JP4091097B2 - デトネーション・ガンのためのラビリンス・ガス供給装置および方法 - Google Patents

デトネーション・ガンのためのラビリンス・ガス供給装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、加工品または素材に保護被覆を塗布するために工業的に使用するためのガス・デトネーション(detonation、爆発)被覆装置の分野に関する。
熱、磨耗および腐食といった過酷な周辺条件にさらされる多くの工業的用途が存在する。粉末(パウダー)被覆材料を使用するスプレー被覆方法は、このような用途のあるものに対して高品質な保護を提供する。スプレー被覆の通常の方法はデトネーション・ガン・プロセスである。この方法は、気体の燃焼可能混合物の爆発からの運動エネルギーを利用して粉末被覆材料を加工品に付着させる。
スプレー被覆法においてデトネーション・ガンに関して使用される典型的な材料には、粉末形態の金属材料、金属−セラミック材料、セラミック材料、耐腐食材料、熱保護材料、電気絶縁性材料、導電性材料および他の被覆材料が含まれる。更に、パーツのクリーニングのため、穴をあけるため、粉末を形成するため、ならびに他の考え得る用途のために、デトネーション・ガン・プロセスと関連して、粉末形態の他の材料を使用することができる。
典型的なデトネーション・ガンは、次のように作用する。ある量の可燃ガス、例えば酸素およびアセチレンを、開口端部および閉鎖端部を有するチューブ状燃焼(コンバスチョン)チャンバーに供給し、引き続いて、スパーク・プラグにより点火する。ガスの点火により爆発が起こり、衝撃波が生じる。衝撃波は燃焼チャンバーを降下してチューブ状バレルに取りつけられた開口端部に至る。一般的には、適当な被覆粉末が伝播する衝撃波の前にあるバレルに注入されており、バレルの開口端部から外に移送され、バレルの前に配置された基材に付着させられる。基材に対する粉末の衝撃により、良好な付着性を有する高密度な被覆がもたらされる。この方法を迅速に繰り返して加工品に満足できる被覆が形成される。連続的な点火の間、不活性ガス、例えば窒素を点火後に燃焼チャンバー内に供給してよく、燃焼を停止して燃料および酸素供給源へのバックファイヤーを防止し、また、燃焼生成物をバレルからパージする。
デトネーションの機構は、デトネーション・ガンの操作の要部である。デトネーションは、超音速、例えば4000m/sもの高速度で、高温、例えば3137℃もの高温で移動する衝撃波を発生させる。デトネーション・ガンにおける爆発は、使用する燃料ガスの種類(例えばプロパン、アセチレン、ブタン等)、燃料と酸素の混合比、燃焼チャンバー内におけるガスの初期圧力および燃焼チャンバーの構造(例えば幾何学的構造)により制御される。燃料および酸素混合物の点火後、爆燃(デフラグレーション)により、燃焼チャンバー内で温度および圧力を上昇させる初期デトネーション波(爆発波)フロント(頭)が形成され、これが、順に、燃焼チャンバーを通って燃焼性混合物の点火を伝播させる。パラメーターの適当な組み合わせにより、デトネーションが伝播を続け、その結果、使用され得る全ての燃料および酸素が消費される。デトネーション・フロントは、燃焼チャンバーの開口端部に向かって移動してバレル内に入る。爆燃からデトネーションまで完全に遷移してバレルに入るか、あるいはデトネーション波フロントがバレル内に保持され得ないようにするには、使用する特定のデトネーション混合物にとって、燃焼チャンバーが十分な長さであることが特に重要である。また、デトネーション・ガンの操作において、できる限り強い衝撃波を形成して、それをできる限り効率的にバレルに導き、それによって、デトネーション波の大量の運動エネルギーが粉末をバレルから出して基材に直接送りこむことが重要である。
ある固定された瞬間において、デトネーション波フロントは、個々の静的なデトネーション・セルの系から構成される。セルレベルにおけるデトネーションの挙動は、一般的なデトネーション・ガンの制御および操作において重要である。デトネーション・セルは、デトネーション波フロントおよびデトネーション波フロントに対して垂直に動く横方向デトネーション波を含む多次元構造のものである。デトネーション・セルの前方面は、凸形状のマッハ波から成る。マッハ波の後方に、デトネーションをもたらす化学反応が起こる反応ゾーンが存在する。セルのエッジにおいて、横方向の衝撃波がデトネーション・セルの前方面に対して実質的に直角に生じる。横波は、その後方エッジから延びる音響的テイル(acoustic tail)を有し、デトネーション・セルの後方エッジを規定する。横波は、セルからセルへと動き、相互に、また、制限する構造、例えば燃焼チャンバーの壁に反射する。デトネーションが一旦始まると、反応は相当安定な状態で継続する。しかしながら、デトネーション波フロントの構造は、燃焼チャンバーを通過している間に、反射する横波との、また、デトネーション・フロントからの反射する屈折波との衝突により悪い影響を受けることがある。これらの衝突は、デトネーション・セルの強度を減少させ、そのために、被覆粉末に伝達されるべき運動エネルギーの量が減少する。被覆粉末に伝達されるエネルギーの減少は、形成される被覆の密度および基材との付着性が減少することになる。デトネーション波フロントの残余は燃焼チャンバーからバレルに移動して、加工品に至る。
デトネーション・セルのサイズは、デトネーション・ガンの制御および操作においてもう1つの重要な特性である。セルのサイズは、燃料の分子的な性質、燃焼チャンバー内の初期圧力、および燃料/酸素比の関数である。ある条件の場合の特定のセル・サイズは、実験的に決めることができる。セルの幅Scは、連続的な横波間の波フロントに沿って測定する。セルの長さLcは、波フロントに対する接線から隣接する横波からの音響的テイルの交差点まで測定される垂直距離である。考えているデトネーション可能なガスの場合、セル幅のセル長さに対する一般的な割合は、Sc=0.6Lcである。特に一般的なデトネーション・ガンの物理的パラメーター、例えば構造および操作圧力は、特定の燃料および酸素混合物のセルサイズにより決まる。
燃焼チャンバー内の操作圧力は、デトネーション・セルの挙動により影響を受ける。点火前、燃焼チャンバー内の圧力は、燃料および酸素供給圧力および燃焼チャンバーの構造により制御される。混合物の点火後、燃焼チャンバー内の圧力は、デトネーションが起こると、増加して最大値に達する。デトネーション波がバレルを降下してバレルの開口端部に達すると、ピークの希薄圧力が燃焼チャンバー内で測定される。次に、デトネーション波フロントからの反射波の存在のために明らかな正の圧力ピークが燃焼チャンバー内で測定される。
典型的なデトネーション・ガンにおいて、被覆粉末、例えばAmperitは、直接バレルに供給され、あるいは燃焼チャンバーに供給され、そしてデトネーション波の前の不活性ガスによりバレルに送られる。例えば、ある粉末フィーダーは、空気または不活性ガスを連続的に供給し、供給する粉末をバルブアレンジメントを経由させて連続供給源から最終的にガン内に輸送する。バルブの操作は、スパーク・プラグの着火と同調し、粉末および輸送ガスはバレルに沿って所定状態となり、デトネーション波によって適切な状態となる。典型的には、バルブは、機械的手段、例えばカムおよびタペットまたはソレノイドにより開かれる。これらの機構の欠点は、バルブを適当量の粉末が通過することを許容するために十分大きくかつ長くバルブが開く必要があるので、ガンが点火し得る頻度がしばしば制限されるということである。これらの機構は、迅速に動くピースを有し、性質状磨耗性である粉末を輸送するためにガンの寿命の問題およびメンテナンスの問題をもたらすという信頼性に関する問題をも有する。更に、漏れる、開いた状態のままになる、あるいは壊れるバルブは、デトネーション波フロントが漏れるという別の潜在的な有害なパスを与えるという安全に関する問題を有する。
デトネーション・ガンが加工品に被覆粉末を付着させる速度は、工業的用途において重要な経済的なパラメーターである。付着速度は、種々の要素、例えば燃料の種類、燃料供給システム、燃焼チャンバーおよびバレルの幾何学的構造、粉末フィーダーシステム、および連続する点火の間のパージシステムにより制御され、また、時にはそれらにより制限される。付着速度は、スプレー速度とスプレースポット区域との間の比で表される。スプレー速度は、単位時間当りに用いられる被覆粉末の量により表され、典型的にはKg/hrで表され、一般的には1〜6Kg/hrである。明かなように、スプレー速度は、スパーク・プラグを着火する割合により大きく影響を受ける。典型的なデトネーション・ガンにおいて、スパーク・プラグは、6〜10回/秒の最大速度で着火される。スプレー・スポット区域は、ガンの単一の点火により被覆される面積であり、大まかにはバレルの面積に等しく、一般的にはmmで表される。典型的な工業的デトネーション・ガンは、約0.001〜0.02Kg/mm−hrの付着速度を有する。
典型的なデトネーション・ガンにおいて、可燃性燃料および酸素は、一連のバルブを通ってガスの状態で混合チャンバーまたは直接燃焼チャンバー自体に供給される。可燃性ガスは、約1〜3MPaの圧力で連続供給源からバルブシステムに供給され、その後、ガンに送られる。バルブシステムは、複数のガスを適切に配分させるために同調して開き、バックファイヤーを防止するようになっている。先に説明したように、一般的なデトネーション・ガンにおいて用いられるバルブシステムは、速度、信頼性および安全性に関する重大な問題を引き起こす。
デトネーション・ガンにより形成される被覆の品質に影響を与える重要な特性は、衝撃波が移動する超音速である。衝撃波は、そのような速度で被覆粉末を輸送し、従って、形成される被覆は、他のスプレー被覆方法より大きい密度およびより良好な付着性を達成する。被覆粉末がバレルを出る時の粉末の速度は、使用する燃料ならびにバレルおよび燃焼チャンバーの幾何学的構造にとりわけ影響を受ける。デトネーション可能なガス混合物の場合の一般的なデトネーション波速度は、1200m/秒〜4000m/秒の範囲にあり、H−Oの場合は2830m/秒であり、CH−Oの場合は2500m/秒である。現在のデトネーション・ガン構造で達成できる最大速度は、約3000m/秒である。
デトネーション・ガンの操作に関連する温度は、形成される被覆の品質に影響を与え、工業的被覆装置として使用する場合に関連する、更にもう1つの重要な特性である。問題とするデトネーション可能な気体混合物の一般的な断熱的フレーム(火炎)温度は、1947℃〜3137℃であり、H−Oの場合は2807℃であり、CH−Oの場合は2757℃である。被覆粉末が基材に付着する前にこれらを溶融させるのがしばしば望ましく、適切なパラメーターの場合、これらの温度は粉末の被覆材料を溶融するのに十分なものとなる。粉末に与えられる温度は、バレルの幾何学的形状により部分的に制御され、また、バレルの積極的な冷却により部分的に制御される。これらの温度は、大部分の基材材料を溶融するほどに十分高いが、デトネーション・ガンにおける燃焼が不連続であることは基材が悪影響を受けることを防止する。
デトネーション・ガンの操作で非燃焼性気体を使用することはまた、形成される被覆の品質に影響を及ぼす。デトネーション・ガン操作において非燃焼性気体の3つの用途がある:1.パージガスとして;2.粉末輸送ガスとして;および3.デトネーションプロセスの制御用として。パージガスは、一般的には不活性ガスであり、スパーク・プラグの連続する点火の間に燃焼チャンバーをパージするために主として使用され、燃焼プロセスを停止させる。このことは、燃焼チャンバーはスパーク・プラグの連続する点火の間に一連のバルブを通じて新しい可燃性燃料および酸素の混合物により充填される必要があるので、典型的なデトネーション・ガンにおいては重要である。バルブが開いた状態で燃焼チャンバーにおいて燃焼が継続されるなら、燃料および酸素供給源内に燃焼が継続し、爆発をもたらす可能性がある。パージガスを使用することに関する問題点の1つは、このガスが可燃性ガスと混合し、デトネーションの全体の運動エネルギーを低下させるということである。それは、不活性ガスは、その性質故に非燃焼性だからである。従って、被覆粉末に伝達され得る運動エネルギーは減少して、被覆の密度および付着性が悪影響を受ける。更に、パージガスは、被覆粉末と混合して、形成される最終的な被覆の組成を少し変える。粉末キャリヤーガス、しばしば圧縮空気は、典型的には、被覆粉末をリザーバーからデトネーション波フロントの前にあるデトネーション・ガンのバレルに輸送するために使用される。これらのガスも、被覆粉末に伝達され得る運動エネルギーを減らすことになる。それは、デトネーション波フロントの温度および速度を下げるからである。被覆品質への影響は、より小さい密度の被覆および基材とのより乏しい付着性により判る。デトネーションプロセスの制御手段として、不活性ガスもまたデトネーション可能ガスと混合される。これらは、一般的には、温度、速度および可燃物の化学的環境を制御するために少量使用される。
概して、本発明は、安全性、信頼性および生産性を実質的に向上させたデトネーションコーティング装置のための迷路のように複雑に入り組んだ形状のガス供給システムである。迷路のように複雑に入り組んだ配置(ラビリンス)は、デトネーション(爆発)が起こる燃焼チャンバーに燃料と酸素との混合物を供給する働きをする。複雑に入り組んだ配置は、デトネーションが引き続き燃料および酸素供給部に移動することを防止し、その結果バックファイアを防ぐ。更に、ラビリンスはバルブとして機能し、燃焼チャンバーへの燃料と酸素の流れを瞬間的に遮る。
本発明のラビリンスは、燃焼チャンバーと組み合わされ、燃焼チャンバーとデトネーション・ガンの燃料および酸素供給部との間に配置される。燃料と酸素の混合物は、ラビリンスを経由して燃焼チャンバーの中に流れ込む。それから燃料と酸素の混合物に点火し、デトネーション波(爆発波)のフロントを作り出す。デトネーション波のフロントが通路を経由してラビリンスの方へ移動するにつれ、それの一部分はデトネーション波フロントから回折(または分散)して、ラビリンスの通路の中へ移動する。ラビリンスは曲がりくねったパス(または通路)を有し、それはデトネーション波フロントの回折した部分のデトネーションセルを妨害し、かつ破壊する。それによりデトネーションが燃料および酸素供給部に移動すること、およびバックファイアを引き起こすことが防止される。一度破壊されると、デトネーション波フロントの回折した部分に由来する残りの圧力は、燃料および酸素供給部の拮抗圧力に打ち勝ち、燃料と酸素の混合物が燃焼チャンバーの中に流れることを即座に防ぐのである。本発明の組み合わされた効果は、燃料および酸素供給部の中でのバックファイアを防止すること、および燃料と酸素が燃焼チャンバーに流れることを防止するバルブとして機能することである。
装置は図1に示し、デトネーション・ガン2および粉体供給システム7を含み、基材1にコーティングを施した。デトネーション・ガンには燃焼チャンバー12、バレル13およびスパーク・プラグ14を含む。粉体供給システムには高圧チャンバー38、ストップバルブ39、分岐管40、粉体導入パイプ35、ノズル36、ホッパー31および粉体導出管37を含む。供給ガスは、燃焼チャンバー12の中を通過する前に可燃性混合物が形成される供給パイプ16、17を通って混合チャンバー25へ入る。可燃性混合物はスパーク・プラグにより点火され、燃焼チャンバーから伝わって出るデトネーション波フロント100を作り出し、バレル13へ伝える。キャリアーガス18は、粉体供給システムの高圧チャンバー38へ供給される。スプレー粉体32は粉体供給源(図示せず)からホッパー31へ供給される。ストップバルブ39によりキャリアーガスは粉体ホッパー(ここでスプレー粉体の一部は粉体導出リムーバルチューブ37を通って輸送されてホッパーから出ていき、バレル13へと供給される)へと導入される。ストップバルブ39は、パウダーがデトネーション波フロント100より先にバレルへ導入されるよう見計らって開口される。爆発波フロント力によりスプレー粉体がバレルを降下し、基材1上へ運ばれる。
図2および図2Aについて言及すると、燃焼チャンバー12は、同心状のブッシング70、69、26のアレンジメントおよび混合チャンバー25に同軸的に位置している。燃焼チャンバーの側壁27およびブッシングに開口部72、71、28および29が配置されている。ブッシングは、軸および周囲の方向において燃焼チャンバーに対して調節可能であり、燃焼チャンバーおよび混合チャンバーの間において開口部によりラビリンス(迷路状物)30を形成するように燃焼チャンバーおよび相互に関して位置合わせされる。所与の可燃性混合物のためのラビリンスは、隣接する開口部間の隙間が図2Aの軸方向においてデトネーション・セルの長さより長くならないよう、および図2Bの周囲方向においてデトネーション・セルの幅より広くならないように開口部の位置合わせにより規定される。好ましい実施態様では、隣接しない開口部の並びは、燃焼チャンバーから混合チャンバーへと貫通した穴が形成されないようにずらされる。ラビリンスの目的は、破壊しなければ混合チャンバーへと伝わって供給パイプ16、17のバックファイアーをもたらすであろうデトネーション・セルを破壊することであり、させることであり、可燃性混合物が燃焼チャンバーへ流れるのを防ぐためガスダイナミックバルブとして作用させることである。
可燃性混合物はラビリンス30を通って燃焼チャンバーへと流れる。スパーク・プラグ14により混合物に点火され、デトネーション波フロントが形成され、全方向に伝えられ、デトネーション・ガン2のバレル13の方向に燃焼チャンバーを降下する。爆発は、制限構造にぶつかるまで、または、供給された燃料および酸素が消費されるまで伝播する。デトネーション・セルは伝わりつつある爆発波フロントから回折(または分散)し、ラビリンスの最初の開口部29へ入る。ラビリンスは、完全なセルが少なくとも1つのブッシング壁との衝突なしにラビリンスを通って伝わらないように開口のサイズを制限することによりデトネーション・セルを破壊する。加えて、ラビリンスは、その後接近している回折したデトネーション・セルに、ブッシング壁へ接触するデトネーション・セルを後方に反射させることによりデトネーション・セルを破壊する。ラビリンス内の制限およびデトネーション・セル同士の衝突により、そうでなければ発揮される爆発の自立的性質を抑えるのに充分な圧力低下を、回折したデトネーション・セルにおいて引き起こし、混合チャンバーへ爆発が伝わるのを不可能にする。ラビリンスがデトネーション・セルを破壊できるために複雑なバックファイアー防止装置を必要としない。破壊された回折したデトネーション・セルにともなう圧力レシジウム(残余)は、ラビリンスで供給される燃料および酸素の圧力に打ち勝ち、ガス−ダイナミックバルブとして機能する。燃料および酸素の供給は、燃焼チャンバーへとつながるガス−ダイナミックバルブにより即座に中断され、以下に充分説明するように、燃焼チャンバーがすべての可燃性ガスを消耗することを可能にする。
本発明の他の態様は、図3に示すラビリンスである。図3Aの燃焼チャンバーは、上記のように開口部28および29がラビリンス30を形成するように調節する。図3Bにおいて、燃焼チャンバーは非合致(位置合わせされていない)開口部28および29を形成するように軸方向に調節され、装置28が開口部91と合致し、それによりラビリンスを形成し、開口部29が混合チャンバーから閉じられるようになっている。この配置において、燃料および酸素の量は図3Bの残りのラビリンスの二つの列に限定される。この限定性質は、本発明のデトネーション・ガンを、種々の量の燃料および酸素が必要な、種々の燃料と酸素の混合物および種々の装置で使用可能とするために有用である。
図1の混合チャンバー25は燃料および酸素供給源およびラビリンスの間に位置する所望の収れん部分を有する。混合チャンバーの収れん部分は、燃焼したガスと共に、上記と同様のガス−ダイナミック・バルブを形成するために作用する。ガス−ダイナミック・バルブは可燃性ガスの燃焼チャンバーへの流れを瞬時に妨害する。ラビリンスは、燃焼したガスがそれを通って燃焼チャンバーから混合チャンバーに移動するため、回折デトネーション・セルを破壊するが、燃焼したガスは燃料および酸素の供給圧力に打ち勝つために十分な圧力を残す。混合チャンバー中のガス−ダイナミック・バルブは燃焼したガスの流れを停止させ、燃焼したガスが燃料および酸素供給源の方へ流れるのを防止し、同時に瞬間的に燃焼チャンバーへの燃料および酸素の流れも妨害する。混合チャンバー内で妨害された燃料および酸素の流れにより、燃焼チャンバー中のデトネーションは燃焼チャンバー自体の中の全ての使用できる燃料および酸素を枯渇させる。このガス−ダイナミック・バルブとしてのラビリンスの使用は、複雑なバルブの必要性無しに、およびパージング・ガスの必要性を除いて、連続源からの燃焼チャンバーへの燃焼ガスの不連続流を提供する。燃料および酸素の流れを妨害するための機械的バルブの排除は、デトネーション・ガンの信頼性および安全性を高める。パージング・ガスの廃止は、幾つかの理由のために、より良好な質のコーティングを製造する。第1に、燃焼チャンバーが燃焼ガスのみで満たされ、従ってデトネーションがより強く、より一定であり、より緻密で、基材と層間で良好な粘着性を有するコーティング層をもたらすため、デトネーションそれ自体がより安定である。第2に、コーティング粉末とパージング・ガスとの混合による副産物がないため、製造されたコーティングはより均質である。第3に、各コーティング層の制御可能な条件および組成のため、コーティングの厚い層を通ったストレスは減少され、従って、コーティングが先行技術のデトネーション・ガンよりも厚く塗布され得る。そして最後に、パージング・ガスの廃止は、コーティング粉末が相対的に冷たいパージング・ガスと相互作用しないため、より高い沈着効率をもたらす。
ラビリンスの別の実施態様を、図4に示す。この実施態様では、燃焼チャンバーが往復運動して、燃焼チャンバーから燃料および酸素供給を遮断する。燃焼チャンバー12は、これをデトネーション・ガン2の本体99内に軸方向にスライド可能に取り付けた以外は前述した実施態様と同じ様式で配置する。燃焼チャンバー壁には、開口部29と少なくとも1つの開口部28を持つブッシュ26を配置する。燃焼チャンバーの上流端は閉じており、スパーク・プラグ14を収容している。燃焼チャンバーの下流端は開いており、バレル13に通じている。スプリング73は、同心円状に燃料チャンバーの外部表面上に配置され、本体と燃焼チャンバーとの間に位置する。スプリングは、燃焼チャンバーを下流方向にバイアスするものである。バイアス位置にある燃焼チャンバーでは、開口部29が開口部28と一直線に並んでおり、燃焼ガスは燃焼チャンバーへと流れることができる。燃焼の際、ピーク圧力は、燃焼チャンバーの上流端に作用し、スプリング力を上回るので、燃焼チャンバーは、デトネーション・ガン本体に対して上流側に動く。開口部29は、混合チャンバーを燃焼チャンバーから隔離するように開口部28を通り越して進み、燃料および酸素供給部への逆火を防止し、同時に燃料および酸素が燃焼チャンバーへと流れるのをさえぎる。
デトネーションは、燃料および酸素供給を消耗するか、または燃焼チャンバー壁などの障害物に当たるまで、燃焼チャンバー中のセル毎に伝播する。デトネーションセルが障害に当たると、エネルギーの一部は吸収され、残りは障害物の後方へ反射される。前述のように、これらの反射波は、デトネーション波フロントと衝突してその強度を低下させるので、デトネーション・ガンの能力に対して負の作用をもつ。これらの衝突は、デトネーション波フロントが燃焼チャンバー下方に移動し、かつバレル下方に移動するので、最も有害である。図5は、これがどのようにして起こるかを図説するものである。デトネーション波フロント100は、最初、燃焼チャンバー12内にあり、バレル13に向いている。デトネーション波フロントは収束面(converging surface)と相互作用し、生じた反射波98は、デトネーション波フロントに衝突して、その強度を低下させるか、またはバレルへと移る前にデトネーション波フロントを破壊する。本発明の配置では、デトネーション波フロントと干渉してしまう反射波を抽気するために、図6Aに図説したエネルギーブリードシステムを提供する。このシステムは、収束壁75に位置するブリード開口部76を利用して、反射されてしまうデトネーション波フロントの一部を収束壁から除去するものである。ブリード開口部は、多くの形態を取ることができ、例えば、ホール、スロット、図6Bの多孔性材79、またはその他、有害な反射波を排除できるあらゆる形態である。本発明の更なる態様は、図6Aのようなレギュレーター77によるブリード開口部の横断面積または図6Bのようなダンパー80による多孔性媒体の吸収性を調整する手段である。エネルギーブリードシステムの使用により、デトネーション波フロントの強度を低下させてしまう反射波を排除し、デトネーション波フロントを、利用可能な最も高い運動エネルギーでバレルへと前進させる。これによって、より多くのエネルギーを粉末へ伝えることができるため、コーティングの質が向上する。
本発明のその他の実施態様は、反射波の作用をバレル本体内で扱うミニデトネーション・ガンである。従来技術のデトネーション・ガンでは、デトネーション波フロントがバレル下方に進むので、デトネーション波フロントの一部は、バレル壁で反射されてデトネーション波フロントと衝突し、バレルから出る前にその強度が低下する。図6Aは、シングル・デトネーション・セルが燃焼チャンバー12からバレル13方向へ向いているミニデトネーション・ガンの図説である。このバレル内にはたった一つしかセルがないため、反射波がバレル内に生じることは不可能である。このミニ・デトネーション・ガンは、上述のエネルギー・ブリード・システムを使用し、バレル直径を適切に選択することにより作成できる。図5に図説するように、反射波は、反射波がデトネーション波フロントの中心に収束するO点で最大の破壊衝撃を有する。エネルギー・ブリード・システムの使用により、デトネーション波フロントの中心は、その完全な状態を維持し、最大強度でバレル方向へ向く。従来技術では、上述の燃焼チャンバーおよびバレル本体内の両方における反射波によるデトネーション波フロントの破壊のため、シングル・デトネーション・セルをバレル内に維持することはできなかった。本発明は、極めて強力なデトネーション波フロントを利用し、シングル・デトネーション・セルの直径よりも小さくない直径のバレルを使って、シングル・デトネーション・セルをデトネーション・ガンのバレルへと向けるものである。デトネーション・セルは、バレル全長内に維持される程度に十分強く、更にシングル・デトネーション・セルだけがバレルに向いているため、デトネーション・セルがバレル内に移る際にその強度を低下させるような反射波は生じない。この製品は、最大量のエネルギーをコーティング粉末へ伝え、かつバレルからのエネルギー消耗量が最少のため基材の加熱を最少にしながら、極めて強力なデトネーションをバレル全体に維持しているため、コーティングの質が高く、1ショット当たりのコーティング厚が増大しており、粘着強度も増している。更に、シングル・デトネーション・セルおよび関連するバレル直径の使用によりデポジション速度も増大している。前述のように、デポジション速度は、スプレイ速度とスプレイスポット区画との比率である。ミニ・デトネーション・ガンでは、スプレイスポット区画を所定の燃料および酸素混合物に対してバレル面積314mmから28mmへと大きく下げて、デポジション速度をこれに比例して増大させている。これはジェットエンジン用のタービン翼のエッジのような小さい被加工物を被覆するのに有利である。バレル内へ放出するシングル・セルを2つ以上選択することもまた可能である。この実施態様では、望ましくないデトネーション波フロントの一部分を抽気するためにエネルギー・ブリード・システムを配置する。この実施態様に関連するバレルは、選択したすべてのデトネーション・セルの総前部面積に等しい直径を有する。複数のデトネーション・セルがバレル内にあると、それが分解される機会は増えるが、ある種の用途では、このような形態のサイズが有益であることもある。
ミニ・デトネーション・ガンの別の実施態様は、複数のシングル・セル・バレルを有するものであり、図6Cに図説する。バレル13、81、82、83は、燃焼チャンバー12の末端に位置し、それぞれ粉末送達システム7、8に取り付けられている。好ましい実施態様では、バレルはそれぞれ、収束面75からの反射エネルギー波がバレルの中心線でデトネーション波フロントを破壊しないような位置にある。好ましい別の態様は上述のエネルギー・ブリード・システムを採用する。複数バレル・ミニ・デトネーション・ガンの利点には、コーティング過程において、エネルギー・ブリード・システムにより吸収されるよりも多くのデトネーションエネルギーが使用されるという有益さ、1ショット当たりより多くのコーティングをデポジットする能力、およびデポジット速度の増大がある。更に、異なるコーティング粉末を供給して、粉末供給機システムを分離することにより、異なる種類のコーティング層を作るのも容易である。例えば、第1コーティングを粉末供給機7から供給されるバレル13と81によって施し、次いで、第2の別のコーティングを粉末供給機8から供給されるバレル82と83によって施す。
ミニ・デトネーション・ガンの他の別の態様は、燃焼チャンバーの壁に取り付けられたバレルを有し、デトネーション波先端により生成される回折波の恩恵を被ることである。図7Aに図説するように、デトネーション波先端100はデトネーション・ガンの燃焼チャンバーの下を開放端部13に向かって進行する。燃焼チャンバーの側面に接続されているのは、一つのデトネーション・セルの高さよりも小さくない内部直径を有するバレル88である。デトネーション波フロントがバレルを通過するため、少なくとも一つのデトネーション・セル97はデトネーション波フロントを回折させ、バレル中に移動させる(図7B)。処理は粉末供給器7がバレル中に挿入され、デトネーション・セルが粉末をバレルの外に、そして基材上に輸送するという先の態様と同じである(図7C)。配置は、一つのデトネーション・セルバレルが燃焼チャンバー内にマウントされ、燃焼チャンバー内の屈折および反射波の恩恵を被るようにまた推察できる。
本発明の他の重要な要旨は、図1に示す粉末供給システムである。粉末供給システム7は、調節バルブ24により制御される定常源(示していない)由来のキャリアー・ガス18由来の圧力を使用し、高圧チャンバー38を充填する。高圧チャンバーからの排気は分岐管40を通って運ばれ、ストップバルブ39により制御される。分岐管はホッパー31に固定されたノズル36を介して排気される。ノズルの内側に同心的に配置されているのは供給パイプ35であり、粉末源(示していない)からコーティング粉末32を供給する。粉末源は雰囲気から密閉され、キャリアー・ガスの圧力により制御される。キャリアー・ガスは、粉末を、ホッパーからリムーバル・チューブ37を経由させてバレル13に輸送する。粉末供給システムは以下のように機能する。高圧チャンバーを外部圧源から圧縮ガス、好ましくは空気の一定の質量まで満たす。同時に粉末源からの制御された質量割合で、コーティング粉末でホッパーを満たす。ストップバルブを瞬時に開放し、空気の全質量を高圧チャンバーからホッパーにノズルを通して放出させる。高圧チャンバーの排出の効果は、ホッパーおよび除去管を完全に充填して、空にさせることであり、粉末をバレルに送る。ストップバルブのタイミングは、コーティング粉末がバレルに、バレルの下を移動するように、デトネーション波の丁度前で放出されるようなものである。粉末供給システムの更なる特性は、停止バルブの急速連続的循環で、ホッパー内の粉末が流動床を形成し、空気中で懸濁されつづけ、容易にバレルの外に輸送されることである。高圧チャンバーの容量は、外部粉末源、ホッパーおよびリムーバル・チューブの複合容量を越えてはならないか、または空気の過剰量がホッパーを過剰加圧し、粉末が懸濁する能力を妨害してはならないという点で、厳密である。本発明の操作がまさに厳密である点は、分枝パイプとノズルの比較的短い長さである。これらの二つの構成要素の長さが短いほど、停止バルブを外部コントローラー(示していない)から開放するための指令と粉末のバレルへの開放の間のずれを短くする。この小さい時間的ずれの利点は、粉末をバレルに輸送するのに必要な圧縮空気の質量を精密に制御する能力である。粉末を懸濁に保つデトネーション・ガン操作の利点は、相対的に少ない量のキャリアー・ガスが粉末をバレルに有効に輸送するのに必要であるということである。これらの二つの特徴の組合わさった効果は、相対的に少ない精密に制御された量の圧縮空気がバレルに放出され、それがデトネーション波の温度および速度を実質的に減少させないことである。デトネーション波の温度および速度が実質的に妨害しないため、デトネーション由来の動的エネルギーがコーティング粉末に移され、良好に制御されたコーティングの質をもたらす。
本発明にかかるパウダー供給システムの他の態様において、デトネーション工程からの圧力は、第8図に示した高圧室を満たす圧縮空気源を補充するために利用される。導管41は、デトネーション工程が完了する点の下流側であって、リムーバル・チューブ37の上流側で、デトネーション・ガンのバレル13に設けられている。上記導管は、スロットル弁42と一方通行バルブ43を介して高圧室に連結されている。デトネーション波フロントがバレル下方へ移動し、上記導管の開口に到達すると、デトネーション・セルはデトネーション波フロントから回折し、上記導管中に移動する。デトネーション・セルからパウダー供給システムに移動する圧力の量は、スロットル弁によって制御される。圧縮空気源は、上記したように作用して、一定容量の空気をパウダー供給システムに提供するので、一方通行バルブの設置は、スパーク・プラグの連続的点火の間に空気流が上記導管を経由してバレルに入るのを妨げるために必要である。デトネーション・セルは、超音速でパウダー供給システムに移動するので、高圧室を極めて迅速に、かつスパーク・プラグの点火と実質的に同じ速度で満たすことを可能にする。スパーク・プラグの点火速度が上昇すると、高圧室を満たす速度もそのようになる。これは、デトネーション・ガン自身の沈降速度を限定することなく、パウダー供給システムを非常に速い速度で運転することを可能ならしめるものである。
本発明のデトネーション・ガンの更に他の態様は、基材に対する単一のバレルからの1回の適用により多層被覆を行うことが出来ることに関連する。第9図に示すように、デトネーション・ガン2のバレル13には、第1パウダー供給システム7と、当該第1パウダー供給システムの下流側に、第2パウダー供給システム8が設けられている。これら2つのパウダー供給システムは、一緒に作動して、前進するデトネーション波フロントの前方にパウダーを注入し、スパーク・プラグ14の各点火後に、基材上に層状被覆を形成する。本システムの有用性の1例は、基材に対してデトネーション・ガンを1回発射するだけでCr−NiCrの層状被覆を形成させ、良好な接着性をもった硬化性皮膜を与える点である。Crパウダーを、パウダー供給システム7を経て、NiCrの上流側でバレルに導入し、NiCrパウダーをパウダー供給システム8を経て導入する。NiCrはまず基材に衝突し、基材と良好な結合を確立し、次いでその後のCr衝突層に対する良好な結合層を提供する。本発明の一つの利点は、単一のバレルからの単一のパスにより多層被覆を施すことが出来る一方、層間における基材の調製、貯蔵および処理のような多数回にわたる被覆に伴う問題を除去する点である。本発明の他の利点は、バレルを下方に移動している間に、高密度の被覆粉末が低密度の被覆材料を捕捉する、いわゆる過剰混合の危険性を回避しつつ、異なった密度の被覆を利用出来る点である。上記態様において、NiCrはCrよりも高密度である。もしNiCrがCrの上方に、または同じ位置に、あるいはいっしょに導入された場合、バレルでNiCrはCrに対し過剰混合と称する追い越し現象を引き起こし、上記した望ましい被覆は達成されないことになる。バレルに対し、Crの下方で高密度のNiCrを導入すると、パウダーはバレル内で別れて移動し、基材上に望ましい多層Cr−NiCr被覆を生ずる。
上記した発明は、個々にあるいは種々の結合態様で、デトネーション・ガン法を利用した被覆品の品質と生産性を向上するのに貢献する。好ましい態様において、デトネーション波の速度は1000〜3600m/secである。これは公知技術と比較して最大速度で20%の上昇を示すものであり、密度、硬度および腐食抵抗の点でより良い被覆品質をもたらす。本発明の沈積速度は0.006〜1.38kg/mm・hrであって、これは公知技術に比較して68倍の生産性の向上を示すものである。
以上、本発明の特定の態様を説明のために記載したが、本発明の思想の範囲内において他の態様や修飾が可能であることは容易に理解される。従って本発明は、特許請求の範囲の記載を除いては、限定されるものではない。
図1は、本発明のデトネーション・ガンおよびパルス状粉体供給システムの一部断面立面図である。 図2は、本発明のラビリンスを図解した一部断面図を含む図である。 図2Aは、ラビリンスを示す図2の領域Iの円周方向の拡大図である。 図2Bは、ラビリンスの詳細を図解している図2Aにおいて概ね線B−Bに沿って軸方向からみた拡大図である。 図3は、ラビリンスのもう一つの好ましい態様の一部断面立面図である。 図3Aは、本発明の好ましい態様に従って三組の開いた開口を有する最初の位置に描かれた図3の領域Iの拡大図である。 図3Bは、本発明の好ましい態様に従って二組の開いた開口を有する2番目の位置に描かれた図3の領域Iの拡大図である。 図4は、本発明の好ましい態様のリコイル(recoil、または反動)システムの一部断面立面図である 図5は、従来技術の燃焼チャンバーをデトネーション波の表示とともに図解した図であり、燃焼チャンバーの中で反射したエネルギーの好ましくない影響を示している。 図6Aは、本発明のエネルギーブリード(bleed)システムの一例を示すデトネーション・ガンの一部断面平面図である。 図6Bは、本発明のもう一つの好ましいエネルギーブリードシステムの態様を示すデトネーション・ガンの一部断面立面図である。 図6Cは、本発明の複数のバレルを有するデトネーション・ガンの一部断面立面図である。 図7Aは、燃焼チャンバー内部におけるデトネーション波のフロントの進行を示した、本発明の好ましい態様に従った燃焼チャンバーおよびバレルの断面図である。 図7Bは、燃焼チャンバー内部におけるデトネーション波のフロントからデトネーションセルが回折する様子を示した、本発明の好ましい態様に従った燃焼チャンバーおよびバレルの断面図である。 図7Cは、バレルの中で回折したデトネーションセルの進行を示した、本発明の好ましい態様に従った燃焼チャンバーおよびバレルの断面図である。 図8は、本発明の好ましい態様による改良されたパルス状粉体供給装置の一部断面立面図である。 図9は、本発明の好ましい態様によるデトネーション・ガンおよび複数のパルス状粉体供給装置の一部断面立面図である。

Claims (9)

  1. デトネーション波のフロントからのエネルギーを利用して粉体被覆材料を下流方向へ被加工物に適用するガスデトネーション装置であって、燃料および酸素供給装置(16、17)、点火源(14)、粉体を供給する手段(7)、およびバレル(13)を有し、さらに:
    バレル(13)の上流に位置し、点火源(14)と通じている燃焼チャンバー(12)を含み
    燃焼チャンバー(12)は、デトネーション波のフロント(100)から回折したデトネーションセルを破壊し、かつ燃料および酸素供給装置(16、17)と通じるために、その側壁(27)に配置され、かつ組み込まれた少なくとも一つの複雑に入り組んだガスのパス(30)を有し、かつ
    燃料および酸素供給装置と、燃焼チャンバーとの間に、点火源の点火と同調して作動するバルブを有しない
    ガスデトネーション装置。
  2. デトネーション波のフロント(100)から回折したデトネーションセルを破壊し、かつ燃料および酸素供給装置(16、17)におけるバックファイアを防止するために、複雑に入り組んだガスのパス(30)が、連続した開口(72、71、28、29)を含むガスのパス(30)に対して垂直に位置する複数の平らな面(70、69、26)を含む請求項1に記載のガスデトネーション装置。
  3. デトネーション波のフロントからのエネルギーを利用して粉体被覆材料を下流方向へ被加工物に適用するガスデトネーション装置であって、燃料および酸素供給装置(16、17)、点火源(14)、粉体を運搬する手段(7)、およびバレル(13)を有し、さらに:
    点火源(14)とバレル(13)との間に位置する燃焼チャンバー(12)を含み;かつ
    燃焼チャンバー(12)は、互いに同心となるように接触した少なくとも2つの同心シリンダー(26、27)を含み、
    シリンダー(26、27)は、互いに選択的に位置合わせするための複数の開口(28、29)を有し、かつ燃焼チャンバー(12)と燃料および酸素供給装置(16、17)との間で連絡することができるよう燃焼チャンバー(12)の側壁(27)に配置されており、
    燃料および酸素供給装置と、燃焼チャンバーとの間に、点火源の点火と同調して作動するバルブを有しない
    ガスデトネーション装置。
  4. 同心シリンダー(26、27)が円周方向および軸方向に調節可能である請求項に記載のガスデトネーション装置。
  5. デトネーションセルの不必要な部分を破壊し、かつ燃料および酸素供給装置におけるバックファイアを防止するため、2つの連続した開口の間の位置合わせの量が軸方向ではデトネーションセルの高さよりも小さく、円周方向ではデトネーションセルの幅よりも小さくなるよう同心シリンダー(26、27)が互いに相対的に配置されている請求項に記載のガスデトネーション装置。
  6. デトネーション波のフロントから回折したデトネーションセルを破壊し、かつ燃料および酸素供給装置におけるバックファイアを防止するべく、隣接するシリンダーの側壁において複数の開口(28、29)がずらされており、2つの連続した開口の間の位置合わせの量が軸方向ではデトネーションセルの高さよりも小さく、円周方向ではデトネーションセルの幅よりも小さくなり、かつ少なくとも一組の開口の不一致が燃料および酸素の燃焼チャンバーへの流入を制限するべく完全に閉鎖されたガスのパスを規定するように、同心シリンダー(26、27)が互いに相対的に配置されている請求項に記載のガスデトネーション装置。
  7. 燃料および酸素供給装置(16、17)と燃焼チャンバー(12)の間に環状の混合チャンバー(25)を含み、さらに、この環状の混合チャンバー(25)は連続した配列において:
    燃焼および酸素供給装置と通じている第一のセクション;
    第一のセクションと通じている下流方向に向かって半径方向で収束している第二のセクション;
    第二のセクションと通じている下流方向に向かって放射状に広がっている第三のセクション;
    第三のセクションおよび燃焼チャンバーと通じており、かつ、バックファイアを防止するべく第二のセクションからの燃料供給を即座に遮るために、十分な燃焼バックフローが燃焼チャンバー(12)から混合チャンバーに入ることを許容する第四のセクション
    を含む、請求項1、2、3、4、5、もしくは6に記載のガスデトネーション装置。
  8. デトネーション波のフロントからのエネルギーを利用するガスデトネーション装置においてバックファイアを防止する方法であって、デトネーション波のフロント(100)は粉体被覆材料を下流方向へ被加工物に適用するデトネーションセルを有し、ガスデトネーション装置は、燃料および酸素供給装置(16、17)、点火源(14)、燃焼チャンバー(12)、燃焼チャンバー(12)の中に壁を有し燃料および酸素供給装置(16、17)と通じている複雑に入り組んだパス(30)、粉体を供給する手段(7)、およびバレル(13)を有し、かつ燃料および酸素供給装置と、燃焼チャンバーとの間に、点火源の点火と同調して作動するバルブを有しておらず、この方法は:
    デトネーション波のフロント(100)を燃焼チャンバー(12)の中で作りだし;
    デトネーション波のフロント(100)の一部が複雑に入り組んだパス(30)に入ることを許容し;そして、
    デトネーション波のフロント(100)を複雑に入り組んだパス(30)の壁に衝突させ、それによりデトネーションセルを破壊し、かつ燃料および酸素供給装置(16、17)に向かってバックファイアすることを防止する
    ことを含むバックファイア防止方法。
  9. 点火と点火の間に、不活性ガスで、燃焼チャンバーをパージすることを含まない、請求項に記載の方法。
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