JP4096281B2 - 画像処理装置および画像処理方法、並びに媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法、並びに媒体に関し、特に、例えば、動画像等のデータに含まれるノイズの除去を、より効果的に行うことができるようにする画像処理装置および画像処理方法、並びに媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、伝送や再生等された画像データや音声データなどのデータには、一般に、時間的に変動するノイズが含まれているが、データに含まれるノイズを除去する方法としては、従来より、入力データ全体の平均(以下、適宜、全平均という)や、入力データの局所的な平均である移動平均を求めるものなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、全平均を計算する方法は、データに含まれるノイズの度合い、即ち、データのS/N(Signal/Noise)が一定である場合は有効であるが、データのS/Nが変動する場合には、S/Nの悪いデータが、S/Nの良いデータに影響し、効果的にノイズを除去することが困難となることがある。
【0004】
また、移動平均を計算する方法では、入力されたデータから時間的に近い位置にあるデータの平均が求められるため、その処理結果は、データのS/Nの変動の影響を受ける。即ち、データのS/Nの良い部分については、処理結果のS/Nも良くなるが、S/Nの悪い部分については、処理結果のS/Nも悪くなる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、データに含まれるノイズの度合いが一定の場合だけでなく、時間的に変動する場合であっても、そのノイズを、効果的に除去することができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像処理装置は、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する推定手段と、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データを抽出する抽出手段と、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力するクラス分類手段と、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、クラス分類手段により生成されるクラスコード毎に予め学習されており、抽出手段により抽出された周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
このデータ処理装置には、クラスコードごとに、予測係数を記憶している記憶手段をさらに設けるようにすることができる。
【0013】
請求項に記載の画像処理方法は、推定手段が、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、抽出手段が、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データを抽出する抽出ステップと、クラス分類手段が、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、予測手段が、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、クラス分類ステップの処理により生成されるクラスコード毎に予め学習されており、抽出ステップの処理により抽出された周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の媒体がコンピュータに実行させるプログラムは、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データを抽出する抽出ステップと、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、クラス分類ステップの処理により生成されるクラスコード毎に予め学習されており、抽出ステップの処理により抽出された周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
請求項に記載の画像処理装置は、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成手段と、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する推定手段と、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データを抽出する抽出手段と、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力するクラス分類手段と、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、クラス分類手段により生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数を求める演算手段とを含むことを特徴とする。
【0017】
生成手段には、教師データに、ノイズを付加することによって、生徒データを生成させることができる。
【0023】
請求項に記載の画像処理方法は、生成手段が、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成ステップと、推定手段が、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、抽出手段が、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データを抽出する抽出ステップと、クラス分類手段が、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、演算手段が、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、クラス分類ステップの処理により生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数を求める演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0024】
請求項に記載の媒体がコンピュータに実行させるプログラムは、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成ステップと、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データを抽出する抽出ステップと、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、クラス分類ステップの処理により生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数を求める演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
請求項に記載の画像処理装置は、第1の装置が、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する第1の推定手段と、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む第1の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される第1の周辺画素データを抽出する第1の抽出手段と、第1の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、第1の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力する第1のクラス分類手段と、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、第1のクラス分類手段により生成されるクラスコード毎に予め学習されており、第1の抽出手段により抽出された第1の周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測手段とを含み、第2の装置が、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成手段と、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する第2の推定手段と、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む第2の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される第2の周辺画素データを抽出する第2の抽出手段と、第2の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、第2の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力する第2のクラス分類手段と、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、第2のクラス分類手段により生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数を求める演算手段とを含むことを特徴とする。
【0026】
請求項1に記載の画像処理装置および請求項に記載の画像処理方法、並びに請求項に記載の媒体においては、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量が推定され、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データが抽出され、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小が決定され、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードが出力される。そして、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、生成されるクラスコード毎に予め学習されており、抽出された周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データが予測される。
【0027】
請求項に記載の画像処理装置および請求項に記載の画像処理方法、並びに請求項に記載の媒体においては、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データが生成され、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量が推定され、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データが抽出され、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係が判定されることにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードが出力され、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、クラス分類手段により生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数が求められる。
【0028】
請求項に記載の画像処理装置においては、第1の装置によって、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量が推定され、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む第1の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される第1の周辺画素データが抽出され、第1の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、第1の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小が決定され、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードが出力される。そして、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、第1のクラス分類手段により生成されるクラスコード毎に予め学習されており、第1の抽出手段により抽出された第1の周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データが予測される。一方、第2の装置によって、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データが生成され、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量が推定され、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む第2の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される第2の周辺画素データが抽出され、第2の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、第2の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小が決定され、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードが出力され、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数が求められる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したノイズ除去装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0030】
この画像処理装置においては、そこに入力される入力画像(入力データ)に対して、クラス分類適応処理が施され、これにより、その入力画像から、そこに含まれるノイズが除去(低減)された画像(出力データ)(以下、適宜、原画像という)が予測されるようになっている。
【0031】
ここで、クラス分類適応処理は、クラス分類処理と適応処理とからなり、クラス分類処理によって、データを、その性質に基づいてクラス分けし、各クラスごとに適応処理を施すものであり、適応処理は、以下のような手法のものである。
【0032】
即ち、適応処理では、例えば、入力画像を構成する画素(以下、適宜、入力画素という)と、所定の予測係数との線形結合により、原画像の画素の予測値を求めることで、その入力画像に含まれるノイズを除去した画像が得られるようになっている。
【0033】
具体的には、例えば、いま、原画像を教師データとするとともに、その原画像にノイズを重畳した入力画像を生徒データとして、原画像を構成する画素(以下、適宜、原画素という)の画素値yの予測値E[y]を、幾つかの入力画素(入力画像を構成する画素)の画素値x1,x2,・・・の集合と、所定の予測係数w1,w2,・・・の線形結合により規定される線形1次結合モデルにより求めることを考える。この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0034】
Figure 0004096281
式(1)を一般化するために、予測係数wの集合でなる行列W、生徒データの集合でなる行列X、および予測値E[y]の集合でなる行列Y’を、
【0035】
【数1】
Figure 0004096281
で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0036】
Figure 0004096281
なお、行列Xの成分xijは、i行目の生徒データの集合(i行目の教師データを予測するのに用いる生徒データの集合)の中のj番目の生徒データを表し、行列Wの成分wjは、生徒データの集合の中のj番目の生徒データとの積を演算する予測係数を表す。また、行列Y’の成分E[i]は、i行目の教師データyiの予測値を表す。
【0037】
そして、式(2)の観測方程式に最小自乗法を適用して、原画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めることを考える。この場合、教師データとなる原画素の真の画素値yの集合でなる行列Y、および原画素の画素値yに対する予測値E[y]の残差eの集合でなる行列Eを、
【0038】
【数2】
Figure 0004096281
で定義すると、式(2)から、次のような残差方程式が成立する。
【0039】
Figure 0004096281
この場合、原画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるための予測係数wiは、自乗誤差
【0040】
【数3】
Figure 0004096281
を最小にすることで求めることができる。
【0041】
従って、上述の自乗誤差を予測係数wiで微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たす予測係数wiが、原画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるため最適値ということになる。
【0042】
【数4】
Figure 0004096281
Figure 0004096281
そこで、まず、式(3)を、予測係数wiで微分することにより、次式が成立する。
【0043】
【数5】
Figure 0004096281
Figure 0004096281
式(4)および(5)より、式(6)が得られる。
【0044】
【数6】
Figure 0004096281
Figure 0004096281
さらに、式(3)の残差方程式における生徒データx、予測係数w、教師データy、および残差eの関係を考慮すると、式(6)から、次のような正規方程式を得ることができる。
【0045】
【数7】
Figure 0004096281
Figure 0004096281
式(7)の正規方程式を構成する各式は、生徒データxおよび教師データyを、ある程度の数だけ用意することで、求めるべき予測係数wの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(7)を解くことで(但し、式(7)を解くには、式(7)において、予測係数wにかかる係数で構成される行列が正則である必要がある)、最適な予測係数wを求めることができる。なお、式(7)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを用いることが可能である。
【0046】
以上のようにして、最適な予測係数wを求めておき、さらに、その予測係数wを用い、式(1)により、原画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるのが適応処理である。
【0047】
なお、適応処理は、入力画像には含まれていない、原画像に含まれる成分が再現される点で、例えば、補間処理等とは異なる。即ち、適応処理では、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当する予測係数wが、教師データyを用いての、いわば学習により求められるため、原画像に含まれる成分を再現することができる。即ち、例えば、高S/Nの画像を得ることができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造(解像度想像)作用がある処理ということができ、従って、入力画像からノイズを除去した原画像を求める他、例えば、低解像度または標準解像度の画像を、高解像度の画像に変換するような場合にも用いることができる。
【0048】
図1のノイズ除去装置は、以上のようなクラス分類適応処理により、入力画像から、そこに含まれるノイズを除去し(ノイズのない画像(原画像)を予測し)、そのノイズ除去後の画像を出力するようになっている。
【0049】
即ち、図1のノイズ除去装置は、フレームメモリ1、クラスタップ生成回路2、予測タップ生成回路3、クラス分類回路4、係数RAM(Random Access Memory)45、および予測演算回路6から構成され、そこには、ノイズ除去の対象となる入力画像が入力されるようになっている。
【0050】
フレームメモリ1は、ノイズ除去装置に入力される入力画像を、例えば、フレーム単位で一時記憶するようになされている。なお、本実施の形態では、フレームメモリ1は、複数フレームの入力画像を記憶することができるようになっている。
【0051】
クラスタップ生成回路2は、クラス分類適応処理により、原画素の予測値を求めようとする入力画素、即ち、ノイズを除去しようとする入力画素(以下、適宜、注目画素という)の周辺にある画素を、フレームメモリ1に記憶された入力画像から抽出し、これを、注目画素のクラス分類に用いるクラスタップとして、クラス分類回路4に出力するようになっている。
【0052】
即ち、クラスタップ生成回路2は、例えば、図2に示すように、
(A)注目画素、
(B)その注目画素のフレームより時間的に先行する4フレーム(過去のフレーム)それぞれの、注目画素と空間的に同一位置にある4画素、
(C)注目画素のフレームより時間的に後行する4フレーム(未来のフレーム)
それぞれの、注目画素と空間的に同一位置にある4画素、
(D)注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の左にある4画素、
(E)注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の右にある4画素、
(F)注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の上にある4画素、
(G)注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の下にある4画素
の合計25画素を、フレームメモリ1に記憶された入力画像から抽出し、これを、注目画素についてのクラスタップとして、クラス分類回路4に出力するようになっている。
【0053】
予測タップ生成回路3は、予測演算回路6において注目画素に対する原画素の予測値を求めるのに用いる入力画素を、フレームメモリ1に記憶された入力画像から抽出し、これを予測タップとして、予測演算回路6に供給するようになされている。即ち、予測タップ生成回路3は、フレームメモリ1に記憶された入力画像から、例えば、図2に示したように、クラスタップ生成回路2で抽出されるクラスタップと同一の入力画素を、予測タップとして抽出し、予測演算回路6に供給するようになっている。
【0054】
なお、ここでは、説明を簡単にするため、クラスタップと予測タップとを、同一の入力画素から構成するようにしたが、クラスタップと予測タップとは、同一の入力画素から構成する必要はなく、異なる入力画素から構成することができる。
【0055】
クラス分類回路4は、クラスタップ生成回路2からのクラスタップの定常性に基づいて、注目画素をクラス分類し、その結果得られるクラスに対応するクラスコードを、係数RAM5に対し、アドレスとして与えるようになされている。即ち、クラス分類回路4には、クラスタップ生成回路2からクラスタップが供給される他、ノイズ量推定回路7から、注目画素に含まれるノイズ量の推定値(推定ノイズ量)も供給されるようになっており、クラス分類回路4は、クラスタップを構成する入力画素の画素値の定常性を、推定ノイズ量を用いて判定し、その定常性に対応するクラスコードを、係数RAM5のアドレスとして出力するようになされている。
【0056】
係数RAM5は、後述する学習処理を行うことにより得られるクラスごとの予測係数を記憶しており、クラス分類回路4からクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されている予測係数を読み出し、予測演算回路6に供給するようになっている。
【0057】
予測演算回路6は、係数RAM5から供給される、注目画素のクラスについての予測係数w,w2,・・・と、予測タップ生成回路3からの予測タップx1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した演算を行うことにより、注目画素xに対する原画素yの予測値E[y]を求め、注目画素xからノイズを除去した画素の画素値として出力するようになっている。
【0058】
ノイズ量推定回路7は、フレームメモリ1に記憶された入力画像に基づいて、注目画素に含まれるノイズ量を推定し、その結果得られる推定ノイズ量を、クラス分類回路4に供給するようになっている。
【0059】
次に、図3のフローチャートを参照して、図1のノイズ除去装置において行われるノイズ除去処理について説明する。
【0060】
フレームメモリ1には、ノイズ除去処理の対象としての入力画像(動画像)が、フレーム単位で順次供給され、フレームメモリ1では、そのようにフレーム単位で供給される入力画像が順次記憶されていく。なお、本実施の形態では、図2で説明したクラスタップおよび予測タップを構成する必要があることから、フレームメモリ1は、少なくとも9フレーム分の入力画像(注目画素のフレームと、そのフレームの前後それぞれ4フレームとの合計9フレーム)を記憶することのできる容量を有している。
【0061】
そして、ステップS1において、ノイズ量推定回路7は、フレームメモリ41に記憶された入力画像を用いて、いま処理の対象となっているフレーム(注目画素があるフレーム)(以下、適宜、注目フレームという)に含まれるノイズ量を推定し、その結果得られる推定ノイズ量を、クラス分類回路4に出力する。
【0062】
その後、ステップS2において、クラスタップ生成回路2または予測タップ生成回路3は、適応処理により予測値を求めようとする注目フレームの入力画素を注目画素として、その周辺にある入力画素を、フレームメモリ1から読み出し、図2に示したクラスタップまたは予測タップをそれぞれ構成する。このクラスタップまたは予測タップは、クラス分類回路4または予測演算回路6にそれぞれ供給される。
【0063】
クラス分類回路4は、クラスタップ生成回路2からクラスタップを受信すると、ステップS3において、そのクラスタップの定常性を、そのクラスタップの分散と、ノイズ量推定回路7からの推定ノイズ量とから判定し、その定常性に基づいて、注目画素のクラスを求める。このクラスに対応するクラスコードは、係数RAM5に対し、アドレスとして与えられ、係数RAM5は、ステップS4において、クラス分類回路4からのクラスコードに対応するアドレスに記憶されている予測係数を読み出し、予測演算回路6に供給する。
【0064】
予測演算回路6では、ステップS5において、予測タップ生成回路3からの予測タップと、係数RAM5からの予測係数とを用いて、式(1)に示した演算(線形一次予測)が行われることにより、注目画素xに対する原画素(注目画素xから、完全にノイズが除去された状態の画素)yの予測値E[y]が求められ、ステップS6に進む。ステップS6では、予測係数演算回路6が、ステップS5で求めた注目画素xに対する原画素yの予測値E[y]を、注目画素xからノイズを除去した画素の画素値として出力し、ステップS7に進む。
【0065】
ステップS7では、フレームメモリ1に記憶された注目フレームを構成する入力画素すべてを、注目画素として処理を行ったか否かが判定され、まだ行っていないと判定された場合、ステップS2に戻り、まだ注目画素としていない入力画素を、新たに注目画素として、以下、同様の処理が繰り返される。
【0066】
また、ステップS7において、注目フレームを構成する入力画素すべてを、注目画素として処理を行ったと判定された場合、ステップS8に進み、フレームメモリ1に、次に処理すべきフレーム(いま注目フレームとなっているフレームの次のフレーム)が記憶されているかどうかが判定される。ステップS8において、フレームメモリ1に、次に処理すべきフレームが記憶されていると判定された場合、ステップS1に戻り、そのフレームを、新たに注目フレームとして、以下、同様の処理が繰り返される。
【0067】
一方、ステップS8において、フレームメモリ1に、次に処理すべきフレームが記憶されていないと判定された場合、ノイズ除去処理を終了する。
【0068】
次に、図4は、図1のノイズ量推定回路7の構成例を示している。
【0069】
いま、第tフレームにおいて、ある空間的な位置にある入力画素をx(t)と表すと、図1のフレームメモリ1に記憶された入力画素x(t)は、遅延回路11、分散計算部19、動きベクトル検出回路29に入力されるようになっている。
【0070】
遅延回路11は、そこに入力される入力画素x(t)を1フレーム分の時間だけ遅延し、入力画素x(t−1)として、遅延回路12、分散計算部19、および動きベクトル検出回路29に供給するようになっている。遅延回路12は、遅延回路11からの入力画素x(t−1)を1フレーム分の時間だけ遅延し、入力画素x(t−2)として、遅延回路13および分散計算部19に供給するようになっている。遅延回路13は、遅延回路12からの入力画素x(t−2)を1フレーム分の時間だけ遅延し、入力画素x(t−3)として、遅延回路14および分散計算部19に供給するようになっている。遅延回路14は、遅延回路13からの入力画素x(t−3)を1フレーム分の時間だけ遅延し、入力画素x(t−4)として、分散計算部19に供給するようになっている。
【0071】
遅延回路15乃至18それぞれは、動きベクトル検出回路29が出力する動きベクトルについて、遅延回路11乃至14における場合と同様の遅延処理を行うようになっている。従って、例えば、いま、入力画素x(t)の動きベクトルを、v(t)と表すと、遅延回路15乃至18は、動きベクトルv(t−1)乃至v(t−4)を、それぞれ出力する。この動きベクトルv(t−1)乃至v(t−4)は、静止判定部23乃至26にそれぞれ供給されるようになっている。
【0072】
分散計算部19は、そこに供給される入力画素x(t)乃至x(t−4)、即ち、注目フレームを含む過去5フレームにおいて、空間的に同一位置にある入力画素x(t)乃至x(t−4)の分散を演算し、分散積算メモリ20に供給するようになっている。分散積算メモリ20は、メモリコントローラ28の制御の下、分散計算部19から供給される分散の積算を行うようになっている。分散値フレーム平均計算部21は、分散積算メモリ20において積算された分散の平均値を演算し(分散の積算値を、その積算された分散の数で除算し)、それを、入力画素x(t)のフレーム(注目フレーム)の各入力画素に含まれるノイズ量の推定値(推定ノイズ量)として出力するようになっている。
【0073】
静止判定部22は、動きベクトル検出回路29から供給される動きベクトルv(t)に基づいて、入力画素x(t)が静止している部分のものであるかどうかを判定し、その判定結果を、連続静止位置検出部27に供給するようになっている。静止判定部22乃至26も、静止判定部22と同様に、遅延回路15乃至18から供給される動きベクトルv(t−1)乃至v(t−4)に基づいて、入力画素x(t−1)乃至x(t−4)が静止している部分のものであるかどうかを、それぞれ判定し、その判定結果を、連続静止位置検出部27に供給するようになっている。
【0074】
連続静止位置検出部27は、静止判定部22乃至26からの判定結果に基づいて、連続したフレームにおいて、静止している部分の画素の位置(空間的位置)を検出するようになっている。即ち、連続静止位置検出部27は、静止判定部22乃至26からの判定結果が、いずれも静止しているものとなっている位置の入力画素x(t)を検出し、その位置を、メモリコントローラ28に供給するようになっている。
【0075】
メモリコントローラ28は、分散計算部19が出力する分散のうち、連続性画素検出部27から供給された、静止している位置にある画素から求められたもののみを積算するように、分散積算メモリ20を制御するようになっている。さらに、メモリコントローラ28には、新たなフレームの入力画素の供給が開始されることを示すフレームリセット信号が供給されるようになっており、メモリコントローラ28は、このフレームリセット信号を受信すると、分散値フレーム平均計算部21に、分散積算メモリ20に記憶された分散の積算値の平均値を計算させるとともに、分散積算メモリ20の記憶値を0にリセットするようになっている。
【0076】
動きベクトル検出回路29は、入力画素x(t)のフレームと、遅延回路11から供給される、そのフレームの1フレーム前のフレームとから、入力画素x(t)の動きベクトルv(t)を検出し、遅延回路15および静止判定部22に供給するようになっている。
【0077】
以上のように構成されるノイズ量推定回路7では、いま処理(ノイズ除去処理)の対象となっているフレーム(注目フレーム)を構成する入力画素のうちの、静止している部分だけを用いて、その注目フレームを構成する各入力画素のノイズ量を推定するノイズ量推定処理が行われるようになっている。
【0078】
即ち、ノイズ量推定回路7では、注目フレームを構成する所定の入力画素を、処理対象画素x(t)として、その処理対象画素x(t)と、それと同一位置にある、過去4フレームの入力画素x(t−1)乃至x(t−4)との5画素を用いて、それらの分散が計算されるとともに、その5画素x(t)乃至x(t−4)それぞれが、静止している部分の画素(静止画素)であるかどうかの静止判定が行われる。
【0079】
具体的には、遅延回路11および分散計算部19には、注目フレームを構成する入力画素x(t)が、順次供給され、遅延回路11乃至14それぞれでは、そこに入力される入力画素が、1フレーム分の時間だけ遅延され、分散計算部19に供給される。即ち、これにより、分散計算部19には、入力画素x(t)乃至x(t−4)が供給される。分散計算部19では、入力画素x(t)乃至x(t−4)の分散が求められ、分散積算メモリ20に供給される。
【0080】
一方、動きベクトル検出回路29には、注目フレームを構成する入力画素と、その1フレーム前のフレームの入力画素が供給され、それらの入力画素を用いて、注目フレームの処理対象画素x(t)の動きベクトルv(t)が検出される。この動きベクトルv(t)は、遅延回路15および静止判定部22に供給される。
【0081】
遅延回路15乃至18それぞれでは、そこに入力される動きベクトルが、1フレーム分の時間だけ遅延され、静止判定部23乃至26に供給される。従って、静止判定部22乃至26には、入力画素x(t)乃至x(t−4)の動きベクトルv(t)乃至v(t−4)がそれぞれ供給される。そして、静止判定部22乃至26では、そこに入力される動きベクトルv(t)乃至v(t−4)に基づいて、入力画素x(t−1)乃至x(t−4)が静止している部分のものであるかどうかが、それぞれ判定され、その判定結果が、連続静止位置検出部27に供給される。
【0082】
連続静止位置検出部27では、静止判定部22乃至26それぞれにおける静止判定結果に基づき、処理対象画素x(t)の位置が、連続したフレーム(ここでは、第t−4フレームから第tフレームまで)において、静止している部分となっているかどうかが検出される。この検出結果は、メモリコントローラ28に供給される。
【0083】
メモリコントローラ28は、連続静止位置検出部27から、処理対象画素x(t)の位置が、連続したフレームで、静止している部分となっていない旨の検出結果を受信した場合、即ち、処理対象画素x(t)と同一位置にあるx(t)乃至x(t−4)のうちのいずれかが動きを有するものである場合、分散積算メモリ20に、分散計算部19からの分散を破棄するように指令する。従って、この場合、分散積算メモリ20では、分散計算部19からの分散、即ち、動きを有する画素から求められた分散は積算されずに破棄される。
【0084】
一方、メモリコントローラ28は、連続静止位置検出部27から、処理対象画素x(t)の位置が、連続したフレームで、静止している部分となっている旨の検出結果を受信した場合、即ち、処理対象画素x(t)と同一位置にあるx(t)乃至x(t−4)のうちのいずれも動きを有しないものである場合、分散積算メモリ20に、分散計算部19からの分散を積算するように指令する。従って、この場合、分散積算メモリ20では、分散計算部19からの分散、即ち、静止している画素のみから求められた分散が、既にそこに記憶されている分散に積算され、その積算値が、新たに記憶される。
【0085】
以上の処理が、注目フレームのすべての入力画素を、処理対象画素として行われ、その後、分散値フレーム平均計算部21において、注目フレームを構成する各入力画素に含まれるノイズ量が求められる(推定される)。
【0086】
即ち、注目フレームのすべての入力画素についての処理が終了すると、メモリコントローラ28には、フレームリセット信号が入力される。メモリコントローラ28は、フレームリセット信号を受信すると、分散値フレーム平均計算部21に、分散積算メモリ20に記憶された分散の積算値の平均値を計算させるとともに、分散積算メモリ20の記憶値を0にリセットする。
【0087】
分散値フレーム平均計算部21では、メモリコントローラ28の制御にしたがい、分散積算メモリ20に記憶された分散の積算値の平均値が計算される。分散積算メモリ20では、上述したことから、静止している画素から求められた分散のみが積算され、その積算値が記憶されており、従って、分散値フレーム平均計算部21では、そのような静止している画素(ここでは、5フレーム連続して静止している画素)から求められた分散の平均値が求められる。この平均値は、注目フレーム(第tフレーム)の各入力画素に含まれるノイズ量の推定値(推定ノイズ量)として出力される。
【0088】
以下、次のフレームを注目フレームとして、同様の処理が繰り返される。
【0089】
以上のように、ノイズ量推定回路7では、注目フレームから、4フレーム前までの間静止し続けている空間的に同一位置の5つ画素が検出され、注目フレームにおける、そのような5画素の分散の平均値が、注目フレームの各入力画素に含まれるノイズ量であると推定される。従って、この場合、ノイズ量の推定に、動きのある画素が用いられないため、画像の動きの影響が、推定されたノイズ量に反映されることを防止することができる。即ち、画像の動きの影響がほとんどないノイズ量(真のノイズ量により近いノイズ量)を推定することができる。
【0090】
さらに、従来においては、動画について、時間方向に並ぶ、空間的に同一位置にある画素について平均をとることにより、そこに含まれるノイズを除去する方法が知られているが、この場合、画素単位での動きを判定し、動きのない画素のみを平均をとる対象とする必要がある。従って、動き判定を誤ると、即ち、動きのある画素を、動きのないものと誤ると、動きのある画素が、平均をとる対象に含められ、その平均値が、そのままノイズ除去結果とされるから、動き判定の誤りが、ノイズ除去結果に大きく影響し、最悪の場合には、処理が破綻することになる(却って、画像を破壊することになる)。
【0091】
これに対して、図1のノイズ除去装置では、ノイズ量推定回路7において、ある入力画素が静止しているかどうかについては、その入力画素について検出された動きベクトルに基づいて判定され、静止していると判定された、同一位置の5画素の分散の平均をとることによって、推定ノイズ量が求められる。従って、仮に、空間的に同一位置にある時間方向の5画素のうちのいずれかが動きを有する場合に、その入力画素が動きを有していないと判定され、分散積算メモリ20において、その5画素の分散が積算されたとしても、そのことが、推定ノイズ量に与える影響は少ない。そして、そのような推定ノイズ量に基づいて、注目画素のクラス分類が行われた後に、その注目画素について適応処理を行うことにより、注目画素からのノイズ除去結果が求められるから、動き判定の誤りが、ノイズ除去結果に与える影響は僅かである(上述の従来の方法と比較すれば、ほとんどないといって良い)。
【0092】
なお、上述の場合においては、注目フレームから、4フレーム前までの間静止し続けている同一位置の5つ画素から分散を求めるようにしたが、分散を求める対象とする画素は、注目フレームから4フレーム前までに亘る5画素に限定されるものではない。
【0093】
また、図4に示したノイズ量推定回路7では、各フレームごとに、一定量のノイズが含まれるものとして、各フレームを構成する入力画素について、同一の推定ノイズ量を求めるようにしたが、可能であれば、各入力画素ごとに、推定ノイズ量を求めるようにしても良い。
【0094】
次に、図5は、図1のクラス分類回路4の構成例を示している。
【0095】
クラスタップ生成回路2が出力する、注目画素についてのクラスタップは、分散計算部31乃至36に供給されるようになっており、また、ノイズ量推定回路7が出力する、注目画素についての推定ノイズ量は、閾値処理部37乃至42に供給されるようになっている。
【0096】
分散計算部31乃至36それぞれは、注目画素についてのクラスタップを構成する入力画素のうち、所定の方向に位置するもののみを受信し、分散を計算する。
【0097】
即ち、図2に示したクラスタップにおいて、
注目画素(A)と、注目画素のフレームより時間的に先行する4フレームそれぞれの、注目画素と空間的に同一位置にある4画素(B)との、注目画素を始点として時間的に先行する方向(−t方向)にある5画素を、−t方向のタップと、
注目画素(A)と、注目画素のフレームより時間的に後行する4フレームそれぞれの、注目画素と空間的に同一位置にある4画素(C)との、注目画素を始点として時間的に後行する方向(+t方向)にある5画素を、+t方向のタップと、
注目画素(A)と、注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の左にある4画素(D)との、注目画素を始点として左方向(−h方向)にある5画素を、−h方向のタップと、
注目画素(A)と、注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の右にある4画素(E)との、注目画素を始点として右方向(+h方向)のある5画素を、+h方向のタップと、
注目画素(A)と、注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の上にある4画素(F)との、注目画素を始点として上方向(+v方向)にある5画素を、+v方向のタップと、
注目画素(A)と、注目画素のフレームと同一フレームの、注目画素の下にある4画素(G)との、注目画素を始点として下方向(−v方向)にある5画素を、−v方向のタップと
それぞれいうものとすると、分散計算部31乃至36では、それぞれ、+t方向のタップ、−t方向のタップ、+h方向のタップ、−h方向のタップ、+v方向のタップ、−v方向のタップが受信され、それぞれについて分散が計算される。この+t方向のタップ、−t方向のタップ、+h方向のタップ、−h方向のタップ、+v方向のタップ、−v方向のタップについての分散は、閾値処理部37乃至42に、それぞれ供給される。
【0098】
閾値処理部37では、+t方向のタップについての分散と、注目画素についての推定ノイズ量との大小関係が判定され、その判定結果に対応する1ビットのコードが、シフタ48に出力される。即ち、+t方向のタップについての分散が、注目画素についての推定ノイズ量より十分大きく、従って、注目画素を始点とする、時間的に先行する方向(−t方向)における入力画素(の画素値)の定常性が小さい場合、閾値処理部37は、その旨を表すコードとして、0または1のうちの、例えば1を出力する。
【0099】
また、+t方向のタップについての分散が、注目画素についての推定ノイズ量より十分大きくなく、従って、注目画素を始点とする、時間的に先行する方向(−t方向)における入力画素の定常性が大きい場合、閾値処理部37は、その旨を表すコードとして、0または1のうちの、例えば0を出力する。
【0100】
閾値処理部38乃至42においても、閾値処理部37における場合と同様に、−t方向のタップ、+h方向のタップ、−h方向のタップ、+v方向のタップ、−v方向のタップについての分散それぞれと、注目画素についての推定ノイズ量との大小関係が判定され、その判定結果に対応する1ビットのコードが、演算器43乃至47にそれぞれ出力される。
【0101】
シフタ48では、閾値処理部37からの1ビットのコードが、1ビットだけ右シフト(LSB(Least Significant Bit)からMSB(Most Significant Bit)の方向へのシフト)され、演算器43に出力される。演算器43では、シフタ48の出力に、閾値処理部43が出力する1ビットのコードが加算され、シフタ49に供給される。シフタ49では、演算器43の出力が、1ビットだけ右シフトされて出力される。
【0102】
演算器44乃至47には、閾値処理部39乃至42の出力それぞれと、シフタ49乃至52の出力それぞれとが供給されるようになっており、また、シフタ50乃至52には、演算器44乃至46の出力がそれぞれ供給されるようになっている。そして、演算器44乃至47では、演算器43における場合と同様の加算が行われるとともに、シフタ50乃至52では、シフタ48や49における場合と同様の1ビット右シフトが行われ、これにより、演算器47からは、+t方向、−t方向、+h方向、−h方向、+v方向、−v方向それぞれの定常性を表すコードが、MSBから順次配置された6ビットのコードが出力される。この6ビットのコードは、注目画素のクラスコード(クラス分類結果)として、図1の係数RAM5に供給される。
【0103】
以上のようにして、クラス分類回路4では、クラスタップの各方向の定常性に基づいて、注目画素がクラス分類され、そのクラス分類結果としてのクラスコードが出力される。従って、このクラスコードによれば、注目画素は、その定常性によって分類される。
【0104】
次に、図6は、図1の係数RAM5に記憶させるクラスごとの予測係数を求める学習装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0105】
フレームメモリ61には、教師データyとなる原画像が、例えば、フレーム単位で供給されるようになっており、フレームメモリ61は、その原画像を、一時記憶するようになっている。ノイズ付加回路62は、フレームメモリ61に記憶された、予測係数の学習において教師データyとなる原画像を読み出し、その原画像を構成する原画素に対して、ノイズを重畳することで、生徒データとしての、ノイズを含んだ画像(以下、適宜、ノイズ画像という)を生成するようになっている。このノイズ画像は、フレームメモリ63に供給されるようになっている。
【0106】
フレームメモリ63は、ノイズ付加回路62からのノイズ画像を一時記憶するようになっている。
【0107】
なお、フレームメモリ61および63は、図1のフレームメモリ1と同様に構成されている。
【0108】
クラスタップ生成回路64または予測タップ生成回路65は、フレームメモリ63に記憶されたノイズ画像を構成する画素(以下、適宜、ノイズ画素という)を用い、図1のクラスタップ生成回路2または予測タップ生成回路3と同様にして、注目画素について、クラスタップまたは予測タップを構成し、クラス分類回路66または加算回路67にそれぞれ供給するようになっている。
【0109】
クラス分類回路66は、図5に示したクラス分類回路4と同様に構成され、ノイズ量推定回路72からの推定ノイズ量を用いて、クラスタップ生成回路64からのクラスタップの定常性に基づいて、注目画素をクラス分類し、対応するクラスコードを、予測タップメモリ68および教師データメモリ70に対して、アドレスとして与えるようになっている。
【0110】
加算回路67は、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスの記憶値を、予測タップメモリ68から読み出し、その記憶値と、予測タップ生成回路65からの予測タップを構成するノイズ画素とを加算することで、式(7)の正規方程式の左辺における、予測係数wの乗数となっているサメーション(Σ)に相当する演算を行う。そして、加算回路67は、その演算結果を、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスに、上書きする形で記憶させるようになっている。
【0111】
予測タップメモリ68は、クラス分類回路66が出力するクラスに対応するアドレスの記憶値を読み出し、加算回路67に供給するとともに、そのアドレスに、加算回路67の出力値を記憶するようになっている。
【0112】
加算回路69は、フレームメモリ61に記憶された原画像を構成する原画素のうちの、注目画素xに対するものを、教師データyとして読み出すとともに、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスの記憶値を、教師データメモリ70から読み出し、その記憶値と、フレームメモリ61から読み出した教師データ(原画素)yとを加算することで、式(7)の正規方程式の右辺におけるサメーション(Σ)に相当する演算を行う。そして、加算回路69は、その演算結果を、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスに、上書きする形で記憶させるようになっている。
【0113】
なお、正確には、加算回路67および69では、式(7)における乗算も行われる。また、式(7)の右辺には、教師データyと、ノイズ画素xとの乗算が含まれ、従って、加算回路69で行われる乗算には、教師データyの他に、その教師データyに対するノイズ画素xが必要となるが、これは、加算回路69において、フレームメモリ63から読み出される。
【0114】
教師データメモリ70は、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスの記憶値を読み出し、加算回路69に供給するとともに、そのアドレスに、加算回路69の出力値を記憶するようになっている。
【0115】
演算回路71は、予測タップメモリ68または教師データメモリ70それぞれから、各クラスコードに対応するアドレスに記憶されている記憶値を順次読み出し、各クラスコードごとに、式(7)に示した正規方程式をたてて、これを解くことにより、クラスごとの予測係数を求めるようになっている。即ち、演算回路71は、予測タップメモリ68または教師データメモリ70それぞれの、各クラスコードに対応するアドレスに記憶されている記憶値から、式(7)の正規方程式をたて、これを解くことにより、クラスごとの予測係数を求めるようになっている。
【0116】
ノイズ量推定回路72は、図4に示したノイズ量推定回路7と同様に構成され、フレームメモリ61に記憶されたノイズ画像の各ノイズ画素に含まれるノイズ量を推定し、その結果得られる推定ノイズ量を、クラスタップ生成回路64に供給するようになっている。
【0117】
次に、図7のフローチャートを参照して、図6の学習装置において行われる、クラスごとの予測係数を求める学習処理について説明する。
【0118】
学習装置には、教師データとしての原画像(動画像)が、フレーム単位で供給されるようになっており、その原画像は、フレームメモリ61において順次記憶されていく。
【0119】
そして、ステップS11において、ノイズ付加回路62は、フレームメモリ61に記憶された原画像を読み出し、ノイズを付加することで、ノイズ画像を生成する。このノイズ画像は、フレームメモリ63に供給されて記憶される。
【0120】
その後、ノイズ量推定回路72は、ステップS12において、フレームメモリ63に記憶された所定のフレームのノイズ画像を、注目フレームとし、その注目フレームのノイズ量を、図4で説明したノイズ量推定回路7における場合と同様にして推定する。そして、その結果得られる推定ノイズ量は、クラスタップ生成回路64に供給される。
【0121】
ここで、注目フレームに含まれるノイズは、ノイズ付加回路62で付加されたものであるから、学習装置では、正確な値を得ることができ、そのような正確な値を、クラスタップ生成回路64に供給するようにすることもできるが、図1のノイズ除去装置では、ノイズ量推定回路7においてノイズ量が推定されるため、そのような正確な値を得ることができるとは限らない。そこで、学習装置では、ノイズ除去装置が使用される環境にできるだけ一致した環境において、予測係数を求めるために、注目フレームに含まれるノイズを、ノイズ量推定回路7と同様に構成されるノイズ量推定回路72において推定するようにしている。
【0122】
ステップS12において、注目フレームの各ノイズ画素のノイズ量が推定されると、ステップS13において、クラスタップ生成回路64または予測タップ生成回路65は、注目フレームの、あるノイズ画素を、注目画素として、その周辺にあるノイズ画素を、フレームメモリ63から読み出し、図2に示したクラスタップまたは予測タップをそれぞれ構成する。このクラスタップまたは予測タップは、クラス分類回路66または加算回路67にそれぞれ供給される。
【0123】
クラス分類回路66は、ステップS14において、図5で説明したクラス分類回路4における場合と同様に、ノイズ量推定回路72からの推定ノイズ量を用い、クラスタップ生成回路64からのクラスタップの定常性に基づいて、注目画素がクラス分類され、そのクラス分類結果としてのクラスコードを、予測タップメモリ68および教師データメモリ70に対して、アドレスとして与える。
【0124】
そして、ステップS15に進み、予測タップまたは教師データそれぞれの足し込みが行われる。
【0125】
即ち、ステップS15において、予測タップメモリ68は、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスの記憶値を読み出し、加算回路67に供給する。加算回路67は、予測タップメモリ68から供給される記憶値と、予測タップ生成回路65から供給されるの予測タップを構成するノイズ画素とを用いて、式(7)の正規方程式の左辺における、予測係数の乗数となっているサメーション(Σ)に相当する演算を行う。そして、加算回路67は、その演算結果を、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応する、予測タップメモリ68のアドレスに、上書きする形で記憶させる。
【0126】
さらに、ステップS15では、教師データメモリ70は、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応するアドレスの記憶値を読み出し、加算回路69に供給する。加算回路69は、フレームメモリ61に記憶された原画像を構成する原画素のうちの、注目画素に対応する原画素を、教師データとして読み出すとともに、フレームメモリ63に記憶されたノイズ画像を構成するノイズ画素のうちの、教師データに対応するものを読み出し、その読み出した画素と、教師データメモリ70から供給された記憶値とを用いて、式(7)の正規方程式の右辺におけるサメーション(Σ)に相当する演算を行う。そして、加算回路69は、その演算結果を、クラス分類回路66が出力するクラスコードに対応する、教師データメモリ70のアドレスに、上書きする形で記憶させる。
【0127】
その後、ステップS16に進み、フレームメモリ63に記憶された注目フレームを構成するノイズ画素すべてを、注目画素として処理を行ったか否かが判定され、まだ行っていないと判定された場合、ステップS13に戻り、まだ注目画素としていないノイズ画素を、新たに注目画素として、以下、同様の処理が繰り返される。
【0128】
一方、ステップS16において、注目フレームを構成するノイズ画素すべてを、注目画素として処理を行ったと判定された場合、ステップS17に進み、次に処理すべき原画像が、フレームメモリ61に記憶されているかどうかが判定される。ステップS17において、次に処理すべき原画像が、フレームメモリ61に記憶されていると判定された場合、ステップS11に戻り、その、次に処理すべき原画像を対象に、ステップS11以下の処理が繰り返される。
【0129】
また、ステップS17において、次に処理すべき原画像が、フレームメモリ61に記憶されていないと判定された場合、即ち、あらかじめ学習用に用意しておいたすべての原画像について処理を行った場合、ステップS18に進み、演算回路71は、予測タップメモリ68または教師データメモリ70それぞれから、各クラスコードに対応するアドレスに記憶されている記憶値を順次読み出し、式(7)に示した正規方程式をたてて、これを解くことにより、クラスごとの予測係数を求める。さらに、演算回路71は、ステップS19において、その求めたクラスごとの予測係数を出力して、処理を終了する。
【0130】
なお、以上のような予測係数の学習処理において、予測係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じる場合があり得るが、そのようなクラスについては、例えば、デフォルトの予測係数を出力するようにすること等が可能である。
【0131】
以上のように、注目画素が、それについてのクラスタップの分散に基づいてクラス分類され、クラスごとの予測係数が求められるため、注目画素周辺の定常性ごとに、その定常性を有する画素のノイズを除去するのに適した予測係数が得られ、その結果、そのような予測係数を用いて、クラス分類適応処理を行うことにより、特に、動画像等について、効果的にノイズを除去することが可能となる。
【0132】
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアとしてのノイズ除去装置や学習装置に組み込まれているコンピュータ、または各種のプログラムをインストールすることで各種の処理を行う汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0133】
そこで、図8を参照して、上述した一連の処理を実行するプログラムをコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられる媒体について説明する。
【0134】
プログラムは、図8(A)に示すように、コンピュータ101に内蔵されている記録媒体としてのハードディスク102に予めインストールした状態でユーザに提供することができる。
【0135】
あるいはまた、プログラムは、図8(B)に示すように、フロッピーディスク111、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)112,MO(Magneto optical)ディスク113,DVD(Digital Versatile Disc)114、磁気ディスク115、半導体メモリ116などの記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納し、パッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0136】
さらに、プログラムは、図8(C)に示すように、ダウンロードサイト121から、ディジタル衛星放送用の人工衛星122を介して、コンピュータ123に無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワーク111を介して、コンピュータ123に有線で転送し、コンピュータ123において、内蔵するハードディスクなどに格納させるようにすることができる。
【0137】
本明細書における媒体とは、これら全ての媒体を含む広義の概念を意味するものである。
【0138】
また、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0139】
なお、クラス分類適用処理は、教師データと生徒データとを用いて、クラスごとに予測係数を求める学習を行い、その予測係数と入力データとを用いた線形一次予測により、入力データから、その入力データに対する教師データの予測値を求めるものであるから、学習に用いる教師データおよび生徒データによって、所望の予測値を求めるための予測係数を得ることが可能となる。即ち、例えば、教師データとして、高解像度の画像を用いるとともに、生徒データとして、その画像の解像度を落とした画像を用いることで、解像度を向上させる予測係数を得ることができる。また、例えば、教師データとして、エッジが強調された画像を用いるとともに、生徒データとして、そのエッジをぼやかした画像を用いることで、エッジを強調させる予測係数を得ることができる。従って、本発明は、上述したように、入力画像からノイズを除去する場合の他、入力画像の解像度を向上させる場合や、エッジを強調させる場合、波形等化を行う場合その他に適用可能である。
【0140】
また、本実施の形態では、動画像を、クラス分類適用処理の対象としたが、動画像の他、静止画や、さらには、音声、記録媒体から再生された信号(RF(Radio
Frequency)信号)等を対象とすることも可能である。
【0141】
さらに、本実施の形態では、クラスタップの各方向についての分散を、推定ノイズ量と比較し、その比較結果に基づいて、注目画素をクラス分類するようにしたが、注目画素のクラス分類は、クラスタップの各方向についての分散を、それらの平均値と比較し、その比較結果に基づいて行ったり、あるいは、クラスタップの各方向についての分散を、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理し、そのADRC結果に基づいて行うようにすることも可能である。ここで、ADRC処理においては、例えば、データの、ある集合について、その集合を構成するデータの最大値MAXと最小値MINが検出され、DR=MAX-MINを、集合の局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、集合を構成するデータがKビットに再量子化される。即ち、集合内の各データから、最小値MINが減算され、その減算値がDR/2Kで除算(量子化)される。
【0142】
なお、上述のように、クラスタップについての分散を、推定ノイズ量と比較せずに、注目画素のクラス分類を行う場合においては、クラスタップについての分散には、そのクラスタップを構成する画素そのものの定常性の成分の他、ノイズの成分も含まれることとなるから、ノイズの影響を多少受けたクラス分類が行われることになる。
【0143】
さらに、本実施の形態では、ノイズ除去装置と、そのノイズ除去装置で用いるクラスごとの予測係数を学習する学習装置とを、別々の装置として構成するようにしたが、ノイズ除去装置と学習装置とは一体的に構成することも可能である。そして、この場合、学習装置には、リアルタイムで学習を行わせ、ノイズ除去装置で用いる予測係数を、リアルタイムで更新させるようにすることが可能である。
【0144】
また、本実施の形態では、係数RAM5に、あらかじめクラスごとの予測係数を記憶させておくようにしたが、この予測係数は、例えば、入力画像とともに、ノイズ除去装置に供給するようにすることも可能である。
【0145】
さらに、クラスタップを構成する画素は、図2に示したような位置関係の画素に限定されるものではない。
【0146】
また、本実施の形態では、クラスタップについて、6つの方向(+t方向、−t方向、+h方向、−h方向、+v方向、−v方向)の分散を求めて、クラス分類を行うようにしたが、その他、例えば、斜めの方向の分散を求めて、クラス分類に用いることも可能である。さらに、クラス分類は、ある方向に延びる直線上にある画素ではなく、曲線上にある画素の分散を求めて行うことも可能である。
【0147】
さらに、本実施の形態では、適応処理において、線形一次式を用いるようにしたが、適応処理は、2次以上の次数の式を用いて行うことも可能である。
【0148】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像処理装置および請求項に記載の画像処理方法、並びに請求項に記載の媒体によれば、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量が推定され、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データが抽出され、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小が決定され、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードが出力される。そして、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、生成されるクラスコード毎に予め学習されており、抽出された周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データが予測される。従って、例えば、入力データから、効果的にノイズを除去することが可能となる。
【0149】
請求項に記載の画像処理装置および請求項に記載の画像処理方法、並びに請求項に記載の媒体によれば、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データが生成され、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量が推定され、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される周辺画素データが抽出され、周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係が判定されることにより、周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードが出力され、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、クラス分類手段により生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数が求められる。従って、例えば、データから、効果的にノイズを除去することのできる予測係数を得ることが可能となる。
【0150】
請求項に記載の画像処理装置によれば、第1の装置によって、入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目入力画素データに含まれるノイズ量が推定され、入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目入力画素データを含む第1の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される第1の周辺画素データが抽出され、第1の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、第1の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小が決定され、注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードが出力される。そして、入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、第1のクラス分類手段により生成されるクラスコード毎に予め学習されており、第1の抽出手段により抽出された第1の周辺画素データと、クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、注目入力画素データに対する出力画素データが予測される。一方、第2の装置によって、予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データが生成され、生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、注目生徒画素データに含まれるノイズ量が推定され、生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される注目生徒画素データを含む第2の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される第2の周辺画素データが抽出され、第2の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、第2の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小が決定され、注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードが出力され、教師画像データおよび生徒画像データを用いて、生成されるクラスコードごとに、生徒画像データを用いた線形一次結合によって、教師画像データが得られるようにするための予測係数が求められる。従って、例えば、データから、効果的にノイズを除去することのできる予測係数を得ることが可能となるとともに、その予測係数を用いて、データから、効果的にノイズを除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したノイズ除去装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】クラスタップの構成例を示す図である。
【図3】図1のノイズ除去装置によるノイズ除去処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1のノイズ量推定回路7の構成例を示すブロック図である。
【図5】図1のクラス分類回路4の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明を適用した学習装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の学習装置による学習処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明を適用した媒体を説明するための図である。
【符号の説明】
1 フレームメモリ, 2 クラスタップ生成回路, 3 予測タップ生成回路, 4 クラス分類回路, 5 係数RAM, 6 予測演算回路, 7 ノイズ量推定回路, 11乃至18 遅延回路, 19 分散計算部, 20 分散積算メモリ, 21 分散値フレーム平均計算部, 22乃至26 静止判定部, 27 連続静止位置検出部, 28 メモリコントローラ, 29 動きベクトル検出回路, 31乃至36 分散計算部, 37乃至42 閾値処理部,43乃至47 演算器, 48乃至52 シフタ, 61 フレームメモリ,62 ノイズ付加回路, 63 フレームメモリ, 64 クラスタップ生成回路, 65 予測タップ生成回路, 66 クラス分類回路, 67 加算回路, 68 予測タップメモリ, 69 加算回路, 70 教師データメモリ, 71 演算回路, 72 ノイズ量推定回路, 101 コンピュータ, 102 ハードディスク, 103 半導体メモリ, 111 フロッピーディスク, 112 CD-ROM, 113 MOディスク, 114 DVD, 115 磁気ディスク, 116 半導体メモリ, 121 ダウンロードサイト, 122 衛星, 123 コンピュータ, 131 ネットワーク

Claims (9)

  1. 入力画像データを処理して、その入力画像データに対する出力画像データを予測する画像処理装置であって、
    前記入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する推定手段と、
    前記入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記周辺画素データを抽出する抽出手段と、
    前記周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力するクラス分類手段と、
    前記入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、前記クラス分類手段により生成される前記クラスコード毎に予め学習されており、前記抽出手段により抽出された周辺画素データと、前記クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、前記注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記クラスコードごとに、前記予測係数を記憶している記憶手段をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 推定手段、抽出手段、クラス分類手段、および予測手段を備えた画像処理装置であって、入力画像データを処理して、その入力画像データに対する出力画像データを予測する前記画像処理装置の画像処理方法において、
    前記推定手段が、前記入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、
    前記抽出手段が、前記入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記周辺画素データを抽出する抽出ステップと、
    前記クラス分類手段が、前記周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、
    前記予測手段が、前記入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、前記クラス分類ステップの処理により生成される前記クラスコード毎に予め学習されており、前記抽出ステップの処理により抽出された周辺画素データと、前記クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、前記注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  4. 入力画像データを処理して、その入力画像データに対する出力画像データを予測する画像処理を行うためのプログラムを、コンピュータに実行させる媒体であって、
    前記入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、
    前記入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目入力画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記周辺画素データを抽出する抽出ステップと、
    前記周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、
    前記入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、前記クラス分類ステップの処理により生成される前記クラスコード毎に予め学習されており、前記抽出ステップの処理により抽出された周辺画素データと、前記クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、前記注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測ステップと
    を含むことを特徴とするプログラムを、前記コンピュータに実行させる媒体。
  5. 入力画像データを処理し、その入力画像データに対する出力画像データを予測するのに用いる予測係数を学習する画像処理装置であって、
    前記予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成手段と、
    前記生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する推定手段と、
    前記生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記周辺画素データを抽出する抽出手段と、
    前記周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力するクラス分類手段と、
    前記教師画像データおよび生徒画像データを用いて、前記クラス分類手段により生成される前記クラスコードごとに、前記生徒画像データを用いた線形一次結合によって、前記教師画像データが得られるようにするための前記予測係数を求める演算手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記教師画像データに、ノイズを付加することによって、前記生徒画像データを生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 生成手段、推定手段、抽出手段、クラス分類手段、および演算手段を備えた画像処理装置であって、入力画像データを処理し、その入力画像データに対する出力画像データを予測するのに用いる予測係数を学習する前記画像処理装置の画像処理方法において、
    前記生成手段が、前記予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成ステップと、
    前記推定手段が、前記生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、
    前記抽出手段が、前記生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記周辺画素データを抽出する抽出ステップと、
    前記クラス分類手段が、前記周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、
    前記演算手段が、前記教師画像データおよび生徒画像データを用いて、前記クラス分類ステップの処理により生成される前記クラスコードごとに、前記生徒画像データを用いた線形一次結合によって、前記教師画像データが得られるようにするための前記予測係数を求める演算ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  8. 入力画像データを処理し、その入力画像データに対する出力画像データを予測するのに用いる予測係数を学習する画像処理を行うためのプログラムを、コンピュータに実行させる媒体であって、
    前記予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成ステップと、
    前記生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する推定ステップと、
    前記生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目生徒画素データを含む周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記周辺画素データを抽出する抽出ステップと、
    前記周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力するクラス分類ステップと、
    前記教師画像データおよび生徒画像データを用いて、前記クラス分類ステップの処理により生成される前記クラスコードごとに、前記生徒画像データを用いた線形一次結合によって、前記教師画像データが得られるようにするための前記予測係数を求める演算ステップと
    を含むことを特徴とするプログラムを、前記コンピュータに実行させる媒体。
  9. 入力画像データを処理して、その入力画像データに対する出力画像データを予測する第1の装置と、
    前記出力画像データを予測するのに用いる予測係数を学習する第2の装置と
    を備える画像処理装置であって、
    前記第1の装置は、
    前記入力画像データから、順次、注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データのうち静止と判定された注目入力画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目入力画素データに含まれるノイズ量を推定する第1の推定手段と、
    前記入力画像データから、順次、注目している注目入力画素データを設定し、当該注目入力画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目入力画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目入力画素データを含む第1の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記第1の周辺画素データを抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記第1の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目入力画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードより生成されるクラスコードを出力する第1のクラス分類手段と、
    前記入力画像データに相当する生徒データとの線形一次結合により当該生徒データよりも高質な教師データを予測する予測係数が、前記第1のクラス分類手段により生成される前記クラスコード毎に予め学習されており、前記第1の抽出手段により抽出された第1の周辺画素データと、前記クラスコードに対応する予測係数との線形一次結合により、前記注目入力画素データに対する出力画素データを予測する予測手段と
    を含み、
    前記第2の装置は、
    前記予測係数の学習のための教師となる教師画像データから、生徒となる生徒画像データを生成する生成手段と、
    前記生徒画像データから、順次、注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データのうち静止と判定された注目生徒画素データの値と、空間的に同一の位置にあり時間方向に並ぶ複数の画素データの値より演算される分散により、前記注目生徒画素データに含まれるノイズ量を推定する第2の推定手段と、
    前記生徒画像データから、順次、注目している注目生徒画素データを設定し、当該注目生徒画素データに対して、空間的または時間的に周辺にあり、当該注目生徒画素データを基準として複数の空間的または時間的方向に沿って配される前記注目生徒画素データを含む第2の周辺画素データであって、記憶部に一時的に記憶される前記第2の周辺画素データを抽出する第2の抽出手段と、
    前記第2の周辺画素データのうち、各方向に配された周辺画素データの値の分散と、前記ノイズ量としての分散の大小関係を判定することにより、前記第2の周辺画素データの各方向に対応する定常性の大小を決定し、前記注目生徒画素データをクラス分類するため、当該各方向に対応する定常性の大小を表すコードにより生成されるクラスコードを出力する第2のクラス分類手段と、
    前記教師画像データおよび生徒画像データを用いて、前記第2のクラス分類手段により生成される前記クラスコードごとに、前記生徒画像データを用いた線形一次結合によって、前記教師画像データが得られるようにするための前記予測係数を求める演算手段と
    を含む
    ことを特徴とする画像処理装置。
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