JP4099516B2 - 光情報記録媒体用Ag合金反射膜、光情報記録媒体および光情報記録媒体用Ag合金反射膜の形成用のスパッタリングターゲット - Google Patents
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Description
本発明が対象とする光情報記録媒体につき説明する。本発明が対象とする光情報記録媒体は、前提として光ディスクを意味する。この光ディスクにはいくつかの種類があるが、記録再生原理から大きくは、再生専用型、追記型、書換型の3種類に分類される。本発明は、反射膜の成分組成に特徴があり、光情報記録媒体としての前提となる、あるいは具備すべき光ディスクの構造や形状自体は、市販乃至公知のものが選択、適用できる。
本発明Ag合金反射膜の化学成分組成について、以下に説明する。本発明Ag合金反射膜の化学成分組成は、上記の通り説明した、光情報記録媒体用反射膜として、耐環境性や初期反射率などの基本的特性を有するために、Pr、Ho、Ybから選択される元素の一種または二種以上を合計で0.1〜5原子%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物からなるものとする。これに更に、選択的に、Biを0.01〜1 原子%、Cu、Auの一種または二種を合計で0.3〜5原子%含有しても良い。
Pr、Ho、Ybの特定希土類元素は、後述する実施例で裏付ける通り、他の希土類元素に比して、前記したAgが紫外線硬化樹脂層側へ拡散して凝集する劣化モードの抑制効果が大きい。しかもこの効果を長期間に亙って持続する作用がある。この結果、Ag合金反射膜の優れた耐湿熱性や耐光性などの耐環境性を長期に亙って維持でき、本発明で言う耐環境性が向上する。
Biは、前記Pr、Ho、Ybの特定の元素と共存(併用)することにより、前記したAgが紫外線硬化樹脂層側へ拡散して凝集する劣化モードを抑制して、Ag合金反射膜の耐環境性を向上させる効果がある。選択的にBiを含有させる場合には、その効果を発揮させるために0.01原子%以上含有させる。しかし、Biが多過ぎると、初期反射率などの反射性能や半透過性能などの基本的な反射膜特性を低下させる。このため、Biを1 原子%を超えて含有させる必要は無い。
Cu、Auは、前記Pr、Ho、Ybの特定の元素と共存(併用)することにより、前記したAgが紫外線硬化樹脂層側へ拡散して凝集する劣化モードを抑制して、Ag合金反射膜の耐環境性を向上させる効果がある。選択的に、これら元素を含有させる場合には、その効果を発揮させるために、Cu、Auの一種または二種を合計で0.3原子%以上含有させる。しかし、これら元素が多過ぎると、初期反射率などの反射性能や半透過性能などの基本的な反射膜特性を低下させる。このため、Cu、Auの一種または二種を合計で5 原子%を超えて含有させる必要は無い。
本発明Ag合金反射膜は、PCなどの基板表面に、Ag合金からなるスパッタリングターゲットをスパッタリング乃至蒸着して成膜される。この際、スパッタリングターゲットを、本発明スパッタリングターゲットとして、前記した本発明組成のAg反射膜と同じ組成範囲のAg合金からなるものとすれば、本発明組成のAg反射膜が得られやすい。
このように、本発明が対象とする光情報記録媒体 (光ディスク) は幾つかの種類があるものの、本発明における前記耐光性評価試験は、これら光情報記録媒体の種類にかかわらず、再現性のために、共通する条件とする。また、前記したAgが紫外線硬化樹脂層側へ拡散して凝集する劣化モードが発生しやすく、かつ、この劣化モードを長期に亙り抑制できる耐環境性向上効果が検証できる条件とする。このような条件とすれば、本発明が対象とする光情報記録媒体 (光ディスク) への適用適否の評価基準として、再現性良く適用できる。この点は、後述する耐湿熱性評価試験も同様である。
耐湿熱性試験の条件は、耐光性に使用したのと同じ積層条件からなる光情報記録媒体を、温度80℃、湿度90%RHの湿熱環境下に、少なくとも200時間保持した。そして、この湿熱環境下での保持前後における光情報記録媒体の反射率の変化(反射率の絶対値変化)が、半透過膜として平均膜厚が15nmのAg合金薄膜(反射膜)では、波長405nmの光で、2%以下であることを必須とし、好ましくは1%以下として、本発明の耐環境性性能の選択基準とする。また、波長650nmの光では、この湿熱環境下での保持前後における光情報記録媒体の反射率の変化(反射率の絶対値変化)が1%以下であることを必須とし、好ましくは0.5%以下として、本発明の耐環境性性能の選択基準とする。
これら耐光性と耐湿熱性の両評価試験に使用する光情報記録媒体試験体は、再現性のために同じものを使用することが好ましい。また、基板は再現性のためには、対象とする光情報記録媒体 (光ディスク) に使用されている基板と同じ基板を選択することが好ましい。これは基板の種類だけでなく、厚み×径も同様である。例えば、光情報記録媒体に汎用されるポリカーボネート基板では、厚み×径は、汎用されている0.6〜1.1mm厚×8〜12cm径の範囲で良い。
本発明が対象とする光情報記録媒体 (光ディスク) では、以上説明した耐環境性もさることながら、基本的な特性として、当然ながら高い初期反射率が要求される。この点、この点、本発明反射膜も、この要求を満たす高い初期反射率を有することが好ましい。
各表に示す、各Ag−X合金薄膜の膜組成は、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)質量分析法によって分析した。詳細には、Ag合金薄膜を分析試料として、これを硝酸:純水=1:1の酸溶液中に溶解し、この酸溶液を200℃のホットプレート上で加熱し、分析試料が酸溶液中に完全に溶解したことを確認してから室温まで冷却して、セイコーインスツルメント製ICP質量分析装置SPQ−8000を使用してAg合金薄膜中に含まれる各合金元素量を測定した。
各例とも共通して、ポリカーボネート樹脂基板は、0.6mm厚×12cm径のものを用いた。スパッタリングに用いたターゲットは、表1〜4に示す各Ag−X合金薄膜と同じ組成のものを溶製、製作して各々用いた。各Ag−X合金薄膜は平均膜厚15nmと60nmとに成膜した。このAg−X合金薄膜の上層に、Ag−X合金薄膜と接触する形で、市販のソニーケミカル社製: 紫外線硬化樹脂、型番:SK6500の層を50μm(ミクロン)積層したものを、耐光性および耐湿熱性の評価試験用試料に各々用いた。
表1、3、5、7の初期反射率評価では、半透過膜として平均膜厚が15nmのAg合金薄膜(反射膜)で、405nm波長の光照射で、初期反射率が20%以上を○、20%未満を×、650nm波長の光照射で、初期反射率が58%以上を○、58%未満を×として評価した。
表1、3の耐光性評価では、半透過膜として平均膜厚が15nmのAg合金薄膜(反射膜)の、405nm波長の光照射400時間後で、反射率変化が2%以下を◎、2〜3.5%の範囲を○、3.5%を超えるものを×、として評価した。また、650nm波長の光照射400時間後で、反射率変化が1%以下を◎、1〜1.5%の範囲を○、1.5%を超えるものを×、として各々評価した。
表5、7の耐湿熱性評価では、半透過膜として平均膜厚が15nmのAg合金薄膜(反射膜)の、前記湿熱環境下での200時間保持前後における405nm波長の光照射で、反射率変化が1%以下を◎、1〜2%の範囲を○、2%を超えるものを×、として評価した。また、前記湿熱環境下での200時間保持前後における650nm波長の光照射で、反射率変化が0.5%以下を◎、0.5〜1%の範囲を○、1%を超えるものを×、として各々評価した。
4--全反射膜層(Ag合金)、5--ポリカーボネート基板
Claims (9)
- 光情報記録媒体に用いられるAg合金反射膜であって、Pr、Ho、Ybから選択される元素の一種または二種以上を合計で0.1〜5原子%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐環境性に優れた光情報記録媒体用Ag合金反射膜。
- 前記Ag合金反射膜が、更にBiを0.01〜1 原子%含有する請求項1に記載の光情報記録媒体用Ag合金反射膜。
- 前記Ag合金反射膜が、更にCu、Auの一種または二種を合計で0.3〜5原子%含有する請求項1または2に記載の光情報記録媒体用Ag合金反射膜。
- 請求項1乃至3のいずれかのAg合金反射膜を有していることを特徴とする耐環境性に優れた光情報記録媒体。
- 前記光情報記録媒体が、透明基板と、金属反射膜層と、この金属反射膜層と直接接する、紫外線硬化樹脂層または有機色素記録層とを有している請求項4に記載の光情報記録媒体。
- Pr、Ho、Ybから選択される元素の一種または二種以上を合計で0.1〜5原子%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物からなるスパッタリングターゲット。
- 更にBiを0.01〜1.5原子%含有する請求項6に記載のスパッタリングターゲット。
- 更にCu、Auの一種または二種を合計で0.3〜5原子%含有する請求項6または7に記載のスパッタリングターゲット。
- 用途が光情報記録媒体に用いられるAg合金反射膜形成用である請求項6乃至8のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
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