JP4089873B2 - プラズマ処理装置およびその初期化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置およびその初期化方法にかかり,特に,プラズマ処理装置のクリーニング後や,他のプロセスを行う場合,あるいはパーティクル発生防止等のための,プラズマ処理装置の初期化が効率よく行えるプラズマ処理装置およびその初期化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造においては,昨今,高密度化および高集積化が進んでいる。このため,デザインルールが厳しくなり,例えば,ゲート配線パターンなどの線幅は一層小さくなり,下層の半導体デバイスと上層の配線層との接続部であるコンタクトホールでは高アスペクト比化が進んでいる。
【0003】
このように,厳しいデザインルールで設計された半導体装置の製造のためには,その製造工程の管理は重要である。例えばエッチングの工程においては,微細なパターンや高アスペクト比を有するコンタクトホールのエッチングを確実に行わなくてはならない。このため,エッチングレートを管理し,所望のパターンを確実に形成することが不可欠である。
【0004】
ところが,エッチングを行うプラズマ処理装置,特に誘導結合プラズマ(以下ICPという)により行われるプラズマ処理装置においては,例えば石英等からなるチャンバーに電位がかかっていないため,エッチングされた材料がチャンバー内壁等に異物として付着しやすい。このチャンバー内壁等に付着した異物は,エッチング時のプラズマ状態に影響を及ぼし,エッチングレートを変動させる要因になる。
【0005】
特に,半導体装置の進歩に伴う多様な要求に応えるため,種々のプロセスを行う場合がある。一例を挙げると,コンタクトホールにタングステン等の材料を埋め込む前に,コンタクトホール底部表面が酸化したり変質したりして生じた酸化膜(例えばSiO)をエッチングする必要がある。しかし,通常エッチングされる酸化膜以外の導電材料,例えばPoly−Si,W,WSi,CoSi等の材料をエッチングする場合には,その後再び酸化膜をエッチングするとメモリー効果と呼ばれる現象を引き起こす。
【0006】
メモリー効果とは,次のような現象である。例えばCoSiなどの金属材料からなる膜をエッチングすると,エッチングされた物質が石英材からなるチャンバー内やその内壁などに付着し,プラズマ内に生成した電子やイオン等が付着物を介して接地されることによりプラズマが不安定となり,プラズマ状態に影響を受ける。よってその直後,酸化膜をターゲットとして同一条件でエッチングを行っても,プラズマが不安定になっているので,定常状態のエッチングレートにならないという現象である。つまり通常エッチングする膜以外のものをエッチングすると,通常チャンバー内やその内壁に付着するものとは異なる材料が付着し,これによりプラズマに対するインピーダンスが変化し,ひいてはプラズマ状態が影響を受け,メモリー効果が引き起こされることになる。
【0007】
図18は,従来のプラズマ処理装置における,半導体ウェハ載置部10の一例を示す概略断面図である。図18に示すように,半導体ウェハ載置部10は,ガイドリング80およびサセプタ153aを有している。
【0008】
サセプタ153aは,例えばAlNなどからなる。ガイドリング80は,例えばSiOなどの石英材からなり,サセプタ153aの外周を囲うような形状で,上面はサセプタ153aよりも上方に位置し,半導体ウェハ1の外周をガイドして的確な位置に載置できように構成される。
【0009】
このような半導体ウェハ載置部10を有するプラズマ処理装置で,例えば,通常SiO膜の半導体ウェハのエッチングを行っている場合,途中で,Poly−Siで表面が覆われた半導体ウェハの表面のエッチングを行った後,続いて表面がSiOのウェハをエッチングした際,エッチングレートが低下する。この場合,例えばSiO膜の半導体ウェハを5枚(エッチング時間として例えば150秒相当)の処理を行わないと通常のエッチングレートに回復しないという事態が起こる。
【0010】
これは,Poly−SiのSiが飛散しチャンバー内壁表面に付着したために減衰していたプラズマ状態が,SiO膜の半導体ウェハを数枚エッチングしたことによりチャンバー内部に再び酸化物がある程度堆積され,プラズマ状態が元の定常状態に戻るためと考えられる。
【0011】
そこで,エッチングレートを定常状態に戻すためには,ダミーウェハを用いてのエッチングが行われる。しかしながら,ダミーウェハを用意するには,時間,労働力,および費用が不可欠であり,生産および作業効率を悪化させる点で好ましくない。
【0012】
また,チャンバー内壁に付着した付着物は,例えばClFガスを用いたクリーニングではエッチング除去しづらく,また行ったとしても,装置が定常状態に復帰するためにはやはり,一定枚数のダミーウェハを用いたエッチングを行わなくてはならない。
【0013】
さらに,複数の半導体ウェハのエッチング処理を行った場合は,装置の稼動時間が長くなるので,チャンバーの内壁に付着した付着物が厚くなって膜応力により剥がれたり,処理ガス中のイオンおよびラジカルにより付着物が還元,侵食などストレスが付加されて剥がれたりすることにより,パーティクルとして発生することがある。
【0014】
このような場合にはやはり,表面が酸化膜で覆われたウェハをダミーウェハとしてプラズマ処理を行って,チャンバー内壁に酸化物を付着させるとパーティクルの発生が押さえられることもわかっている。しかしながら,この作業も,生産および作業効率の点から好ましくない。
【0015】
また,サセプタ153aの周囲に配されるガイドリング80は,上面はサセプタ153aよりも上方に位置するように構成されているため,ウェハの周囲においてプラズマが乱れる要因となり,成膜やエッチングなどのプラズマ処理の面内均一性を損なうという問題点もあった。
【0016】
また,従来,誘電体壁,特にベルジャー型誘電体壁と処理室の間をシールするために,Oリングや,両面が平面に形成された平型またはL型のガスケットが使用されていた。
【0017】
しかしながら,Oリングを使用した場合には,破損対策のためにOリングの接触面以外を保護する必要があった。また,平型またはL型のガスケットを使用した場合には,シール面に十分な面圧が確保できず,真空漏洩が生じやすいという問題点があった。
【0018】
さらにまた,従来,処理室内に処理ガスを導入する際には,天井部に複数のガス導入孔が形成された構造,いわゆるシャワーヘッドを用いて天井部から導入を行っていた。
【0019】
しかしながら,シャワーヘッド構造では,ウェハとガス導入孔との間隔が処理装置の構造に応じて制限され,またウェハ外周部のガス分布が変化するため,成膜やエッチングなどのプラズマ処理の面内均一性を損なうという問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,従来のプラズマ処理装置およびその初期化方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,装置の立ち上げが効率よく行え,酸化膜以外の材料のエッチングを適宜行うことができ,パーティクル発生を防止することの可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置およびその初期化方法を提供することである。
【0021】
さらに,本発明の別の目的は,処理装置内における載置台など当該装置を構成する部材の材質組成に基づく金属汚染を防止することが可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置を提供することである。
【0022】
さらに,本発明の別の目的は,ウェハ上でガスの流れが均一となり,プラズマを処理面全面において均一に分布させることにより,成膜やエッチングなどのプラズマ処理の面内均一性を向上させることが可能な,新規かつ改良されたガス導入構造を有するプラズマ処理装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明によれば,誘電体壁を介して処理室内に誘導プラズマを励起するように構成されたプラズマ処理装置において,処理室内において被処理体を載置する載置台の少なくとも載置面を着脱自在に覆うことが可能な誘電体部材,例えば石英を備えるプラズマ処理装置が提供される。
【0024】
かかる構成によれば,プラズマ処理装置において処理中にパーティクル発生等のトラブルが発生した際にチャンバー内をwet cleaningなどの清掃を行った場合や定期的なメンテナンスをした場合等に,またエッチング対象物,例えばメタルエッチングから酸化膜エッチングへ移行する場合など別のプロセスへ移行する場合に,さらにはチャンバー内を初期状態に戻す場合など載置台上に配置する誘電体部材をプラズマ中にてエッチングすることで,ダミーウェハを用いずに効率よくプラズマ処理装置のチャンバー内を初期化することができると共に,載置台の載置面は誘電体部材でおおわれているので,たとえ載置台を構成する材料が金属等の不純物が含まれていても,チャンバー内や被処理体がこの金属に汚染されることを防止することができる。
【0025】
また,誘電体部材の載置面の周囲には,被処理体をガイドするガイドリングが形成されていてもよく,ガイドリングの表面は,前記被処理体の処理面よりも低い位置に形成されていてもよい。誘電体部材は,載置台の上部に被せることが可能な凹部状をなすことができる。さらに誘電体部材は,相互に分離可能な載置面部とガイドリング部とから成るアセンブリとして構成してもよい。
【0026】
かかる構成によれば,被処理体および誘電体部材を的確に載置可能であり,また,プラズマを被処理体の処理面において均一化することが可能であるとともに,誘電体部材の製造および消耗時の交換が容易になる。
【0027】
さらに本発明の別の観点によれば,誘電体壁,例えばベルジャー形状の誘電体壁を介して処理室内に誘導プラズマを励起するように構成されたプラズマ処理装置において,誘電体壁と処理室との間には,フッ素系エラストマー材料から成り,その両面に少なくとも一列の環状突起が形成された平型のガスケットが配されることを特徴とする,プラズマ処理装置が提供される。
【0028】
かかる構成によれば,シール面全体を保護することが可能であると共に,適切な面圧を確保することが可能なので,より気密性の高いプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
【0029】
さらに,本発明の別の観点によれば,処理室内に配された被処理体に対してプラズマ処理を施すように構成されたプラズマ処理装置において,処理室の側壁と天井部との間には,処理室の上方に向かって開孔する複数のガス噴出孔を備えたガス導入リングが配されることを特徴とする,プラズマ処理装置が提供される。
【0030】
ガス噴出孔は,上向きのテーパ面に開孔していてもよく,ガス噴出孔は,処理室の一点に向けて開孔していてもよい。また,プラズマ処理装置は,ベルジャー型誘電体壁を介して処理室内に誘導プラズマを励起するものであり,天井部は,ベルジャー型誘電体壁であってもよい。
【0031】
かかる構成によれば,処理室の側面から,処理室の所定位置,例えば中央部に向けて均一にガスを噴出することが可能となる。その結果,ガスの流れがウェハ上で均一となり,プラズマも均一に生成され,成膜やエッチングなどのプラズマ処理の面内均一性を向上させることができる。
【0032】
さらに,誘電体壁を介して処理室内に誘導プラズマを励起するように構成され,処理室内において被処理体を載置する載置台の少なくとも載置面を着脱自在に覆うことが可能な誘電体部材を備えたプラズマ処理装置の初期化方法であって,プラズマ処理装置の初期化時には,誘電体部材を露出させた状態で,所定時間にわたり,処理室内にプラズマを励起して,プラズマを安定して生成させることができるプラズマ処理装置の初期化方法が提供される。このプラズマ処理装置の初期化は,他のプロセスへの移行時,プラズマ処理装置の立ち上げ時またはパーティクル発生時に行われる。初期化の際,処理室内にはArガスのプラズマを励起して,プラズマが安定して生成されるようにしてもよい。
【0033】
上記方法によれば,プラズマ処理装置の初期化を,稼働率の点で効率良く行うことができ,パーティクル発生防止にも効果があることから,信頼性の高いプロセスが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかるプラズマ処理装置およびその初期化方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0035】
(第1の実施の形態)
図1は,本発明の第1の実施形態にかかるプラズマ処理装置を示す概観図である。図1に示すように,プラズマ処理装置150は,半導体ウェハ上の酸化膜やその他材料の膜を除去するエッチング装置であり,誘導結合プラズマ(ICP)方式を採用することができる。
【0036】
この装置150は,略円筒状のチャンバー151,および略円筒状のベルジャー152を有している。ベルジャー152は,チャンバー151の上方に,後述するガスケット179を介して,気密に設けられている。ベルジャー152は,例えば石英やセラミックス材料等の誘電体材料で形成されている。
【0037】
チャンバー151内には,サセプタ153が備えられている。サセプタ153は,被処理体である半導体ウェハ(以下単にウェハという)1を水平に支持するためのものである。サセプタ153の上面には,本実施の形態にかかる誘電体部材180が配されているが,その詳細な構造については,後述する。なお,誘電体部材180はサセプタ153により支持されているが,より確実に支持するため図1に示すようにチャンバー151の底面から起立したシャフト184を設けて誘電体部材180を支持させるようにしてもよい。このシャフト184は1つでもよいし,また複数設けてもよい。例えば誘電体部材180のサセプタ153より外側に張出した部分を支持するシャフト184を3本又は4本設け,各シャフト184をそれぞれ誘電体部材180の周方向に等間隔に配置してもよい。
【0038】
支持部材154は,略円筒形状をなし,サセプタ153を支持している。ヒータ156はウェハ1を加熱するために,サセプタ153内に埋設されている。電源175は,電源接続線177を介してヒータ156に電力を供給する。
【0039】
コイル157は,アンテナ部材としてベルジャー152の周囲に巻回されている。高周波電源158は,整合器159を介して,コイル157に接続されている。高周波電源158は,例えば450kHz〜60MHz(好ましくは450kHz〜13.56MHz)の周波数を有する高周波電力を発生可能である。
【0040】
ここで,ベルジャー152上部の構成について説明する。図3は,ベルジャー152上部の構成を示す概略断面図,図4は,図3に示すP部分の拡大図である。この図3に示すように,ベルジャー152外部の上部には,サセプタ153に対する対向電極201が設けられている。対向電極201は,Al等により形成され,ベルジャー152との間に,中心部に配置されるベルジャー152との緩衝防止用のキャップ203,スペーサリング205を介して設けられている。キャップ203,スペーサリング205はテフロン(登録商標)などの樹脂で形成され,ベルジャー152を密閉するように押えている。
【0041】
対向電極201は,その上部に設けられたAl製のカバー207に接続され,更にカバー207は,ベルジャー152側面を覆うAl製のシースカバー209に接続されている。対向電極201は,カバー207,シースカバー209を介して接地されている。
【0042】
カバー207の更に上方には,整合器159が設けられており,図3のP部分を介してコイル157と電気的に接続されている。図4に示すように,P部分は,整合器159と接続された電極211,電極211に接続された電極213,電極213に接続された電極215,及び電極215にネジ219により接続された電極217を有し,各電極は取外しが可能となっている。さらに電極217は,クリップ221に接続され,クリップ221がコイル157を狭持することで,整合器159とコイル157が電気的に接続される。
【0043】
クリップ221は,電極217とコイル157とを電気的に接続させる機能を有すればよく,図5に示したように,接続部223をネジ225によりコイル157に接続するようにしてもよい。電極213,215は,銅に銀をコートしたものなどが用いられる。電極213,215の外側は,アミド系樹脂などの耐熱樹脂で形成されたカバー227で被覆され,さらにAl製のカバー229で覆われている。上記のように,高周波電源158から整合器159を介してコイル157に高周波電力を供給することにより,ベルジャー152内に誘導電磁界が形成される。
【0044】
ガス供給機構160は,半導体ウェハ表面をエッチングするためのArを供給するAr供給源161,および金属材料の酸化物を還元するためのHを供給するH供給源162を有している。ガスライン163および164は,各々ガス供給源161および162に接続されている。バルブ165,178,およびマスフローコントローラ166が各ラインに設けられている。
【0045】
ガス導入リング167は,ベルジャー152とチャンバー151側壁の天井部との間に環状に設けられ,矢印に示す方向,すなわちベルジャー152内の空間部155の中央部(α点)に向けて処理ガスを噴出可能であり,チャンバー151側壁の上部にボルト等によりガスケット179を介して気密に固定されている。そして,ガス導入リング167の内周側壁面には,空間部155の略中央部に向けて処理ガスを噴出する複数のガス導入孔167aが形成されている。このガス導入孔167aは,ベルジャー152の外側に配置する誘導コイルの巻数(コイルの高さ)の1/2の位置で空間部155の中央部に向かって処理ガスを噴出させる角度に配置されている。またガス導入孔167aは等間隔に配置しているので,ベルジャー152の空間部155内に均一に処理ガスを噴出することができる。
なお,このガス導入孔167aは,これに限られず,装置の大きさに応じて均一な流れを形成するように個数や噴出均等角度が調整される。本実施の形態では,20個形成されている。またガス導入孔167aの噴出均等角度は,成形角度により任意にすることができ,空間部155の中央部,すなわち半導体ウェハ上部に向けた角度(固定)としてもよい。
【0046】
図6にも示すように,ガス導入リング167には環状に形成された溝167bと連通するガス通路167dが設けられ,このガス通路167dにはガスライン163および164が接続されている。ガスライン163および164からのガスはガス通路167dを介してガス導入リング167内に注入され,ガス導入孔167aを介してエッチングガスが空間部155中央に向け導入される。
【0047】
ガス導入リング167は,図6に示すように,空間部155側の側面167cを垂直に形成し,その垂直面である側面167cにガス導入孔167aを開孔させるように構成することができる。ただし,かかる構成の場合には,孔上部から噴出するガス流Aと,孔下部から噴出するガス流Bとの間に速度差が生じるため,ガス導入孔167aから処理ガスが噴出した際に,ガス導入孔167aの出口付近で乱流(渦巻流)が形成されることなどから,空間部155内に均一にガスを導入することができない。
【0048】
そこで,図7に示すように,ガス導入リング167の空間部155側の側面167cにテーパ面167fを形成し,このテーパ面167fに対して,上向きに形成されたガス導入孔167aが略垂直に開孔し,さらにガス導入孔167aの方向は誘導コイルの巻数(コイルの高さ)の1/2の高さ位置になるように角度調整可能に構成することにより,孔上部から噴出するガス流Aと,孔下部から噴出するガス流Bとの間の速度差を軽減し,チャンバー内にガスを均一に導入することが可能となる。また,ガス導入孔167aの,空間部155側の出口付近は,出口167gのように面取りされ,ガス噴出時の抵抗を軽減するように構成することが好ましい。
【0049】
次に,図8を参照しながら,ガス導入リング167内の溝167bにガスを導入するためのガス通路167dの構成について説明する。図8は,ガス通路167dの構成を示す図であり,同図(a)は,上方からの概観図,同図(b)は同図(a)のQ方向からの概観図,同図(c)は,同図(a)のR−R断面の概観図である。
【0050】
図8に示すように,ガス導入リング167には,内部の溝167bにガスを導入するガス通路167dが設けられている。ガス導入リング167の外側には,図8(b)に示すように,ガス通路167dの入口が設けられている。ガス通路167dと溝167bとの接続部の上部には,同図(a),(c)に示すように横穴167hが設けられ,ガス通路167dと溝167bとの接続部の溝167b側壁は塞がれ,ガス通路167dから導入されるガスは横穴167hを通過して溝167bに導入されるように構成されている。この構成により,ガスは溝167bの周方向に流れやすくなり,ガス導入リング167に複数のガス導入孔167aが形成されている場合に,空間部155に向けて噴出されるガスをより均一にする効果がある。
【0051】
また,チャンバー151側壁とベルジャー152側壁との接続部には,真空度を保つため,ガスケット179を介して気密に接続されている。図9は,本発明の一実施形態にかかるガスケットの断面図である。図9に示すようにガスケット179は,ベルジャー152のシール面とガス導入リング167の上部のシール面との間に介して設けられている。これにより気密性が維持され,さらにはベルジャー152のシール面を保護し破損を防止できる。また,このガスケット179は,さらに気密性維持の向上を目的として例えばフッ素系エラストマー材料から構成してもよく,リング形状をなすガスケットの上下面に,半円の山または甲山状の突起179a,179bを成形した形状としてもよい。なお,ガスケット179の下面には上記突起179aがなくてもよく,またガスケット179の上面は突起179aを2個など複数設けてもよい。
【0052】
真空ポンプを含む排気装置169は,排気管168に接続されている。チャンバー151の底壁の一部は開口しており,この開口部には凹状の排気部182が気密に接続されている。上記排気管168は,排気部182の側面開口部に接続されている。上記排気部182の底部には,サセプタ153を支持する支持部材154が設けられている。そして排気装置169を作動させてチャンバー151およびベルジャー152の内部を排気部182,排気管168を介して所定の真空度に減圧することができる。
【0053】
また,ゲートバルブ170が,チャンバー151の側壁に設けられている。ウェハ1は,このゲートバルブ170を開にした状態で,隣接するロードロック室(図示せず)との間で搬送されるようになっている。また,サセプタ153に埋設されている電極173は,整合器172を介して,高周波電源171に接続されており,バイアス印加が可能となっている。
【0054】
このように構成されるプラズマ処理装置における処理動作を説明する。まず,ゲートバルブ170を開にして,チャンバー151内にウェハ1を挿入し,リフターピン駆動機構181が有するリフターピン昇降駆動部181bによってリフターピン181aが上昇し,このリフターピン181aでウェハ1を受け取った後,リフターピン181aが下降して,サセプタ153上にウェハ1を載置する。その後,ゲートバルブ170を閉じ,排気装置169により,チャンバー151およびベルジャー152を排気して所定の減圧状態にする。引き続き,Ar供給源161およびH供給源162からチャンバー151内にArガスおよびHガスを供給しつつ,高周波電源158からコイル157に高周波電力を供給してベルジャー152内の空間部155に誘導電磁界を形成する。
【0055】
この誘導電磁界によりベルジャー152内の空間部155にプラズマが生成され,このプラズマによりウェハ1の表面の例えば酸化膜がエッチング除去される。例えばHガス使用した場合など,必要に応じてヒータ156に電源175から電力を供給し,加熱してもよい。また高周波電源171からサセプタ153にバイアス電圧を印加してもよい。
【0056】
この際の処理条件の一例を挙げると,たとえば圧力が0.1〜13.3Pa,好ましくは0.1〜2.7Pa,ウェハ温度が100〜500℃,ガス流量が,Arは0.001〜0.03L/min好ましくは0.005〜0.015L/min,Hは0〜0.06L/min好ましくは0〜0.03L/min,プラズマ処理装置150の高周波電源158の周波数が450kHz〜60MHz好ましくは450kHz〜13.56MHz,バイアス電圧が−20〜−200V(0〜500W)である。このような条件のプラズマにより30秒程度処理することにより,例えば酸化膜としてSiOが1〜10nm程度除去される。
【0057】
図2は,第1の実施の形態にかかる半導体ウェハ載置部100を示す概略断面図である。図2に示すように,半導体ウェハ載置部100は,サセプタ153および誘電体部材180を有している。
【0058】
サセプタ153は,例えばAlN,Al,SiC材などからなる。誘電体部材180は,例えばSiO,Al,AlN,またはSiなどプラズマ処理時に誘電を維持される材料からなる。このサセプタ153には誘電体部材180が載置できるようになっている。本実施の形態における誘電体部材180は1例として石英を用いている。
【0059】
サセプタ153の上面部分の誘電体部材180は,厚さt1となっており,薄すぎると加工が難しく,耐久性に劣り,厚いものはコストがかかる点を考慮して例えば0.5〜5mm程度,好ましくは0.5〜1mmとすることができる。
【0060】
サセプタ153の外周部分を覆う誘電体部材180の上面中央部には下側に凹となる段差t2が設けられており,ウェハ1の外周をガイドして的確な位置に載置できるように構成されている。段差t2はウェハ1の厚さが約0.7mm程度であるので,例えば,0.5〜3mm程度,好ましくは1〜3mmで,より好ましくはウェハのレベルと同レベルがよい。
【0061】
また,上記誘電体部材180は,サセプタ153よりも外径が大きく形成され,サセプタ153に載置したときに,サセプタ153よりも外側にはみ出す外縁部180aが設けられている。また,誘電体部材180は,その中央部に下側に凸となる凸部180nが形成されており,サセプタ153に設けられた上側に凹となる凹部153nに収るようになっている。
【0062】
具体的には例えばサセプタ153の凹部153nは図2に示すような座ぐりとし,このサセプタ153の凹部153nに誘電体部材180の凸部180nが当接し,サセプタ153の縁部の上面に誘電体部材180の外縁部180aの下面が当接するようにしてもよい。これにより,誘電体部材180は,サセプタ153からずれ落ちることなく,サセプタ153上に安定的に載置することができる。
【0063】
このような半導体ウェハ載置部100を有するプラズマ処理装置150においては,メモリー効果に対する初期化,あるいはパーティクル発生防止のために,従来はダミーウェハを用いてプラズマ処理を行っていた。その替わりに,例えばウェハ1の搬出入の間に,ウェハ1を載置しない状態で誘電体部材180のエッチングを行う。これをアフタープロセス処理と名づける。
【0064】
実際には,ICP用の高周波電源158の出力が200〜1000W(好ましくは200〜700W),バイアス電圧用の電源171の出力が100〜500W(好ましくは400W)でその周波数が13.56MHz,圧力約0.1〜1.33Pa(好ましくは0.67Pa)で,Arガスのみを用いることが好ましく,そのArガスの流量は0.001〜0.06L/min(好ましくは0.001〜0.03L/min,あるいは0.038L/min)サセプタ温度は−20〜500℃,好ましくは200℃である(ArガスとHガスの混合ガスを用いる場合にはサセプタ温度は500℃である)。また処理時間は5〜30secで,例えば10sec程度が好ましい。このような処理条件で誘電体部材をエッチングしてベルジャー内壁面に誘電体部材を付着させることでメモり効果及びパーティクルの発生を防止することができる。
【0065】
ここで,パーティクル発生のメカニズム及びメモリー効果について,図10,11,12,13を参照しながら説明する。図10は,SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光器付走査型電子顕微鏡)による元素組成分析図,図11は,パーティクル発生の概念図,図12,13は,メモリー効果によるエッチング量の変動を示す図である。
【0066】
図10(a)(b)(c)は,それぞれSi,ベルジャー152側壁堆積物,SiOの元素組成分析図である。図10に示すように,Si,ベルジャー152側壁堆積物,SiOから検出されたSi元素:O元素の比はそれぞれ,100:0,49:46,34:66である。よって,ベルジャー152側壁堆積物は,Si元素とO元素とが約1:1に含まれることから,SiOであると推測される。
【0067】
SiOがベルジャー152側壁に堆積するのは,図11(a)に示すように,ベルジャー152内の空間155に,エッチングされたSiOが存在する場合,処理ガス中の水素ガスがプラズマより解離して生ずるHにより還元され,SiOとなるためと考えられる。
【0068】
図11(b)に示すように,多数枚のウエハの処理などに伴い,SiOの堆積量が多くなると,堆積物315のように膜状になる。図11(c)に示すように,このような,SiリッチなSiO膜は,ある程度の膜厚になるとストレスにより堆積物317のように剥がれ落ちることになり,これがパーティクルとなるのである。よって上記のように,パーティクル発生を抑制するためのアフタープロセス処理は,SiOを還元しないArガスのみで行うことが好ましい。
【0069】
また,図12,13には,それぞれ同一のエッチング条件で処理を行った際のエッチング量が示されているが,図示したように,1枚目の半導体ウエハではSiOをエッチングし,2枚目の半導体ウエハでそれぞれCOSi,Poly−Siをエッチングした場合,3枚目にSiOをエッチングしても,当初のエッチング量とは変化してしまう,メモリー効果が生ずる。
【0070】
このメモリー効果は,異なる物質をエッチングすると,チャンバー内壁に付着する物質が異なるので,生成されるプラズマが不安定となるために生ずると考えられる。このようにメモリー効果が起こった場合,次の処理(ここでは4枚目の半導体ウエハのエッチング)の前に,上述のアフタープロセス処理を行うと,図示のように,COSi,またはPoly−Siをエッチングする前のエッチング量に戻ることが分かる。これは,チャンバー内壁が再びもとの物質で覆われ,プラズマ状態が安定するためであると考えられる。このようにアフタープロセス処理は,メモリー効果を解消させる効果がある。
【0071】
また,アフタープロセス処理のため上記のような条件で誘電体部材180を処理する場合,定常状態のエッチングレートに復帰させるために必要なプラズマ処理時間については以下のような結果が得られている。
【0072】
酸化膜以外の,例えばPoly−Si(ポリシリコン)やCoSi(コバルトシリコン,コバルトシリサイド)等の導電性の材料をエッチングした後のメモリー効果に対する対策のためには約150秒,チャンバー内をメインテナンスする際に,薬剤などを用いたウエットクリーニング後の初期化には約300秒,パーティクル防止には約1500秒の処理時間が必要だったのが,数十秒の誘電体部材をエッチングすることにより,チャンバー内を定常状態に戻すことができ,最適なエッチングが可能となる。
【0073】
特に処理ガスとして用いられるArガスとHガスの混合ガスのプラズマでシリコン酸化膜のエッチングを繰り返し行うと,スパッタされたSiOxが処理容器内壁や処理容器内の部材表面に付着し,処理ガスHガスがプラズマより解離してHおよびHが生成され,侵食されて起こると考えられる。よって,例えばSiOなどよりなる誘電体部材180をプラズマ処理して,処理容器内壁や処理容器内の部材表面を新たにSiO等の誘電体で覆うことにより,パーティクルの生じにくい表面状態とし,パーティクル発生を抑制することができる。パーティクル防止のためのプラズマ処理には,処理ガスとしてArガスを用いることが好ましい。
【0074】
また,上記処理時間は,ダミーウェハを用いて処理するとすれば,1枚30秒程度の処理時間としてメモリー効果に対する対策,薬剤などを用いたウエットクリーニング後の初期化,およびパーティクル防止のために行う場合,それぞれ約5枚,10枚,50枚に相当することになる。このように誘電体部材180を処理する本実施の形態にかかるプラズマ処理装置およびその初期化方法によれば,メモリー効果に対する対策,薬剤などを用いたウエットクリーニング後の初期化,およびパーティクル防止のためにダミーウェハを用意する必要がなくなり,作業および生産効率を向上させる効果がある。また,誘電体部材180は,エッチング後の消耗時に交換が可能である。
【0075】
(第2の実施の形態)
図14は,第2の実施の形態にかかる半導体ウェハ載置部500を示す概略断面図である。図14に示すように,半導体ウェハ載置部500は,プラズマ処理装置150において半導体ウェハ載置部100に替えて用いることができる。第1の実施形態と重複する構成および機能については同じ符号を付し説明を省略する。
【0076】
サセプタ153aは,中央が凸に構成され,例えばAlNなどからなる。誘電体部材580は,例えばSiO,Al,AlN,またはSiなどプラズマ処理時に誘電を維持される材料からなり,サセプタ153a全体を覆うような形状である。サセプタ153aの上面の誘電体部材580は,厚さt1となっており,薄すぎると加工が難しく,耐久性に劣り,厚いものはコストがかかる点を考慮して例えば0.5〜5mm程度,好ましくは1〜3mmとすることができる。
【0077】
サセプタ153aの外周部分を覆う誘電体部材580の上面には段差t2が設けられており,ウェハ1の外周をガイドして的確な位置に載置できるように構成されている。段差t2はウェハ1の厚さが約0.7mm程度であるので,例えば,0.5〜3mm程度,好ましくは1〜3mmで,より好ましくはウェハの厚さと同じレベルとすることができる。
【0078】
このような半導体ウェハ載置部500を有するプラズマ処理装置150で,メモリー効果およびウエット処理に対する初期化,あるいはパーティクル発生防止のために従来ダミーウェハを用いて行っていた処理の替わりに,ウェハ1を載置せずに誘電体部材580のエッチングを行う。
【0079】
エッチングの条件,および所要時間等は,第1の実施の形態と同様であるが,誘電体部材580は,サセプタ153aを覆うように構成されているので,シャフトにより支持する必要が無い。また,パーティクル発生防止のためのプラズマ処理時には,処理ガスとしてArガスを用いることが好ましい。
【0080】
(第3の実施の形態)
図15は,第3の実施の形態にかかる半導体ウェハ載置部600を示す概略断面図である。図15に示すように,半導体ウェハ載置部600は,プラズマ処理装置150において半導体ウェハ載置部100に替えて用いることができる。第1および第2の実施形態と重複する構成および機能については同じ符号を付し説明を省略する。
【0081】
半導体ウェハ載置部600は,サセプタ153aおよび誘電体部材680,682を有している。誘電体部材680,682は,例えばSiO,Al,AlN,またはSiなどプラズマ処理時に誘電を維持される材料からなり,サセプタ153a全体を覆うような形状である。
【0082】
誘電体部材680は厚さt1となっており,薄すぎると加工が難しく,耐久性に劣り,厚いものはコストがかかる点を考慮して例えば0.5〜5mm程度,好ましくは1〜3mmとすることができる。
【0083】
サセプタ153aの外周部分を覆う誘電体部材682の上面には段差t3が設けられており,誘電体部材680およびウェハ1の外周をガイドして的確な位置に載置できるように構成されている。段差t3は,誘電体部材680の厚さが0.5〜3mm程度,ウェハ1の厚さが約0.7mm程度であるので,例えば,1〜4mm程度で,好ましくはウェハの表面と同じレベルになる面とするのがよい。
【0084】
このような半導体ウェハ載置部600を装備したプラズマ処理装置150で,メモリー効果およびウエット処理に対する初期化,あるいはパーティクル発生防止のために従来ダミーウェハを用いて行っていた処理の替わりに,ウェハ1を載置せずに誘電体部材680のエッチングを行う。
【0085】
エッチングの条件,および所要時間等は,第1および第2の実施の形態と同様であるが,誘電体部材を2つのパーツのアセンブリとしたことで,誘電体部材580に比べ製造時の加工がし易く,エッチングによって消耗した場合の交換が容易となる効果がある。また,パーティクル発生防止のためのプラズマ処理時には,処理ガスとしてArガスを用いることが好ましい。
【0086】
(第4実施の形態)
図16は,第4の実施の形態にかかる半導体ウェハ載置部700を示す概略断面図である。図16に示すように,半導体ウェハ載置部700は,プラズマ処理装置150において半導体ウェハ載置部100に替えて用いることができる。第1,第2および第3の実施形態と重複する構成および機能については同じ符号を付し説明を省略する。
【0087】
半導体ウェハ載置部700は,サセプタ153aおよび誘電体部材780,782を有している。誘電体部材780,782は,例えばSiO,Al,AlN,またはSiなどプラズマ処理時に誘電を維持される材料からなり,サセプタ153a全体を覆うような形状である。
【0088】
誘電体部材780のサセプタ153aの上面部分は厚さt1となっており,薄すぎると加工が難しく,耐久性に劣り,厚いものはコストがかかる点を考慮して例えば0.5〜5mm程度とすることができる。
【0089】
サセプタ153aの外周部分を覆う誘電体部材780の上面には段差t2が設けられており,ウェハ1の外周をガイドして的確な位置に載置できるように構成されている。段差t2は,ウェハ1の厚さが約0.7mm程度であることから,例えば,0.5〜3mm程度,好ましくはウェハ面と同じレベルの面がよい。
【0090】
このような半導体ウェハ載置部700を装備したプラズマ処理装置150で,メモリー効果およびウエット処理に対する初期化,あるいはパーティクル発生防止のために従来ダミーウェハを用いて行っていた処理の替わりに,ウェハ1を載置せずに誘電体部材780のエッチングを行う。
【0091】
エッチングの条件,および所要時間等は,先の実施の形態と同様であるが,誘電体部材を2つのパーツのアセンブリとしたことで,誘電体部材580に比べエッチングによって消耗した場合の交換が容易となり,また,第2および第3の実施の形態にかかる誘電体部材に比べ,少ない材料で同様の効果が得られる効果がある。パーティクル発生防止のためのプラズマ処理時には,処理ガスとしてArガスを用いることが好ましい。
【0092】
(第5の実施の形態)
図17は,第5の実施の形態にかかる半導体ウェハ載置部800を示す概略断面図である。図17に示すように,半導体ウェハ載置部800は,プラズマ処理装置150において半導体ウェハ載置部100に替えて用いることができる。第1,第2,第3および第4の実施形態と重複する構成および機能については同じ符号を付し説明を省略する。
【0093】
半導体ウェハ載置部800は,円柱形状のサセプタ153bおよび誘電体部材880を有している。誘電体部材880は,例えばSiO,Al,AlN,またはSiなどプラズマ処理時に誘電を維持される材料からなり,サセプ153b全体を覆うような形状である。サセプタ153bは,誘電体部材880の形状に合わせ,一部の形状がサセプタ153,153aと異なっている。
【0094】
誘電体部材880のサセプタ153bの上面部分は厚さt1となっており,薄すぎると加工が難しく,耐久性に劣り,厚いものはコストがかかる点を考慮して例えば0.5〜5mm程度とすることができる。
【0095】
サセプタ153bの外周部分を覆う誘電体部材880の上面には段差t2が設けられており,ウェハ1の外周をガイドして的確な位置に載置できるように構成されている。段差t2は,ウェハ1の厚さが約0.7mm程度であることから,例えば,0.5〜3mm程度,好ましくはウェハと同じレベルの面とするのがよい。
【0096】
このような半導体ウェハ載置部800を装備したプラズマ処理装置150で,メモリー効果およびウエット処理に対する初期化,あるいはパーティクル発生防止のために従来ダミーウェハを用いて行っていた処理の替わりに,ウェハ1を載置せずに誘電体部材880のエッチングを行う。
【0097】
エッチングの条件,および所要時間等は,第1の実施の形態と同様であるが,誘電体部材を第1,第2,第3および第4の実施の形態にかかる誘電体部材に比べ簡略化された形状にしたことで,エッチングによって消耗した場合の交換が容易となり,少ない材料で同様の効果が得られ,半導体装置の量産を行うプラズマ処理装置に用いる場合により好ましい。また,パーティクル発生防止のためのプラズマ処理時には,処理ガスとしてArガスを用いることが好ましい。
【0098】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかるプラズマ処理装置およびその初期化方法の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0099】
例えば,誘電体部材の形状および材質はかかる例に限定されない。同様の効果が得られるものであれば異なる形状および材質であっても良い。また,処理条件および処理時間などは各プラズマ処理装置に特有なものであり,本発明を限定するものではない。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,装置の立ち上げ,および他のプロセスへの移行が効率的に行え,パーティクル発生を防止することの可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置およびその初期化方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるプラズマ処理装置を示す概観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる半導体ウェハ載置部100を示す概略断面図である。
【図3】ベルジャー152上部の構成を示す概略断面図である。
【図4】図3におけるP部分の拡大図である。
【図5】接続部223の平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかるガス導入リングの概略断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態にかかるガス導入リングの概略断面図である。
【図8】ガス通路167dの構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態にかかるガスケットの断面図である。
【図10】SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光器付走査型電子顕微鏡)による元素組成分析図である。
【図11】パーティクル発生の概念図である。
【図12】メモリー効果によるエッチング量の変動を示す図である。
【図13】メモリー効果によるエッチング量の変動を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態にかかる半導体ウェハ載置部500を示す概略断面図である。
【図15】本発明の第3の実施形態にかかる半導体ウェハ載置部600を示す概略断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態にかかる半導体ウェハ載置部700を示す概略断面図である。
【図17】本発明の第5の実施形態にかかる半導体ウェハ載置部800を示す概略断面図である。
【図18】従来のプラズマ処理装置における,半導体ウェハ載置部10の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
100 半導体ウェハ載置部
150 プラズマ処理装置
153 サセプタ
180 誘電体部材

Claims (30)

  1. 被処理体を搬入する処理容器と、
    記処理容器内にプラズマを生成するためのアンテナ部材と、
    記処理容器内に配置され、第1の誘電体からなり前記被処理体を加熱するサセプタと、
    前記サセプタの上面を覆うように前記サセプタと別体で配置され、該上面に前記被処理体を載置するための第2の誘電体で構成する誘電体部材と、
    記処理容器内に処理ガスを導入するためのガス導入部と、
    記処理容器内を排気する排気装置とを備え、
    前記誘電体部材の上面に前記被処理体をガイドする凹部が形成され、前記誘電体部材の外径は、前記サセプタの外径よりも大きいこと特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記凹部の表面は、前記被処理体の処理面よりも低く位置するように形成されていること特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 外縁部を有する前記誘電体部材は、相互に分離可能な載置面部および載置面周囲部から構成されていること特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記誘電体部材は、前記サセプタの外側にはみ出す外縁部を有していること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記サセプタの上面には、凹部が形成されており、
    前記誘電体部材の下面には、凸部が形成され、前記サセプタの上面の凹部と嵌合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 記処理容器の上方は、第3の誘電体からなるベルジャーが形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記ガス噴出孔は、前記ベルジャーの2分の1の高さ前記ベルジャーの中央の空間部に向かって処理ガスを噴出するように開口していることを特徴とする請求項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記第2の誘電体は石英で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記第1の誘電体は、AlNから形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記第3の誘電体の上部に、前記サセプタおよび前記誘電体部材に対向する対向電極が設けられる請求項に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記アンテナは、コイルからなる請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記コイルは、第3の誘電体の周囲に巻回されている請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記アンテナは、整合器を介して高周波電源が接続されている請求項1〜12のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記サセプタ電極が埋設されている請求項1〜13のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記ガス導入部は、前記処理容器と前記ベルジャーの間に設けられ、複数のガス導入孔を形成して環状に設けられる請求項6〜14のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記第3の誘電体を覆うように設けられた金属製のカバーを有する請求項6〜15のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記サセプタは、第1の電極を配置する請求項1〜16のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記第1の電極に高周波電源が接続されている請求項17に記載のプラズマ処理装置。
  19. 前記第1の電極に対向する第2の電極を配置する請求項17または18のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  20. 前記サセプタは、ヒータを有する請求項1〜19のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  21. 前記高周波電源は、450kHz〜60MHzの周波数の高周波電力を発生可能である請求項1320のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  22. 誘電体壁を有する処理容器と、前記処理容器内に設けられ、第1の誘電体からなるサセプタと、前記サセプタの上面を覆うように前記サセプタと別体で配置され、前記サセプタより外径が大きく、第2の誘電体からなり、前記第2の誘電体の上面に前記被処理体をガイドするための凹部が形成された誘電体部材と、前記処理容器内にプラズマを生成するためのアンテナ部材とを備え、前記アンテナ部材に高周波電力を供給して前記誘電体壁を介して前記処理容器内にてプラズマを生成するプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
    前記処理容器内に第1の処理ガスを供給し、第1のプラズマを生成して前記誘電体部材の凹部にガイドされた被処理体をエッチングし、前記処理容器内に不安定状態を形成する工程と、
    前記誘電体部材を露出させた状態を形成する工程と、
    前記処理容器内に第2の処理ガスを供給して第2のプラズマを生成して前記誘電体部材を処理する初期化工程とを備えることを特徴とするプラズマ処理方法。
  23. 前記初期化工程は、他のプロセスへの移行時、プラズマ処理装置の立ち上げ時、または、プラズマ処理装置内でのパーティクル発生によって前記処理容器内に不安定状態が形成された後に行われることを特徴とする請求項22に記載のプラズマ処理方法。
  24. 前記第2の処理ガスは、Arガスであることを特徴とする請求項22または請求項23のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  25. 前記被処理体には、エッチング対象となる導電性の膜が形成されていることを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  26. 前記第1の処理ガスは、Arガス及びHガスであることを特徴とする請求項22〜25のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  27. 前記誘電体部材は、石英又はセラミックス材であることを特徴とする請求項22〜26のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  28. 前記初期化工程の処理時間は、5〜30秒であることを特徴とする請求項22〜27のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  29. 前記導電性の膜として、Poly−SiまたはCoSiが形成されていることを特徴とする請求項25〜28のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  30. 前記プラズマは、高周波プラズマあるいは誘導結合プラズマであることを特徴とする請求項22〜29のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
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