JP4107972B2 - 物体認識装置及び認識方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車前方に存在する先行車両、道路構造物等の物体を認識する物体認識装置及び認識方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば高速道路における追従走行機能や操舵アシスト機能といった、より高度でより快適な運転支援システムを搭載した車両が提案され、そのひとつにスキャンレーザレーダを用いて自車前方の車両を認識する認識装置がある。
【0003】
この種スキャンレーザレーダを用いた従来の認識装置では、レーザ光を照射してから反射光を観測するまでの時間を計測することで、反射点までの距離を検出でき、スキャニング機構を設けることにより、10数゜の水平視野を確保し、車両後端面の両端に装備されているリフレクタ(反射板)からの反射点を観測する。
【0004】
ところが、この場合、車体の同じ部位から一定して反射があるわけではなく、車両の向き、形状、位置関係等で時々刻々反射位置が変化し、分布も一様ではないことから、スキャン式のレーダ装置により自車両前方の物体を検出し、物体の今回検出時に存在している位置を予測し、その予測位置を中心とする検索範囲を設定するという手法も提案されている(特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−167699号公報(段落[0009]〜[0010])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の手法では、次回の検出において、例えば自車前方における同一の先行車両からの反射点であるが検索範囲から外れる反射点が存在するときに、その外れた反射点は、それまでの先行車両とは別の新規な物体からの反射点と判断されるため、先行車両の誤認識を招くおそれがあり、先行車両を精度よく安定して認識することができないという問題点がある。
【0007】
そこで、レーザレーダを用いて車両認識を行う場合に、撮像手段による画像を処理した結果を融合することで、先行車両以外の車両や道路構造物等からの反射を排除して先行車両の認識精度の向上を図れるようにすることも考えられているが、撮像手段を必要とする分、コストが上昇するという問題点がある。
【0008】
一方、物体毎に設定する検索範囲を大きくすることも考えられるが、この場合データの漏れは少なくなる反面、物体毎の干渉確率が増大するという不都合が生じる。
【0009】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、同一の先行車両を安定して認識できる物体認識装置及び認識方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明にかかる物体認識装置は、自車前方に存在する先行車両、道路構造物等の物体を認識する物体認識装置において、レーザレーダにより、定期的に自車前方にレーザ光を水平方向にスキャンしつつ照射すると共に前記物体の反射点からの反射光を受光して複数個の反射点を検出し、前記レーザレーダにより検出される前記複数個の反射点から前記物体の位置を導出し、導出した前記物体の位置及び相対速度に基づき次回の前記レーザレーダのスキャンによる前記物体の位置を予測して、その予測位置を含む所定の大きさの検索範囲を設定し、設定した前記検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定し、この判定範囲内に含まれる新規な反射点である漏れ点が存在すれば、前記漏れ点を含むように前記検索範囲を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に前記漏れ点を消去することを特徴としている(請求項1)。
【0011】
このような構成によれば、レーザレーダにより検出される自車前方の物体からの反射点のデータから、自車前方に存在する物体の位置が導出され、導出された物体の位置及び相対速度に基づき次回の物体の位置が予測されて、その予測位置を含む所定の検索範囲が設定され、この検索範囲を基準として新たに判定範囲が設定され、判定範囲内に含まれる新規な反射点である漏れ点が存在すれば、この漏れ点を含むように検索範囲が自車の進行方向に所定の拡大量拡大されると同時に漏れ点が消去される。
【0012】
そのため、同一物体からの反射点であって検索範囲内から外れる漏れ点が存在しても、従来のようにそれが異なる物体からの反射点と認識されることを防止でき、簡単な構成により、同一の先行車両を安定して認識することができる。
【0013】
また、本発明にかかる物体認識装置は、自車前方に存在する先行車両、道路構造物等の物体を認識する物体認識装置において、定期的に自車前方にレーザ光を水平方向にスキャンしつつ照射すると共に自車前方に存在する物体の反射点からの反射光を受光して複数個の反射点を検出するレーザレーダと、自車速を検出する車速検出手段と、前記レーザレーダにより検出される前記複数個の反射点から前記物体の位置を導出する位置導出手段と、前記物体の移動ベクトルを導出する移動ベクトル導出手段と、前記位置導出手段による前記物体の位置、及び、前記車速検出手段による自車速から導出される相対速度に基づき次回の前記レーザレーダのスキャンによる前記物体の位置を予測し、この予測位置を含む所定の大きさの検索範囲を設定する設定手段と、前記設定手段により設定される前記検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定しこの判定範囲内に新規な反射点である漏れ点が存在するかどうか判定する判定手段と、前記判定手段により前記判定範囲内に前記漏れ点が存在すると判定されれば、前記漏れ点を含むように前記検索範囲を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に前記漏れ点を消去する拡縮手段とを備えていることを特徴としている(請求項2)。
【0014】
このような構成によれば、レーザレーダにより検出される自車前方の物体からの反射点のデータから、自車前方に存在する物体の位置が導出され、導出された物体の位置及び相対速度に基づき次回の物体の位置が予測されて、その予測位置を含む所定の検索範囲が設定され、この検索範囲を基準として新たに判定範囲が設定され、判定範囲内に含まれる新規な反射点である漏れ点が存在すれば、この漏れ点を含むように検索範囲が自車の進行方向に所定の拡大量拡大されると同時に漏れ点が消去される。
【0015】
そのため、同一物体からの反射点であって検索範囲内から外れる漏れ点が存在しても、従来のようにそれが異なる物体からの反射点と認識されることを防止でき、簡単な構成により、同一の先行車両を安定して認識することができる。
【0016】
また、本発明にかかる物体認識装置は、前記拡縮手段が、前記判定手段により、拡大後の前記検索範囲を基準として設定される前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定されれば、拡大した前記検索範囲を所定の縮小量縮小することを特徴としている(請求項3)。
【0017】
このような構成によれば、判定範囲内に漏れ点は存在しないと判定されると、拡大された検索範囲が所定の縮小量縮小されるため、検索範囲がむやみに大きくなり過ぎるのを防止することができ、他の物体に対する検索範囲との干渉を抑制することができる。
【0018】
また、本発明にかかる物体認識装置は、前記拡縮手段が、前記判定手段により、前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定される状態が継続すれば、拡大した前記検索範囲の縮小を、前記検索範囲が前記所定の大きさに戻るまで繰り返すことを特徴としている(請求項4)。
【0019】
このような構成によれば、検索範囲の縮小処理が、判定範囲内に漏れ点は存在しない状態が続くと、検索範囲がもとの所定の大きさに戻るまで検索範囲の縮小処理が繰り返されるため、検索範囲がもとの所定の大きさよりも小さくなり過ぎるのを防止することができる。
【0020】
また、本発明にかかる物体認識装置は、前記検索範囲が、車両の車幅より少し大きい幅を有する矩形であることを特徴としている(請求項5)。このような構成によれば、自車前方の先行車両を安定して認識することができる。
【0021】
また、本発明にかかる物体認識方法は、レーザレーダにより、定期的に自車前方にレーザ光を水平方向にスキャンしつつ照射すると共に自車前方に存在する物体の反射点からの反射光を受光して複数個の反射点を検出する反射点検出工程と、前記レーザレーダにより検出される前記複数個の反射点から前記物体の位置を導出する位置導出工程と、自車速を検出する車速検出工程と、前記物体の移動ベクトルを導出する移動ベクトル導出工程と、前記位置導出工程で導出される前記物体の位置、及び、前記車速検出工程での自車速から導出される相対速度に基づき次回の前記レーザレーダのスキャンによる前記物体の位置を予測し、この予測位置を含む所定の大きさの検索範囲を設定する設定工程と、前記設定工程で設定される前記検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定しこの判定範囲内に新規な反射点である漏れ点が存在するかどうか判定する判定工程と、前記判定工程で前記判定範囲内に前記漏れ点が存在すると判定されれば、前記漏れ点を含むように前記検索範囲を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に前記漏れ点を消去する拡縮工程とを備えていることを特徴としている(請求項6)。
【0022】
このような構成によれば、レーザレーダにより検出される自車前方の物体からの反射点のデータから、自車前方に存在する物体の位置が導出され、導出された物体の位置及び相対速度に基づき次回の物体の位置が予測されて、その予測位置を含む所定の検索範囲が設定され、この検索範囲を基準として新たに判定範囲が設定され、判定範囲内に含まれる新規な反射点である漏れ点が存在すれば、この漏れ点を含むように検索範囲が自車の進行方向に所定の拡大量拡大されると同時に新規な反射点が消去される。
【0023】
そのため、同一物体からの反射点であって検索範囲内から外れる漏れ点が存在しても、従来のようにそれが異なる物体からの反射点と認識されることを防止でき、簡単な構成により、同一の先行車両を安定して認識することができる。
【0024】
また、本発明にかかる物体認識方法は、前記拡縮工程が、前記判定工程で拡大後の前記検索範囲を基準として設定される前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定されれば、拡大した前記検索範囲を所定の縮小量縮小する工程を含むことを特徴としている(請求項7)。
【0025】
このような構成によれば、判定範囲内に漏れ点は存在しないと判定されると、拡大された検索範囲が所定の縮小量縮小されるため、検索範囲がむやみに大きくなり過ぎるのを防止することができ、他の物体に対する検索範囲との干渉を抑制することができる。
【0026】
また、本発明にかかる物体認識方法は、前記拡縮工程が、前記判定工程で前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定される状態が継続すれば、拡大した前記検索範囲の縮小を、前記検索範囲が前記所定の大きさに戻るまで繰り返すことを特徴としている(請求項8)。
【0027】
このような構成によれば、検索範囲の縮小処理が、判定範囲内に漏れ点は存在しない状態が続くと、検索範囲がもとの所定の大きさに戻るまで検索範囲の縮小処理が繰り返されるため、検索範囲がもとの所定の大きさよりも小さくなり過ぎるのを防止することができる。
【0028】
また、本発明にかかる物体認識方法は、前記検索範囲が、車両の車幅より少し大きい幅を有する矩形であることを特徴としている(請求項9)。このような構成によれば、自車前方の先行車両を安定して認識することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明を追従走行装置に適用した場合の一実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。但し、図1はブロック図、図2は動作説明図、図3は動作説明用フローチャート、図4及び図5は動作説明図である。
【0030】
図1に示すように、例えば半導体レーザ等のレーザ、そのスキャニング機構及び受光器から成るスキャンレーザレーダ1が自車に搭載され、レーザレーダ1により、自車前方にレーザ光が水平方向にスキャンされつつ照射され、自車前方に存在する物体の反射点からの反射光が受光されて複数個の反射点までの距離が測定されて各々の位置が特定され、得られた反射点の位置データがメインECU3によりRAM等から成るメモリ5に保存される。
【0031】
ところで、レーザレーダ1は、自車の前方にレーザ光を照射し、その際スキャニング機構により所定角度(例えば0.1゜)ずつレーザ光が水平方向にスキャンされ、自車前方の物体からの反射光が受光器により受光されてレーザ光の照射から反射光の受光までの時間から、自車と同一車線を走行する先行車両との車間距離が検出されるようになっている。このような1回の車間距離の検出処理に要する時間は、約100ms程度の短い時間であり、この検出動作が一定時間毎に繰り返される。
【0032】
また、図1に示すように、車速検出手段としてのエンコーダから成る車速センサ7が設けられ、車速センサ7の出力がメインECU3に取り込まれて自車速の検出が行われ、さらに自車速から先行車両との相対速度が導出される。このような自車速の検出処理が、本発明における車速検出工程に相当する。
【0033】
更に、図1に示すように、スロットル制御を行うスロットルECU9、自動ブレーキ制御を行うブレーキECU11が設けられ、メインECU3からの指令信号に基づき、スロットルECU9が制御されて電子スロットルの開度制御が実行されると共に、ブレーキECU11が制御されてブレーキアクチュエータの駆動制御が実行される。
【0034】
ところで、上記した制御機能に加えて、メインECU3は次のような機能も有する。即ち、メインECU3は、レーザレーダ1により検出される複数個の反射点から、自車前方に存在する先行車両やガードレール等の物体の位置(及び距離)を導出し、レーザレーダ1による物体との距離の変化及び自車速に基づき、物体の移動ベクトルを導出する。そして、導出した物体の位置及び相対速度に基づき、次回の物体の位置を予測し、道路面に投影したときの形状がその予測位置を中心とする矩形となる検索範囲を設定する。尚、検索範囲は、車両の幅よりも少し大きい程度で、具体的には2〜3mに相当する幅に設定される。
【0035】
このとき、物体を推測されるもの全てについて検索範囲が設定される。具体的には、その物体が先行車両であれば、先行車両に対して1つの検索範囲が設定され、道路構造物であるガードレールからの離散的な反射点に対しては各々1つずつの検索範囲が設定される。
【0036】
このようなメインECU3による物体の位置導出処理が、本発明における位置導出手段及び位置導出工程に相当し、メインECU3による移動ベクトルの導出処理が、本発明における移動ベクトル導出手段及び移動ベクトル導出工程に相当し、メインECU3による検索範囲の設定処理が、本発明における設定手段及び設定工程に相当する。
【0037】
また、メインECU3は、設定した検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定し、この判定範囲内に新規な反射点である漏れ点が存在するかどうか判定する。このようなメインECUによる判定処理が、本発明における判定手段及び判定工程に相当する。
【0038】
具体的には、連続して認識されている物体を対象とし、図2に示すように、その対象物体が車両である場合に、車両の後端面を基準にしてこれより少し大きい矩形の検索範囲Sを自車の進行方向であるX方向に拡大する際、同一の車両からの反射点であって検索範囲Sから外れる漏れ点がXの正方向に存在する確率が高く、負方向に存在する確率は低いため、Xの正方向への拡大量Sxpが負方向への拡大量Sxmよりも大きく設定される。一方、X方向に直交するY方向に検索範囲Sを縮小する際、漏れ点がY方向に存在する確率は極めて低いことから、検索範囲Sが車両後端面のY方向寸法のK倍(ここで、K>1)になるように縮小され、こうして判定範囲Dが新たに設定されるのである。この拡大量Sxp,Sxmは、それぞれ所定の係数を使用することで算出できる。
【0039】
更に、メインECU3は、レーザレーダ1による次回のレーザ光照射の結果、新たに設定した判定範囲D(図2参照)内に漏れ点が存在するかどうか判断し、存在すると判定すれば、その漏れ点を含むように検索範囲S(図2参照)を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に、その漏れ点を消去する。
【0040】
一方、メインECU3は、拡大後の検索範囲を基準として、上記したように判定範囲を更に設定し、レーザレーダ1による次回のレーザ光照射の結果、設定した判定範囲内に漏れ点は存在するかどうか判断し、存在しないと判定すれば、拡大した検索範囲を所定の縮小量ずつ縮小し、判定範囲内に漏れ点は存在しないと判定される状態が継続する限り、検索範囲Sがもとの所定の大きさに戻るまでこの縮小処理を繰り返す。このようなメインECU3による拡縮処理が本発明における拡縮手段及び拡縮工程に相当する。
【0041】
このようにして、メインECU3は、同一物体からの反射点群を検出し、この反射点群が先行車両であるかガードレール等の道路構造物であるか判断するが、先行車両の場合、後部リフレクタからの反射点は車幅程度しか離れておらず、カーブ路に進入した先行車両のボディからの反射点も含めてせいぜい3m程度の範囲内に反射点が存在するという特徴があるため、先行車両からの反射点群は比較的容易に特定することができる。
【0042】
これに対し、ガードレールの場合、1回のレーザ光照射により得られる反射点の位置は離散的に存在し、移動ベクトル方向に沿って予め定められた所定間隔以下で隣接して並んで存在することから、メインECU3は、移動ベクトル方向に沿って予め定められた所定間隔以下で隣接して並んで存在する複数の反射点が存在する時には、それらの反射点はガードレールからの反射点であると認識する。
【0043】
そして、先行車両と判断した物体を追従し、自車との距離つまり車間距離、或いは、車間時間がそのときの自車速に応じた目標車間距離或いは目標車間時間よりも短くなったときには、メインECU3によりスロットルECU9或いはブレーキECU11が制御され、車間距離或いは車間時間が、目標車間距離或いは目標車間時間になるようにスロット開度の制御、或いは、自動ブレーキの制御が実行される。
【0044】
次に、一連の動作について図3のフローチャートを参照して説明する。いま、図3に示すように、レーザレーダ1により反射点が検出され(S1)、車速センサ7の出力に基づき自車速が検出されると共に相対速度が導出され(S2)、自車前方に存在する物体との距離の変化及び自車速に基づき、物体の移動ベクトルが導出される(S3)。
【0045】
更に、レーザレーダ1により検出される反射点から自車前方の物体の位置・速度が導出され(S4)、物体の前回位置及び相対速度に基づき、次回の物体の位置が予測され(S5)、その予測位置を中心とする矩形の検索範囲が設定される(S6)。
【0046】
そして、設定された検索範囲が自車の進行方向(X方向/図2参照)に拡大されると共にこの進行方向の直交方向(Y方向/図2参照)に縮小されて新たに判定範囲が設定され(S7)、この判定範囲内に新規な反射点である漏れ点が存在するか否かの判定がなされ(S8)、この判定結果がYESであれば、この漏れ点を含むように検索範囲が自車の進行方向に所定の拡大量拡大され(S9)、漏れ点が消去された後(S10)、ステップS1に戻る。
【0047】
一方、ステップS8の判定結果がNO、即ち判定範囲内に漏れ点が存在しないときには、検索範囲がもとの所定の大きさから拡大されたものであれば、その拡大された検索範囲が所定の縮小量縮小され(S11)、その後ステップS1に戻る。
【0048】
このように、レーザレーダ1により検出される反射点のデータから先行車両候補の位置が導出さレーザレーダ1により検出される自車前方の物体からの反射点のデータから、自車前方に存在する物体の位置が導出され、導出された物体の位置及び相対速度に基づき次回の物体の位置が予測されて、その予測位置を含む所定の検索範囲が設定され、この検索範囲を基準として新たに判定範囲が設定され、判定範囲内に含まれる漏れ点が存在すれば、この漏れ点を含むように検索範囲が自車の進行方向に所定の拡大量拡大されると同時に漏れ点が消去される。一方、判定範囲内に漏れ点は存在しないと判定されると、拡大された検索範囲が所定の縮小量縮小される。
【0049】
その結果、改善前と称する従来の手法による検索範囲の設定例と、改善後と称する本発明の手法による検索範囲の設定例とを対比できるように、各々同じ条件での設定状況を時系列に並べると、図4及び図5に示すようになり、改善前の手法では、最終的に同一物体でありながら複数の異なる物体が自車前方に誤って認識されるのに対し、改善後の手法では最終的にもとの大きさの検索範囲内に自車前方に存在する同一物体からの反射点群が捕捉され、同一物体を安定して認識できることがわかる。
【0050】
従って、上記した実施形態によれば、同一物体からの反射点であって検索範囲内から外れる漏れ点が存在しても、従来のようにそれが異なる物体からの反射点と認識されることを防止でき、簡単な構成により、同一の先行車両を安定して認識することができ、精度よく安定した追従走行を実現することができる。
【0051】
また、判定範囲内に漏れ点は存在しないと判定されると、拡大された検索範囲が所定の縮小量縮小されるため、検索範囲がむやみに大きくなり過ぎるのを防止することができ、他の物体に対する検索範囲との干渉を抑制することができる。
【0052】
更に、検索範囲の縮小処理が、判定範囲内に漏れ点は存在しない状態が続くと、検索範囲がもとの所定の大きさに戻るまで検索範囲の縮小処理が繰り返されるため、検索範囲がもとの所定の大きさよりも小さくなり過ぎるのを防止することができる。
【0053】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0054】
例えば、上記した実施形態では、検索範囲を、車両の車幅より少し大きい幅を有する矩形の範囲とした場合について説明したが、必ずしもこのような矩形に限定されるものではない。
【0055】
また、上記した実施形態では、本発明を追従走行装置に適用した例について説明したが、本発明の適用範囲は追従走行装置に限定されるものではなく、これ以外の車両走行補助装置に適用することができて、上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、請求項1,2,6に記載の発明によれば、同一物体からの反射点であって検索範囲内から外れる漏れ点が存在しても、従来のようにそれが異なる物体からの反射点と認識されることを防止でき、簡単な構成により、同一の先行車両を安定して認識することが可能になる。
【0057】
また、請求項3,7に記載の発明によれば、判定範囲内に漏れ点は存在しないと判定されると、拡大された検索範囲が所定の縮小量縮小されるため、検索範囲がむやみに大きくなり過ぎるのを防止することができ、他の物体に対する検索範囲との干渉を抑制することが可能になる。
【0058】
また、請求項4,8に記載の発明によれば、検索範囲の縮小処理が、判定範囲内に漏れ点は存在しない状態が続くと、検索範囲がもとの所定の大きさに戻るまで検索範囲の縮小処理が繰り返されるため、検索範囲がもとの所定の大きさよりも小さくなり過ぎるのを防止することが可能になる。
【0059】
また、請求項5,9に記載の発明によれば、自車前方の先行車両を安定して認識することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図3】この発明の一実施形態の動作説明用フローチャートである。
【図4】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図5】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【符号の説明】
1 スキャンレーザレーダ
3 メインECU(位置導出手段、移動ベクトル導出手段、設定手段、判定手段、拡縮手段)
7 車速センサ(車速検出手段)
Claims (9)
- 自車前方に存在する先行車両、道路構造物等の物体を認識する物体認識装置において、
レーザレーダにより、定期的に自車前方にレーザ光を水平方向にスキャンしつつ照射すると共に前記物体の反射点からの反射光を受光して複数個の反射点を検出し、
前記レーザレーダにより検出される前記複数個の反射点から前記物体の位置を導出し、導出した前記物体の位置及び相対速度に基づき次回の前記レーザレーダのスキャンによる前記物体の位置を予測して、その予測位置を含む所定の大きさの検索範囲を設定し、設定した前記検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定し、この判定範囲内に含まれる新規な反射点である漏れ点が存在すれば、前記漏れ点を含むように前記検索範囲を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に前記漏れ点を消去する
ことを特徴とする物体認識装置。 - 自車前方に存在する先行車両、道路構造物等の物体を認識する物体認識装置において、
定期的に自車前方にレーザ光を水平方向にスキャンしつつ照射すると共に自車前方に存在する物体の反射点からの反射光を受光して複数個の反射点を検出するレーザレーダと、
自車速を検出する車速検出手段と、
前記レーザレーダにより検出される前記複数個の反射点から前記物体の位置を導出する位置導出手段と、
前記物体の移動ベクトルを導出する移動ベクトル導出手段と、
前記位置導出手段による前記物体の位置、及び、前記車速検出手段による自車速から導出される相対速度に基づき次回の前記レーザレーダのスキャンによる前記物体の位置を予測し、この予測位置を含む所定の大きさの検索範囲を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定される前記検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定しこの判定範囲内に新規な反射点である漏れ点が存在するかどうか判定する判定手段と、
前記判定手段により前記判定範囲内に前記漏れ点が存在すると判定されれば、前記漏れ点を含むように前記検索範囲を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に前記漏れ点を消去する拡縮手段と
を備えていることを特徴とする物体認識装置。 - 前記拡縮手段が、
前記判定手段により、拡大後の前記検索範囲を基準として設定される前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定されれば、拡大した前記検索範囲を所定の縮小量縮小する
ことを特徴とする請求項2に記載の物体認識装置。 - 前記拡縮手段が、
前記判定手段により、前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定される状態が継続すれば、拡大した前記検索範囲の縮小を、前記検索範囲が前記所定の大きさに戻るまで繰り返す
ことを特徴とする請求項3に記載の物体認識装置。 - 前記検索範囲が、車両の車幅より少し大きい幅を有する矩形であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物体認識装置。
- 自車前方に存在する先行車両、道路構造物等の物体を認識する物体認識方法において、
レーザレーダにより、定期的に自車前方にレーザ光を水平方向にスキャンしつつ照射すると共に自車前方に存在する物体の反射点からの反射光を受光して複数個の反射点を検出する反射点検出工程と、
前記レーザレーダにより検出される前記複数個の反射点から前記物体の位置を導出する位置導出工程と、
自車速を検出する車速検出工程と、
前記物体の移動ベクトルを導出する移動ベクトル導出工程と、
前記位置導出工程で導出される前記物体の位置、及び、前記車速検出工程での自車速から導出される相対速度に基づき次回の前記レーザレーダのスキャンによる前記物体の位置を予測し、この予測位置を含む所定の大きさの検索範囲を設定する設定工程と、
前記設定工程で設定される前記検索範囲を自車の進行方向に拡大すると共にこの進行方向の直交方向に縮小して新たに判定範囲を設定しこの判定範囲内に新規な反射点である漏れ点が存在するかどうか判定する判定工程と、
前記判定工程で前記判定範囲内に前記漏れ点が存在すると判定されれば、前記漏れ点を含むように前記検索範囲を自車の進行方向に所定の拡大量拡大すると同時に前記漏れ点を消去する拡縮工程と
を備えていることを特徴とする物体認識方法。 - 前記拡縮工程が、
前記判定工程で拡大後の前記検索範囲を基準として設定される前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定されれば、拡大した前記検索範囲を所定の縮小量縮小する工程を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の物体認識方法。 - 前記拡縮工程が、
前記判定工程で前記判定範囲内に前記漏れ点は存在しないと判定される状態が継続すれば、拡大した前記検索範囲の縮小を、前記検索範囲が前記所定の大きさに戻るまで繰り返す
ことを特徴とする請求項7に記載の物体認識方法。 - 前記検索範囲が、車両の車幅より少し大きい幅を有する矩形であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の物体認識方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003013334A JP4107972B2 (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 物体認識装置及び認識方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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