JP4098294B2 - 位置検出システム、発信装置、サーバならびに同システムにおける無線信号の衝突回避方法 - Google Patents
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Description
図10において、SPは無線Aを送信する発信局、TGは、無線Aを待ち受けており、無線Aを受信したときに自身の識別情報(ID)を含む別の無線Bを送信するタグ、SVは、発信局SPに無線Aの送信を指示すると共に、無線Bを受信してタグのIDを認識して位置を検出するサーバである。以降、発信局をSP、タグをTG、サーバをSVとして説明する。
このことより、複数のSPを既知の場所に設置して、SVが各SPで順番に超音波の送信を繰り返すことによって、あるタグについて複数のSPからの距離を推定することができ、複数の距離を用いてTGの位置を推定できる。超音波の待ち受けは無線の待ち受けと比較して非常に低消費電力であるため、この構成によれば、TGの消費電力が小さく済む。
例えば、無線LAN(Local Area Network)の場合であれば、同じ周波数の使用を監視する機能が必要であり、待ち受けする分だけ電力消費が必要である。また、上記した位置検出システムでは、TGで送信要求が発生してSVへ送信する際にその周波数が別の機器等によって使用されている場合には使用が終わるまで待ち、しかもどれだけ待つかは別の機器等の使用状況によるため、受信するSV側で実際にTGで送信要求が発生した時間を知りたいアプリケーションに用いることができなかった。また、待ち受け機能がない場合消費電力は小さくなるが、無線信号の衝突は回避できないといった問題があった。
このことにより、複数の発信局を既知の場所に設置して、サーバが各発信局で順番に第1の無線信号の送信を繰り返すことによって、ある発信装置について複数の発信局からの距離を推定することができ、当該複数の距離を用いて発信装置の位置を推定できる。また、第1の無線信号に超音波を用いることで、超音波の待ち受けは無線信号の待ち受けに比較して非常に低消費電力であるため、発信装置の消費電力が小さく済む。
更に、発信局から離れた位置にある発信装置は無線信号の到達時間が長く、更に待機時間を入れるとサーバが送信要求を発行してから別の無線信号が帰ってくるまでの時間が更に長くなってしまうのに対し、発信装置が電界強度を計測することによって遠い場合は待機時間を短縮し、1回の周期を短縮することができる。このことにより、同じ時間にたくさんの発信装置が検出できるといった効果を奏する。
これにより、特定の発信装置のみの位置の推定ができ、また特定の発信装置のみが第2の無線信号を送信するので衝突の回避が軽減できる。
すなわち、図1では、発信局として4台の発信局(SP1〜SP4)を、位置推定を行いたい場所に設置し、SP1〜SP4はオーディオケーブルなどの超音波のパルス(無線信号)を送信できるケーブルを用いてSVと接続する。SP1〜SP4の設置間隔及び超音波パルス送信出力によって測定範囲が決まる。SVには、測定範囲内に測定対象となるTGからの無線パルスを受信するためのレシーバ(RR)を接続する。
図1、図2に示す構成において、まずSVからSP1へ超音波パルス(US1)を発するよう指示する。そのときの時間(T1)をSVで保存する。
CY1はUS1がSP1からTGまで到達する時間とほぼ一致するといえるため、CY1をUS1の到達時間とする。なぜならば、RWがTGからRRまで到達する時間は電磁波で非常に高速であるため、CY1と比較してごく短い時間である。従って、無視できる値である。また、TGの実装によってはTGでの処理で遅延がある場合もあるが、処理遅延は固定的な遅延時間であるため、予め測定しておいて補正することによってUS1の到達時間CY1を求めることができる。
SVは、D1〜D4と、SP1〜SP4の座標情報を用いてTGの座標を3点測位的に推測する。TGの座標を推測するアルゴリズムは、一般的な最小自乗法を用いることができる。
また、SVにおける機能をT1からT2までの経過時間を測定する機能までに限定し、SPからTGまでの距離の推定、および位置の推定の機能は、有線LANまたは無線LAN等によって接続された別のサーバによって行うことが可能である。その際は、図3に本発明実施形態の拡張例として示されるように、図1に示したシステムを複数別の場所に設置し、有線LANまたは無線LAN等によって接続された一つのサーバによってSPからTGまでの距離の推定、および位置の推定の機能を実施することが可能である。
ここでは、位置の推定を行いたい場所の管理者がインフラとなる機器を設置する。すなわち、図4に示す位置検出システムでは、4台の送信機(SP1〜SP4)を、位置推定を行いたい場所に設置する。SP1〜SP4はオーディオケーブルなどの超音波のパルスを送信できるケーブルを用いてサーバ(SV)と接続する。SP1〜SP4の設置間隔及び超音波パルス送信出力によって測定範囲が決まる。SVには、測定範囲内に測定対象となるタグ(TGA、TGB)からの無線パルスを受信するための受信機(RR)を接続する。
以下、図6に示す動作タイミング図を参照しながら図4、図5に示す本発明の他の実施形態における動作について詳細に説明する。
TGBでの処理も同様に、DWで検波できる強度の超音波パルスを受信したときに、TMが待機時間の計時を開始し、待機時間がタグ固有の所定の時間(図6のWB)に達したとき、RTIによってタグIDを含む無線信号RWBを送信する。
上記により定義されたTGAおよびTGBでの待機時間WA1およびWB1が経過後、RTIによって無線信号RWA1およびRWB1を送信する。RWA1およびRWB1は、TGAおよびTGBのタグIDとRWの送信回数である1を示す信号である。
従って、図7に示されるように、TGAとTGBが離れており、TGAにおけるUS1Aの到着時刻とTGBにおけるUS1Bの到着時刻に時間的な差が生じ、WA1およびWB1後に送信するRWA1およびRWB1の送信時間が偶然重なって、RRで信号の読み取りが不可能になった場合に、待機時間WA2およびWB2後に送信するRWA2およびRWB2によってRRはTGAおよびTGBの両方からの信号を受信することができる。本発明実施形態によれば、RWを2回以上繰り返すことが可能であり、タグ毎に独立して待機時間を設定することにより、確率的に無線信号が衝突する可能性を軽減している。
SVは、TA1とTA3の時間差からWA1を引いた値CY1を計算する。CY1はUS1AがSP1からTGAまで到達する時間とほぼ一致するといえるため、CY1をUS1Aの到達時間とする。SVは、CY1に超音波の伝達速度を乗じた値をSP1からTGAまでの距離D1Aと推定する。同様に、SVに接続されたRRがRWBを受信したとき、SP1からTGBまでの距離D1Bを推定する。
なお、上記した本発明実施形態では、TGAおよびTGBの2個のタグの位置を推定する場合について説明したが、さらに多くのタグの位置を推定することも可能である。その際にRWが衝突する確率は、各SPの配置間隔、SVが各SPに超音波パルスの送信を指示する時間間隔、タグの数、及びRWの信号長によって決まる。
すなわち、待機時間を複数の周波数帯に置き換えるものであり、また、待機時間を組み合わせることによって、さらに無線パルスの衝突を軽減することもできる。
上記した(1)と(3)に示す方法は、位置検出システムに並行して実装することが可能であり、また、(1)と(3)、または(2)と(3)に示す方法は、組み合わせによる実装が可能である。なお、(2)の概略システム構成を図8に、(3)の概略システム構成を図9に示す。
SPから離れた位置にあるTGは無線の到達時間が長く、更に待機時間を入れるとSVが送信要求を発行してから無線BがSVに帰ってくるまでの時間が更に長くなってしまう。このため、電界強度を計測することにより、遠い場合は待機時間を短縮し、1回の周期を短縮するものである。このことにより、同じ時間にたくさんのTGが検出できるといった効果を奏する。
この方法は、多数のTGが同時に電波を送信することによる衝突回避効果がある。なお、無線信号は超音波でもよい。
このことにより、複数の発信局を既知の場所に設置して、サーバが各発信局で順番に電波Aの送信を繰り返すことによって、あるタグについて複数の発信局からの距離を推定することができ、当該複数の距離を用いてタグの位置を推定できる。また、無線信号Aに超音波を用いることで、超音波の待ち受けは無線信号の待ち受けに比較して非常に低消費電力であるため、タグの消費電力が小さく済むといった効果を奏する。
Claims (10)
- サーバにより指示された発信局が第1の無線信号を送信し、当該無線信号を待ち受け状態にある発信装置が前記無線信号を受信後、第2の無線信号を用いて自身の識別情報を送信し、前記第2の無線信号を受信した前記サーバが前記発信装置の識別情報を認識して送信から受信までに要した時間から距離を推定し、複数の前記発信局の距離から前記発信装置の位置検出を行う位置検出システムであって、
前記発信装置は、前記第1の無線信号の電界強度を測定し、その電界強度があらかじめ定義された閾値以下の場合、前記発信装置の待機時間を所定値だけ短縮し、当該短縮したことを示す符号を含む前記第2の無線信号を生成する手段を備え、
前記サーバは、前記発信装置から受信した前記第2の無線信号が示す符号から前記待機時間を算出することを特徴とする位置検出システム。 - 前記発信装置は、前記第2の無線信号の生成および送信と待機時間分の待機とを連続して複数回繰り返し、前記第2の無線信号は、発信装置の識別情報を示す符号と、前記第2の無線信号を生成した回数を示す信号から成ることを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
- 前記第1の無線信号が発信装置を指定する情報を含んでおり、
前記発信装置は、前記第1の無線信号を受信後、当該第1の無線信号に含まれる情報が自身を示す情報である場合にのみ、前記第2の無線信号を生成する手段
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。 - 前記発信装置は、当該発信装置の識別情報に従い固定的に与えられる周波数帯を用いて前記第2の無線信号を生成し、
前記発信装置の識別情報毎に割り当てられた周波数帯を保存する前記サーバは、前記発信装置から受信した前記第2の無線信号の周波数帯から発信装置の識別情報を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置検出システム。 - 前記発信装置が前記第2の無線信号を生成する際に使用する周波数帯は、前記発信装置の識別情報を、受信機が識別できる周波数帯の数で除算した剰余を乗じた値を基に割り当てられた周波数帯とすることを特徴とする請求項4に記載の位置検出システム。
- 前記発信装置が前記第2の無線信号を生成する際に使用する周波数帯は、前記発信装置の識別情報を種として発生させた乱数を基に割り当てられた周波数帯とすることを特徴とする請求項4に記載の位置検出システム。
- サーバにより指示された発信局が第1の無線信号を送信し、当該無線信号を待ち受け状態にある発信装置が前記無線信号を受信後、第2の無線信号を用いて自身の識別情報を送信し、前記第2の無線信号を受信した前記サーバが前記発信装置の識別情報を認識して送信から受信までに要した時間から距離を推定し、複数の発信局の距離から前記発信装置の位置検出を行う位置検出システムにおける無線信号の衝突回避方法であって、
前記発信装置が、前記第1の無線信号の電界強度を測定し、その電界強度があらかじめ定義された閾値以下の場合、前記発信装置の待機時間を所定値だけ短縮し、当該短縮したことを示す符号を含む前記第2の無線信号を生成する第1のステップと、
前記サーバが、前記発信装置から受信した前記第2の無線信号が示す符号から前記待機時間を算出する第2のステップと、
を有することを特徴とする位置検出システムにおける無線信号の衝突回避方法。 - 前記第1の無線信号が発信装置を指定する情報を含んでおり、
前記第1のステップは、
前記発信装置において、前記第1の無線信号を受信後、当該第1の無線信号に含まれる情報が自身を示す情報である場合にのみ、前記第2の無線信号を生成するサブステップ
を有することを特徴とする請求項7に記載の位置検出システムにおける無線信号の衝突回避方法。 - サーバの指示により発信局から送信された第1の無線信号を受信する第1無線信号受信手段と、
前記第1の無線信号の受信を契機に、当該第1の無線信号の電界強度を測定し、その電界強度があらかじめ定義された閾値以下の場合、前記発信装置の待機時間を所定値だけ短縮し、当該短縮したことを示す符号を含む第2の無線信号を生成する第2無線信号生成手段と、
前記第2の無線信号を前記サーバに送信する第2無線信号送信手段と、
を備えることを特徴とする発信装置。 - 複数の異なる座標の発信局に第1の無線信号の送信を指示する第1無線信号送信指示手段と、
前記第1の無線信号の受信を契機に、当該第1の無線信号の電界強度を測定し、その電界強度があらかじめ定義された閾値以下の場合、前記発信装置の待機時間を所定値だけ短縮し、第2の無線信号を生成する発信装置より当該発信装置の識別情報を示す符号と前記短縮したことを示す符号とを含む第2の無線信号を受信する第2無線信号受信手段と、
前記発信装置から受信した前記第2の無線信号が示す符号から前記待機時間を算出する待機時間算出手段と、
前記第1の無線信号の送信指示から前記第2の無線信号の受信までの時間と、前記無線信号の伝達速度とに基づいて、前記複数の異なる前記発信局それぞれから前記発信装置までの各距離を算出する距離算出手段と、
前記算出した各距離と前記各発信局の座標とに基づいて、前記待機時間によって特定される前記発信装置のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
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