JP4089432B2 - 遠距離通信システムにおける複数の接続の同時救済のための方法 - Google Patents

遠距離通信システムにおける複数の接続の同時救済のための方法 Download PDF

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Description

(関連出願に対するクロスリファレンス)
本発明の実施態様は、2000年11月14日に出願された米国仮特許出願第60/248,947号の「Improvement to Rescue Channel to Support Simultaneous Rescue of Multiple Dropped Calls(多数の接続の打ち切りの同時救済をサポートするための救済チャネルに対する改良)」および2001年10月16日に出願された米国特許出願第09/978,974号の「Forward Link Based Rescue Channel Method and Apparatus for Telecommunication Systems(遠距離通信システムのための順方向ベース救済チャネル方法及び装置)」からの優先権を主張するものであり、その内容が、あらゆる目的に関して、参照によりここに援用される。
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、通信ネットワーク管理に関し、特に、一実施態様においては、セルラまたはPCS電話等の複数の移動局と、無線通信基盤(ネットワーク)の間の、信号落ちならびに接続の打ち切りを同時に防止するための方法および装置に関する。
【0001】
(関連技術の説明)
(序論)
緊急通信のための手段を単に提供するというより、セルラ電話は、急速に、今日的社会における通信の主要な形態になりつつある。セルラ電話の使用が普及するに従って、セルラ電話ネットワークがますます優勢になり、消費者の要求を満たすべく、より大きなエリアにわたる利用可能範囲を提供するようになっている。図1は、無線セクタA14およびB16を伴う第1の基地局(BS)12、およびセクタC20を伴う第2のBS18を含む無線基盤またはネットワークによってサービスされる地理的エリア内を動き回るモバイルユーザによって操作される移動局(MS)10の例を図示している。そのような動き回りの中で、MS10は、位置Aから位置Bへ、さらに位置Cへと移動し、当然のことながら、通信しているBS(1ないしは複数)に関連付けされている順方向リンクの信号強度ならびに信号品質における変動を経験することになる。信号の強度ならびに品質は、たとえばMS10がセクタA14の破線によって定義されるエリアからセクタB16の破線によって定義されるエリアへ、あるいはセクタB16からセクタC20へ移動するときのように、セクタの境界近傍では特に信頼性の低いものとなることがある。接続の打ち切りは、この種の遷移エリアをはじめ、そのほかの信号強度の弱い、もしくは品質の低いエリアにおいて生じやすい。なお、ここで述べられている接続には、限定する意図ではないが、音声、マルチメディアビデオまたはオーディオのストリーミング、パケット交換データおよび回路交換データ接続、ショートメッセージシーケンスまたはデータバースト、およびページングが含まれる。
【0002】
接続の打ち切りは、セルラ電話ユーザが単に困る程度のものから大きな打撃を与えるものまで広い範囲にわたる可能性がある。たとえば、緊急の911接続が打ち切られた場合、それは、決定的、さらには致命的となることさえある。接続の打ち切りは、サービスプロバイダを変更させる充分ないらだちを消費者にもたらすこともある。したがって、接続の打ち切りを防止することは、セルラネットワークプロバイダにとっての主要な重要課題である。
【0003】
(セルラ電話ネットワーク)
図2は、MS24とBS26の間における一例としての通信リンク22を表している。BS26からMS24への通信は順方向リンクと呼ばれ、MS24からBS26への通信は逆方向リンクと呼ばれる。BS26は、通常、複数のセクタを包含し、一般にはそれが3個である。各セクタは、個別の送信機および、それぞれが異なる方向を指向するアンテナ(トランシーバ)を含む。BSという用語が、しばしば、広くトランシーバと同義に使用されることから、ここでは用語BSおよびセクタがある意味で相互交換可能に使用されることを理解する必要がある。順方向および逆方向のリンクは、多数の順方向および逆方向のチャネルを使用する。たとえば、BS26は、複数の順方向チャネル上において一斉送信を行う。これらの順方向チャネルには、限定する意図ではないが、1ないしは複数のパイロットチャネル、同期チャネル、1ないしは複数のページングチャネル、複数の順方向トラフィックチャネルを含めることができる。パイロット、同期、およびページングチャネルは、BS26がすべてのMSにそれらのチャネルを通信することから共通チャネルと呼ばれている。概して、これらの共通チャネルは、データの搬送には使用されず、一斉送信ならびに共通情報の配信に使用される。これに対して、複数の順方向トラフィックチャネルは、各順方向トラフィックチャネルが特定のMS24に向けられ、かつデータを搬送することができるため、専用チャネルと呼ばれている。
【0004】
BS26内の各セクタは、そのセクタを識別し、かつMS24が容易にデコードできるパイロットチャネルを一斉送信する。セクタおよびパイロットチャネルは、いずれも擬似ノイズ(PN)オフセットによって区別される。用語「パイロット」は、パイロットチャネルがセクタを識別することから、用語「セクタ」とほとんど相互交換可能に使用される。
【0005】
パイロットチャネルは、MSに対して黙示的にタイミング情報を提供し、コヒーレントな復調にそれが使用されるが、そのほかは通常、いかなるデータも含んでいない。MSは、最初に立ち上げられたとき、パイロットチャネルのサーチを開始する。MSがパイロットチャネルを獲得すると(それが復調できると)、パイロットチャネル内の黙示的なタイミング情報によってMSは、迅速かつ容易に、ネットワークによって送信されている同期チャネルを復調することができる。
【0006】
同期チャネルには、より詳細なタイミング情報が含まれていることから、MSが同期チャネルを獲得した後は、MSは、パイロットチャネルを送信している同一のBSによって送信されているページングチャネルを獲得することができる。その種のBSは、アクティブBSと呼ばれる。
【0007】
セルラネットワークが特定のBSを介してMSとの通信の開始を試みているとき、そのBSのページングチャネル上において、そのMSに対して「ページ」が送信される。したがって、MSが、一旦、特定のBSのページングチャネルを復調できるようになった後は、そのMSがアイドル状態にあり、到来接続または到来メッセージを待機している間、そのページングチャネルをモニタすることができる。
【0008】
概して、各BSは、すべてのMSが共通に受信する、1つのパイロットチャネル、1つの同期チャネル、および1つのページングチャネルを使用することができる。しかしながら、1つのページングチャネルを使用して同時にページング可能なMSの数に実用上の制限があることから、中には複数のページングチャネルを使用するBSもある。
【0009】
逆方向チャネルは、アクセスチャネル、1ないしは複数の逆方向トラフィックチャネルを含むことができる。MSが到来「ページ」をBSから受信した後は、MSは、一部においてアクセスチャネルを使用して接続のセットアップを開始することになる。
【0010】
前述したチャネルは、各種のコード化の手法を使用することができる。時分割多元アクセス(TDMA)では、複数のチャネルがある時間ウインドウ内において特定の周波数で通信されることが可能であり、そのウインドウ内の異なる時間においてそれらが送信される。つまり、たとえばチャネルXは、時間スロットの1セットを使用し、一方で、チャネルYは、時間スロットの別のセットを使用する。周波数分割多元アクセス(FDMA)では、ある周波数ウインドウ内において特定の時間に複数のチャネルが通信されることが可能であり、そのウインドウ内の異なる周波数を用いてそれらが送信される。符号分割多元アクセス(CDMA)では、周波数および時間の空間が与えられ、各チャネルは、同じ周波数帯において同じ時間に送信された場合であっても互いに最小の干渉しか生じないように、特定のウォルシュコードまたは擬似直交関数(QOF)のようなコードによって定義される。ダイレクトシーケンスCDMAにおいては、各チャネルからのデータがウォルシュコードまたはQOFを使用してコード化され、その後、1つの合成信号に組み合わせられる。この合成信号が、特定の時間において広い周波数範囲にわたって拡散される。この合成信号を、オリジナルデータのコード化に用いられたのと同一のコードを使用してデコードすれば、オリジナルデータを抽出することができる。ウォルシュコードおよびQOFは、組み合わされた時に互いに干渉しないコード化データを生成し、その結果、後の時点において各種のチャネル上でその情報を回復できるようにデータを分けることができるので、このようなオリジナルデータの回復が可能になる。言い換えると、データの2つのコード化シーケンスが互いに加算されて第3のシーケンスを生成するとき、その第3のシーケンスをオリジナルのコードと関連ずけることによって、オリジナルのシーケンスを回復することができる。特定のコードを用いて復調するときは、ほかのコードの知識が必要とはならない。しかしながらノイズおよび混信によって、何が実際に送信されたかについての決定を行うためにエラー修正が必要となることがある。CDMA無線通信システムは下記の標準によって十分に詳しく説明されており、その全ては TELECOMMUNICATIONS INDUSTRY ASSOCIATION, Standards & Technology Department, 2500 Wilson Blvd., Arlington, VA 22201 によって公表されており、それらの全てが参照によりここに援用される: TIA/EIA-95B (1999年2月1日公表);TIA/EIA/IS-2000, Volumes1-5, Release A, (2000年3月1日公表)。
【0011】
例示のみを目的としてさらにCDMAについて述べると、ウォルシュコードまたはQOFは、特定のチャネルのコード化に使用される。したがって、前述したように、パイロットチャネルをデコードするための単純な形は、すべてが1にコード化されたW0ウォルシュコードとすることである。同様に、同期チャネルは、交番極性のW32ウォルシュコードを使用することが可能であり、これらのコードは一定かつ既知である。
【0012】
各MSは、チャネルを各種のセットにグループ化し、それには、限定を意図するわけではないが、アクティブセット、近隣セット、候補セット、および残余セットを含むことができる。
【0013】
MSアクティブセットは、任意の時点においてMSが使用しているパイロットまたはPNオフセット識別子を含む。すなわち、MSがアイドル状態にあるが、ページングおよびオーバーヘッドの更新のために単一のBSをモニタしているとき、そのMSに関するアクティブセットは、その唯一のメンバとしてそのBSのパイロットまたはPNオフセット識別子を含むことになる。
【0014】
しかしながら、MSが1つのBSまたはセクタからほかへハンドオフされている時、このハンドオフの間は、同時に複数のBSまたはセクタと実際に通信していることがある。このような状況が生じると、アクティブセット内に、同時に複数のアクティブパイロットが存在することになる。たとえば、「soft handoff(ソフトハンドオフ)」においては、BS「A」と通信しているMSが、最初にBS「A」を削除することなくBS「B」との通信を開始し、その結果としてBS「A」およびBS「B」がともにアクティブセット内に存在することになる。「softer handoff(ソフターハンドオフ)」においては、BS「A」内のセクタ「A」と通信しているMSが、最初にセクタ「A」を削除することなくBS「A」内のセクタ「B」との通信を開始し、その結果としてセクタ「A」およびセクタ「B」がともにアクティブセット内に存在することになる。しかしながら、「hard handoff(ハードハンドオフ)」においては、BS「A」と通信しているMSが、最初にBS「A」を削除した後に限ってBS「B」との通信を開始し、その結果としていかなる時点においてもアクティブセット内には、BS「A」または「B」のいずれかが存在し、両方ともに存在することはない。
【0015】
MSが複数のBSと通信を行っている間は、そのMSがレーキ受信機のフィンガを1ないしは複数のセクタからの複数のチャネルに同時に割り当てる。MSが同時に複数のBSと通信を行っているときは、MSは、それらのBSのそれぞれから同一のデータを受信している必要がある。しかしながら、データが同一であっても、チャネルが異なるために、異なるBSからそれが異なって伝達される可能性もある。そのためレーキ受信機は、異なるチャネル上において異なるセクタからのエンコード済みデータを受信し、それらのセクタからのデータを独立して復調し、その後それらのデータを結合する。データが結合されるときには、弱いチャネルからのデータ、すなわちより多くのエラーを有する可能性のあるデータより、強いチャネルからのデータに、より重い重み付けがなされる。このように、最終結果の生成においては、正しいとする公算がより高いデータに対して、より高い重み付けが与えられる。
【0016】
MSがアイドル状態の間は、共通チャネル上において、アクティブBSの近隣となるBSを含む近隣セットがそのMSによって受信される。しかしながら、MSがアクティブであり、トラフィックチャネルを介してBSと通信を行っているときには、トラフィックチャネル上において近隣セットが更新される。
【0017】
そのほかの、アクティブセット、近隣セット、または候補セット(後述)内に含まれていないネットワーク内のBSは、残余セットを構成する。図3に示されているように、MSがアイドルかアクティブかによらず、ネットワークは、MSに対してオーバーヘッドメッセージ30、32、および34を繰り返し送信する。これらのオーバーヘッドメッセージは、ネットワークの構成に関する情報を含んでいる。たとえば、拡張された近隣のリストのオーバーヘッドメッセージ34は、MSに対して、存在する近隣およびそれらを探す場所について知らせる。これらの近隣識別子は、少なくとも一時的にMSのメモリ内に記憶される。
【0018】
候補セットは、MSがそのアクティブセットの一部として要求したが、まだアクティブセットに昇格されていないBSのセットである。これらの候補BSは、ネットワークが、まだMSからのメッセージに応答してハンドオフ指示メッセージ(HDM)を、すなわちそのMSにそれらのBSを含めるべくアクティブセットを変更する指示を送信していないために昇格されていない。通常、その種のメッセージの交換は、後述するように、ハンドオフプロセスの一部として生じる。
【0019】
図4は、無線通信基盤56の一般的な構造を図示している。クライアントMS36は、継続的に、BS38等の近隣BSから受信しているパイロットチャネルの強度をモニタし、「パイロット追加スレッショルド値」より充分に強いパイロットをサーチする。近隣パイロットチャネル情報、つまりこの分野において「近隣セット」として知られている情報は、セルクラスタ42をコントロールすることが可能なBSコントローラ(BSC)40あるいは移動交換センタ(MSC)44を含むネットワーク基盤統一体を介してMSに伝達することができる。ここで理解しておく必要があるが、MSおよび1つもしくは複数のネットワーク基盤統一体は、MSおよびネットワークの機能をコントロールするための1ないしは複数のプロセッサを備えている。これらのプロセッサは、当業者であれば熟知しているメモリおよびそのほかの周辺装置を備える。1つのBS38によってサービスされている領域から別の領域へMS36が移動するとき、MS36は、特定のパイロットを「近隣セット」から「候補セット」に昇格させ、BS38または複数のBSに対して、「パイロット強度測定メッセージ」(PSMM)を介して、当該特定のパイロットの「近隣セット」から「候補セット」への昇格を通知する。このPSMMは、受信したパイロット信号の強度に関する情報も含んでいる。BS38は、この「パイロット強度測定メッセージ」に従ってBSまたはネットワークの「アクティブセット」を決定し、HDMを介して新しい「アクティブセット」をMS36に通知することができる。しかしながら、ここで注意が必要であるが、処理しなければならないBSリソース問題をネットワークが有していることもあるため、新しいアクティブセットは、必ずしも常にMSの要求に正確に応じたものになるとは限らない。
【0020】
MS36は、古いBS38および新しいBSの両者との通信を、各BSのパイロットの強度が「パイロット削除スレッショルド値」を超えている限り、維持することができる。1つのパイロットがこのパイロット削除スレッショルド値より弱くなると、MS36は、その変化をBSに通知する。それによりBSは、新しい「アクティブセット」を決定し、MS36に対してその新しい「アクティブセット」を通知する。BSによる通知があると、MS36は弱くなったパイロットを「近隣セット」に降格する。これは、ハンドオフのシナリオの一例である。接続が失敗したときに、MS36がハンドオフを開始し、あるいはハンドオフのプロセスに入ることは一般的である。セルの境界近傍、パイロットの汚染のあるエリア、あるいはセルのブリージングによって著しく影響を受けているエリアには、一般に利用可能範囲が不充分かまたは信号の弱い環境が存在することからこの種のことが予測され、それらについてはすべて、この分野においてよく知られている。
【0021】
(接続の打ち切り)
接続の打ち切りは、いくつかの形で明らかになる。図5は、この分野においてCDMA無線ネットワークに関する「レイヤ2確認応答障害」として知られる状況を示している。図5に示した例においては、MSがPSMM48を送信してBSによる確認応答を要求している。BSは、それを正確に受信できているが、図5に示したケースにおいては、そのBSの確認応答(ACK)46をMSが受信していない。MSは、再送信カウンタに従ってメッセージをN1m(=9)回再送した後、接続を終了する(打ち切る)。「レイヤ2確認応答障害」が生じたメッセージがPSMM48である場合、つまりMSが接続を維持するために必要とするパイロットに関する要求を含むメッセージである場合に、このタイプの障害が生じることは一般的である。
【0022】
図6は、CDMA無線ネットワークにおいて本発明を使用して回復が可能な第2の状況を示している。この状況は、この分野においては「順方向リンクフェード障害」として知られている。フェードは、受信信号パワーの減衰の期間である。この状況では、MSがN2m(=12)個の連続する不良フレーム50を受信し、それに対する応答として、その送信機52を停止させる。その後、N3m(=2)個の連続する良好フレームを、T5m(=5)秒後にフェードタイマがタイムアウトする前までに受信できなければ、MSは、接続54を打ち切る。MSがパイロットを候補セットに昇格し、PSMMの送信を必要としている期間、あるいはMSがPSMMを送信したが、まだハンドオフ指示メッセージを受信していない期間に、このタイプの障害が生じることは一般的である。
【0023】
「レイヤ2確認応答障害」および「順方向リンクフェード障害」は、過剰に高いフレームエラーレートまたは爆発的なエラーレートに起因して生じることがある。図7に図示されているように、チャネル58は、通常は持続時間が80ミリ秒のスロット60、つまりスーパーフレームに分割することができる。各スロットは、3つのフェーズ62に分けることができる。これらのフェーズには、0、1、および2の番号が付されている。それらのフェーズの上にオーバーラップする形で4つのフレーム64がある。これら4つのフレームは、スーパーフレームの境界で3つのフェーズとそろえられる。したがって、各フレーム64は、通常、20ミリ秒の長さになる。各フレーム64内には、ヘッダエリア66、何らかの信号情報68、およびおそらくは何らかのデータ70が含まれている。ここで、フレーム64が、異なる内容を持つことを理解する必要がある。あるフレームが信号およびデータを含み、別のフレームが信号のみを含み、さらに別のフレームがデータのみを含むということもある。各フレーム64が異なるデータレートを有することも許容され、データレートは、フレームごとを基準に変更することができる。例示のいくつかの通信標準においては、4つのレートが存在する:すなわち、1/1、1/2、1/4、および1/8である。したがって、たとえば音声アクティビティがない場合には、1/8フレームレートを用いて情報を送信することができ、これは、より遅いレートを用いて情報を伝達すれば必要な電力または帯域幅がより低く抑えられることから有利である。
【0024】
実用的な通信ネットワークにおいては、ゼロパーセントのエラーレート(つまり、すべてのフレームが適正に受信されること)を目標とすることが現実的でも、また望ましいことでもない。むしろ、たとえば1パーセントのエラーレートが目標とされる。パワーコントロールループは、実際にこのフレームエラーレートをコントロールしている。この例の場合、フレームエラーレートが上昇して1パーセントを超えると、パワーコントロールループが、MSによって送信される信号のパワーを増加し、その結果、フレームエラーレートが約1パーセントまで減少する。これに対して、フレームエラーレートが1パーセントより小さい場合には、パワーコントロールループが、送信パワーを下げて電力を節約し、フレームエラーレートが1パーセントまで上昇することを許容する。したがってBSは、MSが特定のエリア内を移動する間、あるいは他のタイプの混信が発生または終了するとき、コンフィグレーションメッセージ内のパワーコントロールビットを介して継続的に、エラーレートを約1パーセントに維持するため種々のパワーレベルにおいて送信するようにMSに対して指示を与える。MSは、通常、BSによって推奨されているパワーレベルを尊守する。それに加えて、BSが、特定のチャネルに関するその送信パワーを変更することもできる。つまり、BSおよびMSはともに、継続的に、他方のパワーレベルを変更するために互いにフィードバックを与えることができる。しかしながら、BSが、MSからのフィードバックに基づいて、その送信機のパワーレベルの変更を必ずしも行う必要はない。
【0025】
上記のパワーコントロールループにもかかわらず、セルラネットワーク内をMSが動き回り、物理的な障害、隣接チャネルからの混信、およびセクタのエッジ近傍の場所に起因する信号強度ならびに信号品質における変動を経験しているときには、エラーレートを約1%にコントロールできなくなることがあり、エラーレートが許容不能なレベルに上昇すれば、接続の打ち切りが問題化する。
【0026】
(救済手続)
逆方向リンクを基礎とする救済手続または接続の再スタートは、以前からすでに提案されている。通常の逆方向リンクベースの救済手続においては、MSが救済チャネルを送信し、その一方で、通信ネットワークが、1ないしは複数のセクタを使用して救済チャネルの復調を試みる。しかしながら、提案されている接続の再スタートを基礎とする救済手続は、ランダムアクセスチャネルを使用し、MSがプロービングを行うことから多くの電力を必要とするだけでなく、大量の混信を導く。それに加えて、提案されている逆方向リンクベースの救済手続は、順方向フェード状態の間に限って起動され、BSに先行してMSが送信することから不完全であり、後に説明する理由から効率も低い。
【0027】
逆方向リンクベースの救済手続によって示される不完全さを克服するために、順方向リンクベースの救済手続が提案されている。そのような順方向リンクをベースとする救済手続の一例は、2001年10月16日に出願された米国特許出願第09/978,974号の「Forward Link Based Rescue Channel Method and Apparatus for Telecommunication Systems(遠距離通信システムのための順方向ベース救済チャネル方法及び装置)」に開示されており、それは、遠距離通信システムにおいてMSと通信基盤との間の信号落ち及び接続の打ち切りを防止するための方法及び装置について説明している。ここで言う接続は、限定する意図ではないが、音声、マルチメディアビデオおよびオーディオストリーミング、パケット交換データおよび回路交換データコール、ショートメッセージシーケンスまたはデータバースト、およびページングを含む。ここでは包括的に「順方向救済手続」(FRP)と呼ばれる手続は、MSまたはBSにおいて、回復しなければ接続の打ち切りを招くことになる障害からのシステムの回復を可能にする。FRPを使用して克服可能な障害のシナリオの例には、順方向リンクのレイヤ2(L2)確認応答障害およびスレッショルド値を超える時間間隔にわたって信号落ちをもたらすフェードに起因する順方向リンク信号落ちが挙げられる。潜在的な接続の打ち切りの状況に応答して、MSは、打ち切りの危険にある接続を救済するために、自主的に、そのレーキ受信機のアクティブセットにBSパイロットチャネルを追加する。同時に、ネットワーク通信基盤は、FRPの間にMSによってモニタされる可能性の高い代替順方向リンクチャネル上において送信を開始する。同じチャネルがMSによってモニタされ、通信基盤によって送信に用いられるのであれば、打ち切りの危機にある接続を救済することが可能になる。
【0028】
一般的なFRPには、MSFRPが含まれ、また通信基盤FRPを含めることもできる。図8は、典型的な接続救済におけるMSFRPおよび通信基盤FRPの時間列の一例を示している。前述したように、MSFRPがすべての救済の中心となり、通信基盤FRPは、推奨されるが厳密に必要とはされない。
【0029】
MSFRPのトリガは、発生する障害の種類に依存する。レイヤ2障害の場合であれば、FRPが、確認応答を求めるメッセージの、多数回にわたる再送信の失敗に応答して起動される。順方向リンクフェード障害の場合には、スレッショルド値を超える時間間隔にわたって信号落ちが存在するときFRPが起動される(参照番号72を参照)。
【0030】
救済の試行が開始される時点において、MSがFRPタイマをスタートする(参照番号74を参照)。救済が完了する前にFRPタイマがタイムアウトすると、接続が打ち切られる。それに加えてMSは、救済の試行が開始された時点において、自身の送信機をオフにし、新しいアクティブセットを選択する(参照番号74を参照)。この実施態様においては、事実上MSが、それが送信したPSMM(1ないしは複数)に基づいてハンドオフ指示を仮定する(そのPSMMが実際に送信されたか否か、送信に成功したか否か、あるいは確認応答があったか否かによらない)。言い換えると、MSは、ハンドオフ指示なしに自発的にパイロットを「アクティブセット」に昇格させる(つまり、新しいアクティブセットは、古いアクティブセットと自発的に昇格させたアクティブパイロットの和集合になる:S”=S U S’)(参照番号76を参照)。その後MSは、救済チャネルをサーチするために、この新しい「アクティブセット」内の循環を開始する。前述したように、救済チャネルという用語は、各種の通信プロトコルによって使用されるチャネルを定義するための各種スキームを包含しているが、開示の簡素化を目的として、ここでは救済チャネルを、「仮コードチャネル」(ACC)(参照番号78を参照)と同一視する。
【0031】
すでに述べたが、通信基盤FRPは、推奨されてはいるが、ネットワーク内の各BSに厳密に必要とされてはいない。通信基盤FRPが実行される場合には(参照番号80を参照)、通信基盤(ネットワーク)は、ACCを送信することになるセクタを選択する。
【0032】
FRPの一実施態様においては、救済の間にわたりACCを介してゼロ(ブランク)データが送信される。そのほかの実施態様においては、ACCを介してデータが伝達されることもあるが、MSは、実際にそのACCを見つけて復調に成功する場合にもそのデータのヒアリングのみを行う。
【0033】
ある時点において、MSが、N3M個のACCの良好なフレームを見つけてその復調を行うと(参照番号82を参照)、その送信機をオンにし、そのBSに対する送信を開始する。MSおよびBSがともにあらかじめ決定された数の良好なフレームを受信すると、救済が完了し(参照番号84を参照)、BSは、そのMSをより永続的なチャネルに割り当てし直す。それに加えて、ネットワークが、たとえばオーバーヘッドを介してACCの再割り当てを行うこともできる。さらにBSは、「救済完了ハンドオフ」メッセージ86を送信することによって、MSのアクティブセットの再割り当てを行い、救済後のクリーンアップを行うことができるが、そのメッセージには、「汎用またはユニバーサルハンドオフ指示」メッセージ等のすでに存在するハンドオフメッセージを再使用することが可能である。順方向リンクベースの救済手続に関する更なる詳細については、2001年10月16日に出願された米国特許出願第09/978,974号の「Forward Link Based Rescue Channel Method and Apparatus for Telecommunication Systems(遠距離通信システムのための順方向ベース救済チャネル方法及び装置)」を参照されたい。
【0034】
しかしながら、上述したFRPは、一度に単一の接続を救済する手続を開示するのみである。したがって、打ち切りの危険にある複数の接続を同時に救済するためのメカニズムが必要とされている。
(発明の要約)
本発明の実施態様は、複数の接続が同時に切断しつつある時に、通信接続を打ち切りから救済する効果的かつ安全な手続を提供するものである。接続の同時救済は、順方向リンクおよび逆方向リンクベースの救済手続の両方に適用することができる。1つのアプローチにおいて、ネットワークは、複数のMSに救済コードを割り当て、その後、救済コードによって定義される救済チャネルを用いて同時救済が開始されることができる。衝突の機会を最小化するために、ネットワークは、可能な限り、救済が必要な複数のMSが異なる救済コードを使用することを保証しようと試みる。これは、多数の救済コードを持ち、複数のMSに戦略的に救済コードを割り当てたり、擬似ランダムに救済コードを割り当てたり(例えばESNベースのハッシュを使用する)すること等によって達成できる。
【0035】
本発明の一実施態様においては、1つのMSの接続が切断する各時点において、残りの複数のMSには、使用されていない救済コードが残りただ1つとなるまで、切断しているMSによって使用されていない複数の救済コードが等しく配分されるように割り当てられ、未使用の救済コードがただ1つとなったときには、残りの複数のすべてのMSにその1つの未使用の救済コードが割り当てられる。さらに、切断しつつあるMSが救済されたとき、その割り当てられた救済コードは、再び利用可能となり、この新しく利用可能となったリソースのために、救済コードの戦略的割り当てが改訂される。代替の実施態様においては、1つのMSの接続が切断する各時点において、その切断しているMSによって使用されていなかった救済コードの1つが、次に最も切断する可能性が高いMSに割り当てられ、残りの複数のMSに、切断しているMSによって使用されていなかった残りの救済コードが等しく配分されるように割り当てられる。使用されていなかった救済コードが残りただ1つであるときは、残りの複数のMSのすべてに、全ての救済コードが等しく配分されるように割り当てられる。
【0036】
その他の、相互に排他的ではないアプローチにおいて、ネットワークは、救済スロットを使用して、打ち切りの危険にある複数の接続を連続して救済することができる。この救済スロットアプローチにおいては、同時に複数の接続の切断が生じている場合の救済が連続して実施され、その結果、同時救済を事実上避けることができる。個々のMSは異なる救済スロットを選択し、もしくは割り当てられ、その異なる救済スロットにおいて救済が試みられる。救済スロットは、通常の救済期間に等しいものとして定義することができ、その結果、各救済スロットは、救済を実効あるものとするために十分な時間を提供することができる。あるいは、救済スロットは、救済を試行する間においてMSの送信期間に等しいものであっても良いし、もしくはMS送信期間よりも短いものであっても良い。
【0037】
ネットワークシステム時間は、救済サイクルと救済スロットに分割することができ、各MSは、救済サイクル内の特定の救済スロット割り当てられる。救済サイクルの長さおよびその救済サイクルに含まれる救済スロットの数は、特定の通信標準によって定義されるか、もしくは、オーバーヘッドメッセージを使用して構成することが可能である。すべてのMSは、それに割り当てられた救済スロットが発生する時を計算するために、同じシステム時間基準を使用し、それにより、救済を開始することができる。複数のMSは、同じ救済スロットに割り当てることが可能であることに注意すべきである。
(好ましい実施態様の詳細な説明)
好ましい実施態様の詳細な説明において、本出願の一部をなすとともに、本発明が実用化されえる特定の実施態様を図示した添付図面が参照される。ここで理解される必要があるが、本発明の好ましい実施態様の範囲から逸脱することなく、そのほかの実施態様が使用され、あるいは構造的な変更がなされることは可能である。さらに理解されたいことは、ここで述べられる説明は、説明のみを目的として基本的にCDMA通信プロトコルに言及しているが、本発明の実施態様は、そのほかの通信プロトコルならびにディジタル無線技術に広く適用可能であるということであり、限定する意図ではないが、それにはCDMA、TDMA、FDMA、GSM、GPRS等も含まれる。例えば、以下に述べる本発明の実施態様は、例証の目的のために、同時救済において使用される複数の救済チャネルを定義するための複数のコードを使用しているが、コードベースの同時救済は、複数の時間スロットが同時救済において使用される複数の救済チャネルを定義するTDMAベースの同時救済、複数の周波数帯が同時救済において使用される複数の救済チャネルを定義するFDMAベースの同時救済、及び他の複数のアクセス通信プロトコルを包含するものと理解されるべきである。
【0038】
(コードベースの同時救済)
打ち切りの危険にある複数の接続の同時救済は、順方向リンクおよび逆方向リンクベースの救済手続に適用することができる。本発明の一実施態様に従うコードベースアプローチにおいては、BSはあらゆる障害に先立って、複数のMSに複数の救済コードを送信することができ、その後、切断しつつある複数の接続の同時救済が、救済コードによって定義される異なる救済チャネルを使用して行なわれる。それらの救済コードは、複数のMSに戦略的に配分され、かつ複数のMSが同じ救済チャネルを使用して救済を試行する機会を最小にするために動的に変更される。順方向リンクにおいては、複数のウォルシュコードまたはQOFが複数の救済コードを定義する。逆方向リンクにおいては、複数のウォルシュコード、もしくはロングまたはショートコード(QOFの一種)も複数の救済コードを定義するために使用することができる。複数のロングコードは、通常、順方向リンクにおいて暗号化のために使用され、かつ逆方向リンクにおいてMSのチャネル分離のために使用される(つまり、各MSはそれ自身のロングコードを持つ)。
【0039】
図9は、本発明の一実施態様によるコードベース逆方向リンク同時救済88の例を示す。図9に例示したシステム環境においては、切断の危険にある全ての接続を検出することに先立って、MS1は、オーバーヘッドメッセージ90を介して救済チャネルとしてCODE1を使用するように指示され、MS2は、オーバーヘッドメッセージ92を介して救済チャネルとしてCODE2を使用するように指示される。任意の数の戦略を、複数のMSに複数の救済コード及び救済チャネルを割り当てることに用いることができる。衝突の機会を最小化するために、本発明の実施態様によるコードベース救済手続が、可能な限り、救済が必要な複数のMSが異なる救済コードを使用することを保証しようと試みる。これは、以下に詳細に論じられるように、多数の救済コードを持ち、複数のMSに戦略的に救済コードを割り当てたり、擬似ランダムに救済コードを割り当てたり(例えばESNベースのハッシュを使用する)すること等によって達成できる。しかしながら、コードスペース(利用可能なコードの数)及び実用上考慮すべき事項(例えば、チャネルが過度に近接して設けられた場合に生じる混信)が、任意の時点において利用可能な異なる救済チャネルの数を制限するように働く。あるいは、それらの救済コードは、標準において予め定義されたものであっても良い。
【0040】
MS1が接続が切断しつつあることを検出すると、CODE1を使用してBSに逆方向救済チャネル94を送信し、MS2が接続が切断しつつあることを検出すると、CODE2を使用してBSに逆方向救済チャネル96を送信する。図9の例においては、MS1及びMS2が、救済コードCODE1およびCODE2によって定義される異なる救済チャネルを使用することから、それらの送信は同時に行うことができる。ある時点において、BSはCODE1およびCODE2によって定義される救済チャネルの良好なフレームを所定の数だけ発見し、復調すると、MS1およびMS2に返送を開始する。一旦、MS1、MS2とBSとが所定の数の良好なフレームを受信すると、救済は完了し、接続は継続され、かつBSはMSに対してより永続的なチャネルを再度割り当てる。
【0041】
図10は、本発明の一実施態様によるコードベース順方向リンク同時救済98の例を示す。図10に例示したシステム環境においては、切断の危険にある全ての接続を検出することに先立って、MS1は、オーバーヘッドメッセージ100を介して救済チャネルとしてCODE1を使用するように指示され、MS2は、オーバーヘッドメッセージ102を介して救済チャネルとしてCODE2を使用するように指示される。この場合も、任意の数の戦略を、複数のMSに複数の救済コード及び救済チャネルを割り当てることに用いることができる。MS1が接続が切断しつつあることを検出すると、BSはCODE1を使用してMS1に順方向救済チャネル104を送信し、MS2が接続が切断しつつあることを検出すると、BSはCODE2を使用してMS2に順方向救済チャネル106を送信する。図10の例においては、それらが、救済コードCODE1およびCODE2によって定義される異なる救済チャネルを使用することから、それらの送信は同時に行うことができる。しかしながら、図9の逆方向リンクの救済におけるように、衝突の機会を最小化するために、本発明の実施態様は、可能な限り、救済が必要な複数のMSが異なる救済コードを使用することを保証しようと試みる。ある時点において、MS1およびMS2がCODE1およびCODE2によって定義される救済チャネルの良好なフレームを所定の数だけ発見し、復調すると、それぞれの送信機をオンして、BSに返送を開始する。一旦、MS1、MS2とBSとが所定の数の良好なフレームを受信すると、救済は完了し、接続は継続され、かつBSはより永続的なチャネルをMSに対して再度割り当てる。
【0042】
上述したように、切断の危険にあるMSは、逆方向リンクベースの救済手続の場合には、救済のためにいずれの救済コードを使用すべきかを知っている必要があり、順方向リンクベースの救済手続の場合には、いずれの救済チャネルを捜すべきかを知っている必要がある。本発明の一実施態様においては、切断に先立って、切断しつつある複数のMSが同じ救済チャネルを使用して救済を試みる可能性を最小化するために、救済コードが複数のMSに戦略的に割り当てられる。例示の簡略化のみを目的として、2つの救済コードCODE1およびCODE2のみが利用可能な一例としての実施態様においては、その2つの救済コードが、初期的には、ランダムかつ均等にすべてのMSに配分される。CODE1の救済コードが割り当てられた1つのMSの接続が切断しつつあることが検出されたならば、すべての他のMSにはCODE2が割り当てられる。そうすることによって、第1の切断しつつあるMSが救済される前に、第2のMSの切断が発生した場合に、その第2の切断しつつあるMSが、確実に、第1の切断しつつあるMSとは異なるコードを用いることができるようになる。しかしながら、この実施態様では、残りのMSのすべてに、CODE2が割り当てられたままとなるので、2つ以上のMSが同時に切断する場合には、それらのMSはすべてCODE2を使用しながら救済を試みることになる。この複数のコードの動的配分は、2つ以上の救済コードが利用可能である状況にも拡張することができる。概して、1つのMSが切断する各時点において、残りの複数のMSには、使用されていない救済コードが残りただ1つとなるまで、切断しつつあるMSによって使用されていない複数の救済コードが等しく配分されるように割り当てられ、未使用の救済コードが1つとなったときには、残りの複数のすべてのMSにその1つの未使用の救済コードが割り当てられる。さらに、切断しつつあるMSが救済されたとき、その割り当てられた救済コードは、再び利用可能となり、この新しく利用可能となったリソースのために、救済コードの戦略的割り当てが改訂される。
【0043】
代替の実施態様においては、CODE1の救済コードが割り当てられた1つのMSが切断しつつあることが検出された場合、CODE2が次に最も切断する可能性が高いMSに割り当てられ(以下に詳細に説明される)、他の複数のMSのすべてには、その2つの救済コードが50:50となる配分で割り当てられる。そうすることによって、第1の切断しつつあるMSが救済される前に、第2のMSの切断が発生した場合に、その第2の切断しつつあるMSが、第1の切断しつつあるMSとは異なるコードを使用する可能性を高めることができる。さらに、この実施態様では、残りの複数のMSのすべてに対して、CODE1およびCODE2を等しく割り当てたままにするので、2つ以上のMSが同時に切断する場合には、CODE1とCODE2を使用して救済を試行するMSがより等しく分布することになる。この複数のコードの動的配分は、2つ以上の救済コードが利用可能であり、切断する可能性があると判別された一連のMSに複数の救済コードを識別して割り当てる状況にも拡張することができる。概して、1つのMSが切断する各時点において、次に切断する可能性の高いMSに、切断しつつあるMSによって使用されていない1つの救済コードが割り当てられ、残りの複数のMSには、切断しつつあるMSによって使用されていない残りの複数の救済コードが等しく配分されるように割り当てられる。未使用の救済コードが残り1つであるときには、すべての救済コードが、残りの複数のMSのすべてに対して等しく配分されるように割り当てられる。さらに、切断しつつあるMSが救済されたとき、その割り当てられた救済コードは、再び利用可能となり、この新しく利用可能となったリソースのために、救済コードの戦略的割り当てが改訂される。上述した実施態様もまた、複数の切断しつつあるMSが同じ救済チャネルを使用して救済を試行する可能性を最小化することを試みるが、追加的に、切断する可能性の高い複数のMSに関して、経験的な証拠を考慮する。
【0044】
本発明の他の実施態様においては、ネットワークが各MSにいくつかの救済コードを含むリストを割り当てることができ、その場合、MSは、救済コードの1つを選ぶために、ハッシング機能や他の選択手法を実行する。ネットワークは、MSによって実際に選ばれた救済コードを識別するために、同じハッシング機能や選択手法を実行する。
【0045】
次に切断する可能性が最も高いMSを判別するために、BSは、各MSから受信されたPSMMに基づいて、最も弱い信号を受信しているMSを識別することができる。もしくは、BSは、MSから受信されたPSMMにおいて、切断しつつあるMSと同じパイロットエネルギーのタイプやパターンを通知しているMSを識別することもできる。そのようなMSは切断しつつあるMSと同じ位置にあるかもしれないし、もしくは、そのMSと同じ種類の通信障害を経験しているかもしれず、それゆえ、近い将来において切断する可能性がある。別の実施態様においては、各MSが位置特定能力を備えているならば、切断しつつあるMSと同じエリアにいるMSが次に切断する可能性が最も高いものとして識別することもできる。
【0046】
また、順方向リンクフェード障害もしくはL2確認応答障害(2001年10月16日に出願された米国特許出願第09/978,974号の「Forward Link Based Rescue Channel Method and Apparatus for Telecommunication Systems(遠距離通信システムのための順方向ベース救済チャネル方法及び装置)」に説明されている)に関して複数のMSをモニタしている間に、BSは、救済手続を開始するトリガとしては十分ではないが、特定のMSから複数の不良フレームを受信したことを検出するかもしれない。その種のMSは、次に最も切断する可能性が高いMSとして識別することができる。もしくは、BSは、救済手続を開始するトリガとしては十分ではないが、複数回のメッセージの再送信を行った後に、MSから適切な確認応答を受信しないことを検出することも可能である。
【0047】
さらなる実施態様においては、複数の不良フレームを送信し(ただし、救済手続を開始するトリガとしては十分ではない)、かつ特定の位置にいるMSを識別する等、複数の要素を組み合わせて使用することができる。次に切断する可能性が最も高いMSを識別することを含む上述した例の多くの変形例が、本発明の範囲に属することは、この混成の実施態様の説明から明らかである。
【0048】
本発明の他の実施態様においては、各MSが位置特定能力を備えているならば、MSの位置を考慮して、救済コードを戦略的に割り当てることができる。複数の救済コードは、初期的には、ネットワーク内の各MSの位置に基づいて均等に割り当てられる。救済コードの戦略的割り当てに位置を組み込むさらなる実施態様が、図11に図示され、それにおいて、例示の簡略化のみを目的として、2つの救済コードCODE1およびCODE2のみが利用可能となっている。図11において、いくつかのMSが領域108においてBSに接近した位置にあり、他の複数のMSが領域110においてセクタの周辺部に位置している。初期的には、2つの救済コードがランダムにもしくは等しく配分されるように、領域108,110に位置する各MSに割り当てられる。領域110内の複数のMSは、切断する高い可能性を持つので、領域110に渡って等しく救済コードを配分することによって、領域110内の2つのMSが切断した場合に、それらに異なる救済コードが割り当てられる機会を増やすことができる。さらに、領域110において、CODE1の救済コードが割り当てられた1つのMSが切断しつつあることが検出された場合、領域110内の残りの複数のMSには、それらも切断の候補であるため、CODE2が割り当てられ、一方、領域108内の各MSには、それらが切断する可能性は低いため、CODE1が割り当てられる。
【0049】
さらなる実施態様においては、救済コードに対するMSの割り当てが、MSの優先度に基づくものであっても良い。例えば、国家公務員やより高いサービス料金を支払っているユーザが、救済コードに関するより高い優先度が与えられても良いし、もしくは他のMSには割り当てられない救済コードが与えられても良い。割り当ては、接続の種類(音声、データ、パケットデータ等)、複数のMSが過去に切断した順序、またはMSが救済に成功する可能性に基づくものであっても良い。MSが救済に成功する可能性を判定する際、ネットワークは、過去の救済の頻度やタイミング、ならびに弱い接続を示唆する不良フレームの受信等の他の指標を考慮しても良い。
【0050】
上記の論述より、すべて、2つの切断しつつあるMSが同じ救済チャネル上において救済を試みる機会を最小化することに向けられた、救済コードの戦略的割り当て及び位置の割り当てを含む上述した例の多くの変形例が本発明の範囲に属することが明らかである。
【0051】
(救済スロットベースの同時救済)
上述したコードベーススキームに対して相互に排他的ではない、本発明の別の実施態様においては、ネットワークは、複数の救済スロットを使用して打ち切られる危険のある接続を連続的に救済することができる。この救済スロットアプローチにおいては、複数の接続の切断が同時に起こった場合、同時期の救済が実際に避けられるように、その救済が連続的に行われる。それにもかかわらず、切断が同時もしくは同時に近いタイミングで生じるため、このアプローチが、ここでは「同時」救済アプローチと呼ばれる。救済スロットを用いることなく同時救済を試行する際の不利益を説明する目的のために、図12に、救済スロットを使用しない連続的な逆方向リンクベースの救済の概観を示す。図12において、MS1が時刻112において切断しつつあることが検出され、MS2が時刻114において切断しつつあることが検出される。MS1とMS2とがともに救済チャネルを送信している期間120の後に、MS1は時刻116において救済され、MS2は時刻118において救済される。図12は、複数のMSが同じ時期に同じ救済チャネルを送信しようとするオーバーラップ120を図示しており、これは救済を妨げる可能性がある混信を生じさせる。そのような状況は、ピーク使用時間の間もしくは同じ場所(近接した位置)にいる場合に、複数のMSが同じ通信状態を経験することによって、接続の打ち切りが同時に発生しえるし、また同一のBSも接続の救済を行うことが必要とされるので、起こりえないことではないことを理解すべきである。この送信のオーバーラップは、順方向リンクベースの救済手続においては発生することがない。それは、ネットワークが、一度にただ1つのMSが救済されるように、救済チャネルの送信を連続して行うことができるためである。
【0052】
本発明の実施態様は、救済スロットを使用することによって、上述した連続的な救済スキームに関して改善するものである。救済スロットアプローチにおいては、個々のMSが救済を試行するための異なる救済スロットを選ぶか、もしくは割り当てられる。図13は、本発明の実施態様による救済スロットベースの同時救済スキームの基本コンセプトを示すものである。順方向リンクベースの救済122のため、各救済スロット124において、BSが異なるMS(例えば、MS1,MS2,等)に1つの救済チャネル(例えばCH1)を送信する。逆方向リンクベースの救済126のため、救済サイクル130内の各救済スロット128において、異なるMS(例えば、MS1,MS2,等)が同一のBSに対して1つの救済チャネル(例えばCH1)を送信する。代替の実施態様においては、複数のMSに割り当てられた複数の救済チャネルが各救済スロットにおいて送信されても良い。
【0053】
救済スロットアプローチにおいては、複数のMSとネットワークとがいくつかの所定の時間基準に応じて動作することが必要である。複数のBSと複数のMSは、変調コードタイミング、チャネルタイミング、スロットタイミング等を定義する、複数の参照ポイントを持つシステム時間と呼ばれる共通の時間フレームに基づいて動作する。図14に示されるシステム時間の一例においては、ページングチャネル132が80msのスーパーフレーム134に分けられ、各スーパーフレームが4個の20msのフレーム136を含む。そのスーパーフレームは、3個のフェーズ138にも分けられる。各スーパーフレーム134はページングサイクル142内のページングスロット140の一部である。ページングサイクル内のページングスロットに対するMSの実際の割り当ては、MSのESNおよび他のパラメータに基づくハッシングによる式によって定義することができ、それゆえ、擬似ランダムとなる。複数のMSが同じページングスロットに割り当てられるかもしれないことに注意すべきである。スロットサイクルインデックスによって定義されるように、ページングスロットは予測しえる間隔で繰り返される。各ページングスロットの間、そのページングスロットに割り当てられたアイドル状態のMSは、「目覚め」て、ページのようなそのMSに向けられたメッセージを探す。
【0054】
本発明の実施態様においては、システム時間は、同様に、救済サイクルと救済スロットとに分割され、そこにおいて、各MSは救済サイクル内において特定の救済スロットに割り当てられる。救済サイクルの長さおよび救済サイクルにおける救済スロットの数は、特定の通信標準によって定義されるか、もしくは、負荷状況に適応するようにオーバーヘッドメッセージを使用して構成することができる。すべてのMSは、同じシステム時間基準を使用して、それに割り当てられたスロットが発生するときを計算することにより、救済を開始することができる。
【0055】
救済サイクル内の救済スロットに対するMSの実際の割り当ては、MSのESNおよび他のパラメータに基づくハッシングによる式によって定義することができ、それゆえ、擬似ランダムとなる。複数のMSが同じ救済スロットに割り当てられるかもしれないことに注意すべきである。他の実施態様においては、救済スロットに対するMSの割り当ては、図11を参照して論述された位置に基づく救済コードに対するMSの割り当てと同様に、MSの位置に基づくものであっても良い。さらなる実施態様においては、救済スロットに対するMSの割り当ては、MSの優先度に基づくものであっても良い。例えば国家公務員やより高いサービス料金を支払っているユーザが、救済スロットに関するより高い優先度が与えられても良いし、もしくは他のMSには割り当てられない救済コードが与えられても良い。割り当ては、接続の種類(音声、データ、パケットデータ等)、複数のMSが過去に切断した順序、またはMSが救済に成功する可能性に基づくものであっても良い。MSが救済に成功する可能性を判定する際、ネットワークは、過去の救済の頻度やタイミング、ならびに弱い接続を示唆する不良フレームの受信等の他の指標を考慮しても良い。
【0056】
このように、救済スロット同時救済アプローチにおいては、順方向リンクフェード障害のL2確認応答が生じたとき、もしくはFRPが起動されたときに、必ずしも救済が開始されない。一旦、MSが救済スロットに割り当てられた後は、いつ障害が検出されたかとは関係なく、そのMSは、割り当てられた救済スロットの間においてのみ救済されえる。例えば、図15に示されるように、障害が時刻146において検出された場合、MSは、救済が時刻150において完了されるまで、時間間隔148だけ待機しなければならない。しかしながら、引き続く障害が時刻152において検出された場合には、救済が時刻156にて完了されるまで、MSは時間間隔154だけ待機しなければならない。ここで、本例においては、時間間隔154>時間間隔148である。その遅れは、救済サイクル全体からスロット時間164を減算した時間よりも長くないことに注意すべきである。
【0057】
救済スロットアプローチにおいては、任意の数のスロットをMSへの割り当てのために利用可能とすることができる。スロットの数は、スーパーフレーム内のスロット、もしくはシステム時間における他の予め定義された時間の境界に制限されない。1つの実施態様において、救済サイクルは、ページングチャネルサイクルに関するページングチャネルフレームに関連付けられ、そのページングチャネルサイクルは、長さが数分あり、それゆえ多数のスロットが救済サイクル内において利用可能となる。しかしながら、あまりにも多数のスロットが利用可能であると、MSが救済される順番が回ってくるまでに非常に長い時間待機しなければならなくなる。逆に、非常に少ないスロットしか利用可能でない場合には、救済が必要な複数のMSが同じスロットに割り当てられる可能性が高くなってしまう。そのため、さらなる実施形態では、救済サイクル、MSの数、任意の時間において切断しそうなMSの数等を考慮し、救済待機時間と救済が必要な複数のMSが同じスロットに割り当てられる可能性をともに最小化する救済スロットの数を経験的に決定する。
【0058】
本発明の一実施態様においては、スロットが通常の救済期間に等しく定義されることができ、その結果、各救済スロットは、救済を実効あらしめるのに十分な時間を提供する。あるいは、救済スロットは、救済の試行の間の、MSもしくはBSの送信期間(救済手続が逆方向リンクベースか順方向リンクベースかに依存する)に等しくすることができる。MSもしくはBSの送信期間は、救済のための期間よりも短いので、各救済スロットは、救済が完了されるための十分な時間を提供することができない。しかしながら、救済スロットをMSもしくはBSの送信期間に等しくなるように設定することによって、同時送信が避けられ、それにより、複数のMSが同時に送信を行うことに関連して生じる混信の問題を取り除くことができる。
【0059】
図16に示された本発明のさらなる実施態様においては、各救済スロット158は、救済の試行の間、MSの送信期間162よりも短くされることができる。これは、オーバーラップする送信164を発生させるが、1つの救済サイクル内においてより多くのスロットが存在することを許容するものである。送信のオーバーラップによってさえ、ネットワークは、ただ1つのMSが救済のために送信することが可能な時間間隔160を備えており、そこにおいてBSは、その特定のMSに対してのみ応答することが必要となる。この実施態様では、送信のオーバーラップおよび混信が生じるかもしれないが、より多くの救済スロット158があるため、2つの切断しつつあるMSが同じもしくは近隣の救済スロットに割り当てられ、かつこの送信オーバーラップにめぐり合う機会をより低減することができる。逆に、救済スロットとオーバーラップの数が減少するにつれて、2つの切断しつつあるMSが同じもしくは近隣の救済スロットに割り当てられ、そこでの混信が生じ易くなる機会が増加する。そのため、スロットの数、スロットの期間、及び送信オーバーラップの機会の間には、トレードオフが存在する。
【0060】
以下の論述は、本発明の一実施態様に従って、救済スロットがいかにしてネットワークによって特定のMSに割り当てられるかの一例に関してのものである。特定のMSに割り当てられた救済チャネルのスロットCR_SLOTは、次の数式1のように定義される。
【0061】
【数1】
CR_SLOT=PG_SLOT mod CR_SLOTS
ここで、PG_SLOTはそのMSに割り当てられたページングスロットであり、CR_SLOTSは救済スロットの総数である。数式1は、PG_SLOT≧CR_SLOTSであると想定する。ネットワークは、CR_SLOTSを救済スロットの既知の総数に設定しても良いし、救済スロットの数を間接的に与える参照テーブルや演算式における入力を示す値に設定しても良い。例えば、8個の利用可能な救済スロット(CR_SLOTS=8)があり、MSのページングスロットが17個(PG_SLOT=17)であった場合、そのMSに関するCR_SLOTは1(救済スロット0〜7のスロット1)となる。本例においては、PG_SLOTがシステム時間に関する基準として使用されるが、システム時間に関する他の基準も使用できることを注意すべきである。特定のMSに割り当てられるように、救済チャネルスロットCR_SLOTを決定する一般式は、次の数式2に示すとおりである。
【0062】
【数2】
CR_SLOT=[t/C1+C2]mod CR_SLOTS
ここで、tは割り当てられたスロットにおけるシステム時間であり、C1がスロット時間であり、C2はオフセット要素である。
【0063】
本発明の一実施態様に従う図14のシステム時間の例を利用した一例としての救済チャネルスキームにおいて、救済の開始を遅延させる「救済遅延タイマー」が初期値CR_DELAY_TIME(フレーム内)に設定され、救済手続が開始されたときに、そのカウントを始める。救済は、救済遅延タイマーがその最終カウント値に達するまで禁止される。この例では、MSの救済待機時間の合計は、MSによって初期値(CR_DELAY_TIME×80+CR_SLOT_ALIGN×20)msに設定される。ここで、CR_SLOT_ALIGNは、システム時間tにおいてMSの割り当てられたスロットの次の出現に達するように、CR_DELAY_TIMEとは無関係に、MSが待機しなければならない最小数のフレームとなる。CR_SLOT_ALIGNの追加は、同時に接続が打ち切られるMSからの救済送信が高い確率をもって時間的にオフセットされることを確実にするものである。
【0064】
(混成の救済コード及び救済スロットベース同時救済)
上述したように、同時救済のための救済コードと救済スロットの実施態様は、相互に排他的なものではない。本発明の他の実施形態では、それら2つのスキームが組み合わされても良い。例えば、同じ救済スロットに割り当てられた2つの切断しつつあるMSが、それにもかかわらず、異なる救済コードに割り当てられている場合には、同時に救済されることができる。逆に、同じ救済コードに割り当てられた2つの切断しつつあるMSが、それにもかかわらず、異なる救済スロットに割り当てられている場合には、同時に救済されることができる。上述した、コードベース救済とスロットベース救済の特徴の種々の組合せは、本発明の範囲に属することを理解すべきである。
【0065】
同時救済手続が、一例としてのCDMAセルラーネットワークを用いながら説明されたが、打ち切りの危険にある接続の同時救済の基本コンセプトは、ページングシステム、衛星通信システム、コードレス電話システム、フリート通信システム等の他の無線プロトコルや技術に適用可能でありもしくは拡張可能である。ここで述べられたBSのコンセプトは、中継機または異なるアンテナのダイバーシティスキーム、コードレスの基地、衛星またはそのほかの電話等を包含している。ここで説明したMSのコンセプトは、ページャ、衛星電話、コードレス電話、フリート無線等を包含している。
【0066】
以上、本発明について、添付図面を参照し、その実施態様との関連において十分に説明してきたが、当業者にとっては各種の変更ならびに修正が明らかであることに注意が必要である。その種の変更ならびに修正は、付随する特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれると理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 無線通信システム内のセクタ間にわたり、異なる位置の間を動き回る移動局を図示している。
【図2】 無線通信システム内における移動局と基地局の間の通信リンクの一例を図示している。
【図3】 無線通信システム内において基地局から移動局へ通信されるオーバーヘッドメッセージを図示している。
【図4】 動き回っている移動局と通信する無線通信基盤を図示している。
【図5】 「レイヤ2確認応答障害」に起因して通信の打ち切りを招くことになる移動局と基地局の間におけるメッセージシーケンスを図示している。
【図6】 無線通信ネットワーク内において順方向リンクのフェードからもたらされる接続の打ち切りを表したタイムラインである。
【図7】 無線通信ネットワーク内における使用のための、3つのフェーズおよび4つのフレームに分割されるスーパーフレームのタイムラインである。
【図8】 「順方向救済手続き」が起動されたときの、その一実施態様のタイムラインである。
【図9】 本発明の一実施態様に従った同時コードベース逆方向リンク救済の一例を図示している。
【図10】 本発明の一実施態様に従った同時コードベース順方向リンク救済の一例を図示している。
【図11】 本発明の一実施態様に従った、救済コードの戦略的割り当てに位置がどのように組み込まれるかの一例を図示している。
【図12】 救済スロットを使用しない連続的な逆方向リンクベースの救済における送信のオーバーラップの一例を図示している。
【図13】 本発明の一実施態様に従ったスロットベースの同時救済スキームの基本コンセプトを図示している。
【図14】 本発明の一実施態様に従って、変調コードタイミング、チャネルタイミング、スロットタイミング等を定義する、複数の参照ポイントを持つシステム時間と呼ばれる共通の時間フレームを図示している。
【図15】 本発明の一実施態様に従い、時間スロット同時救済アプローチにおいて、いつ障害が検出されたかとは関係なく、MSが割り当てられた救済スロットの間においてのみ救済されえることを図示している。
【図16】 本発明の一実施態様に従い、時間スロット同時救済アプローチにおいて、各救済スロットが、MSの送信期間よりも短くされ、オーバーラップする送信を発生させることを図示している。

Claims (14)

  1. 複数の移動局(MS)との通信を可能とするための通信ネットワークにおいて、潜在的な接続の切断を持つ1ないしは複数の移動局(MS)を救済するための方法であって、
    初期的に複数の移動局(MS)に複数の救済コードを等しく配分するように割り当てることによって、潜在的な接続の切断に直面する前に、複数の移動局(MS)に複数の救済コードを割り当て、
    潜在的な接続の切断を検出し、
    1つの移動局(MS)が潜在的な接続の切断を持つとして検出された各時点において、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)に、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)に割り当てられていない1つの救済コードを割り当て、その後、すべての残りの非切断の移動局(MS)に、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)および次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)に割り当てられていない複数の救済コードを等しく配分するように割り当て、
    潜在的な接続の切断を持つ各移動局(MS)、その移動局(MS)に割り当てられた救済コードによって定義される救済チャネルを送信し、
    ネットワークにおいて、潜在的な接続の切断を持つ各移動局(MS)によって送信される救済チャネルをサーチし、そして、
    ネットワークによって受信された各救済チャネルにより、その救済チャネルを送信した移動局(MS)との接続を継続することを含む方法。
  2. さらに、移動局(MS)との接続を継続することによって移動局(MS)が救済される各時点において、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を除くすべての残りの非切断の移動局(MS)に、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)および次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)に割り当てられていない複数の救済コードを等しく配分するように再割り当てを行うとともに、その等しい分配には、救済された移動局(MS)に割り当てられる救済コードを含む請求項1記載の方法。
  3. さらに、ネットワークから最も弱い信号を受信している非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項1記載の方法。
  4. さらに、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)と類似のパイロットエネルギーのパターンをもつ非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項1記載の方法。
  5. さらに、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)と同じエリア内に位置する非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項1記載の方法。
  6. さらに、そこから所定数の不良フレームが受信された非接続の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項1記載の方法。
  7. さらに、所定数の再送信メッセージがネットワークによって送信された後に、そこから適切な確認応答が受信されない非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項1記載の方法。
  8. 複数の移動局(MS)との通信を可能とするための通信ネットワークにおいて、潜在的な接続の切断を持つ1ないしは複数の移動局(MS)を救済するための方法であって、
    初期的に複数の移動局(MS)に複数の救済コードを等しく配分するように割り当てることによって、潜在的な接続の切断に直面する前に、複数の移動局(MS)に複数の救済コードを割り当て、
    潜在的な接続の切断を検出し、
    1つの移動局(MS)が潜在的な接続の切断を持つとして検出された各時点において、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)に、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)に割り当てられていない1つの救済コードを割り当て、その後、すべての残りの非切断の移動局(MS)に、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)および次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)に割り当てられていない複数の救済コードを等しく配分するように割り当て、
    潜在的な接続の切断を持つ各移動局(MS)に割り当てられる救済コードによって各救済チャネルを定義し、潜在的な接続の切断を持つ各移動局(MS)に対してネットワークから救済チャネルを送信し、
    潜在的な接続の切断を持つ各移動局(MS)において、その移動局(MS)に割り当てられた救済コードによって定義される救済チャネルをサーチし、そして、
    その救済チャネルが発見されたとき、接続を継続することを含む方法。
  9. さらに、移動局(MS)との接続を継続することによって移動局(MS)が救済される各時点において、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を除くすべての残りの非切断の移動局(MS)に、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)および次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)に割り当てられていない複数の救済コードを等しく配分するように再割り当てを行うとともに、その等しい分配には、救済された移動局(MS)に割り当てられる救済コードを含む請求項8記載の方法。
  10. さらに、ネットワークから最も弱い信号を受信している非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項8記載の方法。
  11. さらに、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)と類似のパイロットエネルギーのパターンをもつ非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項8記載の方法。
  12. さらに、潜在的な接続の切断を持つとして検出された移動局(MS)と同じエリア内に位置する非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項8記載の方法。
  13. さらに、そこから所定数の不良フレームが受信された非接続の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項8記載の方法。
  14. さらに、所定数の再送信メッセージがネットワークによって送信された後に、そこから適切な確認応答が受信されない非切断の移動局(MS)を識別することによって、次に最も切断する可能性が高い移動局(MS)を決定することを含む請求項8記載の方法。
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