JP3849817B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、特に、例えば、標準解像度の画像を、高解像度の画像に変換する場合などに用いて好適な画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、標準解像度または低解像度の画像(以下、適宜、SD画像という)(第1の画像)を、高解像度の画像(以下、適宜、HD画像という)(第2の画像)に変換したり、また、画像を拡大したりする場合においては、いわゆる補間フィルタなどによって、不足している画素の画素値の補間(補償)が行われるようになされている。
【0003】
しかしながら、補間フィルタによって画素の補間を行っても、SD画像に含まれていない、HD画像の成分(高周波成分)を復元することはできないため、高解像度の画像を得ることは困難であった。
【0004】
そこで、本件出願人は、SD画像を、そこに含まれていない高周波成分をも含むHD画像に変換する画像変換装置を先に提案している。
【0005】
この画像変換装置においては、SD画像と、所定の予測係数との線形結合により、HD画像の画素の予測値を求める適応処理を行うことで、SD画像には含まれていない高周波成分が復元されるようになされている。
【0006】
即ち、例えば、いま、HD画像を構成する画素(以下、適宜、HD画素という)の画素値yの予測値E[y]を、幾つかのSD画素(SD画像を構成する画素)の画素値(以下、適宜、学習データという)x1,x2,・・・と、所定の予測係数w1,w2,・・・の線形結合により規定される線形1次結合モデルにより求めることを考える。この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0007】
E[y]=w11+w22+・・・・・・(1)
【0008】
そこで、一般化するために、予測係数wの集合でなる行列W、学習データの集合でなる行列X、および予測値E[y]の集合でなる行列Y’を、
【数1】
Figure 0003849817
で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0009】
XW=Y’・・・(2)
【0010】
そして、この観測方程式に最小自乗法を適用して、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めることを考える。この場合、教師データとなるHD画素の真の画素値yの集合でなる行列Y、およびHD画素の画素値yに対する予測値E[y]の残差eの集合でなる行列Eを、
【数2】
Figure 0003849817
で定義すると、式(2)から、次のような残差方程式が成立する。
【0011】
XW=Y+E・・・(3)
【0012】
この場合、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるための予測係数wiは、自乗誤差
【数3】
Figure 0003849817
を最小にすることで求めることができる。
【0013】
従って、上述の自乗誤差を予測係数wiで微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たす予測係数wiが、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるため最適値ということになる。
【0014】
【数4】
Figure 0003849817
Figure 0003849817
【0015】
そこで、まず、式(3)を、予測係数wiで微分することにより、次式が成立する。
【0016】
【数5】
Figure 0003849817
Figure 0003849817
【0017】
式(4)および(5)より、式(6)が得られる。
【0018】
【数6】
Figure 0003849817
Figure 0003849817
【0019】
さらに、式(3)の残差方程式における学習データx、予測係数w、教師データy、および残差eの関係を考慮すると、式(6)から、次のような正規方程式を得ることができる。
【0020】
【数7】
Figure 0003849817
Figure 0003849817
【0021】
式(7)の正規方程式は、求めるべき予測係数wの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(7)を解くことで(但し、式(7)を解くには、式(7)において、予測係数wにかかる係数で構成される行列が正則である必要がある)、最適な予測係数wを求めることができる。なお、式(7)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用することが可能である。
【0022】
以上のようにして、最適な予測係数wを求めておき、さらに、その予測係数wを用い、式(1)により、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるのが適応処理である。
【0023】
なお、適応処理は、SD画像には含まれていない、HD画像に含まれる成分が再現される点で、補間処理とは異なる。即ち、適応処理では、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当する予測係数wが、教師データyを用いての、いわば学習により求められるため、HD画像に含まれる成分を再現することができる。即ち、容易に、高解像度の画像を得ることができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造作用がある処理ということができる。
【0024】
図7は、以上のような適応処理により、SD画像をHD画像に変換する画像変換装置の構成例を示している。
【0025】
SD画像は、クラス分類回路4および遅延回路8に供給されるようになされており、クラス分類回路4では、適応処理により予測値を求めようとするHD画素(以下、適宜、注目画素という)が、SD画像に基づいて、所定のクラスにクラス分類される。
【0026】
即ち、クラス分類回路4は、まず最初に、注目画素の周辺にあるSD画素として、例えば、注目画素からの距離が所定値以下のSD画素でなるブロック(以下、適宜、処理ブロックという)を、SD画像から抽出し、その処理ブロックを構成する、例えばすべてのSD画素の画素値のパターンにあらかじめ割り当てられた値を、注目画素のクラスとして、係数ROM9のアドレス端子(AD)に供給する。
【0027】
具体的には、クラス分類回路4は、例えば、図8に示すように、注目画素を中心とする4×4のSD画素(同図において○印で示す)でなる処理ブロックを、SD画像から抽出し、これらの16のSD画素の画素値のパターンに対応する値を、注目画素のクラスとして出力する。
【0028】
ここで、各SD画素の画素値を表すのに、例えば、8ビットなどの多くのビット数が割り当てられている場合、16のSD画素の画素値のパターン数は、(2816通りという莫大な数となり、その後の処理の迅速化が困難となる。
【0029】
そこで、クラス分類を行う前の前処理として、処理ブロックには、それを構成するSD画素のビット数を低減するための処理である、例えばADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理などが施される。
【0030】
即ち、ADRC処理では、まず、処理ブロックを構成する16のSD画素から、その画素値の最大のもの(以下、適宜、最大画素という)と最小のもの(以下、適宜、最小画素という)とが検出される。そして、最大画素の画素値MAXと最小画素の画素値MINとの差分DR(=MAX−MIN)が演算され、このDRを処理ブロックの局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、処理ブロックを構成する各画素値が、元の割当ビット数より少ないKビットに再量子化される。つまり、処理ブロックを構成する各画素値から最小画素の画素値MINが減算され、各減算値が、DR/2Kで除算される。
【0031】
その結果、処理ブロックを構成する各画素値はKビットで表現されるようになる。従って、例えばK=1とした場合、16のSD画素の画素値のパターン数は、(2116通りになり、ADRC処理を行わない場合に比較して、パターン数を非常に少ないものとすることができる。
【0032】
係数ROM9は、あらかじめ学習が行われることにより求められた予測係数を、クラスごとに記憶しており、クラス分類回路4からクラスが供給されると、そのクラスに対応するアドレスに記憶されている予測係数を読み出し、予測演算回路10に供給する。
【0033】
一方、遅延回路8では、予測演算回路10に対して、係数ROM9から予測係数が供給されるタイミングと、後述する予測タップ生成回路6から予測タップが供給されるタイミングとを一致させるために必要な時間だけ、SD画像が遅延され、予測タップ生成回路6に供給される。
【0034】
予測タップ生成回路6では、そこに供給されるSD画像から、予測演算回路10において注目画素の予測値を求めるのに用いるSD画素が抽出され、これが予測タップとして、予測演算回路10に供給される。即ち、予測タップ生成回路6では、SD画像から、例えば、クラス分類回路4で抽出されたとの同一の処理ブロックが抽出され、その処理ブロックを構成するSD画素が、予測タップとして、予測演算回路10に供給される。
【0035】
予測演算回路10では、係数ROM9からの予測係数w,w2,・・・と、予測タップ生成回路6からの予測タップx1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した演算が行われることにより、注目画素yの予測値E[y]が求められ、これが、HD画素の画素値として出力される。
【0036】
以下同様の処理が、その他のHD画素を注目画素として行われ、これにより、SD画像がHD画像に変換される。
【0037】
次に、図9は、図7の係数ROM9に記憶させる予測係数を算出する学習処理を行う学習装置の構成例を示している。
【0038】
学習における教師データyとなるべきHD画像が、間引き回路21および遅延回路28に供給されるようになされており、間引き回路21では、HD画像が、例えば、その画素数が間引かれることにより少なくされ、これによりSD画像とされる。このSD画像は、クラス分類回路26および予測タップ生成回路27に供給される。
【0039】
クラス分類回路26または予測タップ生成回路27では、図7のクラス分類回路4または予測タップ生成回路6における場合と同様の処理が行われ、これにより注目画素のクラスまたは予測タップがそれぞれ出力される。クラス分類回路26が出力するクラスは、予測タップメモリ29および教師データメモリ30のアドレス端子(AD)に供給され、予測タップ生成回路27が出力する予測タップは、予測タップメモリ29に供給される。
【0040】
予測タップメモリ29では、クラス分類回路26から供給されるクラスに対応するアドレスに、予測タップ生成回路27から供給される予測タップが記憶される。
【0041】
一方、遅延回路28では、注目画素に対応するクラスが、クラス分類回路26から教師データメモリ30に供給される時間だけ、HD画像が遅延され、そのうちの、注目画素であるHD画素の画素値だけが、教師データとして、教師データメモリ30に供給される。
【0042】
そして、教師データメモリ30では、クラス分類回路26から供給されるクラスに対応するアドレスに、遅延回路28から供給される教師データが記憶される。
【0043】
以下同様の処理が、あらかじめ学習用に用意されたすべてのHD画像を構成するすべてのHD画素が注目画素とされるまで繰り返される。
【0044】
以上のようにして、予測タップメモリ29または教師データメモリ30の同一のアドレスには、図8において○印で示したSD画素または図8において×印で示したHD画素とそれぞれ同一の位置関係にあるSD画素またはHD画素が、学習データxまたは教師データyとして記憶される。
【0045】
なお、予測タップメモリ29と教師データメモリ30においては、同一アドレスに複数の情報を記憶することができるようになされており、これにより、同一アドレスには、同一のクラスに分類される複数の学習データxと教師データyを記憶することができるようになされている。
【0046】
その後、演算回路31は、予測タップメモリ29または教師データメモリ30から、同一アドレスに記憶されている学習データとしての予測タップまたは教師データとしてのHD画素の画素値を読み出し、それらを用いて、最小自乗法によって、予測値と教師データとの間の誤差を最小にする予測係数を算出する。即ち、演算回路31では、クラスごとに、式(7)に示した正規方程式がたてられ、これを解くことにより予測係数が求められる。
【0047】
以上のようにして、演算回路31で求められたクラスごとの予測係数が、図7の係数ROM9における、そのクラスに対応するアドレスに記憶されている。
【0048】
なお、以上のような学習処理において、予測係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じる場合があるが、そのようなクラスについては、例えば、クラスを無視して正規方程式をたてて解くことにより得られる予測係数などが、いわばデフォルトの予測係数として用いられる。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した画像変換装置や学習装置においては、予測タップとして用いられるSD画素や、クラス分類に用いられるSD画素は、画像とは無関係に選択されるようになされている。
【0050】
即ち、画像は、輝度値や色などが近似した画素でなる領域、即ち、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様を有する領域などに分割し得るが、予測タップとして用いられるSD画素や、クラス分類に用いられるSD画素は、そのような領域を無視して、例えば、上述したように注目画素との位置関係などに基づいて選択される。
【0051】
このため、稀ではあるが、適応処理により得られるHD画像において、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様を有する領域などの境界部分の画質が劣化することがあった。
【0052】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画質の劣化を低減したHD画像を得ることができるようにするものである。
【0053】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、第1の画像を構成する画素の画素値と、所定の予測係数との演算により、上記第1の画像よりも高解像度な第2の画像の画素の予測値を求める適応処理を行う適応処理手段と、第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素を検出し、統合してなる領域、または第1の画像を所定のブロックに分割し、画素値の分布が近似するブロックどうしを統合してなる領域で、第1の画像を複数領域に分割する分割手段と、分割された複数領域のうち、第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域が複数ある場合、又は注目画素位置が含まれる領域が存在せず注目画素位置近傍の領域が複数ある場合には、当該複数の領域のうち輝度又は色の特性が近似する画素を最も多く有する領域を近似特性領域として第1の画像から抽出する領域抽出手段と、注目画素を、近似特性領域を構成する画素に基づいてクラス分類するクラス分類手段とを備え、適応処理手段は、第1の画像から領域抽出手段により抽出された近似特性領域を構成する画素の画素値と、クラス分類手段のクラス分類により得られるクラスごとに求められる予測係数のうち、注目画素のクラスに対応する予測係数とを用いて適応処理を行い、予測係数は、生徒データとしての第1の画像を構成する画素の画素値との演算により、生徒データに対する教師データとしての第2の画像の画素の予測値を求める適応処理を行うための予測係数を算出する学習処理を行う学習装置により、生徒データとしての第1の画像から抽出された近似特性領域を構成する画素の画素値のみに基づく学習処理がクラスごとに行われることによって、クラスごとに算出されることを特徴とする。
【0054】
本発明の画像処理方法は、第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素を検出し、統合してなる領域、または第1の画像を所定のブロックに分割し、画素の画素値の分布が近似するブロックどうしを統合してなる領域で、第1の画像を複数領域に分割し、分割された複数領域のうち、第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域が複数ある場合、又は注目画素位置が含まれる領域が存在せず注目画素位置近傍の領域が複数ある場合には、当該複数の領域のうち輝度又は色の特性が近似する画素を最も多く有する領域を近似特性領域として第1の画像から抽出し、注目画素を、近似特性領域を構成する画素に基づいてクラス分類し、第1の画像から抽出された近似特性領域を構成する画素の画素値と、クラス分類により得られるクラスごとに求められる予測係数のうち、注目画素のクラスに対応する予測係数とを用いて適応処理を行うことを特徴とする。
【0058】
本発明の画像処理装置および画像処理方法においては、第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素を検出し、統合してなる領域、または第1の画像を所定のブロックに分割し、画素値の分布が近似するブロックどうしを統合してなる領域で、第1の画像を複数領域に分割し、分割した複数領域のうち、第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域が複数ある場合、又は注目画素位置が含まれる領域が存在せず注目画素位置近傍の領域が複数ある場合には、当該複数の領域のうち輝度又は色の特性が近似する画素を最も多く有する領域を近似特性領域として第1の画像から抽出し、注目画素を、近似特性領域を構成する画素に基づいてクラス分類し、第1の画像から抽出された近似特性領域を構成する画素の画素値と、クラス分類により得られるクラスごとに求められる予測係数のうち、注目画素のクラスに対応する予測係数とを用いて適応処理を行うようになされている。
【0061】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した画像変換装置の一実施の形態の構成を示している。なお、図中、図7における場合と同様に構成される部分については、同一の符号を付してある。即ち、この画像変換装置は、領域分割統合回路1(領域抽出手段)(統合手段),IDメモリ2、同一領域判断回路3(領域抽出手段)(判定手段)、遅延回路5、および7が新たに設けられている他は、基本的に図7の画像変換装置と同様に構成されている。
【0062】
領域分割統合回路1および遅延回路7には、例えば、地上回線や、衛星回線、CATV(CAble TeleVision)網などの伝送路を介して伝送され、または、例えば、光ディスクや、光磁気ディスク、磁気テープなどの記録媒体から再生されたSD画像が供給されるようになされている。
【0063】
領域分割統合回路1は、SD画像を構成するSD画素のうち、隣接する画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素を検出し、1つの領域に統合するようになされている。さらに、領域分割統合回路1は、領域の統合結果を、IDメモリ2に書き込むようにもなされている。
【0064】
IDメモリ2は、領域分割統合回路1から供給される、後述する領域IDを、SD画素単位で記憶するようになされている。なお、IDメモリ2は、少なくとも1画面(1フィールドまたは1フレーム)分の領域IDを記憶することのできる記憶容量を有している。
【0065】
同一領域判断回路3は、IDメモリ2の記憶内容に基づいて、後述するブロックIDを求め、クラス分類回路4および遅延回路5に出力するようになされている。
【0066】
遅延回路5は、同一領域判断回路3が出力するブロックIDを、遅延回路8からHD画像が出力されるまで遅延し、予測タップ生成回路6に供給するようになされている。遅延回路7は、そこに入力されるHD画像を、同一領域判断回路3からブロックIDが出力されるまで遅延し、クラス分類回路4および遅延回路8に供給するようになされている。
【0067】
次に、その動作について説明する。
【0068】
領域分割統合回路1では、1画面ごとのSD画像に対して、図2に示すフローチャートにしたがった処理が施されることにより、SD画像が、いわゆる領域分割される。
【0069】
即ち、まず最初に、ステップS1において、IDメモリ2の記憶内容が所定の初期値に初期化される。具体的には、例えば、IDメモリ2の各SD画素に対応するアドレスに対して、ラスタスキャン順に、正の整数値が、領域IDとして、シーケンシャルにセットされる。従って、ステップS1の直後は、IDメモリ2の各SD画素に対応するアドレスに記憶された値は、すべて異なるものとなっている。
【0070】
そして、ステップS2において、あるSD画素を処理対象の画素(以下、適宜、処理対象画素という)とし、処理対象画素と、その上、下、左、右、左上、右上、左下、または右下の8方向のうちのいずれかの方向に隣接する画素(隣接画素)との画素値の差分が演算され、ステップS3に進む。ステップS3では、ステップS2で求められた差分が所定の閾値以下であるかどうかが判定される。ステップS3において、処理対象画素と、その隣接画素との差分値が、所定の閾値以下でないと判定された場合、ステップS4をスキップして、ステップS5に進む。
【0071】
また、ステップS3において、処理対象画素と、その隣接画素との差分値が、所定の閾値以下であると判定された場合、ステップS4に進み、処理対象画素と隣接画素とが、例えばある物体が表示された領域などの同一の領域を構成する画素であるとして、1つの領域を構成するように統合される。
【0072】
即ち、ステップS4では、IDメモリ2の、処理対象画素および隣接画素に対応するアドレスに記憶された領域IDが、同一の値に更新される。具体的には、処理対象画素または隣接画素のうちのいずれか一方の領域IDが、他方の領域IDと同一の値に更新される。
【0073】
なお、処理対象画素または隣接画素が既にある領域に統合されている場合には、例えば、大きい領域に属している方の画素の領域IDの値に、他方の画素の領域IDが更新される。
【0074】
IDメモリ2の更新後、ステップS4からS5に進み、1画面を構成するSD画素すべてを、処理対象画素として、ステップS2の処理を行ったかどうかが判定される。ステップS5において、1画面を構成するSD画素すべてを、処理対象画素として、まだ、ステップS2の処理を行っていないと判定された場合、ステップS2に戻り、まだ処理対象画素とされていないSD画素を処理対象画素として、ステップS2以下の処理を繰り返す。
【0075】
また、ステップS5において、1画面を構成するSD画素すべてを、処理対象画素として、ステップS2の処理を行ったと判定された場合、ステップS6に進み、ステップS2で、上述の8方向すべてについて差分を演算したかどうかが判定される。ステップS6において、ステップS2で8方向すべてについて、まだ差分を演算していないと判定された場合、ステップS2に戻り、まだ差分を演算していない方向について、ステップS2以下の処理を繰り返す。
【0076】
そして、ステップS6において、ステップS2で8方向すべてについて差分を演算したと判定された場合、ステップS7に進み、他の領域に統合可能なSD画素が存在しないかどうかが判定される。ステップS7において、他の領域に統合可能なSD画素が存在すると判定された場合、即ち、1画面を構成するSD画素の中に、隣接する画素との画素値の差分が所定の閾値以下となるものが存在する場合、ステップS2に戻り、再び、ステップS2以下の処理を繰り返す。
【0077】
一方、ステップS7において、他の領域に統合可能なSD画素が存在しないと判定された場合、即ち、1画面を構成するSD画素のうちのいずれを処理対象画素としても、その上、下、左、右、左上、右上、左下、または右下の8方向のうちのいずれの方向に隣接する画素との画素値の差分が所定の閾値以下とならない場合、ステップS8に進み、IDメモリ2に記憶された領域IDが、シーケンシャルな値に付け替えられ、処理を終了する。
【0078】
即ち、IDメモリ2に記憶された領域IDは、ステップS4で更新されるために、一部の値(数字)が抜けたものとなる。そこで、ステップS8では、IDメモリ2に記憶された領域IDが、例えば、1,2,3,・・・のように連続した(シーケンシャルな)ものとなるように変更される。
【0079】
以上の処理により、IDメモリ2において、輝度や色などが近似した画素でなる領域、即ち、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様などを有する領域を構成するSD画素に対応するアドレスには、同一の領域IDが記憶される。従って、領域IDは、その値が同一のSD画素が同一の領域を構成することを表す。
【0080】
なお、以上においては、画素どうしを統合して、SD画像を領域分割するようにしたが、領域分割統合回路1には、その他、例えば、SD画像を、幾つかの画素でなる所定のブロックに分割し、そのブロックどうしを統合して、SD画像を領域分割させるようにすることなども可能である。
【0081】
即ち、この場合、領域分割統合回路1では、まず最初に、SD画像を、横×縦がM×N画素でなる小ブロックに分割される(但し、M,Nは、いずれも正の整数)。
【0082】
その後、領域分割統合回路1では、小ブロックに分割されたSD画像に対して、図3に示すフローチャートにしたがった処理が施される。
【0083】
即ち、ステップS11において、IDメモリ2の記憶内容が所定の初期値に初期化される。具体的には、例えば、IDメモリ2の各小ブロックに対応するアドレスに対して、ラスタスキャン順に、正の整数値が、領域IDとして、シーケンシャルにセットされる。
【0084】
従って、IDメモリ2の記憶容量は、画素どうしを統合する場合においては、1画面を構成するSD画素の数に対応する分だけ必要であるが、小ブロックどうしを統合する場合においては、1画面を分割することにより得られる小ブロックの数に対応する分だけあれば良い。
【0085】
そして、ステップS12において、ある小ブロックを処理対象の小ブロック(以下、適宜、処理対象小ブロックという)とし、その処理対象小ブロックを構成するSD画素の画素値(輝度や色差信号)のヒストグラム(濃度分布)(画素値の分布)が求められる。さらに、ステップS12では、処理対象小ブロックの上、下、左、右、左上、右上、左下、または右下の8方向のうちのいずれかの方向に隣接する小ブロック(以下、適宜、隣接小ブロックという)を構成するSD画素の画素値のヒストグラムも求められ、ステップS13に進む。
【0086】
ステップS13では、処理対象小ブロックおよび隣接小ブロックのヒストグラムに基づいて、処理対象小ブロックと隣接小ブロックとを、1つの領域を構成するものとして統合すべきかどうかが判定される。ステップS13において、処理対象小ブロックと隣接小ブロックとを、1つの領域に統合すべきでないと判定された場合、即ち、処理対象小ブロックのヒストグラムと隣接小ブロックのヒストグラムとが近似していない場合、ステップS14をスキップして、ステップS15に進む。
【0087】
また、ステップS13において、処理対象小ブロックと隣接小ブロックとを、1つの領域に統合すべきと判定された場合、即ち、処理対象小ブロックのヒストグラムと隣接小ブロックのヒストグラムとが近似している場合(例えば、処理対象小ブロックのヒストグラムの各画素値に対応する度数と、隣接小ブロックのヒストグラムの各画素値に対応する度数との差分をとり、各画素値に対応する度数の差分の絶対値和が所定の閾値以下である場合など)、ステップS14に進み、処理対象小ブロックと隣接小ブロックとが1つの領域に統合される。
【0088】
即ち、ステップS14では、IDメモリ2の、処理対象小ブロックおよび隣接小ブロックに対応するアドレスに記憶された領域IDが、同一の値に更新される。具体的には、処理対象小ブロックまたは隣接小ブロックのうちのいずれか一方の領域IDが、他方の領域IDと同一の値に更新される。
【0089】
なお、処理対象小ブロックまたは隣接小ブロックが既にある領域に統合している場合には、例えば、大きい領域に属している方の小ブロックの領域IDの値に、他方の小ブロックの領域IDが更新される。
【0090】
IDメモリ2の更新後、ステップS14からS15に進み、1画面を構成する小ブロックすべてを、処理対象小ブロックとして、ステップS12の処理を行ったかどうかが判定される。ステップS15において、1画面を構成する小ブロックすべてを、処理対象小ブロックとして、まだ、ステップS12の処理を行っていないと判定された場合、ステップS12に戻り、まだ処理対象小ブロックとされていない小ブロックを処理対象小ブロックとして、ステップS12以下の処理を繰り返す。
【0091】
また、ステップS15において、1画面を構成する小ブロックすべてを、処理対象小ブロックとして、ステップS12の処理を行ったと判定された場合、ステップS16に進み、上述の8方向すべての隣接小ブロックについて、ステップS13で統合すべきかどうかの判定処理を行ったかどうかが判定される。ステップS16において、8方向すべての隣接小ブロックについて、まだステップS13の判定処理を行っていないと判定された場合、ステップS12に戻り、まだステップS13の判定処理を行っていない方向について、ステップS12以下の処理を繰り返す。
【0092】
そして、ステップS16において、8方向すべてについて、ステップS13の判定処理を行ったと判定された場合、ステップS17に進み、他の領域に統合可能な小ブロックが存在しないかどうかが判定される。ステップS17において、他の領域に統合可能な小ブロックが存在すると判定された場合、即ち、1画面を構成する小ブロックの中に、隣接する小ブロックとのヒストグラムが近似するものが存在する場合、ステップS12に戻り、再び、ステップS12以下の処理を繰り返す。
【0093】
一方、ステップS17において、他の領域に統合可能な小ブロックが存在しないと判定された場合、即ち、1画面を構成する小ブロックの中に、隣接する小ブロックとのヒストグラムが近似するものが存在しない場合、ステップS18に進み、図2のステップS8における場合と同様に、IDメモリ2に記憶された領域IDが、シーケンシャルな値に付け替えられ、処理を終了する。
【0094】
以上の処理により、IDメモリ2において、輝度や色などが近似した小ブロックでなる領域、即ち、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様などを有する領域を構成する小ブロックに対応するアドレスには、同一の領域IDが記憶される。
【0095】
なお、図3における場合において、IDメモリ2として、1画面を構成するSD画素の数に対応する分だけの記憶容量を有するメモリを使用し、領域IDを、各SD画素に割り当て、その更新を、小ブロックを構成する複数のSD画素単位で行うようにすれば、基本的には、図2における場合とほぼ同様の領域分割結果を得ることができる。
【0096】
ここで、図2や図3のように、画素または小ブロックを統合して領域分割をする手法は、いわばボトムアップの手法ということができるが、領域分割は、その他、SD画像について、例えば、エッジ検出や、細線化、追跡などの処理を施すことによりエッジを抽出し、そのエッジで囲まれる閉領域を検出するような、いわばトップダウンの手法によって行うことも可能である。
【0097】
以上のようにして、IDメモリ2に、1画面のSD画像の領域分割結果としての領域IDの書き込みが終了すると、同一領域判断回路3では、IDメモリ2を参照して、注目画素、即ち、適応処理により予測値を求めようとするHD画素と特性の近似しているSD画素からなる領域である近似特性領域が、SD画像から抽出される。
【0098】
即ち、本実施の形態においては、例えば、図4に示すように、注目画素が、その右下方向、下方向、左下方向、右方向、中心、左方向、右上方向、上方向、または左上方向の位置にそれぞれ配置されるような、横×縦が7×7画素の9個のブロック(以下、適宜、領域判断ブロックという)1乃至9があらかじめ設定されており、同一領域判断回路3では、これらの9個の領域判断ブロック1乃至9のうち、注目画素と特性の最も近似しているSD画素からなるものが、近似特性領域として抽出される。
【0099】
具体的には、図5のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS21において、注目画素についての領域IDが、IDメモリ2を参照することにより認識される。即ち、ステップS21では、注目画素と同一の位置にあるSD画素の領域IDが、注目画素についての領域IDとして認識される。
【0100】
ここで、注目画素、即ち、HD画素は、SD画素より数が多いため、注目画素の位置に、SD画素が存在しない場合がある。このような場合は、例えば、注目画素に最も近いSD画素の領域IDや、その周辺にあるSD画素の領域IDのうち、同一の値が最も多いものなどが、注目画素についての領域IDとして認識される。
【0101】
その後、ステップS22に進み、領域判断ブロック1乃至9それぞれを識別するためのブロックIDを表す変数iが、例えば1に初期化されるとともに、同一の値が最も多い領域IDの数を保持しておく変数maxが、例えば0に初期化され、ステップS23に進む。
【0102】
ステップS23では、領域判断ブロック#iを構成するSD画素のうち、注目画素についての領域IDと同一の値の領域IDを有するもの(以下、適宜、同一領域IDという)の数が、IDメモリ2を参照してカウント(計数)される。そして、ステップS24に進み、同一領域IDの数が、変数maxと比較され、同一領域IDの数が、変数maxより大きい場合(以上の場合)のみ、変数maxが、同一領域IDの数に更新され、ステップS25に進む。
【0103】
ステップS25では、変数iが1だけインクリメントされ、ステップS29に進み、変数iが9より大きいかどうかが判定される。ステップS29において、変数iが9より大きくないと判定された場合、ステップS23に戻る。また、ステップS29において、変数iが9より大きいと判定された場合、即ち、領域判断ブロック1乃至9のすべてについて、同一領域IDの数をカウントし、その数の最大値が、変数maxにセットされた場合、ステップS27に進み、近似特性領域が決定され、処理を終了する。
【0104】
即ち、ステップS27では、領域判断ブロック1乃至9の中から、変数maxにセットされている数の同一領域IDを有するものが検出され、これが近似特性領域とされる。さらに、ステップS27では、近似特性領域とされた領域判断ブロック#iのブロックID#iが出力され、処理を終了する。
【0105】
なお、変数maxが所定の閾値以下である場合は、即ち、領域判断ブロック1乃至9のうちのいずれも、同一領域IDが付されたSD画素を、所定の閾値以上の数だけ有していない場合は、変数maxにセットされている数の同一領域IDを有する領域判断ブロックではなく、例えば、注目画素が中心の位置に配置されている領域判断ブロック5(図4)を、近似特性領域とすることなども可能である。
【0106】
図1に示したように、同一領域判断回路3から出力されたブロックIDは、クラス分類回路4および遅延回路5に供給される。
【0107】
クラス分類回路4には、ブロックIDの他、遅延回路7からSD画像が供給されるようになされており、そこでは、同一領域判断回路3が出力するブロックIDに対応する領域判断ブロック、即ち、近似特性領域内にあるSD画素を用い、例えば、図7で説明した場合と同様にしてクラス分類が行われる。そして、クラス分類回路4では、そのクラス分類により得られたクラスの、例えば上位ビットに、同一領域判断回路3が出力するブロックIDを付加したものを、新しいクラスとして、係数ROM9のアドレス端子に出力する。
【0108】
係数ROM9には、後述する学習により得られた予測係数が、クラスごとに記憶されており、係数ROM9は、クラス分類回路4からクラスを受信すると、そのクラスに対応する予測係数を読み出し、予測演算回路10に供給する。
【0109】
一方、遅延回路5では、ブロックIDが所定の時間だけ遅延され、予測タップ生成回路6に供給される。予測タップ生成回路6には、遅延回路5からブロックIDが供給される他、遅延回路8からSD画像が供給されるようになされており、そこでは、遅延回路5からのブロックIDに対応する領域判断ブロック、即ち、近似特性領域内にあるSD画素を用い、例えば、図7で説明した場合と同様にして予測タップが生成される。この予測タップは、予測タップ生成回路6から予測演算回路10に出力される。
【0110】
予測演算回路10では、図7で説明したように、予測係数と予測タップとからなる線形一次式が演算されることにより、注目画素の予測値が求められる。
【0111】
従って、注目画素の予測値が、近似特性領域、即ち、注目画素と特性の近似しているSD画素からなる領域を構成するSD画素を用いてクラス分類され、さらに予測タップが生成されることにより求められるため、例えば、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様を有する領域などの特性が近似している領域のHD画素の予測値は、基本的には、その領域のSD画素のみから求められるようになり、これにより、HD画像において、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様を有する領域などの境界部分の画質の劣化を低減することができる。
【0112】
次に、図6は、図1の係数ROM9に記憶させる予測係数を算出する学習処理を行う学習装置の一実施の形態の構成を示している。なお、図中、図9における場合と対応する部分については、同一の符号を付してある。即ち、この学習装置は、領域分割統合回路22,IDメモリ23、同一領域判断回路24、および遅延回路25が新たに設けられている他は、図9の学習装置と基本的に同様に構成されている。
【0113】
領域分割統合回路22,IDメモリ23、同一領域判断回路24、または遅延回路25は、図1における領域分割統合回路1,IDメモリ2,同一領域判断回路3、または遅延回路7とそれぞれ同一構成のものとされ、また、クラス分類回路26または予測タップ生成回路27は、やはり図1におけるクラス分類回路4または予測タップ生成回路6とそれぞれ同一構成のものとされている。
【0114】
従って、図6の学習処理装置では、クラス分類回路26において、同一領域判断回路24が出力するブロックIDに対応する領域判断ブロック、即ち、近似特性領域内にあるSD画素を用いてクラス分類が行われ、そのクラス分類により得られたクラスの上位ビットに、同一領域判断回路24が出力するブロックIDを付加したものが、新しいクラスとして、予測タップメモリ29および教師データメモリ30のアドレス端子に供給される。
【0115】
また、予測タップ生成回路27では、同一領域判断回路24が出力するブロックIDに対応する領域判断ブロック、即ち、近似特性領域内にあるSD画素を用いて予測タップが生成される。この予測タップは、予測タップ生成回路6から予測タップメモリ29に供給される。
【0116】
以下、予測タップメモリ29または教師データメモリ30では、ブロックIDをも含むクラスに対応するアドレスに、学習データとしての予測タップまたは教師データとしてのHD画素(注目画素)がそれぞれ記憶され、演算回路31では、予測タップメモリ29および教師データメモリ30の記憶値を用いて、ブロックIDをも含むクラスごとに、予測係数が算出される。
【0117】
以上、本発明を、SD画像をHD画像に変換する画像変換装置に適用した場合について説明したが、本発明は、その他、例えば、画像の拡大処理などを行う場合にも適用可能である。
【0118】
なお、本実施の形態においては、係数ROM9(図1)には、各クラスに対応するアドレスに、予測係数を記憶させるようにしたが、係数ROM9には、その他、例えば、その予測係数を算出するのに用いた教師データの平均値などを記憶させるようにすることが可能である。この場合、係数ROM9に対して、クラスをアドレスとして与えるだけで、適応処理により求められるHD画素の予測値が得られるようになり、予測演算回路10を設けずに済むようになる。
【0119】
また、本実施の形態においては、特に言及しなかったが、図1のクラス分類回路4(図6のクラス分類回路26についても同様)には、近似特性領域内のすべてのSD画素を用いてクラス分類を行わせるようにすることもできるし、そのうちの幾つかを用いてクラス分類を行わせるようにすることも可能である。同様に、図1の予測タップ生成回路6(図6の予測タップ生成回路27についても同様)にも、近似特性領域内のすべてのSD画素を予測タップとさせるようにすることもできるし、そのうちの幾つかを予測タップとさせるようにすることも可能である。
【0120】
但し、処理の高速化の観点からは、近似特性領域内のすべてのSD画素ではなく、その中の幾つかを用いて、クラス分類を行わせ、また、予測タップを生成させるようにするのが望ましい。そして、このように、近似特性領域内の幾つかのSD画素を用いて、クラス分類や予測タップの生成を行う場合、図4に示した領域判断ブロック1乃至9のうちのいずれが近似特性領域とされたかによって、用いるSD画素を変えることができる。即ち、例えば、領域判断ブロック1が近似特性領域とされた場合には、その右下済みの16のSD画素を用い、また、領域判断ブロック5が近似特性領域とされた場合には、その中心にある16のSD画素を用いて、クラス分類や予測タップの生成を行うようにすることができる。さらに、クラス分類を行う場合と、予測タップの生成を行う場合とで、近似特性領域内において用いるSD画素は同一でなくてもかまわない。
【0121】
また、本実施の形態においては、近似特性領域となる領域判断ブロックとして、図4に示したように、9個のブロックをあらかじめ用意しておくようにしたが、領域判断ブロックの数は9に限定されるものではない。
【0122】
さらに、本実施の形態では、領域判断ブロック1乃至9をあらかじめ用意しておき、そのうちの、注目画素についての領域IDと同一の領域IDのSD画素の数が最も多いものを、近似特性領域とするようにしたが、このような領域判断ブロックをあらかじめ用意せず、注目画素についての領域IDと同一の領域IDが付されたSD画素で構成される領域を検出し、この領域を、近似特性領域とするようにすることも可能である。但し、この場合、近似特性領域は任意の形状をとり得るので、領域判断ブロックを用意しておく場合に比較して、処理が、多少複雑化することになる。
【0123】
また、本実施の形態では、領域判断ブロックの形状を正方形としたが(図4)、その形状は、正方形に限らず、例えば、十字形や、ひし形などの任意の形状とすることが可能である。
【0124】
【発明の効果】
本発明の画像処理装置および画像処理方法によれば、第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素が検出され、統合されてなる領域、または第1の画像が所定のブロックに分割され、画素値の分布が近似するブロックどうしが統合されてなる領域で、第1の画像が複数領域に分割され、分割された複数領域のうち、第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域が複数ある場合、又は注目画素位置が含まれる領域が存在せず注目画素位置近傍の領域が複数ある場合には、当該複数の領域のうち輝度又は色の特性が近似する画素を最も多く有する領域が近似特性領域として第1の画像から抽出され、注目画素が、近似特性領域を構成する画素に基づいてクラス分類され、第1の画像から抽出された近似特性領域を構成する画素の画素値と、クラス分類により得られるクラスごとに求められる予測係数のうち、注目画素のクラスに対応する予測係数とを用いて適応処理が行われる。従って、例えば、所定の物体が表示された領域や、所定の色、模様を有する領域などの境界部分の画質の劣化を低減した第2の画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像変換装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の領域分割統合回路1の処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1の領域分割統合回路1の処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】領域判断ブロックを示す図である。
【図5】図1の同一領域判断回路3の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明を適用した学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図7】本件出願人が先に提案した画像変換装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7のクラス分類回路4の処理を説明するための図である。
【図9】本件出願人が先に提案した学習装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 領域分割統合回路, 2 IDメモリ, 3 同一領域判断回路, 4 クラス分類回路, 5 遅延回路, 6 予測タップ生成回路, 7,8 遅延回路, 9 係数ROM, 10 予測演算回路, 21 間引き回路, 22領域分割統合回路, 23 IDメモリ, 24 同一領域判断回路, 25遅延回路, 26 クラス分類回路, 27 予測タップ生成回路, 28 遅延回路, 29 予測タップメモリ, 30 教師データメモリ, 31 演算回路

Claims (4)

  1. 第1の画像を構成する画素の画素値と、所定の予測係数との演算により、上記第1の画像よりも高解像度な第2の画像の画素の予測値を求める適応処理を行う適応処理手段と、
    前記第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素を検出し、統合してなる領域、または前記第1の画像を所定のブロックに分割し、画素値の分布が近似する前記ブロックどうしを統合してなる領域で、前記第1の画像を複数領域に分割する分割手段と、
    前記分割された複数領域のうち、前記第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域が複数ある場合、又は前記注目画素位置が含まれる領域が存在せず前記注目画素位置近傍の領域が複数ある場合には、当該複数の領域のうち輝度又は色の特性が近似する画素を最も多く有する領域を近似特性領域として前記第1の画像から抽出する領域抽出手段と
    前記注目画素を、前記近似特性領域を構成する画素に基づいてクラス分類するクラス分類手段と
    を備え、
    前記適応処理手段は、前記第1の画像から前記領域抽出手段により抽出された前記近似特性領域を構成する画素の画素値と、前記クラス分類手段のクラス分類により得られるクラスごとに求められる前記予測係数のうち、前記注目画素のクラスに対応する前記予測係数とを用いて前記適応処理を行い、
    前記予測係数は、生徒データとしての前記第1の画像を構成する画素の画素値との演算により、生徒データに対する教師データとしての前記第2の画像の画素の予測値を求める適応処理を行うための予測係数を算出する学習処理を行う学習装置により、生徒データとしての前記第1の画像から抽出された前記近似特性領域を構成する画素の画素値のみに基づく前記学習処理が前記クラスごとに行われることによって、前記クラスごとに算出される
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の画像を構成する画素の画素値と、前記予測係数との前記演算は、前記第1の画像を構成する画素の画素値と、前記予測係数との線形結合である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記予測係数は、生徒データとしての前記第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分、または前記第1の画像における画素の画素値の分布を基に、前記第1の画像を複数領域に分割し、前記分割した複数領域のうち、教師データとしての前記第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域又は前記注目画素位置が含まれる領域が存在しない場合には前記注目画素位置近傍の領域を近似特性領域として前記第1の画像から抽出し、抽出した前記近似特性領域を構成する画素の画素値のみに基づく前記学習処理が行われることによって算出される
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 第1の画像を構成する画素の画素値と、所定の予測係数との演算により、上記第1の画像よりも高解像度な第2の画像の画素の予測値を求める適応処理を行う画像処理方法であって、
    前記第1の画像における画素の画素値と、隣接画素の画素値との差分が所定の閾値以下となる画素を検出し、統合してなる領域、または前記第1の画像を所定のブロックに分割し、画素値の分布が近似する前記ブロックどうしを統合してなる領域で、前記第1の画像を複数領域に分割し、
    前記分割された複数領域のうち、前記第2の画像の画素である注目画素位置が含まれる領域が複数ある場合、又は前記注目画素位置が含まれる領域が存在せず前記注目画素位置近傍の領域が複数ある場合には、当該複数の領域のうち輝度又は色の特性が近似する画素を最も多く有する領域を近似特性領域として前記第1の画像から抽出し、
    前記注目画素を、前記近似特性領域を構成する画素に基づいてクラス分類し、
    前記第1の画像から抽出された前記近似特性領域を構成する画素の画素値と、クラス分類により得られるクラスごとに求められる前記予測係数のうち、前記注目画素のクラスに対応する前記予測係数とを用いて前記適応処理を行い、
    前記予測係数は、生徒データとしての前記第1の画像を構成する画素の画素値との演算により、生徒データに対する教師データとしての前記第2の画像の画素の予測値を求める適応処理を行うための予測係数を算出する学習処理を行う学習装置により、生徒データとしての前記第1の画像から抽出された前記近似特性領域を構成する画素の画素値のみに基づく前記学習処理が前記クラスごとに行われることによって、前記クラスごとに算出される
    ことを特徴とする画像処理方法。
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