JP4109315B2 - 脂肪酸エロンガーゼ - Google Patents
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Description
本発明は、脂肪酸エロンガーゼ複合体およびエロンガーゼタンパク質をコードする核酸に関する。さらに特定すると、本発明は、超長鎖脂肪酸を産生するのに有効なβ-ケトアシルシンターゼタンパク質をコードする核酸、該核酸から生成されるポリペプチド、および該核酸を発現するトランスジェニック植物に関する。
植物が超長鎖脂肪酸(very long chain fatty acid: VLCFA)を合成することは公知でである。VLCFAは鎖長が18炭素よりも長い、枝分かれしていない偶数の炭素鎖を有する飽和または不飽和のモノカルボン酸である。多くのVLCFAは鎖長が20〜32炭素であるが、最大60炭素の鎖長のVLCFAもある。重要なVLCFAとしては、エルカ酸(22:1、すなわち1個の二重結合を有する22炭素鎖)、ベヘン酸(22:0)およびアラキドン酸(20:0)が挙げられる。
植物の種子はたいてい16炭素と18炭素の脂肪酸を蓄積する。VLCFAが食用油に含まれることは望ましくない。しかし、Crucifereae(例えば、アブラナ)と少数の他の植物の脂肪種子はC20およびC22脂肪酸(FA)を蓄積する。植物栽培者らは食用油のためにVLCFAを低レベルで含むアブラナ系統を開発したが、なおいっそう低レベルにすることが望ましいだろう。一方、いくつかの産業用途(潤滑油、燃料、およびプラスチック、医薬品、化粧品の原料としての用途を含む)にとっては高レベルのVLCFAを含む植物油が望ましいものである。
18炭素鎖までの飽和脂肪酸の生合成は葉緑体の中で起こる。アシルチオエステルからのC2単位が、アセチル補酵素A(CoA)とマロニルアシルキャリヤータンパク質(ACP)の縮合から始まって、順次連結されてC4アシル脂肪酸を形成する。この縮合反応はβ-ケトアシルシンターゼIII(KASIII)により触媒される。β-ケトアシル部分は3-ケトアシル部分ともいう。
酵素β-ケトアシルシンターゼI(KASI)はC2基の付加に関与してC6〜C16飽和脂肪酸を形成する。KASIは脂肪アシル部分(C4〜C14)とマロニル-ACPとの段階的縮合を触媒して3-ケトアシル-ACP産物を生成し、この産物は基質よりも2炭素だけ長くなっている。葉緑体での最後の縮合反応、つまりC16からC18への変換はβ-ケトアシルシンターゼII(KASII)により触媒される。
それぞれの延長サイクルは上述した縮合反応に加えて3つの酵素的段階を必要とする。簡単に述べると、β-ケトアシル縮合産物がβ-ヒドロキシアシル-ACPに還元され、エノイル-ACPに脱水され、最後には完全に還元されたアシル-ACPへと還元される。その後、完全に還元された脂肪アシル-ACP反応産物が次の延長サイクルの基質となる。
C18飽和脂肪酸(ステアリン酸、18:0)は葉緑体の外へ輸送されて、モノ不飽和酸C18:1(オレイン酸)とポリ不飽和酸のC18:2(リノール酸)およびC18:3(α-リノレン酸)に変換される。C18:0とC18:1はさらに葉緑体の外側で延長されてVLCFAを形成することができる。VLCFAの形成は、マロニルCoAからの2炭素基とC18:0またはC18:1脂肪酸基質との逐次縮合を必要とする。18炭素より長い脂肪酸の延長は、葉緑体での脂肪酸の合成について上述した酵素反応と同様の、4つの別個の酵素反応を行う脂肪酸エロンガーゼ複合体の活性に左右される(非特許文献1)。植物では、エロンガーゼ複合体は脂肪酸シンターゼと区別される。その理由は、エロンガーゼが色素体の外にあって、膜に結合しているからである。
脂肪酸の延長に関連したArabidopsis遺伝子に突然変異が確認されている。FAE1遺伝子と称するこの遺伝子は延長サイクルの縮合段階に関与している。特許文献1を参照のこと(これを参照により本明細書中に含める)。FAE1に突然変異をもつ植物は種子中のVLCFAのレベルが著しく低下している。ホホバ(jojoba)においてワックスの生合成に関連した遺伝子もクローニングされて、配列が決定されている(特許文献2、これを参照により本明細書中に含める)。
超長鎖脂肪酸は動物、植物および微生物中の多くの生物学的に重要な化合物の鍵となる成分である。例えば、動物においては、VLCFAアラキドン酸が多くのプロスタグランジンの前駆物質となっている。植物ではVLCFAが多くの種子油中のトリアシルグリセロールの主要な構成成分であり、また、クチクラワックス(cuticular wax)生産用の必須前駆物質であり、原形質膜の重要な成分であるグリコシルセラミドの合成に利用されている。
国際公開WO 96/13582
国際公開WO 95/15387
Fehling, Biochem. Biophys. Acta 1082:239-246 (1991)
KAS酵素の生化学に関する詳細な情報を入手することは、膜結合型の酵素を精製するときに遭遇する困難性により妨げられてきた。エロンガーゼ活性はいくつかの供給源から部分的に精製されているか、または細胞画分を用いて研究されているが、エロンガーゼ複合体の生化学の解明は酵素源として用いた膜画分の複雑性により阻まれている。例えば、最近まで、植物エロンガーゼ複合体が動物や酵母において見出されたFASと同様に、多機能性ポリペプチドから構成されているのか、また、該複合体が植物や細菌のFASと同様に、別個の、分離できる酵素として存在するのか、明らかでなかった。エロンガーゼKASの部分精製、ヒドロキシアシルデヒドラーゼのイムノブロット同定、およびKAS遺伝子(FAE1)の最近のクローニングから、エロンガーゼ複合体の酵素活性は個々の酵素に存在することが示唆される。
ここに開示する本発明は、次の配列:配列番号1;配列番号3;配列番号5;配列番号7;配列番号9;配列番号11;配列番号13;配列番号1、3、5、7、9、11、13または15のRNA類似体;および上記の配列の1つに相補的な核酸配列を有するポリヌクレオチド;のうちの1つから選択される、単離されたポリヌクレオチドに関する。該ポリヌクレオチドはまた、長さが少なくとも15ヌクレオチドであり、かつストリンジェント条件下で配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14のポリペプチドをコードするゲノムDNAにハイブリダイズする、上記配列の1つの核酸断片であってもよい。
さらに、次の配列:配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14のうちの1つと実質的に同一のアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチドも本明細書において開示する。さらに、アミノ酸配列が配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14と実質的に同一のポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチドも開示される。
本発明はまた、核酸構築物を含むトランスジェニック植物に関する。核酸構築物は上記のポリヌクレオチドを含む。該構築物はさらに該ポリヌクレオチドに機能的に連結された調節エレメントを含む。調節エレメントは組織特異的プロモーター、例えば、表皮細胞特異的プロモーターまたは種子特異的プロモーターでありうる。調節エレメントはセンスまたはアンチセンス方向で該ポリヌクレオチドに機能的に連結することができる。かかる植物は、該核酸構築物を欠く親植物と比べて、該ポリヌクレオチドを発現している組織中の超長鎖脂肪酸のレベルが変化している。
植物における超長鎖脂肪酸のレベルを改変する方法も開示される。この方法は核酸構築物を作製して、該構築物を植物に導入することを含む。この構築物は次の配列:配列番号1;配列番号3;配列番号5;配列番号7;配列番号9;配列番号11;配列番号13;配列番号1、3、5、7、9、11、13または15のRNA類似体;および上記の配列の1つに相補的な核酸配列を有するポリヌクレオチド;のうちの1つから選択されるポリヌクレオチドを含有する。このポリヌクレオチドはまた、長さが少なくとも15ヌクレオチドであり、かつストリンジェント条件下で配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14のポリペプチドをコードするゲノムDNAにハイブリダイズする、上記配列の1つの核酸断片であってもよい。該ポリヌクレオチドは植物における超長鎖脂肪酸のレベルを改変するのに有効である。
本発明の他の特徴および利点は、その好適な実施形態の下記説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。
本発明は、β-ケトアシルシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離核酸(ポリヌクレオチド)を含んでなる。本発明の新規ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは超長鎖脂肪酸の合成に関係し、植物中のかかる脂肪酸の総量および特異的VLCFAプロフィールを調節するのに有用である。
本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形態またはcDNA、合成DNAもしくはゲノムDNAを含むDNAの形態であってもよい。DNAは二本鎖または一本鎖であってもよく、一本鎖である場合にはコード鎖または非コード鎖のいずれかであり得る。RNA類似体は、例えば、mRNAまたはリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドの組み合わせであってもよい。本発明のポリヌクレオチドの実例を、図3、5、7、9、11、13および15に示す。
本発明のポリヌクレオチドは、典型的には少なくとも15ヌクレオチド(または塩基対、bp)長である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは約20〜100ヌクレオチド長、または約100〜500ヌクレオチド長である。他の実施形態では、ポリヌクレオチドは約1500ヌクレオチド長より大きく、図4、6、8、10、12、14または16に示されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは図4、6、8、10、12、14または16の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドの類似体または誘導体をコードする。かかる断片、類似体または誘導体には、例えば、ポリペプチドの機能を本質的に変化させない、天然に存在する対立遺伝子変異体、天然には存在しない対立遺伝子変異体、欠失変異体および挿入変異体が含まれる。
本発明のポリヌクレオチドは、追加の核酸をさらに含んでいてもよい。例えば、分泌性または先導(leading)アミノ酸配列をコードする核酸断片を、EL1からEL7ポリペプチドのうちの1つのアミノ末端とインフレーム(in-frame)で融合させることができる。当技術分野では、本明細書において開示されるKASポリペプチドとインフレームで融合させるのに有用なアミノ酸配列をコードする他の核酸断片が知られている。例えば、参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,629,193号を参照のこと。ポリヌクレオチドは、本明細書において開示されるKASポリヌクレオチドと機能し得る形で連結された1つ以上の調節エレメントをさらに含んでなってもよい。
本発明はまた、本明細書において開示されるKASポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んでなる。かかるポリヌクレオチドは典型的には少なくとも15ヌクレオチド長である。ハイブリダイゼーションには典型的に、サザン分析(サザンブロッティング)、標的核酸混合物中のDNA配列の存在を、標識したオリゴヌクレオチドまたはDNA断片プローブとのハイブリダイゼーションによって同定する方法が含まれる。サザン分析には典型的に、DNA消化物のアガロースゲル上での電気泳動分離、電気泳動分離後のDNAの変性、およびSambrookら, (1989), Molecular Cloning, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Plainview, NYの第9.37-9.52節に記載されている放射性標識化、ビオチン化、または酵素標識化したプローブで分析するためのニトロセルロース、ナイロン、またはほかの好適な膜支持体へのDNAの移行が含まれる。
ポリヌクレオチドは中程度のストリンジェンシー条件下でまたは、好ましくは高ストリンジェンシー条件下で本明細書において開示されるKASポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができる。プローブに対して高い相同性を有する核酸を同定するためには高ストリンジェンシー条件を用いる。高ストリンジェンシー条件は、洗浄に低イオン強度および高温、例えば、65℃で0.015M NaCl/0.0015M クエン酸ナトリウム(0.1X SSC)、0.1% ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)の使用を含み得る。別法として、ハイブリダイゼーション中には、ホルムアミドのような変性剤、例えば、42℃で50% ホルムアミドを0.1% ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1% ポリビニルピロリドン/750mM NaCl、75mM クエン酸ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH 6.5)とともに使用することができる。もう1つの例は、42℃で50% ホルムアミド、5x SSC(0.75M NaCl、0.075M クエン酸ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH 6.8)、0.1% ピロリン酸ナトリウム、5x デンハート溶液、超音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1% SDS、および10%硫酸デキストランを使用し、42℃で0.2x SSCおよび0.1% SDSで洗浄する。
中程度のストリンジェンシー条件は、高ストリンジェンシー条件下で同定される核酸よりもプローブに対する同一性の程度がより低い核酸を同定するのに用いられるハイブリダイゼーション条件を意味する。中程度のストリンジェンシー条件は、高ストリンジェンシー条件で用いられるイオン強度および温度と比較して、ハイブリダイゼーション膜の洗浄に、より高いイオン強度および/またはより低い温度の使用を含み得る。例えば、0.060M NaCl/0.0060M クエン酸ナトリウム(4X SSC)および0.1% ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を含んでなる洗浄液を50℃で使用し、最終洗浄を65℃において1X SSCで行う。別法として、37℃において1X SSCでハイブリダイゼーション洗浄を行うことができる。
ハイブリダイゼーションはまた、ノーザン分析(ノーザンブロッティング)、オリゴヌクレオチド、DNA断片、cDNAまたはそれらの断片のような公知のプローブとハイブリダイズするRNAを同定するために使用する方法によって行うこともできる。プローブをビオチン化によって32Pのような放射性同位元素で、または酵素で標識する。分析すべきRNAを通常は、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル上で電気泳動的に分離し、ニトロセルロース、ナイロン、またはその他の適切な膜へ移行させ、前記のSambrookらの第7.39-7.52節に記載されているもののような当技術分野で周知の標準技術を用いてプローブとハイブリダイズさせることができる。
ポリヌクレオチドは、配列番号1、3、5、7、9、11、または13に対して少なくとも約70%の配列同一性、好ましくは少なくとも約80%の配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約90%の配列同一性を有する。配列同一性は、例えば、単一および多重配列アライメントを実施するように設計されたコンピュータープログラムによって決定することができる。
本発明のポリヌクレオチドは、化学合成、植物ゲノムDNAからの単離およびクローニング、または配列番号1、3、5、7-9、11、もしくは13の部分に相当するオリゴヌクレオチドを用いて行うPCR技術の使用を含む、当技術分野で公知のその他の手段によって得ることができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、標的核酸を、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,683,195号に記載されているものと類似する方法、およびそこに記載されている操作をそれに伴って改変したもので増幅する方法または技術を意味する。一般に、対象の領域またはそれを越える領域の末端から得られる配列情報を用いて、増幅すべき鋳型の対向鎖と配列が同一であるかまたは類似しているオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。PCRを用いて特異的RNA配列、全ゲノムDNA由来の特異的DNA配列、および全細胞RNA、バクテリオファージもしくはプラスミド配列から転写したcDNAなどを増幅することができる。別法として、配列番号2のKASタンパク質の親水性領域由来のペプチド配列および当技術分野で公知の技術を用いて調製したKASに特異的な抗体で(発現ベクター中の)cDNAライブラリーをスクリーニングすることができる。
本発明のポリペプチドは、図2、4、6、8、10および12の推定アミノ酸配列を有する単離されたポリペプチド、ならびにそれらの誘導体および類似体を含んでなる。「単離された」とは、ポリペプチドが自然に発現および産生される環境以外の環境で発現および産生されるポリペプチドを意味する。例えば、植物ポリペプチドを細菌または真菌類中で発現および産生させて単離する。同じように、植物ポリペプチドを、その遺伝子コード配列を機能し得る形でキメラ調節エレメントと連結させ、ポリペプチドが自然には発現しない組織中で発現させて単離する。本発明のポリペプチドは、先に述べた本明細書において開示されるKASポリペプチドの変異体もまた含んでなる。
全長KASコード配列は、配列番号1、3、5、7、9、11または13に示されている配列を含んでいてもよい。別法として、キメラ全長KASコード配列を、第1のKAS遺伝子の5’領域由来のヌクレオチドをインフレームで第2のKAS遺伝子の3’領域由来のヌクレオチドに連結して、キメラKASタンパク質を生じさせることによって形成させてもよい。
配列番号1、3、5、7、9、11または13に開示されたKAS配列以外のヌクレオチド配列を有する核酸断片は、それぞれ配列番号2、4、6、8、10、12または14の例示されたアミノ酸コード配列を有するポリペプチドをコードすると理解されるべきである。遺伝子コードの縮重は当技術分野で周知であり、すなわち、多くのアミノ酸にはアミノ酸に対するコドンとして働く1つより多いヌクレオチドトリプレットが存在する。
また、タンパク質の機能に影響を及ぼすことなくタンパク質配列においてある種のアミノ酸置換を行うことができるということも理解されるべきである。一般に、保存的アミノ酸置換または類似のアミノ酸の置換はタンパク質の機能に影響を及ぼすことなく許容される。類似アミノ酸とは、大きさおよび/または電荷特性が類似するものであり、例えば、アスパラギン酸とグルタミン酸およびイソロイシンとバリンは双方とも類似アミノ酸の対である。アミノ酸対の類似性は当技術分野で多くの方法によって評価されている。例えば、参照により本明細書に組み入れるDayhoffら, (1978), Atlas of Protein Sequence and Structure, 第5巻, Suppl. 3, pp.345-352は、アミノ酸類似性の尺度として使用できるアミノ酸置換頻度表を提供する。
本発明の核酸構築物は、他の異なるポリヌクレオチドに連結された本明細書において開示されるポリヌクレオチドを含んでなる。例えば、全長KASコード配列は、リーダー配列、分泌性配列またはポリペプチドもしくはペプチド断片と有効に連結され得る他の追加アミノ酸配列をコードする核酸断片にインフレームで機能し得る形で融合させてもよい。
本発明のトランスジェニック植物は、本明細書に記載されているような核酸構築物を含有する。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、センス方向で少なくとも1つの好適な調節配列と機能し得る形で連結された本発明のポリヌクレオチドを含んでなる核酸構築物を含有する。調節配列は典型的には、それ自体は遺伝子産物をコードしない。その代わりに、調節配列はそれらが連結しているポリヌクレオチドの発現レベルに影響を及ぼす。調節配列の例は当技術分野で公知であり、限定されるものではないが、最小プロモーターならびに種子中または茎および葉の表皮細胞中で優先的または排他的に発現する遺伝子のプロモーターが含まれる。当業者ならば本明細書において開示されるポリヌクレオチドの天然の調節配列を当業者は容易に単離することができ、本発明の構築物に使用することができる。適切な調節配列のその他の例には、エンハンサーまたはエンハンサー様エレメント、イントロン、ポリA配列のような3’非コード領域および本明細書で述べられるその他の調節配列が含まれる。かかるキメラ遺伝子を調製するための分子生物学技術は当技術分野で公知である。
その他の実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも1つの適切なアンチセンス方向の調節配列と機能し得る形で連結された部分的または全長KASコード配列を含んでなる核酸構築物を含む。キメラ遺伝子を植物中に導入することができ、アンチセンス構築物の発現を示すトランスジェニック後代が同定される。
共抑制(cosuppression)ならびにアンチセンス阻害のために、本明細書において開示されるポリヌクレオチドを使用してもよい。遺伝子の全部または部分的コード配列をセンス方向に発現させることによって植物における遺伝子の共抑制を達成してもよい。例えば、参照により本明細書に組み入れるWO 04/11516を参照のこと。
本発明に使用するトランスジェニック技術には、限定されるものではないが、アグロバクテリウム(Agrobacterium)が媒介する形質転換、ウイルスベクターを介した形質転換、エレクトロポレーションおよびパーティクルガン形質転換が含まれる。形質転換技術の実例は米国特許第5,204,253号(パーティクルガン)および同第5,188,958号(アグロバクテリウム)に記載され、これらは参照により本明細書に組み入れられる。アグロバクテリウム spp.のTiおよびRiプラスミドを用いる形質転換法は典型的にはバイナリーベクターを使用する。Walkerpeach, C.ら, Plant Molecular Biology Manual, S. GelvinおよびR. Schilpercoort, 編, Kluwer Dordrecht, C1:1-19 (1994)。細胞または組織培養物を形質転換用の受容組織として用いる場合には、当業者にとって公知の技術によって形質転換した培養物から植物を再生させることができる。
DNAを単子葉植物ならびに双子葉植物に導入する技術が知られており、かかる植物組織を培養してそれらの組織を再生させる技術も知られている。うまく形質転換および再生される単子葉植物には、小麦、トウモロコシ、ライ麦、米およびアスパラガスが含まれる。例えば、参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,484,956号および同第5,550,318号を参照のこと。
植物細胞からトランスジェニック植物を効率よく産生するためには、形質転換に用いられる植物組織が高い再生能を有していることが望ましい。ポプラ(poplar )やヤマナラシ(aspen)のような木本種の形質転換植物もまた得られている。またこの技術は裸子植物の操作、形質転換、および再生にも利用することができる。例えば、米国特許第5,122,466号は針葉樹のバイオリスティック(biolistic)形質転換を記載しており、好ましい標的組織は分裂性の子葉および胚軸組織である。米国特許第5,041,382号は、針葉樹の胚性細胞の富化を記載している。
トランスジェニック植物によって生産された種子を生育させ、次いで自家受粉(または遠縁交配および自家受粉)させて構築物に関してホモ接合の種子を得ることができる。種子を分析して、構築物の所望の発現を有するホモ接合体を同定することができる。例えば新規な構築物をその他の系統に導入するために、構築物をその他の種に移入するために、または他の望ましい特性をさらに選択するために、トランスジェニック植物を育種プログラムに入れてもよい。別法として、トランスジェニック植物を栄養繁殖を受け入れる種に対して栄養繁殖させてもよい。本発明の核酸構築物は、ポリヌクレオチドを発現しないが他の点では同一の植物に由来する対応組織におけるVLCFAレベルと比較して、ポリヌクレオチドを発現する植物組織における超長鎖脂肪酸のレベルを変化させることができる。例えば、植物系統の非トランスジェニック植物と同一植物系統のトランスジェニック植物との間で比較を行うことができる。本明細書において開示される植物においては、20〜32個の炭素を有するVLCFAのレベルおよび/または32〜60個の炭素を有するVLCFAのレベルを変化させることができる。変化したVLCFA組成を有する植物は、当業者にとって公知の技術、例えば、適切な植物組織の薄層クロマトグラフィーまたは気液クロマトグラフィー(GLC)分析によって同定し得る。
本発明を実施するために用いられる好適な植物群としては、B. napus、B. rapa、B. juncea、B. hirtaをはじめとするブラシカ(Brassica)種である。その他の好適な植物として、限定されるものではないが、大豆(Glycine max)、ヒマワリ(Helianthus annuus)およびトウモロコシ(Zea mays)が含まれる。
本発明の方法は、核酸構築物を植物細胞に導入し、形質転換細胞から植物(ならびにかかる植物の後代)を生産することを含んでなる。後代には特定の植物または植物系統の後代が含まれ、例えば、その植物で発生した種子が後代である。その植物の後代には、F1、F2、F3、およびそれ以降の世代の植物で形成された種子、またはBC1、BC2、BC3、およびそれ以降の世代の植物で形成された種子が含まれる。
本発明の方法および組成物は、得られた植物および植物系統が超長鎖脂肪酸組成に望ましい変化を有するために有用である。本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを発現させるための好適な組織としては、限定されるものではないが、種子、茎および葉が含まれる。対象となる葉組織には、表皮細胞および組織、例えば、毛状体の形成に関係する細胞が含まれる。特に興味深いのはクチクラ層の形成に関係する表皮細胞である。クチクラ層は、種々の超長鎖脂肪酸ならびにアルカン、エステル、アルコールおよびアルデヒドのようなVLCFA誘導体から構成される。表皮細胞および組織中のVLCFAの組成および量を変化させると、本明細書において開示される植物の防御機構および乾燥耐性を増強することができる。
本発明のポリヌクレオチドは、植物の遺伝子マッピングおよび植物育種プログラムにおけるマーカーとして使用することができる。かかるマーカーには、例えば、RFLP、RAPD、またはPCRマーカーが含まれる。マーカー支援育種技術を用いて、育種過程の間に所望の脂肪酸組成を同定および追跡してもよい。その他の種の同定技術に加えて、またはその別法としてマーカー支援育種技術を用いてもよい。マーカー支援育種の例としては、植物系統に導入されていてその他の植物系統に交配される所望のKAS由来の配列を特異的に増幅するPCRプライマーの使用がある。
本明細書において開示される植物および植物系統は、好ましくは優れた農耕学的特性を有する。優れた作物学的特性として、例えば、高い種子発芽率、高い苗木成長力、高い苗木真菌病(立枯れ病、根腐れなど)耐性、高い収穫量、および改良された直立性(standability)が含まれる。
本発明は種々の修飾や変更を行うことができるが、それらのある特定の実施形態を一般法および以下に示す実施例において説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、本発明の範囲内に入るすべての修飾や変更および同等物を包含するものと理解されるべきである。
実施例1
酵母細胞におけるFAE1のクローニングおよび発現
Arabidopsis FAE1遺伝子のオープンリーディングフレームを、鋳型としてArabidopsis thaliana cv. Columbia ゲノムDNA、pfu DNAポリメラーゼおよび以下のプライマー:
5’CTCGAGGAGCAATGACGTCCGTTAA-3’および5’-CTCGAGTTAGGACCGACCGTTTTG-3’
を用いてPCRによって直接増幅した。PCR産物をpBluescript(Stratagene, La Jolla, CA)のEco RV部位に平滑末端クローニングした。
酵母細胞におけるFAE1のクローニングおよび発現
Arabidopsis FAE1遺伝子のオープンリーディングフレームを、鋳型としてArabidopsis thaliana cv. Columbia ゲノムDNA、pfu DNAポリメラーゼおよび以下のプライマー:
5’CTCGAGGAGCAATGACGTCCGTTAA-3’および5’-CTCGAGTTAGGACCGACCGTTTTG-3’
を用いてPCRによって直接増幅した。PCR産物をpBluescript(Stratagene, La Jolla, CA)のEco RV部位に平滑末端クローニングした。
FAE1遺伝子をBamHIでBluescriptベクターから切り取り、次いでpYEUra3(Clontech, Palo Alto, CA)にサブクローニングした。pYEUra3は、酵母動原体を含有し、細胞分裂を通じて安定して増殖する表皮プラスミドである。FAE1遺伝子をpYEUra3中のGAL1プロモーターの下流に挿入した。GAL1プロモーターは培地中にガラクトースが存在すると誘導され、増殖培地中にグルコースが存在すると抑制される。
センス方向でのFAE1遺伝子の挿入をPCRによって確認し、次いでGietz, R.およびWoods, R., Molecular Genetics of Yeast: Practical Approaches, Oxford Press, pp. 121-134 (1994)に記載されている酢酸リチウム法を使用して、pYEUra3/FAE1を用いてSaccharomyces Cerevisiae系統AB1380を形質転換した。プラスミドDNAを推定される形質転換体から単離し、FAE1/pYEUra3構築物の存在をサザン分析によって確認した。
GAL1プロモーターと機能し得る形で連結されたFAE1を有するpYEUra3で形質転換した酵母をガラクトースまたはグルコースの存在下で増殖させ、FAE1の発現を分析した。対照として、インサートを含有しないpYEUra3で形質転換した酵母もまたアッセイした。かかる対照調製物の分析によって、pYEUra3/FAE1で形質転換して炭素供給源としてグルコースで増殖させた酵母のものと同等な脂肪酸組成および脂肪酸延長速度が得られた。
VLCFAがガラクトースで誘導した細胞中に見出されるかどうかを決定するために、ガラクトースの存在下で増殖させた酵母細胞の脂肪酸組成をグルコースの存在下で増殖させた細胞のものと比較した。
形質転換した酵母細胞を激しく振盪させながら30℃においてYPD培地中で一晩中増殖させた。100μlの一夜培養物を用いてグルコースまたはガラクトースのいずれか(2%w/v)を補った40mlの完全最小ウラシル除去培地(CM-Ura)に接種した。培養物を30℃で増殖させてOD600を約1.3〜1.5にした。5000 Xgで10分間の遠心分離によって細胞を回収した。80℃で60分間100%メタノール中の4N KOHを2倍容積で用いて全脂質を細胞から抽出した。脂肪酸をケン化し、サンプルを乾燥させて0.5mlのメタノール中三塩化ホウ素(10% v/v)に再懸濁させることによってメチルエステルを調製した。密封した管の中で50℃で15分間サンプルをインキュベートした。次いで約2mlの水を加え、脂肪酸メチルエステルを1mlのヘキサンで3回抽出した。抽出物を窒素下で乾燥させ、ヘキサン中に再溶解させた。Hlousak-Radojcic, A.ら, Plant J. 8:803-809を参照のこと。5771MSDおよび7673オートインジェクターを備えたHP 5890シリーズIIガスクロマトグラフ(Hewlett-Packard, Cincinnati, OH)でメチルエステルを分析した。メチルエステルをDB-23(J&W Scientific)毛細管カラム(30m X 0.25mm X 0.25μm)で分離した。カラムをヘリウムキャリヤーガスおよびスプリットレス(splitless)インジェクション(インジェクション温度280℃、検出温度280℃)で操作した。100℃で最初の3分後、炉の温度を20℃/分で250℃まで上昇させ、その温度をさらに3分間保った。真正な標準物質を用いた同時クロマトグラフィーおよび質量分析によってピークの正体を確かめた。
これらの結果から、FAE1コード配列を含有するガラクトース誘導酵母中に20:1および22:1の両方のアシル-CoA産物が出現することが明白となった。非誘導酵母細胞は、多量のC18より長い脂肪酸を蓄積することはできなかった。これらの結果は、酵母中におけるFAE1の発現が機能性KAS活性および機能性エロンガーゼ活性をもたらすことを示している。
実施例2
酵母ミクロソーム中のFAE1活性
形質転換酵母細胞からミクロソームを単離し、in vitroでエロンガーゼ活性についてこれらのミクロソームをアッセイすることによって、FAE1 KASの機能的発現を分析した。
酵母ミクロソーム中のFAE1活性
形質転換酵母細胞からミクロソームを単離し、in vitroでエロンガーゼ活性についてこれらのミクロソームをアッセイすることによって、FAE1 KASの機能的発現を分析した。
形質転換酵母細胞を実施例1に記載されたようにしてグルコースまたはガラクトースのいずれか(2% w/v)の存在下で増殖させた。5000 Xgで10分間の遠心分離によって細胞を回収し、80mM Hepes-KOH、pH 7.2、5mM EGTA、5mM EDTA、10mM KCl、320mM ショ糖および2mM DTTを含む10mlの氷冷単離バッファー(IB)で洗浄した。次いで細胞を700μlの0.5μmガラスビーズを含有する1.7ml容の試験管を満たすに十分なIB中に再懸濁させ、本質的にTillman, T.およびBell, R., J. Biol. Chem. 261:9144-9149 (1986)に記載されているようにして酵母ミクロソームを細胞から単離した。252,000 xgで60分間の遠心分離によってミクロソーム膜のペレットを回収した。40mlの新しく調製したIB中に再懸濁させることによってペレットをすすぎ、252000 Xgで60分間の遠心分離によって再び回収した。ミクロソーム小球を最少容量のIB中に再懸濁させ、15%グリセリンを含有するIBを添加してタンパク質濃度を2.5μg/μlに調整した。ミクロソームをドライアイス上で凍結させて-80℃で貯蔵した。Bradford法(Bradford, 1976)によってミクロソーム中のタンパク質濃度を決定した。
本質的にHlousak-Radojcic, A.ら, Plant J. 8:803-809 (1995)に記載されているようにして脂肪酸エロンガーゼ活性を測定した。簡単に説明すると、標準の延長反応混合物は80mM Hepes-KOH、pH 7.2、20mM MgCl2、500μM NADPH、1mM ATP、100uM マロニル-CoA、10μM CoA-SHおよび15μM放射性アシル-CoA基質を含んでいた。放射性標識した基質は[1-14C]18:1-CoA(50 uCi/μmol)、[1-14C]18:0-CoA(55 uCi/μmol)、または[1-14C]16:0-CoA(54 uCi/μmol)のいずれかであった。酵母ミクロソーム(5μg タンパク質)の添加によって反応を開始し、混合物を指示された時間だけ30℃でインキュベートした。最終の反応容量は25μlであった。
アシル-CoA延長産物のメチルエステルを、実施例1に記載されたように調製した。メチルエステルを逆相シリカゲルKC18 TLC板(Whatman, 厚さ250 um)上で分離し、リン画像形成(phosphorimaging)によって定量し、ImageQuantソフトウェア(Molecular Dynamics, Inc., Sunnyvale, CA)によって分析した。それぞれの産物に対する検出限度は、リン画像形成露光時間に依存してミクロソームタンパク質mg当たり約0.001ナノモル/分である。
代表的なin vitroでの延長アッセイの結果を図1および2に示す。これらの結果は、FAE1を発現するガラクトース誘導細胞由来のミクロソームが、基質としてC16:0 アシル CoA、C18:0 アシル CoA、またはC18:1 アシル-CoAのいずれを用いて開始する多重延長サイクルを触媒したことを示している(図1)。16:0および18:0 アシル-CoA基質は延長してC26:0 アシル-CoAになった。これに対して、18:1-CoA基質は延長されて主としてC20:1になり、C22:1 アシル-CoAは低レベルでしか産生しなかった。しばしば極めて低いレベルのC24:1 CoAもまた観察された。18:1 アシル-CoA基質由来の産物の鎖長は飽和アシル-CoA基質由来の鎖長より短いけれども、オレイル-CoAの延長速度は16:0-CoAおよび18:0-CoAの延長速度よりもそれぞれ約2倍および3倍速かった。
誘導されていない細胞由来のミクロソーム中で観察された延長活性は、基質として18:1-CoAまたは18:0-CoAを用いた場合には低レベルの内因性エロンガーゼ活性しかないことを示した。誘導されていない細胞由来のミクロソーム中ではかなりの16:0-CoAエロンガーゼ活性(30分で10.1nmol/mgタンパク質)があった(図2)。しかしながら、誘導されていないミクロソームを用いた16:0延長の主産物は18:0 アシル CoAであり、この長さを越える産物は極少量しか含まなかった。16:0 アシル-CoA基質の延長はおそらく内因性酵母エロンガーゼによる。
誘導細胞由来のミクロソームによる18:1 CoAの延長は、誘導されていない細胞から単離されたミクロソームにおけるよりも約18倍速い速度で起こった(図2)。誘導酵母由来のミクロソームを用いる16:1 CoA基質からの20:0 CoAの合成は、基質が18:0 CoAである場合に見られるものと同様の速度で起こった(4.3対5.1 nmol/mgタンパク質)。誘導細胞(30分で15.8 nmol/mgタンパク質)由来のミクロソームによる[14C]16:0-CoAの全延長速度は誘導されていない細胞由来のミクロソームによる[14C]16:0-CoAの延長よりも50%以上高く、このことはFAE1 KASが基質としてC18-C24 アシル-CoAのほかに16:0-CoAも用いたことを示唆している。FAE1 エロンガーゼKAS活性、すなわち、誘導細胞由来のミクロソームと誘導されていない細胞由来のミクロソームとの間の16:0延長速度における違いは、5.7 nmol/mgタンパク質であった。従って、16:0基質を用いた場合の延長速度は、18:0基質を用いた場合のFAE1 エロンガーゼKASのエロンガーゼ活性と同様であった。
これらの結果は、酵母中で発現したFAE1 KASはin vitroで3-ケトアシル- CoAを合成することができ、酵母レダクターゼおよびデヒドラーゼと共働して機能的VLCFAエロンガーゼ複合体を形成することができたことを示している。さらに、これらの結果はFAE1が酵母細胞内で膜に結合していることを示唆する。
実施例3
Arabidopsisエロンガーゼ遺伝子のクローニングおよび配列決定
ホホバ種子cDNAの配列(参照により本明細書に組み入れるWO 93/10241およびWO 95/15387を参照のこと)を用いて、Arabidopsis Genome Stock Center (The Ohio State University, Columbus, Ohio)のArabidopsis 発現配列タグ(EST)データベースを検索した。BLASTコンピュータープログラム(National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA)を用いて検索を行った。この検索により、ホホバ配列と高度の配列同一性を有する2つのEST(ATTS1282およびATTS3218)が同定された。ATTS1282およびATTS3218 ESTは、ホホバ配列の長さに対して全長クローンではなく部分的cDNAクローンであると思われる。
Arabidopsisエロンガーゼ遺伝子のクローニングおよび配列決定
ホホバ種子cDNAの配列(参照により本明細書に組み入れるWO 93/10241およびWO 95/15387を参照のこと)を用いて、Arabidopsis Genome Stock Center (The Ohio State University, Columbus, Ohio)のArabidopsis 発現配列タグ(EST)データベースを検索した。BLASTコンピュータープログラム(National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA)を用いて検索を行った。この検索により、ホホバ配列と高度の配列同一性を有する2つのEST(ATTS1282およびATTS3218)が同定された。ATTS1282およびATTS3218 ESTは、ホホバ配列の長さに対して全長クローンではなく部分的cDNAクローンであると思われる。
Arabidopsis thaliana cv. Columbia由来のゲノムDNAライブラリーをlambda GEM11ベクター(Promega, Madison, Wisconsin)内で作製し、Ron Davis, Stanford University, Stanford, CAから入手した。このライブラリーをプローブとしてATTS1282およびATTS3218とハイブリダイスさせ、2つのクローンをそれぞれのESTに対して同定した。ファージDNAをそれぞれのハイブリダイズクローンから単離し、ゲノムインサートを制限酵素Sac Iで切り取ってプラスミドpBluescript(Stratagene, La Jolla, CA)にサブクローニングした。ATTS1282ハイブリダイゼーション由来の1つのクローンをEL1と命名し、ATTS3218ハイブリダイゼーション由来の1つのクローンをEL2と命名した。
Arabidopsis thaliana cv. Columbia由来のcDNAを含有する酵母発現ライブラリーを、Elledgeら(Elledge, S.ら, Proc, Natl, Acad, Sci USA 88:1731-1735 (1991)に記載されたlambda YES発現ベクター内で作製し、Stanford University, Stanford, CAのRon Davisから入手した。このライブラリーをEL2の部分的cDNAプローブとハイブリダイズした。全長EL2 cDNAは同定されなかった。しかしながら、このプローブによりEL3と命名した全長cDNAが同定された。
EL1、EL2およびホホバcDNAポリペプチドのC末端領域に対する共通配列を、DNAStar, Madison, Wisconsin由来のDNA分析プログラムを用いる配列アライメントによって同定した。この共通配列を用いてβ-ケトアシルシンターゼ配列について再びArabidopsis ESTデータベースを検索した。これらの検索によって4つの推定β-ケトアシルシンターゼESTが同定され、それらをEL4〜EL7と命名した。EL4、EL5、EL6、およびEL7は、それぞれGenbank 受け入れ号第T04345号、第T44939号、第T22193号および第T76700号と相同性を有する。
前述のラムダYES cDNA発現ライブラリーを、プローブとしてEL1およびEL4-EL7 ESTとハイブリダイズした。このスクリーニングによってEL1、EL5およびEL6に対する全長cDNAが同定された。
ラムダGEM11ゲノムライブラリーを、プローブとしてEL4およびEL7 ESTとハイブリダイズした。このスクリーニングによってEL4およびEL7の全長ゲノムクローンが同定された。ファージDNAをそれぞれのハイブリダイズしているクローンから単離し、前述のようにしてpBluescriptにサブクローニングした。
7つのELクローンをそれぞれの一連の配列に対して重複する領域を有する両鎖について配列決定した。製造業者の説明書に従ってABI自動配列決定装置(Applied Biosystems, Inc., Foster City, Colifornia)で配列決定を行った。
EL1-EL7のコード領域のヌクレオチド配列を、それぞれ図3、5、7、9、11、13および15に示す。EL1-EL7に対する推定アミノ酸配列を、標準の一文字アミノ酸コードを用いてそれぞれ図4、6、8、10、12、14および16に示す。EL1、EL2およびEL7ゲノムクローンはイントロンを欠失していると思われる。EL4ゲノムクローンはコード領域の5’末端付近に1つのイントロンを含んでいた。
7つのELポリヌクレオチドのヌクレオチド配列をGenbank (Genbank, National Center for Biotechnology Informations, Bethesda, MD)に存在する5つのDNA配列と比較した。入手した5つの受入物のうちの2つをBrassicaceaeの構成物: Arabidopsis FAE1(受入 U29142)およびBrassica napus(受入 U50771)からクローニングした。受入物のうちの3つをホホバ(Simmondsia chinensis):2つのワックス生合成遺伝子(受入 I14084およびI14085)およびホホバKAS遺伝子(受入 U37088)からクローニングした。参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,445,947号もまた参照のこと。
DNAStar(Madison, Wisconsin)から商標名MEGALIGN Lasergeneで売られているコンピュータープログラムを用いて12配列のマルチプルアライメントを行った。荷重残基重量表(weighted residue weight table)を用いるClustal法を用いてアライメントを行った。多重アライメントアルゴリズムに基づくヌクレオチド配列の類似性指数および分岐率(divergence)を表1に示す。EL1-EL7のヌクレオチド配列はGenbankから入手した5つのDNA配列から区別できる。
PAM250残基重量表とともにClustal法を用いて、EL1-7ポリペプチドの推定アミノ酸配列を同じ5つのGenbankクローンの推定アミノ酸配列とMEGALIGNプログラムで比較した。アミノ酸配列の類似性および分岐率を表2に示す。EL1-EL7ポリペプチドのアミノ酸配列はGenbank配列のものから区別できる。
実施例4
酵母におけるEL1およびEL2の発現
EL2、EL4およびEL7クローンのオープンリーディングフレーム(ORF)をPCRによって増幅した。EL2 ORFをプライマー:CTCGAGCAAGTCCACTACCACGCAおよびCTCGAGCGAGTCAGAAGGAACAAAを用いてλYESにクローニングした。EL4 ORFをプライマー:GATAATTTAGAGAGGCACAGGGTおよびGTCGACACAAGAATGGGTAGATCCAAを用いてpYEUra3にクローニングした。EL7 ORFをプライマー:CAGTTCCTCAAACGAAGCTAおよびGTCGACTTCTCAATGGACGGTGCCGGAを用いてpYEUra3にクローニングした。増幅した産物をGAL1プロモーターの制御下でGAL1プロモーターに対して3’でpYEUra3にクローニングした。その結果得られたプラスミドを実施例1に記載されたように酵母に形質転換した。
酵母におけるEL1およびEL2の発現
EL2、EL4およびEL7クローンのオープンリーディングフレーム(ORF)をPCRによって増幅した。EL2 ORFをプライマー:CTCGAGCAAGTCCACTACCACGCAおよびCTCGAGCGAGTCAGAAGGAACAAAを用いてλYESにクローニングした。EL4 ORFをプライマー:GATAATTTAGAGAGGCACAGGGTおよびGTCGACACAAGAATGGGTAGATCCAAを用いてpYEUra3にクローニングした。EL7 ORFをプライマー:CAGTTCCTCAAACGAAGCTAおよびGTCGACTTCTCAATGGACGGTGCCGGAを用いてpYEUra3にクローニングした。増幅した産物をGAL1プロモーターの制御下でGAL1プロモーターに対して3’でpYEUra3にクローニングした。その結果得られたプラスミドを実施例1に記載されたように酵母に形質転換した。
ΛYES内に全長EL1およびpYEUra3内に全長EL2を含有する酵母培養物を、実施例2に記載されたようにガラクトースまたはグルコースの存在下で増殖させた。次いでミクロソームをそれぞれの培養物から調製し、実施例2に記載されたように脂肪酸延長アッセイを行った。
第1の実験において、ミクロソームをEL1、EL2およびFAE1のガラクトースで誘導した培養物から調製し、基質として[1-14C]18:0 アシル-CoAまたは[1-14C]18:1 アシル-CoAのいずれか一方とインキュベートした。30分(min)後に合成された種々の反応生成物の量を実施例2に記載されたように測定した。18:0 アシル-CoAが基質であるときの結果を表3に示す。18:1 アシル-CoAが基質であるときの結果を表4に示す。
表3および4に示された結果から、EL1およびEL2遺伝子産物はβ-ケトアシルシンターゼ(KAS)活性を有すること、およびKAS反応生成物をVLCFAの形成に利用することができるということが示される。それぞれのミクロソーム調製試料中における異種KASタンパク質の相対量がわからないので、3つのKAS酵素の比活性を比較することはできない。しかしながら、種々の反応生成物の割合をFAE1、EL1およびEL2の間で比較することはできる。
表3に示されたデータは、EL1およびEL2 KAS活性はFAE1 KAS活性の場合よりも高い割合の飽和VLCFAをもたらすということを示している。これらの結果から、EL1およびEL2はFAE1よりもC22:0およびC24:0アシル-CoA基質を好むのでEL1およびEL2は新規遺伝子産物をコードするということを示唆する。
18:0基質の場合FAE1と18:1基質の場合のFAE1との相対延長活性を比較すると(表3および4)、FAE1は18:0が基質であるときよりも18:1が基質であるときの方がより活性であることがわかる。これに対して、EL1を用いた産物生成の全体速度は18:0が基質であるときよりも18:1が基質であるときの方がより遅い(表3および4)。EL2もまた18:0が基質であるときよりも18:1が基質であるときの方がより活性が低い(表3および4)。これらの結果は、EL1およびEL2は新規遺伝子産物をコードするという結論を支持し、EL1およびEL2は基質として飽和脂肪酸を好むが、FAE1遺伝子産物は基質としてモノ不飽和脂肪酸を好むということを示唆する。
第2の実験において、ミクロソームをEL1およびEL2コード配列を含有するガラクトース誘導酵母培養物およびグルコース抑制酵母培養物から調製した。ミクロソーム調製試料を基質として18:0アシル-CoAまたは18:1アシル-CoAのいずれかとインキュベートし、脂肪酸反応生成物を前述のように測定した。18:0基質を用いた結果を表5に示す。18:1基質を用いた結果を表6に示す。
表5の結果は、誘導された(ガラクトース)および誘導されていない(グルコース)条件下でのEL1およびEL2についてのin vitroエロンガーゼ活性を示す。この比較から、ガラクトースでの誘導が18:0アシル CoAが基質であるときに全体のエロンガーゼ活性を非常に増加させる(それぞれEL1およびEL2に対して約19倍および7倍)ということが示される。これに対して、表6に示すように、18:1アシル CoAが基質であるときの誘導はエロンガーゼ活性を少ししか増加させない(それぞれEL1およびEL2に対してそれぞれ約1.3倍および2倍)。
表5の結果は、誘導されていない条件下では酵母ミクロソームによってVLCFA産物はほとんどまたは全く産生しないことを示す。しかしながら、EL1およびEL2遺伝子発現の誘導においては、かなりの量のC20:0、C22:0、C24:0およびC26:0が産生する。表5および6のデータは表3および4の結果と一致し、このことはEL1およびEL2はモノ不飽和基質を有するよりも飽和脂肪酸基質を有する方がより活性であることを示している。
表5および6のデータはまた表3および4のデータとも一致し、EL1およびEL2遺伝子産物はC24:0をC26:0に変換する上でFAE1よりも活性であることが指摘される。
第3の実験において、EL1またはEL2を含有する誘導された、および誘導されていない培養物からのミクロソームを、β-ケトアシル縮合反応に関係する補因子の不在下でインキュベートした。培養物を誘導し、ミクロソームを実施例2に記載されたように調製した。in vitroアッセイを、ATP、CoASHまたは両方のいずれかを酵素反応混合物に含めないこと以外は実施例2に記載されたように行った。さらに、1つの反応を0.01 mMのセルレニン(Sigma, St. Louis, MO)を有する完全混合物で行った。セルレニンはいくつかの縮合酵素の阻害剤である。結果を表7-9に示す。
表7の結果は、インキュベーション混合物からATPおよび/またはCoAを省くことはEL1またはEL2のin vitroでのKAS活性によって合成されたVLCFAの全体量にあまり影響がないことを示している。この結果はまた、セルレニンがEL1またはEL2のKAS活性を阻害しないことを示している。表8および9のデータから、EL1およびEL2のKAS活性はかなりの量のC24:0およびC26:0 アシル CoA産物を産生することが確認される。
まだ指摘されていない程度まで、当業者であれば、本明細書で説明および図示された各種の具体的実施形態のいずれもが、該具体的実施形態以外に示された特徴を取り入れるためにさらに改変を行ってもよいということが理解されるであろう。
添付の請求の範囲の精神および範疇から逸脱しない限り、当業者にはいくつかの改変が明らかであるので、前述の詳細な説明は本発明をさらによく理解するためにのみ提供されているものであり、不必要な限定をしようとするものではないと理解すべきである。
Claims (16)
- 配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
- 前記アミノ酸配列が配列番号4である、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- ポリヌクレオチドが
a) 配列番号3
b) 配列番号3のRNA
c) a)またはb)に相補的な核酸配列を含むポリヌクレオチド
d) 長さが少なくとも100ヌクレオチドである、a)、b)またはc)の核酸断片
よりなる群から選択される、単離されたポリヌクレオチド。 - 配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
- 前記アミノ酸配列が配列番号4である、請求項4に記載のポリペプチド。
- a) 配列番号3
b) a)に相補的な核酸配列を含むポリヌクレオチド
c) 配列番号4のポリペプチドをコードするゲノムDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、脂肪酸エロンガーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
よりなる群から選択されるポリヌクレオチドを含む核酸構築物を含有する、種子中の超長鎖脂肪酸レベルが該核酸構築物を欠く植物における該レベルに対して変化しているトランスジェニック植物。 - 前記構築物が前記ポリヌクレオチドに機能的に連結された調節エレメントをさらに含む、請求項6に記載の植物。
- 前記調節エレメントが組織特異的プロモーターである、請求項7に記載の植物。
- 前記調節エレメントが表皮細胞特異的プロモーターである、請求項8に記載の植物。
- 前記調節エレメントが前記ポリヌクレオチドにセンス方向で機能的に連結された種子特異的プロモーターである、請求項8に記載の植物。
- 配列番号4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸構築物を含有する、種子中の超長鎖脂肪酸レベルが該核酸構築物を欠く植物における該レベルに対して変化しているトランスジェニック植物。
- 前記構築物が前記ポリヌクレオチドに機能的に連結された調節エレメントをさらに含む、請求項11に記載の植物。
- 前記調節エレメントが組織特異的プロモーターである、請求項12に記載の植物。
- 前記調節エレメントが表皮細胞特異的プロモーターである、請求項13に記載の植物。
- 前記調節エレメントが前記ポリヌクレオチドにセンス方向で機能的に連結された種子特異的プロモーターである、請求項13に記載の植物。
- 植物における超長鎖脂肪酸のレベルを改変する方法であって、
A) a) 配列番号3
b) a)に相補的な核酸配列を含むポリヌクレオチド
c) 配列番号4のポリペプチドをコードするゲノムDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、脂肪酸エロンガーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
よりなる群から選択される、植物における超長鎖脂肪酸のレベルを改変するのに有効なポリヌクレオチドを含む核酸構築物を作製し、そして
B)該構築物を前記植物に導入する、
ことを含んでなる、上記方法。
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