JP4107840B2 - 機敏型ビーム形成器を使用した屈折遅延誤差補正 - Google Patents

機敏型ビーム形成器を使用した屈折遅延誤差補正 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全般的には、フェーズドアレイ型アンテナに利用されるコヒーレント・イメージング法に関する。詳細には、本発明は、超音波イメージング・システムで使用するためのビーム形成技法に関する。
【0002】
【発明の背景】
医用超音波システムは、個々の超音波の線(すなわち、ビーム)を収集して画像を形成させている。この超音波線は互いに隣接しており、撮影しようとする目標面積を覆っている。各線は、超音波のパルスを特定の空間方向に送信し該方向から反射されたエコーを受信することにより形成される。送信した超音波の空間特性並びに受信感度の特性によりその超音波画像の品質が決定される。超音波線は意図した方向からのみ目標情報を収集し、かつこれ以外の方向にある目標は無視していることが望ましい。従来の超音波イメージング・システムは、超音波ビームを送信し次いで被検体から反射されたビームを受信するために使用される超音波トランスジューサ素子からなるアレイを備えている。こうした走査には、集束した超音波を送信すること、ある短い時間の後にシステムを受信モードに切り換えること、並びに反射された超音波の受信、ビーム形成及び表示処理を行うこと、をその間で実施しているような一連の計測が含まれる。典型的には、送信及び受信は、音響ビーム(すなわち、走査線)に沿った一連の点からのデータを収集するように各計測の間で同じ方向に集束させている。この受信器は、反射された超音波を受信するのに伴って走査線に沿った連続する距離に動的に集束させている。
【0003】
超音波イメージングでは、そのアレイは、典型的には、1つまたは複数の横列の形に配列させると共に別々の電圧で駆動させている多数のトランスジューサ素子を有している。印加する電圧の時間遅延(すなわち、位相)と振幅を選択することによって、所与の横列内の個々のトランスジューサ素子を制御することができ、これにより好ましいベクトル方向に沿って伝搬しかつビームに沿った選択したゾーンに集束した正味の超音波を形成するように結合させる各超音波を発生させることができる。各発射に関するビーム形成パラメータは様々な値とすることができ、これにより最大焦点を変化させたり、さもなければ(例えば、各ビームの焦点ゾーンを直前のビームの焦点ゾーンに対してシフトさせながら同じ走査線に沿って相次いでビームを送信することによって)各発射に対する受信データの内容を変更することができる。フェーズドアレイの場合では、印加する電圧の時間遅延及び振幅を変更することにより、その焦点ゾーンをもつビームを被検体を走査する面内で移動させることができる。線形アレイの場合では、その開口をアレイ全体にわたって相次ぐ発射ごとに並進させることにより、このアレイに対して法線の方向を向いた集束ビームを被検体全体にわたって走査させている。
【0004】
受信モードにおいてトランスジューサ・プローブを利用して反射された音波を受信する際にも同じ原理が適用される。各受信トランスジューサ素子において発生させた電圧は、その正味の信号が被検体内の単一の焦点ゾーンから反射された超音波を表すように加算される。送信モードの場合と同様に、超音波エネルギーに対するこの集束性の受信は、各受信トランスジューサ素子からの信号に対して別々の時間遅延(及び/または位相シフト)並びにゲインを与えることにより達成される。これらの時間遅延は、受信時に動的な集束が得られるように反射させる信号の深さを増加させながら調整している。
【0005】
典型的な超音波システムでは、ビーム形成器制御はシステムの性能及びコストに大きな寄与をしている。動的受信遅延及びアポダイゼーション制御は、各ビーム及びチャンネルごとに高速度で生成させる必要がある。10MHz程の高い更新速度をもつハイエンドなシステムでは512個もの多数のビーム・チャンネルが必要となることが多い。動的受信の間で超音波ビーム形成器に対する遅延及びアポダイゼーションを計算するには、超越関数を含め複雑な計算が必要である。これらの関数ではコストの要求から2次近似または3次近似を使用していることにより、画質が犠牲になるのが通常である。さらに、所定のビーム位置に対する事前計算したコントロール及びパラメータを記憶させるために大容量のメモリが使用されることが多い。記憶した事前計算の値を使用しているため、そのシステムがスキャン状況に応じてビーム位置やパラメータを最適に再調整する能力が制限される。したがって、より高速な制御応答時間を達成するために画質が犠牲にされている。
【0006】
現在、広範なビーム形成器制御設計が使用されている。そのいずれもが、大容量のパラメータ用ランダムアクセス・メモリ(RAM)、状態遷移機械、複雑な計算及び近似を何らか組み合わせて使用している。したがって、これらは、機敏性(agility)、コスト、精密さのうちの1つまたは複数の点で欠けている。
【0007】
機敏性とは、1秒よりかなり短い時間内に全体のイメージング構成のビーム形成設定を変更できる能力のことを意味しており、この設定には、ベクトル位相中心(開口)位置、ステアリング角度、f値、焦点位置が含まれ、さらにそのイメージング構成には、イメージング・コンソール上に表示されるすべてのベクトル(ビーム)が含まれる。機敏性はまた、飛行中に、すなわち、深部の関心領域の直前に受信遅延計算を開始することができることを意味している。
【0008】
任意の幾何学構成をもつトランスジューサ・アレイとも同様によく機能すると共に、機敏であり、精密であり、かつ低コストであるような、ビーム形成用の事前計算値を記憶するために大量のメモリを必要としない新規のビーム形成アーキテクチャは、米国特許第6,123,671号に開示されている。当該特許では、極座標−デカルト座標変換で使用される単純な無積算器デバイスであるCORDIC回転器(以下において、「CORDIC」という)を用いて、ビーム形成器時間遅延及びアポダイゼーションの値をリアルタイムで計算するためのアーキテクチャが開示されている。CORDICを使用して近似や複雑なロジックを用いずに2乗和平方根を直接計算することにより低コストで理想的な性能及び柔軟性が得られる。本システムは、ビーム位置及びパラメータを迅速に最適化し直すことができ、この際事前記憶させた大量のメモリを再計算したり大まかな近似を使用したりする必要がない。より具体的には、CORDIC回転器を利用して超音波ビーム形成のアポダイゼーション重み及び時間遅延を計算している。アポダイゼーション重み及び時間遅延は、リアルタイムで分散型のパイプライン方式で計算され、この際大量のメモリや複雑な状態遷移機械は必要がない。本質的に近似は必要がない。精密さは、遅延装置の確度範囲内に入るように容易に制御することができる。トランスジューサ・アレイを超音波イメージング・システムに取り付けると、その素子位置は比較的小さな分散メモリ内に書き込まれる。この素子位置はアレイの幾何学構成を変更した場合以外はロードし直す必要がない。イメージングの間に、ある少数のパラメータを各送信前で各受信の間に一斉配信(broadcast)する。これらのパラメータとしては、焦点位置、マルチプレクサの状態、開口位置、開口サイズ、及びベクトル角が含まれる。CORDICを含め単純なロジックでは、これらのパラメータを合成してビーム形成用の時間遅延及びアポダイゼーションを生成している。焦点位置及び開口は、画像全体に対して、ミリ秒単位で極めて迅速に変更することができる。受信焦点位置は、状態遷移機械方式の場合に必要であるような、皮膚線で開始させたり直線に従ったりする必要がない。受信焦点は飛行中に開始でき、また、並列ビーム形成方法を補償するように湾曲(warp)させることができる。さらに、アレイの幾何学構成は任意の形態をとることができ、したがって、従来の直線状で凸形のフェーズアレイに限定されることがない。
【0009】
最近の多くの超音波スキャナでは、湾曲したプローブを使用して撮影域を拡大し感度を上昇させている。湾曲したプローブでの問題点の1つは、プローブのレンズ内での超音波の屈折により生じる遅延誤差である。周知のビーム形成器では、その超音波が平均速度を1.54mm/μsecと見なし、素子の中心から直線的に焦点まで伝搬するものと仮定して集束遅延を計算している。実際には、プローブ・レンズは超音波が伝搬する方向及び速度の両方に影響を及ぼしている。したがって、上述の周知のビーム形成器は、湾曲したプローブに対しては特に厳格であるような屈折遅延誤差を有している。どのような遅延誤差があっても超音波スキャナの集束は劣化することになる。
【0010】
別の周知のビーム形成システムでは、湾曲したプローブに対して、調整済みの「疑似的な」曲率半径(ROC)を使用することによって屈折遅延誤差を補正しようとしている。この疑似的ROCでは、その屈折遅延誤差がある距離でしか補正できないため、部分的な解決法でしかない。すべての距離にわたって屈折遅延誤差を補正できるような方法が必要である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、湾曲したプローブに関する屈折遅延誤差をすべての距離に対して補正するための方法及び装置を目的としている。好ましい実施形態では、機敏型ビーム形成器を利用している。しかし、本発明の角度補正方法は別の形態でも実現が可能である。この考え方は、その一部は、ある素子の法線の焦点に対する角φを決定できれば、この角を使用して遅延誤差補正を指標付け(index)することができるという知見に基づいている。上述した従来技術の(疑似的ROC式の)ビーム形成器では、角φを距離の関数として計算すると計算上の負担が大きくなる。しかし機敏型ビーム形成器では、角φを決定することは比較的単純な処理となる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、機敏型ビーム形成器は、角度補正法を使用することによりあらゆる距離に対して屈折により生じる遅延誤差を補正している。この角度補正法では、CORDIC回転器の本質的特性を使用して補正で必要となる距離依存の変数のみを計算していることから、この方法は効率がよい。このことは、残りの補正変数がベクトルや距離と無関係となるため、補正計算に要する追加のハードウェアが最小となることを意味する。さらに、機敏型ビーム形成器内の各遅延計算器は、16個のチャンネルを処理しており、角度補正スキームのハードウェアの影響をさらに低下させることができる。好ましい実施形態に従ったこの角度補正法は、起こりうる256個の遅延調整をもつルックアップ・テーブル(LUT)を使用し、2つの周知のプローブモデルに対してその遅延誤差を10nsec未満まで低下させている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、ビーム形成を利用している任意の超音波イメージング・システムに組み込むことができる。上記の一例はBモード超音波イメージング・システムであり、本発明の好ましい実施形態を詳細に開示するのに先だってこのBモード超音波イメージング・システムを概説することにする。
【0014】
従来のBモード超音波イメージング・システムの全体を図1に示す。このシステムは、別々に駆動される複数のトランスジューサ素子34から構成されるトランスジューサ・アレイ2を備えており、この複数のトランスジューサ素子34の各々は、送信器8により発生させ、送信状態に切り換えた送受信切換え(T/R)スイッチ6及びMUX状態に切り換えたマルチプレクサ4のそれぞれのスイッチを介して送られるパルス波形で付勢させたときに超音波エネルギーのバーストを発生させている。被検体からトランスジューサ・アレイ2に戻るように反射された超音波エネルギーは各受信トランスジューサ素子34により電気信号に変換され、MUX状態に切り換えたマルチプレクサスイッチ4及び受信状態に切り換えたT/Rスイッチ6を介して別々に受信ビーム形成器10に加えられる。送信器8及び受信ビーム形成器10はホストコンピュータまたはマスタ・コントローラ24の制御下で動作している。一連のエコー信号を収集することにより、送信器8を一時的にオンにゲート制御して各トランスジューサ素子34を送信開口において付勢し、続いて各トランスジューサ素子34が発生させるエコー信号を受信ビーム形成器10に印加しているような完全な1回の走査(スキャン)が実行される。受信ビーム形成器10は各トランスジューサ素子34からの別々のエコー信号を合成して単一のエコー信号を作成し、この単一エコー信号を使用して表示モニタ22上の画像内で一本の走査線が作成される。
【0015】
受信ビーム形成器の信号入力は、トランスジューサ素子34からの低レベルのアナログRF信号である。受信ビーム形成器はアナログ対ディジタル変換及び受信ビーム形成の役割を負っている。ベースバンド型イメージング・システムでは、ビーム加算した信号が復調器12に出力され、復調器12はこのビーム加算した信号をベースバンドの同相受信ビーム(I)と直交受信ビーム(Q)に変換している。復調器12からのI及びQの音響データベクトルは、好ましくは送信波形の基本周波数f0またはこの基本周波数の高調波(若しくは低調波)周波数を中心とする周波数帯域を通過させるようなフィルタ係数によりプログラムされているそれぞれのFIR(有限インパルス応答)フィルタ14に送られる。
【0016】
Bモード・イメージング・システムの場合では、フィルタ処理したI及びQの音響データのベクトルはBモード・プロセッサ16に送られ、Bモード・プロセッサ16はこのI及びQの音響データを対数圧縮された形態の信号包絡線に変換している。Bモード機能により、この信号包絡線の時間変化する振幅がグレイスケールとして画像化される。ベースバンド信号の包絡線は、I及びQが表しているベクトルの大きさである。IとQの位相角は、Bモード表示では用いられない。信号の大きさ(すなわち、強度)は、これら直交する成分の平方和の平方根、すなわち(I2+Q21/2、である。
【0017】
Bモード振幅データは、X−Y表示メモリを従えた音響線メモリを備えている走査変換器18に出力される。この音響線メモリは、振幅データの処理済みベクトルを受け入れて必要に応じて補間し、さらにこの振幅データを極座標(R−θ)セクタ・フォーマットまたはデカルト座標の線形フォーマットから適当にスケール調整したデカルト座標の表示ピクセル強度データに座標変換し、X−Y表示メモリ内に格納している。
【0018】
走査変換したフレームはビデオ・プロセッサ20に送られ、ビデオ・プロセッサ20によりこの画素強度データをビデオ・フレームレートに変換し、さらにビデオ表示のために画素強度データをグレイスケール・マップにマッピングしている。従来の超音波イメージング・システムは典型的には、グレイスケール・レベルを表示するための未処理の強度データの単純な伝達関数であるような様々なグレイ・マップを利用している。次いで、これらのグレイスケール画像フレームは表示モニタ22に送られて表示される。
【0019】
図1に示すシステムで作成される超音波画像は、複数の画像走査線により構成されている。超音波エネルギーを関心領域内で一点に集束させて送信し、次いで反射エネルギーを時間を追って受信することにより、単一の走査線(または、狭い範囲に限局された走査線群)が収集される。集束させた送信エネルギーのことを送信ビームと呼ぶ。送信後の期間で、1つまたは複数の受信ビーム形成器は、位相回転または遅延を動的に変化させながら各チャンネルにより受信したエネルギーをコヒーレントに加算し、経過時間に比例する距離におけるピーク感度を所望の走査線に沿って生成させる。得られた集束性感度パターンのことを受信ビームと呼ぶ。走査線の分解能は、関連する送信と受信のビーム対の指向性の結果となる。
【0020】
ビーム形成器の目的は、空間的に所望の焦点(または複数の焦点)位置において、その焦点(または複数の焦点)から離れるに従って最小の強度/感度となるような最大の送信強度と受信感度を提供することにある。これを達成するには、ビーム形成器により、その焦点(または複数の焦点)とトランスジューサ・アレイの各素子の間での音波伝搬時間の差に対応する時間遅延を精密に計算する必要がある。典型的には、受信ビーム形成の時間遅延は、受信の間に動的に調整している。これによって、その焦点は、受信エコーを発生させている被検体の深さを追尾することができる。この深さは送信後の時間に比例する。
【0021】
典型的なトランスジューサ・アレイの幾何学構成を図2に示す。この例では、アレイの各素子、並びに焦点はすべて、3次元空間の単一平面内に位置している。したがって、この幾何学構成は、x軸をアレイ面の中心に対して接線方向とし、かつz軸はx軸に対して直角方向とするようなxとzの2つの次元で記述することができる。アレイ内の各素子は、文字「i」により指標付けしている。各第i番目の素子の位置は、座標x(方位方向)とz(軸方向)の各座標である、それぞれElxiとElziにより示される。焦点を位置させる方向にあたるベクトルは、z軸に対する角度βで表すことができる。焦点の位置は、時間の関数として、座標Focx(t)及びFocz(t)により示される。したがって、ピタゴラスの定理により、その伝搬経路長さDi(t)は次式となる。
【0022】
i(t)=hypot[(Elxi−Focx(t)),(Elzi−Focz(t))] (式1)
ここで、hypot(x,z)は、2つの直交する長さの斜辺を計算している次式で定義される関数である。
【0023】
hypot(x,z)≡SQRT(x2+z2) (式2)
2次元アレイと呼ばれる幾つかのトランスジューサ・アレイは、高さ方向(すなわち、y方向)でx−z平面から外れた素子を有している。これらのアレイに対しては、図1の平面から出てくる方向を正の方向としてy軸がx−z平面に対して直角となるように幾何学構成を拡張させる必要がある。この素子位置では、Elyiという追加の座標が必要となる。さらに、最新のシステムの幾つかでは、焦点がx−z平面から外れてもよいような3次元ボリューム内でデータを収集している。したがって、Focy(t)という追加の座標が必要となる。これをさらに一般化すると、伝搬経路長さDi(t)は次式となる。
【0024】
i(t)=hypot{hypot[(Elxi−Focx(t)),(Elzi−Focz(t))],(Elyi−Focy(t))} (式3)
超音波イメージング・システムを走査させると、その受信焦点はアレイ面上の点から、画像化しているボリュームを通る線に沿って進む。この線のことをベクトル、またはビームと呼ぶ。アレイ面上でベクトルとアレイが交差している点のことを、ベクトル位相中心と呼ぶ。この位相中心から焦点までの距離がr(t)である。
【0025】
ビーム形成器は、各トランスジューサ素子において信号を時間Ti(t)だけ遅延させ、伝搬時間の差を補償している。この伝搬時間は単に、伝搬経路距離を音速c(組織内では概ね1.54mm/μsec)で割ったものである。焦点は受信時間の関数であるため、この遅延も時間の関数である。しかし、被検体のベクトル方向の深さとビーム形成器からの対応するエコー信号の出力との間を確実に線形関係とするように、位相中心での遅延は一定に保っている。さらに、因果律の一要件である加えたビーム形成時間遅延が正となるように保証するために、オフセット遅延を付加している。したがって、ビーム形成遅延は、
i(t)=Toffset+r(t)/c−Di(t)/c (式4)
または、
i(t)=Roffset−Di(t)/c (式5)
上式において、
offset(t)=Toffset+r(t)/c (式6)
となる。ビーム形成器は、遅延以外に、アレイの有効開口のサイズ及びシェーディングを制御する値であるアポダイゼーション重みを与える必要がある。アポダイゼーションは、ベクトルと直角な平面上へのアレイの投影に従って与えられる。具体的にある素子のアポダイゼーション値は、開口中心からの投影距離を投影された開口サイズで割り算することにより決定される。開口のサイズ及び中心は、所望の実効f値及び受信角に従って制御することができる。
【0026】
図3に示す実施の一形態は、ビーム形成器全体に分布させた複数の遅延計算器28を含んでいる。各遅延計算器は、複数のチャンネル(32)/素子(34)に対してチャンネル制御バス30を介してビーム形成遅延及びアポダイゼーションを提供している。遅延計算器は素子位置の座標により初期化されている。次いで、撮影の間に、焦点座標及びステアリング角がすべての遅延計算器に一斉配信される。単一のビーム形成器制御バス26を介してすべてのパラメータを遅延計算器に与えることができる。遅延計算器はCORDICを用いて開口投影を実行しhypot関数を実行する。CORDICにより、投影を実行し斜辺を計算するための極めて高効率で正確な手段が提供される。CORDICは、単に2のべき乗であるような係数を用いて連続する座標を2次元で変換している。したがって、CORDICはビットのシフト及び加算の回数が少なくて済む。CORDICはパイプライン動作させて、スループットを高めることができる。次いで、得られたアポダイゼーション値及び時間遅延はチャンネル制御バス30により複数のチャンネル32に供給される。
【0027】
図4を参照すると、先ず第1象限に移すために座標の絶対値を取り、次いでCORDICを用いてこれをx’軸上に来るように(計算しようとする斜辺と一致させるように)回転させ、得られたx’の値を出力することにより斜辺を計算することができる。
【0028】
アポダイゼーション投影は単に座標系(図5参照)を原点の周りで角度−βだけ回転させ、z’軸がベクトルと平行になるようにすることにより実行される。次いで、変換した素子のx座標(Elx’i)により投影面での素子位置が与えられる。
【0029】
アポダイゼーションで必要な計算は、投影における素子の開口中心からの距離(Acx’)である。図5を参照すると、この距離は次式となる。
【0030】
Apxi=Acx’+Elxi (式7)
遅延計算器のすべてに一斉配信される別のパラメータとしては、開口中心Acx’iと逆開口(inverse aperture)iApがある。Apxi’と逆開口iApの積を用いてシェーディング(アポダイゼーション)値のテーブルを備える窓関数を指標付けしている。
【0031】
3次元における斜辺は、連続する2つのCORDICにより計算することができる。第1のCORDICによりに、xとzを回転させた座標系(x’とz’)に変換する。次いで、第2のCORDICによりx’とyをx”とy”まで回転させる。第1のCORDICはx’上への回転によりx−z平面での斜辺を計算し、また第2のCORDICはx”上への回転によりここではx’−y平面での3次元の斜辺を計算している。同様に、先ずx軸とz軸をy軸の周りで回転させ、次いでy軸とx’軸をz軸の周りで回転させることによりアポダイゼーション投影を得ることができる。
【0032】
図6に示すように、CORDICはN個のステージから構成されている。ステージの指標をk=0から(N−1)までとすると、CORDICの各ステージ36が実行する座標変換は次式となる。
【0033】
【数1】
Figure 0004107840
【0034】
ここで、sk=±1である。この行列の乗算は、図7に示すように2つの加算器/減算器により容易に実施される。これにより、座標回転として、
θk=−skarctan(2-k) (式9)、
及び拡大率として、
k=hypot(1,2-k) (式10)、
が得られる。N個のステージの後の全回転は、
【0035】
【数2】
Figure 0004107840
【0036】
となり、また全拡大率は、
【0037】
【数3】
Figure 0004107840
【0038】
となる。図7に示すCORDICは、任意の入力座標をx’軸まで回転させること、及び所望の角度だけ回転させることという2つの機能を実行することができる。図7では「rotate」制御信号により上記の2機能のうちのいずれを実行するかを選択している。
【0039】
「rotate」の設定が1の場合、CORDICは、入力の位置で与えられるs0からsN-1までのN個の符号ビットに対応する角度だけ入力を回転させる。これを用いることにより、アポダイゼーションのために素子位置を回転させた軸上に投影することができる。この回転符号ビットは、送信に先立ってベクトル角βに従って計算し、すべての遅延計算器28に対してビーム形成器制御バス32(図3参照)を介してAngSとして一斉配信することができる。
【0040】
「rotate」がゼロの場合、CORDICは、斜辺をx’として提供するために座標をx’軸まで回転させる。この処理は、各ステージの符号ビットskを入力zkの符号ビットに設定することにより実施される。したがって、その回転方向は常にx’軸の方に向いている。各ステージが連続するのに伴って、回転角は段々と小さくなり、斜辺は徐々にx’軸に近づく。最終的なx’出力は、斜辺をM倍にしたものと等しくなり、その最大残留誤差は最小角により次式のように決定される。
【0041】
max=hmax(1−cos(θN-1))≡hmax×2-2N+1 (式13)
ここで、Emaxは最大残留誤差、またhmaxは最大斜辺である。最大斜辺を200μsec、最大遅延誤差を6.25nsecとすると、8ステージ(N=8)のCORDICで十分である。拡大率は回転角と無関係に一定であるため、入力を1/Mに事前スケール変換しておくことにより正しいスケールの出力が得られる。
【0042】
上述の機敏型ビーム形成器は、機敏で、簡単であり、かつ正確である。ベクトル依存でありかつ素子依存であるようなパラメータは存在しない。ベクトル依存のパラメータは素子に依存せず、素子依存のパラメータはベクトルに依存しないからである。得られるパラメータの数が少ないため、迅速なプログラミングが可能である。さらに、状態遷移機械がないため、遅延計算はベクトルに沿った任意の場所で開始することができる。CORDICは本来的にパイプライン化されており、極めて単純である。CORDICで必要となる加算/減算の回数は僅かである。その精度は、近似を基本としないステージの数で決定される。
【0043】
図3に示す好ましい実施形態によれば、遅延計算器28は要求されたすべてのパラメータをビーム形成器制御バス26を介して受け取る。この制御バスには、少なくとも16個のデータビットと、13個のアドレスビットと、1個の「Start」ビットとが必要である。この「Start」信号により、新たにベクトルを開始させるために計算器をリセットさせている。トランスジューサ・アレイの幾何学構成パラメータは走査の前に書き込まれ、一方、ベクトル・パラメータは走査と同期して書き込まれる。動的受信の場合、このバスは15MHzで動作する必要がある(デュアル並列ビーム受信の場合は、30MHzバスまたは別に15MHzバスが必要となる)。概ね同一の別の制御構造やバスを送信及び受信のために使用することもできる。
【0044】
トランスジューサを起動させると、素子/チャンネルの1つの組み合わせあたり3つの素子位置パラメータ(Elxi,Elzi,Elyi)が必要となる。走査中には、焦点位置(Focx、Focz、Focy)、距離オフセット(Roffset)、開口中心(ACx’)、逆開口サイズ(iAp)、マルチプレクサ状態(MUX State)、並びにベクトル角符号ビット(AngS)という8つのベクトル・パラメータが更新される。動的受信ビーム形成の場合、初めの6つは受信中に更新される。更新が2.5MHzの速度である場合、得られた2.5MHzのビーム形成遅延出力は適度な精密さをもつように線形補間することができる。これにより15MHzのバス速度が要求される。
【0045】
MUX Stateは、マルチプレクサを用いて異なる物理的素子(または複数の素子)を個々のチャンネルに接続させる際に必要となる。このことは、素子数がビーム形成チャンネルの数を超えるような大きな線形トランスジューサまたは凸型トランスジューサに特有である。次いで、各遅延チャンネルに対応する素子位置はMUX Stateに応じて決まる。
【0046】
各遅延計算器28は、遅延及びアポダイゼーション情報をそれぞれのチャンネル制御バス30を介してそれぞれ複数のビーム形成器チャンネル32に出力している。16チャンネルの単一ビーム遅延計算器では、このバスは16個のデータビットと、5個のアドレスビットと、1個の「Strt」信号とを有する必要がある。遅延計算器は、遅延及びアポダイゼーションのデータをチャンネルごとに交互配置させて出力している。16チャンネルの場合、1チャンネルあたり2.5MHzで更新するには40MHzのバスが必要である。アドレスビット4個でこれらのチャンネルを指標付けし、また1個のアドレスビットにより遅延かアポダイゼーションかを指示している。
【0047】
本発明を組み込んでいない遅延計算器を(図8−1と8−2からなる)合成図である図8に示している。この遅延計算器は16チャンネル用の遅延及びアポダイゼーションを提供している。起動させたアレイに関する情報を格納するためには、4つの比較的小さなランダムアクセス・メモリ(RAM)を用いている。この遅延計算器は、各チャンネルに関連する最大で4個の物理的素子により、起こりうる256のMUX状態を提供している。「MUX」RAM64は、各MUX状態ごとに各チャンネルに使用可能な4個の素子のうちのどれが接続されているかを示す1つの2ビット値を記憶している。3つの「Chn」RAM66、68及び70は、チャンネルごとに関連する4個の物理的素子の各々の座標を保持している。この2ステップ式構造により、大きなメモリを必要としないマルチプレクサ設計の完璧な柔軟性を提供できる。
【0048】
遅延計算器は16個のチャンネルを40MHzの速度でループしており、これによりすべてのチャンネルに対する遅延を必要な2.5MHzの速度で計算することができる。この処理は、「Start」信号で初期化される4ビット繰り上げカウンタ58(図8−1参照)により実行される。この「Start」信号は遅延回路60によっても受信される。この繰り上げカウンタ58は、4ビットのチャンネル指標(図8では「Channel」と名称を付している)を、「Chn」RAM66、68及び70に、さらに別の遅延回路62に出力している。遅延回路60及び62はそれぞれに、「Start」信号と「Channel」信号(図8−1ではそれぞれ、「Strt」と「Chn」と名称を付している)を遅延させた形態で出力している。「Strt」信号と「Chn」信号は、対応する遅延及びアポダイゼーションのデータに一致するように出力される。
【0049】
4ビットのチャンネル指標は8ビットMUX State信号と合成させ「MUX」RAM64から素子指標を検索する。得られた2ビットの素子指標を4ビットのチャンネル指標と合成させ、「Chn」RAM66、68及び70内の物理的な素子座標を検索する。
【0050】
「Start」信号により短い初期化が起動され、続いて、パイプライン式で遅延及びアポダイゼーションが計算される。この初期化により「MUX」RAM64及び素子投影(「PROJ」)RAM92(図8−2参照)をセットアップすることができる。
【0051】
アポダイゼーション用の素子投影RAM92をセットアップするには、「Start」に続き、16チャンネルを通る第1のループを用いることができる。初期化の間に、「Chn」RAM66、68及び70からの素子位置は、線B及びそれぞれのALU78、80及び82のマルチプレクサ110(図9参照)を介して直接CORDICに渡され、またCORDIC84及び86の制御は、AngSに従った固定角度の回転を実行するように設定される。これらの結果は投影RAM92内に格納される。動的計算のためのパイプを作成するためには、16チャンネルを通る第2のループを用いることができる。全初期化時間は0.5μsec未満である。CORDIC制御をパイプライン動作と同期させることにより、追加的なループが不要となり、初期化を0.25μsecまで短縮させることができる。
【0052】
初期化の後、遅延計算器は動的パラメータの更新、並びに動的遅延及びアポダイゼーションの生成を開始する。遅延(図8−1参照)では、レジスタ72及び74からの焦点座標が、ALU78及び80内で「ChnX」RAM66及び「ChnZ」RAM68からの素子座標よりそれぞれ差し引かれ、この座標差x及びzの絶対値がCORDIC84に供給され、さらに、レジスタ76からの焦点座標がALU82内で「ChnY」RAM70からの素子座標より差し引かれ、差yの絶対値が、CORDIC84の出力と共にCORDIC88に供給される。各ALUが実行するこれらの演算は、図9では加算器/減算器106及び絶対値ブロック108により表している。加算器/減算器106は線Aを介して焦点座標を、また線Bを介して素子位置座標を受け取っている。マルチプレクサ110はこの絶対値をそれぞれのCORDICに渡すように切り換えられる。
【0053】
第1のCORDIC84はx及びzを回転させた座標系(x’及びz’)に変換している。次いで、第2のCORDIC86は、x’及びyをx”及びy”まで回転させている。第1のCORDIC84は、x’上への回転によってx−z平面での斜辺を計算し、また第2のCORDIC86はx”上への回転によって、ここではx’−y平面での3次元の斜辺を計算している。計算された斜辺は伝搬時間に対応する。レジスタ88からの距離オフセット時間(Roffset)は、加算器90内においてCORDIC86の出力から差し引かれ、遅延が生成される。
【0054】
アポダイゼーションでは、レジスタ94からの開口中心(Apx’)が式7に従って加算器96内で投影RAM92から読み取られた素子位置より差し引かれる。得られた距離Apxi’の絶対値(ブロック98)は、乗算器102により、レジスタ100からの逆開口サイズ(iAp)と乗算される。得られた積を用いて、8ビットのシェーディング値(すなわち、アポダイゼーション値)を生成している「window」RAM104内の窓関数テーブルが指標付けされる。「window」RAM104は、それぞれのテーブルが入力「BANK」により選択を受けるような一群の窓関数テーブルを格納していることが好ましい。
【0055】
焦点及び素子座標はすべて、1/Mに事前スケール調整して6.25nsec単位で表現する必要がある。さらに端数のビットを提供することにより精密さを保持するのに役立つ。RoffsetはCORDICの後にあるため、Roffsetは1/Mに事前スケール調整していない。
【0056】
湾曲したプローブの場合には、プローブのレンズ内での超音波の屈折により生ずる遅延誤差は、補正をしないと、超音波スキャナの集束を損なうことになる。本発明の好ましい実施形態によれば、上述の機敏型ビーム形成器を利用して、すべての距離に対して湾曲したプローブに関する屈折遅延誤差を補正することができる。遅延補正を決定するには、この処理を、その素子の回転済みのz軸(z’)から焦点までの角度であるφを用いて実現することができる。
【0057】
図10には、その焦点をFocus(x,z)とするような第i番目の素子Ele(i)に対する幾何学構成を表している。角φは、距離に依存しない屈折遅延誤差を提供するようなルックアップ・テーブル(LUT)を使用して遅延補正値に対応させている。困難な部分はφの計算である。しかし、機敏型ビーム形成器ではこの計算が簡単となる。
【0058】
再び図10を参照すると、角度はすべてz軸から反時計方向の回転を正として規定している。このことは、φが次式のように計算されることを意味している。
【0059】
φ=|α−β| (14)
αは、素子の回転済みのz軸であるz’から、素子の未回転のz軸までの角度である。角αは素子のみに依存しており、したがって、走査前に組み込むことができる。βは、素子のz軸から、当該素子より焦点までの線に至る角度である。βは、素子、ベクトル及び距離に依存しているが、βは受信遅延計算で使用するCORDIC回転器から決定することができる。CORDIC内の各回転ステージからのビットを使用している小さなルックアップ・テーブルにより各400nsecごとにβが決定される。CORDIC回転の固有の特性により、各ベクトルごとに各素子に対して素子のz軸から焦点までの角度が距離の関数として提供される。これにより機敏型ビーム形成器のφの計算は、減算と拡大の1回の演算まで軽減させることができる。
【0060】
図11は、本発明の好ましい実施形態による機敏型ビーム形成器の屈折計算セクションを表している。6個のチャンネルビットにより、16個のチャンネルと、各遅延計算器に現れる4つのマルチプレクサ状態とをエンコードしている。ブロック112は、図10に示すようなαのLUTである。図11には、図8−1からのCORDIC回転器84、86を破線で表しており、これによりこれらが同じものであり、ハードウェアが付加されたものでないことを示している。回転角は、各1ビットを回転の各ステージに対応するようにした、CORDIC回転器から取り出した8つのビットとして表している。回転角は16個のチャンネルの各々に対して各400nsecごとに更新している。次いで、256×8ビットの角度LUT116によりCORDIC角を図10に示すようなβに変換している。ルックアップ・テーブル112及び116の読み出し値は、加算器/減算器118に入力し、加算器/減算器118によりαをβから差し引かせている。次いで、減算結果の絶対値(ブロック120)を取ることにより角φを得ている。次いで値φは、第i番目のチャンネルの遅延調整を生成させている最終の補正LUT122への指標として使用される。補正LUT122は、このシステムに接続させた具体的なプローブに適当であるような正確な屈折遅延誤差調整をもつように走査前に組み込まれる。次いで、この調整はCORDIC計算した遅延値(Dly)に加算され、第i番目の素子に対する屈折補正済みの遅延値(Dly’)が生成される。
【0061】
シミュレーションを実行して、開示した機敏型ビーム形成器の角度屈折補正法により湾曲したプローブ向けにすべての距離に対して遅延誤差を大幅に(<10nsecの誤差まで)削減できることが確認されている。
【0062】
この好ましい実施形態では受信ビーム形成器のコンテクストで開示してきたが、本発明が送信ビーム形成においても利用できることは容易に理解されよう。本発明の別の好ましい実施形態による送信ビーム形成器を一般に表すには、単に、図3に示す受信チャンネルをパルシング回路で置き換えるだけでよい。
【0063】
さらに、図10及び11は、2次元の場合(すなわち、平面での走査)に対する好ましい実施の一形態の方法及び装置を表している。開示した技法は、第1のCORDIC回転器の8ステージの回転を表す8ビットと、第2のCORDIC回転器の8ステージの回転を表す8ビットとからなる16個のビットによりアドレス付けされた角度LUTを提供することにより、3次元の場合に拡張することができる。本発明が8ステージ式のCORDIC回転器での使用に限定されるものではないことにも留意すべきである。CORDIC回転器のステージの数は必要に応じて変更することができる。
【0064】
本発明に関し好ましい実施の形態を参照しながら記載してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であると共に、本発明の各要素は等価物により代用可能であることは当業者であれば理解するであろう。さらに、多くの修正形態により、本発明の本質的範囲を逸脱することなく具体的な状況を本発明の教示に適応させることができる。したがって、本発明を実行するように企図されたベストモードとして開示した具体的な実施形態に本発明を限定しようという意図ではない、逆に、本発明は本特許請求の範囲の域内に入るすべての実施形態を包含するという意図である。
【0065】
本特許請求の範囲で使用する場合、「〜の関数として(as a function of)」という表現は、「〜のみの関数として(as a function of only)」を意味していると解釈すべきではない。例えば、上記の定義に従えば、「yをxの関数として決定する(determine y as a function of x)」という表現があると、yがxのみの関数として決定される場合や、x並びに1つまたは複数の別の変数(例えば、z)の関数として決定される場合のすべての場合に解釈することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビーム形成器を有する従来の超音波イメージング・システムのブロック図である。
【図2】超音波トランスジューサ・アレイの幾何学構成を表している模式図である。
【図3】米国特許第6,123,671号に開示されている機敏型の遅延及びアポダイゼーション制御アーキテクチャを表しているブロック図である。
【図4】斜辺計算に対する座標回転を表している模式図である。
【図5】アポダイゼーション投影に対する座標回転を表している模式図である。
【図6】Nステージ式CORDIC回転器を表しているブロック図である。
【図7】CORDIC回転器の1つのステージを表しているブロック図である。
【図8】米国特許第6,123,671号に開示されている好ましい実施形態による遅延計算器を表している、2つの部分(図8−1及び8−2)からなるブロック図である。
【図8−1】米国特許第6,123,671号に開示されている好ましい実施形態による遅延計算器を表すブロック図である。
【図8−2】米国特許第6,123,671号に開示されている好ましい実施形態による遅延計算器を表すブロック図である。
【図9】米国特許第6,123,671号に開示されている好ましい実施形態による遅延計算器論理演算ユニット(ALU)を表しているブロック図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態による機敏型ビーム形成器屈折補正に関する幾何学構成の模式図である。
【図11】本発明の好ましい実施形態による機敏型ビーム形成器角度屈折補正アーキテクチャを表しているブロック図である。
【符号の説明】
2 トランスジューサ・アレイ
4 マルチプレクサ
6 送受信切換え(T/R)スイッチ
8 送信器
10 受信ビーム形成器
12 復調器
14 FIR(有限インパルス応答)フィルタ
16 Bモード・プロセッサ
18 走査変換器
20 ビデオ・プロセッサ
22 表示モニタ
24 ホストコンピュータ、マスタ・コントローラ
26 ビーム形成器制御バス
28 遅延計算器
30 チャンネル制御バス
32 ビーム形成器チャンネル
34 トランスジューサ素子
36 ステージ
58 繰り上げカウンタ
60 遅延回路
64 「MUX」RAM
66 「ChnX」RAM
68 「ChnZ」RAM
70 「ChnY」RAM
72 レジスタ
74 レジスタ
78 ALU
80 ALU
82 ALU
84 CORDIC
86 CORDIC
88 レジスタ
90 加算器
92 素子投影(「PROJ」)RAM
94 レジスタ
98 距離Apxi’の絶対値
100 レジスタ
102 乗算器
104 「window」RAM
106 加算器/減算器
108 絶対値ブロック
110 マルチプレクサ
112 ルックアップ・テーブル
114 CORDIC
116 ルックアップ・テーブル
118 加算器/減算器
120 絶対値ブロック
122 補正LUT

Claims (24)

  1. 多数のトランスジューサ素子(34)を備えるトランスジューサ・アレイ(2)と、前記多数のトランスジューサ素子とそれぞれ動作可能に結合されている多数の受信チャンネル(10)と、その各々がそれぞれ焦点位置を表す焦点位置データ及びそれぞれトランスジューサ素子の位置を表すトランスジューサ素子位置データの関数であるような、各トランスジューサ素子に関するそれぞれの斜辺を焦点位置に合わせて計算するように接続したCORDIC回転器(114)であって、前記計算は多数の焦点位置の各々に対して実行している、CORDIC回転器(114)と、前記CORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記CORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延をそれぞれの受信チャンネルに加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えるビーム形成システム。
  2. x座標軸及びz座標軸を有する平面内に配置した多数のトランスジューサ素子(34)を備えているトランスジューサ・アレイ(2)と、ビーム形成器(10)であって、前記多数のトランスジューサ素子とそれぞれ動作可能に結合されている多数の受信チャンネル(32)と、焦点位置のx座標及びz座標を記憶している第1のメモリ(72、74)と、その各々がx座標及びz座標を含んでいるような、前記多数のトランスジューサ素子のそれぞれの位置に関するそれぞれの座標組を記憶している第2のメモリ(66、68)と、前記焦点位置の前記x座標と前記素子位置のそれぞれのx座標の間のそれぞれのx座標差を形成させるために、前記第1及び第2のメモリと接続させた第1の加算/減算回路(78)と、前記焦点位置の前記z座標と前記素子位置のそれぞれのz座標の間のそれぞれのz座標差を形成させるために、前記第1及び第2のメモリと接続させた第2の加算/減算回路(80)と、前記第1及び第2の加算/減算回路の出力に対する座標変換を実行するために、前記第1及び第2の加算/減算回路と接続させたCORDIC回転器(84、86、114)と、前記CORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記CORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延をそれぞれの受信チャンネルに加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えているビーム形成器(10)と、を備えるビーム形成システム。
  3. 多数のトランスジューサ素子(34)を備えるトランスジューサ・アレイ(2)と、前記多数のトランスジューサ素子とそれぞれ動作可能に結合されている多数の受信チャンネル(32)と、その各々がそれぞれ焦点位置を表す焦点位置データ及びそれぞれトランスジューサ素子の位置を表すトランスジューサ素子位置データの関数であるような、各トランスジューサ素子に関するそれぞれの斜辺を焦点位置に合わせて計算するように直列に接続した第1及び第2のCORDIC回転器(114)であって、前記計算は多数の焦点位置の各々に対して実行している、第1及び第2のCORDIC回転器(114)と、前記第1及び第2のCORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記第2のCORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延をそれぞれの受信チャンネルに加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えるビーム形成システム。
  4. 前記角度屈折補正回路が、チャンネル番号とマルチプレクサ状態の関数であるような、各素子に対する第1の角度値を出力するように配列させた第1のメモリ(112)と、前記第1及び第2のCORDIC回転器が出力する回転角データの関数であるような、各素子に対する第2の角度値を出力するように配列させた第2のメモリ(116)と、前記第2の角度値から前記第1の角度値を引き算して結果を出力するための減算器(118)と、前記減算器からの結果の絶対値の関数であるような、各素子に対する遅延調整を出力するように配列させた第5のメモリ(122)と、を備えている、請求項に記載のビーム形成システム。
  5. 多数のトランスジューサ素子(34)を備えるトランスジューサ・アレイ(2)と、前記多数のトランスジューサ素子とそれぞれ動作可能に結合されている多数のパルシング回路(8)と、その各々がそれぞれ焦点位置を表す焦点位置データ及びそれぞれトランスジューサ素子の位置を表すトランスジューサ素子位置データの関数であるような、各トランスジューサ素子に関するそれぞれの斜辺を焦点位置に合わせて計算するように接続したCORDIC回転器(114)であって、前記計算は多数の焦点位置の各々に対して実行している、CORDIC回転器(114)と、前記CORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記CORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延をそれぞれのパルシング回路に加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えるビーム形成システム。
  6. 前記角度屈折補正回路が、チャンネル番号とマルチプレクサ状態の関数であるような、各素子に対する角度値αを出力するように配列させた第1のメモリ(112)と、前記CORDIC回転器が出力する回転角の関数であるような、各素子に対する角度値βを出力するように配列させた第2のメモリ(116)と、角度値βから角度値αを引き算して結果を出力するための減算器(118)と、前記減算器からの結果の絶対値の関数であるような、各素子に対する遅延調整を出力するように配列させた第3のメモリ(122)と、を備えている、請求項1または5に記載のビーム形成システム。
  7. 前記第1から第3までのメモリの各々はそれぞれにルックアップ・テーブルを備えている、請求項に記載のビーム形成システム。
  8. x座標軸及びz座標軸を有する平面内に配置した多数のトランスジューサ素子(34)を備えているトランスジューサ・アレイ(2)と、ビーム形成器(8)であって、前記多数のトランスジューサ素子とそれぞれ動作可能に結合されている多数のパルシング回路と、焦点位置のx座標及びz座標を記憶している第1のメモリ(72、74)と、その各々がx座標及びz座標を含んでいるような、前記多数のトランスジューサ素子のそれぞれの位置に関するそれぞれの座標組を記憶している第2のメモリ(66、68)と、前記焦点位置の前記x座標と前記素子位置のそれぞれのx座標の間のそれぞれのx座標差を形成させるために、前記第1及び第2のメモリと接続させた第1の加算/減算回路(78)と、前記焦点位置の前記z座標と前記素子位置のそれぞれのz座標の間のそれぞれのz座標差を形成させるために、前記第1及び第2のメモリと接続させた第2の加算/減算回路(80)と、前記第1及び第2の加算/減算回路の出力に対する座標変換を実行するために、前記第1及び第2の加算/減算回路と接続させたCORDIC回転器(84、114)と、前記CORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記CORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延をそれぞれのパルシング回路に加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えているビーム形成器(8)と、を備えるビーム形成システム。
  9. 前記角度屈折補正回路が、チャンネル番号とマルチプレクサ状態の関数であるような、各素子に対する角度値αを出力するように配列させた第3のメモリ(112)と、前記CORDIC回転器が出力する回転角の関数であるような、各素子に対する角度値βを出力するように配列させた第4のメモリ(116)と、角度値βから角度値αを引き算して結果を出力するための減算器(118)と、前記減算器からの結果の絶対値の関数であるような、各素子に対する遅延調整を出力するように配列させた第5のメモリ(122)と、を備えている、請求項に記載のビーム形成システム。
  10. 前記CORDIC回転器が、それぞれのx及びz座標差とそれぞれのz座標のそれぞれの符号ビットとの関数としてそれぞれの斜辺を計算している、請求項2ま たは8に記載のビーム形成システム。
  11. 前記CORDIC回転器は複数の連続するステージを含んでおり、該各ステージはその回転角が連続する各ステージごとに徐々に小さくなるように当該ステージに合わせて入力を回転させる座標変換を実行している、請求項2、5又は8に記載のビーム形成システム。
  12. 多数のトランスジューサ素子(34)を備えるトランスジューサ・アレイ(2)と、前記多数のトランスジューサ素子とそれぞれ動作可能に結合されている多数のパルシング回路(8)と、その各々がそれぞれ焦点位置を表す焦点位置データ及びそれぞれトランスジューサ素子の位置を表すトランスジューサ素子位置データの関数であるような、各トランスジューサ素子に関するそれぞれの斜辺を焦点位置に合わせて計算するように直列に接続した第1及び第2のCORDIC回転器(84、86、114)であって、前記計算は多数の焦点位置の各々に対して実行している、第1及び第2のCORDIC回転器(84、86、114)と、前記第1及び第2のCORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記第2のCORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延をそれぞれのパルシング回路に加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えるビーム形成システム。
  13. 前記角度屈折補正回路が、チャンネル番号とマルチプレクサ状態の関数であるような、各素子に対する第1の角度値を出力するように配列させた第1のメモリ(112)と、前記第1及び第2のCORDIC回転器が出力する回転角データの関数であるような、各素子に対する第2の角度値を出力するように配列させた第2のメモリ(116)と、前記第2の角度値から前記第1の角度値を引き算して結果を出力するための減算器(118)と、前記減算器からの結果の絶対値の関数であるような、各素子に対する遅延調整を出力するように配列させた第3のメモリ(122)と、を備えている、請求項12に記載のビーム形成システム。
  14. 平面内に配置した多数のトランスジューサ素子(34)を備えるトランスジューサ・アレイ(2)と、それぞれの受信時間遅延の組を、焦点位置及び前記トランスジューサ素子の組のそれぞれの位置の関数として計算するための遅延計算器(28)と、前記トランスジューサ・アレイを起動させ集束した超音波ビームを送信するようにプログラムされている送信ビーム形成器(8)と、トランスジューサ素子の前記組からのそれぞれのアナログ信号をディジタル・サンプルのそれぞれのベクトルに変換するための受信チャンネルの組、受信チャンネルの前記組内でディジタル・サンプルの前記それぞれのベクトルに対してそれぞれの受信時間遅延の前記組を適用するためのチャンネル制御バス、及び受信チャンネルの前記組からのディジタル・サンプルの少なくとも前記時間遅延させたベクトルを加算して正味の受信信号を生成させるためのビーム加算器、を備えている受信ビーム形成器(10)と、前記正味の受信信号から画像信号を導き出すためのプロセッサ(16)と、前記画像信号の関数であるような画像部分を有する画像を表示するための表示デバイス(22)と、を備えるイメージング・システムであって、前記遅延計算器は、その各々がそれぞれ焦点位置を表す焦点位置データ及びそれぞれトランスジューサ素子の位置を表すトランスジューサ素子位置データの関数であるような、前記組の各トランスジューサ素子に関するそれぞれの斜辺を焦点位置に合わせて計算するように接続したCORDIC回転器(84、86、114)であって、前記計算は多数の焦点位置の各々に対して実行している、CORDIC回転器(84、86、114)と、前記CORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記CORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延を前記組のそれぞれの受信チャンネルに加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えている、イメージング・システム。
  15. 前記角度屈折補正回路が、チャンネル番号とマルチプレクサ状態の関数であるような、各素子に対する角度値αを出力するように配列させた第1のメモリ(112)と、前記CORDIC回転器が出力する回転角の関数であるような、各素子に対する角度値βを出力するように配列させた第2のメモリ(116)と、角度値βから角度値αを引き算して結果を出力するための減算器(118)と、前記減算器からの結果の絶対値の関数であるような、各素子に対する遅延調整を出力するように配列させた第3のメモリ(122)と、を備えている、請求項14に記載のイメージング・システム。
  16. 前記第1から第3までのメモリの各々はそれぞれにルックアップ・テーブルを備えている、請求項15に記載のイメージング・システム。
  17. さらに、ベクトル・パラメータの組を生成するためのコンピュータ(24)と、ベクトル・パラメータの前記組を前記時間遅延計算器に分配するためのビーム形成器制御バス(26)と、を備えており、受信時間遅延の前記組は前記ベクトル・パラメータの関数である、請求項15に記載のイメージング・システム。
  18. 平面内に配置した多数のトランスジューサ素子(34)を備えるトランスジューサ・アレイ(2)と、それぞれの受信時間遅延の組を、焦点位置及び前記トランスジューサ素子の組のそれぞれの位置の関数として計算するための遅延計算器(28)と、前記トランスジューサ・アレイを起動させ集束した超音波ビームを送信するようにプログラムされている送信ビーム形成器(8)と、トランスジューサ素子の前記組からのそれぞれのアナログ信号をディジタル・サンプルのそれぞれのベクトルに変換するための受信チャンネルの組、受信チャンネルの前記組内でディジタル・サンプルの前記それぞれのベクトルに対してそれぞれの受信時間遅延の前記組を適用するためのチャンネル制御バス、及び受信チャンネルの前記組からのディジタル・サンプルの少なくとも前記時間遅延させたベクトルを加算して正味の受信信号を生成させるためのビーム加算器、を備えている受信ビーム形成器(10)と、前記正味の受信信号から画像信号を導き出すためのプロセッサ(16)と、前記画像信号の関数であるような画像部分を有する画像を表示するための表示デバイス(22)と、を備えるイメージング・システムであって、前記遅延計算器は、その各々がそれぞれ焦点位置を表す焦点位置データ及びそれぞれトランスジューサ素子の位置を表すトランスジューサ素子位置データの関数であるような、前記組の各トランスジューサ素子に関するそれぞれの斜辺を焦点位置に合わせて計算するように直列に接続した第1及び第2のCORDIC回転器(84、86、114)であって、前記計算は多数の焦点位置の各々に対して実行している、第1及び第2のCORDIC回転器(84、86、114)と、前記第1及び第2のCORDIC回転器からの回転角データの関数であるような遅延調整を出力するための角度屈折補正回路(112、116、118、120、122)と、その各々が前記第2のCORDIC回転器が出力したそれぞれの斜辺計算結果及び前記角度屈折補正回路が出力したそれぞれの遅延調整の関数であるようなそれぞれの時間遅延を前記組のそれぞれの受信チャンネルに加えるための時間遅延発生器(124)と、を備えている、イメージング・システム。
  19. 超音波ビーム形成の間の屈折による時間遅延誤差を補正するための方法であって、多数のトランスジューサ素子を有するトランスジューサ・アレイの幾何学構成パラメータを記憶するステップと、焦点位置を有する集束ビームを形成させるためのベクトル・パラメータを記憶するステップと、前記焦点位置から前記それぞれのトランスジューサ素子までの距離を表しているそれぞれの斜辺を、各斜辺を導き出すためのCORDIC回転の複数のステージを用いて前記幾何学構成パラメータ及び前記ベクトル・パラメータの関数として計算するステップと、前記幾何学構成パラメータ及びCORDIC回転の前記複数のステージで使用される回転角データの関数であるような遅延調整を決定するステップと、それぞれの時間遅延を、前記計算済みのそれぞれの斜辺及び前記それぞれの遅延調整の関数として生成するステップと、前記それぞれの時間遅延を用いてビームを形成するステップと、を含む方法。
  20. 遅延調整を計算する前記ステップが、チャンネル番号とマルチプレクサ状態の関数であるような、各素子に対する角度値αを決定するステップと、前記回転角データの関数であるような、各素子に対する角度値βを決定するステップと、角度値βから角度値αを引き算するステップと、前記引き算のステップの結果の絶対値の関数であるような、各素子に対する前記遅延調整を決定するステップと、を含んでいる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記決定のステップが、ルックアップ・テーブルをそれぞれアドレス付けすることにより実行されている、請求項20に記載の方法。
  22. CORDIC回転の各ステージがビットのシフト及び加算を含んでいる、請求項19に記載の方法。
  23. CORDIC回転の各ステージが2のべき乗であるような係数を用いた座標変換を含んでいる、請求項22に記載の方法。
  24. 超音波ビーム形成の間の屈折による時間遅延誤差を補正するための方法であって、焦点位置からトランスジューサ素子までの距離を表している斜辺をCORDIC回転を用いて計算するステップと、トランスジューサ素子の法線から焦点位置までの角φを前記CORDIC回転角の関数として計算するステップと、前記角φの関数として遅延誤差補正を生成させるステップと、前記計算済みの斜辺及び前記遅延誤差補正の関数として時間遅延を生成させるステップと、を含む方法。
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