するものである。
セルロース等の多糖物質(ポリサッカライド)は、結晶中で水酸基同志が水素結合を形成しているために、通常の条件下では溶剤に溶解しないことが知られている。このような多糖物質を溶解させて溶液化させるためには、高温の水蒸気処理や、機械的処理、分子量を低下させるための加水分解処理等の前処理を施すことが必要である。そして、このような前処理を施した多糖物質は、塩化リチウムを溶解させたアミド系極性溶剤(ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド等)に溶解することが知られている。しかしながら、多糖物質を溶液化する前記従来法は、その前処理を必要とすることから、処理コストが高くなり、不満足のものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、臭化リチウムをポリオール中に溶解させて形成した溶液中に多糖物質を溶解させて形成した多糖物質の透明溶液が提供される。
本発明によれば、セルロース物質を含む透明溶液が提供される。このセルロース物質の溶液は、均一反応用溶液として、また成形材料や塗膜形成材料、繊維材料、膜材料等として用いられる。さらに、本発明によれば、セルロース物質を溶液化する溶解方法が提供される。
発明の実施の形態
本発明らにより製造された液晶は、金属ハロゲン化物のギ酸溶液中に多糖物質を液晶形成点濃度以上の高濃度で溶解させた濃度溶液からなる。この場合、金属ハロゲン化物は、アルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の中から選ばれる。ハロゲンには、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が包含される。アルカリ金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化リチウム(LiCl)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化リチウム(LiBr)等を好ましく用いることができる。一方、アルカリ土類金属としては、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化カルシウム(CaBr2)、臭化マグネシウム(MgBr2)等を好ましく用いることができる。
本発明の液晶形成用溶剤を調製するには、ギ酸に対して前記金属ハロゲン化物を加え、溶解させればよい。金属ハロゲン化物の溶解量を示すと、アルカリ金属ハロゲン化物の場合、ギ酸1リットル当り、100〜800g、好ましくは250〜700gである。一方、アルカリ土類金属ハロゲン化物の場合、ギ酸1リットル当り、100〜800g、好ましくは250〜600gである。金属ハロゲン化物を溶解させる温度は、通常、常温であるが、溶解速度を高めるために、例えば、30〜40℃に加熱することもできる。
前記多糖物質には、天然及び合成のものが包含される。その具体例としては、セルロース、デンプン、デキストラン、イヌリン、マンナン、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、キチン、キトサン、カラギーナン、ザンタン等が挙げられる。また、多糖物質には、前記多糖物質の変成物や加工物、例えば、綿や麻のパルプ、リンター、セルロース粉末、セロハン、レーヨン等の再生セルロース、カルボキシメチルセルロース等も包含される。
本発明らにより製造された液晶を調製するには、前記溶剤に多糖物質を加え、攪拌すればよい。この場合、その溶解温度は、通常、常温であるが、その溶解速度を高めるために、30〜100℃に加熱することもできる。多糖物質の溶解量は、溶液中、液晶形成点濃度以上の高濃度である。
本発明者らの研究によれば、前記金属ハロゲン化物のギ酸溶液に多糖物質を溶解する場合、その多糖物質の濃度を高濃度にしていくと、ある一定の濃度M以上の高濃度になると、液晶が形成されることが確認された。
本発明らにより製造された液晶は、その溶液中の多糖物質の濃度は、その液晶形成点濃度以上の高濃度であるが、この場合の液晶形成点濃度とは、前記した溶液中の多糖物質の濃度を高めていくときに、液晶が形成される最小濃度Mである。この濃度Mは、その多糖物質や溶剤の種類により異なり、一義的に定めることはできないが、通常、600g/L以上、特に、700g/L以上の高濃度である。その具体的液晶形成濃度Mは、簡単な溶解実験により確認することができる。
セルロース物質に関しては、天然セルロースを約30%の臭化リチウム水溶液に添加し、約120℃に加熱することによって溶液化し得ることは知られているが、非水溶剤中で溶液化する方法は知られていない。本発明者らは、セルロース物質は、臭化リチウムとポリオールからなる溶液に溶解することが見出された。この場合、ポリオールとしては、1分子中に水酸基を複数個、通常、2〜6個、好ましくは2〜5個有する脂肪族系ポリオールが用いられる。このようなポリオールには、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコオール;グリセリン、ジグリセリン等の(ポリ)グリセリン;ペンタエリスリトール等の糖アルコール等が挙げられる。
前記溶液において、臭化リチウムの割合は、ポリオール1重量部当り、2〜10重量部、好ましくは2.5〜3.5重量部の割合である。この溶液をセルロース物質溶解用溶剤として用いてセルロース物質を溶解させるには、該溶剤にセルロース物質を加え、100〜110℃の温度で攪拌すればよい。この場合、セルロース物質は、あらかじめ熱水処理した後、表面に付着する水をポリオールで置換して使用する。このようにして得られるセルロース物質を含む溶液において、そのセルロース物質の含有率は、0.05〜10%、好ましくは1〜5%である。
前記したセルロース物質を含む透明溶液は、成形材料や塗膜形成材料として用いることができる。この溶液を用いる成形品を得るには、この溶液を膜状や糸状等の形状に成形し、乾燥させればよい。一方、紙やフィルム上にその塗膜を形成するには、紙やフィルム上にその溶液を塗布し、乾燥すればよい。
また、本発明者らは、セルロース物質は、アルカリ金属ハロゲン化物と、カルボン酸と、カルボン酸無水物とからなる溶液を用いて、溶解し得ることを見出した。
カルボン酸としては、炭素数1〜6のカルボン酸、好ましくは酢酸が用いられる。カルボン酸無水物としては、炭素数1〜6のカルボン酸の無水物、好ましくは酢酸無水物が用いられる。カルボン酸無水物の割合は、カルボン酸1リットル当り、0.1〜0.5リットル、好ましくは0.2〜0.3リットルである。
アルカリ金属ハロゲン化物の割合は、カルボン酸とカルボン酸無水物との合計量1リットル当り、50〜500g、好ましくは100〜300gの割合である。
セルロース物質を前記溶液に好ましくは溶解させるには、セルロース物質をあらかじめ水処理した後、該水をカルボン酸で置換し、次いでカルボン酸を加え、これにアルカリ金属ハロゲン化物を加え、さらにカルボン酸無水物を加え、得られた混合物を室温又は加温下で静置する。このようにしてセルロース物質を溶解した透明溶液を得ることができる。
このセルロース物質を含む溶液は、これを大量の水に投入することにより、固体状のセルロース物質を析出させることができる。この固体状セルロース物質は、少なくともカルボン酸無水物と反応したもので、そのセルロース分子中にはエステル結合が形成されている。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
参考例1
ギ酸4mLに塩化リチウム1.5gを溶解し、これに乾燥リンターセルロース3gを室温で溶解させた。偏光顕微鏡下で応力をかけると、複屈折を示すパターンが観察された。
参考例2
リンターセルロースのかわりに溶解パルプを用いて、実施例1に示した条件下で、複屈折を示すパターンが観察された。
(実施例3)
熱水で前処理したリンターセルロース0.2gをエチレングリコールで置換した後、エチレングリコール量が2gとなるように調製し、これに臭化リチウム5gを加えて110℃で5時間攪拌して、透明な溶液を得た。偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は認められなかった。
(実施例4)
実施例3において、リンターセルロースのかわりに溶解パルプを用いて、同様の結果を得た。
参考例5
水で前処理した溶解パルプ1gを酢酸で置換し、酢酸を加えて酢酸4mLとなるように調整し、これに塩化リチウム1gを溶解させ、さらに無水酢酸1mLを加えて、混合物を室温に静置して、透明な溶液を得た。これを大量の水に投入した後、さらに水洗を繰り返して、フレーク状資料を得た。赤外吸収スペクトルには、エステル結合の生成を示す1750cm-1の大きなピークが観察された。
参考例6
参考例5において、塩化リチウムのかわりに塩化カルシウムを用いて同様の結累を得た。
参考例7
参考例5において、溶解パルプのかわりにリンターセルロースを用いて同様の結果を得た。
参考例8
参考例5において、無水酢酸の代わりに無水プロピオン酸を用いて、同様の結果を得た。

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  1. 臭化リチウムをポリオール中に溶解させて形成した溶液中に多糖物質を溶解させて形成した多糖物質の透明溶液。
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