JP4096287B2 - 細骨材及び水の計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、細骨材及び水の計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートを現場配合する際、水量がコンクリート強度等に大きな影響を及ぼすため、練混ぜ時に十分管理する必要があるが、配合材料である骨材は、その貯蔵状況や気候条件等によって含水状態が異なり、湿潤状態の骨材を用いるとコンクリート中の水量が骨材の表面水の量だけ増加し、乾燥状態の骨材を用いるとコンクリート中の水量は有効吸水量だけ減少する。
【0003】
そのため、骨材の乾湿程度に応じて練混ぜ時の水量を補正し示方配合通りのコンクリートを製造することが、コンクリートの品質を維持する上できわめて重要な事項となる。
【0004】
ここで、湿潤状態における表面水の水量(細骨材の表面に付着している水量)を表乾状態(表面乾燥飽水状態)の細骨材の質量で除した比率を表面水率と呼んでいるが、貯蔵されている骨材、特に細骨材は一般に濡れていることが多いため、かかる表面水率を骨材の乾湿程度の指標として予め測定し、その測定値に基づいて練混ぜ水量を調整するのが一般的である。
【0005】
そして、このような表面水率の測定は、従来、細骨材が貯蔵されたストックビンと呼ばれる貯蔵容器から少量の試料を採取してその質量及び絶乾状態での質量を計測し、次いで、これらの計測値と予め測定された表乾状態の吸水率とを用いて算出していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような測定方法では、絶乾状態の質量を計測するのにバーナー等による加熱作業が必要となるため、経済性や時間の面で非現実的であるという問題を生じていた。
【0007】
また、このような問題を補うべく、練混ぜ状況をオペレータが目視で確認したり、ミキサの負荷電流を参考にすることによって練混ぜ水量の調整を行うといった方法を採用することがあるが、かかる方法自体が精度の低いものであり、結局、強度面で20%近い大きな安全率を見込まざるを得なくなり、不経済な配合となるという問題も生じていた。
【0008】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、細骨材及び水の質量を効率よくしかも所定の精度で計測することが可能な細骨材及び水の計量装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る細骨材及び水の計量装置は請求項1に記載したように、計量槽本体及びその底部開口を水密性を保持した状態で閉じることが可能な開閉自在の底蓋からなる計量槽と、該計量槽内に投入された水、水浸細骨材及び湿潤細骨材の質量を計測する質量計測手段とを備え、前記計量槽本体の内部空間を水浸細骨材収容スペースと湿潤細骨材収容スペースとに分割するとともに、前記水浸細骨材収容スペースをさらに骨材別スペースに分割し、該骨材別スペース内に収容された水浸細骨材の各容積を計測する容積計測手段を備えたものである。
また、本発明に係る細骨材及び水の計量装置は、前記計量槽本体内を所定の仕切板で鉛直に仕切ることで、前記水浸細骨材収容スペース及び前記湿潤細骨材収容スペースを形成するとともに、前記水浸細骨材収容スペース内を所定の仕切板で鉛直に仕切ることで、前記骨材別スペースを形成したものである。
【0010】
本発明に係る細骨材及び水の計量装置においては、まず、計量槽本体の底部開口を底蓋で閉じて水密性を保持し、次いで、計量すべき第1の細骨材の一部及び水を水浸細骨材収容スペースに分割形成された第1の骨材別スペースに投入し、第1の水浸細骨材とする。
【0011】
この場合、気泡の混入を防止するため、水を先行投入しておくのが望ましい。第1の細骨材のうち、どの程度の割合を第1の水浸細骨材として計量するかは、精度と効率との兼ね合いで適宜決定すればよい。
【0012】
次に、第1の骨材別スペースに収容された第1の水浸細骨材の質量Mf1と容積Vf1とを質量計測手段と容積計測手段とでそれぞれ計測する。
【0013】
質量計測手段は、例えばロードセルで構成しておき、第1の水浸細骨材が投入された状態の計量槽全体の質量から計量槽だけの質量を差し引くことで第1の水浸細骨材だけの質量を計測することができる。
【0014】
容積計測手段は、例えば、電極式変位センサーを用いることができる。
【0015】
ここで、投入する水については、第1の骨材別スペースに先行投入してその質量を質量計測手段で計測するか、投入前に別途計測するかし、いずれにしても水だけの質量MwI1を計測しておく。
【0016】
次に、ρs1を第1の細骨材の表乾状態における密度、ρwを水の密度として、以下の2式、すなわち、
Ms1+Mw1=Mf1 (1)
Ms1/ρs1+Mw1/ρw=Vf1 (2)
を解くことによって、第1の細骨材の表乾状態における質量Ms1及び水の質量Mw1を求める。
【0017】
次に、MwI1を用いて、次式、
Msw1=Mf1―MwI1 (3)
で湿潤状態における第1の細骨材の質量Msw1を求め、次いで該Msw1を、次式、
(Msw1―Ms1)/Ms1 (4)
に代入して第1の細骨材の表面水率を算出する。
【0018】
以下、第iの細骨材(i=1,2,3・・・・・N)に対しても、上述の手順を繰り返して第iの骨材別スペースにそれぞれ累加投入することによって、第iの細骨材の表乾状態における質量Msi(i=1,2,3・・・・・N)、第iの細骨材とともに水浸細骨材として投入された水の質量Mwi(i=1,2,3・・・・・N)及び第iの細骨材の表面水率(i=1,2,3・・・・・N)をそれぞれ求める。
【0019】
なお、第iの細骨材(i=1,2,3・・・・・N)は、累加的に第iの骨材別スペースにそれぞれ投入していくため、(1)式におけるMfiは、実測値からそれまでの累積質量を差し引く必要がある。同様に、(3)式におけるMfiも、実測値からそれまでの累積質量を差し引き、水についてもそのときに補充されるような場合には、MwIiを差し引く必要がある。
【0020】
一方、このようにして第iの細骨材の表面水率(i=1,2,3・・・・・N)が求められたならば、かかる表面水率を用いて水量補正しながら、残りの細骨材を湿潤細骨材収容スペースに投入して計量する。すなわち、まず、第1の細骨材のうち、水浸細骨材として計量しなかった残りの分を湿潤細骨材収容スペースに累加投入(水浸細骨材は入れたままの状態)してその質量を計測し、上述した表面水率を用いて表乾状態における質量と水の質量に分けて計量する。
【0021】
次に、第2の細骨材のうち、水浸細骨材として計量しなかった残りの分を湿潤細骨材収容スペースにさらに累加投入してその質量を計測し、上述した表面水率を用いて表乾状態における質量と水の質量に分けて計量する。
【0022】
以下、上述の手順を繰り返すことで、第iの細骨材(i=1,2,3・・・・・N)の表乾状態における質量と水とをそれぞれ計量する。
【0023】
なお、湿潤細骨材を投入して質量を計測する場合、それまでの累積質量を差し引く必要があることは言うまでもない。
【0024】
このように複数の細骨材を水浸方式によって個別に計量するとともに、それぞれの水浸計量で得られた細骨材ごとの表面水率を用いて残りの細骨材をそれぞれ水量補正しつつ計量することで、複数の細骨材及び水の質量を効率よく計測することが可能となる。
【0025】
しかも、水浸細骨材収容スペースを複数の細骨材が水浸細骨材として投入される骨材別スペースとして分割するようにしたので、各骨材別スペースは相対的に深くなり、水浸細骨材の水位を計測する際の精度を向上させることが可能となる。
【0026】
また、本発明においては、細骨材の表面水は、湿潤状態のばらつきが考慮された状態で水の質量Mwi(i=1,2,3・・・・・N)の一部として間接的に算出されるとともに、細骨材の質量は、表乾状態のときの質量Msi(i=1,2,3・・・・・N)として把握される。すなわち、細骨材や水の質量が示方配合と同等の条件で把握されることとなるので、湿潤状態が異なる細骨材、特に、湿潤状態が異なりやすい種類の異なる複数の細骨材を用いても、示方配合通りの水量でコンクリートを製造することが可能となる。
【0027】
なお、上述したように、水浸方式による計量を各細骨材に関して全て終えてから、次に、残りの細骨材を計量するようにしたが、水浸方式による計量及び残りの分の計量を各細骨材ごとに行うようにしてもかまわない。
【0028】
いずれにしろ、計量終了後は、計量すべき複数の細骨材が骨材別スペースには水浸細骨材として、湿潤細骨材収納スペースには、湿潤状態の細骨材として収容されることとなるので、この状態で底蓋を開いて下方に設置した混練ミキサー内に投入し、他のコンクリート材料とともに混練すればよい。
【0029】
複数の細骨材は、密度が互いに異なるものや粒度が互いに異なるものを複数使う場合が想定される。特に、粒度が互いに異なる複数の骨材を適当な割合で混ぜ合わせることによって、所望の粒度をもつ細骨材をあらたに作り出すことがコンクリートの配合上、重要となることが多い。
【0030】
なお、本発明で複数の細骨材と言うときは、密度や粒度が互いに異なるものをはじめ、産地、強度、ヤング係数、耐久性、天然骨材か人工骨材か副産骨材かあるいは天然骨材でも海砂か山砂かという産出状況その他骨材に関する分類指標が互いに異なるものを言うものとする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る細骨材及び水の計量装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置を示した概念図である。同図でわかるように、本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置1は、計量槽2と、該計量槽内に投入された水、水浸細骨材及び湿潤細骨材の質量を計測する質量計測手段としてのロードセル3とを備え、計量槽2は、図示しない架台に取り付けられたロードセル3にその上端鍔部4を載せて吊持してある。
【0033】
計量槽2は、計量槽本体5及びその底部開口を水密性を保持した状態にて開閉自在に閉じることが可能な底蓋6からなり、本実施形態ではヒンジ13を介して一方の縁部で計量槽本体5に回動自在に結合してある。そして、かかる底蓋6を同図矢印で示すように回動させて開くことで、計量が終了した細骨材を下方に落下させ、これを、別途計量されたセメントや粗骨材とともに、図示しない混練ミキサーに投入することができるようになっている。
【0034】
計量槽2の容積については任意であって、コンクリート配合を行う単位すなわち1バッチに必要な全量としてもよいし、何回かに分けて計量することを前提とした容量でもかまわない。
【0035】
一方、細骨材及び水の計量装置1は、計量槽本体5の内部空間を水浸細骨材収容スペース7と湿潤細骨材収容スペース8とに分割するとともに、水浸細骨材収容スペース7を同図(b)でよくわかるようにさらに第1の骨材別スペース、第2の骨材別スペース、第3の骨材別スペースである3つの骨材別スペース9a,9b,9cに分割し、それらの上方に該各骨材別スペース内に収容された水浸細骨材の容積を計測する容積計測手段としての電極式変位センサー10a,10b,10cを昇降自在に備えてある。
【0036】
ここで、水浸細骨材収容スペース7及び湿潤細骨材収容スペース8は、計量槽本体5内を仕切板11で鉛直に仕切ることで形成されており、3つの骨材別スペース9a,9b,9cは、水浸細骨材収容スペース7内を仕切板12a,12bで鉛直に仕切ることでそれぞれ形成してある。
【0037】
電極式変位センサー10a,10b,10cは、これらを昇降させることで下端に突設した電極が骨材別スペース9a,9b,9c内に収容された水浸細骨材の水面に触れたときの通電状態の変化を監視し、該水浸細骨材の水位を計測できるようになっている。
【0038】
本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置1においては、まず、計量槽本体5の底部開口を底蓋6で閉じて水密性を保持し、次いで、図2(a)、(b)に示すように計量すべき第1の細骨材21aの一部及び水を骨材別スペース9aに投入して水浸細骨材とする。
【0039】
この場合、気泡の混入を防止するため、水を先行投入しておくのが望ましい。細骨材21aのうち、どの程度の割合を水浸細骨材として計量するかは、精度と効率との兼ね合いで適宜決定すればよい。
【0040】
すなわち、水浸細骨材収納スペース7を仕切板12a,12bで鉛直方向に仕切ることで骨材別スペース9a,9b,9cを形成してあるため、各骨材別スペース9a,9b,9cは、内容積に対し相対的に高さが高くなっており、電極式変位センサー10a,10b,10cによる水位計測の精度は、骨材別スペース9a,9b,9c内の水浸細骨材の水位が高くなるほど高くなる。
【0041】
次に、骨材別スペース9aに収容された水浸細骨材21aの質量Mf1と容積Vf1とをロードセル3と電極式変位センサー10aとでそれぞれ計測する。
【0042】
ここで、投入する水については、骨材別スペース9aに先行投入してその質量をロードセル3で計測するか、投入前に別途計測するかし、いずれにしても水だけの質量MwI1を計測しておく。
【0043】
次に、ρs1を細骨材21aの表乾状態における密度、ρwを水の密度として、以下の2式、すなわち、
Ms1+Mw1=Mf1 (1)
Ms1/ρs1+Mw1/ρw=Vf1 (2)
を解くことによって、細骨材21aの表乾状態における質量Ms1及び水の質量Mw1を求める。
【0044】
次に、MwI1を用いて、次式、
Msw1=Mf1―MwI1 (3)
で湿潤状態における細骨材21aの質量Msw1を求め、次いで該Msw1を、次式、
(Msw1―Ms1)/Ms1 (4)
に代入して細骨材21aの表面水率を算出する。
【0045】
次に、上述したと同様の手順で図3(a)、(b)に示すように計量すべき第2の細骨材21bの一部及び水を骨材別スペース9bに投入して水浸細骨材とする。
【0046】
次に、骨材別スペース9bに収容された水浸細骨材21bの質量Mf2と容積Vf2とをロードセル3と電極式変位センサー10bとでそれぞれ計測する。
【0047】
ここで、質量Mf2は、ロードセルによる計測値から質量Mf1を差し引けばよい。また、投入する水については、骨材別スペース9bに先行投入してその質量をロードセル3で計測するか、投入前に別途計測するかし、いずれにしても水だけの質量MwI2を計測しておく。
【0048】
次に、ρs2を細骨材21bの表乾状態における密度、ρwを水の密度として、以下の2式、すなわち、
Ms2+Mw2=Mf2 (1′)
Ms2/ρs2+Mw2/ρw=Vf2 (2′)
を解くことによって、細骨材21bの表乾状態における質量Ms2及び水の質量Mw2を求める。
【0049】
次に、MwI2を用いて、次式、
Msw2=Mf2―MwI2 (3′)
で湿潤状態における細骨材21bの質量Msw2を求め、次いで該Msw2を、次式、
(Msw2―Ms2)/Ms2 (4′)
に代入して細骨材21bの表面水率を算出する。
【0050】
次に、上述したと同様の手順で図4(a)、(b)に示すように計量すべき第3の細骨材21cの一部及び水を骨材別スペース9cに投入して水浸細骨材とする。
【0051】
次に、骨材別スペース9cに収容された水浸細骨材21cの質量Mf3と容積Vf3とをロードセル3と電極式変位センサー10cとでそれぞれ計測する。
【0052】
ここで、質量Mf3は、ロードセルによる計測値からそれまでの累積値である質量(Mf2+Mf1)を差し引けばよい。また、投入する水については、骨材別スペース9cに先行投入してその質量をロードセル3で計測するか、投入前に別途計測するかし、いずれにしても水だけの質量MwI3を計測しておく。
【0053】
次に、ρs3を細骨材21cの表乾状態における密度、ρwを水の密度として、以下の2式、すなわち、
Ms3+Mw3=Mf3 (1″)
Ms3/ρs3+Mw3/ρw=Vf3 (2″)
を解くことによって、細骨材21cの表乾状態における質量Ms3及び水の質量Mw3を求める。
【0054】
次に、MwI3を用いて、次式、
Msw3=Mf3―MwI3 (3″)
で湿潤状態における細骨材21cの質量Msw3を求め、次いで該Msw3を、次式、
(Msw3―Ms3)/Ms3 (4″)
に代入して細骨材21cの表面水率を算出する。
【0055】
このようにして細骨材21a,21b,21cの表面水率が求められたならば、かかる表面水率を用いて水量補正しながら、残りの細骨材21a,21b,21cを湿潤細骨材収容スペース8に投入して計量する。
【0056】
すなわち、まず、細骨材21aのうち、水浸細骨材として計量しなかった残りの分を図5に示すように湿潤細骨材収容スペース8に投入してその質量を計測し、上述した表面水率を用いて表乾状態における質量と水の質量に分けて計量する。
【0057】
次に、細骨材21bのうち、水浸細骨材として計量しなかった残りの分を湿潤細骨材収容スペース8に累加投入してその質量を計測し、上述した表面水率を用いて表乾状態における質量と水の質量に分けて計量する。
【0058】
最後に、細骨材21cのうち、水浸細骨材として計量しなかった残りの分を湿潤細骨材収容スペース8に累加投入してその質量を計測し、上述した表面水率を用いて表乾状態における質量と水の質量に分けて計量する。
【0059】
計量終了後は、計量すべき複数の細骨材21a,21b,21cが骨材別スペース9a,9b,9cには水浸細骨材として個別に、湿潤細骨材収納スペース8には、湿潤状態の細骨材としてまとめて収容されることとなるので、この状態で底蓋を開いて下方に設置した混練ミキサー内に投入し、他のコンクリート材料とともに混練すればよい。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置1によれば、細骨材21a,21b,21cの一部を水浸方式によって個別に計量するとともに、それぞれの水浸計量で得られた細骨材ごとの表面水率を用いて残りの細骨材21a,21b,21cをそれぞれ水量補正しつつ計量することで、複数の細骨材21a,21b,21c及び水の質量を効率よく計測することが可能となる。
【0061】
したがって、水浸方式用の計量容器と従来通りの計量容器とをそれぞれの細骨材ごとに用意するといった煩雑な事態を未然に回避することが可能となり、設備規模の縮小及びメンテナンスの軽減を図ることが可能となる。
【0062】
しかも、水浸細骨材収容スペース7を3種類の細骨材21a,21b,21cが水浸細骨材として投入される骨材別スペース9a,9b,9cとして分割するようにしたので、各骨材別スペース9a,9b,9cは、内容積に対して相対的に深くなり、水浸細骨材の水位を電極式変位センサー10a,10b,10cで計測する際の精度を向上させることが可能となる。
【0063】
また、本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置1によれば、細骨材21a,21b,21cの表面水は、湿潤状態のばらつきが考慮された状態で水の質量Mwi(i=1,2,3)の一部として間接的に算出されるとともに、細骨材21a,21b,21cの質量は、表乾状態のときの質量Msi(i=1,2,3)として把握される。すなわち、細骨材や水の質量が示方配合と同等の条件で把握されることとなるので、湿潤状態が異なる細骨材、特に、湿潤状態が異なりやすい種類の異なる複数の細骨材を用いても、示方配合通りの水量でコンクリートを製造することが可能となる。
【0064】
本実施形態では、水浸方式による計量を各細骨材に関して全て終えてから、次に、残りの細骨材を計量するようにしたが、水浸方式による計量及び残りの分の計量を各細骨材ごとに行うようにしてもかまわない。
【0065】
また、本実施形態では、容積計測手段である電極式変位センサー10a,10b,10cを骨材別スペース9a,9b,9cごとに設けるようにしたが、これに代えて単体の電極式変位センサーを水平移動自在に設置し、該電極式変位センサーで骨材別スペース9a,9b,9cの水位をすべて計測するようにしてもかまわない。
【0066】
また、本実施形態では、3つの細骨材を計量する場合について説明したが、細骨材の数が三種類に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る細骨材及び水の計量装置によれば、複数の細骨材を水浸方式によって個別に計量するとともに、それぞれの水浸計量で得られた細骨材ごとの表面水率を用いて残りの細骨材をそれぞれ水量補正しつつ計量することで、複数の細骨材及び水の質量を効率よく計測することが可能となる。
【0068】
しかも、水浸細骨材収容スペースを複数の細骨材が水浸細骨材として投入される骨材別スペースとして分割するようにしたので、各骨材別スペースは、内容積に対して相対的に深くなり、水浸細骨材の水位を電極式変位センサーで計測する際の精度を向上させることが可能となる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置の図であり、(a)は縦断面図、(b)はA−A線に沿う水平断面図。
【図2】本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置を用いて細骨材の計量を行っている様子を示した図であり、(a)は縦断面図、(b)はB−B線に沿う水平断面図。
【図3】本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置を用いて細骨材の計量を行っている様子を示した図であり、(a)は縦断面図、(b)はC−C線に沿う水平断面図。
【図4】本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置を用いて細骨材の計量を行っている様子を示した図であり、(a)は縦断面図、(b)はD−D線に沿う水平断面図。
【図5】本実施形態に係る細骨材及び水の計量装置を用いて細骨材の計量を行っている様子を示した縦断面図。
【符号の説明】
1 細骨材及び水の計量装置
2 計量槽
3 ロードセル(質量計測手段)
5 計量槽本体
6 底蓋
7 水浸細骨材収納スペース
8 湿潤細骨材スペース
9a 骨材別スペース(第1の骨材別スペース)
9b 骨材別スペース(第2の骨材別スペース)
9c 骨材別スペース(第3の骨材別スペース)
10a,10b,10c 電極式変位センサー(容積計測手段)
Claims (2)
- 計量槽本体及びその底部開口を水密性を保持した状態で閉じることが可能な開閉自在の底蓋からなる計量槽と、該計量槽内に投入された水、水浸細骨材及び湿潤細骨材の質量を計測する質量計測手段とを備え、前記計量槽本体の内部空間を水浸細骨材収容スペースと湿潤細骨材収容スペースとに分割するとともに、前記水浸細骨材収容スペースをさらに骨材別スペースに分割し、該骨材別スペース内に収容された水浸細骨材の各容積を計測する容積計測手段を備えたことを特徴とする細骨材及び水の計量装置。
- 前記計量槽本体内を所定の仕切板で鉛直に仕切ることで、前記水浸細骨材収容スペース及び前記湿潤細骨材収容スペースを形成するとともに、前記水浸細骨材収容スペース内を所定の仕切板で鉛直に仕切ることで、前記骨材別スペースを形成した請求項1記載の細骨材及び水の計量装置。
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