JP4093408B2 - 改良された機械的性質をもつ、燃料電池に使用するための新規な膜 - Google Patents

改良された機械的性質をもつ、燃料電池に使用するための新規な膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
繰り返しアゾール単位をもつポリマーを含むポリマーブレンドを具備する層を有する酸ドープ単層または多層ポリマー膜、このようなポリマー膜を生成する方法、およびその使用方法。
【0002】
本発明は、ポリマー膜の分野に関する。特に、本発明は酸ドープされたポリマー膜に関するものである。さらに本発明は、ドープされたポリマー膜を作成する方法、およびその使用方法に関する。
【0003】
本発明によってドープされたポリマー膜は種々の方法に使用することができる。その優れた機械的性質のために、燃料電池中のポリマー膜として特に重要である。
【0004】
【従来の技術】
燃料電池で使用されるポリアゾール膜は既に知られている。基本的な膜は、濃リン酸または濃硫酸でドープされ、高分子電解質膜燃料電池(PEM燃料電池)の中のプロトン伝導体として役立つ。このような膜は、膜電極単位(MEE)を100℃から200℃で操作することを可能にし、こうして、改質における副生成物として形成される一酸化炭素に対する触媒の耐性を顕著に増加させるので、ガス調製またはガス精製は極めて単純化される。
【0005】
これらの膜の不利益は、低いEモジュラス、低い引裂き強度、および低い流動上限を伴うそれらの機械的不安定性、および水素および酸素に対するそれらの比較的高い透過性である。
【0006】
Kerres, J. et al. (Kerres, Jochen; Ullrich, Andreas; Meier, Frank; Haring, Thomas “Synthesis and characterization of novel-acid-base polymer blends for application in membrane fuel cells" Solid State Ionics 125, 243 to 249, 1999)は、スルホン化したポリエーテルエーテルケトンsPEEKのVictrex(登録商標)またはポリエーテルスルホンsPSUのUdel(登録商標)、および前記スルホンブリッジに対してオルト位でジアミン化されたPSUのUdel(登録商標)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ベンズイミダゾール)PBIのCelazole(登録商標)またはポリ(エチレンイミン)PEIの膜を提供する。これらの膜は、1のイオン交換容量IEC(IEC=乾燥膜1グラム当りのSO3Hのミリ当量)での良好なプロトン伝導率、および良好な熱安定性を示す。
【0007】
しかしながら、これらは、大気圧下100℃以上で水を失うために、膜の伝導率がブレークダウンするという不利益を有する。従ってこれらの膜は100℃以上大気圧下で燃料電池に使用することができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術から見て、本発明の目的は、改良された性質をもつドープされたポリマー膜を提供することである。本発明のポリマー膜は、良好なプロトン伝導率、並びに水素および酸素に対する低い透過性を示すであろう。
【0009】
さらなる目的は、燃料電池に使用することができるドープされたポリマー膜を提供することである。特に、前記ドープされたポリマー膜は、100℃以上大気圧下で燃料電池に使用するのに適しているであろう。
【0010】
また本発明の目的は、ドープされたポリマー膜を生成するプロセスを提供することであり、このプロセスは単純な方法で安くかつ工業規模で実施することができる。
【0011】
これらの目的、および明確に述べていないが、ここで簡潔に議論している関係から容易に導くことができるかまたは結論づけることができるさらなる目的は、請求項1の全ての特徴を有する酸ドープされたポリマー膜によって達成される。本発明のドープされたポリマー膜の有利な実施形態は、請求項1を参照している従属請求項にクレームされている。本発明のドープされたポリマー膜を生成するプロセスは方法の請求項に記載され、一方では使用カテゴリーの請求項は本発明に従ってドープされたポリマー膜の好ましい使用方法をクレームしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
下記(a)と(b)とを混合したものを含むポリマーブレンドから成る少なくとも1つの層Aを具備する、酸ドープされた、単層または多層のポリマー膜
a)式1A及び/又は1Bの繰り返しアゾール単位を含む、0.1重量%から99.9重量%までの1以上のポリマー
【化4】
Figure 0004093408
{ここで、基Ar、Ar1およびAr2は、4価、2価または3価の芳香族またはヘテロ芳香族基であり、基Xは、繰り返し単位内では同一であって、それぞれ酸素原子、硫黄原子、またはアミノ基(さらなる基として、水素原子、1−20の炭素原子をもつ基、好ましくは枝分れもしくは枝分れなしのアルキルもしくはアルコキシ基、またはアリール基を有する)である。}
b)式2A、2B、2C、2D、2E、2F及び/又は2Gの繰り返し単位を含み、かつスルホン酸基を有していない99.9重量%から0.1重量%のポリスルホン
【化5】
Figure 0004093408
(ここで、基Rは同一または異なるものであって、各々、互いに独立して、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニル、ヘテロ芳香族の2価の基、C10−芳香族の2価の基、またはC14−芳香族の2価の基である。)
を備えることは、容易には予知することができなかった手法で、改良された機械的性質、特に増加したEモジュラスおよび改良された破壊強さを有するドープされたポリマー膜を得ることを可能にする。
【0013】
同時に、本発明の前記ドープされたポリマー膜は一連のさらなる利益を示す。これらは特に、
ドープされたポリマー膜は良好なプロトン伝導率を示す。
【0014】
ドープされたポリマー膜は水素および酸素に対して低い透過性を有するだけである。
【0015】
10μmから100μmまでの範囲の全厚をもつ極めて薄いドープされたポリマー膜でさえ、100℃で十分に良好な材料性質、特に非常に高い機械的安定性、並びに水素および酸素に対する低い透過性をもつ。
【0016】
ドープされたポリマー膜の性質のプロファイルは、多層構造によってさらに改良できる。
【0017】
前記ドープされたポリマー膜は、100℃以上特に大気圧下で、燃料電池に使用するのに適している。
【0018】
比較的高価なポリアゾールの比較的安価なポリスルホンによる部分的置換は、より安く生成できるドープされたポリマー膜を提供する。
【0019】
前記ドープされたポリマー膜は、単純な方法でおよび工業規模で生成できる。
【0020】
本発明によれば、ポリマー膜は、式1A及び/又は1Bの繰り返しアゾール単位をもつ、0.1重量%から99.9重量%の1以上のポリマーを含むポリマーブレンドから成る少なくとも1つの層Aを具備する。
【0021】
【化6】
Figure 0004093408
基Ar,Ar1およびAr2は、各々が1以上の環を有する4価、2価もしくは3価の芳香族またはヘテロ芳香族基である。好ましい基は、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ビスフェノン、ジフェニルスルホン、キノリン、ピリジン、アントラセン、およびフェナントレンから誘導され、これらはまた置換されていてもよい。Ar1はあらゆる置換パターンをもつ。フェニレンの場合において、Ar1は、例えば、オルト−、メタ−、またはパラ−フェニレンでありうる。特に好ましい基は、ベンゼンおよびビフェニルから誘導され、これらはまた置換されていてもよい。
【0022】
基Xは、各々、酸素原子(ベンゾオキサゾール単位)、硫黄原子(ベンゾチアゾール単位)、またはアミノ基(ベンゾイミダゾール単位)(さらなる基として、水素原子、1−20の炭素原子をもつ基、好ましくは枝分れもしくは枝分れなしのアルキルもしくはアルコキシ基、またはアリール基を有する)である。好ましいアルキル基は、1ないし4の炭素原子をもつ短鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−またはi−プロピルおよびt−ブチル基である。好ましい芳香族基はフェニルまたはナフチル基である。前記アルキル基および前記芳香族基は置換されていてもよい。好ましい置換基は、フッ素といったハロゲン原子、アミノ基、またはメチルもしくはエチル基といった短鎖アルキル基である。
【0023】
式(1A)の繰り返し単位を含むポリアゾールを本発明の目的のために使用するとき、基Xは繰り返し単位内では同一であるべきである。
【0024】
本発明の目的のために使用されるポリアゾールは、原理的に例えばそれらの基Xにおいて異なっている異なる繰り返し単位をもつことができる。しかしながら、好ましくは同一の繰り返し単位のみを有する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態において、繰り返しアゾール単位をもつ前記ポリマーは、互いに異なる式(1A)及び/又は(1B)の少なくとも2つの単位を有するコポリマーである。
【0026】
本発明の特に好ましい実施形態において、繰り返しアゾール単位をもつ前記ポリマーは、式(1A)及び/又は(1B)の単位のみからなるポリアゾールである。
【0027】
ポリマー中の繰り返しアゾール単位の数は10以上である。特に好ましいポリマーは少なくとも100の繰り返しアゾール単位を含む。
【0028】
本発明の目的では、繰り返しベンゾイミダゾール単位を含むポリマーを使用することが好ましい。繰り返しベンゾイミダゾール単位を含む非常に有利なポリマーの例は、式(1C)によって表される。
【0029】
【化7】
Figure 0004093408
ここでnは、10以上の整数であり、好ましくは100以上である。
【0030】
本発明によれば、前記ポリマーブレンドは、スルホン酸基を含まない99.9重量%から0.1重量%のポリスルホンを含む。前記ポリスルホンは、前記式2A、2B、2C、2D、2E、2F、及び/又は2Gに対応する連結スルホン基をもつ繰り返し単位を具備する。
【0031】
【化8】
Figure 0004093408
ここで、基Rは同一または異なるものであって、各々が互いに独立して、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニル、ヘテロ芳香族の2価の基、C10−芳香族の2価の基、及び/又は、C14−芳香族の2価の基である。ヘテロ芳香族の例は、ピリジンおよびキノリンである。C10−芳香族の例はナフタレンであり、C14−芳香族の例はフェナントレンである。
【0032】
本発明の目的のために好ましいポリスルホンは、ホモポリマーおよびコポリマー、例えばVictrex(登録商標)720PおよびAstrel(登録商標)といったランダムコポリマーを含む。特に好ましいポリスルホンは下記のものである。
【0033】
【化9】
Figure 0004093408
非常に特に好ましいポリスルホンはRadel(登録商標)Rである。
【0034】
本発明に従って使用され得るポリスルホンは、必要ならば置換されてもよい。しかしながら、それらはプロトン化されたスルホン酸基
−SO3H (3)
も、プロトン化可能なスルホン酸塩基
−SO3 -+ (4)
も含んでいてはならない
(ここで、Mは無機または有機カチオンである)。これらは、ドープされたポリマー膜の機械的性質を損なう可能性があるためである。
【0035】
本発明の好ましい実施例において、ポリスルホンは非置換である。
【0036】
本発明の別の好ましい実施例において、ポリスルホンの数平均分子量は、30000g/molより大きい。
【0037】
本発明のポリマー膜はドープされる。本発明の目的では、ドープされたポリマー膜は、ドーパントの存在のために、ドープされていないポリマー膜と比較して増加したプロトン伝導率を示すポリマー膜である。本発明のポリマー膜に適したドーパントは酸である。このような関係において、酸は、全ての公知のルイスおよびブレンステッド酸、好ましくは無機ルイスおよびブレンステッド酸を含む。さらに、ポリ酸、特にイソポリ酸およびヘテロポリ酸および種々の酸の混合物の使用が可能である。本発明の目的では、ヘテロポリ酸は少なくとも2つの異なる中心原子をもつ無機ポリ酸であり、これらは金属(好ましくはCr,Mo,V,W)および非金属(好ましくはAs,I,P,Se,Si,Te)の弱い多塩基オキソ酸から部分混合無水物として形成される。これらは特に12−モリブドリン酸および12−タングストリン酸を含む。
【0038】
本発明による特に好ましいドーパントは硫酸およびリン酸である。非常に特に好ましいドーパントはリン酸(H3PO4)である。
【0039】
ドーピングの程度は、本発明のポリマー膜の伝導率に影響を与えるために使用され得る。伝導率は、最大値に達するまでドーパントの濃度を増加させるに従って増加する。本発明によれば、ドーピングの程度は、前記ポリマーの繰り返し単位1モル当りの酸のモルとしてリポートされる。本発明の目的では、3から15まで、特に6から12までのドーピングの程度が好ましい。
【0040】
本発明のポリマー膜の性質のスペクトルは、その組成を変えることによって変化し得る。本発明の好ましい実施形態において、前記ポリマーブレンドは、
a)式1A及び/又は1Bの繰り返しアゾール単位を含む50重量%から99重量%までのポリマーと、
b)スルホン酸基を持たない1重量%から50重量%までのポリスルホン
とを混合したものを含む。
【0041】
本発明の特に好ましい実施例において、前記ポリマーブレンドは、
a)式1A及び/又は1Bの繰り返しアゾール単位を含む70重量%から95重量%までのポリマーと、
b)スルホン酸基のない5重量%から30重量%までのポリスルホン
とを混合したものを含む。
【0042】
ドープされたポリマー膜は、単層または多層構造を有する。多層構造は、材料特性、例えば、Eモジュラス、引張り強さ、およびプロトン伝導率を、所望の方向に変化させることができる。本発明のポリマー膜は、好ましくは少なくとも2つの層AおよびBを具備し、これらの層は本発明によるポリマーブレンドから各々得られ、ポリスルホンb)の含量において互いに異なる。さらに、特に2つの層AおよびBの厚さが異なることが特に有利である。
【0043】
本発明によれば、特に好ましいのは、本発明によるポリマーブレンドから
各々得られる少なくとも3つの層A、BおよびCを具備し、ポリスルホンb)
の含量において2つの外側の層AおよびBとは異なる中間層Cをもつドープポリマー膜である。層の厚さの変化は、同じように有利である。本発明の特に
好ましい実施形態において、ドープされたポリマー膜は3つの層A、BおよびCを
具備する。ここで、外側の層AおよびBは中間層Cよりも薄く、中間層Cよりもより高い含量のポリスルホンb)を有する。本発明の非常に特に好ましい実施形態において、中間層Cはポリスルホンを含まない。
【0044】
本発明のポリマー膜の性質は、ある程度までその全厚によって制御され得る。
【0045】
しかしながら、極めて薄いポリマー膜でさえ、非常に良好な機械的性質、並びに水および酸素に対する低い透過性を有する。従って、膜電極のエッジ領域を補強する必要もなく、それらは100℃以上での燃料電池における使用、特に120℃以上での燃料電池における使用に適している。本発明のドープされたポリマー膜の全厚は、好ましくは5μmから100μmまでの範囲にあり、有利には10μmから90μm、特に20μmから80μmまでの範囲である。
【0046】
本発明のポリマー膜は、以前から知られたドープされたポリマー膜と比較して改良された材料性質を持つ。特に、非常に良好な機械的性質、並びに水素および酸素に対する低い透過性をもつ。本発明の特に好ましい実施形態において、室温でのそのプロトン伝導率は30mS/cm以上であり、100℃で10分後のそのEモジュラスは10MPaより大きい。
【0047】
ドープされたポリマー膜を作成するプロセスは知られている。本発明の好ましい実施形態において、これらは本発明によるポリマーブレンドを濃酸、特に高濃度リン酸で、適切な時間、好ましくは0.5−96時間、特に好ましくは1−72時間、室温から100℃までの範囲の温度、および大気圧または大気圧以上で、ぬらすことによって得られる。
【0048】
本発明の目的で、“ポリマーブレンド”とはポリマーの物理的混合物である。ポリマーブレンドを調製するプロセスは知られている。それらは、例えば、ブレンドすべきポリマーを含む溶液から溶媒を蒸発させて得ることができる。溶媒の蒸発は自己支持性で、好ましくは透明なフィルムが得られるようなやり方で行うのが好ましい。本発明の目的では、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンまたはこれらの溶剤の混合体を使用するのが好ましい。
【0049】
本発明のドープされたポリマー膜の可能な応用は、特に、燃料電池、電気分解、キャパシター、およびバッテリーシステムにおける使用を含む。それらの性質のプロファイルのために、前記ドープされたポリマー膜は燃料電池に使用するのが好ましい。
【0050】
本発明はまた、本発明による少なくとも1つのポリマー膜を具備する膜電極ユニットを提供する。膜電極ユニットに関するさらなる情報のために、技術文献、特に米国特許4,191,618、米国特許4,212,714および米国特許4,333,805が参照される。これによって、それらの開示は、本特許出願の中に参照として明確に組み込まれる。例および比較例を用いて本発明を以下に説明するが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
【0051】
【発明の実施の形態】
1.実施例
a)PBI−DMAc溶液の調製
セラニーズのCelazole(登録商標)をN,N-ジメチルアセトアミドに200℃で、2−4時間かけて溶解した(15重量%Celazole)。
【0052】
b)ポリスルホン溶液の調整
アモコのポリスルホンRadel(登録商標)−R5700(または、BASFのポリエーテルスルホンUltrason(登録商標)E6000)をN,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドンに溶解した(15重量%)。ポリスルホン溶液を室温で加圧フィルターを通してろ過した。
【0053】
c)溶液中のポリマー混合物の調製
前記PBI−DMAc溶液および前記ポリスルホン溶液を低速アンカー撹拌機によって60−95℃の温度で混合した。より低い温度または撹拌機の高い回転速度は、ポリベンズイミダゾール溶液によって示されるワイセンベルク効果の結果として、前記溶液の少なくとも一部の脱混合をもたらす。前記混合溶液を少なくとも15分間80℃の温度で減圧処理によって脱気した。
【0054】
d)ポリマー膜の生成
前記溶液を低ダスト環境(層流ボックス)中でガラスプレートにドクターブレードによっておよそ250μmの厚さで塗布し、ダストフィルターを備えた対流乾燥オーブン中で120℃までの温度で乾燥させた。前記乾燥ポリマー膜をガラスプレートからはく離した。
【0055】
e)ポリマー膜のドーピング
前記膜を72時間、室温で85%強度のリン酸でぬらした。
【0056】
2.比較例
Victrexポリエーテルケトン(PEK)をDE19847782 A1 20000420に記載されているようにスルホン化生成物に転換した。前記スルホン化生成物は42%のスルホン化度をもつ。前記スルホン酸ポリマーを50℃で、5%強度の水酸化ナトリウム水溶液中で終夜撹拌することによってナトリウム塩に転換し、ろ過し、洗浄し、乾燥した。
【0057】
前記スルホン酸ポリマーをN,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドン(15重量%)に溶解した。ポリスルホン溶液は加圧フィルターを通して室温でろ過した。
【0058】
前記ポリマーの溶解を1.b)に類似する手法で行った。前記ナトリウム塩の遊離酸への転換を前記ブレンド膜をリン酸で処理することによって行った。溶液中のポリマー混合物の調製、ポリマー膜の生成、および膜のドーピングを、上記例の方法と類似する方法によって行った。
【0059】
3.リン酸濃度の測定
前記ドープされた膜を正確に1Lの蒸留水の中で終夜撹拌した。次に、膜を水から取り出し、150℃および20−50mbarで、3時間の間乾燥させた。乾燥した膜の重量を測定した。水の酸含量を水酸化ナトリウムの標準溶液で滴定して測定した。
【0060】
それぞれのポリマーの繰り返し単位当りの酸分子数を前記膜の乾燥重量および滴定データから計算した。得られた結果を表1に要約した。
【0061】
【表1】
Figure 0004093408
4.伝導率の測定
測定を室温で白金電極(ワイヤー、直径0.25mm)を使用した4極配置、およびZahnerIM6インピーダンススペクトロメーターによって行った。得られたスペクトルを並列回路、キャパシターおよび抵抗からなる単純モデルを使用してフィットした。サンプルの寸法はドーピングする前に測定した。その結果を表2に示した。
【0062】
【表2】
Figure 0004093408
5.機械的性質の測定
機械的性質をツビィック試験機(100Nロードセル)によって一軸引張試験で測定した。前記試験検体の形状をドープされていない状態で決定した。ドープされていない状態での検体幅は15mmであり、空気圧で操作されるチャックの間の検体長さは100mmである。初期の力は0.1Nであり、試験は100mm/minの速度で行った。
【0063】
前記サンプルを100℃に予熱したサンプルチャンバーの中に取り付け、前記サンプルチャンバーを密閉し、測定を正確に10分後に開始した。表3にその結果を要約した。
【0064】
【表3】
Figure 0004093408

Claims (18)

  1. 下記(a)と(b)とを混合したものを含むポリマーブレンドから成る少なくとも1つの層Aを具備する、酸ドープされた、単層または多層のポリマー膜。
    a)式1A及び/又は1Bの繰り返しアゾール単位を含む、0.1重量%から99.9重量%までの1以上のポリマー
    Figure 0004093408
    ここで、基Ar、Ar1およびAr2は、4価、2価または3価の芳香族またはヘテロ芳香族基であり、基Xは、繰り返し単位内では同一であって、各々、酸素原子、硫黄原子、またはアミノ基(さらなる基として、水素原子、1−20の炭素原子をもつ基、好ましくは枝分れもしくは枝分れなしのアルキルもしくはアルコキシ基、またはアリール基を有する)である。
    b)式2A、2B、2C、2D、2E、2Fまたは2Gの繰り返し単位を含み、かつスルホン酸基を有していない99.9重量%から0.1重量%のポリスルホン
    Figure 0004093408
    ここで、基Rは同一または異なるものであって、各々、互いに独立して、
    1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニル、ヘテロ芳香族の2価の基、C10−芳香族の2価の基、またはC14−芳香族の2価の基である。
  2. ポリマー中の繰り返しアゾール単位の数は10以上である、請求項1に記載のドープされたポリマー膜。
  3. 前記ポリマーa)は、式1C)
    Figure 0004093408
    (ここで、nは10以上の整数である。)
    の繰り返しベンゾイミダゾール単位を含むポリマーである、請求項1または2のいずれか記載のドープされたポリマー膜。
  4. 前記ポリスルホンは、以下の化学構造式を有する、Victrex(登録商標)200P、Victrex(登録商標)720P、Radel(登録商標)、Radel(登録商標)R、Victrex(登録商標)HTA、Astrel(登録商標)またはUdel(登録商標)からなる、請求項1ないし3のいずれかに記載のドープされたポリマー膜:
    Figure 0004093408
  5. 前記ポリスルホンはRadel(登録商標)Rからなる、請求項1ないし4のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  6. 無機のルイスまたはブレンステッド酸でドープされた、請求項1ないし5のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  7. 前記ポリマーブレンドは、
    a)式1A及び/又は1Bの繰り返しアゾール単位を含む50重量%から99重量%のポリマーと、
    b)スルホン酸基を持たない式2A、2B、2C、2D、2E、2Fまたは2Gの繰り返し単位を含む1重量%から50重量%のポリスルホン
    とを混合したものを含む、請求項1ないし6のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  8. 請求項1に定義されたポリマーブレンドから各々得られ、かつポリスルホンb)の含量において互いに異なる、少なくとも2つの層AおよびBを具備する、請求項1ないし7のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  9. 請求項1に定義されたポリマーブレンドから各々得られる少なくとも3つの層A、BおよびCを具備し、中間層Cがポリスルホンb)の含量において2つの外側の層AおよびBと異なっている、請求項1ないし7のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  10. 中間層Bはポリスルホンb)を含まない、請求項9に記載のドープされたポリマー膜。
  11. 5μmから100μmの全厚をもつ請求項1ないし10のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  12. 室温でのプロトン伝導率が30mS/cm以上であり、かつ、100℃で10分後のEモジュラスが10MPaよりも大きい、請求項1ないし11のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  13. 前記請求項で定義されたポリマーブレンドを、室温から100℃までの範囲の温度、および大気圧もしくは大気圧以上で適切な時間、濃酸でぬらすことを含む、請求項1ないし12のいずれかに記載のドープされたポリマー膜を生成する方法。
  14. 請求項1ないし12のいずれかに記載のドープされたポリマー膜を使用した燃料電池の製造方法。
  15. 請求項1ないし12のいずれかに記載の少なくとも1つのポリマー膜を具備する膜電極ユニット。
  16. ポリマー中の繰り返しアゾール単位の数は100より大きい、請求項1に記載のドープされたポリマー膜。
  17. 塩酸、スルホン酸、及び/又はリン酸でドープされた、請求項1ないし5のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
  18. 請求項1に定義されたポリマーブレンドから各々得られ、かつポリスルホンb)の厚さにおいて互いに異なる、少なくとも2つの層AおよびBを具備する、請求項1ないし7のいずれかに記載のドープされたポリマー膜。
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