JP4106807B2 - 携帯端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子手帳、手のひらサイズパソコン、パームトップパソコン、PDA、ポケットサイズデータ端末、メッセージ機能付きポケット呼出器等のように、電子メールの送受信、表計算、スケジュール管理、文書作成等の機能を備え、かつ、小型で軽量で、携帯が可能であり、赤外線、電波等を送受信して直接通信したり、公衆電話又は携帯電話のネットワークを介して通信したりすることができる携帯端末装置が提供されている。
【0003】
該携帯端末装置においてデータを入力する場合、キーボード、機能割当ボタン、タッチパネル等が使用される。また、キーボード、機能割当ボタン、タッチパネル等を組み合わせた入力装置を使用することもできる。
【0004】
図2は従来の携帯端末装置の斜視図である。
【0005】
図において、101は筐(きょう)体、102は表示部、103は該表示部102と一体に形成された入力部としてのタッチパネル、104は操作者の手で把持される取手部、105は電源を投入したり遮断したりするための電源スイッチである。前記表示部102は、一般に、液晶表示装置から成るが、LED表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、CRT表示装置等を使用することもできる。また、カラーの表示装置及びモノクロの表示装置のいずれも使用することができる。そして、前記取手部104は、操作者が把持しやすいように、また、操作者の手に馴染みやすいように、わずかに膨張して丸みを帯びた形状を有する。
【0006】
また、前記タッチパネル103は、表示部102の全体に形成したり、一部だけに形成したりすることができる。そして、前記タッチパネル103としては、指で直接接触することによってデータを入力することができるタッチパネル、専用のスティック類、例えば、タッチペンで接触することによってデータを入力することができるタッチパネル等を使用することができる。また、前記各タッチパネルにおいては、圧力が変化することによって指、タッチペン等の接触を検出するようになっているが、容量が変化することによって、又は、光を検出することによって指、タッチペン等の接触を検出することもできる。
【0007】
前記構成の携帯端末装置において、操作者は、左手で取手部104を把持し、右手で電源スイッチ105をオンにして電源を投入した後、表示部102に表示された内容を見ながら、タッチパネル103を右手で操作して、データの入力等の操作を行う。この場合、操作者は、表示部102に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル103上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。入力されたデータ等は図示されない制御部によって処理される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の携帯端末装置においては、操作者の利き手が右手である場合に操作性が良いが、操作者の利き手が左手である場合に操作性が悪い。
【0009】
仮に、右手で取手部104を把持し、左手で電源スイッチ105をオン・オフしたり、タッチパネル103を操作しようとすると、表示部102の表示が上下逆さになって携帯端末装置を使用することができない。
【0010】
本発明は、前記従来の携帯端末装置の問題点を解決して、操作者の利き手が右手であっても左手であっても操作性を良くすることができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の携帯端末装置においては、表示部と、入力部と、操作者の手で把持される取手部と、該取手部に配設された利き手判定スイッチと、該利き手判定スイッチが一方の手で操作されるのと同時に、他方の手で操作される電源スイッチと、前記利き手判定スイッチ及び電源スイッチの状態に基づいて、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に基づいて、前記表示部の表示方向及び前記入力部の座標を設定する設定手段とを有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置の斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置の第1の使用態様図、図4は本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置の第2の使用態様図である。
【0014】
図において、11は第1、第2の縁部e1、e2を有する筐体、12は表示部、13は該表示部12と一体に形成された入力部としてのタッチパネル、14は操作者の手で把持される取手部、15は電源を投入したり遮断したりするための電源スイッチである。前記表示部12は、一般に、液晶表示装置から成るが、LED表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、CRT表示装置等を使用することもできる。また、カラーの表示装置及びモノクロの表示装置のいずれも使用することができる。そして、前記取手部14は、操作者が把持しやすいように、また、操作者の手に馴染みやすいように、わずかに膨張して丸みを帯びた形状を有する。なお、取手部14をほぼ円柱状、ほぼ角柱状等にすることもできる。
【0015】
また、前記タッチパネル13は、表示部12の全体に形成したり、一部だけに形成したりすることができる。そして、前記タッチパネル13としては、指で直接接触することによってデータを入力することができるタッチパネル、専用のスティック類、例えば、タッチペンで接触することによってデータを入力することができるタッチパネル等を使用することができる。前記各タッチパネルにおいては、圧力が変化することによって指、タッチペン等の接触を検出するようになっているが、容量が変化することによって、又は、光を検出することによって指、タッチペン等の接触を検出することもできる。
【0016】
また、16は利き手判定スイッチとしての右利き判定スイッチ、17は利き手判定スイッチとしての左利き判定スイッチである。前記右利き判定スイッチ16は、操作者が左手で取手部14を把持したときに左手の親指が置かれる位置aに配設することが好ましい。また、前記左利き判定スイッチ17は、操作者が右手で取手部14を把持したときに右手の親指が置かれる位置bに配設することが好ましい。なお、前記右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17を異なる位置に配設することもできる。その場合、操作者が一方の手で取手部14を把持したときに、取手部14を把持した指又は手のひらが自然に置かれる位置に右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17を配設することが好ましい。
【0017】
また、前記右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17として、指等で押したときにオン・オフさせられる機械式スイッチを使用することができるほか、圧力検知方式、静電容量変化検知方式、光検知方式(例えば、ホトセンサ方式)等のスイッチを使用することもできる。
【0018】
なお、電源スイッチ15、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のほかに、データの入力等を行うためのスイッチ、ボタン、キー等を配設することもできる。また、各スイッチ、ボタン、キー等は、携帯端末装置を図3に示される向きで使用しても、図4に示される向きで使用しても、同じように操作することができるように配設される。
【0019】
前記携帯端末装置は図示されない制御部を有する。該制御部は、電子メールの送受信、表計算、スケジュール管理、文書作成等の機能を備えた携帯端末装置の全体の制御を行うとともに、赤外線、電波等を送受信して直接通信したり、公衆電話又は携帯電話のネットワークを介して通信したりするための制御を行う。
【0020】
操作者が取手部14を把持して、右利き判定スイッチ16又は左利き判定スイッチ17をオンにするとともに、電源スイッチ15をオンにして電源を投入すると、前記制御部の図示されない判定手段は、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のうちのどちらがオンにされているかに基づいて、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定する。なお、この判定は電源が投入されたときだけ行われる。
【0021】
続いて、前記制御部の図示されない設定手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、表示部12及びタッチパネル13の動作の制御を行う。すなわち、右利き判定スイッチ16がオンにされるとともに、電源スイッチ15がオンにされて電源が投入されると、前記判定手段は操作者の利き手が右手であると判定し、前記設定手段は、第1の縁部e1側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第1の縁部e1側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0022】
また、左利き判定スイッチ17がオンにされるとともに、電源スイッチ15がオンにされて電源が投入されると、前記判定手段は操作者の利き手が左手であると判定し、前記設定手段は、第2の縁部e2側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第2の縁部e2側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0023】
次に、前記構成の携帯端末装置の動作について説明する。
【0024】
まず、操作者の利き手が右手である場合、図3に示されるように、操作者は左手で取手部14を把持する。このとき、親指が自然に置かれる位置aに右利き判定スイッチ16が配設されるので、操作者は無理なく右利き判定スイッチ16をオンにすることができる。なお、親指以外の指、手のひら等でも無理なく前記右利き判定スイッチ16をオンにすることができる。
【0025】
続いて、操作者は、右手で電源スイッチ15をオンにし、携帯端末装置の電源を投入する。このとき、制御部は、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のうちのどちらがオンにされているかを判定する。この場合、右利き判定スイッチ16がオンにされているので、制御部は、操作者の利き手が右手であると判定し、第1の縁部e1側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第1の縁部e1側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0026】
したがって、操作者は、表示部12の表示を見ながら、右手で、タッチパネル13に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル13上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。
【0027】
なお、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のうちのどちらがオンにされているかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるので、その後、電源が遮断されるまで表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、取手部14から左手を離して右利き判定スイッチ16をオフにしたり、誤って左利き判定スイッチ17をオンにしたりしても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。その結果、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【0028】
一方、操作者の利き手が左手である場合、図4に示されるように、操作者は右手で取手部14を把持する。このとき、親指が自然に置かれる位置bに左利き判定スイッチ17が配設されるので、操作者は無理なく左利き判定スイッチ17をオンにすることができる。なお、親指以外の指、手のひら等でも無理なく前記左利き判定スイッチ17をオンにすることができる。
【0029】
続いて、操作者は、左手で電源スイッチ15をオンにし、携帯端末装置の電源を投入する。このとき、制御部は、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のうちのどちらがオンにされているかを判定する。この場合、左利き判定スイッチ17がオンにされているので、制御部は、操作者の利き手が左手であると判定し、第2の縁部e2側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第2の縁部e2側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0030】
したがって、操作者は、表示部12の表示を見ながら、左手で、タッチパネル13に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル13上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。
【0031】
なお、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のうちのどちらがオンにされているかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるので、その後、電源が遮断されるまで表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。その結果、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【0032】
このように、操作者の利き手が右手であっても左手であっても、利き手でタッチパネル13を操作することができるだけでなく、表示部12の表示が上下逆さになることがないので、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。また、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17は、操作者が左手又は右手で取手部14を把持したときに親指が自然に置かれる位置a、bにそれぞれ配設されるので、無理なくオンにすることができる。したがって、利き手に対応させて携帯端末装置を設定することができる。
【0033】
そして、電源が投入されたときに、右利き判定スイッチ16又は左利き判定スイッチ17がオンにされていると、電源が遮断されるまで、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、取手部14から手を離して右利き判定スイッチ16又は左利き判定スイッチ17をオフにしたり、誤って右利き判定スイッチ16又は左利き判定スイッチ17をオンにしたりしても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しないので、携帯端末装置の操作性が良い。
【0034】
なお、電源が投入されたときに、右利き判定スイッチ16及び左利き判定スイッチ17のうちのどちらもオンにされていない場合、携帯端末装置を前回使用したときと同じ設定にすることができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0036】
図5は本発明の第2の実施の形態における携帯端末装置の斜視図である。
【0037】
この場合、取手部14の位置bに利き手判定スイッチとしての左利き判定スイッチ17が配設され、右利き判定スイッチが配設されない。
【0038】
操作者が取手部14を把持して、電源スイッチ15をオンにして電源を投入すると、制御部の図示されない判定手段は、左利き判定スイッチ17がオンにされたかどうかに基づいて、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定する。なお、この判定は電源が投入されたときだけ行われる。
【0039】
続いて、前記制御部の図示されない設定手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、表示部12及び入力部としてのタッチパネル13の動作の制御を行う。すなわち、左利き判定スイッチ17がオンにされることなく、電源スイッチ15がオンにされて電源が投入されると、前記判定手段は操作者の利き手が右手であると判定し、前記設定手段は、第1の縁部e1側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第1の縁部e1側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0040】
また、左利き判定スイッチ17がオンにされるとともに、電源スイッチ15がオンにされて電源が投入されると、前記判定手段は、操作者の利き手が左手であると判定し、前記設定手段は、第2の縁部e2側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第2の縁部e2側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0041】
次に、前記構成の携帯端末装置の動作について説明する。
【0042】
まず、操作者の利き手が右手である場合、操作者は左手で取手部14を把持する。このとき、親指が自然に置かれる位置に左利き判定スイッチ17は配設されていないので、該左利き判定スイッチ17はオンにされない。
【0043】
続いて、操作者は、右手で電源スイッチ15をオンにし、携帯端末装置の電源を投入する。このとき、制御部は、左利き判定スイッチ17がオンにされているかどうかを判定する。この場合、左利き判定スイッチ17がオンにされていないので、制御部は、操作者の利き手が右手であると判定し、第1の縁部e1側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第1の縁部e1側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0044】
したがって、操作者は、表示部12の表示を見ながら、右手で、タッチパネル13に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル13上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。
【0045】
なお、左利き判定スイッチ17がオンにされているかどうかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるので、その後、電源が遮断されるまで表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、誤って左利き判定スイッチ17をオンにしても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。その結果、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【0046】
一方、操作者の利き手が左手である場合、操作者は右手で取手部14を把持する。このとき、親指が自然に置かれる位置bに左利き判定スイッチ17が配設されるので、操作者は無理なく左利き判定スイッチ17をオンにすることができる。なお、親指以外の指、手のひら等でも無理なく前記左利き判定スイッチ17をオンにすることができる。
【0047】
続いて、操作者は、左手で電源スイッチ15をオンにし、携帯端末装置の電源を投入する。このとき、制御部は、左利き判定スイッチ17がオンにされているかどうかを判定する。この場合、左利き判定スイッチ17がオンにされているので、制御部は、操作者の利き手が左手であると判定し、第2の縁部e2側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第2の縁部e2側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0048】
したがって、操作者は、表示部12の表示を見ながら、左手で、タッチパネル13に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル13上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。
【0049】
なお、左利き判定スイッチ17がオンにされているかどうかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるので、その後、電源が遮断されるまで表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。その結果、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【0050】
このように、操作者の利き手が右手であっても左手であっても、利き手でタッチパネル13を操作することができるだけでなく、表示部12の表示が上下逆さになることがないので、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。また、左利き判定スイッチ17は、操作者が右手で取手部14を把持したときに右手の親指が自然に置かれる位置bに配設されるので、無理なくオンにすることができる。したがって、利き手に対応させて携帯端末装置を設定することができる。
【0051】
そして、電源が投入されたときに、左利き判定スイッチ17がオンにされていないか、又は左利き判定スイッチ17がオンにされていると、電源が遮断されるまで、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、取手部14から手を離して左利き判定スイッチ17をオフにしたり、誤って左利き判定スイッチ17をオンにしたりしても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しないので、携帯端末装置の操作性が良い。
【0052】
また、右利き判定スイッチが配設されないので、操作者の利き手が右手である場合は、右利き判定スイッチをオンにする必要がない。したがって、携帯端末装置の操作性が一層良くなる。そして、右利き判定スイッチがない分だけ携帯端末装置のコストを低くすることができる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、取手部14に利き手判定スイッチとして左利き判定スイッチ17だけが配設されているが、利き手判定スイッチとして右利き判定スイッチ16(図4)だけを配設することもできる。その場合、制御部は、電源が投入されたときに右利き判定スイッチ16がオンにされているかどうかを判定する。なお、11は筐体である。
【0054】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0055】
図6は本発明の第3の実施の形態における携帯端末装置の斜視図である。
【0056】
この場合、筐体11の所定箇所、例えば、側壁11aに、操作者の利き手が右手である場合と、左手である場合とで切り替えることができるように、利き手判定スイッチとしての利き手指示スイッチ18が配設される。該利き手指示スイッチ18は、側壁11aのほかに、表面11b、裏面11c等に配設することができる。また、前記利き手指示スイッチ18を、筐体11内に配設し、図示されないカバーによって覆うようにすることもできる。
【0057】
前記利き手指示スイッチ18としては、一般に、スライド式のスイッチ、例えば、スライド片18aが使用され、該スライド片18aを矢印方向に移動させ、右利き位置及び左利き位置に置くことによって、携帯端末装置を右利き用及び左利き用に選択的に設定することができる。なお、スライド式のスイッチのほかに、シーソー式のスイッチ、ボタン式のスイッチ等を使用することもできる。さらに、利き手指示スイッチ18を筐体11に配設することなく、入力部としてのタッチパネル13上に操作用アイコン等として配設することもできる。
【0058】
操作者が取手部14を把持して、電源スイッチ15をオンにして電源を投入すると、制御部の図示されない判定手段は、携帯端末装置が右利き用に設定されているか左利き用に設定されているかに基づいて、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定する。なお、この判定は電源が投入されたときだけ行われる。
【0059】
続いて、前記制御部の図示されない設定手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、表示部12及びタッチパネル13の動作の制御を行う。すなわち、携帯端末装置が右利き用に設定されている状態で電源が投入されると、前記制御部は、操作者の利き手が右手であると判定し、第1の縁部e1側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第1の縁部e1側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0060】
また、携帯端末装置が左利き用に設定されている状態で電源が投入されると、前記制御部は、操作者の利き手が左手であると判定し、第2の縁部e2側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第2の縁部e2側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0061】
次に、前記構成の携帯端末装置の動作について説明する。
【0062】
まず、操作者の利き手が右手である場合、操作者はスライド片18aを移動させ、携帯端末装置を右利き用に設定する。続いて、操作者は左手で取手部14を把持するとともに、右手で電源スイッチ15をオンにし、携帯端末装置の電源を投入する。このとき、制御部は、携帯端末装置が右利き用に設定されているかどうかを判定する。この場合、携帯端末装置が右利き用に設定されているので、制御部は、操作者の利き手が右手であると判定し、第1の縁部e1側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第1の縁部e1側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0063】
したがって、操作者は、表示部12の表示を見ながら、右手で、タッチパネル13に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル13上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。
【0064】
なお、携帯端末装置が右利き用に設定されているかどうかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるので、その後、電源が遮断されるまで表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、誤ってスライド片18aを移動させ、携帯端末装置を左利き用に設定しても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。その結果、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【0065】
一方、操作者の利き手が左手である場合、操作者はスライド片18aを移動させ、携帯端末装置を左利き用に設定する。続いて、操作者は右手で取手部14を把持するとともに、左手で電源スイッチ15をオンにし、携帯端末装置の電源を投入する。このとき、制御部は、携帯端末装置が左利き用に設定されているかどうかを判定する。この場合、携帯端末装置が左利き用に設定されているので、制御部は、操作者の利き手が左手であると判定し、第2の縁部e2側に表示画面の上端が位置するように、表示部12の表示方向を設定するとともに、第2の縁部e2側に入力画面の上端が位置するようにタッチパネル13の座標を設定する。
【0066】
したがって、操作者は、表示部12の表示を見ながら、左手で、タッチパネル13に表示されたキーボード、操作用アイコン等に指、タッチペン等で接触したり、タッチパネル13上に文字、図形等を手書きしたりすることによってデータ等を入力することができる。
【0067】
なお、携帯端末装置が左利き用に設定されているかどうかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるので、その後、電源が遮断されるまで表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、誤ってスライド片18aを移動させ、携帯端末装置を右利き用に設定しても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。その結果、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【0068】
また、携帯端末装置が右利き用に設定されているか左利き用に設定されているかの判定は、電源が投入されたときだけ行われるのではなく、電源が投入されている状態で常時行うこともできる。
【0069】
その場合、操作者が利き手指示スイッチ18を切り替えるたびに、制御部は、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定し、表示部12の表示方向を設定するとともに、タッチパネル13の座標を設定する。したがって、携帯端末装置の電源を投入したままで、利き手の異なる複数の操作者の間で、一つの携帯端末装置を操作することができる。
【0070】
また、利き手指示スイッチ18に電源スイッチ15の機能を備えるようにして、電源スイッチ15を無くすこともできる。その場合、利き手指示スイッチ18のスライド片18aを移動させ、右利き位置、左利き位置及び電源遮断位置に置くことによって、携帯端末装置を右利き用及び左利き用に選択的に設定したり、電源を遮断したりすることができる。なお、携帯端末装置が右利き用及び左利き用に設定されると、電源は自動的に投入される。
【0071】
このように、操作者の利き手が右手であっても左手であっても、利き手でタッチパネル13を操作することができるだけでなく、表示部12の表示が上下逆さになることがないので、携帯端末装置の操作性が良い。
【0072】
そして、電源が投入されるときに、携帯端末装置が右利き用又は左利き用に設定されていると、電源が遮断されるまで、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しない。したがって、操作者が、携帯端末装置を使用しているときに、誤って利き手指示スイッチ18を切り替えても、表示部12の表示方向及びタッチパネル13の座標は変化しないので、携帯端末装置の操作性が良い。
【0073】
また、前記利き手指示スイッチ18が筐体11に配設されるので、操作者は、利き手指示スイッチ18の位置を確認するだけで、携帯端末装置が右利き用及び左利き用のうちのどちらに設定されているかを容易に認識することができる。そして、一つの利き手指示スイッチ18を切り替えるだけで携帯端末装置を右利き用又は左利き用に設定することができるので、携帯端末装置のコストを低くすることができる。
【0074】
さらに、携帯端末装置を、手に持つことなく、机、台等の上に載置した状態で容易に操作することができる。
【0075】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、携帯端末装置においては、表示部と、入力部と、操作者の手で把持される取手部と、該取手部に配設された利き手判定スイッチと、該利き手判定スイッチが一方の手で操作されるのと同時に、他方の手で操作される電源スイッチと、前記利き手判定スイッチ及び電源スイッチの状態に基づいて、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果に基づいて、前記表示部の表示方向及び前記入力部の座標を設定する設定手段とを有する。
【0077】
この場合、操作者の利き手が右手であるか左手であるかに合わせて、表示部の表示方向及び入力部の座標が設定される。
【0078】
したがって、操作者の利き手が右手であっても左手であっても、利き手で入力部を操作することができるだけでなく、表示部の表示が上下逆さになることがないので、携帯端末装置の操作性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置の斜視図である。
【図2】従来の携帯端末装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置の第1の使用態様図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置の第2の使用態様図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における携帯端末装置の斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における携帯端末装置の斜視図である。
【符号の説明】
12 表示部
13 タッチパネル
14 取手部
16 右利き判定スイッチ
17 左利き判定スイッチ
18 利き手指示スイッチ
Claims (6)
- (a)表示部と、
(b)入力部と、
(c)操作者の手で把持される取手部と、
(d)該取手部に配設された利き手判定スイッチと、
(e)該利き手判定スイッチが一方の手で操作されるのと同時に、他方の手で操作される電源スイッチと、
(f)前記利き手判定スイッチ及び電源スイッチの状態に基づいて、操作者の利き手が右手であるか左手であるかを判定する判定手段と、
(g)該判定手段の判定結果に基づいて、前記表示部の表示方向及び前記入力部の座標を設定する設定手段とを有することを特徴とする携帯端末装置。 - (a)前記利き手判定スイッチは、前記取手部に配設された右利き判定スイッチ及び左利き判定スイッチであり、
(b)前記判定手段は、前記右利き判定スイッチがオンにされているときに、操作者の利き手が右手であると判定し、前記左利き判定スイッチがオンにされているときに、操作者の利き手が左手であると判定する請求項1に記載の携帯端末装置。 - (a)前記利き手判定スイッチは、前記取手部に配設された右利き判定スイッチであり、
(b)前記判定手段は、前記右利き判定スイッチがオンにされているときに、操作者の利き手が右手であると判定し、前記右利き判定スイッチがオンにされていないときに、操作者の利き手が左手であると判定する請求項1に記載の携帯端末装置。 - (a)前記利き手判定スイッチは、前記取手部に配設された左利き判定スイッチであり、
(b)前記判定手段は、前記左利き判定スイッチがオンにされているときに、操作者の利き手が左手であると判定し、前記左利き判定スイッチがオンにされていないときに、操作者の利き手が右手であると判定する請求項1に記載の携帯端末装置。 - (a)前記利き手判定スイッチは、携帯端末装置を右利き用又は左利き用に設定する利き手指示スイッチであり、
(b)前記判定手段は、携帯端末装置が右利き用に設定されているときに、操作者の利き手が右手であると判定し、携帯端末装置が左利き用に設定されているときに、操作者の利き手が左手であると判定する請求項1に記載の携帯端末装置。 - 前記電源スイッチは、前記表示部を挟んで前記取手部の反対側に配設される請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
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