JP4106873B2 - 静電荷像現像用トナー、その製造方法、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、その製造方法、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などで用いられ、加熱溶融定着に用いられる静電荷像現像用トナー、その製造方法、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電潜像を現像して得られるトナー画像を、紙などの画像保持材に定着させる方式として、熱によりトナーを溶融させることで定着させる、いわゆる熱溶融定着方式が多用されている。
【0003】
熱溶融定着方式には、大きく分けて非接触定着であるフラッシュ定着方式と、接触定着である熱ロールおよび熱ベルト定着方式がある。なかでも熱ロールおよび熱ベルト定着方式といった接触定着は、トナー像に伝熱部材を通常接触させることでトナーを溶融させるので高い熱効率が期待できることから、特に、小型で高速に画像を出力する電子写真複写機やプリンタに有効である。
【0004】
しかし、熱ロールおよび熱ベルトによる定着方式は、伝熱部材が溶融したトナー像に直接接触するため、トナー像の一部が伝熱部材に付着、転移し、次の出力紙上に再転移して画像を汚染するというオフセット現象を生じ易い傾向がある。この現象は高速に定着する画像形成装置にてより顕著に現れる。
【0005】
前述のオフセット現象を防ぐために、従来より熱ロールへの離型オイルの供給やトナーへのオフセット防止剤の導入が行われている。しかし、離型オイルの供給は、定着器の構造が複雑となり定着器が大型化することに加え、安定したオイル供給が困難なため、十分なオフセット抑制を達成できていない。また、トナーへのオフセット防止剤導入はオフセット防止には比較的有効であるが、一方でトナーの定着強度も低下するために、必ずしも十分な定着性能が得られているわけではない。
【0006】
また、特開平8−50367号、同10−301332号にも、加熱溶融定着時のオフセット発生防止技術が開示されているが、まだ、十分な定着性能が得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、接触型の熱溶融定着器にて長期使用してもトナーに接触する部材を汚染することなく、その結果、出力画像の汚染がないことに加えて、十分な定着強度を持つ出力画像が得られる静電荷像現像用トナー、その製造方法、高画質で高速な画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記の項目1〜により達成された。
【0009】
1.結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ジエリスリトール、トリエリスリトール、テトラエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトールからなる多価アルコール多量体成分の少なくとも1種と、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸からなる炭素数15〜30の高級脂肪酸成分の少なくとも1種との反応により製造されたエステル化合物を含有し、該エステル化合物の平均酸置換率50〜96%の範囲であり、且つ、前記エステル化合物の含有率がトナー全体に対して0.5〜50.0質量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【0011】
2.エステル化合物の融点ピークが50〜110℃の範囲にあり、且つ、前記融点ピークの半値幅が20℃以下であることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
【0012】
3.エステル化合物を重合性単量体に溶解後、重合を行い結着樹脂を製造するという工程を経て製造されたことを特徴とする前記1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
【0013】
4.前記1〜のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを製造するに当たり、結着樹脂中にエステル化合物を含有する樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させて着色粒子を用いて製造されたことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【0014】
5.前記に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【0015】
6.前記1〜及びのいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用い、発熱する部材または加熱した部材と接触させることで該トナーを溶融し、画像保持材に定着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【0016】
7.前記に記載の画像形成方法を使用して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、広い定着温度範囲で十分な定着強度を持つと共に、オフセットの発生がない高品位な定着画像を高速で得るべく鋭意検討した。その結果、本発明の目的は、平均酸置換率が50〜90%の範囲にあるエステル化合物を静電荷像現像用トナー全体の0.5〜50.0質量%含有させることにより達成されることを見いだした。
【0018】
本発明に係るエステル化合物について説明する。
本発明に係るエステル化合物は、多価アルコール成分と酸成分を縮合させることで得ることができる。前記エステル化合物は本発明の静電荷像現像用トナーの離型剤として作用すると考えられる。
【0019】
また、本発明に係る多価アルコールとは、ヒドロキシル基(水酸基ともいう)を少なくとも2つ以上有する、2価以上のアルコールであり、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、異節環を有するアルコール等が挙げられるが、2価以上の脂肪族アルコールが好ましく用いられ、更に好ましくは2価〜6価の脂肪族アルコールであり、特に好ましく用いられるのは多価アルコール多量体成分である。
【0020】
以下に具体的成分を例示する。
多価アルコール多量体成分としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ジエリスリトール、トリエリスリトール、テトラエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトールなどの多価アルコール多量体から1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0021】
酸成分としては、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸などの炭素数15〜30の高級脂肪酸が好ましく用いられ、また、1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0022】
本発明に記載の効果を得る観点から、本発明に係るエステル化合物は、その平均酸置換率が50〜96%の範囲の化合物が使用されるが、好ましくは70〜96%である。
【0023】
本発明に係るエステル化合物の酸置換とは、エステル化合物の合成に用いられる一方の構成成分である多価アルコール多量体の水酸基がもう一方の構成成分である酸化合物のカルボキシル基と反応している割合を表す。
【0024】
ここで、平均酸置換率は、以下の式で定義される。
平均酸置換率(%)=((エステル化合物のモル平均酸置換個数)/(エステル化合物を構成するアルコール成分の持つ価数の平均値)×100)
式中、エステル化合物のモル平均酸置換個数は、1H−NMR装置を用いて、酸置換個数ごとに得られるピークの面積平均値として求めることができる。なお、エステル化合物のモル平均酸置換基個数の測定に用いた1H−NMR装置および測定条件を以下に示す。
【0025】
1H−NMR装置及び測定条件》
装置 :LA400(JEOL製)
観測核 :H
観測範囲 :8000Hz
フィリプアングル:45度
取り込み時間 :4096ms
パルス遅延時間 :2.904s
エステル化合物を構成するアルコール成分の持つ水酸基個数の平均値は、NMRおよびGC/MSを併用することで求めることができる。アルコール成分が1種類の場合は、該アルコール成分の水酸基価数と一致することになる。
【0026】
これら2つの値の比率から平均酸置換率を算出することができる。
また、エステル化合物の数平均分子量は100〜5000の範囲が好ましい。尚、エステル化合物の分子量はその分子構造式から求めることができる。
【0027】
本発明に記載の効果を好ましく得る観点から、本発明に係るエステル化合物は、その融点ピーク温度が50℃〜100℃の範囲で、且つ、かつ融点ピークの半値幅が2〜15℃のエステル化合物を用いることが好ましく、更にこのましくは融点ピークの半値幅が2〜10℃である。
【0028】
ここで、融点ピーク温度およびその半値幅は、示差熱分析装置(DSC)により求めることができる。DSCによる測定は、ASTM D3418−8に準じて測定され、本発明においては、得られたDSC曲線における主体極大ピーク点における温度を融点ピーク温度と定義する。
【0029】
測定は具体的には、例えば示差熱分析装置DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて行う。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い、対照用には空のパンをセットし、昇温速度は10℃/minとする。
【0030】
又、融点ピークの半値幅は、ベースラインに対する融点ピークの高さの1/2の位置にベースラインと平行な線を引き、融点ピーク前後のDSC曲線との交点位置から温度を読みとることで求める。
【0031】
エステル化合物は本発明においては離型剤として作用するが、本発明に記載の効果を得る観点から、エステル化合物は、トナー全体に対して0.5〜50.0質量%の含有率に調整することが必要であるが、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じてエステル化合物以外の離型剤を併用しても良い。
【0032】
下記にエステル化合物の具体例を示すが本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004106873
上記記載の化合物の組成は下記に示す。
【0033】
化合物(1) :ジグリセロールのベヘン酸エステル
化合物(2) :ジグリセロールのベヘン酸エステル
化合物(3) :ジグリセロールのモンタン酸エステル
化合物(4) :トリグリセロールのベヘン酸エステル
化合物(5) :トリグリセロールのモンタン酸エステル
化合物(6) :ジエリスリトールのパルミチン酸エステル
化合物(7) :ジエリスリトールのステアリン酸エステル
化合物(8) :ジエリスリトールのアラキン酸エステル
化合物(9) :ジエリスリトールのモンタン酸エステル
化合物(10) :ジペンタエリスリトールのベヘン酸エステル
化合物(11) :ジペンタエリスリトールのモンタン酸エステル
本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
【0034】
静電荷像現像用トナーの製造方法としては公知の方法を用いることができる。具体的には、構成される材料を混合し、溶融混練した後、冷却工程を経て、粉砕、分級を行い、トナーを得る粉砕法、また、乳化重合、懸濁重合などを用いてトナーを得る重合法などが使用できる。本発明において特に好適なのは、重合法による製造方法である。
【0035】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造に用いられる懸濁重合法の一例を下記に示す。
【0036】
まず、重合性単量体中にエステル化合物を溶解させ、着色剤や必要に応じて離型剤、更に重合開始剤等の各種の構成材料を添加し、ホモジナイザ、サンドミル、サンドグラインダ、超音波分散機などで重合性単量体に前記の構成材料を溶解または分散させる。
【0037】
この各種構成材料が溶解または分散された重合性単量体を分散安定剤を含有している水系媒体中にホモミキサ、ホモジナイザなどを使用してトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構を有する反応装置へ移し、加熱して重合反応を進行させる。
【0038】
反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、更に乾燥することで本発明の静電荷像現像用トナーを調製する。尚、本発明において用いられる「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものである。
【0039】
また、本発明においては、結着樹脂中にエステル化合物を内包させた樹脂粒子を重合法により得た後、塩析、融着させることでトナーを製造する、いわゆる会合型のトナー製造方法を用いるとさらに良好な性能を得ることができる。この理由は定かではないが、会合型の製造方法とすることでトナー粒子中へのエステル化合物の分散状態をより均一にすることができるためだと推察される。
【0040】
以下に、好ましいトナー製造の一例を示す。この例では以下の7工程からトナーが製造される。
【0041】
(1)単量体にエステル化合物を溶解して単量体溶液を調製する溶解工程
(2)得られた単量体溶液を水系媒体中に分散する分散工程
(3)得られた単量体溶液の水系分散系を重合処理することにより、エステル化合物を含有する樹脂粒子の分散液(ラテックス)を調製する重合工程
(4)得られた樹脂粒子と、前記着色剤粒子とを水系媒体中で塩析、融着させて会合粒子を得る塩析、融着工程
(5)得られた会合粒子を水系媒体中より濾別し、当該会合粒子から界面活性剤などを洗浄除去する濾過、洗浄工程
(6)洗浄処理された会合粒子の乾燥工程
(7)乾燥処理された会合粒子に外添剤を添加する外添工程
〔溶解工程〕
単量体にエステル化合物を溶解する方法は特に限定されない。単量体へのエステル化合物の溶解量としては、最終的に得られるトナーにおけるエステル化合物の含有率が0.5〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは2〜20質量%となる量である。なお、この単量体溶液中に油溶性重合開始剤および他の油溶性の成分を添加しても良い。
【0042】
〔分散工程〕
単量体溶液を水系媒体中に分散させる方法としては、特に限定されないが、機械的エネルギーにより分散させる方法が好ましく、特に、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、機械的エネルギーを利用して単量体溶液を油滴分散させる方法(ミニエマルジョン法における必須の態様)が好ましい。界面活性剤としては公知のものを使用できる。
【0043】
また、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば「クレアミックス」などの機械式ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、圧力式ホモジナイザなどを挙げることができる。なお、分散粒子径としては、10〜1000nmが好ましく、さらに好ましくは30〜300nmである。
【0044】
〔重合工程〕
重合工程においては、基本的には従来公知の重合法(乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法などの造粒重合法)を採用することができる。好ましい重合法の一例としては、ミニエマルジョン法、すなわち、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、機械的エネルギーを利用して単量体溶液を油滴分散させて得られる分散液に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させる方法を挙げることができる。
【0045】
〔塩析、融着工程〕
塩析、融着工程においては、上記の重合工程により得られる樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を添加し、前記樹脂粒子と、前記着色剤粒子とを水系媒体中で塩析、融着させる。なお、当該塩析、融着工程においては、樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子なども融着させても良い。
【0046】
塩析、融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
【0047】
塩析、融着工程に使用される着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上に設定した状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは「クレアミックス」などの機械式ホモジナイザ、超音波式ホモジナイザ、圧力式ホモジナイザ等の分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、界面活性剤には公知のものを使用することができる。
【0048】
なお、着色剤(粒子)は表面改質されていても良い。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
【0049】
塩析、融着工程は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
【0050】
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0051】
さらに、前記の水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等が挙げられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが好ましく、特に2−プロパノールが好ましい。
【0052】
塩析、融着工程においては、塩析剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱することが好ましい。ここで、樹脂粒子および着色剤粒子の分散液が前記ガラス転移温度以上の温度に到達した後、当該分散液の温度を一定時間保持することにより、塩析、融着を継続させると良好な結果を得られる。また、会合粒子の成長を停止させた後に、加熱による融着を継続させても良い。
【0053】
〔濾過/洗浄工程〕
この濾過/洗浄工程では、上記の工程で得られたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を濾別する処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
【0054】
ここで濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などが用いられるが、特に限定されるものではない。
【0055】
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
【0056】
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
【0057】
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下である。
【0058】
なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、さらに解砕処理を加えても良い。ここで解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
【0059】
〔外添工程〕
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程である。
【0060】
外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサ、ヘンシエルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
【0061】
尚、会合型の製造方法によるトナーは、その形状係数の平均値としては0.930〜0.980が好ましい。また、特に好ましくは0.940〜0.975の範囲である。ここで、形状係数は以下の式で定義される。
【0062】
形状係数=(円相当径から求めた円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
形状係数の簡便な測定方法としては、粒子形状解析装置FPIA−2000(東亜医用電子製)により測定することができる。形状係数の制御にあたっては、例えば、塩析、融着工程において、温度、時間を調整することで行うことができる。
【0063】
ここで、本発明のトナーの粒径は、体積平均粒径で3.0〜9.0μmが好ましい。これらのトナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザを用いて測定することができる。コールターマルチサイザではアパーチャ径100μmのアパーチャを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定されたものを示す。
【0064】
さらに、トナーとしては、3.0μm以下の微粉トナー量が個数分布で全体の20個数%以下、さらに好ましくは2.0μm以下の微粉トナー量が10個数%以下としたものが好ましい。
【0065】
本発明に係る結着樹脂について説明する。
本発明には公知の結着樹脂を使用することができる。
【0066】
具体的には例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の共重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン、ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。これらのうち、好ましい結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン系共重合体樹脂が挙げられる。
【0067】
なお、スチレン系共重合体のスチレンモノマーに組み合わされるモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類などが挙げられる。共重合体を形成するモノマーとしてはこれらのビニル系モノマーが単独もしくは2種類以上が用いられる。
【0068】
また、本発明のトナー用結着樹脂としては、これらの樹脂を2つ以上混合または架橋して用いてもよい。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いても良い。具体的には例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレートのような二重結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは2種類以上が用いられる。
【0069】
本発明に係る着色剤について説明する。
着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
【0070】
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0071】
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0072】
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0073】
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0074】
なお、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
【0075】
本発明に用いられる荷電制御剤について説明する。
本発明のトナーには、必要に応じて公知の荷電制御剤を用いることができる。
【0076】
具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Niなどが挙げられる。荷電制御剤として特に好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。なお、荷電制御剤は、好ましくはトナー全体に対して0.1〜20.0質量%の含有率とすると、良好な結果を得ることができる。
【0077】
本発明に用いられる外添剤について説明する。
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0078】
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いても良い。具体的なシリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0079】
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0080】
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0081】
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0082】
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。
【0083】
本発明に用いられる滑剤について説明する。
本発明のトナーには、必要に応じてクリーニング性、転写性の向上のために滑剤を添加しても良い。滑剤としては、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0084】
これら滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0085】
本発明に用いられる現像剤について説明する。
本発明のトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いても良い。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれにも使用することができる。また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは20〜80μmのものが良い。
【0086】
キャリアの体積平均粒径の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0087】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0088】
また、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲とするのが良い。
【0089】
本発明の画像形成方法、画像形成装置を図面を参照しながら説明する。
本発明のトナーは、発熱する部材もしくは加熱した部材を接触させることで前記トナーを溶融し、画像保持部材に定着させる工程を経て画像形成が行われる。また、本発明の画像形成装置は、上記のような定着手段を有することが特徴である。
【0090】
図1は、本発明の画像形成方法、画像形成装置に用いられる定着装置の一例を示す概略図であり、図1に示す定着装置は、加熱ロール10と、これに当接する加圧ロール20とを備えている。図1において、Tは画像保持体8(画像支持体とも呼び、転写紙が代表的なものである)上に形成されたトナー画像である。加熱ロール10は、芯金11の表面にシリコーンゴムからなる被覆層12が形成されてなり、線状ヒータよりなる加熱部材13を内包している。芯金11は、アルミニウム、鉄および銅より選択された金属あるいはそれらの合金から構成され、その内径は10〜50mmとされる。芯金11の肉厚は0.1〜2.0mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmに調整することが好ましい。
【0091】
被覆層12を構成するシリコーンゴムは、例えばLTV、RTV、HTVの各シリコーンゴムをあげることができる。被覆層12の厚みは0.2mm以上である。好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは1.0〜5.0mmである。厚みが0.2mm未満であると定着のニップを大きくすることができず、十分な定着性能を発揮できない場合がある。
【0092】
加熱部材13としては、ハロゲンヒータが好ましく使用される。なお、発熱部材は1本のみでなく、図2に示すように、複数の発熱部材を内包させて、通過する紙のサイズ(幅)に応じて配熱領域を変更できるような構成としてもよい。図2に示す加熱ロール10には、ロール表面の中央領域を加熱するためのハロゲンヒータ16Aと、ロール表面の端部領域を加熱するためのハロゲンヒータ16B、ハロゲンヒータ16Cとが配設されている。図2に示すような加熱ロール10によれば、幅狭の紙を通過させる場合には、ハロゲンヒータ16Aにのみ通電し、幅広の紙を通過させる場合には、更にハロゲンヒータ16Bおよびハロゲンヒータ16Cにも通電させれば良い。
【0093】
図1に示す加圧ロール20は、芯金21の表面にゴムからなる被覆層22が形成されてなる。なお、被覆層のゴムは特に限定されるものでは無く、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどを使用することができるが、より好ましくは耐熱性のシリコーンゴムである。シリコーンゴムとしては、被覆層12と同様の素材を使用することができる。芯金21は、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金から構成されている。
【0094】
被覆層22の厚みは0.2mm以上が好ましく、更に好ましくは0.5〜10mm、特に好ましくは1.0〜5mmである。厚みが0.2mm未満であると定着のニップを大きくすることができず、十分な定着性能を発揮できない場合がある。被覆層12及び22を構成するシリコーンゴムあるいはゴムのアスカーC硬度は35〜75、好ましくは40〜50とされ、シリコーンスポンジゴムを好ましく使用することができる。
【0095】
加熱ロール10と加圧ロール20との当接荷重(総荷重)としては、通常40〜350Nとされ、好ましくは50〜300N、さらに好ましくは50〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ロール10の強度(芯金11の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ロールにあっては、250N以下とすることが好ましい。
【0096】
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4〜8mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6〜1.5×105Paであることが好ましい。
【0097】
図1に示した定着装置による定着条件の一例を示せば、定着温度(加熱ロール10の表面温度)が150〜210℃が好ましく、また、定着線速が80〜640mm/secが好ましい。
【0098】
定着装置には、必要に応じて定着器のクリーニング機構を付与しても良い。この場合には、シリコーンオイルを定着器の熱ロールに供給する方式として、シリコーンオイルを含浸したパッド、ロール、ウェッブ等で供給し、クリーニングする方法が使用できる。
【0099】
シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシリコーン、ポリフェニルメチルシリコーン、ポリジフェニルシリコーン等が使用される。粘度の低いものは使用時に流出量が大きくなることから、20℃における粘度が1〜100Pa・sのものが好適に使用される。特に、本発明はシリコーンオイルを一定量使用する方式で顕著に効果が発揮される。
【0100】
この場合、シリコーンオイルの供給量は特に限定されるものではないが、0.1〜5.0μg/cm2程度が定着した後の紙などに対するシリコーンオイルの付着量が少なくてすむ。且つ、紙へ付着したシリコーンオイルによるボールペン等の油性ペンでの記入しずらさが無く、一方で定着オフセットの問題が発生しない領域として好ましい。
【0101】
また、ロール表面の端部領域が過熱されることを抑制するために、定着装置には、当該端部領域の冷却ファンなどが設けられていても良い。
【0102】
また、上記は加熱ロールと加圧ロールを用いた定着器について説明したが、本発明においては、加熱部材が熱ベルトタイプの定着器、あるいは予備加熱機構を備えたもの等でも好ましく用いることができる。前記のような定着器の例を下記のように図3を用いて説明する。
【0103】
図3において、(a)、(b)及び(c)は各々、本発明で用いられる定着装置(定着器)の一例を示す概略図であり、詳しくは、図3(a)は熱ベルトタイプの定着装置、(b)、(c)は発熱部材を加熱ロール表面近傍に設けた定着装置の例を示している。
【0104】
これらの定着装置において、図1、2と共通の付番が付けられているものは、同様の機能形状を持つ部材であり、定着装置を画像保持体8が通過する方向も図1と同様で、右から左へと通過する。
【0105】
図3(a)で示される熱ベルトタイプの定着装置は、薄層ベルト31、熱ベルトの駆動ロール32、支持従動ロール33を有している。薄層ベルト31の素材としては、通常は耐熱性樹脂または金属が用いられる。
【0106】
トナー画像Tを担持した画像保持体8は、加圧ロール20と薄層ベルト31の間を通るが、その狭持部分には薄層ベルト31の背面側に発熱部材35が設けられており、加熱、定着される。なお、薄層ベルト31の背面側には加熱温度制御用センサ34が設けられている。
【0107】
図3(b)は、加熱ロール10の表面近傍に発熱部材37を備えた定着装置の例である。この場合も、トナー画像Tを担持した画像保持体8は、加熱ロール10と加圧ロール20の間を通過し、その狭持部分において加熱定着される。
【0108】
図3(c)は図3(b)と同様に加熱ロール10の表面近傍に発熱部材37を備えているが、発熱部材37が加熱ロールと一体となっている例であり、このように加熱ロールと発熱部材を一体化することで、加熱温度の制御を精密に行うことができる利点がある。
【0109】
いずれの方式においても加熱ロールあるいは熱ベルトの表面粗さRaが0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましく、ここでRaとはJIS B 0601で規定されている方法によって求めた表面粗さである。また、その熱ロールあるいは熱ベルト等の最表面はフッ素樹脂、特にポリパーフルオロアルキルエーテルを主成分とする厚さ10〜200μmの離型保護層38で被覆されているのが好ましい。なお、前記したように、その表面に被覆層がすでに塗設されている場合においても、さらにその上にこの層を設けても良い。
【0110】
図4は、本発明で使用される画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体4は、静電潜像形成体の一例である。アルミニウム製ドラム基体の外周面に感光体層である有機光半導体(OPC)を形成してなるもので、矢印方向に所定の速度で回転する。感光体4には外径15〜120mmのものが良く用いられる。
【0111】
図4において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図4の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体は、あらかじめ帯電器5により一様帯電され、像露光のタイミングに合わせて時計方向に回転する。
【0112】
感光体4の面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた画像保持体8に転写器7の作用により転写される。さらに感光体4と画像保持体8は分離器(分離極)9により分離されるが、トナー画像は画像保持体8に転写担持されて、定着器100へと導かれ定着される。
【0113】
感光体4の面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器25にて清掃され、帯電前露光(PCL)26にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電される。クリーニングブレード27は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体からなり、ウレタンゴムが最もよく用いられる。
【0114】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。
【0115】
実施例1
《静電荷像現像用トナーの製造》
(ラテックス(1)の調製)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(1)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
【0116】
一方、下記の一覧に示すエステル化合物(1)72.0gを、スチレン単量体120.0g、n−ブチルアクリレート単量体42.0g、メタクリル酸単量体11.0gからなる混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液(1)を調製した。
【0117】
循環経路を有する機械式分散機により、80℃に加温したまま界面活性剤溶液(1)中に単量体溶液(1)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)分散液(1)を調製した。
【0118】
次いで、乳化粒子分散液(1)に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。
【0119】
次いで、このラテックスに、80℃の加温下で重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、さらにスチレン単量体384.0g、n−ブチルアクリレート単量体140.0g、メタクリル酸単量体36.0g、t−ドデシルメルカプタン13.7gからなる混合液を120分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり撹拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却してラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1)」とする。
【0120】
(着色剤分散液(1)の調製)
n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160mlに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)20gを徐々に添加し、次いで、高速回転するロータを備えた撹拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液(1)を調製した。この着色剤分散液(1)における着色剤の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で112nmであった。
【0121】
(静電荷像現像用トナー(1)の製造)
ラテックス(1)1250gと、イオン交換水2000ml、着色剤分散液(1)とを、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた5000mlの四つ口フラスコに入れ撹拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、撹拌下で30℃にて10分間かけて添加した。その後、この系を6分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンタTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度92℃±2℃にて5時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させた。その後、10分間かけて30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整することで会合粒子を得た。生成した会合粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、温風で乾燥して着色粒子(1)を得た。
【0122】
このようにして得られた着色粒子(1)100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサにて外添混合して、結着樹脂中にエステル化合物を含有する樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させてなる静電荷像現像用トナー(1)を得た。
【0123】
《静電荷像現像用トナー(2)〜(11)の製造》
静電荷像現像用トナー1の製造に用いたラテックス(1)の製造において、エステル化合物(1)を下記の一覧に示したように変更した以外は同様にして、結着樹脂中にエステル化合物を含有する樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させてなる静電荷像現像用トナー(2)〜(11)を得た。
【0124】
《静電荷像現像用トナー(12)の製造》(懸濁重合法による製造例)
165gのスチレン、35gのn−ブチルアクリレート、10gのカーボンブラック、40gの化合物(1)(エステル化合物)を85℃に加温し、TKホモミキサ(特殊機化工業社製)にて1200rpmで均一に溶解、分散した。
【0125】
上記の分散液に重合開始剤として10gの2,2’−アゾビス(2,4−バレロニトリル)を加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサにて13000rpmで攪拌しながら、1.0M塩化カルシウム68gを除除に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。
【0126】
この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
【0127】
塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて遠心沈降法により液中にて分散を行い、次いで濾過、洗浄、乾燥させた。得られた着色粒子100質量部に1質量部のシリカ微粒子をヘンシェルミキサにて外添混合して、個数平均粒径5.8μmの懸濁重合法により製造した静電荷像現像用トナー12を得た。(トナー12ともいう)
《比較用静電荷像現像用トナー(1)〜(2)の製造》
ラテックス(1)の製造において、エステル化合物(1)を比較化合物(1)〜(2)に変更した他は同様にして、結着樹脂中にエステル化合物を含有する樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させてなる比較用静電荷像現像用トナー(1)、比較用静電荷像現像用トナー(2)を得た。
【0128】
比較化合物(1)、(2)の組成、各々の化合物の特性は下記の通りである。
《比較化合物の組成》
比較化合物(1):ジグリセロールのステアリン酸エステル
比較化合物(2):ジグリセロールのステアリン酸エステル
《比較化合物の特性》
エステル化合物 平均酸置換率 融点 融点ピークの半値幅
比較化合物(1) 100% 68℃ 2℃
比較化合物(2) 50% 66℃ 15℃
《比較用静電荷像現像用トナー(3)の製造》
ラテックス(1)の製造において、前記のエステル化合物(1)の添加量を下記の一覧に変更した他は同様にして、結着樹脂中にエステル化合物を含有する樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させてなる比較用静電荷像現像用トナー(3)を得た。
【0129】
《比較用静電荷像現像用トナー(4)の製造》
ラテックス(1)の製造において、エステル化合物(1)を使用しない他は同様にして、樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させてなる比較用静電荷像現像用トナー(4)を得た。
【0130】
トナー エステル 含有率 トナー トナー
番号 化合物 (質量%) 形状係数 個数平均粒径
(1) (1) 8.5 0.960 6.5μm
(2) (2) 10 0.945 6.5μm
(3) (3) 10 0.950 6.5μm
(4) (4) 5.0 0.970 6.0μm
(5) (5) 15 0.955 6.0μm
(6) (6) 8.5 0.965 6.0μm
(7) (7) 10 0.920 6.8μm
(8) (8) 2.0 0.915 7.2μm
(9) (7) 10 0.920 6.8μm
(10) (8) 2.0 0.915 7.2μm
(11) (1) 7.5 0.925 7.5μm
(12) (1) 20 0.970 5.5μm
比較(1)比較(1) 20 0.985 7.0μm
比較(2)比較(2) 10 0.990 7.5μm
比較(3) (1) 55 0.975 6.5μm
比較(4) なし 0 0.980 7.2μm
以上のようにして得られたトナー(1)〜(12)および比較用トナー(1)〜(4)の各々について、エステル化合物の含有率、トナー形状係数および個数平均粒径を測定した。結果を下記に示す。なお、下記において、トナーの形状係数は、「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)を使用し、試料分析量0.3μリットル、検出粒子数1500〜5000個の条件で測定したものである。
【0131】
得られた本発明の静電荷像現像用トナー、比較の静電荷像現像用トナーの特性評価は下記に記載のように現像剤を製造し、次いで定着可能温度領域評価、オフセット評価を行った。
【0132】
《現像剤の製造》
上記で製造した静電荷像現像用トナー(1)〜(12)(トナー(1)〜トナー(12)ともいう)の各々について、マグネタイト粒子にシリコーン樹脂を被覆したシリコーンコートキャリア(平均粒径50μm)を、現像剤中のトナー質量濃度が5質量%となるように調製し、Wコーン型混合機にて混合して現像剤(1)〜(12)を製造した。
【0133】
上記において静電荷像現像用トナーを比較用静電荷像現像用トナー(1)〜(4)に各々、変更した以外は同様にして、現像剤(13)〜(16)を得た。
【0134】
上記の現像剤について下記のような評価を行った。
《定着可能温度領域評価》
デジタル複写機Konica7075(コニカ社製)の熱ロール定着器を改造して、熱ロール温度を任意に設定できるようにした。その後、得られた各現像剤を複写機に搭載し、熱ロール温度を130℃〜240℃まで10℃刻みで変更しつつ定着画像を作製した。なお、定着画像の出力に当たっては、A4サイズの普通紙(坪量65g/m2)を使用した。
【0135】
得られた定着画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。具体的には、トナー付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタ定着画像を作製した後、スコッチメンディングテープ(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。画像濃度の測定にはマクベス反射濃度計RD−918を使用し、定着率が90%以上得られた定着温度を定着可能温度とする。
【0136】
ここで、定着可能温度領域(定着可能温度範囲ともいう)が100℃以上ある場合を◎(優良)、70℃以上を○(良好)、40℃以上を△(実用可能)、40℃未満を×(不良)と判断した。
【0137】
《オフセット発生評価》
10℃、20%RHの低温低湿環境にてデジタル複写機Konica7075(コニカ社製)に各現像剤を搭載し、同環境にて調湿されたA3サイズの普通紙(坪量65g/m2)で連続1000枚のコピーを行い、画像上および1000枚のコピー後の熱ロール表面を直接目視観察することで、オフセット発生の有無を評価した。
【0138】
ここで、画像上および熱ロール表面ともにオフセットの発生が見られない場合を○(良好)、画像上には見られないが熱ロールにはオフセットが発生している場合を△(実用可能)、画像上にオフセットによる汚れが発生した場合を×(不良:実用不可)と判断した。
【0139】
得られた現像剤の性能評価結果を下記に示す。
Figure 0004106873
上記の評価結果から、比較の試料に比べ、本発明のトナーを用いて製造した本発明の試料は定着可能温度領域が広く、且つ、オフセット発生も少ないことが明らかである。
【0140】
実施例2
性能評価に使用する定着器を図3(a)に示すような熱ベルト定着器に変更した以外は、実施例1に記載の同様にして性能評価を行った。得られた評価結果を下記に示す。
【0141】
Figure 0004106873
上記の評価(結果から、比較の試料に比べ、本発明の試料は定着可能温度領域が広く、且つ、オフセット発生も少ないことが明らかである。
【0142】
実施例3
性能評価に使用する定着器を図3(c)に示すようなロール表面近傍に発熱部材を持つ熱ロール定着器に変更した以外は、実施例1に記載と同様にして評価を行った。得られた性能評価結果を下記に示す。
【0143】
Figure 0004106873
上記の評価結果から、比較の試料に比べ、本発明の試料は定着可能温度領域が広く、且つ、オフセット発生も少ないことが明らかである。
【0144】
【発明の効果】
本発明により、定着可能温度領域が広く、且つ、オフセット発生の少ない静電荷像現像用トナー、その製造方法、それを用いる画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される定着装置(定着器)の一例を示す概略図である。
【図2】本発明で使用される、複数の発熱部材を内包させた加熱ロールの一例を示す概略図である。
【図3】本発明で使用される定着装置(定着器)の一例を示す概略図である。
【図4】本発明で使用される画像形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
6 現像器
8 画像保持体
10 加熱ロール
11 加熱ロールの芯金
12 加熱ロールの被覆層
13 加熱部材
20 加圧ロール
21 加圧ロールの芯金
22 加圧ロールの被覆層
37 発熱部材
38 離型保護層
T トナー画像

Claims (7)

  1. 結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ジエリスリトール、トリエリスリトール、テトラエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトールからなる多価アルコール多量体成分の少なくとも1種と、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸からなる炭素数15〜30の高級脂肪酸成分の少なくとも1種との反応により製造されたエステル化合物を含有し、該エステル化合物の平均酸置換率50〜96%の範囲であり、且つ、前記エステル化合物の含有率がトナー全体に対して0.5〜50.0質量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. エステル化合物の融点ピークが50〜110℃の範囲にあり、且つ、前記融点ピークの半値幅が20℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. エステル化合物を重合性単量体に溶解後、重合を行い結着樹脂を製造するという工程を経て製造されたことを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを製造するに当たり、結着樹脂中にエステル化合物を含有する樹脂粒子と着色剤とを塩析、融着させて着色粒子を用いて製造されたことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 請求項4に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用い、発熱する部材または加熱した部材と接触させることで該トナーを溶融し、画像保持材に定着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項6に記載の画像形成方法を使用して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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