以下に説明する記録再生装置等においては、複数チャンネルの中から任意の番組に対してタイムスタンプを付加して選択出力する。
また、複数チャンネルの中から任意の番組に対してタイマ装置に対する絶対時間、または相対時間、または前タイムスタンプからの経過時間をタイムスタンプとして付加したのち選択出力する。
また、トランスポートパケットに対し、タイムスタンプを付加して記録する。
また、タイマ装置に対する絶対時間、相対時間および前タイムスタンプからの経過時間をタイムスタンプとして付加したトランスポートパケットを記録する。
また、再生データよりタイムスタンプを分離した後、時間軸変換を行う。
また、トランスポートパケットに対し、タイムスタンプを付加して記録、再生を行う。
また、タイムスタンプ情報に示された時刻に出力する時間軸変換器の出力と伝送路データを選択してチャンネル選択器に出力する。
また、タイマ装置に対する絶対時間、相対時間および前タイムスタンプからの経過時間から構成されるタイムスタンプ情報に示された時刻に出力する時間軸変換器の出力と伝送路データを選択してチャンネル選択器に出力する。
また、入力パケットデータに対し、第2のタイムスタンプを付加して記録する。
また、入力パケットデータに対し、第1のタイムスタンプと同一の第2のタイムスタンプを付加して記録する。
また、必要とする番組を選択記録する。
また、記録するデータのデータレートに応じて記録レートを可変する。
また、伝送するデータのレートに応じて1パケットを分割、伝送する。
また、伝送路より入力したパケットデータに対してデータ圧縮処理を行い、圧縮データを伝送路に出力する。
また、伝送路より入力したパケットデータに対してデータ伸張処理を行い、伸張データを伝送路に出力する。
実施例1.
以下、この発明の実施例1を図1、図2、図3をもとに説明する。図1において、1は衛星放送デコーダ、2はチャンネル選択器、3はバスインターフェイス、4はハードディスクドライブ(以下、「HDD」という。)、20は受信アンテナ、27はMPEGデコーダ、28はTVモニタ、50は第1時間軸変換器、51はタイマ装置、52はタイムスタンプ付加器、53は第2時間軸変換器、60は第3時間軸変換器、100はチャンネル選択装置、101は記録再生装置である。また、図2は実施例1の伝送データを示す図で、5はタイムスタンプ、24はヘッダ、32はIso領域、33はAsync領域である。
次に、動作について説明する。図1は複数チャンネルの番組が伝送される衛星放送を、ある特定の番組を選択して記録するための回路構成を示す。放送衛星(図示せず)から送られてきた複数チャンネルの番組の映像信号は、衛星を介して伝送するために変調をかけて送信される。この信号は衛星放送デコーダ1によって復調され、図2(a)に示されるような1パケット188byteを単位としたビットストリーム信号に変換される。図2(a)に示すビットストリーム信号におけるパケット構成を図3に示す。
図3において、6はProgram Association Table(以下、「PAT」という。)、7はPacket Identification(以下、「PID」という。)、8はProgram Map Table(以下、「PMT」という)、9はAdaptation Field(以下、「APF」という。)、10はPeak Rate Flag(以下、「PRF」という。)、11はAudioパケット、12はVideoパケット、21はNetwork Information Table(以下、「NIT」という。)、22はConditional Access Table(以下、「CAT」という。)である。
マルチチャンネル放送はMPEG2のトランスポートストリーム(以下、「TS」という。)と呼ばれる188byteのパケット単位のデータストリームで構成されている。このTSを構成する各パケットには、パケット独自の識別情報としてPID(13ビット)が割り当ててあり、これによりパケットの情報内容を識別、または検索することが可能である。例えば図3のPAT6にはPID=“00”、PMT−0にはPID=“03”といった固有の数値が割り当てられていることからPIDのみを検出することによって、必要とするパケットのみを選択抽出することも可能である。
複数チャンネルプログラムの開始を示す情報は、PAT6というパケットに記載されている。例えば図3(a)に示すように、PAT6にはプログラムNo.と、そのプログラムに対応するPMT8の持つPIDの値との関係を示す情報が書き込まれている。このPAT6に続いてNIT21、CAT22といった各種情報の記載されたパケットが続く。これらのパケットに続き、PMT8(PMT−0〜PMT−2)といった各プログラム毎の情報内容(例えばVideo,Audio、Data等のジャンル区分)とPIDの関係を示すパケットがある。例えば図3(b)に示すように、program0のうち、AudioデータはPID=“2F”、VideoデータはPID=“35”といったような情報が書き込まれている。図3(c)はprogram1におけるPMT8(PMT−1)の内容を示しており、前記PMT−0と同様に情報が書き込まれている。
前記PMT8は、各programに対応して必ず1パケット存在し、伝送されたプログラム数のPMT8が連続して配置される。そして、これに続くAPF9(APF−0)には、各プログラムの実際の情報(Audio、Video等のデータパケット)をMPEG2デコードする時に必要な情報が書き込まれている。この中には、各プログラム毎にMPEG2エンコード時におけるピークレートを示すPRF10が含まれており、このPRF10を検出することによって、送られてきたプログラムの最大データレートが検出できる。
APF9(APF−0)の後にはaudioパケット11、videoパケット12が各プログラム毎に必要なパケット数連続して配置される。このprogram0の情報をすべて伝送した後、図3(d)のようにprogram1のAPF9(APF−1)が伝送され、以下、program0同様、audioパケット11、videoパケット12が連続して伝送される。
図2(a)および図3にて示したマルチチャンネル放送のビットストリーム信号は、図1で示すチャンネル選択器2によって、必要となる情報チャンネルのみが選択された後、その選択情報はバスインターフェイス3(例えばIEEE1394に準拠したもの。)上に転送される。このバスインターフェイス3においては、図2(b)で示されるように、CS信号31による1サイクル125μsを基準とし、マルチチャンネル放送のビットストリーム信号(図2(a))より高レート(例えば50Mbps程度)伝送が行われる。マルチチャンネル放送のビットストリーム信号の1パケット(188byte)は図2(b)のようにIso領域32にレート変換された形で伝送される。
なお、図1に示すHDD4においては、バスインターフェイス3を介して、チャンネル選択器2からのマルチチャンネル放送のビットストリーム信号を記録するために、予めHDD4からチャンネル選択器2に対してバスインターフェイス3へ情報を出力するように要求している。この要求は、HDD4側において、チャンネル選択器2からのマルチチャンネル放送に対して、何プログラム目の情報を要求するかといったチャンネル制御情報を、予め、例えばバスインターフェイス3で設定されているAsync領域33等を使ってチャンネル選択器2に伝送する。この要求に答えて上記説明のようにバスインターフェイス3を介して情報が伝送されてくる。
また、この伝送時、マルチチャンネル放送のビットストリーム信号に加えて、図2(b)に示すようにチャンネル選択器2からどの機器に対して情報を伝送するかを示す内容のデータをヘッダ24として付加してから、バスインターフェイス3に出力している。HDD4ではバスインターフェイス3で伝送されているすべての情報に付加されているヘッダ24を常時検知することにより、自分宛の情報であることが検出された場合にはバスインターフェイス3からこの情報を抜き取って記録処理を行う。
図4は、例えばマルチチャンネル放送のビットストリーム信号中のプログラムをprogram0〜2とし、HDD4が受け取ったprogram0の情報を記録するデータ処理過程を示す図である。図4(a)は実際のprogram情報(program0〜program2)の伝送例を示している。なおここでは、program0の情報単位(以下、「1ブロックパケット」という)を188×n(n≧1、nは自然数)、program1の情報単位を188×m(バイト)(m≧1、mは自然数)、program2の情報単位を188×k(バイト)(k≧1、kは自然数)で定義している。
図4(a)における衛星放送デコーダ1からのビットストリーム信号に対して、チャンネル選択器2は、図4(b)にしめすように必要な情報チャンネル(本実施例ではprogram0のみ)のみを選択して、バスインターフェイス3に送出する。
バスインターフェイス3からの伝送チャンネル情報は、図4(c)に示すような信号形態で、第1時間軸変換器50に入力される。ここで、図4(c)に示す信号では、前述のようにバスインターフェイス3からの伝送チャンネル情報中のヘッダを検出することによりprogram0のみが抜き出されており、それ以外のprogram情報については無視される。タイマ装置51は24時間の基準カウンタを有しており、program0の情報が第一時間軸変換器50に到着した時刻を表すデジタルデータを例えば4(byte)のタイムスタンプとして生成する。
HDD4でのprogram0情報受信時は、図4(c)に示すように188×nパケット単位で情報が送られてくるが、1ブロックパケット以外の伝送時間(図4(c)の26bで示す期間)は、情報としては何等意味を持たない時間である。よって、program0をHDD4記録する場合、バッファ等で構成される第1時間軸変換器50によってこの伝送時間26bを縮めた信号に、タイムスタンプ付加器52において上記タイムスタンプ5を付加し、図4(d)の状態の信号がHDD4に入力される。このように、第1時間軸変換器50により1ブロックパケット以外の伝送時間を縮め、1ブロックパケット情報のデータレートを下げることによって、HDD4における記録レートを下げることができ、HDD4のアクセス時間を遅くでき装置を安価に作成することが可能となる。すなわち、26aの期間リアルタイムでデータを書き込む場合に比べて、(26a+26b)の期間で同量のデータを書き込めばよいので、アクセス時間をはるかに遅くすることが可能となり、これにより安価なHDD装置を使用できるものである。
また、HDD4の代わりに例えばテープデータ装置へ記録を行う場合には、記録速度を26aの期間に合わせると、記録すべきprogram情報が存在しない26b期間分の無駄なテープ消費につながるが、上述のように(26a+26b)の時間で26aの期間のprogram情報を記録することにより、全体として記録時間の減少等不具合が発生するのを回避できる。無論HDD4同様、記録レートの低い安価なテープ装置が使えるということはいうまでもない。
なお、記録レートの変化およびブロックパケットの時間軸移動は、再生時のMPEGデコード処理に重大な影響を与える。これは、MPEGデータのデコードの際には、パケットの到着時刻そのものが必要になるが、この時間軸変換(時間軸移動)によって、記録、再生過程でパケット到着時刻の関係が崩されてしまうことによる。この問題を回避するために各パケット(188byte)に対し、基準時間、例えばタイマ装置51に対する絶対時間を示すタイムスタンプ5を付加することによって、MPEG2本来の持つタイムスタンプ(各ブロックパケット内に設定されている。)に対し、補正をかけることが可能となる。すなわち、デコード時にこのタイムスタンプデータを参照して各パケット毎の本来の到着時刻に合わせて再生すればよい。
次に、時間軸変換の際の変換レートは以下のようにして決定する。HDD4での記録時、図4(d)におけるprogram情報からPRF10を検出することにより、program0のMPEG2エンコード時のピークデータレートを検出し、この値に応じたHDDの記録レートを設定する。例えば、PRF=“10”の場合、ピークデータレートが10Mbpsであることを表しており、この値からHDD4への最適記録レートを設定する。本実施例では、例えばPRF=“6”、すなわちピークレート6Mbpsである場合を想定しているので、図4(d)に示す状態のHDD4記録時のデータレートを6Mbpsに設定している。
このことは、記録装置としてテープ装置を使用する場合には特に重要であり、テープ走行速度が最低どのくらいであれば記録が完全に行えるかを示すものである。必要以上に記録レートを上げると無駄にテープを消費し、結果として記録時間が短くなってしまう一方、下げすぎると記録しきれないデータが生じてしまう。したがって、必要最低限のデータ記録が可能となるテープ走行速度を選ぶことで、最も合理的な記録が実現できる。
なお、上記説明では、タイムスタンプの付加を、チャンネル情報が第1時間軸変換器50に到着した時刻を基準に設定したが、この時刻はHDD4に記録する前であればどの段階で行ってもよい。例えば、詳細は後述するが、図7のように、タイマ装置51およびタイムスタンプ付加器52によって、チャンネル選択器2でのチャンネル情報選択直後の時刻を基準に、タイムスタンプを付加した後、バスインターフェイス3に出力してもよい。この場合はバスインターフェイス3に対して、例えば4byteのタイムスタンプを付加して、1パケット=188+4=192byte単位で伝送すればよい。
また、タイムスタンプ情報としては、タイマ装置51の示す絶対時間そのものを用いても、また、特定の時点からの相対時間を用いても、また、前パケット到着時点からの時間間隔値を用いてもよく、いずれの場合でも再生時パケット到着時刻を容易に復元するできることはいうまでもない。
なお、以上の説明ではタイムスタンプ値の1例として4バイトを確保しているが、これは1MHz精度で1時間のカウントが可能となるようにしたものであり、通常の使用には十分である。しかし、タイムスタンプのデータ長は特に4byteに限る必要はなく、精度が粗くてもよい場合はタイムスタンプ値のバイト数を減らし、また精度が不足する場合には増やせばよく、いずれも本実施例と同等の効果を奏することはいうまでもない。
以上、HDD4へprogram0の情報を記録する場合について説明したが、HDD4からの再生処理は次のようになる。HDD4から再生されたprogram情報は図5(a),(b)に示すようなブロックパケット構成を持ったビットストリームを構成する。HDD4からのこのビットストリーム信号は図1に示す第2時間軸変換器53によってレート変換等の時間軸移動(変換)が行われるとともに、バスインターフェイス3を介して第3時間軸変換器60に対して伝送するために、1ブロックパケットのprogram0の情報を1サイクル(125μs)に対し、例えば1パケット(188+4(タイムスタンプ)=192byte)単位で伝送する(出力する)。
第3時間軸変換器60では、このシリアルインターフェイス3を介して、図5(d)のようなブロックパケットを受信し、この信号に対し時間軸変換を行うことによって、図5(e)のようなMPEG2パケット信号に変換する。なお、この受信したパケット(192byte)に対し、記録時付加した4byteのタイムスタンプ5により、記録時に生じたHDD4へのパケットの到着時刻のずれを補正した後、MPEG2フォーマットで規定される各ブロックパケット内に含まれるタイムスタンプを利用してMPEG2のデコードを行うことによって、program0の情報を映像および音声信号として再生できる。MPEG2デコーダの出力(program0の映像および音声信号)は、TVモニタ28によって映像および音声情報として再生できる。
なお、上記説明では、program0情報を記録再生するためにハードディスクドライブ(HDD)を用いて説明したが、これに限定するものではなく、例えばDDS(ディジタル データ ストレージ)や、D8といったコンピュータのバックアップ用記録再生装置等、記録再生することが可能な媒体であればどのようなものを利用してもよいことはいうまでもない。
さらに、上記説明では、衛星放送を利用したマルチチャンネル放送の伝送を一例としてあげたが、衛星放送に限る必要はなく、地上波、CATV(ケーブルTV)、または他の伝送手段からのマルチチャンネル放送に対しても同様な構成で実現できることはいうまでもない。
また、上記説明では、PRF10をAPF9内に設けたが、記録時program毎に設定できればAPF内に設ける必要はなく、他の領域に書き込んでもよい。
さらに上記説明では、HDD4の記録レートをピークレートを示すPRF10により決定していたが、ピークレートに限定するものではなく、平均データレート等を用いて記録レートを決定してもよい。
また、上記説明では、HDD4の記録レートをピークレートを示すPRF10により決定していたが、例えばMPEG2エンコード時、ピークレート情報が得られなかった場合においても、HDD4で受信されるprogram0のパケット数をカウントすることによって、平均のMPEG2エンコード時の平均データレートが算出できることから、この値からHDD4の記録データレートを設定することも可能である。この様子を図6に示す。
図6は上記記録データレートを、例えばHDD4と同様の記録装置であるVTRにより、記録データレートとテープ走行速度を設定して記録する場合の構成を示したブロック図である。なお、図6(a)において、前記従来例、または実施例1と同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示している。
図6(a)において、70はVTR、71はパケットカウンタ、72は記録レート制御器である。
バスインターフェイス3からのパケットデータは、前記実施例1と同様に、第1時間軸変換器50によって時間軸移動、およびデータレート変換が行われる。一方、入力されたパケットデータは、パケットカウンタ71にて単位時間当たりのパケット数がカウントされる。このパケット数のカウント値は入力パケットデータの転送レートの基準となるものであり、このカウント値にもとづいて第1時間軸変換器50ではデータレート変換が行われる。第1時間軸変換器50の出力はタイムスタンプ付加器52によって、これも実施例1と同様にタイムスタンプを付加した後、VTR70によりテープ(図示せず。)に記録される。
また、記録レート制御器72は、パケットカウンタ71からのパケット数のカウント値により必要な記録データレートを算出し、それにもとづいてVTR70のテープ走行速度を制御する。ここで、図6(b)は、テープ走行速度に対する入力データ記録レートと記録時間の関係を示す図であり、テープスピードの関係をspeed3>speed2>speed1とすると、テープスピードが遅くなるにつれて、データレートは低下するが、記録時間は増加するという関係がある。
実施例2.
前記実施例1においては、パケットの到着時刻を示すタイムスタンプ5を記録再生装置101において付加したが、選択装置100側で行うことも可能である。本実施例2の構成を図7に示す。図7において、前記従来例、または実施例1と同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示している。
いま、チャンネル選択装置100から記録再生装置101へデータ送出する際、実施例1ではリアルタイムでの送出が可能である場合を想定していたが、現実にはそのようにならない場合が多々ある。すなわち、チャンネル選択装置100よりデータ送信を行いたい時に、バスインターフェイス3が他の装置(図示せず)により専有されている場合、または記録再生装置101自体が受信可能でない場合等があり得るためである。このような状況が生じると、実施例1においても予め説明しておいたように、記録再生装置101へのパケット到着には時間的な揺らぎ(ずれ)が生じてしまうため、正確な到着時刻を知ることができない。したがって、バスインターフェイス3上にデータを送出する前に、すなわち、チャンネル選択装置100にて到着時刻を示すタイムスタンプを付加しておれば、この問題を回避できることになる。
記録再生装置101側では、すでに各パケット毎にタイムスタンプが付加されているためタイマ装置51は不要であり、そのタイムスタンプをタイムスタンプ判別器57により判別し、記録再生装置101に適合したタイムスタンプ形式へ変換する操作のみを行えばよいことになる。無論、入力タイムスタンプをそのまま記録してもよい。
なお、ここで時間軸変換器について説明を付け加えておく。時間軸変換器は入力データレートと出力データレートを変換するものであり、例えばFIFO(First In First Out)メモリを用い、書き込みおよび読み出し速度をそれぞれ入力データレートおよび出力データレートに応じて決めるようにして構成される。無論、他の形式のメモリ等を用いてデータの書き込みの速度と、読み出しの速度を異なった速度で行うようにしてもよい。
実施例3.
以下、この発明の実施例3を図8、図9をもとに説明する。図8は実施例3の回路構成を示すブロック図、図9はデータ伝送過程を示す図である。図8,図9において、前記従来例、または実施例1,2と同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示している。なお、図9(a)は実施例1の図4(a)と同様のマルチチャンネル衛星放送のビットストリームである。
図8において、衛星放送デコーダ1から出力されたマルチチャンネルビットストリーム信号は、チャンネル選択器2によって、例えばprogram0とprogram1(2チャンネル)を選択したとする。チャンネル選択器2からの2チャンネルprogram信号は図9(b)のように、バスインターフェイス3上の各サイクルに1パケット単位で伝送される。HDD4側ではこの2チャンネルprogramの伝送をチャンネル選択器2に対して、例えばバスインターフェイス3のAsync領域33を用いて予め要求しており、第1時間軸変換器50では図9(c)のようなデータを受信する。そして、この受信データに対し実施例1と同様に、時間軸移動を行う。一方、タイムスタンプ付加器52は再生時のMPEG2方式によるデコードを考慮して、タイマ装置51からの時間情報にもとづいてタイムスタンプ5の生成を行い、第1時間軸変換器50の出力に対し、タイムスタンプを付加を行う。そして、実施例1で説明した1チャンネルprogram記録と同様にして2チャンネル記録を行う。
ここで、2program(2番組)記録の場合、program0とprogram1の開始時間と終了時間が同じであれはHDD4の記録レートを一定にしておけばよいが、一方のprogramの終了時刻が他方のprogramのそれより早かった場合(例えば放送時間が同じ野球中継とドラマ番組を同時に記録する場合において、野球中継が予定終了時刻より早く終了した場合)は、一方の番組が終了した後、HDD4の記録レートを2program記録時の例えば1/2に落として当該番組の終了時刻まで記録を続ける。
なお、上記説明では一方のprogramが終了した後、他方の記録が終了するまで記録レートを1/2に落とすものとして説明したが、この記録レートは1/2に限定するものではなく、一方のprogramが終了した時点でのHDD4の残りの記録可能容量に応じて、他方のprogramの記録レートを決定してもよい。
再生時、HDD4からの再生データは実施例1と同様に、バスインターフェイス3に送出される。本実施例の場合、バスインターフェイス3上には2チャンネル情報が送出されることになるが、例えば2チャンネル情報が両者とも、映像および音声データである場合、再生情報をTVモニタ28で出力することになるが、バスインターフェイス3上には2チャンネルの情報が送出されているので、第2チャンネル選択器54によって1チャンネルを選択する必要がある。これによって選択された情報は第3時間軸変換器60で時間軸変換、再生レート変換を行った後、MPEGデコーダ27によってTVモニタ28で視聴可能な映像および音声情報に変換される。
なお、第2チャンネル選択器54と第3時間軸変換器60についての処理順序はこの例に限るものではなく、入れ替わっても本実施例と同様の効果を奏することは明白である。図8中のチャンネル選択装置の構成を簡素化した構成例を図10に示す。
図10は図8中のチャンネル選択器2および第2チャンネル選択器54を1つのチャンネル選択器2で兼用させた場合を示し、衛星放送受信時と記録再生装置からの出力を再生する場合とをスイッチ130にて切り替えて使用するものである。本構成により、図8の同機器に比べ、チャンネル選択器を減らすことが可能で、先の例と同一の機能を持った装置を非常に安価にて作成することが可能である。
実施例4.
以下、この発明実施例4について説明する。図4におけるAFP9には、実施例1で説明したように各programごとの情報(ピークレート、または番組情報等)を設定できる。例えば、番組情報として図11のように4ビット(0〜15)の番組カテゴリビット26を設定する。番組カテゴリビット26の“0”をドラマ、“1”をスポーツ、・・・・、“7”をコンサート、“8〜15”をその他、といったように設定する。第1チャンネル選択器2によってチャンネル選択を行う場合、各programのAPF9を検知し、この中に付加されている番組カテゴリビット26を検出する。
番組選択方法として、マルチチャンネル放送の中から特定の番組ジャンルのみ(例えば映画のみ)を記録する方法としては、上記番組カテゴリビット26が“2”を示すprogramのみを選択し記録すればよい。この実現方法としては、例えばカテゴリビットを抜き出す回路と、同回路により抜き出されたカテゴリビットと希望するカテゴリ値とが等しいかどうかを判別する回路とを設け、判定結果が一致していれば該当PATを出力し、そうでなければ出力を阻止するように構成にすればよく、技術的に難点なく容易に実現可能である。第1チャンネル選択器2によって選択された映画番組のprogramは、実施例1、または実施例2と同様の方法によって記録再生が可能である。
実施例5.
以下、この発明の実施例5について説明する。図12(a)は理想的なMPEGパケットの伝送状態、図12(b)はそれに対するバスインターフェイス3上の伝送状態、図12(c)はMPEGパケットの発生が不規則な場合の伝送状態、図12(d)はそれに対するバスインターフェイス3上の伝送状態、図12(e)は図12(c)における1パケットを4分割して伝送した場合のバスインターフェイス3上の伝送状態を示す。
複数チャンネルの番組の伝送方法については、実施例1で説明したとおり、図1の衛星放送デコーダ1で受信されるビットストリーム信号は、複数チャンネル分のMPEGパケット信号が混在している。理想的なビットストリーム信号は、図12(a)の様に各パケットが規則正しく伝送されている。このようなビットストリーム信号をバスインターフェイス3に伝送したのが図12(b)であり、バスインターフェイス3上で効率よく伝送されている。
しかし、実際このビットストリーム信号上のMPEGパケットの伝送形態は、図12(c)の様にその特性上時間軸に対して規則的にパケットが伝送されているわけではなく、MPEG処理を行う画像および音声情報の内容によって、パケットの集中する時間帯と、分散する時間帯が不規則に存在する。この状態のままでバスインターフェイス3上に伝送したのが図12(d)である。
この信号からわかるように、図12(c)の信号をそのままバスインターフェイス3に伝送してしまうと、MPEGパケットの存在しない時間帯にはバスインターフェイス3上には何も伝送する情報がなくなってしまう。
ところで、バス使用に関しては、常に安定してデータ転送を行うことができる様に、予め帯域予約という手続きを取っておく。例えば図12(b)の状態ではバスインターフェイス3の基本サイクル(125μs)毎に188バイトのデータを一回送信することが保障される。
ただ、この際に必要以上のの帯域を予約すると、バス全体で無駄が生じる。例えば図12(b)の何も伝送していないサイクルがそれである。バス全体の容量分の帯域予約がなされている際には、他に使用したい装置があったとしても使用できないということになる(空きサイクルがあったとしても)。
このように、バス容量を他の機器を含めて皆で効率よく分け合い、使用することは大変重要なことである。したがって、データ伝送には必要最小限の帯域予約ですませるべきであり、こうすることで多数の装置がバス共有を図れることになる。このためには、例えば図12(e)に示した様に、1パケットを4分割にして各バスサイクル毎に順に伝送することを行えばよい。バスインターフェイス3上に伝送する前にチャンネル選択器2によってMPEGの1パケットを4分割して、1/4パケットずつバスサイクル(125μs)毎に順次伝送する。このようにすれば、バスインターフェイス3の帯域予約は、パケット毎に伝送する際と比べて1/4で済み、バスリソースの有効活用に大きく貢献することが可能となる。
図12(e)は、図12(c)の1パケットを4分割した後、バスインターフェイス3上に伝送したものである。この処理は、バスインターフェイス3上に伝送する前、すなわちチャンネル選択器2によってMPEG1パケットデータを4分割、すなわち1/4パケットごとにデータを選択する。
なお、上記説明では、1パケットを4分割する場合を説明したが、分割数についてはビットストリーム上のMPEGパケットの伝送状態(パケットの疎密)によって決定する。この基準としては、実施例1で説明した平均データレート(単位時間当たりのパケット伝送数)、またはピークレートを示すPRF10を基準にして最適分割数を決定する。
実施例6.
以下、この発明の実施例6を図13について説明する。図13において、前記従来例、または各実施例と同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示している。図13において、56は伸張回路、61は第4時間軸変換器、68は第5時間軸変換器、102は伸張装置である。
衛星アンテナ20より受信した複数チャンネル情報は衛星放送デコーダ1によって復調され、複数チャンネル情報を持つビットストリーム信号に変換される。この信号から必要とするチャンネル情報をチャンネル選択器2によって選択した後、バスインターフェイス3に送出する。チャンネル選択器2は、まず、第4時間軸変換器61に選択したチャンネル情報aを伝送する。第4時間軸変換器61ではバスインターフェイス3から元のチャンネル情報のデータレートに変換し、時間軸移動を行う。第4時間軸変換器61の出力は通常のMPEGパケット信号であることから、伸張回路56(例えばMPEG2デコーダ)によってベースバンドのデジタル映像および音声信号に変換される。
伸張回路56からは、ベースバンド信号に戻されたデジタル映像および音声信号が、第5時間軸変換器68を介しバスインターフェイス3に送出される。この送出されたベースバンドのデジタル映像および音声信号bは、第1時間軸変換器50で時間軸移動およびデータレート変換を行った後、HDD4に記録される。記録されたベースバンドのデジタル映像および音声信号は、実施例1と同様に、第2時間軸変換器53、バスインターフェイス3、第3時間軸変換器60を介してTVモニタ28で視聴できる。
さらに、バスインターフェイス3に送出されたベースバンドのデジタル映像および音声信号(非圧縮の映像および音声データ)cは、第3時間軸変換器60で直接受信され、時間軸移動およびデータレート変換を行った後、TVモニタ28で視聴できる。
このように構成することで、例えば図13のシステムにMPEG2のビデオディスク装置やVTR装置をバスインターフェイス3に直に接続が可能となる。すなわち、これら機器自体にMPEG2デコーダを持たせる必要がなくなり、結果として個々のMPEG2信号再生装置およびテレビ装置を安価に製造することが可能となる。
バスインターフェイス3上に、MPEG2ストリーム入力およびベースバンド出力機器を有したデコーダを1つだけ準備すれば、他の機器で有効に活用が可能である。バスインターフェイス3の容量としては、例えば、IEEE1394を用いれば400Mbpsのデータ伝送容量が容易に実現できるため、ベースバンド1系統(現行テレビ信号なら約170Mbps)専有されていても、残りの伝送容量を利用してMPEG2データ(10Mbps)を伝送することにより、23系統伝送が可能である(すべてベースバンド伝送の場合は2系統しか伝送できない。)。ここで、図13中の伸張装置102内の伸張回路56自体は、例えば日経エレクトロニクス1995.5.8号165〜174頁にも記載されるように、すでに実現化されており、例えばこのような伸張回路を本装置へも用いることができる。むしろMPEG2のようにすでに実用化され、広く利用されている方式を用いれば、量産効果等で安価に装置が制作可能であるばかりでなく、接続する機器も数多くあるため汎用性に富むなど利点が非常に多いという効果がある。
このように、図13に示す伸張装置102をバスインターフェイスに接続される各装置に対し共通に用いれば、バスインターフェイスの伝送容量を有効に利用できるとともに、個々の装置に個別に伸張回路を設ける必要がないのでのコストを低く抑えることが可能であり、システム構築を容易に行うことが可能となる。
なお、実施例6では伸張装置102としてMPEG2を用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、他の方法を用いてもまったく同様の効果を奏することは明白である。
また、実施例6では伸張装置102について説明を行ったが、圧縮装置に関しても同様にバスインターフェイス3上に1つ存在すればよいことになる。
すなわち、非圧縮映像(ベースバンド映像)を例えばMPEG2に圧縮する際に、MPEG2記録を行う個々の装置(例えばVTR等)にそれぞれ圧縮装置を内蔵する必要がなく、左記の例と同様に個々の装置を非常に安価にて製造が可能である。
図14は上記圧縮装置および伸張装置の構成を示す図である。圧縮装置103の構成自体は図13の伸張装置102内の伸張回路56を圧縮回路81に置き換え、タイマ装置51およびタイムスタンプ付加装置52を設けることで実現が可能である。なお、69は第6時間軸変換器、80は第7時間軸変換器である。圧縮装置自体は、例えば日経エレクトロニクス1995.5.8号165〜174頁に記載されるように既に実用化されており、例えばこのような圧縮装置を本装置へも用いることができる。また、MPEG2のようにすでに実用化され、広く利用されている方式を用いれば、量産効果等で安価に装置が制作可能であるばかりでなく、接続する機器も数多くあるため汎用性に富むなど利点が非常に多いという効果がある。
以上に説明した記録再生装置等によれば、複数チャンネルの情報の中から必要とする情報のみを選択した後、記録再生装置に記録することから、複数チャンネルのその他の不必要な情報を記録する必要がない。この結果、記録媒体の有効な活用が行えるとともに、バスインターフェイスに不必要な情報を伝送することがないことから、バスインターフェイスに接続される他の機器間の情報伝送を妨げる影響を減らすことができ、すなわちバスインターフェイスの伝送効率を高めることができる。さらにバス伝送の際にデータ伝送時間の揺らぎを生じる場合でも、タイムスタンプにより、実用が可能となり、様々なバスに接続が可能である効果がある。
また、複数チャンネルの情報の中から必要とするジャンルの番組情報のみを選択記録できることから、必要とする情報の検索時間を大幅に短縮できる。
また、タイムスタンプデータとして最も効率のよい形態を具体的に採用が可能で、ハードウエア規模の縮小や、装置の低価格化、接続相手機器の選択範囲を広くとれる効果がある。
また、タイムスタンプの記録機能を持つことで、入力タイミングが等間隔でないデータの記録を時間的に平均化して均等レート記録が実現できるため、ピーク速度記録に合わせて高価な装置を用いる必要がなく、安価に制作が可能となり、ひいては記録時間の長時間化を図ることが可能となる効果がある。
また、タイムスタンプデータとして最も効率のよい形態を具体的に採用が可能で、ハードウエア規模の縮小や、装置の低価格化、接続相手機器の選択範囲を広くとれる効果がある。
また、タイムスタンプが付加されたデータを再生する際に、タイムスタンプ値に応じて再生データ出力タイミングを入力時のそれと同一にすることで、再生を記録時の信号状態とまったく同一にできる他機器との完全な互換が図れる効果がある。
また、同機器を同一機としたことで、単独での記録再生が可能となる等の相乗効果がある。また等筆すべきは、記録再生媒体へのインターフェイス回路等、数多くの回路、部品が兼用可能となることで、記録と再生を分離した装置に比べ、全体によればるかに安価な装置の制作が可能になる効果がある。
また、複数チャンネルで記録再生機器殿接続の際にもチャンネル選択器を兼用して用いる構成としたことから、装置が安価に制作できるばかりでなく、選択器の切り換え1つの動作で、オンエア放送と再生信号とを簡単に切り替えられることが可能となる効果がある。
また、タイムスタンプデータとして最も効率のよい形態を具体的に採用が可能で、ハードウエア規模の縮小や、装置の低価格化、接続相手機器の選択範囲を広くとれる効果がある。
また、同発明に比してタイマ装置が不要になることで、非常に安価な装置の提供が可能となる効果がある最適なタイムスタンプ形式を用いることができる効果がある。
また、入力タイムスタンプをそのまま記録に用いるため、タイムスタンプ作成が不要となり、より安価な装置の提供が可能となる効果がある。
また、請求項1の発明の効果に加えて関連番組を簡単に選択が可能となる効果がある。
また、複数チャンネルの情報を同時に記録する場合において、それぞれのチャンネル情報の終了時間に関わらず希望する情報すべて記録することができる。
また、記録装置の記録レートを記録する情報のデータレートから自動的に設定することができることから、記録レートを決定するための複雑な処理を簡略化でき、記録装置に対する効率のよい記録が行える。
また、伝送するパケット情報の伝送形態(ピークデータレート、または平均データレート)に応じて、1パケットを最適分割数で伝送することができることから、他の機器間の伝送に与える影響を少なくするとともに、バスインターフェイスの伝送効率を高めることができる。
また、1つのバスインターフェイスに接続する複数の機器に対しても圧縮装置が1つあればよいことから、各機器の大幅なコストダウンを計ることができる。
また、1つのバスインターフェイスに接続する複数の機器に対しても伸張装置が1つあればよいことから、各機器の大幅なコストダウンを計ることができる。
2 第1チャンネル選択器、3 バスインターフェイス、4 HDD、5 タイムスタンプ、27 MPEGデコーダ、50 第1時間軸変換器、51 タイマ装置、52 タイムスタンプ付加器、53 第2時間軸変換器、54 第2チャンネル選択器、56 伸張回路、60 第3時間軸変換器、61 第4時間軸変換器、68 第5時間軸変換器、69 第6時間軸変換器、80 第7時間軸変換器、81 圧縮回路、100 チャンネル選択装置、101 記録再生装置、102 伸張装置、103 圧縮装置、130 スイッチ。