JP4097523B2 - 遺伝子の増幅方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、核酸合成酵素を用いた遺伝子の増幅方法に関する。さらに詳しくは、超臨界流体、亜臨界流体、高圧ガス、および液体からなる群から選択される少なくとも一種の高圧流体を反応媒体とする遺伝子増幅方法に関する。
背景技術
近年、生物が固有にもつ遺伝子の配列と病気との関連が注目されている。デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)等の核酸の配列を解読することは遺伝子研究の分野での根幹を占めている。DNAおよびRNA等の遺伝情報を解読するためには、解析可能濃度まで増幅させる必要がある。(R.W.Old and S.B.Primrose,”Principle of Gene Manipulation”,Blackwell Scientific Publication(1989))。
この遺伝子増幅の手法としては、適切な耐熱性の酵素を用いて、反応温度を制御しつつ、増幅をおこなう手法が有効な手段となる。特に近年の遺伝子操作技術の発展に伴い、DNAおよびRNAの増幅に関する多くの方法が報告されている(丹波峰雄、「DNAの化学合成」、廣川書店(1992))。
最も汎用される方法のうち、ゲノム中の短いRNAあるいはDNAの断片を直接増幅させる方法として、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)法がある。PCR法による遺伝子の増幅は、ターゲット遺伝子、ターゲット遺伝子に相補的なプライマー(プローブ)、核酸および耐熱性の核酸合成酵素の存在下、(i)ターゲット遺伝子を解離させ、(ii)プライマー(またはプローブ)をターゲット遺伝子とアニーリング(ハイブリダイゼーション)させ、(iii)鎖延長反応(遺伝子合成反応)を行うというプロセスを1サイクルとし、これを繰り返して、遺伝子を増幅させる方法である。この遺伝子の解離および鎖延長反応は、それぞれに適切な温度に制御される。しかし、遺伝子の増幅から検出までに時間がかかり、また特殊な酵素を用いるために、高価であり、ターゲット遺伝子に相補的なプライマーのデザインによっては増幅効率や特異性が変化するという問題がある。
また、高分子の一本鎖DNAは通常、複雑な構造を有していることが知られている。このような複雑な構造を有する高分子の一本鎖DNAプローブをターゲット遺伝子にハイブリダイゼーションさせるには、時間がかかる、あるいは、増幅に使用する耐熱酵素の校正活性が弱いため、エラーの頻度が高い等の問題がある。
これらの問題を解決する方法として、互いに相補的な部分が3カ所以上の数から構成される一対のプローブの複数対を用いて、互い違いに交差するようにハイブリダイゼーションさせることにより、2本鎖の高分子を形成させる遺伝子増幅法(特開2000−201687号公報)がある。しかし、この方法でも、従来法に比べると効率よくターゲット遺伝子を増幅し、抗原・抗体反応を用いて検出することができるが、実用化するためには速度が遅く、手順が煩雑であるという問題がある。
他方、生体関連物質の合成方法では通常用いられない超臨界流体や高圧ガスを反応媒体として利用して、生体関連物質を合成する方法が注目されている。特に、二酸化炭素は、一般に無害で、臨界温度が304.2Kと比較的常温に近いこと、圧力操作のみで反応を制御できること、残存溶媒の問題がない等の優れた利点を有している。このような理由から、超臨界二酸化炭素を用いる酵素反応あるいは無触媒反応に関して、多くの研究が行われ、報告がある。
例えば、超臨界二酸化炭素中でのフルオロアルキル基を有するアクリル酸エステルのラジカル重合反応(DeSimone et al.,Science,265,356(1994))、無触媒水素化反応(Jessop et al.,Nature,368,231(1994))、酵素反応(O.Aaltonen and M.Rantakyla,CHEMTECH,4,240(1991))などの報告がある。既に、本発明者らも、超臨界二酸化炭素を用いて、遺伝子の合成および切断技術の開発を行っている(特開平11−206371号公報)。
しかしながら、二酸化炭素等の超臨界流体、高圧ガス等を用い、耐熱性の核酸合成酵素を用いて、温度を制御しながら遺伝子を増幅するという報告は未だなされていない。
発明の開示
本発明は上記に鑑み、超臨界流体を用いて遺伝子を増幅し、かつ遺伝子増幅の際のエラーを減らす技術を提供することを目的とするものである。
本発明は、ターゲット遺伝子にプライマーをアニーリングさせ、耐熱性の核酸合成酵素を用いて遺伝子を増幅させる遺伝子増幅方法であって、超臨界流体、亜臨界流体、高圧ガス、および液体からなる群から選択される少なくとも一種の高圧流体を反応媒体とする遺伝子増幅方法に関する。
好ましい実施態様においては、前記流体が超臨界流体であり、使用圧力または温度の少なくとも1つを制御することにより、遺伝子を増幅し、かつ合成された遺伝子のエラーを減少させる。
さらに好ましい実施態様においては、前記流体が、二酸化炭素の超臨界流体である。
さらに好ましくは、前記耐熱性の核酸合成酵素が、界面活性剤あるいは脂質で被覆されており、より好ましくは、前記界面活性剤が、イソオクチルソディウムサルファサクシネート、ソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルであり、前記脂質がレシチンである。
発明を実施するための最良の形態
本発明は上記に鑑み、高圧流体を用いて遺伝子を増幅し、かつ遺伝子増幅の際のエラーを減らす技術を提供することを目的とするものである。
本発明における反応媒体は、高圧流体である点に特徴がある。流体とは、流動状態にある液体および気体をいう。高圧とは、大気圧より高い圧力をいい、通常、7.3MPa以上をいう。温度は、耐熱性の核酸合成酵素が失活しない温度以下であり、一般的には100℃以下である。ただし、KODポリメラーゼの場合は、100℃を超えても失活しないなど、酵素によって異なる。
流体としては、超臨界流体、亜臨界流体、高圧ガス、および液体が挙げられる。この流体は、単独の気体または液体から構成されてもよく、2種以上の異なる気体あるいは異なる液体の混合物であってもよく、気体と液体の混合物であってもよい。
本発明に用いられる超臨界流体、亜臨界流体、高圧ガス、および液体としては、特に限定されないが、例えば、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アンモニア等の超臨界流体として実用性を有することが知られている化合物(気体)が好ましく用いられる。これらの流体は、反応後の遺伝子を失活させることないという操作上の利点に加えて、回収が容易であることから、環境を汚染しないという利点も有している。
好ましい流体は超臨界流体であり、中でも二酸化炭素の超臨界流体が、臨界温度が304.2Kと比較的常温に近いこと、無害であること、圧力操作のみで反応を制御できること、残存溶媒の問題がない等の優れた利点を有していることから、最も好ましく用いられる。
遺伝子増幅反応に際して、流体には、例えば、以下のような有機溶媒を添加してもよい。メタノール、エタノール、1−プロパノールなどの脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドラフラン、ジメチルフォルムアミドなどの芳香族炭化水素;など。これらは例示であり、本発明の効果を損なわない程度に添加される。
本発明に用いられるターゲット遺伝子は、遺伝子増幅反応の鋳型となる遺伝子をいい、DNAあるいはRNAであればその由来、大きさには、特に制限がないが、約10kb位まで大きさのDNAが好ましい。
本発明に用いられるプライマー(プローブ)にも特に制限がなく、通常、ターゲット遺伝子(鋳型)の5’末端付近のプライマーと3’末端付近のプライマーとが一対で用いられる。プライマーはターゲット遺伝子に応じて、合成してもよいし、使用可能であれは、市販のプライマーを用いても良い。例えば、pBluescriptSK+をターゲット遺伝子とする場合には、KSプライマー、M13(lacZ)プライマー、SKプライマー、T3プライマー、T7プライマーなどを挙げることができる。
本発明に使用される耐熱性の核酸合成酵素は特に限定されず、一般に使用されている耐熱性の核酸合成酵素を挙げることができる。例えば、Pfuポリメラーゼ(Pyrococcus furiosus起源)、Taqポリメラーゼ(Themus aquaticus起源)、Tthポリメラーゼ(Themus thermophilius HBB起源)またはKODポリメラーゼ(Pyrococcus Kodakaraensis KOD 1起源)を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの耐熱性核酸合成酵素は、そのままでも用いられるが、高圧の超臨界流体中でも活性を維持し、反応を効率的に進行させるために、界面活性剤あるいは脂質で被覆されていることが好ましい。被覆に用いられる界面活性剤としては、イソオクチルソディウムサルファサクシネート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。被覆に用いられる脂質としては、レシチンが挙げられる。
耐熱性核酸合成酵素の被覆は、例えば、2μg/mlの酵素水溶液と界面活性剤(好ましくはイソオクチルソディウムサルファサクシネート)を溶解した溶媒(好ましくはイソオクタン)とを、酵素水溶液:界面活性剤:溶媒が重量比で10:1:25となるように混合し、ホモジナイザーで10分間混合し、常温にて混合溶液を乾燥することにより、行われる。
遺伝子増幅反応は、反応セル内にターゲット遺伝子と、プライマー(プローブ)と、核酸混合物(dNTP:dATP、dCTP、dTTPおよびdGTPの混合物)と、好ましくは界面活性剤または脂質で被覆された耐熱性核酸合成酵素とを仕込み、例えば、二酸化炭素を導入して、好ましくは超臨界状態にすることにより行われる。反応の制御は、使用圧力または温度の少なくとも1つを制御することにより行われる。
ターゲット遺伝子の解離およびアニーリング反応は、約90〜98℃、好ましくは93〜95℃となるように圧力または温度を調整して行われる。
増幅反応(鎖伸張反応)は、約65〜85℃、好ましくは69〜76℃となるように圧力または温度を調整して行われる。
このように各ステップにおける温度を制御することにより、効率的に遺伝子増幅が行われる。また、操作圧力の増加に伴い、増幅エラーは減少する傾向にある。
本発明は、高圧の流体中で反応が行われるため、高圧の反応装置が用いられる。本発明で使用される増幅装置としては、例えば、図1に示すような超臨界流体を用いた装置を使用することができる。以下、図1を参照しつつ、増幅装置を説明する。増幅装置は、ボンベ1からストップバルブV2までの昇圧部、ストップバルブV4からストップバルブV6までの増幅反応部およびその下流の分析、回収部よりなる。
昇圧部は、超臨界流体等としての二酸化炭素用と溶液用の2つの昇圧用ポンプ4A、4Bを有する。二酸化炭素ボンベ1は、液体二酸化炭素を昇圧用ポンプ4Aへ送るために、サイフォン式のボンベである。ボンベ1から送られる液体二酸化炭素中の水分を除去するために、ボンベ1とポンプ4Aの間に乾燥管2が配置されている。乾燥管2の仕様は、材質SUS316、最高使用圧力20MPa、内径35.5mm、長さ310mmである。また、乾燥剤としては、例えば、GLサイエンス(株)製のモレキュラーシーブ(1/16インチ Pellet)が使用される。乾燥管2により水分を除去された液体二酸化炭素は、冷却ユニット6(ヤマト科学製BL−22)によって約−5℃に保たれたエチレングリコールにより冷却され、昇圧用ポンプ4A(ガス供給ポンプ)に送られる。
昇圧用ポンプ4Aは、GLサイエンス(株)製の高圧用シングルプランジャーポンプAPS−5L(最大圧力58.8MPa、常用圧力49.0MPa、流量0.5〜5.2ml・min−1)が使用される。二酸化炭素送液用のポンプのヘッド部分には、液体二酸化炭素の気化を防ぐために冷却ユニットが装着されている。添加剤、脱保護剤または縮合剤は試料ビン7に入れられ、試料ビン7は、昇圧用ポンプ4Bの上流に設置される。昇圧用ポンプ4Bにより昇圧された溶離液はストップバルブV2を通り、ストップバルブV4の前で、昇圧された二酸化炭素と混合され、カラム分離部へ供給される。さらに、溶離液の排出用として、ストップバルブV3が設置されている。ストップバルブには、ホワイティー製のボンネット一体型流量調節ストップバルブSS−OKS2BKBが用いられる。また、乾燥管2と冷却ユニット6の間に、ゴミなどの不純物が混入することを防ぐためにフィルター3Aとして、GLサイエンス(株)製FT4−10型が使用される。フィルタの細孔平均径は約10μmである。
系内の圧力は、圧力調節弁V1により任意の圧力に設定される。圧力調節弁V1として、TESCOM製の26−1722−24が使用される。このバルブは±0.1MPaで系内の圧力を制御でき、最大使用圧力は41.5MPa(415bar)である。系内の圧力は、ブルドン式圧力計5A(GLサイエンス(株)製LCG−350;最大使用圧力34.3MPa)で測定される。この圧力計には、上限接点出力端子が付いており、指定圧力で昇圧用ポンプ4Aの電源を切るように設定されている。また、この圧力計の検定には、司測研(株)製エコノミー圧力計PE−33−A(歪ゲージ式、精度±0.3%)が使用されている。
昇圧部の圧力を制御するために、昇圧部と抽出部の間にストップバルブV4が設置されている。ストップバルブには、GLサイエンス(株)製の2 Way Valve 02−0120(最大使用圧力98.0MPa)が用いられる。また、昇圧部とカラム分離部の間には、安全性を確保するために、安全弁8Aが設置される。安全弁は、ヌプロ製のスプリング式のもので、系内の圧力が34.3MPaで作動するように調整・検定されている。なお、昇圧部のボンベ1からフィルター3Aまでの区間以外の配管には、1/16インチのステンレス管(材質SUS316、外径1.588mm、内径0.8mm)が用いられ、他の部分はすべて1/8インチのステンレス管(材質SUS316、外径3.175mm、内径2.17mm)を用いられる。
昇圧部から供給される液体二酸化炭素と溶離液は、加熱プレート11に設けられている予熱カラム(図示せず)へ送られる。予熱カラムは、溶媒(二酸化炭素等)を平衡温度まで加熱し超臨界流体にするためのものであり、1/8インチステンレス管(材質SUS316、外径3.175mm、内径2.17mm、長さは約4m)を直径55mm、長さ140mmのスパイラル状に変形して、空気恒温槽14内に設置されている。予熱カラムにより超臨界流体とした二酸化炭素は反応溶液と共に、流体の逆流を防止する逆止弁10(ヌプロ製SS−CHS4−10:最大使用圧力41.2MPa)を通過し、反応カラム13に導入される。なお、反応カラム13は、六方バルブ9Aに設置され、反応カラム13による増幅操作のとき以外には、六方バルブ9Aを切り替えることによって配管の洗浄が行えるようにされている。さらに、六方バルブ9B(GLサイエンス(株)製 レオダイン7125)にはインジェクタが内蔵されており、このインジェクタより、試料を導入できるようにされている。また、カラム内の圧力を排出するために、ストップバルブV5、V6が設置されている。なお、六方バルブ9Aには、GLサイエンス(株)製の高耐圧切換バルブHPV−6(最大使用圧力34.3MPa)が用いられる。
また、ストップバルブV5、V6としては、ホワイティー製のボンネット一体型流量調節ストップバルブSS−OKS2BKBが使用される。カラム通過後の圧力は5Bによって測定され、流量調節弁V7によって設定圧力に調節される。圧力計はブルドン式のもので、GLサイエンス(株)製のLCG−350(最大使用圧力34.3MPa)が用いられる。圧力計の検定には、司測研(株)製のエコノミー圧力計PE−33−A(歪ゲージ式、精度±0.3%FS、FS:kgf・cm−2)が用いられる。また、カラム内の圧力上昇による爆発を防止する目的で、反応カラム13の上流側に安全弁8Bが設置されていする。安全弁8Bには、ヌプロ製のスプリング式、177−R3AKI−Gが用いられ、系内の圧力が34.3MPaで作動するように調整、検定する。試料が溶解した超臨界流体(二酸化炭素)は、流量調節弁V7を用いて系外へ排出される。
分析回収部として、流量調節弁V7には、日本分光(株)製のバックプッレッシャーレギュレータ(880−81型自動圧力調節弁、使用圧力範囲0〜49.0MPa、圧力調整精度±2%)が用いられる。このバルブにより超臨界流体の流量を調節し、減圧操作が行われる。また、試料の凝縮による管内の閉塞を防止するために、高圧用フィルタ3Bが流量調節弁の上流側に設置される。フィルタ3Bには、ヌプロ製の2TF−7(細孔平均径7μm)が用いられる。また、減圧に伴う試料の凝縮および超臨界流体(二酸化炭素)によるドライアイスの発生を防ぐために、流量調節弁V7にはヒータが設置される。さらに、管の出口を振動式にすることにより、析出物による管の閉塞を防ぐことができる。流量調節弁V7で減圧後、析出した試料はトラップ16で回収される。また、流量は流量計17により測定される。流量計としては、品川精器(株)製の積算式湿式ガスメータW−NK−0.5B(測定精度0.1ml)が用いられる。また、増幅された化合物は紫外線検出器15(日本分光(株)製UV−970)を用いて確認することもできる。
空気恒温槽14は、反応カラム13を含む密閉系であり、加熱(昇温)装置して加熱プレート11を、冷却(降温)装置として冷却プレート12を、それぞれ備えている。空気恒温槽14には、温度制御機能を有するペルチェ素子、および温度センサが備えられている。空気恒温槽14の温度は、例えば、チノー(株)製の温度制御器DB1000により、測定温度±0.1Kで制御できる。温度測定には、チノー製の白金抵抗測温体1TPF483を用いる。冷却装置にはペルチェ素子が用いられる。ペルチェ素子に供給される冷媒は、例えば4℃に、常時冷却されて、蓄冷容器中に貯蔵されている。これにより、増幅反応に必要な複数の温度の制御が可能になる。
この装置で、空気恒温槽14において、反応カラム13は、アニーリング(ハイブリダイゼーション)は一般的には約8〜20MPa、約90〜98℃の条件で行われ、遺伝子の増幅反応は、約8〜15MPa、約65〜85℃の条件で行われる。
実施例
以下に本発明の実施例に挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1の装置を用いて遺伝子増幅反応を行った。空気恒温槽にある反応カラムのセル内に増幅を目的とする遺伝子pBluescript SK+(東洋紡(株)製)を50ng、プライマーForward M13(lacZ)Primer 5’−GCCAGGGTTTTCCCAGTCACGA−3’(配列番号:1)およびReverse M13(lacZ)Primer 5’−GAGCGGATAACAATTTCACAGG−3’(配列番号:2)をそれぞれ30pmol、dNTP(混合物)を0.2mM、および界面活性剤であるイソオクチルソディウムサルファサクシネートで被覆した耐熱性の核酸合成酵素Taqポリメラーゼ(前記条件で作成)を2.5U、反応セルに仕込んだ。
ストップバルブV4を開けてセル内に二酸化炭素を導入し、セル内圧力を10MPaとした。このとき、上限圧力は、流量調整弁V7で調整した。また、二酸化炭素の温度制御器を35℃に、流量調整弁V7を80℃に温度調整した。ペルチェ素子に供給される冷媒は、4℃であった。
アニーリング温度は94℃、0.5分、鎖伸張反応は74℃、0.5分行った。94℃から74℃に冷却する際にはヒータをオフにし、冷却プレートで冷却させた。一方、74℃から94℃に加熱する際にはヒータをオンにして加熱プレートで加熱した。
加熱と冷却のサイクルを25回以上繰り返した後、流量調整弁V7より増幅された遺伝子断片を回収した。回収された遺伝子をアガロースゲル電気泳動にかけた(図2:↓)。電気泳動の結果を図2に示す。図2より、pBluescript SK+を鋳型として常圧下のPCRで増幅させた271bpの生成物(図2:P)と同等のラインにバンドを確認できたことから、超臨界二酸化炭素中でpBluescript SK+の遺伝子断片が増幅されたことが示された。図2中、Mは分子量マーカーである。
実施例2
実施例1と同様にpBluescript SK+を鋳型として、KOD dash ポリメラーゼ、およびPfuポリメラーゼを用いる増幅を行った。図3に(A)KOD dash ポリメラーゼ、(B)Pfuポリメラーゼで増幅させた電気泳動図(図3:↓)を示す。いずれも、pBluescript SK+の遺伝子断片を増幅できたことが示された。
実施例3
酵素としてKOD dash ポリメラーゼを用いた実施例1と同様にして、pBluescript SK+を鋳型として、遺伝子を増幅させた。比較として、従来の大気圧下におけるPCR反応を、KOD dash ポリメラーゼを用いて、同じ温度条件、反応時間、行った。結果を図4に示す。水溶液中での増幅物(図4:P)に比べ、本発明の超臨界二酸化炭素中での増幅物(図4:S)の方が、分布の狭いバンドを示すことが示された。この結果は、超臨界二酸化炭素中で遺伝子を増幅すると、増幅エラーが抑制され、シャープなバンドとして表れることを示している。
産業上の利用可能性
本研究によれば、超臨界流体、亜臨界流体、高圧ガス、および液体からなる群から選択される少なくとも一種の高圧流体を反応媒体として、ウイルス、微生物、動物、植物などのターゲット遺伝子にプライマーをアニーリングさせ、TaqポリメラーゼまたはPfuポリメラーゼなどの耐熱性の核酸合成酵素を界面活性剤で被覆した界面活性剤被覆酵素を用いて、温度を制御しながら遺伝子を増幅させることができる。また、有機溶媒の削減を行い、かつ、遺伝子増幅を使用圧力、温度を操作することにより制御することができる。
本発明の遺伝子増幅法によって、遺伝子が効率良く増幅され、この遺伝子が抗原性である場合には、抗原・抗体反応により検出することが可能になるなど、遺伝子関連の製造業、医薬の分野で利用できる。
【配列表】
Figure 0004097523

【図面の簡単な説明】
図1は、超臨界二酸化炭素を反応媒体として遺伝子増幅を行う装置を示す図である。
図2は、図1に示される装置を用いて、Taqポリメラーゼで増幅したDNA断片のアガロースゲル電気泳動写真である。比較として、サイズマーカーMと通常の方法で増幅させたものをPとして示す。
図3は、(A)KODポリメラーゼ、(B)Pfuポリメラーゼを用いて、図1の装置で増幅したDNA断片のアガロースゲル電気泳動写真である。
図4は、従来のPCR法による増幅物(P)と超臨界二酸化炭素を用いるPCR増幅物(S)とを比較した電気泳動写真である。

Claims (4)

  1. ターゲット遺伝子にプライマーをアニーリングさせ、耐熱性の核酸合成酵素を用いて遺伝子を増幅させる遺伝子増幅方法であって、二酸化炭素の超臨界流体を反応媒体とする遺伝子増幅方法。
  2. 使用圧力または温度の少なくとも1つを制御することにより、遺伝子を増幅し、かつ増幅された遺伝子のエラーを減少させる請求項1に記載の遺伝子増幅方法。
  3. 前記耐熱性の核酸合成酵素が、界面活性剤あるいは脂質で被覆されている、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記界面活性剤が、イソオクチルソディウムサルファサクシネート、ソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルであり、前記脂質がレシチンである、請求項に記載の方法。
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