JP4109552B2 - 流量調整弁およびそれを用いた給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気温水器やガス、石油等を熱源に利用した給湯器の給油回路等に使用され、所定温度のお湯を得るために、炊きあげた湯と水とを混合するために適用される流量調整弁およびそれを用いた給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の流量調整弁は、一端を湯水吐出口とする筒状の弁室がハウジングに形成され、水導入口および湯導入口が弁室の穴中心方向に離間して弁室と外部とを連通するようにハウジングに形成され、円筒状の弁体が弁室内に弁室の穴中心周りに回転自在に収納され、水導入口と弁室とを連通する第1開口部が弁体に穿設され、湯導入口と弁室とを連通する第2開口部が弁体に穿設されている。そして、第1開口部と第2開口部とは、弁体を弁室の穴中心周りに一方向に回転させたときに、第1開口部と水導入口との重なり具合(開口率)が全閉状態から全開状態に変化するのに対し、第2開口部と湯導入口との重なり具合(開口率)が全開状態から全閉状態に変化するような位置関係に形成されている。そこで、弁体を回転させて、水導入口から導入された水と湯導入口から導入されたお湯との混合比を調節し、設定温度のお湯を湯吐出口から排出する。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−22039号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の流量調整弁は、以上のように構成されているので、弁室と弁体との間に微少なクリアランスが存在してしまう。そこで、第1開口部と水導入口との重なり具合を全閉状態としても、水導入口から弁室と弁体との間を通って湯吐出口に至る流路が形成されてしまう。同様に、第2開口部と湯導入口との重なり具合を全閉状態としても、湯導入口から弁室と弁体との間を通って湯吐出口に至る流路が形成されてしまう。その結果、弁単体で流体の排出を完全に止めることができないという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、弁自体にシール機能を持たせ、流量制御性を高めた流量調整弁およびそれを用いた給湯装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る流量調整弁は、穴中心方向の一端を開口とする断面円形の弁室、該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた流体導入口、該弁室の穴中心方向の他端に連通孔を介して連通された流体排出口、該連通孔の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部、および該流体導入口に水密状態に取り付けられシート面が一端側に形成された弁座円筒部と該弁座円筒部に径方向に延びる複数のリブに支持されて該弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の弁座ガイド部からなる弁座を有するハウジングと、第1軸部、切頭円錐状の駆動用カム部、第2軸部、第1ねじ部および駆動軸が同軸に形成され、該第1軸部を上記ガイド部に軸支され、該駆動軸を上記弁室の開口から延出させて該弁室内に該弁室の穴中心周りに回転自在に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に収納されている弁体と、上記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を有し、上記ハウジングの開口に水密状態に取り付けられ、上記第2軸部を水密状態に軸支するとともに、該第2ねじ部を該第1ねじ部に螺合させて上記弁体を上記弁室の穴中心周りに回転可能に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に支持する弁体押さえと、上記弁座のシート面に接して水密状態を確保するシール部材を有する弁部および該弁部の中心に立設された駆動棒からなり、該駆動棒を上記弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記流体導入口に配設され、該駆動棒が上記駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する流体導入用弁体とを備えている。
【0007】
また、この発明に係る流量制御弁は、穴中心方向の一端を開口とする断面円形の弁室、該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた第1流体導入口、該第1流体導入口に対して該弁室の穴中心方向にずらして該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた第2流体導入口、該弁室の他端と外部とを連通するように設けられた流体排出口、該弁室と該流体排出口との接続部の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部、該第1流体導入口に水密状態に取り付けられ第1シート面が一端側に形成された第1弁座円筒部と該第1弁座円筒部に径方向に延びる複数の第1リブに支持されて該第1弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の第1弁座ガイド部からなる第1弁座、および該第2流体導入口に水密状態に取り付けられ第2シート面が一端側に形成された第2弁座円筒部と該第2弁座円筒部に径方向に延びる複数の第2リブに支持されて該第2弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の第2弁座ガイド部からなる第2弁座を有するハウジングと、第1軸部、切頭円錐状の第2駆動用カム部、切頭円錐状の第1駆動用カム部、第2軸部、第1ねじ部および駆動軸が同軸に形成され、該第1軸部を上記ガイド部に軸支され、該駆動軸を上記弁室の開口から延出させて該弁室内に該弁室の穴中心周りに回転自在に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に収納されている弁体と、上記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を有し、上記ハウジングの開口に水密状態に取り付けられ、上記第2軸部を水密状態に軸支するとともに、該第2ねじ部を該第1ねじ部に螺合させて上記弁体を上記弁室の穴中心周りに回転可能に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に支持する弁体押さえと、上記第1弁座の第1シート面に接して水密状態を確保する第1シール部材を有する第1弁部および該第1弁部の中心に立設された第1駆動棒からなり、該第1駆動棒を上記第1弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記第1流体導入口に配設され、該第1駆動棒が上記第1駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する第1駆動棒を有する第1流体導入用弁体と、上記第2弁座の第2シート面に接して水密状態を確保する第2シール部材を有する第2弁部および該第2弁部の中心に立設された第2駆動棒からなり、該第2駆動棒を上記第2弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記第2流体導入口に配設され、該第2駆動棒が上記第2駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する第2駆動棒を有する第2流体導入用弁体とを備えている。
【0008】
さらに、この発明に係る給湯装置は、上記流量調整弁を用いている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る流量制御弁の構成を説明する断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る流量制御弁の動作を説明する工程断面図である。
【0010】
図1において、ハウジング1は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、断面円形の弁室2が一端を開口するように形成され、流体導入口3がその穴中心を弁室2の穴中心と直交させて弁室2と外部とを連通するように穿設され、さらに流体排出口4がその穴中心を弁室2の穴中心と一致させて小径の連通孔5を介して弁室2の底部と外部とを連通するように穿設されている。そして、弁室2の一端に大径の開口部2aが形成されている。さらに、円筒状のガイド部6が径方向に延びる複数のリブ5aに支持されて連通孔5の穴中心位置に設けられている。なお、弁室2、連通孔5、ガイド部6および流体排出口4は、穴中心を一致させてハウジング1に形成されている。
弁座7は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、シート面7aが一端側に形成された円筒部と、この円筒部に径方向に延びる複数のリブに支持されて円筒部の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部7bとから構成されている。この弁座7は、Oリング8を介在させて流体導入口3の弁室2側に水密状態に取り付けられている。
【0011】
弁体9は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、ガイド部6に挿入される第1軸部10と、第1軸部10の一端に同軸に一体に形成され、連通孔5に係合して流路面積を変化させる弁部11と、弁部11の一端に同軸に一体に形成され、後述する流体導入用弁体19を駆動する駆動用カム部12と、駆動用カム部12の一端に同軸に一体に形成され、後述する弁体押さえ16に軸支される第2軸部13と、第2軸部13の一端に同軸に形成された第1ねじ部としての雄ねじ部14と、雄ねじ部14の一端に同軸に形成された駆動軸15とから構成されている。そして、弁部11は、第1軸部10側を小径とする切頭円錐状に形成され、駆動用カム部12は、第2軸部13側を小径とする切頭円錐状に形成されている。
【0012】
弁体押さえ16は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる環状の樹脂成型品であり、第2ねじ部としての雌ねじ部16bが開口部16aの一端側に形成されている。この弁体押さえ16は、開口部16aに弁体9の駆動軸15を挿通させ、雄ねじ部16bを雌ねじ部14に螺合させつつ弁体9に装着されて、弁室2の開口部2aに圧入固定されている。これにより、弁体9は、第1軸部10がガイド部6に挿入され、弁部11および駆動用カム部12が弁室2内に収納され、駆動軸15が弁体押さえ16から延出している。そして、弁体9は、第1および第2軸部10、13がガイド部6および弁体押さえ16に軸支され、かつ、雄ねじ部14が弁体押さえ16の雌ねじ部16bに螺合され、弁室2の穴中心周りに回転自在に、かつ、弁室2の穴中心方向に往復移動可能にハウジング1に取り付けられている。なお、弁体9の軸心が弁室2の穴中心と一致している。
【0013】
また、Oリング17が弁室2の開口部2aの内壁面と弁体押さえ16の外壁面との間に介装され、Oリング18が弁体押さえ16の開口部16aの内壁面と第2軸部13との間に介装され、それぞれ水密状態が確保されている。なお、弁体押さえ16は弁体9の軸受に相当することから、2つのOリング18が軸心方向に離間して配設されている。
【0014】
また、流体導入用弁体19は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、円盤状の弁部19aと、弁部19aの中心に立設された駆動棒19bとが一体に成型され、さらにシール部材としてのOリング20が弁部19aの外周面に装着されて構成されている。この流体導入用弁体19は、駆動棒19bを弁座7のガイド部7b内に挿通させて弁室2内に延出するように流体導入口3内に配設され、駆動棒19bがガイド部7bに案内されて流体導入口3の穴中心方向に往復移動可能になっている。そして、Oリング20が弁座7のシート面7aに密接して、水密状態が確保される。この時、駆動棒19bと駆動用カム部12とが係合している。
さらに、ステッピングモータ(図示せず)をハウジング1に取り付けるためのネジ穴21がハウジング1の一端面に形成されている。
【0015】
つぎに、このように構成された流量調整弁100の動作について図2を参照しつつ説明する。
まず、図2の(a)では、流体導入用弁体19の駆動棒19bが駆動用カム部12と非接触の状態にあり、流体導入用弁体19が流体導入口3内の流体の圧力により弁室2側に押圧され、Oリング20が弁座7のシート面7aに密接して、水密状態が維持される。即ち、流量調整弁100は、流体を完全に閉止した状態となる。この時、弁部11の小径部側が連通孔5内に位置し、流体排出口4への流路面積を最小としている。
【0016】
ついで、駆動軸15がステッピングモータにより弁体9の軸心周りに反時計方向に回転される。すると、弁体9の回転トルクが雄ねじ部14と雌ねじ部16bとの螺合により弁体9の軸心方向の移動力に変換される。これにより、弁体9は軸心周りに回転しつつ図2の(a)中上方に移動する。そこで、駆動棒19bが切頭円錐状の駆動用カム部12の外周面上を接触しつつ小径側から大径側に移動する。即ち、駆動棒19bが弁室2から離反する方向に移動される。その結果、図2の(b)に示されるように、Oリング20がシート面7aから離れ、水密状態が破壊される。この時、弁部11は連通孔5から少し引き出された状態となり、流体排出口4への流路面積が大きくなる。そこで、流体は流体導入口3から弁室2内に導入され、弁部11と連通孔5との間に形成される流路を通って流体排出口4に至り、流体排出口4から排出される。
【0017】
そして、駆動軸15がステッピングモータにより弁体9の軸心周りに反時計方向に回転されると、駆動棒19bが弁室2からさらに離反する方向に移動され、流体導入口3から弁室2への流路の開口面積が増大する。また、図2の(c)に示されるように、弁部11は連通孔5からさらに引き出された状態となり、流体排出口4への流路面積がさらに大きくなる。そこで、流体導入口3から弁室2内に導入された流体は、弁部11と連通孔5との間に形成される流路を通って流体排出口4に至り、流体排出口4から排出される。
【0018】
さらに、駆動軸15がステッピングモータにより弁体9の軸心周りに反時計方向に回転されると、駆動棒19bが弁室2からさらに離反する方向に移動され、流体導入口3から弁室2への流路の開口面積が最大となる。また、図2の(d)に示されるように、弁部11は連通孔5から完全に引き出された状態となり、流体排出口4への流路面積が最大となる。そこで、流体導入口3から弁室2内に導入された流体は、弁部11と連通孔5との間に形成される流路を通って流体排出口4に至り、流体排出口4から排出される。この流量調整弁100は、最大流量を排出する状態となる。
【0019】
また、駆動軸15を時計回りに回転させることにより、流量調整弁100は、最大流量を排出する状態から、流体を完全に閉止する状態に移行する。
【0020】
このように、この流量調整弁100では、弁体9を弁体9の軸心周りに回転させることにより、弁部11と連通孔5とにより形成される流体排出口4への流路面積を任意に調整でき、流体排出口4からの流体の排出量を制御することができる。
また、流体導入用弁体19に装着されたOリング20が流体導入口3に配設されている弁座7のシート面7aに接離自在になっているので、Oリング20をシート面7aに当接させることにより、流体の弁室2への導入を完全に阻止できる。そこで、流体排出口4側、即ち2次側への流体の流出を阻止するために電磁弁等の部品を新たに設ける必要がなくなり、回路の簡素化が図られるとともに、低コスト化が図られる。
【0021】
また、第1軸部10、弁部11、駆動用カム部12、第2軸部13、雄ねじ部14および駆動軸15から構成される弁体9が樹脂成型品で一体物として作製されているので、部品点数が削減され、流量制御弁100の組立性が向上されるとともに、低コスト化が図られる。
さらに、ハウジング1、弁座7、弁体9、弁体押さえ16および流体導入用弁体19が樹脂で作製されているので、低コスト化および軽量化が図られる。また、これらの部品が樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であるので、部品の形状寸法精度が確保される。その結果、部品に切削加工等を施して部品の形状寸法を公差内に納めるような後加工が不要となり、低コスト化が図られる。
【0022】
なお、上記実施の形態1では、駆動用カム部12が第2軸部13側を小径とする切頭円錐状に形成されているものとしているが、駆動用カム部12は第2軸部13側を大径とする切頭円錐状に形成されてもよい。この場合、駆動軸15を時計回りに回転させることにより、流体を閉止する状態から最大流量を排出する状態に移行させることができる。
また、上記実施の形態1では、弁体9を構成する第1軸部10、弁部11、駆動用カム部12、第2軸部13、雄ねじ部14および駆動軸15を樹脂成型品で一体物に作製するものとしているが、第1軸部10、弁部11、駆動用カム部12、第2軸部13、雄ねじ部14および駆動軸15を別部品で作製し、これらの部品を組み立てて弁体9としてもよい。
また、上記実施の形態1では、弁体9に雄ねじ部14を設け、弁体押さえ16に雌ねじ部16bを設けるものとしているが、弁体9に雌ねじ部を設け、弁体押さえ16に雄ねじ部を設けてもよい。
【0023】
実施の形態2.
この実施の形態2は、上記実施の形態1による流量調整弁100を瞬間沸き上げ式の給湯装置に適用したものである。
図3はこの発明の実施の形態2に係る瞬間沸き上げ式の給湯装置の回路構成を示す回路図である。
図3において、水源配管50が水量センサ51を介して加熱路52に接続され、加熱路52が水量センサ51から第1の流量調整弁100Aの流体導入口3に接続され、燃焼器54を備えた熱交換器53が加熱路52の経路中に配設されている。また、バイパス路55が、加熱路52の水量センサ51側から分岐し、加熱路52の第1の流量調整弁100A側に接続されている。そして、第2の流量調整弁100Bがバイパス路55の経路中に配設されている。第1および第2の流量調整弁100A、100Bは、上記実施の形態1による流量調整弁100であり、ステッピングモータ56がネジ穴21を用いて各ハウジング1に締着固定されている。そして、給湯配管57が、第1の流量調整弁100Aの流体排出口4に接続されている。さらに、給湯制御用の電磁弁58が給湯配管57の経路中に配設されている。
【0024】
また、水温センサ59が加熱路52の水量センサ51側に配設され、湯温センサ60が加熱路52の熱交換器53の下流側に配設され、混合湯温センサ61が給湯配管57の第1の流量調整弁100Aの下流側に配設されている。そして、制御装置62が、水温センサ59、湯温センサ60および混合湯温センサ61からの出力信号に基づいて、ステッピングモータ56を駆動制御して、第1および第2の流量調整弁100A、100Bを駆動制御する。このステッピングモータ56は、1入力パルスに対して一定の角度だけ動作するものである。
また、追焚きバーナー63、浴槽64、モータ65、台所の蛇口やシャワー等の出湯口66が、給湯配管57に接続されている。
【0025】
このように構成された給湯装置の動作について説明する。
制御装置62は、水温センサ59、湯温センサ60および混合湯温センサ61からの出力信号に基づいて各位置の水温をモニターしている。
そして、設定湯温Tsが外部から設定されると、制御装置62は、各ステッピングモータ56の回転角と水量センサ51で検出される総水量Qsとに基づいて演算処理して加熱路52を流れている流量Qhとバイパス路55を流れている流量Qcとを算出するとともに、加熱路52による加熱後の設定温度Thsを設定する。ついで、流量Qh、水温センサ59の検出水温Tcおよび設定温度Thsから加熱量Qを算出し、算出された加熱量Qに基づいて燃焼器54を駆動させて、熱交換器53を介して加熱路52を流れる水を加熱する。そして、湯温センサ60の検出湯温Thが設定温度Thsとなるように燃焼器54を制御する。
また、流量Qh、湯温Th、水温Tcおよび設定温度Tsに基づいて演算処理してバイパス路55を流れる流量の目標値を算出し、混合湯温センサ61で検出される混合湯温Tmが設定温度Tsに対して予め設定した偏差内に納まるように、第2の流量調整弁100Bをフィードバック制御する。即ち、混合湯温Tmが設定温度Tsに対して予め設定した偏差内に納まるように、ステッピングモータ56の回転角を変えて第2の流量調整弁100Bの開度を調整する。そして、混合湯温Tmが設定温度Tsに対して予め設定した偏差内に納まると、第2の流量調整弁100Bの開度が維持される。
【0026】
また、設定温度Tsが高く、燃焼器54の能力が不足している場合には、第1の流量調整弁100Aの開度を小さくして総流量Qsを減らすことによって、混合湯温Tmを設定温度Tsに対して設定偏差内に納めることになる。そこで、設定温度Tsの湯が浴槽64や出湯口66に給湯される。
また、浴槽64に給湯されたお湯の温度が低下すると、モータ65を駆動して浴槽64内のお湯を循環させるとともに追焚きバーナー63を点火し、浴槽64内のお湯を所望の温度に維持する。
【0027】
このように、この実施の形態2によれば、温度制御性に優れた給湯装置が得られる。
【0028】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3に係る流量制御弁の構成を説明する断面図、図5はこの発明の実施の形態3に係る流量制御弁の動作を説明する工程断面図、図6はこの発明の実施の形態3に係る流量制御弁の流量特性を説明する図である。
【0029】
図4において、ハウジング30は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、断面円形の弁室31が一端を開口するように形成され、流体排出口32が口径を同じくして弁室31の他端と外部とを連通するように形成している。また、弁室31より大径の開口部31aが弁室31の一端に形成されている。そして、円筒状のガイド部33が径方向に延びる複数のリブ33aに支持されて弁室31と流体排出口32との接続部の穴中心位置に設けられている。なお、開口部31a、弁室31、流体排出口32およびガイド部33の穴中心が一致している。
また、ハウジング30には、第1流体導入口34がその穴中心を弁室31の穴中心と直交するように弁室31の開口部31a側と外部とを連通するように穿設され、さらに第2流体導入口35がその穴中心を弁室31の穴中心と直交するように弁室31の流体排出口32側と外部とを連通するように穿設されている。
【0030】
第1弁座36は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、第1シート面36aが一端側に形成された円筒部と、この円筒部に径方向に延びる複数のリブにより支持されて円筒部の穴中心位置に設けられた円筒状の第1ガイド部36bとから構成されている。この第1弁座36は、Oリング8を介在させて第1流体導入口34の弁室31側に水密状態に取り付けられている。また、第2弁座37は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、第2シート面37aが一端側に形成された円筒部と、この円筒部に径方向に延びる複数のリブにより支持されて円筒部の穴中心位置に設けられた円筒状の第2ガイド部37bとから構成されている。この第2弁座37は、Oリング8を介在させて第2流体導入口35の弁室31側に水密状態に取り付けられている。
【0031】
弁体40は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、ガイド部33に挿入される第1軸部41と、第1軸部41の一端に同軸に一体に形成され、後述する第2流体導入用弁体49を駆動する第2駆動用カム部43と、第2駆動用カム部43の一端に同軸に一体に形成され、後述する第1流体導入用弁体48を駆動する第1駆動用カム部42と、第1駆動用カム部42の一端に同軸に一体に形成され、後述する弁体押さえ47に軸支される第2軸部44と、第2軸部44の一端に同軸に形成された第1ねじ部としての雄ねじ部45と、雄ねじ部45の一端に同軸に形成された駆動軸46とから構成されている。そして、第1駆動用カム部42は、第2軸部44側を小径とする切頭円錐状に形成され、第2駆動用カム部43は、第1軸部41側を小径とする切頭円錐状に形成されている。
【0032】
弁体押さえ47は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる環状の樹脂成型品であり、第2ねじ部としての雌ねじ部47bが開口部47aの一端側に形成されている。この弁体押さえ47は、開口部47aに弁体40の駆動軸46を挿通させ、雄ねじ部47bを雌ねじ部45に螺合させつつ弁体40に装着されて、弁室31の開口部32aに圧入固定されている。これにより、弁体40は、第1軸部41がガイド部33に挿入され、第1および第2駆動用カム部42、43が弁室31内に収納され、駆動軸46が弁体押さえ47から延出している。そして、弁体40は、第1および第2軸部41、44がガイド部33および弁体押さえ47に軸支され、かつ、雄ねじ部45が弁体押さえ47の雌ねじ部47bに螺合され、弁室31の穴中心周りに回転自在に、かつ、弁室31の穴中心方向に往復移動可能にハウジング30に取り付けられている。なお、弁体40の軸心が弁室31の穴中心と一致している。
【0033】
また、Oリング17が弁室31の開口部31aの内壁面と弁体押さえ47の外壁面との間に介装され、Oリング18が弁体押さえ47の開口部47aの内壁面と第2軸部44との間に介装され、それぞれ水密状態が確保されている。なお、弁体押さえ47は弁体40の軸受に相当することから、2つのOリング18が軸心方向に離間して配設されている。
【0034】
また、第1流体導入用弁体48は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、円盤状の第1弁部48aと、第1弁部48aの中心に立設された第1駆動棒48bとが一体に成型され、さらに第1シール部材としてのOリング20が第1弁部48aの外周面に装着されて構成されている。この第1流体導入用弁体48は、第1駆動棒48bを第1弁座36の第1ガイド部36bに挿通して弁室31内に延出するように第1流体導入口34内に配設され、第1駆動棒48bが第1ガイド部33bに案内されて第1流体導入口34の穴中心方向に往復移動可能になっている。そして、Oリング20が第1弁座36の第1シート面36aに密接して、水密状態が確保される。この時、第1駆動棒48bと第1駆動用カム部42とが係合している。
【0035】
また、第2流体導入用弁体49は、例えばPPS樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であり、円盤状の第2弁部49aと、第2弁部49aの中心に立設された第2駆動棒49bとが一体に成型され、さらに第2シール部材としてのOリング20が第2弁部49aの外周面に装着されて構成されている。この第2流体導入用弁体49は、第2駆動棒49bを第2弁座37の第2ガイド部37bに挿通して弁室31内に延出するように第2流体導入口35内に配設され、第2駆動棒49bが第2ガイド部37bに案内されて第2流体導入口35の穴中心方向に往復移動可能になっている。そして、Oリング20が第2弁座37の第2シート面37aに密接して、水密状態が確保される。この時、第2駆動棒49bと第2駆動用カム部43とが係合している。
さらに、ステッピングモータ(図示せず)をハウジング30に取り付けるためのネジ穴21がハウジング30の一端面に形成されている。
【0036】
つぎに、このように構成された流量調整弁101の動作について図5を参照しつつ説明する。
まず、図5の(a)では、第1流体導入用弁体48の第1駆動棒48bが第1駆動用カム部42と非接触の状態にあり、第1流体導入用弁体48が第1流体導入口34内の流体の圧力により弁室31側に押圧され、Oリング20が第1弁座36の第1シート面36aに密接して、水密状態が維持される。つまり、第1流体導入口34から弁室31への流路が全閉状態となっている。一方、第2流体導入用弁体49の第2駆動棒49bが第2駆動用カム部43と接触状態にあり、Oリング20が第2弁座37の第2シート面37aから離反して、水密状態が破壊され、第2流体導入口35から弁室31への流路が全開状態となっている。これにより、第2の流体が第2流体導入口35から弁室31内に導入され、流体排出口32から排出される。
【0037】
ついで、駆動軸46がステッピングモータにより弁体40の軸心周りに反時計方向に回転される。すると、弁体40の回転トルクが雄ねじ部45と雌ねじ部147bとの螺合により弁体40の軸心方向の移動力に変換される。これにより、弁体40は軸心周りに回転しつつ図5の(a)中上方に移動する。そこで、第1駆動棒48bが切頭円錐状の第1駆動用カム部42の外周面上を接触しつつ小径側から大径側に移動する。即ち、第1駆動棒48bが弁室31から離反する方向に移動される。その結果、図5の(b)に示されるように、Oリング20が第1シート面36aから離れ、水密状態が破壊される。一方、第2駆動棒49bが切頭円錐状の第2駆動用カム部43の外周面上を接触しつつ大径側から小径側に移動する。そこで、第2駆動棒49bが、第2流体導入口35内の第2の流体の圧力により弁室31側に押圧され、第2流体導入口25から弁室31への流路の開口面積が小さくなる。これにより、第1の流体が第1流体導入口34から弁室31内に導入され、第2流体導入口35から弁室31内に導入された第2の流体と混合されて、流体排出口32から排出される。
【0038】
そして、駆動軸46がステッピングモータにより弁体40の軸心周りに反時計方向に回転されると、図5の(c)に示されるように、第1流体導入用弁体48の第1駆動棒48bが第1駆動用カム部42の駆動力により弁室31から離反する方向に移動して、第1流体導入口34から弁室31への流路の開口面積がさらに大きくなる。一方、第2流体導入用弁体49の第2駆動棒49bが第2の流体の圧力により弁室31の穴中心に接近する方向に移動して、第2流体導入口35から弁室31への流路の開口面積がさらに小さくなる。これにより、第1流体導入口34から弁室31に導入された第1の流体と第2流体導入口35から弁室31に導入された第2の流体とが混合されて流体排出口32から排出される。
【0039】
さらに、駆動軸46がステッピングモータにより弁体40の軸心周りに反時計方向に回転されると、図5の(d)に示されるように、第1駆動棒48bが第1駆動用カム部42の外周面上の大径部に位置し、第1流体導入口34から弁室31への流路の開口面積が最大となる。一方、第2駆動棒49bが第2駆動用カム部43の外周面上の小径部に位置し、Oリング20が第2シート面37aに押圧され、第2流体導入口35から弁室31への流路が全閉状態となる。これにより、第1流体導入口34から弁室31に導入された第1の流体のみが流体排出口32から排出される。
【0040】
また、駆動軸46を時計回りに回転させることにより、流量調整弁101は、第1流体導入口34から弁室31に導入される第1の流体の流量を最大の状態から完全に閉止する状態まで移行し、かつ、第2流体導入口35から弁室31に導入される第2の流体の流量を完全に閉止する状態から最大の状態まで移行するように動作する。
【0041】
このように、この流量調整弁101では、弁体46を弁体40の軸心(弁室31の穴中心)周りに反時計方向に回転させることにより、第1流体導入口34から弁室31への流路が全閉状態から全開状態に移行し、第2流体導入口35から弁室31への流路が全開状態から全閉状態に移行する。これにより、第1流体導入口34から弁室31に流入する第1の流体の流量は、図6のAに示されるように、弁体40の回転角度が増加するとともに増加し、第2流体導入口35から弁室31に流入する第2の流体の流量は、図6のBに示されるように、弁体40の回転角度が増加するとともに減少する。その結果、流量調整弁101は、弁体40の回転角度を調整することにより、第1および第2の流体の混合比を制御することができる混合弁として動作する。
【0042】
また、第1流体導入用弁体48に装着されたOリング20が第1流体導入口34に配設されている第1弁座36の第1シート面36aに接離自在になっているので、Oリング20を第1シート面36aに当接させることにより、第1の流体の弁室31への導入を完全に阻止できる。同様に、第2流体導入用弁体49に装着されたOリング20が第2流体導入口35に配設されている第2弁座37の第2シート面37aに接離自在になっているので、Oリング20を第2シート面37aに当接させることにより、第2の流体の弁室31への導入を完全に阻止できる。そこで、弁室31への第1および第2の流体の流出を阻止するために電磁弁等の部品を新たに設ける必要がなくなり、回路の簡素化が図られるとともに、低コスト化が図られる。
【0043】
また、第1軸部41、第1および第2駆動用カム部42、43、第2軸部44、雄ねじ部45および駆動軸46から構成される弁体40が樹脂成型品で一体物として作製されているので、部品点数が削減され、流量制御弁100の組立性が向上されるとともに、低コスト化が図られる。
さらに、ハウジング30、第1および第2弁座36、37、弁体40、弁体押さえ47および第1および第2流体導入用弁体48、49が樹脂で作製されているので、低コスト化および軽量化が図られる。また、これらの部品が樹脂を射出成型してなる樹脂成型品であるので、部品の形状寸法精度が確保される。その結果、部品に切削加工等を施して部品の形状寸法を公差内に納めるような後加工が不要となり、低コスト化が図られる。
【0044】
なお、上記実施の形態3では、第1駆動用カム部42が第2軸部44側を小径とする切頭円錐状に形成され、第2駆動用カム部43が第1軸部41側を小径とする切頭円錐状に形成されているものとしているが、第1駆動用カム部42が第2軸部44側を大径とする切頭円錐状に形成され、第2駆動用カム部43が第1軸部41側を大径とする切頭円錐状に形成されてもよい。
また、上記実施の形態3では、弁体40に雄ねじ部45を設け、弁体押さえ47に雌ねじ部47bを設けるものとしているが、弁体40に雌ねじ部を設け、弁体押さえ47に雄ねじ部を設けてもよい。
【0045】
また、図7に示されるように、弁体40Aは、第1駆動用カム部42が第2軸部44側を小径とする切頭円錐状に形成され、かつ、第2駆動用カム部43Bが第1軸部41側を大径とする切頭円錐状に形成されてもよい。この場合、第1および第2の流体の弁室31への流量が同時にゼロとなり、かつ、同時に最大となる。これにより、2種類の流体に対して、上記実施の形態1による流量調整弁100と同等の効果を得ることができる。
さらに、第1および第2駆動用カム部42、43の切頭円錐状の外周面の角度を適宜設定すれば、種々の流量特性を得ることができる。
【0046】
また、上記実施の形態3では、弁体40を構成する第1軸部41、第1および第2駆動用カム部42、43、第2軸部44、雄ねじ部45および駆動軸46を樹脂成型品で一体物に作製するものとしているが、第1軸部41、第1および第2駆動用カム部42、43、第2軸部44、雄ねじ部45および駆動軸46を別部品で作製し、これらの部品を組み立てて弁体40としてもよい。
また、上記実施の形態3では、第1および第2流体導入口34、35を設けるものとしているが、流体導入口の位置が弁室31の穴中心方向に互いにずれていれば、流体導入口の個数は3つ以上であってもよく、このような構成では、3種以上の流体の流量を独立して調整することができる。この場合、流体導入口の個数に合わせて駆動用カム部を弁体に設けることになる。
【0047】
実施の形態4.
この実施の形態4は、上記実施の形態3による流量調整弁101を貯湯式の給湯装置に適用したものである。
図8はこの発明の実施の形態4に係る貯湯式の給湯装置の回路構成を示す回路図である。
図8において、水源用配管70は水源水圧を減圧する減圧弁71を介して第1および第2導入路72、73に接続されている。第1導入路72は第1および第2の流量調整弁101A、101Bの第1流体導入口34に接続され、第2導入路73は貯湯タンク74を介して第1および第2の流量調整弁101A、101Bの第2流体導入口35に接続されている。そして、蛇口やシャワー等の出湯口66が接続されている第1給湯配管75が第1の流量調整弁101Aの流体排出口32に接続され、追焚きバーナー63、浴槽64、モータ65等が接続されている第2給湯配管76が第2の流量調整弁101Bの流体排出口32に接続されている。第1および第2の流量調整弁101A、101Bは、上記実施の形態3による流量調整弁101であり、ステッピングモータ56がネジ穴21を用いて各ハウジング30に締着固定されている。そして、給湯制御用の電磁弁58が第2給湯配管76の経路中に配設されている。
【0048】
また、水温センサ77が第1導入路72に配設され、湯温センサ78が第1導入路73の貯湯タンク74の下流側に配設され、第1混合湯温センサ79が第1給湯配管75に配設され、第2混合湯温センサ80が第2給湯配管76の電磁弁58の下流側に配設されている。そして、制御装置81が、水温センサ77、湯温センサ78および第1および第2混合湯温センサ79、80からの出力信号に基づいて、ステッピングモータ56を駆動制御して、第1および第2の流量調整弁101A、101Bを駆動制御するようになっている。さらに、水量センサ51が、第1給湯配管75の第1の流量調整弁101Aの下流側および第2給湯配管76の第2の流量調整弁101Bの下流側にそれぞれ配設されている。
【0049】
このように構成された給湯装置の動作について説明する。
制御装置81は、水温センサ77、湯温センサ78および第1および第2混合湯温センサ79、80からの出力信号に基づいて各位置の水温をモニターし、かつ、水量センサ51からの出力信号に基づいて第1および第2給湯配管75、76に流れる混合湯の流量をモニターしている。そして、水源用配管70から減圧弁71および第2導入路73を介して貯湯タンク74に導入された水は、バーナー等の加熱手段(図示せず)により所定の温度に加熱される。
【0050】
そして、第1設定湯温Ts1が外部から設定されると、制御装置81は、第1の流量調整弁101Aのステッピングモータ56の回転角を検出し、水温センサ77で検出される水温Tcと湯温センサ78で検出される湯温Thとに基づいて演算処理して第1設定湯温Ts1を出湯させるための第1流体導入口34から弁室31内に導入する水と第2流体導入口35から弁室31内に導入する湯との流量比の目標値を算出する。ついで、この流量比の目標値に基づいて、第1の流量制御弁101Aのステッピングモータ56を回転駆動させ、弁体40を回転させる。これにより、水と湯とが所定の流量比で弁室31内に導入され、混合湯となって流体排出口32から排出される。ついで、第1混合湯温センサ79で検出された混合湯温Tm1が、第1設定温度Ts1に対して予め設定された偏差内に納まるように、ステッピングモータ56がフィードバック制御される。そして、混合湯温Tm1が第1設定温度Ts1に対して予め設定された偏差内に納まると、ステッピングモータ56の回転角が維持される。これにより、第1設定温度Ts1の湯が出湯口66から供給される。
【0051】
また、第2設定湯温Ts2が外部から設定されると、制御装置81は、第2の流量調整弁101Bのステッピングモータ56の回転角を検出し、水温センサ77で検出される水温Tcと湯温センサ78で検出される湯温Thとに基づいて演算処理して第2設定湯温Ts2を出湯させるための第1流体導入口34から弁室31内に導入する水と第2流体導入口35から弁室31内に導入する湯との流量比の目標値を算出する。ついで、この流量比の目標値に基づいて、第2流量調整弁101Bのステッピングモータ56を回転駆動させ、弁体40を回転させる。これにより、水と湯とが所定の流量比で弁室31内に導入され、混合湯となって流体排出口32から排出される。ついで、第2混合湯温センサ80で検出された混合湯温Tm2が、第2設定温度Ts2に対して予め設定された偏差内に納まるように、ステッピングモータ56がフィードバック制御される。そして、混合湯温Tm2が第2設定温度Ts2に対して予め設定された偏差内に納まると、ステッピングモータ56の回転角が維持される。これにより、第2設定温度Ts2の湯が浴槽64に供給される。
【0052】
このように、この実施の形態4によれば、温度制御性に優れ、異なる温度の湯を同時に給湯できる給湯装置が得られる。
【0053】
なお、上記各実施の形態では、ハウジング1、30、弁座7、第1および第2弁座36、37、弁体9、40、弁体押さえ16、47、流体導入用弁体19、第1流体導入用弁体48および第2流体導入用弁体49をPPS樹脂で作製するものとしているが、これらの部品の材料はPPS樹脂に限定されるものではなく、流量調整弁の要求仕様を満足する耐熱性および機械的強度を有していればよく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド系樹脂、ポリフタルアミド等の芳香族ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタラートやポリブリレンテレフタラート等のポリエステル系樹脂、ポリメチレン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、フッ素系樹脂等の結晶性樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアレリート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系樹脂等の非晶性樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂や芳香族ポリエステルアミド系樹脂等の液晶ポリマー等が使用できる。また、これらのアロイや、ガラス繊維等のフィラーを配合した樹脂であってもよい。さらには、青銅鋳物材等の金属を用いることができる。
ここで、この種の流量調整弁においては、温水の最高温度が80〜90℃となることから、100℃の耐熱性が要求される。また、強度面においては、水撃による圧力上昇に対する疲労強度が要求され、具体的には17.5気圧の圧力振幅で100万回の繰り返しに耐えられる機械的強度が必要である。このため、各部品の材料としては、上述の樹脂材料をガラス繊維で強化されたもの(ガラス繊維の重量含有率として、10〜40%)を使用することが望ましい。
【0054】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、穴中心方向の一端を開口とする断面円形の弁室、該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた流体導入口、該弁室の穴中心方向の他端に連通孔を介して連通された流体排出口、該連通孔の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部、および該流体導入口に水密状態に取り付けられシート面が一端側に形成された弁座円筒部と該弁座円筒部に径方向に延びる複数のリブに支持されて該弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の弁座ガイド部からなる弁座を有するハウジングと、第1軸部、切頭円錐状の駆動用カム部、第2軸部、第1ねじ部および駆動軸が同軸に形成され、該第1軸部を上記ガイド部に軸支され、該駆動軸を上記弁室の開口から延出させて該弁室内に該弁室の穴中心周りに回転自在に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に収納されている弁体と、上記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を有し、上記ハウジングの開口に水密状態に取り付けられ、上記第2軸部を水密状態に軸支するとともに、該第2ねじ部を該第1ねじ部に螺合させて上記弁体を上記弁室の穴中心周りに回転可能に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に支持する弁体押さえと、上記弁座のシート面に接して水密状態を確保するシール部材を有する弁部および該弁部の中心に立設された駆動棒からなり、該駆動棒を上記弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記流体導入口に配設され、該駆動棒が上記駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する流体導入用弁体とを備えているので、弁自体にシール機能が備わり、2次側に流体の流出を阻止するための新たな部材が不要となり、流量制御性を高めた安価な流量調整弁が得られる。
【0055】
また、穴中心方向の一端を開口とする断面円形の弁室、該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた第1流体導入口、該第1流体導入口に対して該弁室の穴中心方向にずらして該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた第2流体導入口、該弁室の他端と外部とを連通するように設けられた流体排出口、該弁室と該流体排出口との接続部の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部、該第1流体導入口に水密状態に取り付けられ第1シート面が一端側に形成された第1弁座円筒部と該第1弁座円筒部に径方向に延びる複数の第1リブに支持されて該第1弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の第1弁座ガイド部からなる第1弁座、および該第2流体導入口に水密状態に取り付けられ第2シート面が一端側に形成された第2弁座円筒部と該第2弁座円筒部に径方向に延びる複数の第2リブに支持されて該第2弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の第2弁座ガイド部からなる第2弁座を有するハウジングと、第1軸部、切頭円錐状の第2駆動用カム部、切頭円錐状の第1駆動用カム部、第2軸部、第1ねじ部および駆動軸が同軸に形成され、該第1軸部を上記ガイド部に軸支され、該駆動軸を上記弁室の開口から延出させて該弁室内に該弁室の穴中心周りに回転自在に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に収納されている弁体と、上記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を有し、上記ハウジングの開口に水密状態に取り付けられ、上記第2軸部を水密状態に軸支するとともに、該第2ねじ部を該第1ねじ部に螺合させて上記弁体を上記弁室の穴中心周りに回転可能に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に支持する弁体押さえと、上記第1弁座の第1シート面に接して水密状態を確保する第1シール部材を有する第1弁部および該第1弁部の中心に立設された第1駆動棒からなり、該第1駆動棒を上記第1弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記第1流体導入口に配設され、該第1駆動棒が上記第1駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する第1駆動棒を有する第1流体導入用弁体と、上記第2弁座の第2シート面に接して水密状態を確保する第2シール部材を有する第2弁部および該第2弁部の中心に立設された第2駆動棒からなり、該第2駆動棒を上記第2弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記第2流体導入口に配設され、該第2駆動棒が上記第2駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する第2駆動棒を有する第2流体導入用弁体とを備えているので、弁自体にシール機能が備わり、2次側に流体の流出を阻止するための新たな部材が不要となり、流量制御性を高めた安価な、混合弁として作動する流量調整弁が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る流量制御弁の構成を説明する断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る流量制御弁の動作を説明する工程断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る瞬間沸き上げ式の給湯装置の回路構成を示す回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係る流量制御弁の構成を説明する断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る流量制御弁の動作を説明する工程断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る流量制御弁の流量特性を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る流量制御弁の弁体の実施態様を示す側面である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る瞬間沸き上げ式の給湯装置の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ハウジング、2 弁室、2a 開口部、3 流体導入口、4 流体排出口、6 ガイド部、7 弁座、7a シート面、9 弁体、10 第1軸部、12駆動用カム部、13 第2軸部、14 雄ねじ部(第1ねじ部)、15 駆動軸、16 弁体押さえ、16b 雌ねじ部(第2ねじ部)、19 流体導入用弁体、19b 駆動棒、20 Oリング(シール部材、第1シール部材、第2シール部材)、30 ハウジング、31 弁室、32 流体排出口、33 ガイド部、34 第1流体導入口、35 第2流体導入口、36 第1弁座、36a 第1シート面、37 第2弁座、37a 第2シート面、40 弁体、41 第1軸部、42 第1駆動用カム部、43 第2駆動用カム部、45 雄ねじ部(第1ねじ部)、47 弁体押さえ、47b 雌ねじ部(第2ねじ部)、48 第1流体導入用弁体、48b 第1駆動棒、49 第2流体導入用弁体、49b 第2駆動棒。

Claims (6)

  1. 穴中心方向の一端を開口とする断面円形の弁室、該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた流体導入口、該弁室の穴中心方向の他端に連通孔を介して連通された流体排出口、該連通孔の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部、および該流体導入口に水密状態に取り付けられシート面が一端側に形成された弁座円筒部と該弁座円筒部に径方向に延びる複数のリブに支持されて該弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の弁座ガイド部からなる弁座を有するハウジングと、
    第1軸部、切頭円錐状の駆動用カム部、第2軸部、第1ねじ部および駆動軸が同軸に形成され、該第1軸部を上記ガイド部に軸支され、該駆動軸を上記弁室の開口から延出させて該弁室内に該弁室の穴中心周りに回転自在に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に収納されている弁体と、
    上記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を有し、上記ハウジングの開口に水密状態に取り付けられ、上記第2軸部を水密状態に軸支するとともに、該第2ねじ部を該第1ねじ部に螺合させて上記弁体を上記弁室の穴中心周りに回転可能に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に支持する弁体押さえと、
    上記弁座のシート面に接して水密状態を確保するシール部材を有する弁部および該弁部の中心に立設された駆動棒からなり、該駆動棒を上記弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記流体導入口に配設され、該駆動棒が上記駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する流体導入用弁体とを備えていることを特徴とする流量調整弁。
  2. 穴中心方向の一端を開口とする断面円形の弁室、該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた第1流体導入口、該第1流体導入口に対して該弁室の穴中心方向にずらして該弁室の穴中心方向と直交する方向に該弁室と外部とを連通するように設けられた第2流体導入口、該弁室の他端と外部とを連通するように設けられた流体排出口、該弁室と該流体排出口との接続部の穴中心位置に設けられた円筒状のガイド部、該第1流体導入口に水密状態に取り付けられ第1シート面が一端側に形成された第1弁座円筒部と該第1弁座円筒部に径方向に延びる複数の第1リブに支持されて該第1弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の第1弁座ガイド部からなる第1弁座、および該第2流体導入口に水密状態に取り付けられ第2シート面が一端側に形成された第2弁座円筒部と該第2弁座円筒部に径方向に延びる複数の第2リブに支持されて該第2弁座円筒部の穴中心位置に配設された円筒状の第2弁座ガイド部からなる第2弁座を有するハウジングと、
    第1軸部、切頭円錐状の第2駆動用カム部、切頭円錐状の第1駆動用カム部、第2軸部、第1ねじ部および駆動軸が同軸に形成され、該第1軸部を上記ガイド部に軸支され、該駆動軸を上記弁室の開口から延出させて該弁室内に該弁室の穴中心周りに回転自在に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に収納されている弁体と、
    上記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部を有し、上記ハウジングの開口に水密状態に取り付けられ、上記第2軸部を水密状態に軸支するとともに、該第2ねじ部を該第1ねじ部に螺合させて上記弁体を上記弁室の穴中心周りに回転可能に、かつ、該弁室の穴中心方向に移動可能に支持する弁体押さえと、
    上記第1弁座の第1シート面に接して水密状態を確保する第1シール部材を有する第1弁部および該第1弁部の中心に立設された第1駆動棒からなり、該第1駆動棒を上記第1弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記第1流体導入口に配設され、該第1駆動棒が上記第1駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する第1駆動棒を有する第1流体導入用弁体と、
    上記第2弁座の第2シート面に接して水密状態を確保する第2シール部材を有する第2弁部および該第2弁部の中心に立設された第2駆動棒からなり、該第2駆動棒を上記第2弁座ガイド部に挿通させて上記弁室内に延出するように上記第2流体導入口に配設され、 該第2駆動棒が上記第2駆動用カム部の外周面に接して上記弁室の穴中心方向と直交する方向の駆動力を受けて上記弁室の穴中心方向と直交する方向に往復移動する第2駆動棒を有する第2流体導入用弁体とを備えていることを特徴とする流量調整弁。
  3. 上記弁体が一体成形されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の流量調整弁。
  4. 上記ハウジング、上記弁体、上記弁体押さえおよび上記流体導入用弁体が樹脂成型品であることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の流量調整弁。
  5. 上記ハウジング、上記第1弁体、上記第2弁体、上記弁体押さえ、上記第1流体導入用弁体および上記第2流体導入用弁体が樹脂成型品であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の流量調整弁。
  6. 上記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の流量調整弁を用いたことを特徴とする給湯装置。
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