JP4091351B2

JP4091351B2 - Method for producing fatty acid

Info

Publication number: JP4091351B2
Application number: JP2002174406A
Authority: JP
Inventors: 栄造丸山; 実加瀬
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2002-06-14
Filing date: 2002-06-14
Publication date: 2008-05-28
Anticipated expiration: 2022-06-14
Also published as: JP2004018441A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪酸混合物から飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とを自然分別法により効率良く分離する方法、及び当該自然分別に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルの簡便かつ効率的な回収法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
脂肪酸類は、モノグリセリド、ジグリセリド等の食品の中間原料や、その他各種の工業製品の添加剤、中間原料として広く利用されている。かかる脂肪酸類は、一般に、菜種油、大豆油等の植物油や牛脂等の動物油を高圧法や酵素分解法により加水分解することにより製造されている。
【０００３】
ところが、上記のように動植物油を単に加水分解して製造された脂肪酸類は、そのままの脂肪酸組成では産業上の素原料として必ずしも好適なものではない。すなわち、利用の目的によって、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸に分別することが必要となる。
【０００４】
そこで、所望の脂肪酸を得るために、脂肪酸組成の調整が必要となる。一般に、脂肪酸類の分別には、溶剤分別法、湿潤剤分別法が採用されているが、これらの方法は分離効率（収率）は高いものの、設備投資、溶剤や湿潤剤水溶液の回収等のランニングコストがかかるという問題を有している。これに対し、溶剤を使用しない自然分別法（無溶剤法）は、安価な分別法であり、問題点とされていた濾過速度の低下等についても、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の添加剤を使用することにより解決が図られている（特開平１１−１０６７８２号）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加により生じた結晶部である飽和脂肪酸部には、添加したポリグリセリン脂肪酸エステルが混入しており、このままでは飽和脂肪酸部の用途は制限されてしまうという問題があった。また、結果的に不飽和脂肪酸部の製造単価も高額になるという問題もあった。一方で、自然分別法であっても、使用する添加剤のコストは少なからず最終製品の製造コストに影響を及ぼした。従って、飽和脂肪酸部からポリグリセリン脂肪酸エステルを効率良く回収、再利用し、同時に不純物の少ない不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の両者を製造する方法の開発が望まれていた。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、脂肪酸類のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた自然分別により得られた結晶部である飽和脂肪酸とポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物からポリグリセリン脂肪酸エステルを効率良く回収すべく種々検討してきたところ、当該混合物に一定の溶解度パラメータを有する溶剤を添加すれば、ポリグリセリン脂肪酸エステルのみが析出し、これを分離すればポリグリセリン脂肪酸エステルが効率良く回収できることを見出した。また、この回収法を利用すれば脂肪酸類から不純物の少ない飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両者が効率良く分別して製造できることも見出した。
【０００７】
すなわち、本発明は、飽和脂肪酸及びポリグリセリン脂肪酸エステル混合物に、溶解度パラメータ１０〜１５の溶剤を添加し、析出したポリグリセリン脂肪酸エステルを分離することを特徴とするポリグリセリン脂肪酸エステルの回収法を提供するものである。
【０００８】
また、本発明は、原料脂肪酸類にポリグリセリン脂肪酸エステルを添加混合し、冷却することにより結晶を析出させ、液体部と結晶部とを分別する原料脂肪酸類中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の製造法であって、当該分別した飽和脂肪酸部に溶解度パラメータ１０〜１５の溶剤を添加し、析出したポリグリセリン脂肪酸エステルを分離、回収、再使用することを特徴とする飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の製造法を提供するものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明において、「自然分別法」とは、処理対象の原料脂肪酸類を、分相する量の水を含まず、かつ溶剤を使用せず、必要に応じ撹拌しながら冷却し、析出した固体成分を濾過、遠心分離、沈降分離等することにより固−液分離を行う方法をいう。
【００１０】
本発明は、上記の如く、原料脂肪酸類に添加剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを添加混合して、冷却して結晶を析出させ、液体部と結晶部とを分別することにより、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を自然分別法により製造する方法の改良である。ここで液体部が不飽和脂肪酸であり、結晶部が飽和脂肪酸であるが、飽和脂肪酸結晶にはポリグリセリン脂肪酸エステルが混入しており、本発明では当該飽和脂肪酸とポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物からポリグリセリン脂肪酸エステルを回収し、飽和脂肪酸を単離することができる。
【００１１】
本発明において、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分別の対象となる原料脂肪酸類は、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、パーム油等の植物油や牛脂等の動物油の、水蒸気分解法での加水分解、リパーゼを触媒とする加水分解等により製造される。本発明の方法は、原料脂肪酸類中の脂肪酸の量が５０質量％以上、特に８５質量％以上であるような場合により有効であり、部分グリセリドが存在していてもよい。また、この原料脂肪酸類としては、脂肪酸組成中のパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸（Ｃ１２〜Ｃ２２）の比率が、５〜７０質量％、特に１０〜３０質量％のものが好ましい。
【００１２】
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルの由来は特に限定されず、動植物油等を原料とした天然物由来のポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応により得られたもの、及びグリシドール、エピクロルヒドリン等を重合して得られる合成系ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応により得られたものなどのいずれでもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるポリグリセリンの平均重合度は、濾過容易な結晶状態を得る点から５以上、特に８〜３０が好ましい。また、ポリグリセリンと反応させる脂肪酸は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの透明融点調整の点から、炭素数１０〜２２、特に炭素数１２〜１８の飽和又は不飽和の脂肪酸から構成されることが好ましい。当該脂肪酸は、単一脂肪酸構成されてもよいが、混合脂肪酸で構成されている場合が特に濾過容易な結晶状態を得る点から好ましい。ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応は、これらの混合物に水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を添加し、窒素等の不活性ガス気流下、２００〜２６０℃で直接エステル化させる方法、酵素を使用する方法等のいずれの方法によってもよい。
【００１３】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、２種以上を併用してもよく、またその添加量は、原料脂肪酸類に対して０．００１〜５質量％、特に０．０５〜１質量％程度が好ましい。
【００１４】
本発明では、原料脂肪酸類に前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加混合し、冷却して結晶を析出させ、液体部と結晶部とを分別する。ここでポリグリセリン脂肪酸エステルは、原料脂肪酸類に完全に溶解できるように、７０℃以上で混合溶解することが好ましい。この混合溶解の後における冷却時間及び冷却温度は、原料の量、冷却能力などによって異なり、原料脂肪酸類の組成により適宜選択すればよい。例えば、大豆脂肪酸の場合、０℃まで、１〜３０時間、好ましくは３〜２０時間程度必要である。冷却は、回分式処理でも連続式でもよい。また、結晶分離法としては、濾過方式、遠心分離方式、沈降分離方式等が適用でき、回分式処理でも連続式処理でもよい。
【００１５】
得られた結晶、すなわち飽和脂肪酸及びポリグリセリン脂肪酸エステルに添加される溶剤は、溶解度パラメータ１０〜１５の範囲内、好ましくは１０〜１３の範囲内のものである。溶解度パラメータが１０未満の溶剤では、均一溶解となり、１５を超える溶剤では原料脂肪酸の析出現象が起こり、ポリグリセリン脂肪酸エステルだけを選択的に析出させることができない。ここで、溶解度パラメータとは、溶剤の極性を示す値であり、C.M.ハンセン（C.M.Hansen）、J.ペイントテク（J.Paint Tech.39,104(1967)）により示されているものである。ただし、n成分よりなる混合物の場合は下記式により算出できる（式中、φiは成分iの容積分率であり、δiは成分iの溶解度パラメータである。）。
【００１６】
【式１】

【００１７】
このような溶解度パラメータを有する溶剤としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン等の単成分またはそれら２つ以上の混合物が挙げられる。アセトン−水混合溶剤のような混合溶剤の場合、その混合比を適宜調整することにより溶解度パラメータを調整することが可能である。これらのうち、アセトン−水、メタノール、酢酸等が好ましい。
【００１８】
かかる溶剤の添加量は、飽和脂肪酸とポリグリセリンの混合物（すなわち前記飽和脂肪酸部結晶）に対し、１．５〜１０重量倍、特に２〜８重量倍が好ましい。
【００１９】
溶剤添加の温度は、原料飽和脂肪酸により適宜選択すれば良いが、０℃〜８０℃が好ましい。例えば、大豆脂肪酸ならば、５〜４０℃が好ましい。
【００２０】
溶剤を添加すると飽和脂肪酸のみが溶解し、ポリグリセリン脂肪酸エステルが選択的に析出するので、これを濾過、遠心分離、沈降分離などにより回収すればよい。回収したポリグリセリン脂肪酸エステルは、再度原料脂肪酸類の添加剤として利用することができる。また、溶液部の飽和脂肪酸は、蒸留法などにより溶剤を留去することにより容易に回収することができる。
【００２１】
【実施例】
以下の実施例において、飽和脂肪酸比率は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。
【００２２】
〔原料脂肪酸の調製〕
表１に示す油脂を常法により加水分解し、原料脂肪酸を調製した。使用した油脂の飽和脂肪酸比率（質量％）を表１に示す。飽和脂肪酸比率は、脂肪酸組成ガスクロマトグラフィーにて測定し、計算した。
【００２３】
【表１】

【００２４】
〔脂肪酸の分別〕
得られた脂肪酸５kgに表２に示すポリグリセリン脂肪酸エステル（ＰＧＥ）を加え、８０℃で均一に溶解する。次いで、５０rpmで撹拌しつつ３℃／hrで冷却し、−３℃〜３０℃で１時間撹拌保持する。次いで、ナイロン製濾布ＮＹ1260ＮＬＫ（三菱化工機(株)（濾過面積３９cm²）を用い０．０３MPaで加圧濾過して液体部（不飽和脂肪酸）と固体部（結晶部；飽和脂肪酸）に分別した。
【００２５】
得られた結晶部全量を溶解し、表３に示す溶剤を原料脂肪酸に対して表４に示す倍量加え攪拌した。その結果を表４に示す。次いで、析出が確認できたものについて遠心分離機を用いてポリグリセリン脂肪酸エステルと溶液部に分離した。遠心分離条件は、３０００rpmで１０分間行なった。（約４００Ｇ）回収したポリグリセリン脂肪酸エステルはエバポレーターで溶剤トッピングを行った。回収率は、分別時の添加量に対して、回収したポリグリセリン脂肪酸エステル量の割合で求めた。また、得られた溶液部は、エバポレーターにより飽和脂肪酸を回収した。次いで表１に示す原料１kgに回収したポリグリセリン脂肪酸エステルを表４に示す量添加し、８０℃で均一に溶解する。上記と同様な方法にて、脂肪酸の分別を行った。その結果を表５に示す。
【００２６】
【表２】

【００２７】
【表３】

【００２８】
【表４】

【００２９】
【表５】

【００３０】
表４から明らかなように、溶解度パラメータが１０〜１５の範囲内にある溶剤を用いた場合に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが選択的に析出し、容易に回収、再利用できることがわかる。
【００３１】
【発明の効果】
本発明によれば、脂肪酸類の自然分別に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルが容易に回収、再利用できるとともに、飽和脂肪酸の単離精製も可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for efficiently separating saturated fatty acids and unsaturated fatty acids from a fatty acid mixture by a natural fractionation method, and a simple and efficient method for recovering polyglycerin fatty acid esters used in the natural fractionation.
[0002]
[Prior art]
Fatty acids are widely used as intermediate raw materials for foods such as monoglycerides and diglycerides, additives for various other industrial products, and intermediate raw materials. Such fatty acids are generally produced by hydrolyzing vegetable oils such as rapeseed oil and soybean oil and animal oils such as beef tallow by a high pressure method or an enzymatic decomposition method.
[0003]
However, the fatty acids produced by simply hydrolyzing animal and vegetable oils as described above are not necessarily suitable as industrial raw materials with the same fatty acid composition. That is, it is necessary to separate into unsaturated fatty acids and saturated fatty acids depending on the purpose of use.
[0004]
Therefore, adjustment of the fatty acid composition is necessary to obtain the desired fatty acid. In general, solvent fractionation and wetting agent fractionation methods are used for the separation of fatty acids, but these methods have high separation efficiency (yield), but are not limited to equipment investment, recovery of solvent and wetting agent aqueous solution, etc. It has the problem of running costs. On the other hand, the natural fractionation method without solvent (solvent-free method) is an inexpensive fractionation method, and uses additives such as polyglycerin fatty acid esters for reducing the filtration rate, which has been considered a problem. This has been solved (Japanese Patent Laid-Open No. 11-106782).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the saturated fatty acid part, which is a crystal part produced by the addition of the polyglycerin fatty acid ester, is mixed with the added polyglycerin fatty acid ester, and there is a problem that the use of the saturated fatty acid part is limited as it is. . In addition, as a result, there is a problem that the production unit price of the unsaturated fatty acid portion is also high. On the other hand, even with the natural separation method, the cost of the additive to be used has a considerable influence on the production cost of the final product. Therefore, it has been desired to develop a method for efficiently recovering and reusing polyglycerin fatty acid ester from the saturated fatty acid portion and simultaneously producing both unsaturated fatty acid and saturated fatty acid with less impurities.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the present inventor has made various studies in order to efficiently recover the polyglycerol fatty acid ester from the mixture of saturated fatty acid and polyglycerol fatty acid ester which are crystal parts obtained by natural fractionation using fatty acid polyglycerol fatty acid ester. However, it has been found that if a solvent having a certain solubility parameter is added to the mixture, only the polyglycerol fatty acid ester is precipitated, and if this is separated, the polyglycerol fatty acid ester can be efficiently recovered. It has also been found that if this recovery method is used, both saturated and unsaturated fatty acids with less impurities can be efficiently separated and produced from fatty acids.
[0007]
That is, the present invention provides a method for recovering a polyglycerol fatty acid ester, which comprises adding a solvent having a solubility parameter of 10 to 15 to a saturated fatty acid and polyglycerol fatty acid ester mixture and separating the precipitated polyglycerol fatty acid ester. To do.
[0008]
In addition, the present invention adds a polyglycerin fatty acid ester to raw fatty acids, precipitates crystals by cooling, and produces saturated fatty acids and unsaturated fatty acids in raw fatty acids that separate liquid parts and crystal parts. A method for producing saturated and unsaturated fatty acids, wherein a solvent having a solubility parameter of 10 to 15 is added to the fractionated saturated fatty acid portion, and the precipitated polyglycerol fatty acid ester is separated, recovered, and reused. It provides the law.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the “natural fractionation method” means that the raw fatty acids to be treated do not contain the amount of water to be phase-separated and do not use a solvent, and are cooled with stirring as necessary, and precipitated solid components Is a method of performing solid-liquid separation by filtering, centrifuging, sedimentation separation or the like.
[0010]
As described above, the present invention adds a polyglycerin fatty acid ester as an additive to the raw fatty acids, mixes them, cools them to precipitate crystals, and separates the liquid part from the crystal part, thereby separating the saturated fatty acid and the unsaturated fatty acid. This is an improvement of a method for producing fatty acids by natural fractionation. Here, the liquid part is an unsaturated fatty acid and the crystal part is a saturated fatty acid, but the saturated fatty acid crystal is mixed with a polyglycerin fatty acid ester. Glycerin fatty acid esters can be recovered and saturated fatty acids can be isolated.
[0011]
In the present invention, the raw fatty acids subject to the separation of saturated fatty acids and unsaturated fatty acids are vegetable oils such as rapeseed oil, soybean oil, sunflower oil and palm oil, and animal oils such as beef tallow, hydrolyzing by lipase, It is produced by hydrolysis or the like using as a catalyst. The method of the present invention is more effective when the amount of the fatty acid in the raw fatty acids is 50% by mass or more, particularly 85% by mass or more, and a partial glyceride may be present. Moreover, as this raw material fatty acid, the ratio of saturated fatty acids (C12-C22), such as a palmitic acid and a stearic acid, in a fatty-acid composition is 5-70 mass%, Especially the thing of 10-30 mass% is preferable.
[0012]
The origin of the polyglycerin fatty acid ester used in the present invention is not particularly limited, and polymerizes glycidol, epichlorohydrin, etc. obtained by esterification of polyglycerin derived from natural products and fatty acids using animal and vegetable oils as raw materials. Any of those obtained by an esterification reaction of a synthetic polyglycerin and a fatty acid obtained in this manner may be used. The average degree of polymerization of polyglycerin in the polyglycerin fatty acid ester is preferably 5 or more, particularly preferably 8 to 30 from the viewpoint of obtaining a crystalline state that can be easily filtered. Moreover, it is preferable that the fatty acid made to react with polyglycerol is comprised from the saturated or unsaturated fatty acid of C10-22, especially C12-18 from the point of the transparent melting point adjustment of polyglycerol fatty acid ester. Although the said fatty acid may be comprised with a single fatty acid, the case where it comprises with a mixed fatty acid is preferable from the point of obtaining the crystalline state which is especially easy to filter. In the esterification reaction of polyglycerin and fatty acid, an alkali catalyst such as sodium hydroxide is added to these mixtures, and esterification is performed directly at 200 to 260 ° C. under an inert gas stream such as nitrogen, and an enzyme is used. Any method such as a method may be used.
[0013]
Two or more of the above polyglycerin fatty acid esters may be used in combination, and the amount added is preferably 0.001 to 5% by mass, particularly about 0.05 to 1% by mass, based on the raw fatty acids.
[0014]
In the present invention, the polyglycerin fatty acid ester is added to and mixed with the raw fatty acids and cooled to precipitate crystals, so that the liquid portion and the crystal portion are separated. Here, the polyglycerol fatty acid ester is preferably mixed and dissolved at 70 ° C. or higher so that it can be completely dissolved in the raw fatty acids. The cooling time and cooling temperature after this mixing and dissolution vary depending on the amount of raw material, cooling capacity, etc., and may be appropriately selected depending on the composition of raw fatty acids. For example, in the case of soybean fatty acid, it takes 1 to 30 hours, preferably about 3 to 20 hours, up to 0 ° C. The cooling may be a batch process or a continuous process. Further, as the crystal separation method, a filtration method, a centrifugal separation method, a sedimentation separation method, or the like can be applied, and either batch processing or continuous processing may be used.
[0015]
The solvent added to the obtained crystal, that is, the saturated fatty acid and the polyglycerin fatty acid ester is in the range of the solubility parameter of 10 to 15, preferably in the range of 10 to 13. When the solubility parameter is less than 10, the solvent is uniformly dissolved, and when the solubility parameter is more than 15, the precipitation phenomenon of the raw fatty acid occurs, so that only the polyglycerol fatty acid ester cannot be selectively precipitated. Here, the solubility parameter is a value indicating the polarity of the solvent, and is indicated by CM Hansen and J. Paint Tech. 39, 104 (1967). However, in the case of a mixture composed of n components, it can be calculated by the following formula (wherein φi is a volume fraction of component i and δi is a solubility parameter of component i).
[0016]
[Formula 1]

[0017]
Examples of the solvent having such a solubility parameter include water, methanol, ethanol, acetic acid, acetone, ethyl acetate, toluene, hexane, and other single components or a mixture of two or more thereof. In the case of a mixed solvent such as an acetone-water mixed solvent, the solubility parameter can be adjusted by appropriately adjusting the mixing ratio. Of these, acetone-water, methanol, acetic acid and the like are preferable.
[0018]
The addition amount of the solvent is preferably 1.5 to 10 times by weight, particularly 2 to 8 times by weight, based on the mixture of saturated fatty acid and polyglycerin (that is, the saturated fatty acid part crystal).
[0019]
The solvent addition temperature may be appropriately selected depending on the raw material saturated fatty acid, but is preferably 0 ° C to 80 ° C. For example, if it is soybean fatty acid, 5-40 degreeC is preferable.
[0020]
When a solvent is added, only saturated fatty acids are dissolved and polyglycerin fatty acid esters are selectively precipitated, which may be recovered by filtration, centrifugation, sedimentation separation, or the like. The recovered polyglycerol fatty acid ester can be used again as an additive for raw fatty acids. The saturated fatty acid in the solution part can be easily recovered by distilling off the solvent by a distillation method or the like.
[0021]
【Example】
In the following examples, the saturated fatty acid ratio was measured by gas chromatography.
[0022]
[Preparation of raw fatty acids]
The fats and oils shown in Table 1 were hydrolyzed by a conventional method to prepare raw fatty acids. The saturated fatty acid ratio (mass%) of the used fats and oils is shown in Table 1. The saturated fatty acid ratio was measured and calculated by fatty acid composition gas chromatography.
[0023]
[Table 1]

[0024]
[Fatty acid fractionation]
Polyglycerin fatty acid ester (PGE) shown in Table 2 is added to 5 kg of the obtained fatty acid, and dissolved uniformly at 80 ° C. Subsequently, it cools at 3 degrees C / hr, stirring at 50 rpm, and stir-maintains at -3 degreeC-30 degreeC for 1 hour. Next, using nylon filter cloth NY1260NLK (Mitsubishi Kako Co., Ltd. (filtration area 39 cm ² ), pressure filtration at 0.03 MPa to separate into liquid part (unsaturated fatty acid) and solid part (crystal part; saturated fatty acid) did.
[0025]
The total amount of the obtained crystal part was dissolved, and the solvent shown in Table 3 was added in the amount shown in Table 4 to the raw fatty acid and stirred. The results are shown in Table 4. Subsequently, what was able to confirm precipitation was isolate | separated into the polyglycerol fatty acid ester and the solution part using the centrifuge. Centrifugation was performed at 3000 rpm for 10 minutes. (About 400 G) The recovered polyglycerol fatty acid ester was subjected to solvent topping with an evaporator. The recovery rate was determined by the ratio of the recovered polyglycerin fatty acid ester amount to the addition amount at the time of fractionation. Moreover, the obtained solution part collect | recovered saturated fatty acid with the evaporator. Subsequently, the polyglycerol fatty acid ester recovered in 1 kg of the raw material shown in Table 1 is added in the amount shown in Table 4 and uniformly dissolved at 80 ° C. Fatty acid fractionation was performed in the same manner as above. The results are shown in Table 5.
[0026]
[Table 2]

[0027]
[Table 3]

[0028]
[Table 4]

[0029]
[Table 5]

[0030]
As can be seen from Table 4, when a solvent having a solubility parameter in the range of 10 to 15 is used, the polyglycerin fatty acid ester is selectively precipitated and can be easily recovered and reused.
[0031]
【The invention's effect】
According to the present invention, the polyglycerol fatty acid ester used for the natural separation of fatty acids can be easily recovered and reused, and the saturated fatty acid can be isolated and purified.

Claims

A method for recovering a polyglycerol fatty acid ester, comprising adding a solvent having a solubility parameter of 10 to 15 to a saturated fatty acid and polyglycerol fatty acid ester mixture and separating the precipitated polyglycerol fatty acid ester.

The recovery method according to claim 1, wherein the amount of the solvent added is 1.5 to 10 times the weight of the mixture.

A method for producing saturated fatty acids and unsaturated fatty acids in raw fatty acids, wherein polyglycerin fatty acid ester is added to and mixed with raw fatty acids, crystals are precipitated by cooling, and liquid parts and crystalline parts are separated. A method for producing a saturated fatty acid and an unsaturated fatty acid, wherein a solvent having a solubility parameter of 10 to 15 is added to the fractionated saturated fatty acid part, and the precipitated polyglycerol fatty acid ester is separated, recovered and reused.

The method according to claim 3, wherein the amount of the solvent added is 1.5 to 10 times by weight the saturated fatty acid part.