JP4096698B2 - ラインクロール補正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等の撮像素子を用いた撮像装置において、撮像素子のバラツキにより発生する各ライン間の信号レベルの差を信号処理によって補正する装置に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
近年、撮像装置の性能、機能向上の一環として、高画質化に対する技術等が多数、提案されている。
【0003】
まずは、代表的な撮像装置の信号の流れを図9を用いて説明する。図9において、91は被写体からの光学信号を入射するためのレンズ、92はレンズ91からの光学信号を電気信号に変換する撮像素子、93は前記被写体の明度情報を撮像素子92の出力信号より輝度信号として生成する輝度信号発生部、94は前記被写体の彩度及び色相情報をクロマ信号として生成するクロマ信号発生部、95は前記輝度信号と前記クロマ信号からテレビジョンなどの表示媒体に出力するための信号に変換するエンコーダ、96は前記輝度信号と前記クロマ信号から磁気記録媒体等の記録媒体のフォーマットに変換する信号処理部である。
【0004】
以上のように構成された撮像装置において、輝度信号生成部内93の処理の一つに、撮像素子92のバラツキにより発生する各ライン間の信号レベルの差を信号処理によって補正する装置(以下、ラインクロール補正装置と称す)がある。一般的に前記各ライン間の信号レベルの差は、特開2001−339624号公報の従来技術で説明されている通り、撮像素子92内のフォトダイオード上に配置されている色フィルタの分光特性の差により発生するものであり、輝度信号のレベルと各ラインの信号レベル差のレベルは比例する。図10(a)に代表的な色フィルタ配列を、図10(b)に輝度信号と各ライン間のバラツキの関係図を示す。
【0005】
次に、従来のラインクロール補正装置について説明する。
【0006】
従来の技術としては特開2001−339624号公報の実施例に提案されており、図11は従来のラインクロール補正装置におけるブロック図である。1は被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し、画素信号として出力する撮像素子、2は画素信号より輝度信号を生成する輝度信号生成部、3は輝度信号生成部2からの輝度信号を1水平ライン期間遅延させて出力する1水平期間遅延回路(以下、1HDLと記す)、4は1HDL3からの輝度信号を1水平ライン期間遅延させて出力する1HDL、5は輝度信号生成部2及び1HDL3、1HDL4からの輝度信号から垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出部、6は高周波成分検出部5からの高周波成分の絶対値を演算する絶対値演算部、8は絶対値演算部6の出力値をある設定値発生部7aからの設定値(A)から減算する減算器(A)、9は減算器(A)8からの出力の負の値に対して0を出力するリミッタ(A)、10はリミッタ(A)9の出力に所定係数発生部11からの所定係数(GAIN)を乗算する乗算器(B)、12は乗算器(B)10の出力値がある第2の設定値発生部13からの設定値(B)以上になった時に一定の値を出力するリミッタ(B)、14はリミッタ(B)12の出力と高周波成分検出部5の出力とを乗算する乗算器(C)、15は乗算器(C)14の出力を1HDL3の出力から減算する減算器(B)である。
【0007】
以上のように構成された従来のラインクロール補正装置について、以下その動作について説明する。
【0008】
まず、輝度信号生成部2で撮像素子1からの出力である画素信号より各水平ライン毎に輝度信号が生成される。そして、1水平ラインの遅延素子である2本の1HDL3、4によって、垂直方向に3ラインの輝度信号が同時化される。同時化された3ラインの輝度信号は、高周波成分検出部5に入力されて、垂直方向の高周波信号が分離される。高周波成分検出部5からの出力信号は絶対値演算部6に入力されて絶対値に変換され、減算器(A)8にて、設定値発生部7aからの設定値(A)の値から減算される。減算器(A)8の出力は、リミッタ(A)9にて、負の値が0に固定される。リミッタ(A)9の出力は所定係数発生部11からの所定係数(GAIN)と乗算器(B)10にて乗算されて、リミッタ(B)12において第2の設定値発生部13からの設定値(B)以上の値を、第2の設定値発生部13からの設定値(B)に固定する処理が行なわれる。リミッタ(B)12の出力は、乗算器(C)14にて、高周波成分検出部5の出力と乗算されたのち、減算器(B)15において、1HDL3の出力の輝度信号から減算されることによって、ラインクロールを抑圧した輝度信号が、輝度信号出力端子16から出力される。
【0009】
図3は、処理すべき画像の例を示す模式図である。図3において、31は実際に撮影した画像全体を示す画像、32は画像中の暗い部分の被写体、33は被写体32に重なるように位置した被写体32よりも明るい被写体、34は被写体33以外の部分の被写体で、画像31中もっとも明るい部分である。この画像31は例えば、夜間に照明が点灯した明るい家屋内を撮影した状態を示し、被写体32は例えば家屋に配された窓で、夜間であるため窓を介して見える屋外は暗い。被写体33は例えば窓(被写体32)の前に位置した被撮影物を示し、照明により明るく照らされているため被写体32よりも明るいが、被写体34よりは暗い。被写体34は例えば家屋の屋内壁で、被写体33よりも明るい色調のものを用い、画像31内で最も明るい被写体となっている。35は画像31中に発生したラインクロール成分である。
【0010】
以下この画像に対して施される信号処理の波形を説明する。図12は図11のラインクロール補正装置を、図3に示す画像に施した場合の各ブロックの出力信号波形を示す図である。
【0011】
輝度信号は図3の画像31において、32、33、34の被写体のほかに、35のラインクロール成分を含んだものであり、この画像31に対して垂直方向の矢印36における画像データを、水平方向に展開したものが、図12(a)である。信号値121−2は、被写体33に対するデータを示し、信号値121−1、121−3はそれぞれ被写体32、34に対するデータを示し、輝度信号に含まれるラインクロール成分を示す。ここで、被写体34の輝度レベルは被写体32に比べて高いため、信号値121−3のラインクロール成分は信号値121−1のラインクロール成分より大きい。なお、信号値121−2には信号値121−1と同等のラインクロールの成分を含んでいる。
【0012】
図11の1HDL3、4で同時化された垂直3ラインの輝度信号から、高周波成分検出部5にて例えば、
F(z)=−1/4・z-1+2/4・z0−1/4・z1
の式で表されるハイパスフィルタで検出された出力信号を、図12(b)の波形122に示す。高周波成分検出部5の出力波形122を入力して得られる絶対値演算部6の出力は波形122の負の信号が正値に変換されることで、図12(c)の波形123−1のようになる。波形123−1の信号は、次段の減算器(A)8にて、設定値発生部7aからの設定値(A)の値から減算される。設定値(A)7aの値を被写体32におけるラインクロール成分である信号値121−1の振幅より大きい値である図12(c)のTH123−2のように設定した場合、減算器(A)8の出力は、図12(d)の波形124のようになる。
【0013】
減算器(A)8の出力は、リミッタ(A)9にて負の値が0に固定されることから、リミッタ(A)9の出力は、波形124にて、124−1の負の信号を0に固定した図12(e)の波形125となる。これにより、TH123−2より大きな振幅を持つ高周波信号については、リミッタ(A)9の出力は0に固定されることになる。
【0014】
次にリミッタ(A)9の出力は所定係数発生部11からの所定係数(GAIN)と、乗算器(B)10にて乗算され、図12(f)の波形126となる。リミッタ(B)12にて、第2の設定値発生部13からの設定値(B)の値以上の信号に対して第2の設定値発生部13からの設定値(B)の値に固定されるが、例として、図12(f)のTH126−1の値が1.0に設定されていると仮定すると、リミッタ(B)12の出力波形は、図12(g)の波形127のようになる。
【0015】
リミッタ(B)12の出力は、乗算器(C)14にて、高周波成分検出部5の出力である図12(b)の波形122に乗算されて、図12(h)の波形128のようになる。図12(c)にてTH123−2より小さい振幅の信号部分ではリミッタ(B)12の出力が1.0のため、高周波成分検出部5の出力がそのまま出力され、それ以外の部分では、リミッタ(B)12の出力が0のため、波形128は0に固定される。最後に、1HDL3の出力から乗算器(C)14の出力が減算されることにより、図12(i)の波形129が得られる。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−339624号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、ラインクロール成分の振幅は輝度信号のレベルに比例するため、図11に示すラインクロール補正装置を用いたラインクロール抑圧方法において、設定値発生部7aからの設定値を図12(c)のTH123−2のように、被写体32におけるラインクロール成分である信号値121−1の振幅より大きい値に設定すると、被写体34におけるラインクロール成分である信号値121−3は抑圧できないという問題を有していた。
【0018】
また、設定値7aを被写体34におけるラインクロール成分の振幅より大きい値に設定した場合の各ブロックの出力波形を図13に示す。図11に示すラインクロール補正装置において、設定値発生部7aからの設定値を図13(c)のTH133−2のように、被写体34におけるラインクロール成分である信号値131−1の振幅より大きい値に設定すると、信号値139−1のように被写体33が太くなり、垂直方向の解像度が低下するという問題を有していた。
【0019】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、被写体の輝度レベルに応じて適切なラインクロール補正を行うことができ、可能な限り補正による副作用を抑圧し、良好な画像を得ることができるラインクロール補正装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し画素信号として出力する撮像素子と、前記撮像素子からの画素信号より輝度信号を生成する輝度信号生成手段と、前記輝度信号生成手段からの輝度信号の垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、前記高周波成分検出手段の出力信号の絶対値を演算する絶対値演算手段と、前記輝度信号生成手段からの輝度信号に基づき各ラインの輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記輝度レベル検出手段が出力した輝度レベルに比例するラインクロール抑圧レベルを算出する第1の乗算手段と、前記ラインクロール抑圧レベルから前記絶対値演算手段の出力を減算する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力の負の値に対して0を出力する第1のリミッタと、前記第1のリミッタの出力に所定係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の出力値が第2の設定値以上になった時に一定の値を出力する第2のリミッタと、前記第2のリミッタの出力と前記高周波成分検出手段の出力とを乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の出力を前記輝度信号から減算する第2の減算手段と具備するものであり、これにより、輝度信号のレベルを検出し、ラインクロール抑圧レベルを輝度信号のレベルに応じて変化させることで、被写体の輝度レベルに応じたラインクロール補正を行うことができ、良好な画像が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し画素信号として出力する撮像素子と、前記撮像素子からの画素信号より輝度信号を生成する輝度信号生成手段と、前記輝度信号生成手段からの輝度信号の垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、前記高周波成分検出手段の出力信号の絶対値を演算する絶対値演算手段と、前記輝度信号生成手段からの輝度信号に基づき各ラインの輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記輝度レベル検出手段が出力した輝度レベルに比例するラインクロール抑圧レベルを算出する第1の乗算手段と、前記ラインクロール抑圧レベルから前記絶対値演算手段の出力を減算する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力の負の値に対して0を出力する第1のリミッタと、前記第1のリミッタの出力に所定係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の出力値が第2の設定値以上になった時に一定の値を出力する第2のリミッタと、前記第2のリミッタの出力と前記高周波成分検出手段の出力とを乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の出力を前記輝度信号から減算する第2の減算手段と具備するものである。
【0022】
請求項2に記載の発明は、被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し画素信号として出力する撮像素子と、前記撮像素子からの画素信号の垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、前記高周波成分検出手段の出力信号の絶対値を演算する絶対値演算手段と、ライン毎に前記輝度レベル検出手段が出力した輝度レベルに比例するラインクロール抑圧レベルを算出する第1の乗算手段と、前記撮像素子からの画素信号に基づき画素レベルを検出する画素レベル検出手段と、画素単位で前記画素レベル検出手段が出力した画素レベルに比例するラインクロール抑圧レベルを算出する第1の乗算手段と、前記ラインクロール抑圧レベルから前記絶対値演算手段の出力を減算する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力の負の値に対して0を出力する第1のリミッタと、前記第1のリミッタの出力に所定係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の出力値が第2の設定値以上になった時に一定の値を出力する第2のリミッタと、前記第2のリミッタの出力と前記高周波成分検出手段の出力とを乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の出力を前記画素信号から減算する第2の減算手段と具備するものである。
【0023】
この構成によって、輝度信号のレベルを検出し、ラインクロール抑圧レベルを輝度信号のレベルに応じて変化させることで、被写体の輝度レベルに応じたラインクロール補正を行うことができ、良好な画像が得られる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図1から図5を用いて詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態にかかるラインクロール補正装置のブロック図である。図1において、1は被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し、画素信号として出力する撮像素子、2は画素信号より輝度信号を生成する輝度信号生成手段である輝度信号生成部、3は輝度信号生成部2からの輝度信号を1水平ライン期間遅延させて出力する1水平期間遅延回路(以下、1HDLと記す)、4は1HDL3からの輝度信号を1水平ライン期間遅延させて出力する1HDL、5は輝度信号生成部2及び1HDL3、1HDL4からの輝度信号から垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出手段である高周波成分検出部、6は高周波成分検出部5からの高周波成分の絶対値を演算する絶対値演算手段である絶対値演算部、8は絶対値演算部6の出力値をある設定値発生部7aからの第1の設定値(以下、設定値(A)と記す)から減算する第1の減算手段である減算器(A)、9は減算器(A)8からの出力の負の値に対して0を出力する第1のリミッタであるリミッタ(A)、10はリミッタ(A)9の出力に所定係数発生部11からの所定係数(GAIN)を乗算する第2の乗算手段である乗算器(B)、12は乗算器(B)10の出力値がある第2の設定値発生部13からの第2の設定値(以下、設定値(B)と記す)以上になった時に一定の値を出力する第2のリミッタであるリミッタ(B)、14はリミッタ(B)12の出力と高周波成分検出部5の出力とを乗算する第3の乗算手段である乗算器(C)、15は乗算器(C)14の出力を1HDL3の出力から減算する第2の減算手段である減算器(B)である。17は輝度信号生成部2からの輝度信号を入力とし、輝度レベルを輝度レベル情報として出力する輝度レベル検出手段である輝度レベル検出回路、18は設定値発生部7からの設定値と輝度レベル検出回路17からの出力とを乗算する第1の乗算手段である乗算器(A)である。
【0026】
以上のように構成された本実施の形態のラインクロール補正装置について、図1を用いて、以下その動作について説明する。
【0027】
撮像素子1からの出力である画素信号より各水平ライン毎に生成された輝度信号が輝度信号生成部2から出力される。そして、1水平ラインの遅延素子である2本の1HDL3、4によって、垂直方向に3ラインの輝度信号が同時化される。同時化された3ラインの輝度信号は、高周波成分検出部5に入力されて、垂直方向の高周波信号が分離される。
【0028】
また、同時化された3ラインの輝度信号は、輝度レベル検出回路17にも入力され、輝度レベル検出回路17から出力される輝度レベルと設定値発生部7からの設定値とが乗算器(A)18にて乗算され、ラインクロール抑圧レベルとして出力される。
【0029】
高周波成分検出部5からの出力信号は絶対値演算部6に入力されて絶対値に変換され、減算器(A)8にて、前記ラインクロール抑圧レベルから減算される。減算器(A)8の出力は、リミッタ(A)9にて、負の値が0に固定される。リミッタ(A)9の出力は所定係数発生部11からの所定係数(GAIN)と乗算器(B)10にて乗算されて、リミッタ(B)12において第2の設定値発生部13からの設定値(B)以上の値を、第2の設定値発生部13からの設定値(B)に固定する処理が行なわれる。
【0030】
リミッタ(B)12の出力は、乗算器(C)14にて、高周波成分検出部5の出力と乗算されたのち、減算器(B)15において、1HDL3の出力の輝度信号から減算されることによって、ラインクロールを抑圧した輝度信号が、輝度信号出力端子16から出力される。
【0031】
輝度レベル検出部17についてさらに詳しく図4とともに説明する。
【0032】
図4は本実施の形態による輝度レベル検出部17の内部構成の一例を示す図である。図1の輝度レベル検出部17において、入力される同時化された3ラインの輝度信号に対して第1のラインの輝度信号がフリップフロップ(FF)41_1、41_2、…、41_N、によって水平方向に同時化され、第2のラインの輝度信号がフリップフロップ42_1、42_2、…、42_N、によって水平方向に同時化され、第3のラインの輝度信号がフリップフロップ43_1、43_2、…、43_N、によって水平方向に同時化される。各ライン同時化された水平N画素の信号を加算器44で加算し、加算器44の出力が正規化回路45にて1/(3×N)倍され、輝度レベルとして出力される。
【0033】
図5は輝度レベルとラインクロール抑圧レベルの特性を示す図である。このようにして得られたラインクロール抑圧レベルは、被写体の輝度レベルに応じた値になり、従来技術のように輝度レベルによってラインクロールが抑圧されないということがなく、適切なラインクロール補正が可能となる。
【0034】
図1のラインクロール補正装置を、図3に示す画像に施した場合の信号処理の波形を図2に示す。図3の画像31に対して垂直方向の矢印36における画像データを水平方向に展開したものが図2(a)であり、図12(a)と同一の信号である。信号値21−2は被写体33に対するデータを示し、信号値21−1、21−3はそれぞれ被写体32、34に対するデータを示し、輝度信号に含まれるラインクロール成分を示す。ここで、被写体34の輝度レベルは被写体32に比べて高いため、信号値21−3のラインクロール成分は信号値21−1のラインクロール成分より大きい。なお、信号値21−2には信号値21−1と同等のラインクロールの成分を含んでいる。
【0035】
図2(b)の波形22は図1の1HDL3、4で同時化された垂直3ラインの輝度信号から、高周波成分検出部5によって検出された出力信号を示したものであり、図12(b)の波形122と同一の信号である。図2(c)の波形23−1は波形22の負の信号が正値に変換する絶対値演算部6の出力信号を示したものであり、図12(c)の波形123−1と同一の信号である。
【0036】
図2(c)の波形23−1に対して、輝度レベル検出部17と設定値発生部7からの設定値(A)の値を乗算器(A)18にて乗算したラインクロール抑圧レベルは図2(c)のTH23−2のようになり、輝度レベルに応じた信号になっている。波形23−1の信号は、次段の減算器(A)8にて、乗算器(A)18の値から減算され、減算器(A)8の出力は、図2(d)の波形24のようになる。
【0037】
減算器(A)8の出力は、リミッタ(A)9にて負の値が0に固定されることから、リミッタ(A)9の出力は、波形24にて、波形24−1の負の信号を0に固定した図2(e)波形25となる。これにより、TH23−2より大きな振幅を持つ高周波信号については、リミッタ(A)9の出力は0に固定されることになる。
【0038】
次にリミッタ(A)9の出力は所定係数発生部11からの所定係数(GAIN)と、乗算器(B)10にて乗算され、図2(f)の波形26となる。リミッタ(B)12にて、第2の設定値発生部13からの設定値(B)の値以上の信号に対して第2の設定値発生部13からの設定値(B)の値に固定されるが、例として、図2(f)のTH26−1の値が1.0に設定されていると仮定すると、リミッタ(B)12の出力波形は図2(g)の波形27のようになる。
【0039】
リミッタ(B)12の出力は、乗算器(C)14にて、高周波成分検出部5の出力である図2(b)の波形22に乗算されて、図2(h)の波形28のようになる。図2(c)にてTH23−2より小さい振幅の信号部分ではリミッタ(B)12の出力が1.0のため、高周波成分検出部5の出力がそのまま出力され、それ以外の部分では、リミッタ(B)12の出力が0のため、波形28は0に固定される。最後に、1HDL3の出力から乗算器(C)14の出力が減算されることにより、図2(i)の波形29が得られる。
【0040】
以上のように本実施の形態によれば、輝度信号生成部2の出力である輝度信号より輝度レベルを検出する輝度レベル検出部17と、輝度レベル検出部の出力にある設定値を乗算する乗算器(A)18とを設けることにより、被写体の輝度レベルに応じて適切なラインクロール補正を行なうことができ、可能な限り補正による副作用(解像度の低下)を抑圧し、良好な画像を得ることができる。
【0041】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2にかかるラインクロール補正装置のブロック図である。図6において、本発明の実施の形態1と異なる点を説明し、同じ効果を有する構成においては同一番号を付与し、詳しい説明は省略する。
【0042】
図6において、図1の構成と異なるのは、実施の形態1での構成が撮像素子1からの出力が複数画素を混合した画素信号出力(図7に垂直方向に画素信号を混合した場合の画素信号出力の一例を示す)において、輝度信号生成部2の出力である輝度信号に適応してラインクロール抑圧を行っているのに対し、実施の形態2での構成は撮像素子1から画素混合をせずに出力された画素信号(図8に画素信号出力の一例を示す)に適応してラインクロール抑圧を行うという点である。
【0043】
そして実施の形態2においても、撮像素子1の出力である画素信号より画素レベルを検出する画素レベル検出手段である画素レベル検出部17aと、画素レベル検出部17aの出力にある設定値を乗算する第1の乗算手段である乗算器(A)18とを設けることにより、被写体の画素レベルに応じて適切なラインクロール補正を行うことができ、本発明の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0044】
以上のように本実施の形態によれば、輝度信号生成部の出力信号からではなく、撮像素子1の出力である画素信号に対してラインクロール抑圧を行うことにより、被写体の輝度レベルに応じて適切なラインクロール補正を行なうことができ、可能な限り補正による副作用を抑圧し、良好な画像を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明では、輝度信号等のレベル情報に適応してラインクロール抑圧レベルを制御することにより、被写体の輝度レベルに応じて適切なラインクロール補正を行うことができ、可能な限り補正による副作用を抑圧し、良好な画像が得られるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるラインクロール補正装置の一例を示すブロック図
【図2】本発明におけるラインクロール補正装置で行なわれる信号波形を示す波形図
【図3】処理すべき画像の例を示す模式図
【図4】図1の輝度レベル検出部の内部構成の一例を示すブロック図
【図5】本発明における輝度レベルとラインクロール抑圧レベルの特性を示す特性図
【図6】本発明の実施の形態2におけるラインクロール補正装置の一例を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態1における画素信号出力の一例を示す模式図
【図8】本発明の実施の形態2における画素信号出力の一例を示す模式図
【図9】撮像装置の一例を示すブロック図
【図10】(a)代表的な色フィルタ配列を示す模式図
(b)輝度信号と各ライン間のバラツキの関係を示す特性図
【図11】従来のラインクロール補正装置のブロック図
【図12】従来のラインクロール補正装置における信号波形を示す波形図
【図13】従来のラインクロール補正装置における信号波形を示す波形図
【符号の説明】
1 撮像素子
2 輝度信号生成部
3、4、19、20 1HDL(1水平期間遅延回路)
5、5a 高周波成分検出部
6 絶対値演算部
7 設定値
8、15 減算器
9 リミッタ
10、14、18 乗算器
11 所定係数(GAIN)
12 リミッタ
13 設定値
16 輝度信号出力端子
16a 画素信号出力端子
17 輝度レベル検出部
17a 画素レベル検出部
Claims (2)
- 被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し画素信号として出力する撮像素子と、前記撮像素子からの画素信号より輝度信号を生成する輝度信号生成手段と、前記輝度信号生成手段からの輝度信号の垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、前記高周波成分検出手段の出力信号の絶対値を演算する絶対値演算手段と、前記輝度信号生成手段からの輝度信号に基づき各ラインの輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記輝度レベル検出手段が出力した輝度レベルに比例するラインクロール抑圧レベルを算出する第1の乗算手段と、前記ラインクロール抑圧レベルから前記絶対値演算手段の出力を減算する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力の負の値に対して0を出力する第1のリミッタと、前記第1のリミッタの出力に所定係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の出力値が第2の設定値以上になった時に一定の値を出力する第2のリミッタと、前記第2のリミッタの出力と前記高周波成分検出手段の出力とを乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の出力を前記輝度信号から減算する第2の減算手段と具備することを特徴とするラインクロール補正装置。
- 被写体より入射された光学信号を電気信号に変換し画素信号として出力する撮像素子と、前記撮像素子からの画素信号の垂直方向の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、前記高周波成分検出手段の出力信号の絶対値を演算する絶対値演算手段と、前記撮像素子からの画素信号に基づき画素レベルを検出する画素レベル検出手段と、前記画素レベル検出手段が出力した画素レベルに比例するラインクロール抑圧レベルを算出する第1の乗算手段と、前記ラインクロール抑圧レベルから前記絶対値演算手段の出力を減算する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力の負の値に対して0を出力する第1のリミッタと、前記第1のリミッタの出力に所定係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の出力値が第2の設定値以上になった時に一定の値を出力する第2のリミッタと、前記第2のリミッタの出力と前記高周波成分検出手段の出力とを乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の出力を前記画素信号から減算する第2の減算手段と具備することを特徴とするラインクロール補正装置。
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