JP4095190B2 - Sheath-core composite polyolefin fiber and grafted polyolefin nonwoven fabric - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維、グラフト化ポリオレフィン系不織布、その製造方法および該不織布からなる電池用セパレータに関する。さらに詳しくは、本発明は、紡糸性が良好で、かつ不織布化およびグラフト化が容易な鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維、この繊維からなり、優れた親水性を有するとともに、機械的強度および吸水時のガス透過性などが良好な物性バランスに優れるグラフト化ポリオレフィン系不織布、このものを効率よく製造する方法、並びに上記不織布からなる電池用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
不織布は、紡績工程や撚糸工程を経ることなく繊維から直接製造することができるため、その製造工程は織物や編み物に比べて簡単である。このような利点を有する不織布は、現在、紙おむつに代表される衛生材料や衣料材料に広く利用されている。そして、不織布の材料となる繊維として、ポリプロピレン繊維等の単一繊維、共重合ポリエステル−ポリエチレンテレフタレート系複合繊維および共重合ポリプロピレン−ポリプロピレン系複合繊維等の同種ポリマー複合繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン系複合繊維やポリエチレン−ポリエチレンテレフタレート系複合繊維等の異種ポリマー複合繊維などが開発されている。
【0003】
ところで従来から、電池例えばニッケル−カドミウム電池にはセパレータとして合成繊維からなる不織布が使用されているが、これらの不織布には適度の機械的強度、良好なガス透過性、電解液保持能力、電解液耐久性および耐酸化性が要求される。
現在、電池用セパレータとして一般的に使用されているポリアミド繊維からなる不織布は、親水性を有し、電解液保持能力には優れているが、電解液耐久性、耐酸化性に乏しく、充放電を繰り返すうちにアミド結合部位から分解が起こり、電解液中に分解物が溶解して、自己放電の原因となる。
【0004】
これに対して、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維からなるポリオレフィン系不織布は、電解液耐久性、耐酸化性には優れているが、それ自体疎水性であるため、電解液保持能力に乏しい。このため、ポリオレフィン系不織布に界面活性剤処理を施して親水性を付与することが試みられているが、多数回の充放電により界面活性剤が溶出し、自己放電特性が悪くなると同時に、徐々に親水性が低下し、電解液保持能力が低下するという欠点があった。
【0005】
そこで、ポリオレフィン系繊維表面に化学反応によって、親水性官能基を導入することにより、恒久的な親水性を保持させる手段が考えられる。そのような手段により親水性を持たせた電池用セパレータの例として、特公平1−36231号公報記載の電池用セパレータがある。本公報記載の電池用セパレータは、ポリプロピレン樹脂を芯成分とし、ポリエチレン樹脂を鞘成分とする鞘芯型複合繊維からなる不織布を用い、電子線照射法(前照射法)によってラジカル活性中心を発生させて親水性を有するモノマーをグラフト重合させることにより親水性が付与されている。
【0006】
しかし、本公報記載の電池用セパレータの製造方法では、強力な電子線照射により繊維内部にまでラジカルが発生し、グラフト重合が繊維の内部にまで起こり、不織布の柔軟性が低下し、強度も低下してしまう。更に、電池用セパレータとして用いた場合、吸水による膨潤により多孔度が低下し、ガス透過性が低下する欠点を有する。これらの点を改善するため、電子線照射量を制限すると、グラフト化が不均一になったり、親水性官能基が脱離したりする等の別の不都合が生じる。
【0007】
また、上記電池用セパレータの吸水による膨潤に起因するガス透過性の低下を改善したものとして、特開平7−6745号公報記載の電池用セパレータがある。本公報記載の電池用セパレータは、グラフト用モノマー付着量を調整した後、電子線照射によるグラフト重合を行って、織布または不織布の、互いに隣合う繊維同士の接合部近傍におけるグラフト重合度を他の部分のグラフト重合度より高くなるようにしたものである。すなわち、織布または不織布の繊維の接合部分におけるグラフト重合度を高め、膨潤を繊維の接合部近傍だけに限定させ、他の部分の多孔度の低下を抑制しようとするものである。しかしながら、本公報記載の電池用セパレータの製造方法では、電子線照射に起因する強度低下が避けられず、照射線量を制限(10Mrad以下)すると、グラフト化が不均一になる問題点は解決されていない。また、本公報記載の方法では、グラフト重合体が主として繊維の接合部に存在するため、親水性の向上効果が十分ではない。
【0008】
ポリプロピレン樹脂を芯材とし、ポリエチレン樹脂を鞘材とする鞘芯複合型繊維からなる不織布では、鞘材として比較的柔軟なポリエチレン樹脂を用いているため、不織布強度(列断長)を向上させることが難しい。そのため、これを電池用セパレータとして用いる場合、不織布の巻き取りを行う際にピンホールを生じたり、正負極が接触してショートしたりするという不都合が生じることがある。
【0009】
このように、ポリオレフィン系繊維からなる不織布において、優れた親水性を有するとともに強度低下、吸水による膨潤に起因するガス透過性の低下などが発生しない親水性不織布は、これまで知られていないのが実状であった。
【0010】
また、ポリプロピレン樹脂を芯材及び鞘材とした鞘芯複合型繊維が、現在開発されつつあるが、これまで開発されてきたものは、グラフト重合反応性が充分ではなく、電池用セパレータ等に要求される優れた親水性を有するものは得られなかった。
【0011】
そこで、本発明者らは、先に、ポリオレフィン系不織布をグラフト化し、優れた親水性を有するとともに、強度低下、吸水による膨潤に起因するガス透過性の低下などが発生しないグラフト化ポリオレフィン系不織布を開発した(特開平9−158020号公報)。
このものは、従来のポリオレフィン系不織布に比べて親水性、機械的強度および吸水時のガス透過性などの物性バランスに優れ、電池用セパレータとして好適であるが、さらに物性バランスに優れる不織布およびその材料となる紡糸性、不織布化、グラフト化などがより良好なポリオレフィン系繊維の開発が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、紡糸性が良好で、かつ不織布化およびグラフト化が容易なポリオレフィン系繊維、この繊維からなり、優れた親水性を有するとともに、機械的強度および吸水時のガス透過性が良好な物性バランスに優れるポリオレフィン系不織布、並びにこの不織布からなり、特に電解液の吸液性および保持能力が高い電池用セパレータを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、芯材とそれを被覆する鞘材とからなり、かつ鞘材として、プロピレン系重合体と特定の密度および分子量分布を有する線状低密度ポリエチレンとを含むものを用いた鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維、およびこの繊維からなる不織布の該繊維に親水性ビニルモノマーをグラフト重合させてなるグラフト化ポリオレフィン系不織布により、その目的を達成しうることを見出した。
【0014】
また、上記グラフト化ポリオレフィン系不織布は、該鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維を不織布化したのち、その表面に疎水性ラジカル開始剤を付着させ、親水性ビニルモノマーをグラフト重合させることにより、効率よく製造しうることを見出した。
【0015】
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、(1)芯材とそれを被覆する鞘材とからなる鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維において、前記鞘材が、(a)プロピレン系重合体と、(b)密度が0.85〜0.91g/cm3で、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが3.0未満である線状低密度ポリエチレンとを含み、前記鞘材の(b)成分が、メタロセン系触媒を用いて得られた線状低密度ポリエチレンであることを特徴とする鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維、(2)上記鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維からなる不織布の該繊維に、親水性ビニルモノマーをグラフト重合させてなるグラフト化ポリオレフィン系不織布、および(3)上記グラフト化ポリオレフィン系不織布からなる電池用セパレータ、を提供するものである。
【0016】
また、該グラフト化ポリオレフィン系不織布は、本発明の方法に従えば、前記鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維を不織布化したのち、この不織布を疎水性ラジカル開始剤の有機溶剤液で処理し、その表面に該疎水性ラジカル開始剤を付着させ、次いで親水性ビニルモノマー水溶液に浸漬して、該親水性ビニルモノマーをグラフト重合させることにより、製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン系繊維は、芯材とそれを被覆する鞘材とからなる鞘芯複合型繊維であって、この複合型繊維の表面は、少なくとも一部において、長さ方向に連続して鞘材が芯材を被覆するように配置されていることが好ましい。具体的には鞘芯断面積比において、鞘材/芯材の比が約3/7〜7/3の範囲が好ましい。
【0018】
本発明においては、該鞘材を構成する重合体として、(a)プロピレン系重合体と(b)線状低密度ポリエチレンを含有するものが用いられる。上記(a)成分のプロピレン系重合体としては特に制限はなく、プロピレンの単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよいが、後述のグラフト化性を考慮すると、プロピレンと炭素数2〜8の他のα−オレフィンとのランダム共重合体が、低結晶性であり好ましい。この他のα−オレフィンの例としては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが挙げられる。これらのα−オレフィンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
後述のグラフト化反応は、固−液反応であるため、親水性ビニルモノマーを含む反応溶液が不織布繊維表面により速く浸透することが反応性を高める要因となる。したがって、低結晶性であること自体は、直接にグラフト化反応に関与するわけではないが、低結晶性である程、すなわち非晶部が多い程、グラフト反応性は高くなるものと考えられる。
【0020】
炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合成分とするプロピレンランダム共重合体は、特に親水性ビニルモノマーのグラフト重合性に優れている。その理由は、ポリオレフィン系樹脂に親水性ビニルモノマーがグラフト重合するには、まずポリオレフィンから水素を引き抜き、ラジカルを発生させる段階が必要である。ここで水素の引き抜き易さは、1級の炭素に結合している水素よりも2級の炭素に結合している水素の方が引き抜き易く、3級の炭素に結合している水素の方がさらに引き抜き易い。また、3級炭素に結合している側鎖の炭素数が多い方が(すなわち、メチル基よりもエチル基の方が、エチル基よりもプロピル基の方が)、その3級炭素に結合している水素は引き抜き易い。したがって、3級炭素をより多く含み、しかも炭素数2以上(すなわちエチル基以上)の大きな側鎖を有する3級炭素を多く含むポリオレフィン樹脂は、親水性ビニルモノマーがグラフト重合しやすい構造を有しているのである。すなわち、グラフト重合反応をより進行しやすいようにするためには、不織布繊維表面に3級炭素(反応活性部位)を多く分布させることが重要である。
該プロピレン共重合体としては、特にプロピレン−ブテン−1 ランダム共重合体および/またはプロピレン−エチレン−ブテン−1 ランダム共重合体が好適である。
【0021】
一方、鞘材の(b)成分である線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)としては、密度が0.85〜0.92g/cm3で、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが3.0未満のものが用いられる。上記Mw/Mn比は分子量分布を表し、この値が小さいほど、シャープな分子量分布を示す。
【0022】
なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は下記の条件で測定した値である。
このような性状のL−LDPEを用いることにより、得られる繊維は、グラフト化性がより良好なものとなる。このグラフト化性などの面から、密度は0.86〜0.91g/cm3の範囲が好ましく、またMw/Mn比は2.5以下が好ましい。
【0023】
このL−LDPEは、通常エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、好ましくはエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体である。エチレンと共重合させるα−オレフィンの例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1などが挙げられるが、これらの中で、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1およびオクテン−1が好適である。これらのコモノマーのα−オレフィンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
本発明においては、このL−LDPEとしては、特にメタロセン系触媒により製造されるものが好適である。このメタロセン系触媒とは、チタン、ジルコニウムなどの周期律表(長周期型)4族に属する金属のシクロペンタジエニル誘導体とアルミノキサンなどの助触媒との組み合わせからなるものであって、触媒種が均一であり、重合触媒として超高活性である上、従来の触媒、例えばチーグラー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、かつ共重合体中のコモノマーであるα−オレフィンの分布が均一であるなどの特徴を有している。
【0025】
このようなメタロセン系触媒を用いて得られたL−LDPEは、(1)重合触媒が超高活性であるため、コモノマーのα−オレフィン単位の含有量を従来のものより大幅に高めることができる、(2)チーグラー系重合体と比較して、コモノマー分布が均一である、(3)チーグラー系重合体に比較して分子量分布が極めてシャープであり、低分子量成分が極めて少なく、機械的強度および加工性に優れる、などの長所を有している。
【0026】
本発明において、鞘材の(b)成分として用いられるL−LDPEは、密度および分子量分布(Mw/Mn比)が前記範囲にあるものが用いられるが、コモノマーのα−オレフィン単位の含有量が、通常5〜30重量%、好ましくは9〜25重量%の範囲にあり、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定したメルトインデックス(MI)が、通常10〜40g/10分、好ましくは15〜30g/10分の範囲にあるものが好適である。
【0027】
本発明においては、鞘材の重合体として、(a−1)プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、(a−2)プロピレン−エチレン−ブテン−1 ランダム共重合体および(b)前記性状のL−LDPEを、それらの合計量に基づき、それぞれ0〜40重量%、40〜95重量%および5〜20重量%の割合で含有するものが好ましく、特に(a−1)成分を5〜95重量%、(a−2)成分を5〜40重量%および(b)成分を5〜40重量%の割合で含有するものが好ましい。
【0028】
本発明においては、この鞘材に用いられる重合体には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、その他のポリオレフィン系重合体、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを適宜配合することができる。
また、この鞘材として用いられる全重合体混合物のMI(温度190℃、荷重2.16kgf)は、10〜80g/10分の範囲が好ましく、特に20〜50g/10分の範囲が好ましい。
【0029】
一方、芯材としてはポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。このポリプロピレン系樹脂としては結晶性のポリプロピレン系樹脂が機械的強度、耐薬品性、耐候性などの点から好ましく、このような結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
このポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(温度230℃、荷重2.16kgf)としては、5〜40g/10分の範囲が好ましく、特に10〜30g/10分の範囲が好適である。
【0030】
本発明の鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維は、前記の芯材とそれを被覆する鞘材とから構成されたものであり、その製造方法については特に制限はなく、従来、鞘芯複合型繊維の製造において使用されている公知の方法を用いることができる。例えば、前記の鞘材および芯材を用い、押出し機2台と複合型繊維用ノズルを備えた複合紡糸装置により、紡糸温度200〜260℃程度で紡糸することにより、未延伸の鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維が得られる。
このようにして紡糸された未延伸の鞘芯複合型繊維は、必要に応じ1.5〜4.0倍程度に延伸処理を施すことができる。
このようにして、本発明の鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維が紡糸性よく得られ、このものは、次に述べる不織布化およびグラフト化に優れている。
なお、本発明の鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維の単糸デニールは、通常0.5〜10de、好ましくは1.0〜5deの範囲である。
【0031】
次に、本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布は、前記鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維からなる不織布の該繊維に、親水性ビニルモノマーをグラフト重合させたものである。
鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維の不織布化の方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。まず、前記ポリオレフィン系繊維を、通常用いられているローラーカード、フラットカード等のカード機を用いて、常法によりウェッブを作製する。ウェッブからの不織布の製造は、目的とする不織布の用途等に応じて熱融着法、スパンボンド法、メルトブロー法、溶剤系によるフラッシュ紡糸法などの従来公知の方法を適宜選択して行えばよい。
【0032】
本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布においては、上記不織布を構成する繊維上に親水性ビニルモノマーのグラフト重合体が存在し、このグラフト重合体により親水性が付与される。上記のようにして得られたポリオレフィン系不織布に親水性ビニルモノマーをグラフト重合させるには、
(1) 不織布と親水性ビニルモノマーを重合開始剤の存在下に加熱してグラフト重合を行う化学的方法、
(2) 不織布とビニルモノマーとを接触させた状態で、紫外線または電離性放射線を照射してグラフト重合させる同時照射方法、
(3) 不織布に紫外線または電離性放射線を照射し、次いでビニルモノマーと接触させてグラフト重合させる前照射方法、
などを用いることができるが、これらの方法の中で、上記(1)の方法、すなわち、本発明の方法が特に好適である。この方法については、後で説明する。
【0033】
本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布において、その繊維にグラフト重合させる親水性ビニルモノマーの例としては、アクリル酸およびそのエステル誘導体、メタクリル酸およびそのエステル誘導体、アクリルアミドおよびその誘導体、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸などの直接に酸または塩基と反応して塩を形成し得る官能基を有するもの、あるいはグラフト共重合せしめた後に加水分解し、比較的簡便な処理により塩を形成しうる官能基を持つことができるもの、その他の親水性を有するモノマーが挙げられる。このうち、電池用セパレータを目的とする場合には、耐久性の点から、アミド結合を有していないアクリル酸およびそのエステル誘導体、メタクリル酸およびそのエステル誘導体が好ましく、特にアクリル酸が好適である。本発明においては、この親水性ビニルモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布においては、グラフト重合体の分布状態に特徴があり、親水性ビニルモノマーのグラフト重合体が不織布を構成する繊維同士の接合部付近等に局在化することなく、繊維表面全体に存在している点で、グラフト重合体が繊維同士の接合部付近に局在化している従来のグラフト化不織布と明確に区別される。
【0035】
本発明のグラフト化不織布において、親水性ビニルモノマーの不織布表面への好ましいグラフト化率は、その使用目的によって異なるが、一般的には1〜40重量%の範囲である。1重量%未満では、グラフト重合体が繊維表面全体に存在し得ない場合があり、一方40重量%を超えると不織布が堅くなって、ハンドリング性が低下するとともに、吸水による膨潤に起因するガス透過性が低下する原因となる。本発明のグラフト化不織布を電池用セパレータとして用いる場合、グラフト化率は1〜40重量%、特に5〜30重量%が好ましい。
【0036】
本発明のグラフト化不織布では、グラフト化は不織布を構成する繊維の表面のみで起こり、繊維の内部では起きていない。それ故不織布の必要な柔軟性が失われず、強度低下がなく、且つ吸水による膨潤に起因するガス透過性の低下も起こりにくい。また、不織布を構成する繊維の表面全体が、親水性のグラフト重合体で被覆されているため、電池用セパレータ等として好適な特性、すなわち良好な親水特性、ガス透過性を有し、かつ適度な強度、電解液保持能力、電解液耐久性、耐酸化性に優れている。
【0037】
本発明のグラフト化不織布を電池用セパレータとして用いる場合には、特定量の30重量%水酸化カリウム水溶液を滴下した際の、吸液に要する時間または吸液の程度を評価するスポット吸液性試験において、5秒以内で完全に吸液することが好ましい。このスポット吸液性が良好であるという特徴は、電池用セパレータの特性として重要である。つまり、スポット吸液性とは、電解液が電池用セパレータに浸み込む速度を評価するものであり、電池を製造する際には、電解液がセパレータに素速く浸み込まないと電池の生産性が低下するという不都合を生じる。本発明のグラフト化不織布のうちグラフト化率が約5〜30重量%のものは、良好なスポット吸液性を有しており、電池用セパレータとして好適に用いることができる。
【0038】
本発明のグラフト化不織布を電池用セパレータとして用いる場合には、30重量%水酸化カリウム水溶液に15分間浸漬して吸液させた後、500rpmまたは3000rpmで3分間遠心脱水を行った後の重量の増加割合(電解液保液率)が高いことが好ましい。ここで電解液保液率は、電池用セパレータ自体の電解液保持能力を示す値である。電池用セパレータにおいて、電解液保液率が重要であるのは、次のような理由による。
【0039】
電池中の電解液は、初期はその十分な量がセパレータに分布しているが、充放電を繰り返すに従い、徐々に正極が膨潤する結果、セパレータが圧縮されてセパレータ中の電解液が枯渇(ドライアップ)し、電池の内部抵抗が増大し、電池容量が低下する。ドライアップを防止する1つの方策として、セパレータ自体に十分な電解液保持能力を付与することが重要となる。
【0040】
本発明のグラフト化不織布のうち、グラフト化率約5〜30%程度のものは、遠心脱水保液率(3000rpm、3分間)が150%以上と高く、上記のドライアップ防止の目的に非常に効果的であり、電池用セパレータとして好適に用いることができる。
本発明のグラフト化不織布を電池用セパレータとして用いる場合には、十分な破断強力を有することが肝要である。一般的な円筒形電池の製造方法では、極板とセパレータを正極/セパレータ/負極の順に重ね合わせてスパイラル状に巻き取る工程を必要とする。この巻き取りの際にセパレータに引張応力が加わる。従って、セパレータは、巻き取りの際の引張応力に耐えうる絶対的強度を有していなければならない。セパレータが必要な破断強力を有しない場合、巻き取りの際に無理な力がかかると、セパレータが部分的に切れたりしてピンホールが発生し、正・負極が接触して電池がショートする危険性がある。本発明のグラフト化不織布は、十分な引張破断強力を有しており、電池用セパレータとして好適に用いることができる。
【0041】
本発明のグラフト化不織布においてポリオレフィン系不織布の目付量は、40〜80g/m2であることが好ましい。電池用セパレータ製造業界においては、電池用セパレータに用いる不織布の目付量は、今後さらに少なくし、保液率を高くする方向にある。従って、電池用セパレータ用途では、ガス透過性(透気度)が確保される程度の上記範囲の目付量で十分である。
上記のように、本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布は優れた親水性、強度等の特性を備えており、電池用セパレータその他の用途に好適に使用できる。
【0042】
次に、本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布の製造方法について説明する。
本発明の方法においては、前記ポリオレフィン系不織布を、少なくとも1種の疎水性ラジカル開始剤が溶解または分散してなる有機溶剤液で処理した後、有機溶剤を乾燥除去することにより疎水性ラジカル開始剤を繊維表面に均一に付着・固定させ、次いで親水性ビニルモノマーの水溶液に浸漬してグラフト重合反応を行う。
【0043】
本発明の方法で用いるポリオレフィン系不織布の各種物性は、得られるグラフト化不織布の使用目的により異なり、適宜選択すべきであるが、不織布の目付量は、通常40〜80g/m2、好ましくは50〜70g/m2である。不織布の厚さは、目付量にもよるが、通常0.13〜0.20μm、好ましくは0.14〜0.16μmである。電池用セパレータを目的とする場合には、不織布の厚さは薄い方が、電池容量を大きくする上で好ましい。また、不織布の強度が低ければ、得られるグラフト化不織布の強度も低いのは当然のことである。したがって、不織布の引張破断強力は、通常10〜25kg/5cm幅である。
【0044】
本発明の方法で用いられる疎水性ラジカル開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ジクミルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸類等の過酸化物またはその誘導体等の過酸化物系の中温度触媒;2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド系化合物、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート系化合物等の過酸化物系の低温度触媒;その他アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。
ここで、過酸化物系の低温度触媒とは、10時間半減期(10時間で有機過酸化物の濃度が初期の半分に減ずるまでの期間の)温度が40〜50℃のものをいう。
【0045】
これに対し、過酸化物系の中温度触媒とは、10時間半減期温度が70〜80℃のものをいう。本発明の方法で、フェニル基を有する中温度触媒のみを用いた場合には、フェニル基の感応効果により酸化力が強くなるため、ポリオレフィン樹脂から水素が脱離し易くなり、グラフト化率も高くなり、スポット吸液性も向上する。
【0046】
さらに、フェニル基を有する中温度触媒と、低温度触媒、特にフェニル基を有する低温度触媒とを組み合わせて用いると、中温度触媒単独で用いるよりもグラフト化率が高くなり、比較的高いグラフト化率を得たい場合に好適である。さらに上記の中温度触媒と低温度触媒とを重量比1:9〜9:1、特に4:6〜6:4の比率で混合したものを疎水性ラジカル開始剤として用いると、グラフト化率が飛躍的に向上し、かつスポット吸液性も良好であり、高いグラフト化率を得たい場合に、特に好適である。
【0047】
疎水性ラジカル開始剤の不織布への付着量は、得られるグラフト化不織布の使用目的により適宜調節すべきであるが、例えば電池用セパレータを目的とする場合には、0.02〜3.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%である。疎水性ラジカル開始剤の不織布への付着量が0.02重量%未満であると、グラフト化率が低く、不織布に十分な親水性を付与することができない場合がある。また、3.0重量%を超えると、グラフト化率が高くなり過ぎ、不織布の柔軟性が損なわれ、強度も低下するため好ましくない。
【0048】
疎水性ラジカル開始剤を不織布に接触させる方法は、特に制限されるものではなく、不織布を構成するポリオレフィン系繊維が、疎水性ラジカル開始剤の有機溶剤液によって均一に湿潤・被覆されればよい。そのような方法として、例えば公知のディップ−ニップ法、スプレー法、グラビアロース法、ローターダンプ法等を適用することができる。
【0049】
疎水性ラジカル開始剤を溶解又は分散させる有機溶剤は、疎水性ラジカル開始剤を均一に溶解又は分散できるものであれば特に制限はない。この有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類等が挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等の疎水性有機溶剤やケトン類であり、さらに好ましくはポリオレフィン樹脂を膨潤させてラジカル開始剤の付着を強固なものとしてグラフト重合効率を上げることができる芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0050】
有機溶剤の使用量は、特に制限されるものではなく、疎水性ラジカル開始剤の濃度が0.01〜5重量%程度、好ましくは0.15〜3重量%となる量である。
疎水性ラジカル開始剤の有機溶剤液と不織布を接触させる時間は、通常0.25〜2時間、好ましくは0.5〜1.5時間である。この際の温度は、通常室温(25℃)でよく、好ましくは5〜35℃である。
不織布に疎水性ラジカル開始剤の有機溶剤液を含浸させたものを乾燥処理し、有機溶剤を除去する際の温度は、通常、室温(25℃)でよく、好ましくは室温〜35℃である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常1〜20時間、好ましくは5〜15時間である。
【0051】
上記のように有機溶剤を乾燥除去することにより、疎水性ラジカル開始剤のみが不織布を構成する繊維の表面全体に均一に付着・固定される。これにより、それに引き続くグラフト重合反応のためのラジカル活性中心が不織布を構成する繊維の表面全体に均一に形成される。
【0052】
このようにして、ラジカル活性中心が付与された不織布を、前記親水性ビニルモノマー水溶液中に浸漬して、該親水性ビニルモノマーをグラフト重合させるが、上記親水性ビニルモノマー水溶液におけるモノマーの好ましい濃度は、1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%である。モノマー濃度が1重量%未満であると、モノマー濃度が低すぎて不織布を構成する繊維の表面が均一に被覆されないおそれがあるし、30重量%を超えるとグラフト化率が高くなりすぎて、得られるグラフト化不織布の柔軟性、強度が低下し、好ましくない。また、親水性ビニルモノマー同士の重合が選択的に進み、ホモポリマーを形成する場合もある。
【0053】
また、グラフト重合反応に先立ち、親水性ビニルモノマー水溶液中の溶存酸素を除去することが好ましい。溶存酸素の除去は、超音波脱気等、通常の方法で行うことができる。さらに、疎水性ラジカル開始剤が付着した不織布を上記モノマー水溶液に浸漬した後、不織布内部の気泡を除去することが好ましい。脱気は、減圧処理等、通常の方法で行うことができる。
【0054】
グラフト重合させる際の温度は、重合されるモノマー濃度、不織布に付着される疎水性ラジカル開始剤の種類等によって異なるが、通常50〜130℃、好ましくは70〜100℃である。50℃未満ではグラフト重合速度が遅く、また130℃を超えるとラジカル開始剤の分解速度が速くなり過ぎ、所望のグラフト率を得ることが困難となる。
【0055】
グラフト重合反応終了後、得られたグラフト化不織布を十分に水洗することにより未反応モノマーおよびホモポリマーを除去し、遠心脱水処理等の手段で脱水し、乾燥することにより、目的のグラフト化不織布を得ることができる。
【0056】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0057】
なお、得られたグラフト化不織布の性能は、下記の要領に従って評価した。
(1)重量増加率(グラフト化率)
グラフト化処理前後の不織布の重量を測定し、重量増加率(グラフト化率)を算出する。
【0058】
(2)スポット吸液性
乾燥したグラフト化不織布上に、30重量%KOH水溶液20μlを滴下し、完全に吸液されるまでに要した時間を測定し、下記の基準によりスポット吸液性を評価した。
○:全ての水滴が5秒以内に完全に吸液される、
△:全ての水滴が10秒以内に完全に吸液される、
×:全ての水滴が完全に吸液されるのに10秒を超えるか、
一部の水滴が吸液されない。
【0059】
(3)電解液保液率
グラフト化不織布を30重量%KOH水溶液中に15分間浸漬して、不織布内に十分に保液させたのち、遠心脱水機を用い、所定の回転数で3分間脱水した際の重量を測定し、下記の式より保液率を算出した。
電解液保液率(%)=[(保液後の不織布重量(g)−保液前の不織布重量(g)/保液前の不織布重量(g)]×100
【0060】
また、使用原料は次のとおりである。
(1)鞘材
プロピレン−エチレン−ブタン−1 ランダム共重合体:出光石油化学(株)製、商品名「Y794N」、MFR(メルトフローレート)27g/10分
プロピレン−ブテン−1 ランダム共重合体:三井化学(株)製、商品名「タフマーXR300」
L−LDPE:メタロセン触媒、旭化成工業(株)製、商品名「エンゲイジEG8400」、MI 30g/10分、密度0.87g/cm3、融点64.1℃、Mw/Mn 2
L−LDPE(C8タイプ):メタロセン触媒、旭化成工業(株)製、商品名「アフィニティーSM1300」、MI 30g/10分、密度0.90g/cm3、融点105℃、Mw/Mn 2
L−LDPE(C6タイプ):非メタロセン触媒、住友化学工業(株)製、商品名「GZ801」、MI 20g/10分、密度0.92g/cm3、融点121℃、Mw/Mn 6
(2)芯材
ホモポリプロピレン:出石油化学(株)製、商品名「Y2000GP」、MI 20g/10分
実施例1
(1)鞘芯複合型繊維の製造
鞘材として、プロピレン−エチレン−ブテン−1 ランダム共重合体「Y794N」75重量部、プロピレン−ブテン−1 ランダム共重合体「タフマーXR300」20重量部およびメタロセン触媒によるL−LDPE「エンゲイジEG8400」5重量部からなる混合物を用い、芯材として、ホモポリプロピレン「Y2000GP」を用いて、一軸押出し機2台とホール径0.4mmの複合型繊維用ノズルとを備えた複合紡糸装置により、スクリュー部温度250℃にて、引き取り速度500m/分の条件で紡糸し、鞘部と芯部の断面積比が30/70で単糸デニールが3.0deである鞘芯複合型繊維(未延伸糸)を得た。
得られた未延伸糸を3.0倍で延伸し、繊維長5mm、単糸デニール1.0deの短カット繊維を得た。
【0061】
(2)湿式法による不織布の製造
上記(1)で得た短カット繊維2.6gを、界面活性剤(竹本油脂(株)製、UN683およびUN677各0.05重量%の混合溶液)を加えた水10リットル中に均一に分散させ、寸法250mm×200mmのメッシュ上に抄紙して、湿潤ウエッブを作成した。得られたウエッブを2枚の加熱板間に狭持し、温度140℃で10分間プレスして乾燥すると共に、複合型繊維の鞘部を溶融させて、繊維間を接合して不織布を作成した。
得られた不織布をメタノール洗浄して界面活性剤を除去し、不織布の最終的な厚さ調整を行うために再度140℃の加熱プレス機で熱圧着して不織布(目付量:50g/m2)を得た。
【0062】
(3)不織布を構成する繊維表面への疎水性ラジカル開始剤付着処理
予め疎水性ラジカル開始剤であるベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度:72℃(中温度触媒)、商品名:BPO、ナカライテスク社製)2.0gをキシレン100gに溶解させた溶液に、上記(2)で得られた不織布を1時間室温にて浸漬した。不織布内部に該キシレン溶液が含浸した状態で不織布を取り出し、室温下で12時間風乾して、疎水性ラジカル開始剤を繊維表面に均一に付着・固定させた。
疎水性ラジカル開始剤の付着量は、不織布のキシレン溶液への浸漬後の重量増加量を測定して求めた結果、浸漬前の不織布重量に対して1%であった。
【0063】
(4)グラフト重合による親水化処理
ガラス容器に上記(3)のBPOを付着させた不織布を入れ、6重量%アクリル酸水溶液800mlを静かに流し込み、減圧下で30分間静置した。次いで、この容器を予め92℃に加熱、安定化させておいたオイルバス中に静置し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら、30分間反応させた。
反応終了後、ただちに不織布を取り出し、水洗したのち、湯洗し、乾燥することにより、グラフト化不織布を得た。
このグラフト化不織布の性能評価結果を表2に示す。
【0064】
実施例2〜5および比較例1〜3
実施例1において、鞘材として、表1に示す組成のものを用いた以外は、実施例1と同様にして鞘芯複合型繊維を製造し、さらに不織布を作製したのち、グラフト重合による親水化処理を行い、グラフト化不織布を製造した。
各グラフト化不織布の性能評価結果を表2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
[注]
(1) Y794N:プロピレン−エチレン−ブテン−1 ランダム共重合体、出光石油化学(株)製、商品名「Y794N」
(2) タフマーXR300:プロピレン−ブテン−1 ランダム共重合体、三井化学(株)製、商品名「タフマーXR300」
(3) エンゲイジ:メタロセン触媒L−LDPE、旭化成工業(株)製、商品名「エンゲイジEG8400」
(4) アフィニティー:メタロセン触媒L−LDPE、旭化成工業(株)製、商品名「アフィニティーSM1300」
(5) GZ801:非メタロセン触媒L−LDPE、住友化学工業(株)製、商品名「GZ801」
(6) ホモPP:ホモポリプロピレン、出光石油化学(株)製、商品名「Y2000GP」
【表2】
【0067】
表2から分かるように、本発明のグラフト化不織布は、比較例のものに比べてグラフト化率が高く、かつスポット吸液性および電解液保液率に優れており、特に重要な3000rpmでの電解液保液率が高い。
また、各実施例における鞘芯複合型繊維は、いずれも紡糸性および不織布化性が良好であった。
【0068】
【発明の効果】
本発明の鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維は、紡糸性が良好である上、不織布化およびグラフト化が容易であり、この繊維から得られた本発明のグラフト化ポリオレフィン系不織布は、優れた親水性を有するとともに、機械的強度が良好で、吸水による膨潤に起因するガス透過性の低下が少ないなど、物性バランスに優れており、特に電池用セパレータとして好適に用いられる。
また、上記グラフト化ポリオレフィン系不織布からなる本発明の電池用セパレータは、電解液の吸液性や保持能力が高く、かつガス透過性が良好であるなど、優れた性能を有している。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sheath-core composite polyolefin fiber, a grafted polyolefin nonwoven fabric, a production method thereof, and a battery separator comprising the nonwoven fabric. More specifically, the present invention is a sheath-core composite polyolefin fiber that has good spinnability and is easily made into a nonwoven fabric and grafts, and is composed of this fiber, and has excellent hydrophilicity, mechanical strength and water absorption. The present invention relates to a grafted polyolefin non-woven fabric having a good balance of physical properties such as good gas permeability, a method for efficiently producing this, and a battery separator comprising the non-woven fabric.
[0002]
[Prior art]
Since a nonwoven fabric can be manufactured directly from fibers without passing through a spinning process or a twisting process, the manufacturing process is simpler than that of a woven fabric or a knitted fabric. Nonwoven fabrics having such advantages are currently widely used for sanitary materials and clothing materials represented by disposable diapers. And as a fiber which becomes the material of the nonwoven fabric, a single fiber such as a polypropylene fiber, a homopolymer composite fiber such as a copolymer polyester-polyethylene terephthalate composite fiber and a copolymer polypropylene-polypropylene composite fiber, a polyethylene-polypropylene composite fiber, Heterogeneous polymer composite fibers such as polyethylene-polyethylene terephthalate composite fibers have been developed.
[0003]
Conventionally, non-woven fabrics made of synthetic fibers have been used as separators for batteries such as nickel-cadmium batteries. These non-woven fabrics have appropriate mechanical strength, good gas permeability, electrolyte retention capacity, electrolyte solution. Durability and oxidation resistance are required.
Currently, nonwoven fabrics made of polyamide fibers, which are commonly used as battery separators, have hydrophilicity and excellent electrolyte holding capacity, but have poor electrolyte durability and oxidation resistance. While repeating the above, decomposition occurs from the amide bond site, and the decomposition product dissolves in the electrolyte, causing self-discharge.
[0004]
On the other hand, polyolefin nonwoven fabrics made of polyolefin fibers such as polypropylene and polyethylene are excellent in electrolyte solution durability and oxidation resistance, but are themselves hydrophobic and thus have poor electrolyte solution holding ability. For this reason, attempts have been made to impart a hydrophilic property by applying a surfactant treatment to the polyolefin-based nonwoven fabric, but the surfactant is eluted by a large number of charge / discharge cycles, and the self-discharge characteristics deteriorate gradually. There was a drawback that the hydrophilicity was lowered and the electrolyte holding ability was lowered.
[0005]
Therefore, a means for maintaining permanent hydrophilicity by introducing a hydrophilic functional group into the polyolefin fiber surface by a chemical reaction is conceivable. As an example of a battery separator having hydrophilicity by such means, there is a battery separator described in JP-B-1-36231. The battery separator described in this publication uses a nonwoven fabric composed of a sheath-core type composite fiber having a polypropylene resin as a core component and a polyethylene resin as a sheath component, and generates radical active centers by electron beam irradiation (pre-irradiation). Hydrophilicity is imparted by graft polymerization of a hydrophilic monomer.
[0006]
However, in the method for producing a battery separator described in this publication, radicals are generated inside the fiber by irradiation with a strong electron beam, graft polymerization occurs inside the fiber, the flexibility of the nonwoven fabric is reduced, and the strength is also reduced. Resulting in. Furthermore, when it is used as a battery separator, the porosity is lowered due to swelling due to water absorption, and the gas permeability is lowered. In order to improve these points, when the amount of electron beam irradiation is limited, other inconveniences such as non-uniform grafting and elimination of hydrophilic functional groups occur.
[0007]
Moreover, there is a battery separator described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-6745 as an improvement in the decrease in gas permeability caused by swelling of the battery separator due to water absorption. The battery separator described in this publication performs graft polymerization by electron beam irradiation after adjusting the adhesion amount of the grafting monomer, so that the graft polymerization degree in the vicinity of the joint between adjacent fibers of the woven or non-woven fabric is changed. The degree of graft polymerization of this part is made higher. That is, the degree of graft polymerization at the fiber bonded portion of the woven or non-woven fabric is increased, the swelling is limited only to the vicinity of the fiber bonded portion, and the decrease in the porosity of the other portion is suppressed. However, in the battery separator manufacturing method described in this publication, strength reduction due to electron beam irradiation is inevitable, and the problem that grafting becomes non-uniform when the irradiation dose is limited (10 Mrad or less) has been solved. Absent. Further, in the method described in this publication, the graft polymer is mainly present at the joint portion of the fiber, so that the hydrophilicity improving effect is not sufficient.
[0008]
Non-woven fabric made of sheath-core composite fiber with polypropylene resin as the core material and polyethylene resin as the sheath material uses a relatively flexible polyethylene resin as the sheath material, so that the strength of the nonwoven fabric (row length) is improved. Is difficult. Therefore, when this is used as a battery separator, there may be a disadvantage that a pinhole is generated when the nonwoven fabric is wound, or that the positive and negative electrodes are contacted and short-circuited.
[0009]
As described above, a hydrophilic nonwoven fabric that has excellent hydrophilicity and does not cause a decrease in strength and a decrease in gas permeability due to swelling due to water absorption is not known so far. It was real.
[0010]
In addition, a sheath-core composite fiber using polypropylene resin as a core material and a sheath material is currently being developed. However, what has been developed so far is not sufficient in graft polymerization reactivity and is required for battery separators, etc. It was not possible to obtain an excellent hydrophilic property.
[0011]
Therefore, the present inventors previously grafted a polyolefin-based nonwoven fabric, and has a grafted polyolefin-based nonwoven fabric that has excellent hydrophilicity and does not cause a decrease in strength or a decrease in gas permeability due to swelling due to water absorption. Developed (Japanese Patent Laid-Open No. 9-158020).
This is superior in balance of physical properties such as hydrophilicity, mechanical strength and gas permeability at the time of water absorption compared to conventional polyolefin-based non-woven fabrics, and is suitable as a battery separator, but further has excellent physical property balance and its material Development of polyolefin fibers with better spinnability, non-woven fabric, grafting and the like has been desired.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention is a polyolefin-based fiber that has good spinnability and that can be easily made into a nonwoven fabric and grafted. The fiber is made of this fiber and has excellent hydrophilicity, mechanical strength and water absorption. It is an object of the present invention to provide a polyolefin-based nonwoven fabric excellent in physical property balance with good gas permeability at the time, and a battery separator that is made of this nonwoven fabric and has a high electrolyte absorbability and retention ability.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have a core material and a sheath material covering the core material, and the sheath material has a propylene polymer and a specific density and molecular weight distribution. A sheath-core composite type polyolefin fiber using a material containing linear low-density polyethylene and a non-woven fabric made of this fiber and a grafted polyolefin non-woven fabric obtained by graft-polymerizing a hydrophilic vinyl monomer to the fiber. It was found that can be achieved.
[0014]
The grafted polyolefin-based nonwoven fabric is efficiently manufactured by making the sheath-core composite polyolefin fiber into a nonwoven fabric, attaching a hydrophobic radical initiator to the surface, and graft polymerizing a hydrophilic vinyl monomer. I found that I could do it.
[0015]
The present invention has been completed based on such findings. That is, the present invention relates to (1) a sheath-core composite type polyolefin fiber composed of a core material and a sheath material covering the core material, wherein the sheath material comprises (a) a propylene polymer and (b) a density of 0. .85- 0.91 g / cm 3 And a linear low density polyethylene whose ratio Mw / Mn of weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) measured by gel permeation chromatography method is less than 3.0, and said sheath material The (b) component is a linear low density polyethylene obtained by using a metallocene catalyst, and (2) a nonwoven fabric comprising the above sheath core composite polyolefin fiber A grafted polyolefin-based nonwoven fabric obtained by graft-polymerizing a hydrophilic vinyl monomer to the fiber, and (3) a battery separator made of the grafted polyolefin-based nonwoven fabric.
[0016]
In addition, according to the method of the present invention, the grafted polyolefin-based nonwoven fabric is obtained by forming the sheath-core composite polyolefin fiber into a nonwoven fabric, and then treating the nonwoven fabric with an organic solvent liquid of a hydrophobic radical initiator. The hydrophobic radical initiator is attached to the substrate, and then immersed in a hydrophilic vinyl monomer aqueous solution to graft polymerize the hydrophilic vinyl monomer.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyolefin-based fiber of the present invention is a sheath-core composite fiber composed of a core material and a sheath material covering the core material, and at least a part of the surface of the composite fiber is continuously sheathed in the length direction. The material is preferably arranged so as to cover the core material. Specifically, the sheath / core ratio in the sheath / core cross-sectional area ratio is preferably in the range of about 3/7 to 7/3.
[0018]
In the present invention, as the polymer constituting the sheath material, a polymer containing (a) a propylene polymer and (b) a linear low density polyethylene is used. The propylene-based polymer of the component (a) is not particularly limited, and may be a propylene homopolymer or a copolymer, but considering the graftability described below, propylene and Random copolymers with other α-olefins having 2 to 8 carbon atoms are preferred because of low crystallinity. Examples of other α-olefins include ethylene, butene-1, pentene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1, heptene-1, octene-1, and the like. These α-olefins may be used alone or in combination of two or more.
[0019]
Since the grafting reaction described below is a solid-liquid reaction, the reaction solution containing the hydrophilic vinyl monomer permeates faster on the surface of the nonwoven fabric fiber, which increases the reactivity. Therefore, the low crystallinity itself is not directly involved in the grafting reaction, but the lower the crystallinity, that is, the more the amorphous part, the higher the graft reactivity.
[0020]
A propylene random copolymer having a C3-8 α-olefin as a copolymerization component is particularly excellent in the graft polymerization of a hydrophilic vinyl monomer. The reason is that, in order for the hydrophilic vinyl monomer to graft polymerize to the polyolefin-based resin, it is necessary to first extract hydrogen from the polyolefin to generate radicals. Here, hydrogen is more easily extracted than hydrogen bonded to the primary carbon, but hydrogen bonded to the secondary carbon is easier to extract than hydrogen bonded to the tertiary carbon. Furthermore, it is easy to pull out. In addition, the side chain bonded to the tertiary carbon has more carbon atoms (that is, the ethyl group than the methyl group, and the propyl group than the ethyl group) binds to the tertiary carbon. Hydrogen is easy to extract. Therefore, a polyolefin resin containing more tertiary carbon and more tertiary carbon having a large side chain having 2 or more carbon atoms (ie, ethyl group or more) has a structure in which a hydrophilic vinyl monomer is easily graft-polymerized. -ing That is, in order to facilitate the graft polymerization reaction, it is important to distribute a large amount of tertiary carbon (reactive active sites) on the surface of the nonwoven fabric.
As the propylene copolymer, a propylene-butene-1 random copolymer and / or a propylene-ethylene-butene-1 random copolymer is particularly preferable.
[0021]
On the other hand, the linear low density polyethylene (L-LDPE) which is the component (b) of the sheath material has a density of 0.85 to 0.92 g / cm. Three And the ratio Mw / Mn of the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) measured by gel permeation chromatography (GPC) method is less than 3.0. The Mw / Mn ratio represents a molecular weight distribution. The smaller this value, the sharper the molecular weight distribution.
[0022]
The weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) are values measured under the following conditions.
By using L-LDPE having such properties, the resulting fiber has better graftability. From the aspect of grafting properties, the density is 0.86 to 0.91 g / cm. Three The Mw / Mn ratio is preferably 2.5 or less.
[0023]
This L-LDPE is usually a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, preferably a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms. Examples of the α-olefin copolymerized with ethylene include propylene, butene-1, pentene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1, heptene-1, octene-1, and decene-1. Of these, butene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1 and octene-1 are preferred. These comonomer α-olefins may be used alone or in combination of two or more.
[0024]
In the present invention, the L-LDPE is particularly preferably one produced by a metallocene catalyst. This metallocene-based catalyst is a combination of a cyclopentadienyl derivative of a metal belonging to Group 4 of the periodic table (long period type) such as titanium and zirconium and a promoter such as aluminoxane, and the catalyst type is It is uniform, has a very high activity as a polymerization catalyst, and has a narrow molecular weight distribution of the polymer obtained compared to conventional catalysts such as Ziegler-type catalysts, and the α-olefin that is a comonomer in the copolymer. It has characteristics such as a uniform distribution.
[0025]
The L-LDPE obtained using such a metallocene catalyst (1) can significantly increase the content of the α-olefin unit of the comonomer as compared with the conventional one because the polymerization catalyst is ultrahighly active. (2) The comonomer distribution is uniform compared to the Ziegler polymer, (3) The molecular weight distribution is extremely sharp compared to the Ziegler polymer, the low molecular weight component is extremely small, the mechanical strength and It has advantages such as excellent workability.
[0026]
In the present invention, the L-LDPE used as the component (b) of the sheath material has a density and a molecular weight distribution (Mw / Mn ratio) in the above ranges, but the comonomer has an α-olefin unit content. In general, the melt index (MI) measured in the condition of 5 to 30% by weight, preferably 9 to 25% by weight, temperature 190 ° C. and load 2.16 kgf is usually 10 to 40 g / 10 minutes, preferably What is in the range of 15-30 g / 10min is suitable.
[0027]
In the present invention, as the polymer of the sheath material, (a-1) propylene-butene-1 random copolymer, (a-2) propylene-ethylene-butene-1 random copolymer, and (b) the above-mentioned properties. Those containing L-LDPE in a proportion of 0 to 40% by weight, 40 to 95% by weight and 5 to 20% by weight, respectively, based on the total amount thereof are preferred, and the component (a-1) is preferably 5 to 95%. Those containing 5% by weight, 5-40% by weight of component (a-2), and 5-40% by weight of component (b) are preferred.
[0028]
In the present invention, the polymer used for the sheath material is, as desired, other polyolefin polymers such as high-density polyethylene, low-density polyethylene, and ethylene-vinyl acetate as long as the object of the present invention is not impaired. A copolymer etc. can be mix | blended suitably.
Further, the MI (temperature 190 ° C., load 2.16 kgf) of the total polymer mixture used as the sheath material is preferably in the range of 10 to 80 g / 10 minutes, particularly preferably in the range of 20 to 50 g / 10 minutes.
[0029]
On the other hand, a polypropylene resin is preferably used as the core material. As the polypropylene resin, a crystalline polypropylene resin is preferable from the viewpoint of mechanical strength, chemical resistance, weather resistance, and the like. As such a crystalline polypropylene resin, for example, isotactic propylene having crystallinity is used. A homopolymer, an ethylene-propylene random copolymer having a low content of ethylene units, a homopolymer part comprising a propylene homopolymer, and a copolymer part comprising an ethylene-propylene random copolymer having a relatively high content of ethylene units; A propylene block copolymer composed of a crystalline propylene-ethylene, in which each homo part or copolymer part in the propylene block copolymer is further copolymerized with an α-olefin such as butene-1. -Alpha-olefin copolymer etc. are mentioned.
The melt index (temperature 230 ° C., load 2.16 kgf) of this polypropylene resin is preferably in the range of 5 to 40 g / 10 min, and more preferably in the range of 10 to 30 g / 10 min.
[0030]
The sheath-core composite type polyolefin fiber of the present invention is composed of the core material and the sheath material covering the core material, and there is no particular limitation on the production method thereof. A known method used in production can be used. For example, an unstretched sheath-core composite type is obtained by spinning at a spinning temperature of about 200 to 260 ° C. by using a composite spinning apparatus equipped with two extruders and a composite type fiber nozzle using the sheath material and the core material. A polyolefin fiber is obtained.
The unstretched sheath-core composite fiber spun in this way can be stretched to about 1.5 to 4.0 times as necessary.
Thus, the sheath-core composite type polyolefin fiber of the present invention can be obtained with good spinnability, and this fiber is excellent in nonwoven fabric formation and grafting described below.
The single yarn denier of the sheath-core composite type polyolefin fiber of the present invention is usually in the range of 0.5 to 10 de, preferably 1.0 to 5 de.
[0031]
Next, the grafted polyolefin nonwoven fabric of the present invention is obtained by graft-polymerizing a hydrophilic vinyl monomer to the nonwoven fabric fiber composed of the sheath-core composite polyolefin fiber.
There is no restriction | limiting in particular as a method of making a sheath core composite type polyolefin fiber non-woven fabric, A conventionally well-known method can be used. First, a web is produced from the polyolefin fiber by a conventional method using a card machine such as a roller card or a flat card which is usually used. The production of the nonwoven fabric from the web may be carried out by appropriately selecting a conventionally known method such as a heat fusion method, a spunbond method, a melt blow method, or a solvent-based flash spinning method according to the intended use of the nonwoven fabric. .
[0032]
In the grafted polyolefin nonwoven fabric of the present invention, a hydrophilic vinyl monomer graft polymer is present on the fibers constituting the nonwoven fabric, and hydrophilicity is imparted by this graft polymer. In order to graft polymerize a hydrophilic vinyl monomer to the polyolefin-based nonwoven fabric obtained as described above,
(1) A chemical method for carrying out graft polymerization by heating a nonwoven fabric and a hydrophilic vinyl monomer in the presence of a polymerization initiator,
(2) A simultaneous irradiation method in which a non-woven fabric and a vinyl monomer are brought into contact with each other and irradiated with ultraviolet rays or ionizing radiation to perform graft polymerization;
(3) A pre-irradiation method in which a nonwoven fabric is irradiated with ultraviolet rays or ionizing radiation, and then contacted with a vinyl monomer to perform graft polymerization.
Among these methods, the method (1), that is, the method of the present invention is particularly suitable. This method will be described later.
[0033]
Examples of the hydrophilic vinyl monomer graft-polymerized to the fibers in the grafted polyolefin-based nonwoven fabric of the present invention include acrylic acid and its ester derivatives, methacrylic acid and its ester derivatives, acrylamide and its derivatives, N-vinylpyrrolidone, acrylonitrile , Vinyl sulfonic acid, styrene sulfonic acid, etc., which have functional groups that can react directly with acid or base to form salts, or hydrolyze after graft copolymerization and form salts by relatively simple treatment And those having a functional group that can be used and other hydrophilic monomers. Among these, when the purpose is a battery separator, from the viewpoint of durability, acrylic acid having no amide bond and ester derivatives thereof, methacrylic acid and ester derivatives thereof are preferable, and acrylic acid is particularly preferable. . In the present invention, these hydrophilic vinyl monomers may be used alone or in combination of two or more.
[0034]
In the grafted polyolefin nonwoven fabric of the present invention, there is a characteristic in the distribution state of the graft polymer, and the graft polymer of the hydrophilic vinyl monomer is not localized in the vicinity of the joint portion between the fibers constituting the nonwoven fabric. It is clearly distinguished from the conventional grafted nonwoven fabric in which the graft polymer is localized in the vicinity of the joint portion between the fibers in that it exists on the entire fiber surface.
[0035]
In the grafted nonwoven fabric of the present invention, the preferred grafting ratio of the hydrophilic vinyl monomer to the nonwoven fabric surface varies depending on the purpose of use, but is generally in the range of 1 to 40% by weight. If it is less than 1% by weight, the graft polymer may not be present on the entire fiber surface, whereas if it exceeds 40% by weight, the nonwoven fabric becomes stiff, handling properties are lowered, and gas permeation due to swelling due to water absorption occurs. Cause a decrease in sex. When the grafted nonwoven fabric of the present invention is used as a battery separator, the grafting rate is preferably 1 to 40% by weight, particularly 5 to 30% by weight.
[0036]
In the grafted nonwoven fabric of the present invention, grafting occurs only on the surface of the fibers constituting the nonwoven fabric, and does not occur inside the fibers. Therefore, the necessary flexibility of the nonwoven fabric is not lost, the strength is not lowered, and the gas permeability is hardly lowered due to swelling due to water absorption. In addition, since the entire surface of the fibers constituting the nonwoven fabric is coated with a hydrophilic graft polymer, it has suitable characteristics as a battery separator and the like, that is, good hydrophilic characteristics, gas permeability, and moderate Excellent strength, electrolyte retention, electrolyte durability and oxidation resistance.
[0037]
When the grafted nonwoven fabric of the present invention is used as a battery separator, a spot liquid absorption test for evaluating the time required for liquid absorption or the degree of liquid absorption when a specific amount of 30% by weight aqueous potassium hydroxide solution is dropped. In this case, it is preferable to completely absorb the liquid within 5 seconds. The feature that this spot liquid absorption property is good is important as a characteristic of the battery separator. In other words, spot absorption is to evaluate the rate at which the electrolyte penetrates into the battery separator. When manufacturing the battery, the battery must be produced unless the electrolyte quickly penetrates into the separator. Inconvenience that the performance is lowered. Among the grafted nonwoven fabrics of the present invention, those having a grafting ratio of about 5 to 30% by weight have good spot liquid absorbability and can be suitably used as battery separators.
[0038]
When the grafted nonwoven fabric of the present invention is used as a battery separator, it is immersed in a 30% by weight aqueous potassium hydroxide solution for 15 minutes and absorbed, and then subjected to centrifugal dehydration at 500 rpm or 3000 rpm for 3 minutes. It is preferable that the increase rate (electrolytic solution retention rate) is high. Here, the electrolyte solution retention rate is a value indicating the electrolyte solution holding ability of the battery separator itself. In the battery separator, the electrolyte retention rate is important for the following reason.
[0039]
A sufficient amount of the electrolyte in the battery is initially distributed in the separator, but as the charge and discharge are repeated, the positive electrode gradually swells. As a result, the separator is compressed and the electrolyte in the separator is depleted (dry). The internal resistance of the battery increases and the battery capacity decreases. As one measure for preventing dry-up, it is important to provide a sufficient electrolytic solution holding capacity to the separator itself.
[0040]
Among the grafted nonwoven fabrics of the present invention, those having a grafting rate of about 5 to 30% have a high centrifugal dehydration retention rate (3000 rpm, 3 minutes) of 150% or more, which is very useful for the purpose of preventing the above-mentioned dry-up. It is effective and can be suitably used as a battery separator.
When the grafted nonwoven fabric of the present invention is used as a battery separator, it is important to have a sufficient breaking strength. In a general method for manufacturing a cylindrical battery, a process of superimposing an electrode plate and a separator in the order of positive electrode / separator / negative electrode and winding them in a spiral shape is required. A tensile stress is applied to the separator during the winding. Therefore, the separator must have an absolute strength that can withstand the tensile stress during winding. If the separator does not have the required breaking strength, and if an excessive force is applied during winding, the separator may be partially cut and pinholes may occur, causing the battery to short-circuit due to contact between the positive and negative electrodes There is sex. The grafted nonwoven fabric of the present invention has a sufficient tensile strength at break and can be suitably used as a battery separator.
[0041]
In the grafted nonwoven fabric of the present invention, the basis weight of the polyolefin nonwoven fabric is 40 to 80 g / m. 2 It is preferable that In the battery separator manufacturing industry, the basis weight of the nonwoven fabric used for the battery separator will be further reduced in the future, and the liquid retention rate will be increased. Therefore, in the battery separator application, the basis weight in the above range that ensures gas permeability (air permeability) is sufficient.
As described above, the grafted polyolefin nonwoven fabric of the present invention has excellent properties such as hydrophilicity and strength, and can be suitably used for battery separators and other applications.
[0042]
Next, the manufacturing method of the grafted polyolefin nonwoven fabric of this invention is demonstrated.
In the method of the present invention, the polyolefin-based nonwoven fabric is treated with an organic solvent liquid in which at least one hydrophobic radical initiator is dissolved or dispersed, and then the organic solvent is dried and removed to thereby remove the hydrophobic radical initiator. Is uniformly adhered and fixed to the fiber surface, and then immersed in an aqueous solution of a hydrophilic vinyl monomer to carry out a graft polymerization reaction.
[0043]
Various physical properties of the polyolefin-based non-woven fabric used in the method of the present invention vary depending on the purpose of use of the grafted non-woven fabric to be obtained, and should be appropriately selected. The basis weight of the non-woven fabric is usually 40 to 80 g / m. 2 , Preferably 50 to 70 g / m 2 It is. The thickness of the nonwoven fabric is usually 0.13 to 0.20 μm, preferably 0.14 to 0.16 μm, although it depends on the basis weight. In the case of aiming at a battery separator, it is preferable that the nonwoven fabric is thinner in order to increase the battery capacity. Of course, if the strength of the non-woven fabric is low, the strength of the resulting grafted non-woven fabric is also low. Therefore, the tensile breaking strength of the nonwoven fabric is usually 10 to 25 kg / 5 cm width.
[0044]
Examples of the hydrophobic radical initiator used in the method of the present invention include peroxides such as peroxides such as benzoyl peroxide (BPO), dicumyl peroxide, cumene hydroperoxide, perbenzoic acids, and derivatives thereof. Medium temperature catalyst; diacyl peroxide compounds such as 2,4-dichlorobenzoyl peroxide and o-chlorobenzoyl peroxide; percarbonate compounds such as bis (4-t-butylcyclohexyl) peroxydicarbonate; Oxide-based low-temperature catalyst; other examples include azobisisobutyronitrile (AIBN).
Here, the peroxide-based low temperature catalyst means a catalyst having a 10-hour half-life (a period until the concentration of the organic peroxide is reduced to half of the initial temperature in 10 hours) at 40 to 50 ° C.
[0045]
On the other hand, a peroxide-based medium temperature catalyst is one having a 10-hour half-life temperature of 70 to 80 ° C. When only the intermediate temperature catalyst having a phenyl group is used in the method of the present invention, the oxidizing power becomes strong due to the sensitivity effect of the phenyl group, so that hydrogen is easily released from the polyolefin resin, and the grafting rate is also increased. Also, the spot liquid absorption is improved.
[0046]
Furthermore, when a medium temperature catalyst having a phenyl group and a low temperature catalyst, especially a low temperature catalyst having a phenyl group, are used in combination, the grafting rate is higher than when the medium temperature catalyst is used alone, and the grafting is relatively high. It is suitable for obtaining a rate. Furthermore, when a mixture of the above-mentioned intermediate temperature catalyst and low temperature catalyst in a weight ratio of 1: 9 to 9: 1, particularly 4: 6 to 6: 4 is used as a hydrophobic radical initiator, the grafting rate is increased. It is particularly suitable when it is desired to obtain a high grafting rate because it has drastically improved and has good spot liquid absorption.
[0047]
The amount of the hydrophobic radical initiator attached to the nonwoven fabric should be adjusted as appropriate depending on the intended use of the grafted nonwoven fabric to be obtained. %, Preferably 0.1 to 2.0% by weight. When the adhesion amount of the hydrophobic radical initiator to the nonwoven fabric is less than 0.02% by weight, the grafting rate is low and sufficient hydrophilicity may not be imparted to the nonwoven fabric. Moreover, when it exceeds 3.0 weight%, since the grafting rate becomes high too much, the softness | flexibility of a nonwoven fabric will be impaired and intensity | strength will also fall, and it is not preferable.
[0048]
The method for bringing the hydrophobic radical initiator into contact with the nonwoven fabric is not particularly limited as long as the polyolefin fibers constituting the nonwoven fabric are uniformly wetted and coated with the organic solvent liquid of the hydrophobic radical initiator. As such a method, for example, a known dip-nip method, spray method, gravureose method, rotor dump method and the like can be applied.
[0049]
The organic solvent for dissolving or dispersing the hydrophobic radical initiator is not particularly limited as long as it can uniformly dissolve or disperse the hydrophobic radical initiator. Examples of the organic solvent include alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, and cyclohexanol; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, and diethyl ketone; aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, and xylene; trichloroethane, trichloroethylene, Halogenated aliphatic hydrocarbons such as tetrachloroethane; halogenated aromatic hydrocarbons such as monochlorobenzene and dichlorobenzene. Preferred are hydrophobic organic solvents and ketones such as aromatic hydrocarbons, halogenated aliphatic hydrocarbons, and halogenated aromatic hydrocarbons, and more preferably, the polyolefin resin is swollen to adhere the radical initiator. Aromatic hydrocarbons and halogenated aromatic hydrocarbons that can increase the efficiency of graft polymerization can be cited as being strong.
[0050]
The amount of the organic solvent used is not particularly limited, and is an amount such that the concentration of the hydrophobic radical initiator is about 0.01 to 5% by weight, preferably 0.15 to 3% by weight.
The time for contacting the organic solvent liquid of the hydrophobic radical initiator with the nonwoven fabric is usually 0.25 to 2 hours, preferably 0.5 to 1.5 hours. The temperature at this time may normally be room temperature (25 ° C.), preferably 5 to 35 ° C.
The temperature at which the nonwoven fabric impregnated with the organic solvent liquid of the hydrophobic radical initiator is dried and the organic solvent is removed is usually room temperature (25 ° C.), preferably room temperature to 35 ° C. Although depending on the drying temperature, the drying time is usually 1 to 20 hours, preferably 5 to 15 hours.
[0051]
By drying and removing the organic solvent as described above, only the hydrophobic radical initiator is uniformly adhered and fixed to the entire surface of the fibers constituting the nonwoven fabric. As a result, radical active centers for the subsequent graft polymerization reaction are uniformly formed on the entire surface of the fibers constituting the nonwoven fabric.
[0052]
In this way, the nonwoven fabric provided with radical active centers is immersed in the hydrophilic vinyl monomer aqueous solution to graft polymerize the hydrophilic vinyl monomer. The preferred concentration of the monomer in the hydrophilic vinyl monomer aqueous solution is as follows. 1 to 30% by weight, more preferably 3 to 20% by weight. If the monomer concentration is less than 1% by weight, the monomer concentration is too low and the surface of the fibers constituting the nonwoven fabric may not be uniformly coated. If the monomer concentration exceeds 30% by weight, the grafting rate becomes too high. The flexibility and strength of the grafted nonwoven fabric to be obtained are lowered, which is not preferable. In addition, the polymerization of hydrophilic vinyl monomers selectively proceeds to form a homopolymer.
[0053]
Moreover, it is preferable to remove dissolved oxygen in the aqueous hydrophilic vinyl monomer solution prior to the graft polymerization reaction. The removal of dissolved oxygen can be performed by a usual method such as ultrasonic deaeration. Furthermore, it is preferable to remove bubbles inside the non-woven fabric after the non-woven fabric to which the hydrophobic radical initiator is attached is immersed in the monomer aqueous solution. Deaeration can be performed by a usual method such as a decompression treatment.
[0054]
The temperature at which the graft polymerization is performed varies depending on the monomer concentration to be polymerized, the type of the hydrophobic radical initiator attached to the nonwoven fabric, and the like, but is usually 50 to 130 ° C, preferably 70 to 100 ° C. If it is less than 50 ° C., the graft polymerization rate is slow, and if it exceeds 130 ° C., the decomposition rate of the radical initiator becomes too fast, making it difficult to obtain the desired graft rate.
[0055]
After completion of the graft polymerization reaction, the grafted nonwoven fabric obtained is washed thoroughly with water to remove unreacted monomers and homopolymers, dehydrated by means such as centrifugal dehydration, and dried to obtain the desired grafted nonwoven fabric. Obtainable.
[0056]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited at all by these examples.
[0057]
In addition, the performance of the obtained grafted nonwoven fabric was evaluated according to the following procedure.
(1) Weight increase rate (grafting rate)
The weight of the nonwoven fabric before and after the grafting treatment is measured, and the weight increase rate (grafting rate) is calculated.
[0058]
(2) Spot liquid absorption
On the dried grafted nonwoven fabric, 20 μl of a 30 wt% KOH aqueous solution was dropped, the time required for complete liquid absorption was measured, and spot liquid absorbency was evaluated according to the following criteria.
○: All water droplets are completely absorbed within 5 seconds.
Δ: All water droplets are completely absorbed within 10 seconds.
X: It takes more than 10 seconds for all water droplets to be completely absorbed,
Some water droplets are not absorbed.
[0059]
(3) Electrolyte solution retention rate
After the grafted nonwoven fabric is immersed in a 30 wt% KOH aqueous solution for 15 minutes and sufficiently retained in the nonwoven fabric, using a centrifugal dehydrator, the weight when dehydrated at a predetermined number of revolutions for 3 minutes is measured, The liquid retention rate was calculated from the following formula.
Electrolyte solution retention rate (%) = [(nonwoven fabric weight after retention (g) −nonwoven fabric weight (g) before retention / nonwoven fabric weight (g) before retention]] × 100
[0060]
The raw materials used are as follows.
(1) Sheath material
Propylene-ethylene-butane-1 random copolymer: Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name “Y794N”, MFR (melt flow rate) 27 g / 10 min
Propylene-butene-1 random copolymer: Mitsui Chemicals, trade name “Toughmer XR300”
L-LDPE: Metallocene catalyst, manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd., trade name “engage EG8400”, MI 30 g / 10 min, density 0.87 g / cm Three , Melting point 64.1 ° C., Mw / Mn 2
L-LDPE (C8 type): Metallocene catalyst, manufactured by Asahi Kasei Corporation, trade name “affinity SM1300”, MI 30 g / 10 min, density 0.90 g / cm Three , Melting point 105 ° C., Mw / Mn 2
L-LDPE (C6 type): nonmetallocene catalyst, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., trade name “GZ801”, MI 20 g / 10 min, density 0.92 g / cm Three , Melting point 121 ° C., Mw / Mn 6
(2) Core material
Homopolypropylene: Made by Idetsu Petrochemical Co., Ltd., trade name “Y2000GP”, MI 20 g / 10 min
Example 1
(1) Manufacture of sheath-core composite fiber
As sheath material, 75 parts by weight of propylene-ethylene-butene-1 random copolymer “Y794N”, 20 parts by weight of propylene-butene-1 random copolymer “Tuffmer XR300” and L-LDPE “Engeige EG8400” 5 by metallocene catalyst 5 Using a mixture consisting of parts by weight, using a homopolypropylene “Y2000GP” as a core material, and using a composite spinning device equipped with two single-screw extruders and a composite fiber nozzle with a hole diameter of 0.4 mm, Spinning at 250 ° C. under a take-up speed of 500 m / min, a sheath-core composite fiber (undrawn yarn) having a sheath / core cross-sectional area ratio of 30/70 and a single yarn denier of 3.0 de Obtained.
The obtained undrawn yarn was drawn 3.0 times to obtain a short cut fiber having a fiber length of 5 mm and a single yarn denier of 1.0 de.
[0061]
(2) Manufacture of non-woven fabric by wet method
2.6 g of the short cut fiber obtained in (1) above is uniformly dispersed in 10 liters of water to which a surfactant (manufactured by Takemoto Yushi Co., Ltd., UN683 and UN677 each 0.05% by weight mixed solution) is added. Paper was made on a mesh having a size of 250 mm × 200 mm to prepare a wet web. The obtained web was sandwiched between two heating plates, pressed at a temperature of 140 ° C. for 10 minutes and dried, and the sheath of the composite fiber was melted to bond the fibers to create a nonwoven fabric. .
The obtained non-woven fabric was washed with methanol to remove the surfactant, and again subjected to thermocompression bonding with a heating press at 140 ° C. to adjust the final thickness of the non-woven fabric (weight per unit area: 50 g / m 2 )
[0062]
(3) Hydrophobic radical initiator adhesion treatment to the fiber surface constituting the nonwoven fabric
In a solution prepared by dissolving 2.0 g of benzoyl peroxide (10 hours half-life temperature: 72 ° C. (medium temperature catalyst), trade name: BPO, manufactured by Nacalai Tesque) in 100 g of xylene in advance, a hydrophobic radical initiator The nonwoven fabric obtained in (2) was immersed for 1 hour at room temperature. The nonwoven fabric was taken out with the xylene solution impregnated inside the nonwoven fabric and air-dried at room temperature for 12 hours to uniformly attach and fix the hydrophobic radical initiator to the fiber surface.
The adhesion amount of the hydrophobic radical initiator was 1% based on the weight of the nonwoven fabric before dipping as a result of measuring the weight increase after dipping the nonwoven fabric in the xylene solution.
[0063]
(4) Hydrophilization treatment by graft polymerization
The nonwoven fabric on which the BPO of (3) was adhered was placed in a glass container, and 800 ml of a 6% by weight acrylic acid aqueous solution was gently poured into the glass container and allowed to stand for 30 minutes under reduced pressure. Subsequently, this container was left still in an oil bath that had been heated and stabilized at 92 ° C. in advance, and reacted for 30 minutes while stirring using a magnetic stirrer.
Immediately after the reaction, the nonwoven fabric was taken out, washed with water, washed with hot water, and dried to obtain a grafted nonwoven fabric.
The performance evaluation results of this grafted nonwoven fabric are shown in Table 2.
[0064]
Examples 2-5 and Comparative Examples 1-3
In Example 1, a sheath-core composite fiber was produced in the same manner as in Example 1 except that the sheath material having the composition shown in Table 1 was used. Further, a nonwoven fabric was produced, and then hydrophilized by graft polymerization. The treatment was carried out to produce a grafted nonwoven fabric.
Table 2 shows the performance evaluation results of each grafted nonwoven fabric.
[0065]
[Table 1]
[0066]
[note]
(1) Y794N: Propylene-ethylene-butene-1 random copolymer, manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name “Y794N”
(2) Toughmer XR300: Propylene-butene-1 random copolymer, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., trade name “Toughmer XR300”
(3) Engage: Metallocene catalyst L-LDPE, manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd., trade name “engage EG8400”
(4) Affinity: Metallocene catalyst L-LDPE, manufactured by Asahi Kasei Corporation, trade name “Affinity SM1300”
(5) GZ801: Non-metallocene catalyst L-LDPE, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., trade name “GZ801”
(6) Homo PP: Homo polypropylene, manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name “Y2000GP”
[Table 2]
[0067]
As can be seen from Table 2, the grafted non-woven fabric of the present invention has a higher grafting rate than that of the comparative example, and is excellent in spot liquid absorption and electrolyte solution retention rate, particularly at 3000 rpm. High electrolyte retention rate.
In addition, the sheath-core composite fiber in each example had good spinnability and nonwoven fabricability.
[0068]
【The invention's effect】
The sheath-core composite type polyolefin fiber of the present invention has good spinnability and is easy to fabricate and graft, and the grafted polyolefin nonwoven fabric of the present invention obtained from this fiber has excellent hydrophilicity. In addition, it has excellent mechanical strength and has a good balance of physical properties such as a small decrease in gas permeability due to swelling due to water absorption, and is particularly suitably used as a battery separator.
Further, the battery separator of the present invention comprising the grafted polyolefin nonwoven fabric has excellent performance such as high liquid absorbency and retention capacity of the electrolyte and good gas permeability.
Claims (11)
前記鞘材が、(a)プロピレン系重合体と、(b)密度が0.85〜0.91g/cm3で、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが3.0未満である線状低密度ポリエチレンとを含み、
前記鞘材の(b)成分が、メタロセン系触媒を用いて得られた線状低密度ポリエチレンである
ことを特徴とする鞘芯複合型ポリオレフィン系繊維。In a sheath-core composite type polyolefin fiber comprising a core material and a sheath material covering the core material,
The sheath material comprises (a) a propylene polymer, (b) a density of 0.85 to 0.91 g / cm 3 , and a weight average molecular weight (Mw) and number measured by gel permeation chromatography. A linear low density polyethylene having a ratio Mw / Mn to the average molecular weight (Mn) of less than 3.0,
A sheath-core composite polyolefin fiber, wherein the component (b) of the sheath material is a linear low density polyethylene obtained using a metallocene catalyst.
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