JP4090378B2 - ストリーム制御方法およびそれを利用した端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ストリームの品質制御技術に関し、特にネットワークにおけるストリーム制御方法と、その方法を利用可能なパケット転送装置および端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロードバンドのネットワークが一般ユーザに普及し、画像や音声を利用したピア・ツウ・ピアによるリアルタイム通信や、映像を用いたストリーミング配信などネットワーク資源を多用するサービスの利用が盛んになっている。それに伴い、ユーザのネットワークサービスの品質に対する意識が高まり、品質の劣化にはユーザはたいへん敏感になってきており、ベストエフォート型のサービスを提供してきたインターネットにも、QoS(Quality of Service)の保証が強く求められている。また、ネットワークの利用形態としてパーソナルコンピュータ以外に、携帯電話やモバイル端末の利用も増えてきており、無線によるネットワークへのアクセスの機会が増えている。
【0003】
特に移動通信システムにおいては、端末のハンドオーバーにより通信経路が動的に変更され、ネットワークサービスの品質に影響するため、ハンドオーバーを考慮したネットワークサービスの品質制御が必要である。たとえば、特許文献1には、無線ゾーン内でチャネル切り替え中である移動端末に対して、チャネル切り替えが終了するまで基地局でパケットを蓄積して、チャネル切り替え後に移動元の基地局に到着したパケットを移動先の基地局に転送する移動端末用パケット交換機が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−252321号公報 (全文、第1−8図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
端末のハンドオーバーの際、一時的に端末とネットワークノード間の呼が切断され、端末が受信する音声や映像などのストリームデータが途切れる。呼が切断されている間に端末が受信すべきであったマルチメディアストリームのパケットをハンドオーバー動作後に端末へ送信することもできるが、ハンドオーバー動作にかかった時間分だけストリームデータの再生時刻が時間的に後方へずれてしまうことになり、リアルタイム性の要求されるストリーム通信では不都合が生じる。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ハンドオーバーの際に端末で受信されるストリームデータの品質を制御することのできるストリーム制御方法、およびその方法を利用可能なパケット転送装置と端末の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様はストリーム制御方法に関する。この方法は、端末のハンドオーバー動作中に前記端末が受信すべきストリームデータをハンドオーバー元のネットワークノードにおいて蓄積し、前記端末のハンドオーバー動作完了後に、その蓄積されたストリームデータをハンドオーバー先のネットワークノードに転送し、前記ハンドオーバー先のネットワークノードはハンドオーバー動作にかかった時間分を調整した状態で前記端末に前記蓄積されたストリームデータを送信する。ハンドオーバー直後にハンドオーバー先のネットワークノードで受信されるストリームデータを前記蓄積されたストリームデータに加えて、ハンドオーバー動作にかかった時間分を調整した状態で前記端末に送信してもよい。
【0008】
前記ハンドオーバー先のネットワークノードは前記蓄積されたストリームデータを前記端末で早送り再生される状態に変換した上で前記端末に送信してもよい。早送り再生される状態に変換するとは、たとえば、ストリームデータのパケットの転送間隔を短くしたり、ストリームデータを間引きしたり、フレームレートを落としたりすることであり、これにより、端末でストリームデータを再生するときに実質的に早送り状態になり、ハンドオーバー動作にかかった時間分が補正される。
【0009】
本発明の別の態様もストリーム制御方法に関する。この方法は、端末のハンドオーバー動作中に前記端末が受信すべきストリームデータをハンドオーバー元のネットワークノードにおいて蓄積し、前記端末のハンドオーバー動作完了後に、その蓄積されたストリームデータをハンドオーバー先のネットワークノードに転送し、前記端末は前記ハンドオーバー先のネットワークノードから受信される前記蓄積されたストリームデータをハンドオーバー動作にかかった時間分を調整した状態で再生する。前記端末は前記蓄積されたストリームデータを早送り再生してもよい。前記端末はハンドオーバー動作が完了するまでの間、前記ハンドオーバー元のネットワークノードから受信されたストリームデータをスロー再生してもよい。これにより、ハンドオーバー動作中にストリームデータの再生が途切れることがなくなる。さらに、前記端末は前記蓄積されたストリームデータをスロー再生から早送り再生に移行しながら再生してもよい。
【0010】
本発明のさらに別の態様はパケット転送装置に関する。この装置は、端末との間でパケットを送受信するパケット送受信部と、前記端末から受信されたパケットの解析結果にもとづき、前記端末のハンドオーバーを検出するハンドオーバー検出部と、前記端末がハンドオーバー動作中に受信すべきストリームデータを蓄積するデータ保存部と、蓄積された前記ストリームデータの送信タイミングを調整する制御部とを含む。パケット転送装置は、無線の基地局やアクセスポイントなどのネットワークノードに実現されるものである。
【0011】
本発明のさらに別の態様は端末に関する。この端末は、ネットワークノードとの間でパケットを送受信するパケット送受信部と、前記ネットワークノードから受信されたパケットの解析結果にもとづき、当該端末のハンドオーバーを検出するハンドオーバー検出部と、当該端末がハンドオーバー動作中に受信すべきであったストリームデータをハンドオーバー先のネットワークノードから取得して蓄積するデータ保存部と、蓄積された前記ストリームデータの再生タイミングを調整する制御部とを含む。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、実施の形態に係る移動体通信のネットワークの全体構成を示す。端末10は、最初、ハンドオーバー元基地局20に無線で接続し、インターネット12にアクセスしてサーバの提供するサービスを受けたり、他の端末とデータのやりとりを行ったりする。インターネット12は、ルータ14で接続された相互接続ネットワークであり、ハンドオーバー元基地局20は、有線の回線を介してルータ14に接続している。端末10が移動すると、端末10はハンドオーバー先基地局30にハンドオーバーして通信を継続する。ハンドオーバー先基地局30も有線の回線を介してインターネット12のルータ14に接続しており、端末10がハンドオーバー前からインターネット12から受けていたサービスを継続して提供することができる。
【0014】
図2は、端末10の構成を示す。端末10は、たとえば、モバイル端末、PDA(Personal Data Assistant)などの携帯電子機器、データ通信機能をもつ携帯電話などである。パケット送受信部46は、無線によりハンドオーバー元基地局20またはハンドオーバー先基地局30との間でパケットを送受信する。受信データ解析部42は、パケット送受信部46により受信されるパケットの損失率や遅延時間などの統計情報を解析する。
【0015】
ハンドオーバー検出部40は、受信データ解析部42による解析結果から端末10のハンドオーバーを検知する。たとえば、パケットの損失率が高くなったことから、端末10がハンドオーバーする直前にあることが検知される。また、ハンドオーバー検出部40は、無線の電波強度が弱くなったことからハンドオーバーする直前にあることを検知することもできる。ハンドオーバー検出部40がハンドオーバーを検出すると、送信データ生成部44は、ハンドオーバー先基地局30の識別情報を通知するためのメッセージを生成し、パケット送受信部46がそのメッセージをハンドオーバー元基地局20に送信する。
【0016】
ハンドオーバー検出部40は、端末10がハンドオーバーした後に、ハンドオーバーを検出することもできる。たとえば、ハンドオーバーにより接続先がハンドオーバー元基地局20からハンドオーバー先基地局30に変わるため、通信相手の識別情報を確認することにより、ハンドオーバーの検出が可能である。この場合は、送信データ生成部44は、ハンドオーバー後に、ハンドオーバー先基地局30の識別情報を通知するためのメッセージを生成し、パケット送受信部46がそのメッセージをハンドオーバー元基地局20に送信する。
【0017】
さらに、ハンドオーバー検出部40がハンドオーバーを検出すると、受信データ解析部42は、パケット送受信部46により受信されたストリームデータをデータ保存部43に供給し、データ保存部43がメモリ内にストリームデータを一時的に蓄積する。早送り・スロー再生制御部45は、データ保存部43により蓄積されたストリームデータをハンドオーバーの前後で早送りまたはスロー再生することにより、ストリームデータの再生タイミングを制御する。早送り・スロー再生制御部45により再生タイミングが調整されたストリームデータはモニタ/スピーカ47に入力され、動画や音声として出力される。なお、ハンドオーバーの生じていない間は、受信データ解析部42は、パケット送受信部46により受信されたストリームデータを直接モニタ/スピーカ47に供給する。
【0018】
図3は、パケット転送装置の一例としてのハンドオーバー元基地局20およびハンドオーバー先基地局30の構成を示す。ハンドオーバー元基地局20とハンドオーバー先基地局30は同じ構成をもち、端末10のハンドオーバー時における動作が異なるだけであるから、ここではこれらを区別することなく、構成を説明し、動作を説明するときには適宜ハンドオーバー元基地局20とハンドオーバー先基地局30を区別して説明する。同図に示す構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたストリーム制御機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
有線ネットワークインタフェース50は、ルータ14との間でパケットの送受信を行う。送信データ生成部54は、有線ネットワークインタフェース50において受信されたデータをもとに、無線リンクで端末10へ送信するためのパケットを生成し、パケット送受信部56へ供給する。パケット送受信部56は、送信データ生成部54により生成されたパケットを端末10へ送信する。
【0020】
受信データ解析部52は、パケット送受信部56により端末10から受信されたパケットを解析して、パケットの損失率や再送回数などの統計情報を取得する。ハンドオーバー検出部60は、受信データ解析部52の解析結果にもとづいて端末10のハンドオーバーを検出する。たとえば、端末10から受信されるパケットの損失率が高くなると、端末10がハンドオーバー直前にあることがわかる。また、ハンドオーバー検出部60は、アダプティブアレイ・アンテナをもち、電波強度から端末のハンドオーバーを予測するとともに、端末の移動方向を検出するように構成することもできる。その場合、ハンドオーバー検出部60は、隣接する他のネットワークノードに関する情報をもち、ハンドオーバー先を特定する。
【0021】
ハンドオーバー元基地局20において、ハンドオーバー検出部60により端末10のハンドオーバーが検出されると、データ保存部58は、有線ネットワークインタフェース50を介してルータ14から受信されるストリームデータをメモリ内に一時的に蓄積する。端末10のハンドオーバー動作が完了すると、データ保存部58に蓄積されたストリームデータは、有線ネットワークインタフェース50を介して、ハンドオーバー先基地局30に転送される。ハンドオーバー先基地局30において、データ保存部58がハンドオーバー元基地局20から転送されたストリームおよびハンドオーバー後に受信されるストリームを蓄積する。早送り再生制御部57は、ストリームデータが端末10で早送り再生されるように、データ保存部58により蓄積されたストリームデータの送信タイミングを調整する。送信データ生成部54は、早送り再生制御部57により送信タイミングの調整されたデータをもとに、無線リンクで端末10へ送信するためのパケットを生成し、パケット送受信部56へ供給する。なお、早送り再生制御部57による送信タイミングの調整が必要でない場合は、データ保存部58により蓄積されたストリームデータは直接、送信データ生成部54に供給される。
【0022】
以上の構成の端末10、ハンドオーバー元基地局20、およびハンドオーバー先基地局30によるストリーム制御手順を説明する。
【0023】
図4は、ハンドオーバー先基地局30におけるストリームの送信速度制御手順を示すシーケンス図である。ハンドオーバー元基地局20の受信データ解析部52は、端末10から受信するデータを解析する(S10)。この解析の結果にもとづいて、ハンドオーバー検出部60は、端末10のハンドオーバー動作を検出する(S12)。端末10のハンドオーバー動作が検出された場合(S12のY)、データ保存部58は、端末10へ送信されるべきストリームデータのパケットの蓄積を開始し(S14)、端末10のハンドオーバー先が判明するまで(S16のN)、ストリームデータの蓄積を継続する。端末10からの通知やハンドオーバー先基地局30からの通知などにより、端末10のハンドオーバー先が判明すると(S16のY)、蓄積されたストリームデータのパケットをハンドオーバー先へ転送する(S18)。ストリームデータのパケットはハンドオーバー元基地局20からハンドオーバー先基地局30へ転送される(S20)。
【0024】
ハンドオーバー先基地局30のデータ保存部58は、ハンドオーバー元基地局20から転送されるストリームデータのパケットの蓄積を開始し(S22)、端末10のハンドオーバー動作が完了するまで(S24のN)、ストリームデータの蓄積を継続する。端末10のハンドオーバー動作が完了すると(S24のY)、早送り再生制御部57は、データ保存部58により蓄積されたストリームデータおよび端末10のハンドオーバー直後に受信するストリームデータのパケットの送信間隔を短くして送信タイミングを調整する(S26)。早送り再生制御部57は、音声の場合は話速変換技術などによって、映像の場合はフレームの間引きなどによって、ストリームデータを早送り再生の状態に変換してもよい。
【0025】
送信データ生成部54は、早送り再生制御部57により送信タイミングが調整されたストリームデータを無線リンクで端末10へ転送するためにパケットを生成する(S28)。パケット送受信部56は送信タイミングの調整されたパケットをハンドオーバー後の端末10へ転送する(S30)。
【0026】
図5は、図4で説明したハンドオーバー先基地局30におけるストリームの送信速度制御を模式的に説明する図である。ここでは、ストリームの例として、動画を挙げ、動画フレームが早送り再生される様子を模式的に示す。ハンドオーバーが起こる前にハンドオーバー元基地局20で受信された動画フレームAは端末10に送信され、端末10は受信した動画フレームA'を標準的な再生速度で再生する。
【0027】
端末10のハンドオーバー動作が行われている間は、ハンドオーバー元基地局20には、斜線で示した動画フレームBが蓄積される。ハンドオーバー先が判明された時点で、ハンドオーバー元基地局20に蓄積された動画フレームBはハンドオーバー先基地局30へ転送される。ハンドオーバー先基地局30は、ハンドオーバー元基地局20から転送された動画フレームB'を蓄積しておき、ハンドオーバー動作が完了すると、蓄積された動画フレームB'を端末10へ転送する。またハンドオーバー先基地局30は、ハンドオーバー動作の完了直後に受信される動画フレームCの送信間隔を短くして、端末10へ送信する。ハンドオーバー後の端末10では、ハンドオーバー先基地局30から送信された動画フレームC'が早送り再生されて、徐々に標準的な再生速度に近づくことになる。これにより、ハンドオーバー動作にかかった時間分が補正されて再生時刻の時間的なずれが解消される。
【0028】
図6は、端末10におけるストリームの再生速度制御手順を示すシーケンス図である。ハンドオーバー元基地局20において、図4のステップS10からステップS18までが行われ、端末10のハンドオーバー動作中に蓄積されたパケットがハンドオーバー先基地局30に転送される(S20)。
【0029】
端末10の受信データ解析部42は、ハンドオーバー元基地局20から受信するデータを解析する(S40)。この解析の結果にもとづいて、ハンドオーバー検出部40は、端末10のハンドオーバー動作を検出する(S42)。端末10のハンドオーバー動作が検出された場合(S42のY)、データ保存部43は、ハンドオーバー元基地局20から受信されたストリームデータのパケットを蓄積する(S44)。蓄積されたストリームデータは、早送り・スロー再生制御部45によりスロー再生されて、モニタ/スピーカ47から出力される(S46)。
【0030】
ハンドオーバー先基地局30のデータ保存部58は、ハンドオーバー元基地局20から転送されるストリームデータのパケットの蓄積を開始し(S22)、端末10のハンドオーバー動作が完了するまで(S24のN)、ストリームデータの蓄積を継続する。端末10のハンドオーバー動作が完了すると(S24のY)、送信データ生成部54は、データ保存部58により蓄積されたストリームデータおよび端末10のハンドオーバー直後に受信するストリームデータを無線リンクで端末10へ転送するためにパケットを生成する(S28)。パケット送受信部56は生成されたパケットをハンドオーバー後の端末10へ転送する(S30)。
【0031】
ハンドオーバー先基地局30からハンドオーバー後の端末10へストリームデータのパケットが転送される(S32)。端末10のデータ保存部43は、転送されたパケットを蓄積する(S48)。早送り・スロー再生制御部45は、蓄積されたストリームデータをスロー再生から徐々に早送り再生へと移行しながら再生する(S50)。データ保存部43により蓄積されたパケットが全て再生されるまで(S52のN)、ステップS50を行い、蓄積されたパケットが全て再生されると(S52のY)、受信データ解析部42は、パケット送受信部46により受信されたストリームデータのパケットをモニタ/スピーカ47へ直接供給し、通常速度で再生する(S54)。
【0032】
図7は、図6で説明した端末10におけるストリームの再生速度制御を模式的に説明する図である。ハンドオーバー元基地局20から端末10へハンドオーバーの通知がなされるか、端末10によりハンドオーバーが検知されるなどによりハンドオーバーが予測された時点から実際のハンドオーバー動作までの間に、ハンドオーバー元基地局20は動画フレームAを受信する。この動画フレームAは、端末10に通常の送信間隔で送信されるが、端末10では、ハンドオーバー元基地局20から受信した動画フレームA'をスロー再生し、その再生時間をハンドオーバーが完了する時点まで引き延ばす。
【0033】
端末10のハンドオーバー動作が行われている間は、ハンドオーバー元基地局20には、斜線で示した動画フレームBが蓄積される。ハンドオーバー先が判明された時点で、ハンドオーバー元基地局20に蓄積された動画フレームBはハンドオーバー先基地局30へ転送される。ハンドオーバー先基地局30は、ハンドオーバー元基地局20から転送された動画フレームB'を蓄積しておき、ハンドオーバー動作が完了すると、蓄積された動画フレームB'を端末10へ転送する。またハンドオーバー先基地局30は、ハンドオーバー動作の完了直後に受信される動画フレームCを端末10へ転送する。このとき、ハンドオーバー先基地局30では動画フレームCの送信間隔の調整は行わない。端末10は、既にスロー再生されていた動画フレームA'の再生速度に合わせて、ハンドオーバー先基地局30から転送された動画フレームC'を最初はスロー再生する。その後、端末10は、転送された動画フレームC'を徐々に早送り再生し、最後には標準的な再生速度に近づける。これにより、ハンドオーバー動作中も、動画がスロー再生され、途切れることがない。またスロー再生から早送り再生を経て、標準速度に戻るため、ハンドオーバーの前後で動画の再生品質を維持することができる。
【0034】
図8は、ハンドオーバー先基地局30におけるストリームの送信速度制御と、端末10におけるストリームの再生速度制御を組み合わせた手順を示すシーケンス図である。ハンドオーバー元基地局20において、図4のステップS10からステップS18までが行われ、端末10のハンドオーバー動作中に蓄積されたパケットがハンドオーバー先基地局30に転送される(S20)。
【0035】
端末10におけるハンドオーバー検出からスロー再生までの手順(S40〜S46)は、図6と同じである。
【0036】
ハンドオーバー先基地局30のデータ保存部58は、ハンドオーバー元基地局20から転送されるストリームデータのパケットの蓄積を開始し(S22)、端末10のハンドオーバー動作が完了するまで(S24のN)、ストリームデータの蓄積を継続する。端末10のハンドオーバー動作が完了すると(S24のY)、早送り再生制御部57は、データ保存部58により蓄積されたストリームデータおよび端末10のハンドオーバー直後に受信するストリームデータのパケットの送信間隔を短くしたり、フレームを間引きするなどにより、パケットの送信タイミングを調整する(S26)。送信データ生成部54は、早送り再生制御部57により送信タイミングが調整されたストリームデータを無線リンクで端末10へ転送するためにパケットを生成する(S28)。パケット送受信部56は送信タイミングの調整されたパケットをハンドオーバー後の端末10へ転送する(S30)。
【0037】
ハンドオーバー先基地局30からハンドオーバー後の端末10へストリームデータのパケットが転送される(S32)。端末10の受信データ解析部42は、ハンドオーバー先基地局30から受信されたストリームデータのパケットをモニタ/スピーカ47に直接供給して再生する(S47)。ハンドオーバー先基地局30から供給されるパケットは転送速度が既に調整されているため、端末10で再生速度を制御しなくても、そのまま再生することで早送り再生が行われる。
【0038】
以上述べたように、本実施の形態によれば、端末10のハンドオーバー動作中にハンドオーバー元基地局20で受信されたストリームデータが一時的に蓄積され、ハンドオーバー動作完了後に、その蓄積されたストリームデータがハンドオーバー先基地局30経由で端末10に転送される。したがって、ハンドオーバー動作により、音声や映像が途切れることを防ぐことができる。また、ハンドオーバー前後で、ストリームの再生速度が調整されることにより、ハンドオーバー時のストリーム通信の品質の劣化を防ぐことができる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0040】
そのような変形例として、上記の説明では、パケット転送装置の一例として無線基地局を説明したが、パケット転送装置は、無線LANにおけるアクセスポイントとして構成されてもよい。また、上記の説明では、端末のハンドオーバー元とハンドオーバー先の基地局は有線のネットワークにより接続されていたが、基地局間の通信形態は無線、有線を問わない。
【0041】
図4および図5の説明では、ハンドオーバー先基地局30がハンドオーバー動作中およびその直後のストリームデータの送信タイミングを調整したが、ハンドオーバー先基地局30では送信タイミングを調整せずに端末10にストリームデータを送信し、端末10側でストリームデータを早送り再生してもよい。
【0042】
実施の形態では、ハンドオーバー先基地局30がハンドオーバー動作中のストリームデータを早送り再生の状態に変換したが、これはハンドオーバー元基地局20において行われてもよい。たとえば、ハンドオーバー元基地局20において間引きするなどによりストリームデータの調整を行った上で、ハンドオーバー先基地局30に転送すれば、データの転送時間を短くすることができ、ハンドオーバー時に生じるタイムラグを短縮できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、ハンドオーバーの際にストリームの再生品質の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る移動体通信のネットワークの全体構成図である。
【図2】 図1の端末の構成図である。
【図3】 図1のハンドオーバー元基地局およびハンドオーバー先基地局の構成図である。
【図4】 ハンドオーバー先基地局におけるストリームの送信速度制御手順を示すシーケンス図である。
【図5】 図4で説明したハンドオーバー先基地局におけるストリームの送信速度制御を模式的に説明する図である。
【図6】 端末におけるストリームの再生速度制御手順を示すシーケンス図である。
【図7】 図6で説明した端末におけるストリームの再生速度制御を模式的に説明する図である。
【図8】 ハンドオーバー先基地局におけるストリームの送信速度制御と、端末におけるストリームの再生速度制御を組み合わせた手順を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
10 端末、 12 インターネット、 14 ルータ、 20 ハンドオーバー元基地局、 30 ハンドオーバー先基地局、 40 ハンドオーバー検出部、 42 受信データ解析部、 43 データ保存部、 44 送信データ生成部、 45 早送り・スロー再生制御部、 46 パケット送受信部、 47モニタ/スピーカ、 50 有線ネットワークインタフェース、 52 受信データ解析部、 54 送信データ生成部、 56 パケット送受信部、 57早送り再生制御部、 58 データ保存部、 60 ハンドオーバー検出部。
Claims (2)
- 端末のハンドオーバー動作中に前記端末が受信すべきストリームデータをハンドオーバー元のネットワークノードにおいて蓄積し、前記端末のハンドオーバー動作完了後に、その蓄積されたストリームデータをハンドオーバー先のネットワークノードに転送し、前記端末は前記ハンドオーバー先のネットワークノードから受信される前記蓄積されたストリームデータをハンドオーバー動作にかかった時間分を調整した状態で再生することを特徴とするストリーム制御方法であって、
前記端末は、ハンドオーバ動作を検出してからハンドオーバー動作が完了するまでの間、前記ハンドオーバー元のネットワークノードから受信されたストリームデータをスロー再生し、ハンドオーバ動作の完了後、前記ハンドオーバー先のネットワークノードから受信されたストリームデータをスロー再生から早送り再生に移行しながら再生し、最終的に標準的な再生速度に近づけることを特徴とするストリーム制御方法。 - ネットワークノードとの間でパケットを送受信するパケット送受信部と、
前記ネットワークノードから受信されたパケットの解析結果にもとづき、当該端末のハンドオーバーを検出するハンドオーバー検出部と、
当該端末がハンドオーバー動作中に受信すべきであったストリームデータをハンドオーバー先のネットワークノードから取得して蓄積するデータ保存部と、
蓄積された前記ストリームデータの再生タイミングを調整する制御部とを含み、
前記制御部は、ハンドオーバ動作を検出してからハンドオーバー動作が完了するまでの間、前記ハンドオーバー元のネットワークノードから受信されたストリームデータをスロー再生し、ハンドオーバ動作の完了後、前記ハンドオーバー先のネットワークノードから受信されたストリームデータをスロー再生から早送り再生に移行しながら再生し、最終的に標準的な再生速度に近づけることを特徴とする端末。
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