図1は、本発明の実施の一形態の情報処理装置1を示すブロック図である。図1では、情報処理装置1とともに、情報処理装置1から出力される処理データを記憶する記憶部2を示している。図2は、情報処理装置1が受信する伝送データ3のデータ構造を示す図である。
情報処理装置1は、シフトレジスタ4と、エラー検出回路5と、同期情報検出回路6と、リセット発生回路7と、データ処理回路8とを含む。シフトレジスタ4は、受信部である。シフトレジスタ4は、レジスタ入力端子11と、第1および第2レジスタ出力端子12,13とを有する。レジスタ入力端子11は、予め定める伝送路に電気的に接続され、前記予め定める伝送路を介して、予め定める送信部からシリアル伝送される複数の伝送データ3を受信する。
各伝送データ3は、図2に示すようにVF(Vertical Front)コード14と、VE
(Vertical End)コード15と、伝送データ本体16とを含む。VFコード14は、フレームの先頭に設けられる通信の同期情報であって、フレームの先頭を表す。VEコード15は、フレームの末尾を表す。伝送データ本体16は、本実施の形態では、1フレームの画像データを含む。伝送データ本体16は、複数のラインデータ17と、HF(Horizon Front)コード18と、HE(Horizon End)コード19とを有する。ラインデータ17は、画像データをたとえば画像表示装置に表示させたときの水平方向の1ライン分の画像データである。前記水平方向は、水平走査方向である。VFコード14とVEコード15に向かって、画像の上から下に向かうようにラインデータ17が順番に並ぶ。
HFコード18は、ラインデータ17の先頭を表し、伝送データの先頭となるラインデータ17の先頭を除く各ラインデータ17の先頭に配置される。またHEコード19は、ラインデータ17の末尾を表し、伝送データ3の末尾となるラインデータ17の末尾を除く各ラインデータ17の末尾に配置される。図2に示す伝送データ3は、5ライン分のラインデータ17を含んでいる。各ラインデータ17は、複数の画素データを含み、VFコード14およびHFコード18からVEコード15およびHEコード19に向かって、画像の左から右に向かうように画素データが順番に並ぶ。
シフトレジスタ4は、予め定める伝送路を介してシリアル伝送される伝送データ3を、レジスタ入力端子11から1ビットずつ順番に受信し、受信した伝送データ3をエラー検出回路5、同期情報検出回路6およびデータ処理回路8に与える。具体的にはシフトレジスタ4は、エラー検出回路5、同期情報検出回路6およびデータ処理回路8に、伝送データ3のビット列を、受信した順番で与える。シフトレジスタ4は、前述した伝送データ3をVFコード14からVEコード15に向かって順番に受信する。シフトレジスタ4は、伝送データ3のうち予め定めるビット数のデータを保持、つまり記憶することができる。
シフトレジスタ4は、伝送データ3が与えられると常に32ビット分のデータを保持し、必要なタイミングで必要なデータ量だけエラー検出回路5、同期情報検出回路6、およびデータ処理回路8に伝送する。具体的には、たとえばVFコード14のデータ量を32ビットとすると、シフトレジスタ4は、伝送データ3に含まれる初めのVFコード14を表す32ビット分のデータを検出するまでは、エラー検出回路5、データ処理回路8に保持しているデータを伝送しないで、VFコード14を表す32ビット分のデータ検出した後に、エラー検出回路5、およびデータ処理回路8に16ビット分ずつデータを伝送する。
シフトレジスタ4は、第1および第2レジスタ出力端子12,13から、受信した伝送データ3を出力する。さらに詳細にはシフトレジスタ4は、第1レジスタ出力端子12から予め定めるデータ量の伝送データ3のビット列(具体的には16ビット)を出力し、予め定める時間T1遅れて、第2レジスタ出力端子13から伝送データ3を出力する。
エラー検出回路5は、エラー検出部である。エラー検出回路5は、シフトレジスタ4の第1レジスタ出力端子12と電気的に接続される。エラー検出回路5には、シフトレジスタ4から伝送データ3が与えられる。エラー検出回路5は、シフトレジスタ4から与えられる伝送データ3を入力し、伝送データ3のエラーを検出する。伝送データ3のエラーを検出する第1の方法として、エラー検出回路5は、伝送データ3のパリティチェックを行なう。たとえば前述した伝送データ3の各ラインデータ17の末尾には、パリティビットが付加されている。予め定める送信部において、たとえばラインデータ17のビット列に含まれるデータ「1」の数を計数し、このデータ「1」の個数が奇数個であればデータ「1」を識別情報のビット列に付加し、偶数個であれば識別情報のビット列にデータ「0」をパリティビットとして付加する。エラー検出回路5は、シフトレジスタ4から与えられる各ラインデータ17のビット列に含まれるデータ「1」の数が、偶数であるのか奇数を判断して、前記パリティビットと比較することによって、両者が一致すれば伝送データ3にエラーは発生しておらず、両者が異なれば伝送データにエラーが発生していると判断することによって、伝送データ3のエラーを検出する。
伝送データ3のエラーを検出する第2の方法として、エラー検出回路5は、受信した伝送データ3に含まれるチェックサム情報と、受信した伝送データ3のデータ量とに基づいて、エラーを検出する。予め定める送信部において、たとえば伝送データ3のビット数を表すチェックサム情報を伝送データ3に付加し、エラー検出回路5は、入力された伝送データ3のビット数を計数し、予め定める送信部が伝送データ3に付加されたチェックサム情報とを比較することによって、両者が一致すれば伝送データ3にエラーは発生しておらず、両者が異なれば伝送データ3にエラーが発生していると判断することによって、伝送データ3のエラーを検出する。
伝送データ3のエラーを検出する第3の方法として、エラー検出回路5は、受信した伝送データ3に含まれるVFコード14、HFコード18、HEコード19、およびVEコード15の順番をチェックする。たとえば、エラー検出回路5にHFコード18の次にHEコード19またはVEコード15が入力されない場合、HEコード19の次にHFコード18が入力されない場合、またはVFコード14の次にHEコード19が入力されない場合には、伝送データ3にエラーが発生していると判断することによって、伝送データ3のエラーを検出する。エラー検出回路5では、前記3つの方法で、伝送データ3のエラーを検出し、いずれかの方法でエラーを検出すると、伝送データにエラーが発生していると判断する。これによって、伝送データ3のエラーを確実に検出することができる。
エラー検出回路5は、エラー情報出力端子21を有し、このエラー情報出力端子21からエラー信号を出力する。エラー検出回路5は、エラーが検出されないときには、エラー信号の信号レベルを低(L)レベルに維持し、エラーを検出するとエラー信号の信号レベルを高(H)レベルに維持する。またエラー検出回路5は、エラーを検出して、エラー信号を高(H)レベルに維持した状態で、後述する同期情報検出回路6から同期情報を検出したことを表す信号が与えられると、エラー信号を低(L)レベルに切り換えて保持する。
同期情報検出回路6は、同期情報検出部である。同期情報検回路6は、シフトレジスタ4の第1レジスタ出力端子12と電気的に接続される。同期情報検出回路6には、シフトレジスタ4から伝送データ3が与えられる。同期情報検出回路6は、シフトレジスタ4から与えられる伝送データ3を入力し、伝送データ3に含まれる同期情報であるVFコード14を検出する。同期情報検出回路6は、VFコード14と同じビット列のサンプルデータを保持しており、シフトレジスタ4から与えられるビット列と、前記保持しているサンプルデータのビット列とを比較することによってVFコード14を検出する。VFコード14は、予め定めるデータ量を有する。前記予め定めるデータ量は、たとえば16ビット以上、64ビット未満に選ばれ、たとえば32ビットに選ばれる。VFコード14のデータ量を前記16ビット以上とし、VFコード14の前段に同期情報を除く伝送データには使用されないユニークコードを配置することによって、伝送データ3本体のビット列と、サンプルデータのビット列とが一致してしまうことが防止され、同期情報の検出の信頼性が向上される。たとえば、伝送データ3に「0xFF」と「0x00」のコードを設定することを禁止し、予め定めるデータ量を32ビットとすると、VFコード14を「0xFF000001」とすることで、いずれのタイミングによっても伝送データ3本体と同期情報は一致しない。またたとえば予め定めるデータ量を16ビットとすると、VFコード14を「0xF001」とし、予め定めるデータ量を64ビットとすると、VFコード14を「0xFFFF000000000001」としてもよい。
またVFコード14のデータ量を64ビット未満とすることによって、同期情報のデータ量が多くなることが防止され、これによって伝送データ3のデータ量が多くなることが防止される。
また同期情報検出回路6は、伝送データ3に含まれるHFコード18を検出する。同期情報検出回路6は、HFコード18と同じビット列のサンプルデータを保持しており、シフトレジスタ4から与えられるビット列と、前記保持しているサンプルデータのビット列とを比較することによってHFコード18を検出する。HFコード18のビット列は、VFコード14のビット列と異なる。HFコード18は、予め定めるデータ量を有する。前記予め定めるデータ量は、たとえば16ビット以上、64ビット未満に選ばれ、たとえば32ビットに選ばれる。HFコード18のデータ量を前記16ビット以上とし、HFコード18の前段に同期情報を除く伝送データには使用されないユニークコードを配置することによって、伝送データ3本体のビット列と、サンプルデータのビット列とが一致してしまうことが防止され、同期情報の検出の信頼性が向上される。またHFコード18のデータ量を64ビット未満とすることによって、同期情報のデータ量が多くなることが防止され、伝送データ3のデータ量が多くなることが防止される。
同期情報検出回路6は、同期情報出力端子22を有し、この同期情報出力端子22から同期情報検出信号を出力する。同期情報検出回路6は、VFコード14が検出されないときは、同期情報検出信号を低(L)レベルに維持し、VFコード14を検出すると予め定める時間だけ同期情報検出信号を高(H)レベルに維持する。
水平カウンタは、ラインデータ17に含まれるビットの数をカウントする。また垂直カウンタは、ラインデータ17の数をカウントする。水平カウンタおよび垂直カウンタは、シフトレジスタ4内に設けられる。同期情報検出回路6が、VFコード14またはHFコード18を検出すると、シフトレジスタ4が、水平イネーブル信号の信号レベルを低(L)レベルから高(H)レベルに切り換える。水平イネーブル信号の信号レベルが低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わると、水平カウンタによるビットのカウントがスタートする。水平カウンタが予め定めるカウント数までカウントすると、シフトレジスタ4が、水平イネーブル信号の信号レベルを高(H)レベルから低(L)レベルに切り換える。
また同期情報検出回路6がVFコード14を検出すると、シフトレジスタ4が、垂直イネーブル信号を低(L)レベルから高(H)レベルに切り換える。垂直イネーブル信号が低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わると、垂直カウンタによるラインデータ17のカウントがスタートする。垂直カウンタは、水平イネーブル信号が高(H)レベルから低(L)レベルに切り換わったときにカウントアップする。垂直カウンタが予め定めるカウント数までカウントすると、シフトレジスタ4が、垂直イネーブル信号の信号レベルを高(H)レベルから低(L)レベルに切り換える。
リセット発生回路7は、リセット部である。リセット発生回路7は、エラー検出回路5のエラー情報出力端子21と、同期情報検出回路6の同期情報出力端子22とに電気的に接続される。リセット発生回路7には、エラー検出回路5からエラー信号が与えられ、同期情報検出回路6から同期情報検出信号が与えられる。またリセット発生回路7は、リセット出力端子23を有し、リセット出力端子23からリセット信号を出力する。
リセット発生回路7は、エラー検出回路5によって伝送データ3のエラーが検出されているか否か、および同期情報検出回路6によって同期情報が検出されたか否かを判断する。リセット発生回路7は、前記エラー検出回路5によってエラーが検出されているか否を、エラー検出回路5から与えられるエラー信号の信号レベルに基づいて判断する。具体的にはリセット発生回路7は、エラー信号が低(L)レベルであれば、伝送データ3にエラーが発生していないと判断し、エラー信号が高(H)レベルであれば、伝送データ3にエラーが発生していると判断する。またリセット発生回路7は、前記同期情報検出回路6によって同期情報が検出されたか否かを、同期情報検出回路6から与えられる同期情報検出信号に基づいて判断する。具体的にはリセット発生回路7は、同期情報検出信号が低(L)レベルであれば、同期情報が検出されたと判断し、同期情報検出信号が高(H)レベルであれば同期情報が検出されていないと判断する。
リセット発生回路7は、エラー検出回路5によってエラーが検出されていないと判断した場合、リセット信号を低(L)レベルに維持し、エラー検出回路5によって伝送データ3のエラーが検出されていると判断し、かつ同期情報検出回路6によって同期情報が検出されたとき、予め定める時間、リセット信号を低(L)レベルから高(H)レベルに切り換える。前記リセット発生回路7が出力するリセット信号は、データ処理回路8に与えられる。
データ処理回路8は、データ処理部である。データ処理回路8は、たとえばマイクロコンピュータおよびデジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:略称DSP)などの処理回路によって実現される。データ処理回路8は、第1および第2データ入力端子24,25を有する。第1データ入力端子24は、シフトレジスタ4の第2レジスタ出力端子13と電気的に接続される。第2データ入力端子25は、リセット発生回路7のリセット出力端子23と電気的に続される。
データ処理回路8は、シフトレジスタ4から与えられる伝送データ3を第1データ入力端子24から入力して、この伝送データ3に予め定める処理を実行する。データ処理回路8は、伝送データに予め定める処理を実行することによって、処理データを生成する。データ処理回路8は、処理データを生成すると、この処理データを出力して、記憶部2に記憶させる。前記予め定める処理は、伝送データ3に含まれる画像データを記憶部2に記憶させるための予め定めるデータ形式に変換する処理、画像を拡大して表示させるための拡大処理および画像を縮小して表示させるための縮小処理などを含む。前記拡大処理および縮小処理は、後述する制御部51から制御指令が与えられることによって実行される。
またデータ処理回路8は、第2データ入力端子25にリセット発生回路7から与えられるリセット信号が低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わり、高(H)レベルのリセット信号が予め定める時間T2以上与えられると、伝送データ3に予め定める処理を実行している最中であっても、この予め定める処理を停止して、リセットされて始動状態に戻る。データ処理回路8は、初期状態に戻ると、再びシフトレジスタ4から与えられる伝送データに予め定める処理を実行する。前記予め定める時間T2は、たとえば情報処理装置1の内部クロックの1サイクル〜2サイクルに選ばれる。予め定める時間T2を前記範囲に選ぶことによって、ノイズの影響によって信号レベルが変化しても、不所望にデータ処理回路8がリセットされてしまうことが防止される。
前述した予め定める時間T1は、シフトレジスタ4から出力された伝送データ3に含まれるVFコード14を同期情報検出回路6が検出し、この検出に基づいて、リセット発生回路7がリセット信号を高(H)レベルにして、データ処理回路8がリセットされるまでの時間よりも長く選ばれる。したがって、データ処理回路8が始動状態に戻される前に、データ処理回路8を初期状態に戻すきっかけとなった前記VFコード14を含む伝送データ3が、データ処理回路8に与えられることが防止される。これによってデータ処理回路8は、始動状態に戻されると、データ処理回路8を始動状態に戻すきっかけとなった前記VFコード14を含む伝送データ3から再び予め定める処理を実行することができる。
図3は、エラー検出回路5の動作処理を示すフローチャートである。シフトレジスタ4から伝送データ3の一部が与えられると、ステップa0からステップa1に移る。ステップa1では、前述したエラー検出処理を開始し、エラー情報出力端子21から出力するエラー信号の信号レベルを低(L)レベルにして、ステップa2に移る。
次にステップa2では、伝送データ3のエラーを検出したか否かを判断する。ステップa2において伝送データ3のエラーを検出したと判断すると、ステップa3に移る。ステップa2において伝送データ3のエラーを検出したと判断すると、ステップa2を繰り返す。
次にステップa3では、エラー情報出力端子21から出力するエラー信号の信号レベルを低(L)レベルから高(H)レベルに切り換えて、ステップa4に移る。
次にステップa4では、VFコード14が検出されたか否かを判断する。ステップa4では、具体的には、同期情報検出回路6から与えられる同期情報検出信号の信号レベルが高(H)レベルであるか否かを判断し、前記同期情報検出信号の信号レベルが高(H)レベルであればVFコード14が検出されたと判断する。ステップa4においてVFコード14が検出されたと判断すると、ステップa5に移る。またステップa4においてVFコード14が検出されていないと判断すると、ステップa4を繰り返す。
次にステップa5では、エラー情報出力端子21から出力するエラー信号の信号レベルを高(H)レベルから低(L)レベルに切り換えて、ステップa2に移り、前述した処理を繰り返す。図3に示すフローチャートは、エラー検出回路5への電力の供給を停止することによって、終了させることができる。
図4は、同期情報検出回路6の動作処理を示すフローチャートである。シフトレジスタ4から伝送データ3が一部与えられると、ステップb0からステップb1に移る。ステップb1では、予め定めるサンプルデータと、シフトレジスタ4から与えられる伝送データ3のビット列とを比較することによる同期情報の検出を開始し、同期情報出力端子22から出力する同期情報検出信号の信号レベルを低(L)レベルにして、ステップb2に移る。
次にステップb2では、同期情報であるVFコード14を検出したか否かを判断する。ステップb2において、VFコード14を検出したと判断すると、ステップb3に移る。またステップb2において、VFコード14を検出していないと判断すると、ステップb2を繰り返す。
次にステップb3に移り、同期情報検出信号の信号レベルを予め定める時間低(L)レベルから高(H)レベルに切り換えて、ステップb2に移り、前述した処理を繰り返す。図4に示すフローチャートは、同期情報検出回路6への電力の供給を停止することによって、終了させることができる。
図5は、リセット発生回路7の動作処理を示すフローチャートである。リセット発生回路7に電力が供給されると、ステップc0からステップc1に移る。ステップc1では、リセット出力端子23から出力するリセット信号の信号レベルを低(L)レベルにして、ステップc2に移る。
次にステップc2では、同期情報検出信号の信号レベルが高(H)レベルであるのか否かを判断する。言い換えれば、ステップc2では、同期情報を検出したか否かを判断する。ステップc2において、同期情報検出信号の信号レベルが高(H)レベルであると判断すると、ステップc3に移る。またステップc2において同期情報検出信号の信号レベルが高(H)レベルではないと判断すると、ステップc2を繰り返す。
次にステップc3では、エラー検出回路5から与えられるエラー検出信号の信号レベルが高(H)レベルであるのか否かを判断する。言い換えればステップc3では、伝送データ3にエラーが発生したか否かを判断する。ステップc3において、エラー検出信号の信号レベルが高(H)レベルであると判断すると、ステップc4に移る。またステップc3において、エラー検出信号の信号レベルが高(H)レベルではないと判断すると、ステップc3を繰り返す。
次にステップc4では、リセット出力端子23から出力されるリセット信号を予め定める時間だけ低(L)レベルから高(H)レベルに切り換えて、ステップc2に移り、前述した処理を繰り返す。図5に示すフローチャートは、リセット発生回路7への電力の供給を停止することによって、終了させることができる。
前述した同期情報検出信号の信号レベルが高(H)レベルであるということは、すなわち、フレームの区切り(フレームとフレームの間)であることを意味し、この時点でリセット信号が低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わることによって、リセット解除後に、シフトレジスタ4からデータ処理回路5に渡される伝送データを、フレームの最初の伝送データとすることができる。これによってエラーが発生した場合に、データ処理回路8は、次のフレームから正常に伝送データを処理することが可能となる。
図6は、データ処理回路8の動作処理を示すフローチャートである。ここでデータ処理回路8は、始動状態であるとする。シフトレジスタ4から伝送データ3の一部が与えられると、ステップd0からステップd1に移る。ステップd1では、第1データ入力端子24から伝送データ3の入力を開始して、ステップd2に移る。
次にステップd2では、入力した伝送データ3に対して予め定める処理を開始して、ステップd3に移る。
次にステップd3では、リセット発生回路7から与えられるリセット信号の信号レベルが高(H)レベルであるのか否かを判断する。ステップd3において、リセット発生回路7から与えられるリセット信号の信号レベルが高(H)レベルであると判断すると、ステップd4に移る。
ステップd4では、データ処理回路8をリセットして、始動状態に戻して、ステップd3に移り、前述した処理を繰り返す。図6に示すフローチャートは、データ処理回路8への電力の供給を停止することによって、終了させることができる。
前述のステップd3において、リセット発生回路7から与えられるリセット信号の信号レベルが高(H)レベルではないと判断すると、ステップd5に移る。ステップd5では、伝送データ3に予め定める処理を実行して得られる処理データを出力し、この処理データを記憶部2に記憶させて、ステップd3に移る。図6に示すフローチャートは、データ処理回路6への電力の供給を停止することによって、終了させることができる。
図7および図8は、伝送データ3と情報処理装置1の内部信号との関係を表すタイミングチャートである。図7は、伝送データ3にエラーが発生していない場合について示し、図8は伝送データにエラーが発生している場合について示している。図7(1)および図8(1)は、シフトレジスタ4に入力される伝送データ3を表す。図7(2)および図8(2)は、水平イネーブル信号を表す。図7(3)および図8(3)は、水平カウンタのカウント状態を表す。図7(4)および図8(4)は、垂直イネーブル信号を表す。図7(5)および図8(5)は、垂直カウンタのカウント状態を表す。図7(6)および図8(6)は、エラー信号を表す。図7(7)および図8(7)は、リセット信号を表す。図7(7)および図8(7)は、データ処理回路8での処理の状態を表す。図7および図8において、横軸は時刻を表し、図7(2),図7(4),図7(6),図7(7),図8(2),図8(4),図8(6),図8(7)において縦軸は信号レベルを表す。
まず図7を参照して、伝送データ3にエラーが発生していない場合の、伝送データ3と情報処理装置1の内部信号との関係について説明する。始動状態において、水平イネーブル信号の信号レベルは低(L)レベルであり、水平カウンタのカウント数は「0」であり、垂直イネーブル信号の信号レベルは低(L)レベルであり、垂直カウンタのカウント数は「0」である。またエラー信号の信号レベルは低(L)レベルであり、リセット信号の信号レベルは低(L)レベルである。
時刻t1で伝送データ3が情報処理装置1に与えられ、同期情報検出回路6によってVFコード14が検出されると、時刻t2において、水平イネーブル信号および垂直イネーブル信号の信号レベルが低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わり、水平カウンタおよび垂直カウンタによるカウントが開始される。また時刻t2でデータ処理回路8に伝送データ3が入力され、予め定める処理が開始される。
水平カウンタは、時刻t2からカウントを開始して、たとえば伝送データ3を1ビットずつカウントする。水平カウンタは、ラインデータ17のビット数をカウントし、予め定める数だけカウントすると、カウント数を「0」に戻す。水平カウンタのカウント数が「0」に戻る時刻t3で、水平イネーブル信号の信号レベルが高(H)レベルから低(L)レベルに切り換わり、垂直カウンタがカウントアップされてカウント数が「1」となる。
同期情報検出回路6によってHFコード18が検出されると、時刻t4において、水平イネーブル信号が低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わり、水平カウンタによるカウントが開始される。以後、同様な処理を繰り返す。垂直カウンタは、ラインデータ17の数をカウントし、予め定める数だけカウントすると、時刻t5で、カウント数を「0」に戻す。
1フレームの伝送データ3が入力され、この伝送データ3に続く伝送データ3が入力されるまでの予め定める時間T3は、たとえば0ミリ秒(ms)〜50ミリ秒(ms)に選ばれる。
時刻t6で再び伝送データ3が情報処理装置1に与えられ、同期情報検出回路6によってVFコード14が検出されると、時刻t7において、水平イネーブル信号および垂直イネーブル信号の信号レベルが低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わり、水平カウンタおよび垂直カウンタによるカウントが開始される。時刻t7では、データ処理回路8によって前に入力された伝送データ3に予め定める処理が実行されているが、伝送データのエラーが発生していないので、データ処理回路8が始動状態に戻されることがない。これによって次の伝送データ3を前の伝送データ3の処理が終了する前に、データ処理回路8に入力することができる。図7に示すタイミングチャートでは、伝送データ3にエラーが発生していないので、エラー信号およびリセット信号は、低(L)レベルに維持されている。
次に図8を参照して、伝送データ3にエラーが発生している場合の、伝送データ3と情報処理装置1の内部信号との関係について説明する。始動状態において、水平イネーブル信号の信号レベルは低(L)レベルであり、水平カウンタのカウント数は「0」であり、垂直イネーブル信号の信号レベルは低(L)レベルであり、垂直カウンタのカウント数は「0」である。またエラー信号の信号レベルは低(L)レベルであり、リセット信号の信号レベルは低(L)レベルである。伝送データ3にエラーが発生するまでの処理は、前述したエラーが発生していない場合の処理と同様であるので、その説明を省略する。
たとえば図8に示すように、VFコード14側から数えて4番目のラインデータ17aにデータの欠落であるドット欠けが発生し、このエラーが検出されると時刻t1で、エラー検出信号の信号レベルが低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わる。
エラーが検出された伝送データ3の次に情報処理装置1に与えられる伝送データ3に含まれるVFコード14が検出されると、時刻t2でエラー検出信号の信号レベルが高(H)レベルから低(L)レベルに切り換わり、時刻t2でリセット信号の信号レベルが低(L)レベルから高(H)レベルに切り換わり、時刻t3まで高(H)レベルが維持される。時刻t3において、時刻t3で処理中のエラーが検出された伝送データ3のデータ処理回路8での処理を停止して、データ処理回路8が始動状態に戻される。これによって、データ処理回路8に入力されている伝送データ3は、全て削除される。
以上のように情報処理装置1では、エラー検出回路5によって伝送データ3のエラーが検出された後、同期情報検出回路6によってVFコード14を検出したとき、リセット発生回路7によってデータ処理回路8が始動状態に戻される。情報処理装置1は、伝送データ3にデータの欠落が生じた場合などの伝送データにエラーが発生した場合にのみ、データ処理回路8を始動状態に戻す。これによって、伝送データ3の一部が欠落するなどの伝送データ3のエラーが発生した場合であっても、連続する伝送データ3を含んでデータ処理回路8が予め定める処理を実行してしまうことが防止される。また通信の同期情報を、データ処理回路8を初期状態に戻すきっかけとして利用することによって、伝送データ3に特別な情報を付加しなくてもよいので、伝送データ3のデータ量が増加することが防止される。また伝送データにエラーが発生していない状態では、データ処理回路8が始動状態に戻されないので、従来の技術と比較して、連続する伝送データ3のフレームの間隔を小さくすることができる。これによって予め定める伝送路を介して伝送データ3を伝送するクロック周波数を引き上げることがなく、伝送データ3の伝送レートを向上させることができる。これによって、前記クロック周波数を引き上げることがないので、本発明の情報処理装置1を備える機器において、消費電力をできるだけ抑制して、かつ回路設計、実装面でより難易度を低減させた上で、伝送データ3の伝送レートを向上させることができる。また情報処理装置1では、エラーが検出された伝送データ3の次の伝送データ3に含まれるVFコード14に基づいて、データ処理回路8が始動状態に戻されるので、可及的に早くデータ処理回路8による処理を正常な状態に戻すことができる。
図9は、情報処理装置1を有する携帯型無線通信装置50の構成を示すブロック図である。携帯型無線通信装置50は、たとえば携帯電話装置である。携帯型無線通信装置50は、前述した情報処理装置1を含み、これに加えて制御部51、撮像部52、表示部53、操作部54、通信部55、音声入力部56、音声出力部57およびメモリ58を含む。情報処理装置1は、表示部53に設けられる。情報処理装置1は、撮像部52から制御部51を介して伝送される画像データを含む伝送データ3を受信し、この伝送データ3に予め定める処理を実行して、処理データを生成して、表示部53が有する記憶部2、具体的にはVRAM(Video Random Access Memory)に生成した処理データを記憶させる。
制御部51は、前述した中央演算処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)と、この中央演算処理装置によって実行される制御プログラムが記憶される記憶部とを含む。中央演算処理装置は、記憶部に記憶される制御プログラムを実行することによって、装置の各部、具体的には撮像部52、表示部53、操作部54および通信部55を制御する。前記制御プログラムには、たとえば電子メールを送受信するためのプログラムが含まれ、制御部51は、通信部55および無線基地局を介して電子メールを所定の通知先に送信し、また電子メールを受信することができる。制御部51は、予め定める送信部である。
撮像部52は、撮像装置であり、カメラ部と、画像処理部とを含む。カメラ部は、撮像レンズと、固体撮像素子である電荷結合素子(Charge Coupled Device:略称CCD)イメージセンサ、および相補型モス(Contemporary Metal Oxide Semiconductor:略称CMOS)イメージセンサなどの固体撮像素子とを含む。またカメラ部は、たとえば赤色(R),緑色(G)および青色(B)の3色のカラーフィルタをさらに含む。カメラ部は、被写体で反射されて撮像レンズに入射した光を、前記カラーフィルタを通してR,G,Bの3色光にし、R,G,Bの3色光をそれぞれ前記固体撮像素子によって電気信号に変換する。
画像処理部は、画像増幅部、アナログ/デジタル(Analog/Digital:略称A/D)変換部および信号処理部を含む。増幅部は、カメラ部から与えられるR,G,Bの3色光のそれぞれに対応したアナログで表される電気信号(以後、アナログ信号と記載する)を増幅し、A/D変換部に与える。A/D変換部は、増幅部で増幅されたR,G,Bに対応したアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像データを生成して信号処理部に与える。信号処理部は、A/D変換部から与えられる画像データに対して、画素の補間処理などの信号処理を行う。また信号処理部は、制御部51から与えられる指令に基づいて、信号処理を施した画像データを制御部51に与える。
表示部53は、表示装置であり、記憶部2と、表示パネルと、表示制御部とを含む。表示パネルは、たとえば所定の表示内容をカラー表示可能であって、たとえば液晶表示パネルおよび有機エレクトロルミネッセンス(ElectroLuminecence:略称EL)パネルなどによって実現される。表示制御部は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現され、記憶部2に記憶された画像データに基づいて、表示パネルに画像を表示させる。表示部53は、制御部51からの制御指令に基づいて、与えられた画像データを表示する。表示部53に制御部51から与えられる伝送データ3は、たとえば差動信号(Low
voltage Differential Signal:略称LVDS)を用いてシリアル伝送される。
操作部54は、複数の操作キーを有する。操作者は、操作キーを操作することによって、情報および処理要求を入力することができる。前記情報は、たとえば電話番号情報および電子メールの文字情報およびなどを含む。また前記処理要求は、たとえば撮像部52に撮像させる要求、所定の電話番号の相手先に発呼する要求、および電子メールを送信する要求などを含む。
通信部55は、無線通信部55Aとアンテナ部55Bとを含む。無線通信部55Aは、無線部と、通信制御部とを含む。無線部は、無線基地局からアンテナ部55Bを介して取得した電波を受信して復調し、文字データ、画像データおよび音声データなどを取得する。無線部は、取得した文字データ、画像データおよび音声データなどを通信制御部に与える。また無線部は、通信制御部から送られてくる文字データ、画像データおよび音声データなどを変調して、電波としてアンテナ部55Bを介して基地局に送信する。
通信制御部は、無線部が復調した文字データおよび画像データなどの受信データを制御部51に送り、無線部が復調した音声データを音声出力部57に送る。無線部および通信制御部を介して受信した相手先からの文字データおよび画像データなどの受信データは、制御部51によってメモリ58に保存される。また通信制御部は、制御部51から与えられるメモリ58に保存される文字データ、画像データなどの伝送データ、および音声入力部56から入力される音声データを所定の通信プロトコルに基づいて無線部に送る。
アンテナ部55Bは、基地局と無線通信を行うときに、音声データ、文字データおよび画像データなどを変調した電波を放出または取得する。音声入力部56は、たとえばマイクロフォンによって実現され、音声データを入力する。音声出力部57は、たとえばスピーカによって実現され、無線通信部55から与えられる音声データに基づいて発音する。
利用者が操作部54を操作してカメラ撮像モードを設定すると、制御部51は撮像部52を制御して画像データを受け取り、この画像データを含む伝送データ3を伝送して、情報処理装置1に与える。情報処理装置1が、伝送データ3を受信して、この伝送データ3に予め定める処理を実行して、処理データを生成し、この処理データを記憶部2に記憶させる。表示部53の表示制御部が記憶部2に記憶された処理データ、具体的には画像データを表示パネルに表示させることによって、動画像を表示することができる。前述の情報処理装置1によって、伝送データ3のエラーが検出され、VFコード14が検出されると、データ処理回路8が始動状態に戻るので、画像の水平方向および垂直方向の画素がずれて表示部に表示されることが防止され、利用者にとって違和感のない動画像を表示させることができる。
たとえば操作部54から、撮像部52によって撮像された画像の一部を保存するためのシャッタ信号が与えられると、制御部51はデータ処理回路8を制御して、データ処理回路8の処理を停止させる。これによって記憶部2に処理データが更新して記憶されることが防止され、表示パネルには、記憶部2に記憶された画像データを静止画として表示することができる。
本発明の実施の他の形態において、エラー検出回路5では、伝送データ3のエラーを検出することができる構成であればよく、特に伝送データ3の欠落および増加を検出する構成であれば、前述した構成に限らない。
前述した情報処理装置1は、制御部51に設けられ、撮像部52から伝送される伝送データを受信して、予め定める処理を実行して、処理データを生成し、この処理データを制御部51に与える構成としてもよい。