JP4093299B2 - 冷却システム及び冷却方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は水の蒸発潜熱を利用する冷却システム及び冷却方法に関する。
背景技術
水は蒸発潜熱が大きく、蒸留装置、発電システム、熱機関、あるいは冷却装置等の蒸発による冷却に使用される。しかし、不純物を有する水を蒸発させた場合、水の濃縮により該水に含有される不純物に起因するスケールが蒸発部に付着する等の問題があった。このためスケールの除去作業を頻繁に行う必要があった。特に、硬質のスケールの原因となる不純物を有する海水を蒸発による冷却に使用することには問題があった。
本発明は上記に鑑みなされたもので、本発明の一目的は、蒸発に伴うスケール付着が低減された新規冷却システム及び冷却方法の提供にある。
発明の開示
本発明の一実施形態によれば、不純物を有する水より高い沸点を有する水溶液を蒸発させる蒸発冷却装置と、該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を該水溶液に吸収させる水分提供装置と、該水分提供装置と該蒸発冷却装置との間で該水溶液を循環させる循環装置とを有することを特徴とする新規な冷却システムが提供される。
該不純物を有する水として浄化水、河川水、湖の水、地下水、海水、または排水など、スケール生成の原因となる塩類や有機物を含有する水が使用されてもよい。
該水溶液は該不純物を有する水より高いモル沸点上昇を有する水である。該水溶液は溶質として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、または塩化カルシウム等の溶解度の大きい塩類を有していてもよい。
該水溶液を浸透する浸透部材が該水溶液が蒸発する蒸発面に配備されてもよい。該冷却システムは該水溶液を該蒸発面に散布する散水器を更に有していてもよい。
空気中の塵埃の蒸発面への付着を防止するため、該冷却システムは防塵装置を更に有していてもよい。
該冷却システムは該水溶液の蒸発を促進するための装置、例えば送風機または煙突を更に有していてもよい。
上記水溶液の蒸発に伴い、該水溶液は水分を喪失し濃縮される。上記水分提供装置は該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を該水溶液に吸収させる。このため濃縮された該水溶液中の水分は補充される。
該水分提供装置は該不純物を有する水と該水溶液との供給を受ける吸収ヒートポンプであってもよい。この場合該冷却システムは該吸収ヒートポンプの動作を高温雰囲気で行うための加熱装置を更に有していてもよい。これに替わり該冷却システムは該吸収ヒートポンプの動作を真空雰囲気で行うための真空装置を更に有していてもよい。
該不純物を有する水に含有される固形物が該水分提供装置に付着することを防止するため、該冷却システムに該固形物を除去する濾過装置が配備されてもよい。更に、該冷却システムは該不純物を有する水に含有される有機物を分解する水処理装置を更に有していてもよい。
該冷却システムが凝結部を有する蒸留装置を更に有し、かつ塩水等の蒸留を行う場合、該凝結部に該蒸発冷却装置が配備される。該蒸留装置は大気の熱エネルギーを吸収する吸熱面を更に有していてもよい。該蒸留装置は太陽熱エネルギーの供給を受けて蒸留を行ってもよい。
該冷却システムが復水器を有する蒸気発電システムを更に有し、かつ発電を行う場合、該復水器に該蒸発冷却装置が配備される。
該冷却システムが内燃機関を更に有し、かつ動力を発生させる場合、該内燃機関に該蒸発冷却装置が配備される。
該冷却システムが高温熱源を有する冷房装置を有する場合、該高温熱源の冷却に該蒸発冷却装置が配備される。該給排水システムが冷房装置が密集する地域に設置される場合、該地域のヒートアイランド現象が緩和される。
本発明の別の一実施形態によれば、不純物を有する水を取水する工程と、該不純物を有する水より高い沸点を有する水溶液中の水分を蒸発させることにより高温物体を冷却する工程と、該冷却工程により濃縮された該水溶液に該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を吸収させる工程と、該吸収工程により希釈された該水溶液を該冷却工程に送る工程と、該吸収工程により濃縮された該不純物を有する水を排出する工程とを有することを特徴とする冷却方法が提供される。
該吸収工程は該不純物を有する水と該水溶液との供給を受ける吸収ヒートポンプにより行われてもよい。該吸収ヒートポンプの動作を高温度で行うため、該冷却方法は該不純物を有する水を加熱する加熱工程を更に有していてもよい。これに替わり該冷却方法は該吸収ヒートポンプの動作を真空雰囲気で行うための真空排気工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該冷却工程における該水溶液の蒸発を促進するため、空気を該水溶液の蒸発面に送風する工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該蒸発面に空気中の塵埃の付着を防止するための塵埃除去工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該不純物を有する水に含有される固形物を除去する工程、あるいは該不純物を有する水に含有される有機物を分解する工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該水溶液に生物繁殖防止剤を添加する工程を更に有していてもよい。
該水溶液の蒸発に伴う濃縮により該水溶液のモル沸点上昇の値は増加する。これに対応して蒸発面の低温部に濃縮前の該水溶液が供給されてもよい。この場合該冷却工程における該水溶液の蒸発面の低温部から高温部に向かい該水溶液が流れる。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面を引用して本発明を説明する。いくつかの図を通して、同一の参照番号は同一もしくは対応する部分を示す。
第1図は、本発明の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。第1図において、冷却システムは蒸発冷却装置10と水分提供装置20と、該水分提供装置20と該蒸発冷却装置10との間で水溶液を循環させる循環装置30とを有する。
該循環装置30は供給配管31及び還流配管33を有し、水溶液を該蒸発冷却装置10と該水分提供装置20との間で循環させる。該水溶液中の水分は該蒸発冷却装置10で蒸発する。この水溶液の蒸発により潜熱が吸収されるため、該蒸発冷却装置10は高温物体100を冷却する。この蒸発により発生した水蒸気は系外に放出される。
この蒸発により水分を喪失して濃縮された該水溶液は蒸発冷却装置10から該水分提供装置20に、該還流配管33を経由して送られる。
該水分提供装置20は給水装置41を通じて不純物を有する水の供給を受ける。該水分提供装置20内において、該不純物を有する水から蒸発した水蒸気は該水溶液に吸収される。水蒸気を吸収して水分を回復した該水溶液は該供給配管31を経由して再び蒸発冷却装置10に送られる。これにより継続した蒸発冷却が行われる。該水分提供装置20内で水分を喪失して濃縮された該不純物を有する水は排水装置43により系外に排出される。
該水分提供装置20吸収ヒートポンプを有する。この場合該水溶液は溶質と、溶媒としての水を有する。このため該水溶液は純水より高い沸点を有する。該溶質は不揮発性の物質であり、該水溶液のモル沸点上昇の値が該不純物を有する水のモル沸点上昇の値を上回るように該溶質の濃度が調整される。該溶質として、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、塩化アンモニウム等の溶解性の高い物質が使用されてもよい。
第1図に説示された該水分提供装置20の内部には複数の吸収ヒートポンプが直列に配列される。第2図は、その直列配列の一部を例示する概念図である。該配列中の吸収ヒートポンプ50の単位数は任意である。該配列は直線に沿って配列されてもよい。あるいは閉じた線に沿って配列されてもよい。
該複数の吸収ヒートポンプ50の1単位は、該水溶液が供給される高温熱源51と該不純物を有する水が供給される低温熱源53とを有する。該高温熱源51と該低温熱源53とはギャップを介して対向しており、該低温熱源53に存在する該不純物を有する水から蒸発した水蒸気が該高温熱源51に向かって拡散し、該高温熱源51に存在する該水溶液に吸収される。該高温熱源51では水蒸気の凝結に伴う潜熱が放出され、該低温熱源53では水分の蒸発に伴う潜熱が奪われる。該配列中のそれぞれの高温熱源51と隣接する吸収ヒートポンプの低温熱源53との間には伝熱板55があり、該高温熱源51と隣接する該吸収ヒートポンプ50の該低温熱源53との熱伝達を向上させる。即ち、該配列中で該高温熱源51から放出される熱は該伝熱板55を介して隣接する低温熱源に吸収される。第2図においてこの熱エネルギーは左から右に移動する。該伝熱板55は不透水性を有しており、該水溶液と該不純物を有する水との接触による混合や塩類の移動が生じないように該高温熱源51と該低温熱源53との間を隔てる。
該高温熱源51及び該低温熱源53として、該水溶液及び該不純物を有する水を浸透する部材が用いられてもよい。スポンジ、織布、不織布、紙など水や塩水が浸透する材質が使用可能である。また、該伝熱板55にコーティングされた親水基を有するコーティング材でも良い。さらに、土壌や木炭など、水を浸透する任意の材質も使用可能である。なお、上記浸透部材やコーティング材は良好な熱伝達特性を行うため適宜適切なパターン、例えばストライプ状に配列されても良い。
以上説明された該吸収ヒートポンプ50の動作により、該不純物を有する水は蒸発冷却の為の水分を該水溶液に提供する。該不純物を有する水として、例えば、海水、塩分を有する地下水、工業廃水、生活排水、あるいは浄化水等が使用されてもよい。
上記吸収ヒートポンプ50の動作を好適に行う指針を以下に述べる。
第1に、該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量を増加させる場合、該吸収ヒートポンプ50の動作は一般的には動作圧力における該不純物を有する水の沸点近傍で行われる。このため、室温で動作を行う場合には真空雰囲気で動作を行うための真空システムが付加される。これに替わり加熱により動作温度を上昇させてもよい。加熱におけるエネルギー消費を低減する場合、該水分提供装置20に流入する該水溶液及び該不純物を有する水と流出する該水溶液及び該不純物を有する水との間で熱交換が行われてもよい。沸騰に伴う水滴の飛散による物質の移動は好ましくないので、これを考慮して動作条件が選択される。
第2に、該高温熱源51と該低温熱源53との間の該伝熱板55による熱の伝導が良好な場合に、該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量は増加する。
第3に、該高温熱源51と該低温熱源53との間のギャップの長さが短い場合に、該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量は増加する。この場合該高温熱源51と該低温熱源53とが直接接触することは好ましくないので、適宜ギャップ維持部材を該ギャップ中に配置することが好ましい。
第4に、排出される該不純物を有する水の濃度の増加が小さい場合に該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量は増加する。従って、適切な流量で該不純物を有する水を供給し、かつ排出することが好ましい。この場合、該低温熱源におけるスケール発生量も大幅に低減される。
第5に、排出される該水溶液の濃度を低下させた場合に、該水溶液の飽和水蒸気圧が上昇し、冷却能力が向上する。
第6に、水蒸気が該ギャップの面内方向、即ち該伝熱板55の面に平行な方向に拡散して流出することは効率を低下させるので、必要に応じ流出防止のための遮蔽板が該ギャップの側部に配備されてもよい。
第3図は、本発明の別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第1図に説示された蒸発冷却システムに加え、第3図に説示された蒸発冷却システムは、該水溶液を該蒸発冷却装置の蒸発面に散布する散水器60を更に有する。複数の放熱板11が該蒸発冷却装置10に配備されている。散水器により該冷却システムの冷却能力が向上する。
第4図は、本発明の別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第1図に説示された蒸発冷却システムに加え、第4図に説示された蒸発冷却システムは、該蒸発冷却装置10の蒸発面に送風する送風機70と、該不純物を有する水に含有する固形物を除去する濾過装置91と、該水溶液に含有する固形物を除去する濾過装置93とを更に有する。送風機70により蒸発が促進され、該冷却システムの冷却能力が向上する。また、該濾過装置91及び該濾過装置93は水分吸収装置20内に固形物が堆積することを防止する。
第5図は、本発明の別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第1図に説示された蒸発冷却システムに加え、第5図に説示された蒸発冷却システムは、還流配管33を通過する溶液を冷却対象の高温物体の熱エネルギーを利用して加熱する加熱装置80を更に有する。水分提供装置20は吸収ヒートポンプを有する。また、不純物を有する水と該水溶液との温度差を近接させる熱交換器81が水分提供装置20に配備されている。これにより該高温物体の冷却の促進、及び上述した吸収ヒートポンプ内の水蒸気の拡散量が増加し、該蒸発冷却システムの冷却能力が向上する。
第6図は、本発明の更に別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第6図において、冷却システムは複数の蒸発冷却装置10と、水分提供装置20と、該水分提供装置20とそれぞれの該蒸発冷却装置10との間で水溶液を循環させる循環装置35とを有する。該循環装置35は供給配管31及び還流配管33を有する。該水分提供装置20は給水装置41及び排水装置43を有し、不純物を有する水の供給を受ける。
それぞれの該蒸発冷却装置10は図示されない冷房装置の高温熱源と接続されている。該循環装置35を所定の地域に配備し、該地域内の冷房装置10と接続することにより、ヒートアイランド現象による地域の気温上昇が緩和される。また、蒸発冷却は該冷房装置10の高温熱源の温度を効果的に低下させるため、省エネルギーが実現される。
第7図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムに使用される蒸発冷却装置の断面を説示する概念図である。第7図において、蒸発冷却装置10は多重効用の蒸留装置101に接続されている。該多重効用の蒸留装置は吸熱面103、溶液浸透部材105、及び凝結面107を有する。該吸熱面103は大気の熱エネルギー及び/または太陽放射を吸収する。該溶液浸透部材105は該蒸留対象の溶液の供給を受ける。
該蒸発冷却装置10及び多重効用の蒸留装置101は大気中に設置される。大気の湿度が低い場合には、蒸発冷却装置の温度は大気の温度より低くなる。このため太陽放射が入射しない場合でも該多重効用の蒸留装置101は該溶液の蒸留を行うことができる。該溶液として該水溶液が使用されてもよい。この場合には蒸留水が得られる。
以下に本発明による冷却システムの動作の例が説明される。
この動作例は、本発明による冷却システム及び冷却方法をより具体的に説明するためにのみなされるもので、本発明による冷却システム及び冷却方法について限定するために記述されるものではない。
以下に説述される動作条件の例は第1図に説示された冷却システムにおける動作条件である。水分提供装置20として、第2図に説示された構造を有する複数の吸収ヒートポンプ50が使用される。伝熱板55は陽極酸化により耐食性が向上した板厚1mmのアルミニウムが使用される。高温熱源及び低温熱源の材質として薄い布が浸透体として使用される。該高温熱源と該低温熱源との間の距離は5mmと設定される。
1000単位の吸収ヒートポンプ50を直列配列して一つのブロックの配列が構成される。該水分提供装置20は排気系を有する真空槽を有し、この真空槽内に該配列された該複数の吸収ヒートポンプ50の10個のブロックが該水分提供装置20に配置される。陽極酸化処理を施した別のアルミ板からなる熱伝導手段により該ブロックの端部の高温熱源は隣接するブロックの低温熱源と熱的に接続される。該真空槽の内容積は100m3である。
海水が不純物を有する水として用られる。該海水は概ね0.5℃のモル沸点上昇の値を示す。塩化ナトリウム溶液が水溶液として使用される。水分提供装置20に供給される該塩化ナトリウム溶液のモル沸点上昇の値は、2.5℃と設定される。該海水の温度が該塩化ナトリウム溶液の温度を下回る場合には、該温度差が低下するように予め熱交換工程が施される。該水分提供装置20の動作圧力は動作温度における該海水の飽和蒸気圧近傍に設定される。
該水分提供装置20から排出される該塩化ナトリウム溶液のモル沸点上昇の値が、1℃となるように該水溶液の供給量が設定される。該水分提供装置から排出される海水のモル沸点上昇の値が0.6℃となるように海水の流量が調整される。該水分提供装置から排出される海水のモル沸点上昇の値が高い場合、即ち該海水が高度に濃縮される場合にはスケールの水分提供装置内での堆積量が増加する。該水分提供装置内のスケール発生があれば、これは適宜除去される。
該蒸発冷却装置の側ではスケールの堆積が大幅に低減される。
以上において詳細に説述された本発明の実施において、本発明による冷却方法を好適に行うための付加的な行程が行われても良い。例えば、脱油処理、あるいは揮発性の成分及び溶存気体の除去等である。また、オゾン処理や塩素添加など、殺菌処理が施されても良い。カビの発生を防止する処理を浸透部材等に施してもよい。
その他、本発明による冷却システム及び冷却方法を好適に動作させるための補助的な手段、例えば、耐食性向上のためのコーティング、表面処理、温度センサ、塩分濃度モニタリングなど伴って本発明が実施されてもよい。
即ち、ここに開示された本発明は、新規な冷却システム及び冷却方法を提供するが、以上の詳細な説明に開示された教唆に鑑み、本発明の実施は、本発明の最良の形態を説明するためになされた上記実施例に限定されるものではなく、以下の請求の範囲の中で、諸変化を伴ってその他の形態で実施してもよく、あるいは上記実施例の中の最良の一実施形態を説明するために附加された付加的な形態や構成要素を伴わずに実施されてもよい。
産業上の利用可能性
本発明による冷却システム及び冷却方法により、スケールに起因する問題の無い冷却システムが実現される。また、冷却を効果的に行うことができるため、エネルギー消費の低減した冷却が実現される。塩水淡水化装システム、発電システム、内燃機関、またはヒートポンプ等の水の蒸発による冷却が行われるシステムにおいて、本発明は実施される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第2図は、第1図に説示された冷却システムに使用される水分提供装置の内部に配列される複数の吸収ヒートポンプの断面の一部を説示する概念図である。
第3図は、本発明の別の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第4図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムを説する概念図である。
第5図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第6図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第7図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムに使用される蒸発冷却装置の断面を説示する概念図である。
本発明は水の蒸発潜熱を利用する冷却システム及び冷却方法に関する。
背景技術
水は蒸発潜熱が大きく、蒸留装置、発電システム、熱機関、あるいは冷却装置等の蒸発による冷却に使用される。しかし、不純物を有する水を蒸発させた場合、水の濃縮により該水に含有される不純物に起因するスケールが蒸発部に付着する等の問題があった。このためスケールの除去作業を頻繁に行う必要があった。特に、硬質のスケールの原因となる不純物を有する海水を蒸発による冷却に使用することには問題があった。
本発明は上記に鑑みなされたもので、本発明の一目的は、蒸発に伴うスケール付着が低減された新規冷却システム及び冷却方法の提供にある。
発明の開示
本発明の一実施形態によれば、不純物を有する水より高い沸点を有する水溶液を蒸発させる蒸発冷却装置と、該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を該水溶液に吸収させる水分提供装置と、該水分提供装置と該蒸発冷却装置との間で該水溶液を循環させる循環装置とを有することを特徴とする新規な冷却システムが提供される。
該不純物を有する水として浄化水、河川水、湖の水、地下水、海水、または排水など、スケール生成の原因となる塩類や有機物を含有する水が使用されてもよい。
該水溶液は該不純物を有する水より高いモル沸点上昇を有する水である。該水溶液は溶質として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、または塩化カルシウム等の溶解度の大きい塩類を有していてもよい。
該水溶液を浸透する浸透部材が該水溶液が蒸発する蒸発面に配備されてもよい。該冷却システムは該水溶液を該蒸発面に散布する散水器を更に有していてもよい。
空気中の塵埃の蒸発面への付着を防止するため、該冷却システムは防塵装置を更に有していてもよい。
該冷却システムは該水溶液の蒸発を促進するための装置、例えば送風機または煙突を更に有していてもよい。
上記水溶液の蒸発に伴い、該水溶液は水分を喪失し濃縮される。上記水分提供装置は該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を該水溶液に吸収させる。このため濃縮された該水溶液中の水分は補充される。
該水分提供装置は該不純物を有する水と該水溶液との供給を受ける吸収ヒートポンプであってもよい。この場合該冷却システムは該吸収ヒートポンプの動作を高温雰囲気で行うための加熱装置を更に有していてもよい。これに替わり該冷却システムは該吸収ヒートポンプの動作を真空雰囲気で行うための真空装置を更に有していてもよい。
該不純物を有する水に含有される固形物が該水分提供装置に付着することを防止するため、該冷却システムに該固形物を除去する濾過装置が配備されてもよい。更に、該冷却システムは該不純物を有する水に含有される有機物を分解する水処理装置を更に有していてもよい。
該冷却システムが凝結部を有する蒸留装置を更に有し、かつ塩水等の蒸留を行う場合、該凝結部に該蒸発冷却装置が配備される。該蒸留装置は大気の熱エネルギーを吸収する吸熱面を更に有していてもよい。該蒸留装置は太陽熱エネルギーの供給を受けて蒸留を行ってもよい。
該冷却システムが復水器を有する蒸気発電システムを更に有し、かつ発電を行う場合、該復水器に該蒸発冷却装置が配備される。
該冷却システムが内燃機関を更に有し、かつ動力を発生させる場合、該内燃機関に該蒸発冷却装置が配備される。
該冷却システムが高温熱源を有する冷房装置を有する場合、該高温熱源の冷却に該蒸発冷却装置が配備される。該給排水システムが冷房装置が密集する地域に設置される場合、該地域のヒートアイランド現象が緩和される。
本発明の別の一実施形態によれば、不純物を有する水を取水する工程と、該不純物を有する水より高い沸点を有する水溶液中の水分を蒸発させることにより高温物体を冷却する工程と、該冷却工程により濃縮された該水溶液に該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を吸収させる工程と、該吸収工程により希釈された該水溶液を該冷却工程に送る工程と、該吸収工程により濃縮された該不純物を有する水を排出する工程とを有することを特徴とする冷却方法が提供される。
該吸収工程は該不純物を有する水と該水溶液との供給を受ける吸収ヒートポンプにより行われてもよい。該吸収ヒートポンプの動作を高温度で行うため、該冷却方法は該不純物を有する水を加熱する加熱工程を更に有していてもよい。これに替わり該冷却方法は該吸収ヒートポンプの動作を真空雰囲気で行うための真空排気工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該冷却工程における該水溶液の蒸発を促進するため、空気を該水溶液の蒸発面に送風する工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該蒸発面に空気中の塵埃の付着を防止するための塵埃除去工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該不純物を有する水に含有される固形物を除去する工程、あるいは該不純物を有する水に含有される有機物を分解する工程を更に有していてもよい。
該冷却方法は該水溶液に生物繁殖防止剤を添加する工程を更に有していてもよい。
該水溶液の蒸発に伴う濃縮により該水溶液のモル沸点上昇の値は増加する。これに対応して蒸発面の低温部に濃縮前の該水溶液が供給されてもよい。この場合該冷却工程における該水溶液の蒸発面の低温部から高温部に向かい該水溶液が流れる。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面を引用して本発明を説明する。いくつかの図を通して、同一の参照番号は同一もしくは対応する部分を示す。
第1図は、本発明の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。第1図において、冷却システムは蒸発冷却装置10と水分提供装置20と、該水分提供装置20と該蒸発冷却装置10との間で水溶液を循環させる循環装置30とを有する。
該循環装置30は供給配管31及び還流配管33を有し、水溶液を該蒸発冷却装置10と該水分提供装置20との間で循環させる。該水溶液中の水分は該蒸発冷却装置10で蒸発する。この水溶液の蒸発により潜熱が吸収されるため、該蒸発冷却装置10は高温物体100を冷却する。この蒸発により発生した水蒸気は系外に放出される。
この蒸発により水分を喪失して濃縮された該水溶液は蒸発冷却装置10から該水分提供装置20に、該還流配管33を経由して送られる。
該水分提供装置20は給水装置41を通じて不純物を有する水の供給を受ける。該水分提供装置20内において、該不純物を有する水から蒸発した水蒸気は該水溶液に吸収される。水蒸気を吸収して水分を回復した該水溶液は該供給配管31を経由して再び蒸発冷却装置10に送られる。これにより継続した蒸発冷却が行われる。該水分提供装置20内で水分を喪失して濃縮された該不純物を有する水は排水装置43により系外に排出される。
該水分提供装置20吸収ヒートポンプを有する。この場合該水溶液は溶質と、溶媒としての水を有する。このため該水溶液は純水より高い沸点を有する。該溶質は不揮発性の物質であり、該水溶液のモル沸点上昇の値が該不純物を有する水のモル沸点上昇の値を上回るように該溶質の濃度が調整される。該溶質として、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、塩化アンモニウム等の溶解性の高い物質が使用されてもよい。
第1図に説示された該水分提供装置20の内部には複数の吸収ヒートポンプが直列に配列される。第2図は、その直列配列の一部を例示する概念図である。該配列中の吸収ヒートポンプ50の単位数は任意である。該配列は直線に沿って配列されてもよい。あるいは閉じた線に沿って配列されてもよい。
該複数の吸収ヒートポンプ50の1単位は、該水溶液が供給される高温熱源51と該不純物を有する水が供給される低温熱源53とを有する。該高温熱源51と該低温熱源53とはギャップを介して対向しており、該低温熱源53に存在する該不純物を有する水から蒸発した水蒸気が該高温熱源51に向かって拡散し、該高温熱源51に存在する該水溶液に吸収される。該高温熱源51では水蒸気の凝結に伴う潜熱が放出され、該低温熱源53では水分の蒸発に伴う潜熱が奪われる。該配列中のそれぞれの高温熱源51と隣接する吸収ヒートポンプの低温熱源53との間には伝熱板55があり、該高温熱源51と隣接する該吸収ヒートポンプ50の該低温熱源53との熱伝達を向上させる。即ち、該配列中で該高温熱源51から放出される熱は該伝熱板55を介して隣接する低温熱源に吸収される。第2図においてこの熱エネルギーは左から右に移動する。該伝熱板55は不透水性を有しており、該水溶液と該不純物を有する水との接触による混合や塩類の移動が生じないように該高温熱源51と該低温熱源53との間を隔てる。
該高温熱源51及び該低温熱源53として、該水溶液及び該不純物を有する水を浸透する部材が用いられてもよい。スポンジ、織布、不織布、紙など水や塩水が浸透する材質が使用可能である。また、該伝熱板55にコーティングされた親水基を有するコーティング材でも良い。さらに、土壌や木炭など、水を浸透する任意の材質も使用可能である。なお、上記浸透部材やコーティング材は良好な熱伝達特性を行うため適宜適切なパターン、例えばストライプ状に配列されても良い。
以上説明された該吸収ヒートポンプ50の動作により、該不純物を有する水は蒸発冷却の為の水分を該水溶液に提供する。該不純物を有する水として、例えば、海水、塩分を有する地下水、工業廃水、生活排水、あるいは浄化水等が使用されてもよい。
上記吸収ヒートポンプ50の動作を好適に行う指針を以下に述べる。
第1に、該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量を増加させる場合、該吸収ヒートポンプ50の動作は一般的には動作圧力における該不純物を有する水の沸点近傍で行われる。このため、室温で動作を行う場合には真空雰囲気で動作を行うための真空システムが付加される。これに替わり加熱により動作温度を上昇させてもよい。加熱におけるエネルギー消費を低減する場合、該水分提供装置20に流入する該水溶液及び該不純物を有する水と流出する該水溶液及び該不純物を有する水との間で熱交換が行われてもよい。沸騰に伴う水滴の飛散による物質の移動は好ましくないので、これを考慮して動作条件が選択される。
第2に、該高温熱源51と該低温熱源53との間の該伝熱板55による熱の伝導が良好な場合に、該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量は増加する。
第3に、該高温熱源51と該低温熱源53との間のギャップの長さが短い場合に、該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量は増加する。この場合該高温熱源51と該低温熱源53とが直接接触することは好ましくないので、適宜ギャップ維持部材を該ギャップ中に配置することが好ましい。
第4に、排出される該不純物を有する水の濃度の増加が小さい場合に該不純物を有する水から該水溶液への水分の移動量は増加する。従って、適切な流量で該不純物を有する水を供給し、かつ排出することが好ましい。この場合、該低温熱源におけるスケール発生量も大幅に低減される。
第5に、排出される該水溶液の濃度を低下させた場合に、該水溶液の飽和水蒸気圧が上昇し、冷却能力が向上する。
第6に、水蒸気が該ギャップの面内方向、即ち該伝熱板55の面に平行な方向に拡散して流出することは効率を低下させるので、必要に応じ流出防止のための遮蔽板が該ギャップの側部に配備されてもよい。
第3図は、本発明の別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第1図に説示された蒸発冷却システムに加え、第3図に説示された蒸発冷却システムは、該水溶液を該蒸発冷却装置の蒸発面に散布する散水器60を更に有する。複数の放熱板11が該蒸発冷却装置10に配備されている。散水器により該冷却システムの冷却能力が向上する。
第4図は、本発明の別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第1図に説示された蒸発冷却システムに加え、第4図に説示された蒸発冷却システムは、該蒸発冷却装置10の蒸発面に送風する送風機70と、該不純物を有する水に含有する固形物を除去する濾過装置91と、該水溶液に含有する固形物を除去する濾過装置93とを更に有する。送風機70により蒸発が促進され、該冷却システムの冷却能力が向上する。また、該濾過装置91及び該濾過装置93は水分吸収装置20内に固形物が堆積することを防止する。
第5図は、本発明の別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第1図に説示された蒸発冷却システムに加え、第5図に説示された蒸発冷却システムは、還流配管33を通過する溶液を冷却対象の高温物体の熱エネルギーを利用して加熱する加熱装置80を更に有する。水分提供装置20は吸収ヒートポンプを有する。また、不純物を有する水と該水溶液との温度差を近接させる熱交換器81が水分提供装置20に配備されている。これにより該高温物体の冷却の促進、及び上述した吸収ヒートポンプ内の水蒸気の拡散量が増加し、該蒸発冷却システムの冷却能力が向上する。
第6図は、本発明の更に別の一実施形態による蒸発冷却システムを説示する概念図である。第6図において、冷却システムは複数の蒸発冷却装置10と、水分提供装置20と、該水分提供装置20とそれぞれの該蒸発冷却装置10との間で水溶液を循環させる循環装置35とを有する。該循環装置35は供給配管31及び還流配管33を有する。該水分提供装置20は給水装置41及び排水装置43を有し、不純物を有する水の供給を受ける。
それぞれの該蒸発冷却装置10は図示されない冷房装置の高温熱源と接続されている。該循環装置35を所定の地域に配備し、該地域内の冷房装置10と接続することにより、ヒートアイランド現象による地域の気温上昇が緩和される。また、蒸発冷却は該冷房装置10の高温熱源の温度を効果的に低下させるため、省エネルギーが実現される。
第7図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムに使用される蒸発冷却装置の断面を説示する概念図である。第7図において、蒸発冷却装置10は多重効用の蒸留装置101に接続されている。該多重効用の蒸留装置は吸熱面103、溶液浸透部材105、及び凝結面107を有する。該吸熱面103は大気の熱エネルギー及び/または太陽放射を吸収する。該溶液浸透部材105は該蒸留対象の溶液の供給を受ける。
該蒸発冷却装置10及び多重効用の蒸留装置101は大気中に設置される。大気の湿度が低い場合には、蒸発冷却装置の温度は大気の温度より低くなる。このため太陽放射が入射しない場合でも該多重効用の蒸留装置101は該溶液の蒸留を行うことができる。該溶液として該水溶液が使用されてもよい。この場合には蒸留水が得られる。
以下に本発明による冷却システムの動作の例が説明される。
この動作例は、本発明による冷却システム及び冷却方法をより具体的に説明するためにのみなされるもので、本発明による冷却システム及び冷却方法について限定するために記述されるものではない。
以下に説述される動作条件の例は第1図に説示された冷却システムにおける動作条件である。水分提供装置20として、第2図に説示された構造を有する複数の吸収ヒートポンプ50が使用される。伝熱板55は陽極酸化により耐食性が向上した板厚1mmのアルミニウムが使用される。高温熱源及び低温熱源の材質として薄い布が浸透体として使用される。該高温熱源と該低温熱源との間の距離は5mmと設定される。
1000単位の吸収ヒートポンプ50を直列配列して一つのブロックの配列が構成される。該水分提供装置20は排気系を有する真空槽を有し、この真空槽内に該配列された該複数の吸収ヒートポンプ50の10個のブロックが該水分提供装置20に配置される。陽極酸化処理を施した別のアルミ板からなる熱伝導手段により該ブロックの端部の高温熱源は隣接するブロックの低温熱源と熱的に接続される。該真空槽の内容積は100m3である。
海水が不純物を有する水として用られる。該海水は概ね0.5℃のモル沸点上昇の値を示す。塩化ナトリウム溶液が水溶液として使用される。水分提供装置20に供給される該塩化ナトリウム溶液のモル沸点上昇の値は、2.5℃と設定される。該海水の温度が該塩化ナトリウム溶液の温度を下回る場合には、該温度差が低下するように予め熱交換工程が施される。該水分提供装置20の動作圧力は動作温度における該海水の飽和蒸気圧近傍に設定される。
該水分提供装置20から排出される該塩化ナトリウム溶液のモル沸点上昇の値が、1℃となるように該水溶液の供給量が設定される。該水分提供装置から排出される海水のモル沸点上昇の値が0.6℃となるように海水の流量が調整される。該水分提供装置から排出される海水のモル沸点上昇の値が高い場合、即ち該海水が高度に濃縮される場合にはスケールの水分提供装置内での堆積量が増加する。該水分提供装置内のスケール発生があれば、これは適宜除去される。
該蒸発冷却装置の側ではスケールの堆積が大幅に低減される。
以上において詳細に説述された本発明の実施において、本発明による冷却方法を好適に行うための付加的な行程が行われても良い。例えば、脱油処理、あるいは揮発性の成分及び溶存気体の除去等である。また、オゾン処理や塩素添加など、殺菌処理が施されても良い。カビの発生を防止する処理を浸透部材等に施してもよい。
その他、本発明による冷却システム及び冷却方法を好適に動作させるための補助的な手段、例えば、耐食性向上のためのコーティング、表面処理、温度センサ、塩分濃度モニタリングなど伴って本発明が実施されてもよい。
即ち、ここに開示された本発明は、新規な冷却システム及び冷却方法を提供するが、以上の詳細な説明に開示された教唆に鑑み、本発明の実施は、本発明の最良の形態を説明するためになされた上記実施例に限定されるものではなく、以下の請求の範囲の中で、諸変化を伴ってその他の形態で実施してもよく、あるいは上記実施例の中の最良の一実施形態を説明するために附加された付加的な形態や構成要素を伴わずに実施されてもよい。
産業上の利用可能性
本発明による冷却システム及び冷却方法により、スケールに起因する問題の無い冷却システムが実現される。また、冷却を効果的に行うことができるため、エネルギー消費の低減した冷却が実現される。塩水淡水化装システム、発電システム、内燃機関、またはヒートポンプ等の水の蒸発による冷却が行われるシステムにおいて、本発明は実施される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第2図は、第1図に説示された冷却システムに使用される水分提供装置の内部に配列される複数の吸収ヒートポンプの断面の一部を説示する概念図である。
第3図は、本発明の別の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第4図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムを説する概念図である。
第5図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第6図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムを説示する概念図である。
第7図は、本発明の更に別の一実施形態による冷却システムに使用される蒸発冷却装置の断面を説示する概念図である。
Claims (30)
- 不純物を有する水より高い沸点を有する水溶液を蒸発させる蒸発冷却装置と、該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を該水溶液に吸収させる水分提供装置と、該水分提供装置と該蒸発冷却装置との間で該水溶液を循環させる循環装置とを有することを特徴とする冷却システム。
- 該水溶液が溶質として塩化ナトリウムを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該水溶液が溶質として塩化マグネシウムを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該水溶液が溶質として塩化カルシウムを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該水溶液に対する浸透部材を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該水溶液を散布する散水器を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 蒸発を促進するための送風機を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 蒸発を促進するための上昇気流発生に用いられる煙突を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 防塵装置を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該水分提供装置が該不純物を有する水と該水溶液との供給を受ける吸収ヒートポンプであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該吸収ヒートポンプの動作を高温雰囲気で行うための加熱装置を更に有することを特徴とする請求の範囲第10項記載の冷却システム。
- 該吸収ヒートポンプの動作を真空雰囲気で行うための真空装置を更に有することを特徴とする請求の範囲第10項記載の冷却システム。
- 該不純物を有する水に含有される固形物を除去する濾過装置を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該不純物を有する水に含有される有機物を分解する水処理装置を更に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 凝結部を有する蒸留装置を更に有し、該凝結部に該蒸発冷却装置が配備されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該蒸留装置が大気の熱エネルギーを吸収する吸熱面を更に有することを特徴とする請求の範囲第15項記載の冷却システム。
- 該蒸留装置が太陽熱エネルギーの供給を受けることを特徴とする請求の範囲第15項記載の冷却システム。
- 復水器を有する蒸気発電システムを更に有し、該復水器に該蒸発冷却装置が配備されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 内燃機関を更に有し、該内燃機関に該蒸発冷却装置が配備されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 高温熱源を有する冷房装置を更に有し、該高温熱源に該蒸発冷却装置が配備されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の冷却システム。
- 該蒸発冷却装置が複数であることを特徴とする請求の範囲第20項記載の冷却システム。
- 不純物を有する水を取水する工程と、該不純物を有する水より高い沸点を有する水溶液中の水分を蒸発させることにより高温物体を冷却する工程と、該冷却工程により濃縮された該水溶液に該不純物を有する水から蒸発した水蒸気を吸収させる工程と、該吸収工程により希釈された該水溶液を該冷却工程に送る工程と、該吸収工程により濃縮された該不純物を有する水を排出する工程とを有することを特徴とする冷却方法。
- 該吸収工程が該不純物を有する水と該水溶液との供給を受ける吸収ヒートポンプにより行われることを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
- 該吸収ヒートポンプの動作を真空雰囲気で行うための真空排気工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第23項記載の冷却方法。
- 空気を該水溶液の蒸発面に送風する工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
- 空気中の塵埃の付着を防止する工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
- 該水溶液に生物繁殖防止剤を添加することを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
- 該不純物を有する水に含有される固形物を除去する工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
- 該不純物を有する水に含有される有機物を分解する工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
- 該冷却工程における該水溶液の蒸発面の低温部から高温部に向かい該水溶液が流れることを特徴とする請求の範囲第22項記載の冷却システム。
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